JPH08119582A - 作業車両の転倒警報装置及び転倒防止方法 - Google Patents

作業車両の転倒警報装置及び転倒防止方法

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JPH08119582A
JPH08119582A JP28610594A JP28610594A JPH08119582A JP H08119582 A JPH08119582 A JP H08119582A JP 28610594 A JP28610594 A JP 28610594A JP 28610594 A JP28610594 A JP 28610594A JP H08119582 A JPH08119582 A JP H08119582A
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雅通 上田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業条件に適合する転倒防止判断基準を容易
に求め、かつ実作業中に刻々と変化する作業条件に対し
ても変化に追従しながら前記判断基準を求めることがで
き、的確に転倒防止ができる作業車両の転倒警報装置及
び転倒防止方法を提供する。 【構成】 作業状態検出手段16と車体フレーム傾斜角
検出器42と定格モーメント演算手段25とを具えてい
て、作業中の傾斜角が所定値以上になったとき警報を出
す作業車両の転倒警報装置において、初期値記憶手段3
0と、現在の作業状態における定格モーメント時車体傾
斜角の傾斜角初期値からの変化量を演算する定格モーメ
ント時車体傾斜角演算手段40と、前記傾斜角初期値か
らの作業中の傾斜角の変化量が前記定格モーメント時車
体傾斜角変化量より所定値以上大きくなったとき、警報
信号を出力する比較判定手段50とを具えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上部旋回体にブームを
有する移動式クレーン等の作業車両における転倒警報装
置及び転倒防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は、例えばトラッククレーンのよう
な移動式クレーンの外観図を表している。このような移
動式クレーンにおいては、クレーン作業時の荷重によっ
てブーム75にかかる負荷モーメントが車体を傾斜さ
せ、この負荷モーメントが大きくなり過ぎたときに車両
が転倒することがある。よって通常は、作業時の車体転
倒を防止するために、アウトリガー71a〜71dを車
体前後部の左右4ヵ所に備えている。クレーン作業時の
前記負荷モーメントが車体を傾斜させるときに、このア
ウトリガーに地面からの反力によって逆のモーメントが
働き、これが前記負荷モーメントに打ち勝って車体を安
定に保つものである。
【0003】アウトリガーを車体側方に張り出す長さ
(張出幅)を大きくすると、上記地面からの反力による
モーメントが大きくなるので、前記荷重による負荷モー
メントの許容値を大きくできる。よってこの場合は、作
業半径も広くとれるし、同じ作業半径では定格荷重が大
きくなるので、作業を大変やり易くなる。このため作業
者は、実荷重の吊り上げに必要な作業半径と定格荷重が
得られるように、作業開始前にアウトリガー設置を行
う。
【0004】このアウトリガー設置は、アウトリガー7
1a〜71dを張り出し、次にアウトリガージャッキ7
3a〜73dを地面に向かって伸長してフロート72a
〜72dを接地させ、十分な反力を得るのである。そし
て、アウトリガージャッキ73a〜73dを伸縮させて
アウトリガー71a〜71dの高さを調整し、車体フレ
ーム70が水平になるようにする。こうして、車体が安
定した状態に設置され、作業が可能となる。
【0005】しかし、上記の如くアウトリガー設置を行
った状態での作業でも、定格以上の荷重を吊り上げよう
としたり、また定格以内の荷重を吊り上げたまま許容さ
れる作業半径から逸脱する領域にブームを動かしたりし
た場合は、定格以上のモーメントがかかって車体の傾斜
が大きくなり、車体転倒の危険性が生じてくる。また、
アウトリガー設置した地盤が緩かったために、前記地面
からの反力が十分に得られず、作業中に車体の傾斜が大
きくなって転倒することもある。また一方、作業現場の
環境や条件によっては、アウトリガーの張出幅を十分に
大きくできない場合や、アウトリガー設置をできずにオ
ンタイヤ状態(アウトリガー設置を行わない)で作業す
る場合も多い。このような場合は、さらに車両転倒の危
険性が大きくなる。
【0006】これまでに上記の如き車両転倒を防止する
装置及び方法が、いくつか提案されている。第一の従来
技術としては、現在の作業におけるアウトリガー張り出
し状態及び作業半径の関係から許容される定格荷重を求
めて、現在の実負荷及びその実負荷に許容される作業半
径との比較を行い、この大小関係で過負荷状態を判断す
る過負荷防止装置及び方法が提案されている。これによ
ると、アウトリガー設置で車体が水平になっていること
を前提として、現在のアウトリガー張り出し状態が最大
あるいは最小とした場合の許容される定格モーメントの
関係より、作業半径に対する定格荷重を設定している。
そして、実負荷が現作業条件での定格荷重より大きくな
った場合、または実負荷で現作業条件での許容される作
