JPH07277217A - 四輪駆動車 - Google Patents

四輪駆動車

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JPH07277217A
JPH07277217A JP6077608A JP7760894A JPH07277217A JP H07277217 A JPH07277217 A JP H07277217A JP 6077608 A JP6077608 A JP 6077608A JP 7760894 A JP7760894 A JP 7760894A JP H07277217 A JPH07277217 A JP H07277217A
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turning
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hydraulic
small
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Yoshitaka Koketsu
嘉孝 纐纈
Takashi Kuritani
尚 栗谷
Kazuo Ishikawa
和男 石川
Kazunori Yokota
和憲 横田
Yoshitaka Nakajima
由貴 中島
Shunichi Shibazaki
俊一 柴崎
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ステアリング装置により前輪を操舵して旋回を
行う通常操舵の他に前輪の切れ角で決まる旋回半径より
小さな旋回半径で旋回することを可能とする。 【構成】前輪12L,12R はパワーステアリング装置により
操舵される。左車輪用油圧回路45は前輪12L 及び後輪14
L を駆動する油圧モータ13L,15L と左車輪用ポンプ40を
備え、右車輪用油圧回路47は前輪12R 及び後輪14R を駆
動する油圧モータ13R,15R と右車輪用ポンプ41を備えて
いる。両車輪用油圧回路45,47 は電磁開閉弁62,64 を備
えた管路61,63 を介して接続されている。通常操舵時に
は両車輪用油圧回路45,47 が連通され、両車輪用ポンプ
40,41 が同じ吐出量で駆動される。小回り操舵時には両
車輪用油圧回路45,47 の連通が遮断された状態で、操作
レバーの操作により、旋回時の内側の車輪が通常操舵時
より遅く、外側の車輪が速く回転するように両車輪用ポ
ンプ40,41 の吐出量が制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は前輪及び後輪の各輪にそ
れぞれ油圧モータあるいは電気モータ等の駆動手段を配
置して、各輪を駆動する四輪駆動車に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種の四輪駆動車として、全ての駆動
輪が車体の前後方向と平行に固定され、左右の駆動輪の
回転速度を変えることにより旋回を行う所謂スキッドス
テア車両が知られている(例えば、特開昭62−205
857号公報)。この四輪駆動車は右側の前後の駆動輪
の回転方向及び回転速度を操作する右側操作レバーと、
左側の前後の駆動輪の回転方向及び回転速度を操作する
左側操作レバーとを備えている。そして、両操作レバー
を操作して左右両側の駆動輪の回転速度を調整して旋回
を行う。この四輪駆動車は左右の駆動輪を同時に逆方向
に回転させることによりその場旋回(スピンターン)が
できるので、狭い通路でも容易に方向転換ができる。
【0003】又、ステアリング装置により前輪を操舵し
て車体の前後方向と前輪の進行方向とのなす角度(切れ
角)を変更して旋回を行うものが、例えば、実開昭58
−157727号公報に開示されている。この公報に開
示された四輪駆動車では、操向ハンドルの操作量を検知
するセンサを設け、その操作量に連動して走行輪駆動用
の左右の油圧モータの駆動速度を変化させるようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スキッドステア車両で
は旋回時、車輪は路面(接触面)と滑りが生じている状
態で回転するので、動力消費が大きくなる。又、2本の
操作レバーで駆動輪の回転速度を調整して旋回を行うの
で、ステアリング装置により駆動輪を操舵して旋回を行
うものに比較して操作が難しい。
【0005】一方、実開昭58−157727号公報に
開示された四輪駆動車では、ステアリング装置により前
輪を操舵して旋回を行うので旋回操作が容易となる。と
ころが、この四輪駆動車では前輪の切れ角で車両の旋回
半径が決まる。その結果、車両の最小旋回半径は前輪の
最大切れ角によって決まり、旋回半径をあまり小さくす
ることができない。
【0006】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的はステアリング装置により
前輪を操舵して旋回を行う通常操舵の他に前輪の切れ角
で決まる旋回半径より小さな旋回半径で旋回することが
可能な四輪駆動車を提供することにある。又、第2の目
的は前記通常操舵の他にその場旋回も可能な四輪駆動車
を提供することにある。又、第3の目的は前記通常操舵
と、その場旋回と、さらに前輪を最大切れ角位置近辺に
配置した状態でその切れ角に対応する旋回半径より小さ
な旋回半径で旋回することが可能な四輪駆動車を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載の発明では、各一対の前輪及び後
輪をそれぞれモータで駆動する四輪駆動車において、一
対の前輪を同期して操舵するとともに、通常操舵と通常
操舵より小さな旋回半径で車両を旋回させる小回り操舵
との機能を有する操舵装置と、左側の前輪及び後輪を駆
動する左車輪用駆動回路と、前記左車輪用駆動回路に設
けられたモータへの動力の供給量を変更可能な第1の動
力供給手段と、右側の前輪及び後輪を駆動する右車輪用
駆動回路と、前記右車輪用駆動回路に設けられたモータ
への動力の供給量を変更可能な第2の動力供給手段と、
小回り操舵時に操作される小回り操舵手段と、小回り操
舵時に前記小回り操舵手段の操作に基づき旋回方向側の
各輪の回転速度を通常操舵時より減少させるように前記
第1及び第2の動力供給手段を制御する第1の制御手段
とを備えた。
【0008】又、請求項2に記載の発明では、請求項1
に記載の発明において、前記小回り操舵手段の操作量を
検出する操作量検出手段を設け、小回り操舵時に小回り
操舵手段の操作量に応じて前記第1及び第2の動力供給
手段のうち旋回方向側の動力供給手段の動力の供給量を
通常操舵時より減少させるように制御する第1の制御手
段を設けた。
【0009】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記第1の制御手段を小回り操舵時
に小回り操舵手段の操作量に応じて前記第1及び第2の
動力供給手段のうち旋回方向側の動力供給手段の動力の
供給量を通常操舵時より減少させるとともに他方の動力
供給手段の動力の供給量を通常操舵時より増大させるよ
うに制御する構成とした又、請求項4に記載の発明で
は、請求項1に記載の発明において、前記左車輪用駆動
回路及び右車輪用駆動回路を油圧モータを備えた油圧回
路とし、第1の動力供給手段を第1の作動油供給手段と
し、第2の動力供給手段を第2の作動油供給手段とし、
小回り操舵時に前記小回り操舵手段の操作に基づき前記
第1及び第2の作動油供給手段のうち旋回方向側の作動
油供給手段の作動油の供給量を通常操舵時より減少させ
るように制御する第1の制御手段を設けた。
【0010】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、前記第1の作動油供給手段は前記左
車輪用油圧回路に設けられた可変容量油圧ポンプであ
り、第2の作動油供給手段は右車輪用油圧回路に設けら
れた可変容量油圧ポンプであり、前記左車輪用油圧回路
及び右車輪用油圧回路は両可変容量油圧ポンプの吐出側
及び吸入側においてそれぞれ管路を介して連通可能に接
続され、各管路には切替えスイッチの状態に基づいて通
常操舵時に両車輪用油圧回路を連通状態とする開状態に
保持されるとともに小回り操舵時に両車輪用油圧回路の
連通を遮断する閉状態に保持される電磁切替え弁がそれ
ぞれ設けられている。
【0011】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の発明において、前輪が小回り操舵位置に配置された
ことを検出する第1の操舵位置検出手段を備え、小回り
操舵手段が左側への小回り操舵時に操作される左側操作
手段と右側への小回り操舵時に操作される右側操作手段
とを備え、両操作手段が前記切替えスイッチを兼用し、
前記第1の操舵位置検出手段の検出状態において操作手
段が中立位置から操作されると前記電磁切替え弁を閉状
態とする切替え信号出力手段を設けた。
【0012】請求項7に記載の発明では、請求項5又は
請求項6に記載の発明において、前輪が小回り操舵準備
位置に配置されたことを検出する第2の操舵位置検出手
段を備え、その検出信号に基づいて旋回側の車輪用油圧
回路に設けられた可変容量油圧ポンプの吐出量を所定量
減少させるとともに反対側の車輪用油圧回路に設けられ
た可変容量油圧ポンプの吐出量を所定量増大させる吐出
量変更手段を備えた。
【0013】請求項8に記載の発明では、請求項5又は
請求項6に記載の発明において、前輪が小回り操舵準備
位置より中立位置側に配置されたことを検出する第3の
操舵位置検出手段を備え、その検出信号に基づいて閉状
態にある前記電磁切替え弁を開状態に切替える切替え信
号出力手段を備えた。
【0014】請求項9に記載の発明では、請求項5又は
請求項6に記載の発明において、前記第1の操舵位置検
出手段の検出状態において小回り操舵手段が中立位置か
ら操作されて前記電磁切替え弁が閉状態とされたときに
それを確認する切替え弁作動確認センサと、小回り操舵
用表示ランプと、前記確認センサの検出信号に基づいて
切替え弁が正常に作動した際に前記表示ランプを点灯さ
せ、異常の際には点滅させる表示ランプ点灯手段とを備
えた。
【0015】前記第2の目的を達成するため、請求項1
0に記載の発明では、各一対の前輪及び後輪をそれぞれ
モータで駆動する四輪駆動車において、一対の前輪を同
期して操舵する操舵装置と、左側の前輪及び後輪を駆動
する正逆回転可能な各モータを備えた左車輪用駆動回路
と、前記左車輪用駆動回路に設けられたモータへの動力
の供給量を変更可能な第1の動力供給手段と、右側の前
輪及び後輪を駆動する正逆回転可能な各モータを備えた
右車輪用駆動回路と、前記右車輪用駆動回路に設けられ
たモータへの動力の供給量を変更可能な第2の動力供給
手段と、前記操舵装置による通常操舵から、その場旋回
操舵に切替えるその場旋回用スイッチと、その場旋回操
舵時に操作されるその場旋回用左側操作手段及びその場
旋回用右側操作手段と、その場旋回操舵時に一対の前輪
が直進状態で前記操舵装置をロックするロック手段と、
その場旋回操舵時に前記両操作手段の操作に基づき左右
の車輪を互いに逆方向に回転させるように前記各モータ
を制御する第2の制御手段とを備えた。
【0016】又、請求項11に記載の発明では、各一対
の前輪及び後輪をそれぞれモータで駆動する四輪駆動車
において、一対の前輪を同期して操舵する操舵装置と、
左側の前輪及び後輪を駆動する各油圧モータと吐出方向
の変更可能な可変容量油圧ポンプを備えた左車輪用油圧
回路と、右側の前輪及び後輪を駆動する各油圧モータと
吐出方向の変更可能な可変容量油圧ポンプを備えた右車
輪用油圧回路と、前記操舵装置による通常操舵から、そ
の場旋回操舵に切替えるその場旋回用スイッチと、その
場旋回操舵時に操作されるその場旋回用左側操作手段及
びその場旋回用右側操作手段と、その場旋回操舵時に一
対の前輪が直進状態で前記操舵装置をロックするロック
手段と、その場旋回操舵時に前記両操作手段の操作に基
づき左右の車輪を互いに逆方向に回転させるために前記
両車輪用油圧回路の可変容量油圧ポンプをその吐出方向
が逆方向となるように制御する油圧ポンプ制御手段とを
備えた。
【0017】請求項12に記載の発明では、請求項11
に記載の発明において、前記左車輪用油圧回路及び右車
輪用油圧回路は各可変容量油圧ポンプの吐出側及び吸入
側においてそれぞれ管路を介して連通可能に接続され、
各管路には前記その場旋回用スイッチの操作に基づいて
通常操舵時に両車輪用油圧回路を連通状態とする開状態
に保持されるとともにその場旋回操舵時に両車輪用油圧
回路の連通を遮断する閉状態に保持される電磁切替え弁
がそれぞれ設けられている。
【0018】前記第3の目的を達成するため、請求項1
3に記載の発明では、各一対の前輪及び後輪をそれぞれ
モータで駆動する四輪駆動車において、一対の前輪を同
期して操舵するとともに、通常操舵と通常操舵より小さ
な旋回半径で車両を旋回させる小回り操舵との機能を有
する操舵装置と、左側の前輪及び後輪を駆動する正逆回
