JPH072768A - ビスマレイミドの製造方法 - Google Patents
ビスマレイミドの製造方法Info
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- JPH072768A JPH072768A JP14493493A JP14493493A JPH072768A JP H072768 A JPH072768 A JP H072768A JP 14493493 A JP14493493 A JP 14493493A JP 14493493 A JP14493493 A JP 14493493A JP H072768 A JPH072768 A JP H072768A
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- solvent
- reaction
- aromatic hydrocarbon
- aromatic
- bismaleimide
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 一般式〔I〕
【化1】
〔式中、Yは−CH2 −,−C(CH3)2 −,−C(C
F3)2 −,−C(CCl3) 2 −,−C(CH3)(Ph)−から
選ばれる基、R1 〜R4 は水素原子、ハロゲン原子、ま
たは炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕で示される芳
香族ジアミンと無水マレイン酸とを芳香族炭化水素溶媒
と非プロトン性極性溶媒の混合溶媒中で付加反応させて
ポリマレアミド酸を得た後、酸触媒の存在下で副生水を
溶媒と共沸除去して脱水閉環反応させて得られた反応液
を、均一な溶液状態を保持しつつ、水洗し、芳香族炭化
水素溶媒を初期仕込み量の50重量%以上留去した反応
液に、エステル類、エーテル類、および、ケトン類から
選ばれる非芳香族溶媒を添加した後、冷却してビスマレ
イミドを析出させることを特徴とするエーテルイミド系
ビスマレイミドの製造方法。 【効果】 溶媒を内包しない高純度のエーテルイミド系
ビスマレイミドを、工業的に有利に、簡易に得る方法を
提供する。
F3)2 −,−C(CCl3) 2 −,−C(CH3)(Ph)−から
選ばれる基、R1 〜R4 は水素原子、ハロゲン原子、ま
たは炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕で示される芳
香族ジアミンと無水マレイン酸とを芳香族炭化水素溶媒
と非プロトン性極性溶媒の混合溶媒中で付加反応させて
ポリマレアミド酸を得た後、酸触媒の存在下で副生水を
溶媒と共沸除去して脱水閉環反応させて得られた反応液
を、均一な溶液状態を保持しつつ、水洗し、芳香族炭化
水素溶媒を初期仕込み量の50重量%以上留去した反応
液に、エステル類、エーテル類、および、ケトン類から
選ばれる非芳香族溶媒を添加した後、冷却してビスマレ
イミドを析出させることを特徴とするエーテルイミド系
ビスマレイミドの製造方法。 【効果】 溶媒を内包しない高純度のエーテルイミド系
ビスマレイミドを、工業的に有利に、簡易に得る方法を
提供する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マレイミドの製造方法
に関する。本発明の方法で得られるマレイミドは、積層
材料、封止材料、電気絶縁材料、導電性ペースト、接着
剤及び構造材料として有用なものである。
に関する。本発明の方法で得られるマレイミドは、積層
材料、封止材料、電気絶縁材料、導電性ペースト、接着
剤及び構造材料として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】エーテルイミド系ビスマレイミドの製造
方法としては、対応する芳香族ジアミンと無水マレイン
酸とを芳香族炭化水素と非プロトン性極性溶媒との混合
溶媒中で低温で付加反応させてビスマレアミド酸を得た
後、酸触媒を用いて脱水閉環反応させてビスマレイミド
を得る方法(特開平1−211563号公報等)が知ら
れている。
方法としては、対応する芳香族ジアミンと無水マレイン
酸とを芳香族炭化水素と非プロトン性極性溶媒との混合
溶媒中で低温で付加反応させてビスマレアミド酸を得た
後、酸触媒を用いて脱水閉環反応させてビスマレイミド
を得る方法(特開平1−211563号公報等)が知ら
れている。
【0003】しかし、この方法では、閉環反応が十分進
行せず、得られたビスマレイミド中にビスマレアミド酸
がかなり残存する。また、エーテルイミド型ビスマレイ
ミドは、芳香族炭化水素溶媒中で結晶析出させると、結
晶内に溶媒が内包されるので、高純度品を得るには低沸
点ハロゲン化炭化水素溶媒で再結晶させることが必要と
なる(特開平1−238568号公報参照)。一方、乾
燥して得られたビスマレイミドをテトラヒドロフランや
アセトンに溶解して水で再沈させる方法(特開平3−1
45462号公報)も知られている。
行せず、得られたビスマレイミド中にビスマレアミド酸
がかなり残存する。また、エーテルイミド型ビスマレイ
ミドは、芳香族炭化水素溶媒中で結晶析出させると、結
晶内に溶媒が内包されるので、高純度品を得るには低沸
点ハロゲン化炭化水素溶媒で再結晶させることが必要と
なる(特開平1−238568号公報参照)。一方、乾
燥して得られたビスマレイミドをテトラヒドロフランや
アセトンに溶解して水で再沈させる方法(特開平3−1
45462号公報)も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、芳香族炭化
水素と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒中で付加反応
させてビスマレアミド酸を得た後、酸触媒を用いて脱水
閉環反応させてビスマレイミドを得る方法において、工
業的に有利に、溶媒を内包しない高純度のエーテルイミ
ド系ビスマレイミドを簡易に得る方法を提供しようとす
るものである。
水素と非プロトン性極性溶媒との混合溶媒中で付加反応
させてビスマレアミド酸を得た後、酸触媒を用いて脱水
閉環反応させてビスマレイミドを得る方法において、工
業的に有利に、溶媒を内包しない高純度のエーテルイミ
ド系ビスマレイミドを簡易に得る方法を提供しようとす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、下記一般
式〔I〕
式〔I〕
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、Yは−CH2 −,−C(CH3)2
−,−C(CF3)2 −,−C(CCl3) 2 −,−C(CH
3)(Ph)−から選ばれる基、R1 〜R4 は水素原子、ハロ
ゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
で示される芳香族ジアミンと無水マレイン酸とを芳香族
炭化水素溶媒と非プロトン性極性溶媒の混合溶媒中で5