業半径から逸脱した場合は、過負荷と判断して警報を発
生し、クレーン作業を自動停止させている。
【0007】また同じく第二の従来技術として、実開平
03−46493では、車体傾斜状態の比較基準とすべ
き状態に車体を設置して、このときの車体傾斜状態検出
手段からの出力値を記憶し、作業時に前記車体傾斜状態
検出手段からの出力値が前記予め記憶した車体傾斜状態
記憶値に対して所定値以上変動した場合は警報を発生す
る、傾斜警報装置を提案している。この提案によれば、
転倒限界の判断基準となる状態に車体を設置して、この
状態での傾斜状態例えば車体傾斜角を記憶し、この車体
傾斜角記憶値からの変動が予め決めた限界値以上になっ
たとき、車両転倒の危険性があると判断している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の第一の
従来技術においては、以下のような問題が発生してい
る。車体傾斜状態を決定する要因の一つである車体剛性
は、車体フレーム70、アウトリガー71a〜71d、
及びオンタイヤ状態ではタイヤも含めて、各剛性を合わ
せたものとして考えられる。すなわち車体剛性は、オン
タイヤ作業かアウトリガー作業か、またアウトリガー作
業の場合は4ヶ所のアウトリガー張出幅の組み合わせ条
件等のクレーン設置状態と、ブーム75を含んだ上部旋
回体77の旋回位置に依存する。
【0009】よって、前記判断基準となる定格荷重及び
許容作業半径は、ブーム旋回位置やアウトリガー張り出
し状態の全ての条件を考慮して設定されなければならな
いが、現実的にはこの算出は困難である。このために通
常は前記判断基準を、各作業条件において余裕を持った
値に設定している。したがって実際の作業条件、すなわ
ちアウトリガー張り出し状態や作業時のブーム旋回位置
等によっては、過負荷状態までの余裕があり過ぎて、ク
レーンの能力を十分に出すことができなった。さらに、
この方式は地盤が固い状態での転倒警報には有効である
が、地盤の緩みがある状態では地面から十分な反力が得
られず、このため定格モーメントの範囲内であっても転
倒の可能性が有り、地盤沈下による転倒に対する警報に
は無効であった。
【0010】また、前述の第二の従来技術においても、
判断基準となる車体傾斜状態記憶値の限界変動量を、実
際の作業条件に適合させて設定する必要がある。すなわ
ち、前記第一の従来技術で述べたように、車体傾斜状態
は作業状態(例えばアウトリガー張り出し状態やブーム
旋回位置)に依存する。このために、実負荷モーメント
による車体傾斜状態の変動量は実際の作業状態によって
異なるので、前記限界変動量を全ての作業状態に適合す
るように設定しておく必要がある。しかしながら、判断
基準となる前記車体傾斜状態記憶値がどのような車体の
状態で記憶されるかは一義的に決まるものではなく、ま
た全ての作業状態を満たすほどの多くの限界変動量を予
め設定することは、現実的には非常に困難である。よっ
て、実際の作業状態に適合するような、的確な転倒防止
の判定をして警報を出すことは難しかった。
【0011】本発明は、上記課題を解決するために、全
ての作業条件に適合する転倒防止判断基準を容易に求め
ることができるとともに、実作業中にブームが旋回する
等により刻々と変化する作業条件に対しても変化に追従
しながら前記転倒防止判断基準を求めることができ、的
確に転倒防止ができる作業車両の転倒警報装置及び転倒
防止方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、現在の作業状態を検出する作業状態検出手段16
と、車体の傾斜角を検出する車体フレーム傾斜角検出器
42と、現在の作業状態において負荷することができる
定格モーメントを演算する定格モーメント演算手段25
とを具えていて、作業中の車体傾斜角が所定値以上にな
ったとき警報を出す作業車両の転倒警報装置において、
車体基準状態における前記車体フレーム傾斜角検出器4
2からの傾斜角を初期値として記憶する初期値記憶手段
30と、前記作業状態検出手段16及び定格モーメント
演算手段25からの信号を入力して、現在の作業状態に
おける定格モーメント時の車体傾斜角を演算する定格モ
ーメント時車体傾斜角演算手段40と、前記車体フレー
ム傾斜角検出器42からの傾斜角現在値、前記初期値記
憶手段30からの傾斜角初期値、及び前記定格モーメン
ト時車体傾斜角演算手段40からの定格モーメント時車
体傾斜角を入力し、前記傾斜角初期値からの前記傾斜角
現在値の変化量が、前記定格モーメント時車体傾斜角よ
り所定値以上大きくなったとき、警報信号を出力する比
較判定手段50とを具えている。
【0013】また、本発明に係わる第二の作業車両の転
倒警報装置は、現在の作業状態を検出する作業状態検出
手段16と、車体の傾斜角を検出する車体フレーム傾斜
角検出器42と、現在の作業状態における実負荷モーメ
ントを演算する実モーメント演算手段20とを具えてい
て、作業中の車体傾斜角が所定値以上になったとき警報
を出す作業車両の転倒警報装置において、車体基準状態
における前記車体フレーム傾斜角検出器42からの傾斜
角を初期値として記憶する初期値記憶手段30と、前記
作業状態検出手段16及び実モーメント演算手段20か
らの信号を入力して、現在の作業状態における実負荷モ
ーメント時の車体傾斜角を演算する実モーメント時車体