転可能な各モータを備えた左車輪用駆動回路と、前記左
車輪用駆動回路に設けられたモータへの動力の供給量を
変更可能な第1の動力供給手段と、右側の前輪及び後輪
を駆動する正逆回転可能な各モータを備えた右車輪用駆
動回路と、前記右車輪用駆動回路に設けられたモータへ
の動力の供給量を変更可能な第2の動力供給手段と、小
回り操舵時に操作される小回り操舵手段と、小回り操舵
時に前記小回り操舵手段の操作に基づき旋回方向側の各
輪の回転速度を通常操舵時より減少させるように前記第
1及び第2の動力供給手段を制御する第1の制御手段
と、前記操舵装置による通常操舵から、その場旋回操舵
に切替えるその場旋回用スイッチと、その場旋回操舵時
に操作されるその場旋回用左側操作手段及びその場旋回
用右側操作手段と、その場旋回操舵時に一対の前輪が直
進状態で前記操舵装置をロックするロック手段と、その
場旋回操舵時に前記両操作手段の操作に基づき左右の車
輪を互いに逆方向に回転させるように前記各モータを制
御する第2の制御手段とを備えた。
【0019】又、請求項14に記載の発明では、各一対
の前輪及び後輪をそれぞれモータで駆動する四輪駆動車
において、一対の前輪を同期して操舵するとともに、通
常操舵と通常操舵より小さな旋回半径で車両を旋回させ
る小回り操舵との機能を有する操舵装置と、左側の前輪
及び後輪を駆動する各油圧モータと吐出方向の変更可能
な可変容量油圧ポンプを備えた左車輪用油圧回路と、右
側の前輪及び後輪を駆動する各油圧モータと吐出方向の
変更可能な可変容量油圧ポンプを備えた右車輪用油圧回
路と、小回り操舵時に操作される小回り操舵手段と、小
回り操舵時に前記小回り操舵手段の操作に基づき前記左
車輪用油圧回路及び右車輪用油圧回路の可変容量油圧ポ
ンプのうち旋回方向側の可変容量油圧ポンプの吐出量を
通常操舵時より減少させるように制御する第1の制御手
段と、前記操舵装置による通常操舵から、その場旋回操
舵に切替えるその場旋回用スイッチと、その場旋回操舵
時に操作されるその場旋回用左側操作手段及びその場旋
回用右側操作手段と、その場旋回操舵時に一対の前輪が
直進状態で前記操舵装置をロックするロック手段と、そ
の場旋回操舵時に前記両操作手段の操作に基づき左右の
車輪を互いに逆方向に回転させるために前記両車輪用油
圧回路の可変容量油圧ポンプをその吐出方向が逆方向と
なるように制御する油圧ポンプ制御手段とを備えた。
【0020】請求項15に記載の発明では、請求項1
0、請求項11、請求項13及び請求項14のいずれか
1項に記載の発明において、前記操舵装置は油圧式パワ
ーステアリング装置で構成され、前記ロック手段はステ
アリング制御弁とステアリングシリンダとの間に設けら
れステアリングシリンダとステアリング制御弁とを連通
状態に保持する開状態と、連通を遮断する閉状態とに切
替え可能なロック用バルブであり、前輪が直進状態に配
置されたことを検出する中立位置検出手段を備え、該検
出手段の検出信号及びその場旋回用スイッチのオン信号
に基づいて前記ロック用バルブを閉状態に切替える切替
え手段を備えた。
【0021】請求項16に記載の発明では、請求項13
又は請求項14に記載の発明において、前記操舵装置を
構成するステアリングシリンダのピストンロッドと一体
移動可能な検出部材を備えたストロークセンサを設け、
該ストロークセンサの検出信号に基づいて前輪が小回り
操舵位置及び直進状態に配置されたことを判断する判断
手段を備えた。
【0022】
【作用】請求項1に記載の発明では、左側の車輪が左車
輪用駆動回路に設けられたモータで駆動され、右側の車
輪が右車輪用駆動回路に設けられたモータで駆動されて
車両が走行する。通常操舵時には操舵装置により前輪が
操舵され、前輪の切れ角に対応した回転半径で車両が旋
回する。第1の動力供給手段による動力の供給量の変更
により左車輪用駆動回路に設けられたモータの回転速度
が変更される。第2の動力供給手段による動力の供給量
の変更により右車輪用駆動回路に設けられたモータの回
転速度が変更される。小回り操舵を行う際には、操舵装
置による通常操舵により前輪が小回り操舵位置に配置さ
れた状態で、操舵装置による旋回半径より小さな旋回半
径で車両が旋回する小回り操舵に切替えられる。小回り
操舵時には小回り操舵手段が操作される。小回り操舵手
段の操作に基づいて、第1の制御手段により旋回方向側
の動力供給手段の動力供給量が通常操舵時より減少され
る。そして、小回り操舵時には旋回時に内側となる車輪
の回転速度が通常操舵時より小さくなり、車両は前輪の
切れ角に対応する旋回半径より小さな旋回半径で旋回す
る。
【0023】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、小回り操舵時に小回り操舵手段の操
作量が操作量検出手段により検出される。そして、その
操作量に応じて第1及び第2の動力供給手段のうち旋回
方向側の動力供給手段の動力の供給量が通常操舵時より
減少される。すなわち、小回り操舵時には旋回時に内側
となる車輪の回転速度が通常操舵時より小さくなるよう
に小回り操舵手段の操作量に応じて変更される。そし
て、車両は前輪の切れ角に対応する旋回半径より小さな
旋回半径で旋回し、しかも小回り操舵時の旋回半径が小
回り操舵手段の操作量に応じて変更される。
【0024】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、小回り操舵時に小回り操舵手段の操
作量に応じて旋回時に内側となる車輪の速度が通常操舵
時より小さくなるとともに、外側となる車輪の速度が通
常操舵時より大きくなる。従って、小回り操舵時におい
て、内側となる車輪の速度が同じ場合、旋回半径は請求
項2に記載の発明の場合より小さくなる。
【0025】請求項4に記載の発明では、左側の車輪が
左車輪用油圧回路に設けられた油圧モータで駆動され、
右側の車輪が右車輪用油圧回路に設けられた油圧モータ
で駆動されて車両が走行する。第1の作動油供給手段に
よる作動油の供給量の変更により左車輪用油圧回路に設
けられた油圧モータの回転速度が変更される。第2の作
動油供給手段による作動油の供給量の変更により右車輪
用油圧回路に設けられた油圧モータの回転速度が変更さ
れる。小回り操舵手段の操作に基づいて、第1の制御手
段により第1及び第2の作動油供給手段のうち旋回方向
側の作動油供給手段の作動油の供給量が通常操舵時より
減少される。
【0026】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明において、各車輪用油圧回路に設けられた可変
容量油圧ポンプの吐出量の変更により、油圧モータの回
転速度が変更される。又、左車輪用油圧回路及び右車輪
用油圧回路は電磁切替え弁が開状態のとき管路を介して
連通状態となり、閉状態のとき連通が遮断された状態と
なる。電磁切替え弁は切替えスイッチの状態に基づいて
通常操舵時には開状態に、小回り操舵時には閉状態に保
持される。通常操舵時には左車輪用油圧回路及び右車輪
用油圧回路間で作動油の融通が可能となり、旋回時に内
側の車輪と外側の車輪とが無理なく差動回転する。
【0027】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の発明において、前輪が小回り操舵位置に配置される
と、第1の操舵位置検出手段がその検出信号を出力す
る。この状態で左側操作手段あるいは右側操作手段が中
立位置から操作されると、切替え信号出力手段からオン
信号が出力されて前記電磁切替え弁が自動的に閉状態と
なる。
【0028】請求項7に記載の発明では、請求項5又は
請求項6に記載の発明において、前輪が小回り操舵準備
位置に配置されると、第2の操舵位置検出手段から検出
信号が出力される。その検出信号に基づいて旋回側の車
輪用油圧回路に設けられた可変容量油圧ポンプの吐出量
が所定量減少されるとともに、反対側の車輪用油圧回路
に設けられた可変容量油圧ポンプの吐出量が所定量増大
される。
【0029】請求項8に記載の発明では、請求項5又は
請求項6に記載の発明において、前輪が小回り操舵準備
位置より中立位置側に配置されると、第3の操舵位置検
出手段から検出信号が出力される。その検出信号に基づ
いて切替え信号出力手段からオフ信号が出力されて電磁
切替え弁が開状態に切替えられる。
【0030】請求項9に記載の発明では、請求項5又は
請求項6に記載の発明において、前記第1の操舵位置検
出手段の検出状態において小回り操舵手段が中立位置か
ら操作されると、電磁切替え弁が閉状態とされる。この
とき、切替え弁作動確認センサからその確認信号が出力
されると、その信号に基づいて表示ランプ点灯手段の作
用により小回り操舵用表示ランプが点灯される。確認信
号が出力されない場合は、表示ランプは点滅状態に保持
される。
【0031】請求項10に記載の発明では、車両は通常
操舵時には操舵装置により前輪が操舵され、前輪の切れ
角に対応した回転半径で車両が旋回する。その場旋回は
車両の停止状態から開始される。車両の停止状態でその
場旋回用スイッチがオンに切替えられる。一対の前輪が
直進状態(中立位置)に配置された状態でロック手段に
より操舵装置がロックされる。両操作手段が互いに逆方
向に操作されると、その操作に基づいて、第2の制御手
段により両車輪用駆動回路のモータがその回転方向が互
いに逆方向となるように駆動される。そして、左右の車
輪が互いに逆方向に回転されて車両はその場旋回を行
う。一対の前輪(操舵輪)が直進状態にロックされた状
態で左右の車輪が互いに逆方向に回転されるため、車両
は安定した状態でその場旋回を行う。すなわち、車両は
通常操舵時よりはるかに小さな旋回半径で旋回する。
【0032】請求項11に記載の発明では、各車輪用油
圧回路に設けられた可変容量油圧ポンプの吐出量の変更
により各車輪用油圧回路に設けられた油圧モータの回転
速度が変更される。車両は通常操舵時には操舵装置によ
り前輪が操舵され、前輪の切れ角に対応した回転半径で
車両が旋回する。その場旋回は車両の停止状態から開始
される。車両の停止状態でその場旋回用スイッチがオン
に切替えられる。一対の前輪が直進状態(中立位置)に
配置された状態でロック手段により操舵装置がロックさ
れる。両操作手段が互いに逆方向に操作されると、その
操作に基づいて油圧ポンプ制御手段により両車輪用油圧
回路の可変容量油圧ポンプがその吐出方向が逆方向とな
るように駆動される。そして、左側の車輪を駆動する油
圧モータと、右側の車輪を駆動する油圧モータとが逆方
向に回転し、左右の車輪が互いに逆方向に回転されて車
両はその場旋回を行う。すなわち、車両は通常操舵時よ
りはるかに小さな旋回半径で旋回する。
【0033】請求項12に記載の発明では、請求項11
に記載の発明において、通常操舵時には両車輪用油圧回
路を連結する管路に設けられた電磁切替え弁が開状態に
保持され、左車輪用油圧回路及び右車輪用油圧回路間で
作動油の融通が可能となる。そして、旋回時に内側の車
輪と外側の車輪とが無理なく差動回転する。その場旋回
時には電磁切替え弁が閉状態に保持され、両車輪用油圧
回路は切り離された状態となる。そして、両車輪用油圧
回路の可変容量油圧ポンプがその吐出方向が逆方向とな
るように駆動され、前記と同様にして車両がその場旋回
を行う。
【0034】請求項13に記載の発明では、請求項10
に記載の発明と同様な作用で通常操舵及びその場旋回が
行われる。又、小回り操舵時には、操舵装置による通常
操舵により前輪が小回り操舵位置に配置された状態で、
操舵装置による旋回半径より小さな旋回半径で旋回する
小回り操舵に切替えられる。小回り操舵時には小回り操
舵手段が操作される。小回り操舵手段の操作に基づい
て、第1の制御手段により旋回方向側の動力供給手段の
動力供給量が通常操舵時より減少される。そして、小回
り操舵時には旋回時に内側となる車輪の回転速度が通常
操舵時より小さくなり、車両は前輪の切れ角に対応する
旋回半径より小さな旋回半径で旋回する。
【0035】請求項14に記載の発明では、請求項11
に記載の発明と同様な作用で通常操舵及びその場旋回が
行われる。又、小回り操舵時には、操舵装置による通常
操舵により前輪が小回り操舵位置に配置された状態で、
操舵装置による旋回半径より小さな旋回半径で旋回する
小回り操舵に切替えられる。小回り操舵時には小回り操
舵手段が操作される。小回り操舵手段の操作に基づい
て、第1の制御手段により前記左車輪用油圧回路及び右
車輪用油圧回路の可変容量油圧ポンプのうち旋回方向側
の可変容量油圧ポンプの吐出量が通常操舵時より減少さ
れる。そして、小回り操舵時には旋回時に内側となる車
輪の回転速度が通常操舵時より小さくなり、車両は前輪
の切れ角に対応する旋回半径より小さな旋回半径で旋回
する。
【0036】請求項15に記載の発明では、請求項1
0、請求項11、請求項13及び請求項14のいずれか
1項に記載の発明において、操舵装置が油圧式パワース
テアリング装置で構成されている。その場旋回を行う場
合、前輪が直進状態に配置されると中立位置検出手段が
その検出信号を出力する。その検出信号及びその場旋回
用スイッチのオン信号に基づいて切替え手段がロック用
バルブを閉状態に切替える。ロック用バルブが閉状態に
なると、ステアリングシリンダとステアリング制御弁と
の連通が遮断されてステアリングシリンダ内の作動油の
移動が阻止された状態となる。そして、前輪が直進状態
でロックされた状態となる。
【0037】請求項16に記載の発明では、請求項13
又は請求項14に記載の発明において、操舵装置が操舵
されてステアリングシリンダのピストンロッドが移動す
ると、それと一体にストロークセンサの検出部材が移動
する。検出部材がピストンロッドと一体に移動するの
で、油漏れ等でハンドルの操作量とピストンロッドの移
動量とにずれが生じても、ピストンロッドの位置を精度
よく検出する。判断手段はストロークセンサの検出信号
に基づいて前輪が小回り操舵位置及び直進状態に配置さ
れたことを判断する。すなわち、1個のストロークセン
サで前輪が左右の小回り操舵位置あるいは直進位置に配
置されたことが検出される。
【0038】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を4個の駆動輪がそれぞれ独
立して昇降可能に支持された四輪駆動車に具体化した一
実施例を図1〜図19に従って説明する。
【0039】図1及び図2に示すように、四輪駆動車
(以下、単に車両という)1の車体フレーム2の前側に
は一対のフロント懸架装置3が、後側には一対のリヤ懸
架装置4が配設されている。フロント懸架装置3は若干
斜め下方に向かって延びるように配設され、リヤ懸架装
置4は上下方向に延びるように配設されている。各懸架
装置3,4は外筒5、内筒6及び油圧シリンダ7(図4
にのみ図示)とからなり、内筒6が例えばボールスプラ
イン(図示せず)を介して、外筒5に対して回転不能か
つ軸方向に移動可能に構成されている。そして、外筒5
が車体フレーム2に支持され、各内筒6の下端に支持ブ
ラケット8,9が固定されている。フロント懸架装置3
の外筒5は軸受10,11を介して車体フレーム2に回
動可能に支持されている。リヤ懸架装置4の外筒5は車
体フレーム2に回動不能に支持されている。
【0040】支持ブラケット8には前輪12L,12R
と前輪12L,12Rを駆動する油圧モータ13L,1
3Rとが支持されている。支持ブラケット9には後輪1
4L,14Rと後輪14L,14Rを駆動する油圧モー
タ15L,15Rとが支持されている。図3(a)に示
すように、各油圧モータ13L,13Rは前輪12L,
12Rのホイール内に位置するように配置されている
(図3(a)には片側(12R)のみ図示)。図3
(b)に示すように、油圧モータ15L,15Rは後輪
14L,14Rのホイール内に位置するように配置され
ている(図3(b)には片側(14R)のみ図示)。
又、前輪12L,12R及び後輪14L,14Rはそれ
ぞれ油圧モータ13L,13R,15L,15Rの駆動
軸に一体回転可能に連結されている。前輪12L,12
Rは、その幅方向の中央が内筒6の中心線の延長上に位
置するように取付けられている。後輪14L,14R
は、内筒6の延長線上より外側に取付けられている。
【0041】図4は油圧シリンダ7の構成を示す模式図
である。図4に示すように、油圧シリンダ7は内筒6内
にシリンダ本体16が固定され、ピストンロッド17の
先端が外筒5に固定されている。ピストンロッド17は
二重管構造に形成され、外管17aを介してピストン7
aより上側の室16aと連通され、内管17bを介して
ピストン7aより下側の室16bと連通されている。そ
して、外管17a側に作動油が供給されると内筒6がシ
リンダ本体16とともに上昇され、内管17b側に作動
油が供給されると内筒6がシリンダ本体16とともに下
降されるようになっている。
【0042】図1及び図7に示すように、両フロント懸
架装置3の外筒5には操舵装置としてのパワーステアリ
ング装置18を構成する操舵リンク19が突設されてい
る。両操舵リンク19とほぼ同じ高さ位置における車体
フレーム2には両ロッド形のステアリングシリンダ20
がブラケット21(図6に図示)を介して水平に固定さ
れている。ステアリングシリンダ20の両ピストンロッ
ド20a,20bの先端はそれぞれ球面継手を介してス
テアリングロッド22の第1端部に連結されている。ス
テアリングロッド22の第2端部はピン23を介して操
舵リンク19に回動可能に連結されている。操舵リンク
19及びステアリングロッド22はアッカーマン・ジャ
ントウの原理により旋回時に各車輪が一点を中心として
旋回するように連結されている。例えば、図7に示すよ
うに、ピストン20cが中立位置に配置された際に両操
舵リンク19の長手方向の延長線(図に鎖線で示す)
が、両後輪14L,14Rを結ぶ直線の中点とほぼ対応
する位置で交差するように設定されている。図6に示す
ように、車体フレーム2にはステアリングシリンダ20
と平行に第1の操舵位置検出手段、第2の操舵位置検出
手段及び中立位置検出手段としてのストロークセンサ2
4がブラケット21を介して取付けられている。ストロ
ークセンサ24は所謂ポテンショメータと同じ構成をし
ている。図5に示すように、ストロークセンサ24の検
出部材としてのシャフト24aは連結片25を介して一
方のピストンロッド20aの先端に連結されている。シ
ャフト24aは直線摺動形の抵抗素子上を摺動する端子
(いずれも図示せず)を備え、ストロークセンサ24は
シャフト24aがピストンロッド20aと一体的に移動
すると、その移動量に比例した電圧を出力するように構
成されている。そして、ストロークセンサ24の出力電
圧に基づいてパワーステアリング装置18の操舵状態す
なわち前輪12L,12Rの切れ角を知ることが可能と
なっている。
【0043】図7に示すように、ステアリングシリンダ
20は管路26,27及びロック用バルブ28を介して
公知のステアリング制御弁29に接続されている。ステ
アリング制御弁29はハンドル30の操作に連動して操
作され、後記する油圧ポンプからの作動油の供給方向及
び供給量が制御される。
【0044】図1に示すように、ハンドル30は車両1
の前部中央に設けられ、ハンドル30の後方に運転席3
1が設けられている。又、運転席31の両側のやや後方
位置に座席32が設けられている。図8に示すように、
ハンドル30にはシフトレバー30aが装備されてい
る。ハンドル30の左右両側にはその場旋回用左側操作
手段としての左側操作レバー33と、その場旋回用右側
操作手段としての右側操作レバー34が配設されてい
る。両操作レバー33,34は小回り操舵手段を兼用し
ている。両操作レバー33,34はそれぞれ前方及び後
方に傾動操作可能となっている。両操作レバー33,3
4は操作のための力を加えない状態では中立位置に自動
的に復帰するようになっている。右側操作レバー34の
右方にはその場旋回用スイッチ35、その場旋回用表示
ランプ36及び小回り操舵用表示ランプ37が配設され
ている。両表示ランプ36,37の配設位置は運転者が
見やすい位置であれば、ハンドル30の前側や運転席の
上方等、適宜変更してもよい。
【0045】次に油圧回路を図10に従って説明する。
エンジン38の出力軸39には第1の動力供給手段及び
作動油供給手段としての左車輪用ポンプ40、第2の動
力供給手段及び作動油供給手段としての右車輪用ポンプ
41、チャージポンプ42、パワーステアリング用ポン
プ43及び姿勢制御用ポンプ44がそれぞれ駆動連結さ
れている。左車輪用ポンプ40は左車輪用駆動回路とし
ての左車輪用油圧回路45を構成する管路46a,46
bを介して油圧モータ13L,15Lと接続されてい
る。右車輪用ポンプ41は右車輪用駆動回路としての右
車輪用油圧回路47を構成する管路48a,48bを介
して油圧モータ13R,15Rと接続されている。両車
輪用ポンプ40,41は二方向タイプの斜板式可変容量
型油圧ポンプであって、斜板40a,41aの傾斜方向
によって作動油の流れる管路46a,46b,48a,
48bを選択し、油圧モータ13L,15L,13R,
15Rを正逆回転させる。又、両車輪用ポンプ40,4
1の吐出量は斜板40a,41aの傾斜角(斜板の回転
軸と直交する平面と斜板とがなす角、以下斜板角とい
う)により調整される。前進時の斜板角をプラスとして
表し、後進時の斜板角をマイナスとして表す。両車輪用
ポンプ40,41の吐出量は、斜板角の絶対値が大きい
ほど多く、斜板角の絶対値が小さいほど少なくなる。そ
して、両車輪用ポンプ40,41の吐出量とその回転数
に対応した速度で油圧モータ13L,15L,13R,
15Rが駆動される。
【0046】斜板40a,41aの斜板角は公知の斜板
サーボ機構49により調整される。吐出量変更手段及び
油圧ポンプ制御手段としての斜板サーボ機構49は各斜
板40a,41aを駆動するためにそれぞれ一対ずつ設
けられたサーボシリンダと、各サーボシリンダのサーボ
圧をコントロールする斜板制御回路(いずれも図示せ
ず)とを備えている。そして、斜板制御回路が管路50
を介してチャージポンプ42に接続されている。又、管
路50は分岐されるとともに油圧回路の戻り油を油槽5
1に導くドレーン管路52と接続されている。ドレーン
管路52の途中には、ドレ−ン管路52と管路46a,
46b、ドレーン管路52と管路48a,48bとをそ
れぞれ接続する分岐管路53,54が設けられ、その分
岐点Dより下流側にチャージリリーフ弁55,56が設
けられている。分岐管路53はチェック弁57とリリー
フ弁58とからなる一対の補給回路59を介して管路4
6a,46bに接続されている。分岐管路54はチェッ
ク弁57とリリーフ弁58とからなる一対の補給回路6
0を介して管路48a,48bに接続されている。すな
わち、ドレイン管路52の分岐点Dにおける作動油の圧
力がチャージリリーフ弁55のリリーフ設定圧より低い
ときには、分岐管路53及び補給回路59のチェック弁
57を経て管路46a,46bに作動油が補給される。
ドレイン管路52の分岐点Dにおける作動油の圧力がチ
ャージリリーフ弁56のリリーフ設定圧より低いときに
は、分岐管路54及び補給回路60のチェック弁57を
経て管路48a,48bに作動油が補給される。なお、
管路46a,46b,48a,48b内の作動油の圧力
が所定の圧力以上になると、管路46a,46b,48
a,48b内の作動油がリリーフ弁58からドレイン管
路52へと流出する。
【0047】管路46aと管路48aとは管路61を介
して接続され、管路61には電磁切替え弁としての第1
の電磁開閉弁62が設けられている。管路46bと管路
48bとは管路63を介して接続され、管路63には電
磁切替え弁としての第2の電磁開閉弁64が設けられて
いる。
【0048】パワーステアリング用ポンプ43は油槽5
1から汲み上げた作動油を管路65を介してパワーステ
アリング用油圧回路66に供給する。姿勢制御用ポンプ
44にも斜板式可変容量型油圧ポンプが使用されてい
る。姿勢制御用ポンプ44は油槽51から汲み上げた作
動油を管路67を介して、各懸架装置3,4の油圧シリ
ンダ7を駆動制御する姿勢制御用油圧回路68に供給す
る。姿勢制御用油圧回路68は4個のサーボ弁及び1個
の方向切替弁(いずれも図示せず)を備えた主回路69
を備えている。
【0049】図9に示すように、パワーステアリング用
油圧回路66はステアリング制御弁29及びロック用バ
ルブ28を備えている。ステアリング制御弁29はハン
ドル30の操作に連動して操作され、ステアリングシリ
ンダ20の各室20d,20eに接続された管路26,
27への作動油の供給を制御する。そして、ハンドル3
0を中立位置より左に切ると、パワーステアリング用ポ
ンプ43からの作動油を管路27に供給する状態とな
り、右に切ると管路26に供給する状態となる。ロック
用バルブ28は管路26,27の途中に設けられ、電磁
作動式の2位置4ポート切替弁が使用されている。ロッ
ク用バルブ28は通電時に管路26,27を閉じる状態
に保持され、非通電時に管路26,27を開く状態に保
持される構成となっている。管路26,27を閉じる状
態においては、ステアリング制御弁29側の管路26,
27は互いに連通状態に保持される。
【0050】次に電気的構成を図11に従って説明す
る。第1及び第2の制御手段、切替え信号出力手段、表
示ランプ点灯手段、切替え手段及び判断手段としての制
御装置71は演算手段としての中央処理装置(以下、C
PUという)72と、読み出し専用メモリ(ROM)か
らなる記憶手段としてのプログラムメモリ73と、読み
出し及び書き替え可能なメモリ(RAM)からなる作業
用メモリ74を備えている。CPU72はバス75を介
してプログラムメモリ73及び作業用メモリ74に接続
され、プログラムメモリ73に記憶された所定のプログ
ラムデータに従って各種の処理を実行するようになって
いる。作業用メモリ74にはCPU72の各種演算結果
が一時記憶される。プログラムメモリ73にはCPU7
2が実行する前記プログラムデータと、その実行に必要
な各種データとが記憶されている。各種データとしてア
クセル開度と目標エンジン回転数との関係を示すマップ
や、ストロークセンサ24の出力電圧とピストンロッド
20a,20bの移動量との関係を示すマップ等があ