傾斜角演算手段41と、前記車体フレーム傾斜角検出器
42からの傾斜角現在値、前記初期値記憶手段30から
の傾斜角初期値、及び前記実モーメント時車体傾斜角演
算手段41からの実モーメント時車体傾斜角を入力し、
前記傾斜角初期値からの前記傾斜角現在値の変化量が、
前記実モーメント時車体傾斜角より所定値以上大きくな
ったとき、警報信号を出力する比較判定手段50とを具
えている。
【0014】さらに、本発明に係わる第三の作業車両の
転倒警報装置は、上部旋回体の旋回位置を検出する旋回
角検出器10と、車体の傾斜角を検出する車体フレーム
傾斜角検出器11と、現在の作業状態における実負荷モ
ーメントを演算する実モーメント演算手段20と、現在
の作業状態において負荷することができる定格モーメン
トを演算する定格モーメント演算手段25とを具えてい
て、作業中の車体傾斜角が所定値以上になったとき警報
を出す作業車両の転倒警報装置において、車体基準状態
における前記旋回角検出器10からの旋回角、前記車体
フレーム傾斜角検出器11からの傾斜角、及び前記実モ
ーメント演算手段20からの実負荷モーメントを初期値
として記憶する初期値記憶手段35と、前記初期値記憶
手段35からの初期値情報、旋回角検出器10からの旋
回角、車体フレーム傾斜角検出器11からの傾斜角現在
値、実モーメント演算手段20からの実負荷モーメン
ト、及び定格モーメント演算手段25からの定格モーメ
ントを入力して、現作業状態における定格モーメント時
の車体前後方向及び左右方向の傾斜角を演算する定格モ
ーメント時車体傾斜角演算手段45と、前記車体フレー
ム傾斜角検出器11からの傾斜角現在値より求めた車体
前後方向及び左右方向の傾斜角の内少なくともどちらか
一方が、前記定格モーメント時車体傾斜角演算手段45
からの定格モーメント時車体前後方向及び左右方向の傾
斜角よりそれぞれ所定値以上大きくなったとき、あるい
は/及び前記車体前後方向及び左右方向の傾斜角の内少
なくともどちらか一方が、それぞれ所定値より大きくな
ったとき、警報信号を出力する比較判定手段55とを具
えている。
【0015】
【作用】本発明に係わる第一及び第二の転倒警報装置で
は、車体傾斜角の変化量は負荷モーメントの変化量に比
例し、この比例定数が作業状態(オンタイヤ状態又はア
ウトリガー張り出し状態、あるいは/及び旋回位置)に
よって異なることに着目している。作業開始前の基準状
態での傾斜角を初期値として記憶し、作業時の実荷重に
よる傾斜角の前記初期値からの変化量を求める。と同時
に、同じ作業状態において定格モーメント相当がかかっ
た場合の車体傾斜角を、そのときの作業状態に適合した
比例定数より推定する。前記傾斜角変化量がこの推定傾
斜角より所定値以上大きくなったら、過負荷あるいは地
盤沈下転倒の警報を出す。また本発明に係わる第三の転
倒警報装置では、負荷モーメント及び車体傾斜角を車体
前後方向及び左右方向に分割すると各方向において、車
体傾斜角の変化量は負荷モーメントの変化量に比例する
ことに着目している。よって、作業開始前に基準状態に
おいて、車体前後方向及び左右方向の傾斜角と旋回角と
実負荷モーメントとを初期値として記憶し、さらに作業
時の実荷重による車体前後方向及び左右方向の傾斜角と
旋回角と実負荷モーメントとを現在値として求める。同
じ作業状態において定格モーメント相当がかかった場合
の車体前後方向及び左右方向の傾斜角を、そのときの旋
回位置考慮して傾斜角、旋回角及び実負荷モーメントの
それぞれの前記初期値と現在値とを基にして推定する。
傾斜角の現在値が推定値より所定値以上大きくなった
ら、あるいは傾斜角の現在値が所定値より大きくなった
ら、過負荷あるいは地盤沈下転倒の警報を出す。
【0016】
【実施例】以下に、本発明に係わる転倒警報装置及び転
倒限界判定方法の実施例を、図を参照して詳細に説明す
る。図1は、本発明に係わる第一実施例を表している転
倒警報装置のブロック図である。車体フレーム傾斜角検
出器42は、車体の傾斜状態を等価的にその傾斜状態で
表すことができる車体フレーム70に設けられた傾斜角
検出器であって、車体傾斜角を初期値記憶手段30及び
比較判定手段50へ出力する。この初期値記憶手段30
は、車体の基準状態において前記車体傾斜角を初期値と
して記憶し、比較判定手段50へ出力する。
【0017】定格モーメント演算手段25は、現在の作
業状態で負荷可能な定格モーメントを定格モーメント時
車体傾斜角演算手段40へ出力する。実モーメント演算
手段20は、現在の作業状態での実負荷モーメントを実
モーメント時車体傾斜角演算手段41へ出力する。作業
状態検出手段16は、現在の作業状態を表す信号を前記
定格モーメント時車体傾斜角演算手段40及び実モーメ
ント時車体傾斜角演算手段41へ出力する。
【0018】定格モーメント時車体傾斜角演算手段40
及び実モーメント時車体傾斜角演算手段41は、それぞ
れ定格モーメントがかかっている場合の車体傾斜角推定
値、及び現在の実負荷モーメントがかかっている場合の
車体傾斜角推定値を、比較判定手段50へ出力する。
【0019】比較判定手段50は、前記車体傾斜角初期
値と、現在の車体傾斜角と、定格モーメントがかかって
いる場合の車体傾斜角推定値と、及び現在の実負荷モー
メントがかかっている場合の車体傾斜角推定値とを比較
して、判定した結果の予報信号及び警報信号を出力す
る。