る。又、プログラムメモリ73にはその場旋回時におけ
る操作レバーの角度(レバー角度)と目標斜板角との関
係を示すマップ(図12)や、小回り操舵時におけるレ
バー角度と目標斜板角演算時に使用する係数Sとの関係
を示すマップ(図13)が記憶されている。
【0051】CPU72はバス75及び入力回路76a
を介して、アクセルセンサ77、エンジン回転数センサ
78、傾斜角センサ79a,79b、左側操作量検出手
段としての左側レバーセンサ80、右側操作量検出手段
としての右側レバーセンサ81、シフトレバーセンサ8
2、斜板角センサ83,84、切替え弁作動確認センサ
86、その場旋回用スイッチ35及びストロークセンサ
24に接続されている。又、CPU72はバス75及び
駆動回路76bを介して、斜板サーボ機構49、両電磁
開閉弁62,64、その場旋回用表示ランプ36、小回
り操舵用表示ランプ37及び電子ガバナ85に接続され
ている。
【0052】アクセルセンサ77はポテンショメータよ
りなり、アクセル(図示せず)の操作量(アクセル開
度)に比例した検出信号を出力する。エンジン回転数セ
ンサ78はエンジン38の出力軸の回転数に対応した検
出信号を出力する。傾斜角センサ79a,79bは運転
席31の下方に配設され、車両1の前後方向及び左右方
向の水平面に対する傾斜に対応した検出信号を出力す
る。両レバーセンサ80,81はポテンショメータより
なり、各操作レバー33,34の中立位置からの操作量
(レバー角度)に比例した検出信号を出力する。斜板角
センサ83,84は斜板を駆動するサーボシリンダのロ
ッドの位置に比例した検出信号を出力する。切替え弁作
動確認センサ86は各電磁開閉弁62,64に設けら
れ、各電磁開閉弁62,64が閉状態になるとオン信号
を出力するようになっている。
【0053】CPU72はアクセルセンサ77からの信
号に基づいて目標エンジン回転数TE及び目標斜板角T
αを演算し、電子ガバナ85及び斜板サーボ機構49に
その目標値を達成するための駆動信号を出力する。又、
CPU72はストロークセンサ24の検出信号に基づい
てピストンロッド20a,20bの中立位置からの移動
量を演算する。CPU72はピストンロッド20a,2
0bが中立位置から所定量移動したときに小回り操舵準
備処理を行う。小回り操舵準備処理とは旋回方向側の油
圧ポンプの斜板角αを所定量小さくし、旋回方向と反対
側の油圧ポンプの斜板角αを所定量大きくする作業であ
る。又、CPU72はその場旋回用スイッチ35からの
オン信号を入力すると、両電磁開閉弁62,64に励磁
信号を出力する。又、CPU72はその場旋回時及び小
回り操舵時に、異常の有無を表示ランプ36,37で表
示する。
【0054】CPU72は小回り操舵時及びその場旋回
時に両操作レバー33,34のレバー角度を両レバーセ
ンサ80,81の検出信号に基づいて演算し、レバー角
度に対応した斜板角となるように斜板サーボ機構49を
制御する。
【0055】又、CPU72は傾斜角センサ79a,7
9b及び加速度センサ(図示せず)からの出力信号に基
づいて車両1の傾きを演算し、その演算結果に基づいて
車両1を水平にするのに必要な各懸架装置3,4の伸縮
量を演算する。そして、その伸縮量を実施するための出
力信号を姿勢制御用油圧回路68に出力し、路面が傾斜
している場合や路面に凹凸がある場合でも車両1を水平
状態に制御するようになっている。
【0056】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。エンジン30の駆動に伴い両車輪用ポンプ4
0,41、チャージポンプ42、パワーステアリング用
ポンプ43及び姿勢制御用ポンプ44が駆動される。左
車輪用ポンプ40から吐出された作動油が左車輪用油圧
回路45に供給され、油圧モータ13L,15Lを駆動
する。右車輪用ポンプ41から吐出された作動油が右車
輪用油圧回路47に供給され、油圧モータ13R,15
Rを駆動する。チャージポンプ42はエンジン38の回
転数に比例した量の作動油を管路50へ吐出し、その作
動油の一部が斜板サーボ機構49に供給される。斜板サ
ーボ機構49により斜板40a,41aの斜板角αが調
整され、両車輪用ポンプ40,41の吐出容量の変更
と、吐出側と対応する管路46a,46b,48a,4
8bの選択が行われる。そして、斜板40a,41aの
斜板角α及びエンジン38の回転数に基づいて油圧モー
タ13L,15L,13R,15Rの回転速度及び回転
方向が変更される。
【0057】チャージポンプ42から吐出された作動油
の一部は、チャージリリーフ弁55,56より上流側の
作動油の圧力がリリーフ圧より低い間は分岐管路53,
54及びチェック弁57を経て左車輪用油圧回路45及
び右車輪用油圧回路47へ供給される。各車輪用油圧回
路45,47に必要量の作動油が補給された後は、チャ
ージリリーフ弁55,56より上流側の作動油の圧力が
リリーフ圧より高くなってチャージリリーフ弁55,5
6が開いて余剰の作動油はドレーン管路52を経て油槽
51へ戻る。このようにして各車輪用油圧回路45,4
7に必要量の作動油が分岐管路53,54及び補給回路
59,60を介して常に補給される。
【0058】パワーステアリング用ポンプ43から吐出
された作動油は管路65を介してパワーステアリング用
油圧回路66に供給される。パワーステアリング用油圧
回路66に供給された作動油はパワーステアリング用油
圧回路66で使用された後、ドレーン管路52を介して
油槽51に戻される。姿勢制御用ポンプ44から吐出さ
れた作動油は姿勢制御用油圧回路68に供給され、姿勢
制御用油圧回路68で使用された後、ドレーン管路52
を介して油槽51に戻される。
【0059】CPU72はストロークセンサ24の検出
信号に基づいてピストンロッド20a,20bの中立位
置からの移動量を演算する。そして、ピストンロッド2
0a,20bの位置が中立位置から所定範囲内にあり、
かつその場旋回スイッチ35がオン状態でないときは通
常操舵(ノーマルモード)と判断する。ノーマルモード
時には両電磁開閉62,64は開状態に保持され、管路
61,63を介して左車輪用油圧回路45及び右車輪用
油圧回路47間で作動油の融通が可能となっている。
又、ロック用バルブ28が開状態に保持され、パワース
テアリング装置18は公知のパワーステアリング装置と
同様にハンドル30の操作量に応じて操舵され、前輪1
2L,12Rの切れ角が調整される。
【0060】CPU72はノーマルモードの制御を図1
4〜図16のフローチャートに従って行う。すなわち、
CPU72はアクセルセンサ77の検出信号からアクセ
ル開度を演算し(ステップS1)、アクセル開度に基づ
いて目標エンジン回転数TE及び目標車速TVを演算す
る(ステップS2)。次に目標エンジン回転数TE及び
目標車速TVから最終目標斜板角Fαを演算する(ステ
ップS3)。次にCPU72は斜板角センサ83,84
からの検出信号に基づいて斜板40a,41aのその時
点の斜板角である実斜板角Sαを演算し(ステップS
4)、実斜板角Sαからその時点の車速である実車速N
Vを演算する(ステップS5)。次にCPU72はシフ
トレバーセンサ82の検出信号から、シフト位置がニュ
ートラル(停止)か否かを判断する(ステップS6)。
停止であればステップS7に進み、実斜板角Sα及び前
回設定した目標斜板角Tαの両者が0°より大きいか否
かを判断する。両者とも0°より大きければステップS
8に進み、目標斜板角Tαを前回の目標斜板角Tαから
減速用の所定角度Dα(0<Dα)を減じた値に設定す
る。そして新たに設定された目標斜板角Tαを達成する
ための信号を斜板サーボ機構49に出力する(ステップ
S9)。
【0061】ステップS7で両者とも0°より大きくな
ければステップS10に進み、両者が0°より小さいか
否かを判断する。両者とも0°より小さければステップ
S11に進み、目標斜板角Tαを前回の目標斜板角Tα
に所定角度Dαを加わえた値に設定してステップS9に
進む。両者とも0°より小さくなければステップS12
に進み、目標斜板角Tαを0°に設定してステップS9
に進む。
【0062】ステップS6でシフト位置が停止でなけれ
ばステップS13に進み、シフト位置が前進か否かを判
断する。前進であればステップS14に進み、現在前進
状態か否かの判断を行う。前進状態すなわち実斜板角S
αが0°以上であればステップS15に進み、加速か否
かすなわち目標速度TVが実速度NVより大きいか否か
を判断する。加速であれば仮目標斜板角PTαを前回の
目標斜板角Tαに増速用の所定角度Uα(0<Uα)を
加えた値とする(ステップS16)。次に仮目標斜板角
PTαと油圧回路の圧力による限界斜板角Lαとを比較
する(ステップS17)。仮目標斜板角PTαが限界斜
板角Lαより大きければステップS18に進み、目標斜
板角Tαを仮目標斜板角PTαから所定角度Dαを減じ
た値に設定し、エンジン38の回転数を上げるため電子
ガバナ85を制御する(ステップS19)。そして、ス
テップS9に進む。仮目標斜板角PTαが限界斜板角L
αより大きくなければステップS9に進み、仮目標斜板
角PTαを目標斜板角Tαに設定する。
【0063】ステップS15で加速でなければステップ
S20に進み、減速か否かすなわち目標速度TVが実速
度NVより小さいか否かを判断する。減速であればステ
ップS21で目標斜板角Tαを前回の目標斜板角Tαか
ら所定角度Dαを減じた値とした後、ステップS9に進
む。減速でなければステップS9に進む。又、ステップ
S14で前進状態でなければステップS22に進み、目
標斜板角Tαを前回の目標斜板角Tαに所定角度Dαを
加えた値に設定する。そして、ステップS23で目標エ
ンジン回転数TEをアイドル回転とし、ステップS9に
進む。
【0064】ステップS13でシフト位置が前進でなけ
ればステップS24に進む。この状態ではシフト位置は
後進となっている。そして、ステップS24で現在後進
状態か否かの判断を行う。後進状態すなわち実斜板角S
αが0°以下であればステップS25に進み、加速か否
かすなわち目標速度TVが実速度NVより大きいか否か
を判断する。加速であれば仮目標斜板角PTαを前回の
目標斜板角Tαから増速用の所定角度Uαを減じた値と
する(ステップS26)。次に仮目標斜板角PTαと油
圧回路の圧力による限界斜板角Lαとを比較する(ステ
ップS27)。仮目標斜板角PTαが限界斜板角Lαよ
り小さければステップS28に進み、目標斜板角Tαを
仮目標斜板角PTαに所定角度Dαを加えた値に設定
し、エンジン38の回転数を上げるため電子ガバナ85
を制御する(ステップS29)。そして、次にステップ
S9に進む。一方、仮目標斜板角PTαが限界斜板角L
αより小さくなければステップS9に進み、仮目標斜板
角PTαを目標斜板角Tαに設定する。
【0065】ステップS25で加速でなければステップ
S30に進み、減速か否かすなわち目標速度TVが実速
度NVより小さいか否かを判断する。減速であればステ
ップS31で目標斜板角Tαを前回の目標斜板角Tαに
所定角度Dαを加えた値とした後、ステップS9に進
む。減速でなければステップS9に進む。又、ステップ
S24で後進状態でなければステップS32に進み、目
標斜板角Tαを前回の目標斜板角Tαから所定角度Dα
を減じた値に設定する。そして、ステップS33で目標
エンジン回転数TEをアイドル回転とし、ステップS9
に進む。
【0066】ノーマルモードでは前記のようにして目標
斜板角Tα及び目標エンジン回転数TEが設定され、そ
の設定値を達成するように斜板サーボ機構49及び電子
ガバナ85が駆動制御される。
【0067】ノーマルモードにおいては、前車輪12
L,12Rはハンドル30によるピストンロッド20
a,20bの移動量に応じて切れ角が変更され、車両1
はその切れ角に対応した旋回半径で旋回する。又、ノー
マルモードにおいては、両車輪用油圧回路45,47内
の作動油が管路61,63を介して融通可能となってい
る。従って、両車輪用ポンプ40,41の吐出量を変更
しなくても、旋回時に外側となる車輪と内側となる車輪
は旋回半径に対応した回転速度にそれぞれ円滑に増・減
速される。
【0068】次に小回り操舵モードについて図17に従
って説明する。CPU72はステップS51でシフトレ
バー30aの位置を判断する(シフト位置判断処理)。
シフトレバー30aのシフト位置がニュートラル又は高
速位置にあるときは小回り操舵モードを行わず、ステッ
プS52で小回り操舵用表示ランプ37にオフ信号を出
力する。そして、小回り操舵用表示ランプ37は消灯状
態に保持される。ステップS51でシフトレバー30a
のシフト位置が低速(Low)又は後進(Rev)位置
にあると、ステップS53の小回り操舵準備判断処理を
行う。すなわち、ストロークセンサ24の検出信号に基
づいて、ピストンロッド20a,20bが中立位置から
右側に所定量以上ずれた小回り操舵準備位置にあるか否
かを判断する。このとき、ストロークセンサ24は第2
の操舵位置検出手段として機能する。右側に所定量以上
ずれていなければステップS52に進む。
【0069】右側に所定量以上ずれていればステップS