【0020】次に、本実施例の作動について説明する。
本実施例では、アウトリガー設置状態やブ−ム旋回位置
が一定の場合は、車体傾斜角の変化量はブーム旋回中心
軸回りの負荷モーメントに比例すると仮定している。ま
たアウトリガー設置状態やブ−ム旋回位置が異なる場合
は、この比例定数がそれぞれ異なっていると仮定してい
る。この仮定に基づく比例定数によって、定格モーメン
トや実負荷モーメントがかかったときの傾斜角の変化量
を推定して、実際の傾斜角変化量がこの推定された変化
量より所定値以上大きくなったら、各種の警報を出すよ
うにしている。この判定の初期値として、車体の基準状
態における傾斜角を考え、この初期値からの変化量によ
って判定する。
【0021】この場合の傾斜角の初期値としては、旋回
中心軸から特定の方向における傾斜角を選定すればよい
が、転倒防止に対する判定基準として最も安全で、かつ
モーメントの変動に対する感度が良いのは、車体フレー
ムが最大に傾斜している方向(図3に示す最大傾斜角方
向と呼ぶ)での傾斜角(最大傾斜角と呼ぶ)である。よ
って以下の説明では、車体フレームの最大傾斜角を判断
の対象としているが、上記のように他の傾斜角を対象に
しても本発明の主旨には関係しない。
【0022】尚、この最大傾斜角方向は図3に示すよう
に、ブーム旋回位置の方向とほぼ一致している。以後の
説明では分かり易くするために、最大傾斜角方向をブー
ム旋回位置の方向と見做している。
【0023】車体フレーム傾斜角検出器42は、前記判
断の対象となる傾斜角を検出する。前記最大傾斜角を検
出する場合は、例えば、図3に示している車体フレーム
の前後方向の傾斜角θp及び左右方向の傾斜角θrより
求めてもよい。最大傾斜角をθaとすると、下記数1に
基づいて求められる。
【0024】
【数1】θa=cos-1〔1/{(tanθp)2
(tanθr)2 +1}1/2
【0025】図5は、本実施例における転倒防止方法の
フローチャートを示しているが、以下の作動の説明では
このフローチャートの各ステップに対応させて行う。 (ステップ;S1)作業者は作業開始前に、オンタイヤ
作業を行うか又はアウトリガー作業を行うかを決定し、
アウトリガー作業の場合はアウトリガー設置を完了した
後、車体を基準状態に置く。この基準状態での傾斜角が
作業中の傾斜角との比較基準となり、これによって転倒
警報の判定を行う。
【0026】よって、この基準状態を極力実負荷モーメ
ントが小さい状態になるように選択する。このことは、
傾斜角に対するブーム自重でのモーメントの影響が小さ
くなる基準状態で傾斜角初期値を記憶し、作業中に実荷
重及び自重がかかっているときの実負荷モーメントによ
り、傾斜角初期値からどの程度変動するかを把握するた
めに、非常に重要なことである。そこで通常は、基準状
態として例えば、ブーム長可変のときはブーム長を最短
にし、ブーム起伏角=0度(水平)、ブーム旋回角=0
度(車両前方)で無負荷の状態を選択する。作業者が例
えば初期値記憶指令スイッチを操作すると、初期値記憶
手段30は基準状態での前記最大傾斜角を初期値θa0
として記憶する。
【0027】(ステップ;S2)実モーメント演算手段
20及び定格モーメント演算手段25は、現在の作業条
件における実負荷及び定格荷重によるモーメントを求め
ている。そして、このモーメントをブーム旋回中心軸回
りのモーメントに換算して演算している。
【0028】例えば、従来の過負荷防止装置等における
演算方法によると、フートピン76回りの負荷モーメン
トmaは下記数2により求められる。
【数2】ma=Fm × Yi ここで、Fmはブーム起伏シリンダ74のブーム上昇方
向の軸力であり、Yiはブーム起伏シリンダ74のフー
トピン76回りのモーメントアームを表している。(図
4に示す)
【0029】ブーム起伏シリンダ74の軸力Fmは、図
示していない起伏シリンダ圧検出器等から入力される起
伏シリンダ圧によって求めることができる。またフート
ピン76回りのモーメントアームYiは、例えばフート
ピン76、ブーム起伏シリンダロッド取り付けピン7
8、ブーム起伏シリンダチューブ取り付けピン79の位
置関係より求めることができる。
【0030】また、ブーム旋回中心軸回りのブーム自重
及び吊り荷重による実負荷モーメントMaは、例えば下
記数3により求められる。
【数3】Ma=RB × WB + R × Wa ここで図4の如く、WB はブーム自重、Waは吊り荷
重、RB は旋回中心軸とブーム重心位置との水平距離、
及びRは旋回中心軸と荷重作用点との水平距離(作業半
径)を表している。
【0031】RB やRは、ブーム起伏角、ブーム長、旋
回中心軸とフートピン76との水平距離RFT、及びブー
ム自重WB や吊り荷重Waによるモーメントとブーム起
伏シリンダ74の軸力Fmによるモーメントとの釣り合
い等の関係式より、求めることができる。
【0032】また吊り荷重Waは、例えば下記数4によ
り推定できる。
【数4】Wa=(ma − F0 × Yi)/Rf ここで、(F0 ×Yi)はブーム自重WB のみのフート
ピン76回りのモーメントであり、ブーム自重、ブーム
長及びブーム起伏角によって推定できる。また、maは
数2より求められ、Rfは図4の如くフートピン76と
荷重作用点との水平距離を表し、前記RFT及びRより求
められる。
【0033】このようにして、実モーメント演算手段2