54に進み、右車輪用ポンプ41の吐出量をそのときの
吐出量に対して所定の割合(例えば15%)減少させ、
左車輪用ポンプ40の吐出量を同じ割合増加させる。す
なわち、右車輪用ポンプ41の斜板角αR1をそのときの
斜板角αの0.85倍とし、左車輪用ポンプ40の斜板
角αL1をそのときの斜板角αの1.15倍とするように
斜板サーボ機構49に制御信号を出力する。又、CPU
72はこの状態で電気回路を小回り操舵を実施する準備
状態にする。なお、前記吐出量の増減量は15%に限ら
ず5〜30%の範囲で適宜変更してもよい。
【0070】次にステップS55の小回り操舵判断処理
を行う。すなわち、CPU72はピストンロッド20
a,20bが中立位置からさらに右側にずれ、ハンドル
30のロック位置(最大操作量)近辺に対応する所定の
小回り操舵範囲内にあるか否かを判断する。ストローク
センサ24は第1の操舵位置検出手段として機能する。
ピストンロッド20a,20bが小回り操舵範囲内にあ
れば、ステップS56に進んでCPU72は両電磁開閉
弁62,64にオン信号を出力する。その結果、両電磁
開閉弁62,64が閉じられて左車輪用油圧回路45と
右車輪用油圧回路47との連通が遮断される。このとき
CPU72(制御装置71)は切替え信号出力手段とし
て機能する。次にステップS57で異常有無判断処理を
行う。すなわちCPU72は両電磁開閉弁62,64に
設けられた切替え弁作動確認センサ86からの信号によ
り、両電磁開閉弁62,64が閉じられたか否かを確認
する。両電磁開閉弁62,64が閉状態になければCP
U72は異常と判断し、小回り操舵用表示ランプ37の
点滅信号を出力する(ステップS58)。このときCP
U72(制御装置71)は表示ランプ点灯手段として機
能する。そして、小回り操舵用表示ランプ37が点滅状
態に保持され、運転者に異常を知らせる。小回り操舵用
表示ランプ37が点滅状態の場合、運転者は小回り操舵
を中止する。
【0071】一方、両電磁開閉弁62,64が閉状態に
あればステップS59に進み、CPU72は右側操作レ
バー34の位置(レバー角度)を右側レバーセンサ81
の検出信号から演算する。そして、そのレバー角度に対
応して右車輪用ポンプ41の吐出量を減少させるため、
レバー角度に対応する係数Sを図13に示すマップから
演算するとともに、右車輪用ポンプ41の斜板角αR2=
αR1×Sを演算する。そして、右車輪用ポンプ41の斜
板角αR2をαR1×Sとするように斜板サーボ機構49に
制御信号を出力する。そして、右車輪用ポンプ41の吐
出量が右側操作レバー34の操作量に対応して減少さ
れ、車両1は前輪12L,12Rの切れ角に対応する旋
回半径より小さな旋回半径で右旋回する。又、CPU7
2は小回り操舵用表示ランプ37の点灯信号を出力す
る。そして、小回り操舵用表示ランプ37が点灯状態に
保持される。なお、運転者はハンドル30を小回り操舵
位置に保持した状態で右側操作レバー34を操作する。
【0072】ステップS53でピストンロッド20a,
20bが中立位置から右側に所定量以上ずれていなけれ
ばステップS60(小回り操舵準備判断処理)に進み、
左側に所定量以上ずれた小回り操舵準備位置にあるか否
かを判断する。左側に所定量以上ずれていなければステ
ップS52に進み、左側に所定量以上ずれていればステ
ップS61に進む。ステップS61〜ステップS66は
前記ステップS54〜ステップS59において右と左を
入れ替えたものと同じため、詳しい説明を省略する。す
なわち、電気回路に異常があれば小回り操舵は行われず
に、小回り操舵用表示ランプ37が点滅状態に保持され
る。正常であればハンドル30を左側に所定量以上切る
と、自動的に小回り操舵準備状態を経て小回り操舵可能
状態となり、左側操作レバー33の操作量に対応して車
両1は前輪12L,12Rの切れ角に対応する旋回半径
より小さな旋回半径で左旋回する。そして、小回り操舵
用表示ランプ37が点灯状態に保持される。
【0073】小回り操舵が完了して左側操作レバー33
あるいは右側操作レバー34が中立位置に戻ると、両車
輪用ポンプ40,41の斜板角がステップS54あるい
はステップS61で設定された斜板角となる。そして、
ハンドル30が中立位置側へ操作され、ピストンロッド
20a,20bが所定の小回り操舵範囲外へ移動する
と、CPU72は両電磁開閉弁62,64にオフ信号を
出力する。その結果、両電磁開閉弁62,64が開状態
となり左車輪用油圧回路45と右車輪用油圧回路47と
が連通状態となる。さらにハンドル30が中立位置側へ
操作され、ピストンロッド20a,20bが小回り操舵
準備位置より中立位置側に移動すると、両車輪用ポンプ
40,41の斜板角が同じに設定されて作動油の吐出量
が同じ状態に戻る。すなわち、この実施例ではハンドル
30を操作するだけで、ストロークセンサ24の検出信
号に基づいて自動的に小回り操舵状態から通常操舵状態
(ノーマルモード)に復帰できる。従って、運転者が切
替えスイッチ等を操作する必要がない。
【0074】なお、ハンドル30の操作によりピストン
ロッド20a,20bが小回り操舵準備位置より中立位
置側に移動したことをストロークセンサ24の検出信号
から確認したときに、両電磁開閉弁62,64を開状態
に切替える切替え信号を出力する構成としてもよい。こ
の場合、ストロークセンサ24は第3の操舵位置検出手
段として機能する。又、CPU72は切替え信号出力手
段として機能する。
【0075】前記のようにハンドル30がロック位置近
辺まで操作された状態で、左側操作レバー33あるいは
右側操作レバー34を操作することにより、前輪12
L,12Rの切れ角で定まる旋回半径より小さな旋回半
径で旋回する小回り操舵が可能となる。従って、急な曲
がり角も簡単に走行することができる。例えば、通常操
舵では最小旋回半径が4.5m程度の場合、小回り操舵
では最小旋回半径が3m程度となる。
【0076】この実施例では前記のように両車輪用油圧
回路45,47の連通を遮断する前に、ハンドル30が
切られた側の油圧ポンプの吐出量が減少され、反対側の
油圧ポンプの吐出量が増大された後、両電磁開閉弁6
2,64を閉じて小回り操舵に移行する。従って、通常
操舵から小回り操舵への切替え時におけるショックが少
ない。
【0077】又、この実施例ではストロークセンサ24
のシャフト24aがハンドル30の操作により移動する
ピストンロッド20a,20bに直接連結され、ピスト
ンロッド20a,20bの全移動範囲にわたってその位
置を検知できる。従って、前輪12L,12Rの切れ角
に対応するピストンロッド20a,20bの位置を精度
良く検知できる。又、ハンドル30が小回り操舵準備位
置、小回り操舵位置等の所定の位置に操作されたことを
CPU72に知らせる検知センサを各位置に個別に設け
る必要がなく、部品点数が少なくなり組付けも容易とな
る。
【0078】次にその場旋回について説明する。その場
旋回は必ず車両が停止された状態から行われる。その場
旋回を行う場合、運転者は車両1を停止させるとともに
その場旋回用スイッチ35をオン状態に操作し、ハンド
ル30を中立位置に戻した状態で、ハンドル30の代わ
りに両操作レバー33,34を操作する。左に旋回する
場合は左側操作レバー33を後方に傾動させ、右側操作
レバー34を前方に傾動させる。右に旋回する場合は右
側操作レバー34を後方に傾動させ、左側操作レバー3
3を前方に傾動させる。この操作により両車輪用ポンプ
40,41の作動油の吐出方向が、左右の車輪を互いに
逆方向に回転させて車両1を目的の方向に旋回させるよ
うに変更される。又、両車輪用ポンプ40,41の斜板
40a,41aの斜板角が両操作レバー33,34の操
作量に対応した斜板角に設定される。
【0079】車両1が停止するとCPU72は図18の
フローチャートに従ってその場旋回モードを行うか否か
の判断を行う。すなわち、ステップS71でその場旋回
準備判断処理を行う。すなわち車速が0でかつ、その場
旋回用スイッチ35がオン状態にあるか否かを判断す
る。否であればCPU72から特に新たな信号は出力さ
れず、その場旋回用表示ランプ36は消灯状態に保持さ
れ(ステップS72)、両電磁開閉弁62,64は開状
態に保持される(ステップS73)。
【0080】一方、車速が0でスイッチ35がオン状態
にあればステップS74に進み、CPU72はストロー
クセンサ24の検出信号に基づいてハンドル30が中立
位置、すなわちピストンロッド20a,20bが中立位
置にあるか否かを判断する。このときストロークセンサ
24は中立位置検出手段として機能する。ハンドル30
が中立位置になければステップS75に進み、CPU7
2はその場旋回用表示ランプ36の点滅指令信号を出力
し、ステップS73に進む。そして、その場旋回用表示
ランプ36は点滅状態に保持される。ハンドル30が中
立位置にあれば、CPU72はステップS76に進み、
その場旋回用表示ランプ36の点灯指令信号を出力す
る。そして、その場旋回用表示ランプ36は点灯状態に
保持される。次にCPU72はステップS77に進み、
ロック用バルブ28及び両電磁開閉弁62,64にオン
信号を出力する。このときCPU72(制御装置71)
は切替え手段として機能する。次いでその場旋回モード
を実行する。ロック用バルブ28にオン信号が出力され
ると、ステアリングシリンダ20とステアリング制御弁
29の連通状態が遮断され、ハンドル30が中立位置に
ロックされる。両電磁開閉弁62,64にオン信号が出
力されると、両電磁開閉弁62,64は閉状態に保持さ
れ、左車輪用油圧回路45と右車輪用油圧回路47との
連通が遮断される。
【0081】CPU72は図19のフローチャートに従
ってその場旋回モードを実行する。まずステップS81
でCPU72はアクセル開度から目標エンジン回転数T
1 Eを演算する目標エンジン回転数演算処理を行う。次
に両操作レバー33,34のレバー角度からから両車輪
用ポンプ40,41の目標斜板角T1 αL,T1 αRを
演算する目標斜板角演算処理を行う(ステップS8
2)。次にCPU72はその時点の斜板角である実斜板
角SαL,SαRを演算し(ステップS83)、実斜板
角SαL,SαRと目標斜板角T1 αL,T1 αRとか
ら加速(実斜板角≦目標斜板角)か否かを判断する加速
有無判断処理を行う(ステップS84)。加速であれば
ステップS85に進み、斜板移動量(目標斜板角−実斜
板角)Δαが加速制限量L1 Δα以下か否かを判断す
る。加速制限量L1 Δα以下であればステップS86に
進み、目標斜板角T1 αL,T1 αRがその時点のエン
ジン回転数と油圧ポンプ圧力より求まる限界斜板角Lα
以下か否かを判断する。目標斜板角が限界斜板角以下で
あれば前記目標斜板角T1 αL,T1 αR及び前記目標
エンジン回転数T1 Eを達成するための信号を斜板サー
ボ機構49及び電子ガバナ85に出力する(ステップS
87)。
【0082】ステップS85で斜板移動量が加速制限量
より大きければステップS88に進み、目標斜板角を実
斜板角Sαに加速制限量L1 Δαを加えた値に設定した
後、ステップS86に進む。又、ステップS86で目標
斜板角が限界斜板角より大きければステップS89に進
み、目標斜板角を限界斜板角Lαに設定してステップS
87に進む。一方、ステップS84で加速でなければス
テップS90に進み、目標エンジン回転数T1 Eを下げ
る。そして、ステップS91で斜板移動量が減速制限量
2 Δα以下か否かを判断し、減速制限量L2 Δα以下
であればステップS87に進む。斜板移動量が減速制限
量L2 Δαより大きければステップS92に進み、目標
斜板角を実斜板角Sαから減速制限量L2 Δαを差し引
いた値に設定した後、ステップS87に進む。そして、
ステップS87において前記各ステップで設定された目
標斜板角及び目標エンジン回転数T1 Eを達成するため
の信号を斜板サーボ機構49及び電子ガバナ85に出力
する。前記ステップS85,S86,S88,S89に
より加速時の目標斜板角補正処理を行う場合CPU72
は目標斜板角補正処理手段を構成する。前記ステップS
90,S91,S92により減速時の目標斜板角補正処
理を行う場合CPU72は目標斜板角補正処理手段を構
成する。
【0083】両操作レバー33,34が中立位置に戻さ
れ、運転者がその場旋回用スイッチ35を再び操作して
オフ状態にすると、CPU72はその場旋回モード終了
と判断する。そして、ロック用バルブ28及び両電磁開
閉弁62,64にオフ信号を出力する。その結果、パワ
ーステアリング装置18はステアリング制御弁29から
ステアリングシリンダ20へ作動油を供給可能な状態に
復帰する。又、両車輪用油圧回路45,47は連通状態
に復帰し、通常操舵が可能な状態となる。 前記のよう
に車両1を停止させハンドル30を中立位置にした状態
で両操作レバー33,34を逆方向に同時に操作するこ
とにより、その場旋回が可能となるので、狭い行き止ま
り路などで車両の向きを簡単に変更できる。例えば、そ
の場旋回時の旋回半径は1.5m程度となる。
【0084】又、この実施例では小回り操舵時に車輪用
ポンプ40,41の吐出量を変更させるために操作する