0は、例えば数3によりブーム旋回中心軸回りのブーム
自重及び吊り荷重による現在の実負荷モーメントMaを
求めることができる。
【0034】また定格モーメント演算手段25は、現在
の作業状態において負荷できる最大の荷重(定格荷重W
R と呼ぶ)を例えば定格荷重テーブルから求める。この
定格荷重テーブルは、現在のアウトリガー張り出し状態
(例えば張り出し最大、中間、最小等に層別されてい
る)やオンタイヤ状態、及び作業半径に対して許容され
る定格荷重WR が求められるようになっている。
【0035】そして、定格モーメント演算手段25は、
例えば前記数3において吊り荷重Waを定格荷重WR
置き換えた下記数5により、ブーム旋回中心軸回りの定
格モーメントMR を演算できる。
【数5】MR =RB × WB + R × WR
【0036】車体フレーム傾斜角検出器42は、現在の
最大傾斜角θaを比較判定手段50へ出力する。
【0037】(ステップ;S3)さて、上記で求めたブ
ーム旋回中心軸回りの実負荷モーメントMa及び定格モ
ーメントがかっている時の、前記最大車体傾斜角を演算
するために、本実施例では前述の如く、最大車体傾斜角
はブーム旋回中心軸回りの負荷モーメントに比例すると
仮定している。本出願人は、この仮定を満足させる比例
定数を、色々な作業状態(オンタイヤ状態、アウトリガ
ー張り出し状態、旋回位置等)において実験的に求め
て、効果を確認している。この比例定数(正の定数)
は、車体の剛性を等価的に表しており、ここではモーメ
ントのコンプライアンスGと呼ぶ。
【0038】モーメントMがかかっている時の最大傾斜
角の、前記基準状態における無負荷での最大傾斜角初期
値θa0 からの変化量θを、下記数6にて表す。
【数6】θ=M × G
【0039】コンプライアンスGは、作業状態によって
変化するので、色々な作業状態に適合するように設定す
る必要がある。本実施例では、オンタイヤ状態やアウト
リガー張り出し状態等の作業状態を層別して、各状態に
おいて所定間隔毎の旋回角に対する最大傾斜角方向のコ
ンプライアンスGを定数テーブルとして記憶している。
【0040】また上記以外に、車体のコンプライアンス
を車体前後方向Gpと左右方向GRに分けて記憶し、下
記数7にて最大傾斜角変化量θを求めてもよい。
【数7】θ=cos -1[1/{(Gp×M cosφ)2 +(G
R ×M sinφ)2 +1}1/2] ここで、φは図3に示す上部旋回体の旋回角である。
尚、以下の説明では、数6により最大傾斜角変化量θを
求めている。
【0041】作業状態検出手段16は、車体の剛性に影
響を与えるような作業状態を表す信号、例えば上部旋回
体77の旋回角信号やアウトリガー設置状態を表す信号
等を、定格モーメント時車体傾斜角演算手段40及び実
モーメント時車体傾斜角演算手段41へ出力する。
【0042】定格モーメント時車体傾斜角演算手段40
は、前述の如く現在の作業状態に適合するコンプライア
ンスGを前記コンプライアンス定数テーブルに基づいて
求め、下記数8により前記定格モーメントMR がかかっ
ている時の最大車体傾斜角の、前記最大傾斜角初期値θ
a0 からの変化量θR を推定する。
【数8】θR =MR × G
【0043】この場合、現在の旋回角が前記定数テーブ
ルの中に設定された旋回角と一致しないときは、現在の
旋回角をはさんでいる両側の旋回角と、それぞれに対応
した両側のコンプライアンスGとの比例関係より、補間
してコンプライアンスGを求めてもよい。
【0044】実モーメント時車体傾斜角演算手段41
は、上記と同様に現在の作業状態に対するコンプライア
ンスGを前記コンプライアンス定数テーブルに基づいて
求め、下記数9により前記実負荷モーメントMaがかか
っている時の最大車体傾斜角の、前記最大傾斜角初期値
θa0 からの変化量θM を推定する。
【数9】θM =Ma × G
【0045】(ステップ;S4、S5)比較判定手段5
0は、前記現在の作業状態での最大傾斜角θaと、前記
最大傾斜角初期値θa0 とを入力して、その変化量すな
わち|θa−θa0 |((θa−θa0 )の絶対値)を
求める。
【0046】比較判定手段50は、この|θa−θa0
|が下記数10の如く前記実負荷モーメントMa時の最
大傾斜角の推定した変化量θM より所定値以上大きくな
った場合は、地盤沈下による転倒の危険性有りと判断し
て地盤沈下警報信号を出力する。
【数10】|θa−θa0 |≧θM +ψ ここで、ψは正で、最大傾斜角の変化量の地盤沈下所定
許容値である。
【0047】(ステップ;S6、S7)さらに、|θa
−θa0 |が下記数11の如く前記変化量θR より所定
値以上大きくなった場合は、過負荷による転倒の危険性
有りと判断して過負荷警報信号を出力する。
【数11】|θa−θa0 |≧θR +ξ ここで、ξは正で、最大傾斜角の変化量の過負荷所定許
容値である。
【0048】(ステップ;S8、S9)そして、|θa
−θa0 |が下記数12の如く前記定格モーメントMR
時の最大傾斜角の推定した変化量θR より大きくなった
ときは、現在の負荷モーメントが定格モーメントに達し
ていると判断して、過負荷転倒予報信号を出力する。
【数12】|θa−θa0 |≧θR
【0049】図2は、本発明に係わる第二実施例を表し
ている転倒警報装置のブロック図であり、以下、図に基
づいて詳細に説明する。車体フレーム傾斜角検出器11