操作レバーとその場旋回時に操作する操作レバーとを共
通にしたので、小回り操舵用の操作レバーを別に設ける
必要がない。
【0085】又、この実施例ではその場旋回を行う場
合、ハンドル30が中立位置に配置された状態でロック
用バルブ28の作用により、ステアリングシリンダ20
からの作動油の流れが遮断されて前輪12L,12Rが
前後方向に平行に配置された状態で固定される。従っ
て、操舵可能な前輪12L,12Rを備えていても、両
操作レバー33,34の操作によるその場旋回が安定し
て行われる。又、ストロークセンサ24からの検出信号
に基づいて、ハンドル30が中立位置に操作されたとき
に自動的にロックされるのでハンドル30の中立位置を
検知するための個別のセンサを設ける必要がない。
【0086】(実施例2)次に本発明を車輪駆動用のモ
ータとして電気モータを使用した四輪駆動車に具体化し
た実施例を図20〜図23に従って説明する。この実施
例では動力としてバッテリを電源とした電力を使用する
とともに、各車輪に油圧モータを設ける代わりに電気モ
ータを設けた点が前記実施例と大きく異なっている。な
お、前記実施例と同一部分は同一符号を付して詳しい説
明を省略する。
【0087】図20に示すように、前輪12L,12R
及び後輪14L,14Rはそれぞれ電気モータ90L,
90R,91L,91Rの駆動軸に一体回転可能に連結
されている。各電気モータ90L,90R,91L,9
1Rには回転数センサ90LS,90RS,91LS,91RS
がそれぞれ取付けられている。各電気モータ90L,9
0R,91L,91Rは必要に応じ減速機を介してホイ
ールと連結される。電気モータ90L,90R,91
L,91Rは配線92,93,94及びコントローラ9
5を介してバッテリ96と接続されている。電気モータ
90L,91L、配線92,94及びコントローラ95
により左車輪用駆動回路が構成されている。電気モータ
90R,91R、配線93,94及びコントローラ95
により右車輪用駆動回路が構成されている。コントロー
ラ95は電気モータ90L,91Lへの動力の供給量を
変更可能な第1の動力供給手段と、電気モータ90R,
91Rへの動力の供給量を変更可能な第2の動力供給手
段として機能する。パワーステアリング装置18及び姿
勢制御用の油圧回路は前記実施例と同様に構成されてい
る。パワーステアリング用ポンプ43及び姿勢制御用ポ
ンプ44は電気モータ97の駆動軸に連結されている。
電気モータ97は配線98,94及びコントローラ95
を介してバッテリ96と接続されている。コントローラ
95は、例えばトランジスタ等の半導体からなるチョッ
パを備えている。
【0088】次に第1及び第2の制御手段等としての制
御装置71の電気的構成を図21に従って説明する。こ
の実施例の電気的構成は実施例1の構成からエンジン回
転数センサ78、斜板角センサ83,84、斜板サーボ
機構49、電磁開閉弁62,64及び電子ガバナ85が
省略されている。そして、回転数センサ90LS,90R
S,91LS,91RS、コントローラ95及び電気モータ
90L,90R,91L,91R,97が設けられてい
る。電気モータ90L,90R,91L,91R,97
はコントローラ95を介して駆動回路76bと接続され
ている。
【0089】プログラムメモリ73にはその場旋回時に
おける操作レバーの角度(レバー角度)と目標斜板角と
の関係を示すマップに代えて、レバー角度とモータ回転
数との関係を示すマップが記憶されている。又、小回り
操舵時におけるレバー角度と目標斜板角演算時に使用す
る係数Sとの関係を示すマップに代えて、レバー角度と
目標モータ回転数演算時に使用する係数Sとの関係を示
すマップが記憶されている。CPU72はアクセルセン
サ77からの信号に基づいて目標車速を演算し、その目
標車速を達成するための各電気モータ90L,90R,
91L,91Rの目標モータ回転数を演算し、その目標
値を達成するための制御信号をコントローラ95に出力
する。すなわち、前記実施例ではエンジン回転数及び斜
板角αを変更して油圧モータ13L,13R,15L,
15Rを変速制御したが、この実施例ではコントローラ
95により各電気モータ90L,90R,91L,91
Rを直接駆動制御する。CPU72はコントローラ95
に各電気モータ90L,90R,91L,91Rの回転
数の制御は周波数の制御により行うようになっている。
【0090】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。この実施例ではCPU72は第1実施例にお
ける斜板角αをモータ回転数βと置き換えることと、エ
ンジン回転数、限界斜板角Lα及び電磁開閉弁62,6
4に関するステップを省略することとを除き基本的には
前記実施例のフローチャートに従って動作する。
【0091】ノーマルモードの制御時には、CPU72
は目標車速TV、最終目標モータ回転数Fβ、実モータ
回転数Sβ及び実車速NVを順次演算した後、シフト位
置を判断する。そして、シフト位置、実モータ回転数S
β、前回設定した目標モータ回転数Tβ、減速用の所定
回転数Dβ(0<Dβ)、増速用の所定回転数Uβ(0
<Uβ)に基づいて目標モータ回転数Tβが設定され
る。そして、CPU72は各電気モータ90L,90
R,91L,91Rをその目標モータ回転数Tβで回転
させるようにコントローラ95に制御信号を出力する。
【0092】次に小回り操舵モードについて図22に従
って説明する。CPU72はステップS101 でシフトレ
バー30aの位置を判断し、シフトレバー30aのシフ
ト位置がニュートラル又は高速位置にあるときは小回り
操舵モードを行わず、ステップS102 で小回り操舵用表
示ランプ37にオフ信号を出力する。シフトレバー30
aが低速又は後進位置にあると、ステップS103 の小回
り操舵準備判断処理を行う。ピストンロッド20a,2
0bが中立位置から右側に所定量以上ずれた右側小回り
操舵準備位置にあればステップS104 に進む。そして、
右車輪用の電気モータ90R,91Rの回転数をそのと
きの回転数に対して所定の割合減少させ、左車輪用の電
気モータ90L,91Lの回転数を同じ割合増加させ
る。すなわち、右車輪用の電気モータ90R,91Rの
モータ回転数βR1をそのときのモータ回転数βの0.8
5倍とし、左車輪用の電気モータ90L,91Lのモー
タ回転数βL1をそのときのモータ回転数βの1.15倍
とするようにコントローラ95に制御信号を出力する。
又、CPU72はこの状態で電気回路を小回り操舵を実
施する準備状態にする。なお、前記モータ回転数の増減
量は15%に限らず5〜30%の範囲で適宜変更しても
よい。
【0093】次にステップS105 でCPU72はピスト
ンロッド20a,20bが所定の小回り操舵範囲内にあ
るか否かを判断する。ピストンロッド20a,20bが
小回り操舵範囲内にあれば、ステップS106 に進み、C
PU72は右側操作レバー34の位置(レバー角度)を
演算する。まずそのレバー角度に対応する係数Sをマッ
プから演算するとともに、右車輪用の電気モータ90
R,91Rのモータ回転数βR2=βR1×Sを演算する。
そして、電気モータ90R,91Rのモータ回転数βR2
をβR1×Sとするようにコントローラ95に制御信号を
出力する。そして、電気モータ90R,91Rの回転数
が右側操作レバー34の操作量に対応して減少され、車
両1は前輪12L,12Rの切れ角に対応する旋回半径
より小さな旋回半径で右旋回する。又、CPU72は小
回り操舵用表示ランプ37の点灯信号を出力する。
【0094】ステップS103 でピストンロッド20a,
20bが中立位置から右側に所定量以上ずれていなけれ
ばステップS107 に進み、左側に所定量以上ずれた小回
り操舵準備位置にあるか否かを判断する。左側に所定量
以上ずれていなければステップS102 に進み、左側に所
定量以上ずれていればステップS108 に進む。ステップ
S108 〜ステップS110 は前記ステップS104 〜ステッ
プS106 において右と左を入れ替えたものと同じため、
説明を省略する。そして、左側操作レバー33の操作量
に対応して、車両1は前輪12L,12Rの切れ角に対
応する旋回半径より小さな旋回半径で左旋回する。
【0095】小回り操舵が完了して左側操作レバー33
あるいは右側操作レバー34が中立位置に戻ると、電気
モータ90R,91R,90L,91Lの回転数がステ
ップS104 あるいはステップS108 で設定された回転数
に変更される。そして、ハンドル30が中立位置側へ操
作され、ピストンロッド20a,20bが小回り操舵準
備位置より中立位置側に移動すると、各電気モータ90
R,91R,90L,91Lの回転数が同じ状態に設定
される。
【0096】次にその場旋回について説明する。車両1
が停止するとCPU72はその場旋回モードを行うか否
かの判断を行う。CPU72は車速が0でかつ、その場
旋回用スイッチ35がオン状態にあればその場旋回モー
ドと判断する。又、CPU72はハンドル30が中立位
置にあるか否かを判断し、ハンドル30が中立位置にあ
ればロック用バルブ28にオン信号を出力する。ロック
用バルブ28にオン信号が出力されると、ステアリング
シリンダ20とステアリング制御弁29の連通状態が遮
断され、ハンドル30が中立位置にロックされる。CP
U72はハンドル30が中立位置にロックされた状態で
その場旋回モードを実行する。
【0097】CPU72は図23のフローチャートに従
ってその場旋回モードを実行する。まずステップS111
でCPU72は両操作レバー33,34のレバー角度か
ら各電気モータ90R,91R,90L,91Lの目標
モータ回転数T1 βL,T1βRを演算する目標モータ
回転数演算処理を行う。次にCPU72はその時点のモ
ータ回転数である実モータ回転数SβL,SβRを演算
し(ステップS112 )、実モータ回転数SβL,SβR
と目標モータ回転数T1 βL,T1 βRとから加速(実
モータ回転数≦目標目標モータ回転数)か否かを判断す
る加速有無判断処理を行う(ステップS113 )。加速で
あればステップS114 に進み、モータ回転数変化量(目
標モータ回転数−実モータ回転数)Δβが加速制限量L
1 Δβ以下か否かを判断する。加速制限量L1 Δβ以下
であればステップS115 に進み、前記目標モータ回転数
1 βL,T1 βRを達成するための制御信号をコント
ローラ95に出力する。
【0098】ステップS114 でモータ回転数変化量が加
速制限量より大きければステップS116 に進み、目標モ
ータ回転数を実モータ回転数Sβに加速制限量L1 Δβ
を加えた値に設定した後、ステップS115 に進む。一
方、ステップS113 で加速でなければステップS117 に
進み、モータ回転数変化量が減速制限量L2 Δβ以下か
否かを判断し、減速制限量L2 Δβ以下であればステッ
プS115 に進む。モータ回転数変化量が減速制限量L2
Δβより大きければステップS118 に進み、目標モータ
回転数を実モータ回転数Sβから減速制限量L2 Δβを
差し引いた値に設定した後、ステップS115 に進む。そ
して、ステップS115 において前記各ステップで設定さ
れた目標モータ回転数を達成するための制御信号をコン
トローラ95に出力する。なお、各電気モータ90L,
90R,91L,91Rを目標モータ回転数で駆動制御
している際に電気モータへの負荷が変動した場合は、負
荷の変動に応じてトルクが変更されて目標回転数を保持
するようになっている。トルクの変更はモータに供給さ
れる電流量の変化により行われる。
【0099】この実施例の装置においても、通常操舵、
小回り操舵及びその場旋回の3種類の操舵が可能なた
め、目的に応じて適切な操舵モードを選択できる。又、
この実施例では各輪12L,12R,14L,14Rを
駆動する電気モータ90R,91R,90L,91Lを
コントローラ95により直接駆動制御するため、油圧駆
動系を使用した前記実施例に比較して駆動回路の構成が
簡単になるとともに制御が容易となる。
【0100】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 (1)ストロークセンサ24として可変抵抗タイプのも
のに代えて、差動変圧器を使用したり、電磁式センサを
使用してもよい。小回り操舵準備位置、小回り操舵位置
及び中立位置を1個のストロークセンサ24で全て検出
する構成に代えて、各位置を検出する第1の操舵位置検
出手段、第2の操舵位置検出手段、第3の操舵位置検出
手段及び中立位置検出手段としてのセンサをそれぞれ別
に設けてもよい。センサには例えばリミットスイッチ、
近接スイッチ等が使用される。又、センサをステアリン
グシリンダ20に一体に組込んでもよい。
【0101】(2)車両1は通常操舵機能の他に、小回
り操舵機能とその場旋回機能の両者を同時に併せ持つ必
要はなく、通常操舵機能とその場旋回機能の2機能を備
えたものとしてもよい。この場合は、その小回り操舵に
関するもの以外の作用効果が前記実施例1あるいは実施
例2と同様に発揮される。又、小回り操舵準備位置及び
小回り操舵位置を検出するセンサは不要となる。
【0102】(3)車両1を通常操舵機能と小回り操舵
機能の2機能を備えたものとしてもよい。この場合は、
その場旋回に関するもの以外の作用効果が前記実施例1
あるいは実施例2と同様に発揮される。又、ステアリン
グシリンダ20を中立位置でロックするロック手段及び
その場旋回用スイッチ35は不要となる。
【0103】(4)油圧モータを使用した四輪駆動車に
おいて、通常操舵機能と小回り操舵機能だけを備えた車
両の場合、1個の斜板式可変容量型油圧ポンプから、左
右の車両用油圧回路へ作動油を供給する構成としてもよ
い。そして、両車両用油圧回路を連通する管路に流量制
御弁を設けて、左右の車両用油圧回路への作動油の供給
量を調整して左側の油圧モータ13L,15Lと右側の
油圧モータ13R,15Rの回転速度を変更する構成と
してもよい。この場合、前記油圧ポンプと流量制御弁が
第1及び第2の作動油供給手段を構成する。
【0104】(5)通常操舵から小回り操舵への切替え
を自動的に行う代わりに手動で行う構成としてもよい。
この場合、油圧モータを使用した四輪駆動車において
は、両電磁開閉弁62,64を開状態と閉状態とに切替
える手動の切替えスイッチをハンドル30の近辺の操作
し易い位置に設ける。そして、小回り操舵時には運転者
はハンドル30を前輪のロック位置あるいはその近辺ま
で操作した状態で、前記切替えスイッチをオンにする。
切替えスイッチがオンになると両電磁開閉弁62,64
が閉状態となる。その後、旋回側と対応する左側操作レ
バー33あるいは右側操作レバー34を操作すると、前
記実施例と同様に小回り操舵が行われる。又、通常操舵
に戻す場合は切替えスイッチをオフにする。
【0105】又、前記切替えスイッチを新たに設ける代
わりに、左側操作レバー33及び右側操作レバー34が
切替えスイッチを兼用する構成としてもよい。この場
合、左側操作レバー33及び右側操作レバー34が中立
位置にあると両電磁開閉弁62,64は開状態に保持さ
れる。又、小回り操舵時にハンドル30が前輪のロック
位置あるいはその近辺まで操作された状態で旋回側と対
応する左側操作レバー33あるいは右側操作レバー34
が操作されて中立位置から移動すると、両電磁開閉弁6
2,64が閉状態に切替えられる。
【0106】(6)通常操舵から小回り操舵に切替える
ため、両電磁開閉弁62,64を閉状態に切替える前に
旋回側の車輪用ポンプの吐出量を通常操舵時より減少さ
せ、反対側の車輪用ポンプの吐出量を通常操舵時より増
大させる構成を省略してもよい。この場合、ストローク
センサ24を設ける代わりに、前輪が左側あるいは右側
の小回り操舵位置に配置されたことを検出する小回り操
舵位置検出手段としての小回り操舵位置センサを設け
る。そして、前輪が小回り操舵位置に配置されたとき
に、該センサの検出信号に基づいて電気回路が小回り操
舵を開始可能な状態となるようにする。又、この場合、
左側操作レバー33あるいは右側操作レバー34を操作
したとき、その操作量に対応して旋回側の車輪用ポンプ
の吐出量を通常操舵時より減少させ、反対側の車輪用ポ
ンプの吐出量を通常操舵時より増大させるように斜板サ
ーボ機構を制御する。
【0107】(7)小回り操舵時に操作レバーが操作さ
れたとき、小回り操舵時の旋回側及び反対側の車輪用ポ
ンプの吐出量を予め設定された所定の値に減少あるいは
増大させる構成としてもよい。この場合は、小回り操舵
時の旋回半径は前輪の切れ角と両車輪用ポンプの吐出量
とで決まる。従って、小回り操舵時の旋回半径を変更す
ることはできないが、車両1は通常操舵時より小さな旋
回半径で旋回できる。又、制御が容易となる。
【0108】(8)小回り操舵への切替え前に予め旋回
側及び反対側の車輪用ポンプの吐出量を所定の割合で減
少及び増加させる構成において、小回り操舵時に操作レ
バーの操作量に対応して旋回側の車輪用ポンプの吐出量
をさらに減少させるとともに、反対側の車輪用ポンプの
吐出量をそれに対応して増大させてもよい。この場合、
内側となる車輪の速度が同じ場合、前記実施例に比較し
て旋回半径をより小さくできる。
【0109】(9)前輪12L,12Rのロック手段と
してロック用バルブ28のようにステアリングシリンダ
20内の作動油の移動を阻止する構成に代えて、ハンド
ル30を機械的にロックする機構を設けてもよい。
【0110】(10)通常操舵機能とその場旋回機能の
2機能を備えた車両において、左車輪用油圧回路45及
び右車輪用油圧回路47を連通する管路を設けずに両車
輪用油圧回路45,47を独立した構成としてもよい。
この場合、通常操舵時に前輪12L,12Rの切れ角す
なわちハンドル30の操作量に対応して旋回時の内側及
となる車輪用ポンプの吐出量が減少され、外側となる車
輪用ポンプの吐出量が増大するように斜板サーボ機構4
9を制御する。その結果、旋回時に内側の車輪と外側の
車輪の回転速度が車輪の横滑りを起こさない適正な速度
となる。
【0111】(11)両車輪用ポンプ33,34として
斜板式可変容量型油圧ポンプ以外の吐出方向の変更可能
な可変容量油圧ポンプ、例えば特開平5−164245
号公報に開示されたラジアルシリンダ形可変容量ポンプ
を使用してもよい。又、両車輪用ポンプ33,34を同
時に互いに逆方向に回転することのない、通常操舵機能
と小回り操舵機能の2機能を備えた車両1においては、
吐出方向の変更を油圧ポンプの回転軸の回転方向を変更
して行う構成としてもよい。すなわち、エンジン38の
駆動軸と油圧ポンプの回転軸との間に回転方向を切替え
るギヤ機構を設けて、前進時と後進時とで回転軸の回転
方向を変更する構成としてもよい。又、油圧ポンプの駆
動源としてエンジンに代えてバッテリで駆動されるモー
タを使用してもよい。
【0112】(12)左側操作手段とその場旋回用左側
操作手段及び右側操作手段とその場旋回用右側操作手段
をそれぞれ別に設けてもよい。又、各操作手段はレバー
に限らず、回動可能なつまみや直線移動可能なつまみで
あってもよい。この場合もつまみの回動量や移動量をポ
テンショメータ等の操作量検出装置で検出するように構
成する。
【0113】(13)小回り操舵手段は必ずしも左右一
対の操作手段を備える必要はなく、1個の操作手段で構
成してもよい。例えば、1本の操作レバーを中立位置に
対して左側及び右側のいずれの方向にも移動可能に構成
する。そして、中立位置より左側に操作すると左旋回の
小回り操舵となり、中立位置より右側に操作すると右旋
回の小回り操舵となるように構成する。
【0114】(14)各車輪がそれぞれ完全に独立して
昇降可能な懸架装置3,4に支持された車両1に限ら
ず、通常のサスペンションに支持された車両に適用して
もよい。
【0115】(15)車両1が舗装道路を走行するとき
と悪路を走行するときとで、パワーステアリング用ポン
プ43及び姿勢制御用ポンプ44を駆動する電気モータ
97の回転数を変更するように駆動制御してもよい。す
なわち、車両1が平坦な舗装道路を走行する際は姿勢制
御の必要が少ないため、電気モータ97は回転数が小さ
くなるように駆動制御される。一方、悪路を走行する際
には姿勢制御の必要が多いため、回転数が大きくなるよ
うに駆動制御される。その結果、エネルギー消費が少な
くなる。
【0116】前記実施例及び変更例から把握できる請求
項に記載の発明以外の技術的思想について、以下にその
効果とともに記載する。 (1)請求項1〜請求項16に記載の発明において、各
モータを各車輪のホイール内に配置した。この場合、モ
ータの配置スペースの確保が容易となる。
【0117】(2)請求項1〜請求項16に記載の発明
において、各車輪をそれぞれ独立して昇降可能な懸架装
置に支持するとともに、各モータを各車輪のホイール内
に配置した。この場合、山地あるいは凹凸の差が大きな
荒れ地等を走行する際に、車両を水平に維持するように
各懸架装置を個別に伸縮させても、モータによる車輪の
駆動が円滑に行われる。
【0118】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜16に記
載の発明では、操舵装置により前輪を操舵して車両の旋
回を行うことができるとともに、前輪の切れ角で決まる
旋回半径より小さな旋回半径で旋回することができる。
そして、請求項1〜9、請求項13及び請求項14に記
載の発明では、前輪の切れ角が操舵装置による操舵範囲
の限界に達した後、その状態から、より小さな旋回半径
で旋回することができる。又、請求項4に記載の発明で
はさらに小回り操舵時に操作手段の操作量に応じて旋回
半径を変更できる。
【0119】請求項5,6,7,8,9,12に記載の
発明では通常操舵時に左右の両車輪用油圧回路間で作動
油の融通が可能なため、旋回時に内側の車輪と外側の車
輪が無理なく適正回転速度で回転する。請求項6に記載
の発明ではさらに、操作手段の操作により自動的に通常
操舵と小回り操舵の切替えを行うことができる。請求項
7に記載の発明ではさらに、通常操舵から小回り操舵に
切替える時にショックが少なくなる。請求項8に記載の
発明ではさらに、前輪が小回り操舵位置から中立位置側
にある程度戻されたときに、自動的に小回り操舵から通
常操舵に切替えることができる。又、請求項9に記載の
発明では、小回り操舵時に表示ランプの点灯により異常
の有無の確認が容易となる。
【0120】又、請求項11〜16に記載の発明では、
その場旋回を行うことができ、狭い行き止まり路などで
簡単に車両の向きを180°変更できる。又、請求項1
3及び請求項14に記載の発明では、通常操舵、小回り
操舵及びその場旋回の全てを行うことができるので、走
行時の通路の屈曲状態に対応してより適正な旋回動作を
行うことができる。請求項15に記載の発明ではさら
に、操舵装置がパワーステアリング装置で構成されてい
るため、通常操舵を容易に行うことができる。又、その
場旋回のため前輪が直進状態に配置されるとロック手段
により自動的にロックされ、その場旋回に簡単に移行で
きる。又、請求項16に記載の発明ではさらに、前輪が
小回り操舵位置及び直進位置に配置されたことを1個の
センサで精度良く検出でき、部品点数が少なくなるとと
もに、組付けも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例の四輪駆動車の概
略斜視図である。
【図2】懸架装置の配置を示す概略側面図である。
【図3】(a)は右前車輪用の懸架装置の取付け状態を
示す概略正面図であり、(b)は右後車輪用の懸架装置
を示す概略背面図である。
【図4】懸架装置の油圧シリンダの模式図である。
【図5】ステアリングシリンダとストロークセンサの関
係を示す部分断面図である。
【図6】ステアリングシリンダとストロークセンサの関
係を示す部分断面図である。
【図7】パワーステアリング装置の概略平面図である。
【図8】ハンドルと両操作レバーの配置関係を示す概略
平面図である。
【図9】パワーステアリング装置の油圧回路図である。
【図10】駆動系の油圧回路図である。
【図11】電気的構成を示すブロック回路図である。
【図12】その場旋回時におけるレバー角度と目標斜板
角との関係を示す線図である。
【図13】小回り操舵時におけるレバー角度と目標斜板
角の演算に使用する係数との関係を示す線図である。
【図14】ノーマルモードにおける作用を説明するため
のフローチャートである。
【図15】ノーマルモードにおける作用を説明するため
のフローチャートである。
【図16】ノーマルモードにおける作用を説明するため
のフローチャートである。
【図17】小回り操舵時の作用を説明するためのフロー
チャートである。
【図18】その場旋回時の作用を説明するためのフロー
チャートである。
【図19】その場旋回時の作用を説明するためのフロー
チャートである。
【図20】第2実施例の駆動系のブロック図である。
【図21】同じく電気的構成を示すブロック回路図であ
る。
【図22】小回り操舵時の作用を説明するためのフロー
チャートである。
【図23】その場旋回時の作用を説明するためのフロー
チャートである。
【符号の説明】
1…車両、12L,12R…前輪、14L,14R…後
輪、13L,13R,15L,15R…油圧モータ、1
8…操舵装置としてのパワーステアリング装置、20…
ステアリングシリンダ、24…第1の操舵位置検出手
段、第2の操舵位置検出手段及び中立位置検出手段とし
てのストロークセンサ、24a…検出部材としてのシャ
フト、28…ロック手段としてのロック用バルブ、29
…ステアリング制御弁、30…ハンドル、33…小回り
操舵手段及びその場旋回用左側操作手段としての左側操
作レバー、34…小回り操舵手段及びその場旋回用右側
操作手段としての右側操作レバー、35…その場旋回用
スイッチ、37…小回り操舵用表示ランプ、40…第1
の動力供給手段及び作動油供給手段としての左車輪用ポ
ンプ、41…第2の動力供給手段及び作動油供給手段と
しての右車輪用ポンプ、45…左車輪用駆動回路として
の左車輪用油圧回路、47…右車輪用駆動回路としての
右車輪用油圧回路、49…吐出量変更手段及び油圧ポン
プ制御手段としての斜板サーボ機構、61,63…管
路、62,64…電磁切替え弁としての電磁開閉弁、7