は、傾斜角として車体前後方向及び左右方向の傾斜角を
検出し、初期値記憶手段35と、定格モーメント時車体
傾斜角演算手段45と、比較判定手段55とへ出力す
る。
【0050】定格モーメント演算手段25は、現在の作
業状態での定格モーメントを定格モーメント時車体傾斜
角演算手段45へ出力する。実モーメント演算手段20
は、現在の作業状態での実負荷モーメントを、初期値記
憶手段35及び定格モーメント時車体傾斜角演算手段4
5へ出力する。旋回角検出器10は、上部旋回体77の
旋回角を初期値記憶手段35及び前記定格モーメント時
車体傾斜角演算手段45へ出力する。初期値記憶手段3
5は、前記車体前後方向及び左右方向の傾斜角と、前記
旋回角と、前記実負荷モーメントとを初期値として記憶
し、定格モーメント時車体傾斜角演算手段45へ出力す
る。
【0051】定格モーメント時車体傾斜角演算手段45
は、現在の作業状態で定格モーメントがかかっている場
合の推定した車体前後方向及び左右方向の傾斜角を、比
較判定手段55へ出力する。比較判定手段55は、前記
現在の車体前後方向及び左右方向の傾斜角と、定格モー
メントがかかっている場合の推定した車体前後方向及び
左右方向の傾斜角とを比較して、判定した結果の警報信
号を出力する。
【0052】次に、本発明に係わる第二実施例の転倒警
報装置の作動を説明する。さて、実負荷モーメントがか
かっているときの車体傾斜角の前記初期値からの変化量
は、前記理由により、実負荷モーメントの前記初期値か
らの変化量に比例すると仮定している。本実施例では、
車体前後方向及び左右方向の傾斜角の変化量が、実負荷
モーメントの車体前後方向及び左右方向の成分の変化量
に比例していると仮定し、これに着目している。よって
車体フレーム傾斜角検出器11は、車体傾斜角を前後方
向と左右方向とに分割して検出している。
【0053】定格モーメント演算手段25、及び実モー
メント演算手段20は、それぞれ前述の第一実施例と同
じなので、説明は省く。旋回角検出器10は、図3にお
ける上部旋回体77の旋回角φを検出する。図7は、本
第二実施例における転倒防止方法を表すフローチャート
であるが、以下の説明ではこのフローチャートの各ステ
ップに対応させて行う。
【0054】(ステップ;S1)作業者は作業開始前
に、前述の第一実施例と同様に車体を基準状態に置き、
このときの各車体前後方向及び左右方向の傾斜角と、旋
回角と、実負荷モーメントとを、初期値記憶手段35に
初期値として記憶させるために、例えば初期値記憶指令
スイッチを操作する。本実施例においても前記理由によ
り、車体傾斜角に対してブーム自重によるモーメントの
影響が小さくなるように、基準状態を設置する方がよ
い。
【0055】(ステップ;S2)実モーメント演算手段
20は、現在の作業状態での実負荷モーメントMaを演
算し、定格モーメント演算手段25は、現在の作業状態
での定格モーメントMRを演算する。また、車体フレー
ム傾斜角検出器11は現在の車体前後方向の傾斜角θp
及び左右方向の傾斜角θrを、旋回角検出器10は現在
の旋回角φを定格モーメント時車体傾斜角演算手段45
へ出力する。
【0056】(ステップ;S3)図6に、負荷モーメン
トと車体傾斜角をそれぞれ前後方向及び左右方向の成分
に分割して、それぞれの方向での比例関係を表してい
る。尚ここでは、旋回角φは分かり易くするために、0
度(前方位置)から90度(右方直角方向)の範囲で考
えている。
【0057】車体フレームの剛性は上部旋回体の旋回位
置に依存しているが、旋回角一定とした場合は、車体フ
レーム剛性は一定と考えられる。一方荷を吊った状態で
旋回した場合、車体フレーム剛性は変化するが、傾斜角
及びモーメントの変化量としてそれぞれの前記初期値か
らの車体前後方向及び左右方向の成分の変化量を考える
ことにより、上記剛性の変化の影響を無くしている。
【0058】このことは、定格モーメント時車体傾斜角
演算手段45において下記数13及び数14により、現
在の作業状態における定格モーメント時相当の車体前後
方向の傾斜角θp’及び左右方向の傾斜角θr’を演算
することに反映されている。
【数13】
【数14】 ここで、θp0 は車体前後方向の傾斜角θpの初期値 θr0 は車体左右方向の傾斜角θrの初期値 M0 は実負荷モーメントMaの初期値 φ0 は旋回角の初期値 φ は現作業状態での旋回角 Ma は現作業状態での実負荷モーメント MR は現作業状態での定格モーメント である。
【0059】(ステップ;S4、S5)比較判定手段5
5は、現在の作業状態での車体前後方向の傾斜角θp及
び左右方向の傾斜角θrと、それぞれ定格モーメント時
相当の車体前後方向の傾斜角θp’及び左右方向の傾斜
角θr’とを比較する。下記数15及び数16の如く傾
斜角θp及び傾斜角θrの内少なくともどちらか一方
が、それぞれクレーン作業上許容できる所定角度より大
きくなった場合は、地盤沈下による転倒の危険性が有る
と判断できる。このとき、地盤沈下警報信号を出力す
る。
【数15】|θp|≧ε
【数16】|θr|≧δ ここで、εは正で、車体前後方向傾斜角の正の地盤沈下
所定許容値 δは正で、車体左右方向傾斜角の正の地盤沈下所定許容
【0060】(ステップ;S6、S7)下記数17及び
数18の如く傾斜角θp及び傾斜角θrの内少なくとも
どちらか一方が、それぞれ傾斜角θp’及び傾斜角θ
r’より所定値以上大きくなった場合は、過負荷による
転倒の危険性が有ると判断できる。このとき、過負荷警
報信号を出力する。
【数17】|θp−θp’|≧α
【数18】|θr−θr’|≧β ここで、αは正で、車体前後方向傾斜角の正の過負荷所
定許容値 βは正で、車体左右方向傾斜角の正の過負荷所定許容値
【0061】
【発明の効果】本発明に係わる作業車両の転倒警報装置
及び転倒限界判定方法によると、現在のアウトリガー張
り出し状態やブーム旋回位置等の作業条件に適合する転
倒限界判断基準の車体傾斜角を容易に求めることができ
るとともに、実作業中にブームが旋回する等により刻々
と変化する作業条件に対しても変化に追従しながら前記
転倒限界判断基準の車体傾斜角を求めることができるの
で、実際の負荷条件及び作業条件を考慮して過負荷警報
や地盤沈下警報を的確に発生でき、よって作業車両のク
レーン能力を最大限に使用しつつ転倒を未然に防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる第一実施例を表している転倒警
報装置のブロック図である。
【図2】本発明に係わる第二実施例を表している転倒警
報装置のブロック図である。
【図3】本発明に係わる第一実施例及び第二実施例の転
倒防止方法における、各傾斜角、最大傾斜角及び旋回角
を表している説明図である。
【図4】本発明に係わる第一実施例及び第二実施例の転
倒防止方法における、各荷重、ブーム自重、起伏シリン
ダ軸力の作用を示す説明図である。
【図5】本発明に係わる第一実施例の転倒防止方法を表
しているフローチャートである。
【図6】本発明に係わる第二実施例の転倒防止方法にお
ける、モーメントと傾斜角との関係を示す説明図であ
る。
【図7】本発明に係わる第二実施例の転倒防止方法を表
しているフローチャートである。
【図8】本発明に係わる移動式クレーンの各部を説明す
る外観図である。
【符号の説明】
10…旋回角検出器、11…車体フレーム傾斜角検出
器、16…作業状態検出手段、20…実モーメント演算
手段、25…定格モーメント演算手段、30…初期値記
憶手段、31…初期値記憶指令スイッチ、35…初期値
記憶手段、40…定格モーメント時車体傾斜角演算手
段、41…実モーメント時車体傾斜角演算手段、42…
車体フレーム傾斜角検出器、45…定格モーメント時車
体傾斜角演算手段、50…比較判定手段、55…比較判
定手段、70…車体フレーム、71a〜71d…アウト
リガー、72a〜72d…アウトリガーフロート、73
a〜73d…アウトリガージャッキ、74…ブーム起伏
シリンダ、75…ブーム、76…ブームフートピン、7
7…上部旋回体、78…ブーム起伏シリンダロッド取り
付けピン、79…ブーム起伏シリンダチューブ取り付け
ピン、θp…車体前後方向傾斜角、θr…車体左右方向
傾斜角、θa…最大車体傾斜角、φ…旋回角、Wa…荷
重、WB …ブーム自重、Fm…ブーム起伏シリンダ軸
力、Yi…ブーム起伏シリンダモーメントアーム、S1
〜S9…フローチャートステップ番号、Ma…実負荷モ
ーメント、MR …定格モーメント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B66F 11/04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現在の作業状態を検出する作業状態検出
    手段(16)と、車体の傾斜角を検出する車体フレーム
    傾斜角検出器(42)と、現在の作業状態において負荷
    することができる定格モーメントを演算する定格モーメ
    ント演算手段(25)とを具えていて、作業中の車体傾
    斜角が所定値以上になったとき警報を出す作業車両の転
    倒警報装置において、 車体基準状態における前記車体フレーム傾斜角検出器
    (42)からの傾斜角を初期値として記憶する初期値記
    憶手段(30)と、 前記作業状態検出手段(16)及び定格モーメント演算
    手段(25)からの信号を入力して、現在の作業状態に
    おける定格モーメント時の車体傾斜角を演算する定格モ
    ーメント時車体傾斜角演算手段(40)と、 前記車体フレーム傾斜角検出器(42)からの傾斜角現
    在値と、前記初期値記憶手段(30)からの傾斜角初期
    値と、前記定格モーメント時車体傾斜角演算手段(4
    0)からの定格モーメント時車体傾斜角とを入力し、前
    記傾斜角初期値からの前記傾斜角現在値の変化量が、前
    記定格モーメント時車体傾斜角より所定値以上大きくな
    ったとき、警報信号を出力する比較判定手段(50)と
    を具えていることを特徴とする作業車両の転倒警報装
    置。
  2. 【請求項2】 現在の作業状態を検出する作業状態検出
    手段(16)と、車体の傾斜角を検出する車体フレーム
    傾斜角検出器(42)と、現在の作業状態における実負
    荷モーメントを演算する実モーメント演算手段(20)
    とを具えていて、作業中の車体傾斜角が所定値以上にな
    ったとき警報を出す作業車両の転倒警報装置において、 車体基準状態における前記車体フレーム傾斜角検出器
    (42)からの傾斜角を初期値として記憶する初期値記
    憶手段(30)と、 前記作業状態検出手段(16)及び実モーメント演算手