1…第1及び第2の制御手段、切替え信号出力手段、表
示ランプ点灯手段、切替え手段及び判断手段としての制
御装置、80…左側操作量検出手段としての左側レバー
センサ、81…右側操作量検出手段としての右側レバー
センサ、86…切替え弁作動確認センサ、92,94…
左車輪用駆動回路を構成する配線、90L,91L…同
じく電気モータ、93,94…右車輪用駆動回路を構成
する配線、90R,91R…同じく電気モータ、95…
第1の動力供給手段及び第2の動力供給手段を構成する
コントローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 和男 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 横田 和憲 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 中島 由貴 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 柴崎 俊一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各一対の前輪及び後輪をそれぞれモータ
    で駆動する四輪駆動車において、 一対の前輪を同期して操舵するとともに、通常操舵と通
    常操舵より小さな旋回半径で車両を旋回させる小回り操
    舵との機能を有する操舵装置と、 左側の前輪及び後輪を駆動する左車輪用駆動回路と、 前記左車輪用駆動回路に設けられたモータへの動力の供
    給量を変更可能な第1の動力供給手段と、 右側の前輪及び後輪を駆動する右車輪用駆動回路と、 前記右車輪用駆動回路に設けられたモータへの動力の供
    給量を変更可能な第2の動力供給手段と、 小回り操舵時に操作される小回り操舵手段と、 小回り操舵時に前記小回り操舵手段の操作に基づき旋回
    方向側の各輪の回転速度を通常操舵時より減少させるよ
    うに前記第1及び第2の動力供給手段を制御する第1の
    制御手段とを備えた四輪駆動車。
  2. 【請求項2】 前記小回り操舵手段の操作量を検出する
    操作量検出手段を設け、小回り操舵時に小回り操舵手段
    の操作量に応じて前記第1及び第2の動力供給手段のう
    ち旋回方向側の動力供給手段の動力の供給量を通常操舵
    時より減少させるように制御する第1の制御手段を設け
    た請求項1に記載の四輪駆動車。
  3. 【請求項3】 前記第1の制御手段を小回り操舵時に小
    回り操舵手段の操作量に応じて前記第1及び第2の動力
    供給手段のうち旋回方向側の動力供給手段の動力の供給
    量を通常操舵時より減少させるとともに他方の動力供給
    手段の動力の供給量を通常操舵時より増大させるように
    制御する構成とした請求項2に記載の四輪駆動車。
  4. 【請求項4】 前記左車輪用駆動回路を油圧モータを備
    えた左車輪用油圧回路とし、右車輪用駆動回路を油圧モ
    ータを備えた右車輪用油圧回路とし、第1の動力供給手
    段を第1の作動油供給手段とし、第2の動力供給手段を
    第2の作動油供給手段とし、小回り操舵時に前記小回り
    操舵手段の操作に基づき前記第1及び第2の作動油供給
    手段のうち旋回方向側の作動油供給手段の作動油の供給
    量を通常操舵時より減少させるように制御する第1の制
    御手段を設けた請求項1に記載の四輪駆動車。
  5. 【請求項5】 前記第1の作動油供給手段は前記左車輪
    用油圧回路に設けられた可変容量油圧ポンプであり、第
    2の作動油供給手段は右車輪用油圧回路に設けられた可
    変容量油圧ポンプであり、前記左車輪用油圧回路及び右
    車輪用油圧回路は両可変容量油圧ポンプの吐出側及び吸
    入側においてそれぞれ管路を介して連通可能に接続さ
    れ、各管路には切替えスイッチの状態に基づいて通常操
    舵時に両車輪用油圧回路を連通状態とする開状態に保持
    されるとともに小回り操舵時に両車輪用油圧回路の連通
    を遮断する閉状態に保持される電磁切替え弁がそれぞれ
    設けられている請求項4に記載の四輪駆動車。
  6. 【請求項6】 前輪が小回り操舵位置に配置されたこと
    を検出する第1の操舵位置検出手段を備え、小回り操舵
    手段が左側への小回り操舵時に操作される左側操作手段
    と右側への小回り操舵時に操作される右側操作手段とを
    備え、両操作手段が前記切替えスイッチを兼用し、前記
    第1の操舵位置検出手段の検出状態において操作手段が
    中立位置から操作されると前記電磁切替え弁を閉状態と
    する切替え信号出力手段を設けた請求項5に記載の四輪
    駆動車。
  7. 【請求項7】 前輪が小回り操舵準備位置に配置された
    ことを検出する第2の操舵位置検出手段を備え、その検
    出信号に基づいて旋回側の車輪用油圧回路に設けられた
    可変容量油圧ポンプの吐出量を所定量減少させるととも
    に反対側の車輪用油圧回路に設けられた可変容量油圧ポ
    ンプの吐出量を所定量増大させる吐出量変更手段を備え
    た請求項5又は請求項6に記載の四輪駆動車。
  8. 【請求項8】 前輪が小回り操舵準備位置より中立位置
    側に配置されたことを検出する第3の操舵位置検出手段
    を備え、その検出信号に基づいて閉状態にある前記電磁
    切替え弁を開状態に切替える切替え信号出力手段を備え
    た請求項5又は請求項6に記載の四輪駆動車。
  9. 【請求項9】 前記第1の操舵位置検出手段の検出状態
    において小回り操舵手段が中立位置から操作されて前記
    電磁切替え弁が閉状態とされたときにそれを確認する切
    替え弁作動確認センサと、小回り操舵用表示ランプと、
    前記確認センサの検出信号に基づいて切替え弁が正常に
    作動した際に前記表示ランプを点灯させ、異常の際には
    点滅させる表示ランプ点灯手段とを備えた請求項5又は
    請求項6に記載の四輪駆動車。
  10. 【請求項10】 各一対の前輪及び後輪をそれぞれモー
    タで駆動する四輪駆動車において、 一対の前輪を同期して操舵する操舵装置と、 左側の前輪及び後輪を駆動する正逆回転可能な各モータ
    を備えた左車輪用駆動回路と、 前記左車輪用駆動回路に設けられたモータへの動力の供
    給量を変更可能な第1の動力供給手段と、 右側の前輪及び後輪を駆動する正逆回転可能な各モータ
    を備えた右車輪用駆動回路と、 前記右車輪用駆動回路に設けられたモータへの動力の供
    給量を変更可能な第2の動力供給手段と、 前記操舵装置による通常操舵から、その場旋回操舵に切
    替えるその場旋回用スイッチと、 その場旋回操舵時に操作されるその場旋回用左側操作手
    段及びその場旋回用右側操作手段と、 その場旋回操舵時に一対の前輪が直進状態で前記操舵装
    置をロックするロック手段と、 その場旋回操舵時に前記両操作手段の操作に基づき左右
    の車輪を互いに逆方向に回転させるように前記各モータ
    を制御する第2の制御手段とを備えた四輪駆動車。
  11. 【請求項11】 各一対の前輪及び後輪をそれぞれモー
    タで駆動する四輪駆動車において、 一対の前輪を同期して操舵する操舵装置と、 左側の前輪及び後輪を駆動する各油圧モータと吐出方向
    の変更可能な可変容量油圧ポンプを備えた左車輪用油圧
    回路と、 右側の前輪及び後輪を駆動する各油圧モータと吐出方向
    の変更可能な可変容量油圧ポンプを備えた右車輪用油圧
    回路と、 前記操舵装置による通常操舵から、その場旋回操舵に切
    替えるその場旋回用スイッチと、 その場旋回操舵時に操作されるその場旋回用左側操作手
    段及びその場旋回用右側操作手段と、 その場旋回操舵時に一対の前輪が直進状態で前記操舵装
    置をロックするロック手段と、 その場旋回操舵時に前記両操作手段の操作に基づき左右
    の車輪を互いに逆方向に回転させるために前記両車輪用
    油圧回路の可変容量油圧ポンプをその吐出方向が逆方向
    となるように制御する油圧ポンプ制御手段とを備えた四
    輪駆動車。
  12. 【請求項12】 前記左車輪用油圧回路及び右車輪用油
    圧回路は各可変容量油圧ポンプの吐出側及び吸入側にお
    いてそれぞれ管路を介して連通可能に接続され、各管路
    には前記その場旋回用スイッチの操作に基づいて通常操
    舵時に両車輪用油圧回路を連通状態とする開状態に保持
    されるとともにその場旋回操舵時に両車輪用油圧回路の
    連通を遮断する閉状態に保持される電磁切替え弁がそれ
    ぞれ設けられている請求項11に記載の四輪駆動車。
  13. 【請求項13】 各一対の前輪及び後輪をそれぞれモー
    タで駆動する四輪駆動車において、 一対の前輪を同期して操舵するとともに、通常操舵と通
    常操舵より小さな旋回半径で車両を旋回させる小回り操
    舵との機能を有する操舵装置と、 左側の前輪及び後輪を駆動する正逆回転可能な各モータ
    を備えた左車輪用駆動回路と、 前記左車輪用駆動回路に設けられたモータへの動力の供
    給量を変更可能な第1の動力供給手段と、 右側の前輪及び後輪を駆動する正逆回転可能な各モータ
    を備えた右車輪用駆動回路と、 前記右車輪用駆動回路に設けられたモータへの動力の供
    給量を変更可能な第2の動力供給手段と、 小回り操舵時に操作される小回り操舵手段と、 小回り操舵時に前記小回り操舵手段の操作に基づき旋回
    方向側の各輪の回転速度を通常操舵時より減少させるよ
    うに前記第1及び第2の動力供給手段を制御する第1の
    制御手段と、 前記操舵装置による通常操舵から、その場旋回操舵に切
    替えるその場旋回用スイッチと、 その場旋回操舵時に操作されるその場旋回用左側操作手
    段及びその場旋回用右側操作手段と、 その場旋回操舵時に一対の前輪が直進状態で前記操舵装
    置をロックするロック手段と、 その場旋回操舵時に前記両操作手段の操作に基づき左右
    の車輪を互いに逆方向に回転させるように前記各モータ
    を制御する第2の制御手段とを備えた四輪駆動車。
  14. 【請求項14】 各一対の前輪及び後輪をそれぞれモー
    タで駆動する四輪駆動車において、 一対の前輪を同期して操舵するとともに、通常操舵機能
    と通常操舵より小さな旋回半径で車両を旋回させる小回
    り操舵機能とを有する操舵装置と、 左側の前輪及び後輪を駆動する各油圧モータと吐出方向
    の変更可能な可変容量油圧ポンプを備えた左車輪用油圧
    回路と、 右側の前輪及び後輪を駆動する各油圧モータと吐出方向
    の変更可能な可変容量油圧ポンプを備えた右車輪用油圧
    回路と、 小回り操舵時に操作される小回り操舵手段と、 小回り操舵時に前記小回り操舵手段の操作に基づき前記
    左車輪用油圧回路及び右車輪用油圧回路の可変容量油圧
    ポンプのうち旋回方向側の可変容量油圧ポンプの吐出量
    を通常操舵時より減少させるように制御する第1の制御
    手段と前記操舵装置による通常操舵から、その場旋回操
    舵に切替えるその場旋回用スイッチと、 その場旋回操舵時に操作されるその場旋回用左側操作手
    段及びその場旋回用右側操作手段と、 その場旋回操舵時に一対の前輪が直進状態で前記操舵装
    置をロックするロック手段と、 その場旋回操舵時に前記両操作手段の操作に基づき左右
    の車輪を互いに逆方向に回転させるために前記両車輪用
    油圧回路の可変容量油圧ポンプをその吐出方向が逆方向
    となるように制御する油圧ポンプ制御手段とを備えた四
    輪駆動車。
  15. 【請求項15】 前記操舵装置は油圧式パワーステアリ
    ング装置で構成され、前記ロック手段はステアリング制
    御弁とステアリングシリンダとの間に設けられステアリ
    ングシリンダとステアリング制御弁とを連通状態に保持
    する開状態と、連通を遮断する閉状態とに切替え可能な
    ロック用バルブであり、前輪が直進状態に配置されたこ
    とを検出する中立位置検出手段を備え、該検出手段の検
    出信号及びその場旋回用スイッチのオン信号に基づいて
    前記ロック用バルブを閉状態に切替える切替え手段を備
    えた請求項10、請求項11、請求項13及び請求項1
    4のいずれか1項に記載の四輪駆動車。
  16. 【請求項16】 前記操舵装置を構成するステアリング
    シリンダのピストンロッドと一体移動可能な検出部材を
    備えたストロークセンサを設け、該ストロークセンサの
    検出信号に基づいて前輪が小回り操舵位置及び直進状態
    に配置されたことを判断する判断手段を備えた請求項1
    3又は請求項14に記載の四輪駆動車。
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