    段(20)からの信号を入力して、現在の作業状態にお
    ける実負荷モーメント時の車体傾斜角を演算する実モー
    メント時車体傾斜角演算手段(41)と、 前記車体フレーム傾斜角検出器(42)からの傾斜角現
    在値と、前記初期値記憶手段(30)からの傾斜角初期
    値と、前記実モーメント時車体傾斜角演算手段(41)
    からの実モーメント時車体傾斜角とを入力し、前記傾斜
    角初期値からの前記傾斜角現在値の変化量が、前記実モ
    ーメント時車体最大傾斜角より所定値以上大きくなった
    とき、警報信号を出力する比較判定手段(50)とを具
    えていることを特徴とする作業車両の転倒警報装置。
  3. 【請求項3】 上部旋回体の旋回位置を検出する旋回角
    検出器(10)と、車体の傾斜角を検出する車体フレー
    ム傾斜角検出器(11)と、現在の作業状態における実
    負荷モーメントを演算する実モーメント演算手段(2
    0)と、現在の作業状態において負荷することができる
    定格モーメントを演算する定格モーメント演算手段(2
    5)とを具えていて、作業中の車体傾斜角が所定値以上
    になったとき警報を出す作業車両の転倒警報装置におい
    て、 車体基準状態における前記旋回角検出器(10)からの
    旋回角と、前記車体フレーム傾斜角検出器(11)から
    の傾斜角と、前記実モーメント演算手段(20)からの
    実負荷モーメントとを初期値として記憶する初期値記憶
    手段(35)と、 前記初期値記憶手段(35)からの初期値情報、旋回角
    検出器(10)からの旋回角、車体フレーム傾斜角検出
    器(11)からの傾斜角現在値、実モーメント演算手段
    (20)からの実負荷モーメント、及び定格モーメント
    演算手段(25)からの定格モーメントを入力して、現
    作業状態における定格モーメント時の車体前後方向及び
    左右方向の傾斜角を演算する定格モーメント時車体傾斜
    角演算手段(45)と、 前記車体フレーム傾斜角検出器(11)からの傾斜角現
    在値より求めた車体前後方向及び左右方向の傾斜角の内
    少なくともどちらか一方が、前記定格モーメント時車体
    傾斜角演算手段(45)からの定格モーメント時車体前
    後方向及び左右方向の傾斜角よりそれぞれ所定値以上大
    きくなったとき、あるいは/及び前記車体前後方向及び
    左右方向の傾斜角の内少なくともどちらか一方が、それ
    ぞれ所定値より大きくなったとき、警報信号を出力する
    比較判定手段(55)とを具えていることを特徴とする
    作業車両の転倒警報装置。
  4. 【請求項4】 作業中の車体の傾きを検出して、所定値
    以上の傾きが発生した場合に警報を出す作業車両の転倒
    防止方法において、 作業開始前の基準設置状態の車体の傾きと、作業中の吊
    り荷状態における車体の傾きとを検出して、この傾きの
    差を求めるとともに、吊り荷状態と同じ状態における定
    格モーメントによる推定される車体の傾きを求め、前記
    傾きの差が定格モーメントによる推定される車体の傾き
    より所定値以上大きくなった場合に、警報を出すことを
    特徴とする作業車両の転倒防止方法。
  5. 【請求項5】 作業中の車体の傾きを検出して、所定値
    以上の傾きが発生した場合に警報を出す作業車両の転倒
    防止方法において、 作業開始前の基準設置状態の車体の傾きと、作業中の吊
    り荷状態における車体の傾きとを検出して、この傾きの
    差を求めるとともに、吊り荷状態における実負荷モーメ
    ントによる推定される車体の傾きを求め、前記傾きの差
    が実負荷モーメントによる推定される車体の傾きより所
    定値以上大きくなった場合に、警報を出すことを特徴と
    する作業車両の転倒防止方法。
  6. 【請求項6】 作業中の車体の傾きを検出して、所定値
    以上の傾きが発生した場合に警報を出す作業車両の転倒
    防止方法において、 作業開始前の基準設置状態の車体前後方向及び左右方向
    の傾きと、作業中の吊り荷状態における現在の車体前後
    方向及び左右方向の傾きと、上部旋回体の旋回角とを検
    出して、吊り荷状態と同じ状態における定格モーメント
    による推定される車体前後方向及び左右方向の傾きを求
    め、前記現在の車体前後方向及び左右方向の傾きの少な
    くともどちらか一方が、それぞれ前記定格モーメントに
    よる推定される車体前後方向及び左右方向の傾きより所
    定値以上大きくなった場合に、警報を出すことを特徴と
    する作業車両の転倒防止方法。
  7. 【請求項7】 作業中の車体の傾きを検出して、所定値
    以上の傾きが発生した場合に警報を出す作業車両の転倒
    防止方法において、 作業中の吊り荷状態における現在の車体前後方向及び左
    右方向の傾きを検出して、現在の車体前後方向及び左右
    方向の傾きの少なくともどちらか一方が、それぞれ所定
    値以上大きくなった場合に、警報を出すことを特徴とす
    る作業車両の転倒防止方法。
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