0℃以上で付加反応させてポリマレアミド酸を得た後、
酸触媒の存在下で副生する水を芳香族炭化水素溶媒と共
沸除去して脱水閉環反応させて得られた反応液を、均一
な溶液状態を保持しつつ、水洗し、芳香族炭化水素溶媒
を初期仕込み量の50重量%以上留去し、残存する芳香
族炭化水素溶媒1重量部に対して1重量部以上の、エス
テル類、エーテル類、および、ケトン類から選ばれる非
芳香族溶媒を添加した後、冷却してビスマレイミドを析
出させることを特徴とするビスマレイミドの製造方法を
提供するものである。
−,−C(CF3)2 −,−C(CCl3) 2 −,−C(CH
3)(Ph)−から選ばれる基、R1 〜R4 は水素原子、ハロ
ゲン原子、または炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
で示される芳香族ジアミンと無水マレイン酸とを芳香族
炭化水素溶媒と非プロトン性極性溶媒の混合溶媒中で5
0℃以上で付加反応させてポリマレアミド酸を得た後、
酸触媒の存在下で副生する水を芳香族炭化水素溶媒と共
沸除去して脱水閉環反応させて得られた反応液を、均一
な溶液状態を保持しつつ、水洗し、芳香族炭化水素溶媒
を初期仕込み量の50重量%以上留去し、残存する芳香
族炭化水素溶媒1重量部に対して1重量部以上の、エス
テル類、エーテル類、および、ケトン類から選ばれる非
芳香族溶媒を添加した後、冷却してビスマレイミドを析
出させることを特徴とするビスマレイミドの製造方法を
提供するものである。
【0008】(芳香族ジアミン)ビスマレイミドの製造
に用いられる前記一般式〔I〕示される芳香族ジアミン
としては、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メチル−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔3−ブチル−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメ
チル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔3−メトキシ−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,
3,3−ヘキサクロロ−2,2−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1−フェニル−1
−メチル−1,1−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1−フェニル
−1−メチル−1,1−ビス〔3,5−ジメチル−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン等が挙げら
れる。
に用いられる前記一般式〔I〕示される芳香族ジアミン
としては、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メチル−
4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔3−ブチル−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジメ
チル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔3−メトキシ−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,
3,3−ヘキサクロロ−2,2−ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1−フェニル−1
−メチル−1,1−ビス〔3,5−ジメチル−4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1−フェニル
−1−メチル−1,1−ビス〔3,5−ジメチル−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン等が挙げら
れる。
【0009】(無水マレイン酸)芳香族ジアミンに対す
る無水マレイン酸の割合は、芳香族ジアミンの全アミノ
基1当量に対し無水マレイン酸を0.9〜2モル、好ま
しくは、1.0〜1.3モルを用いる。 (反応溶媒)混合溶媒に用いられる芳香族炭化水素とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、ジエチルベンゼン、ブチルベンゼン、キュメン、メ
シチレン等の炭素数6〜10の芳香族炭化水素類が挙げ
られる。これらの中でもトルエン及びキシレンが好まし
い。
る無水マレイン酸の割合は、芳香族ジアミンの全アミノ
基1当量に対し無水マレイン酸を0.9〜2モル、好ま
しくは、1.0〜1.3モルを用いる。 (反応溶媒)混合溶媒に用いられる芳香族炭化水素とし
ては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、ジエチルベンゼン、ブチルベンゼン、キュメン、メ
シチレン等の炭素数6〜10の芳香族炭化水素類が挙げ
られる。これらの中でもトルエン及びキシレンが好まし
い。
【0010】非プロトン性極性溶媒としては、付加反応
で生成するマレアミド酸を溶解しやすい溶媒、例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素等のア
ミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のイオウ系溶媒、
ヘキサメチルホスホロアミド等のリン系溶媒等が挙げら
れる。非プロトン性極性溶媒は、沸点150℃以上で、
水と共沸しにくいものが好ましく、前記の中でも、アミ
ド系溶媒が好ましく用いられる。混合溶媒中の非プロト
ン性極性溶媒の量は製品純度の面から少ないほうが好ま
しく、通常、0.1〜30重量%、好ましくは1〜20
重量%である。混合溶媒は、使用する芳香族ジアミン1
重量部に対し、1〜50重量部、好ましくは2〜20重
量部の割合で使用する。
で生成するマレアミド酸を溶解しやすい溶媒、例えば、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素等のア
ミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のイオウ系溶媒、
ヘキサメチルホスホロアミド等のリン系溶媒等が挙げら
れる。非プロトン性極性溶媒は、沸点150℃以上で、
水と共沸しにくいものが好ましく、前記の中でも、アミ
ド系溶媒が好ましく用いられる。混合溶媒中の非プロト
ン性極性溶媒の量は製品純度の面から少ないほうが好ま
しく、通常、0.1〜30重量%、好ましくは1〜20
重量%である。混合溶媒は、使用する芳香族ジアミン1
重量部に対し、1〜50重量部、好ましくは2〜20重
量部の割合で使用する。
【0011】(付加反応)芳香族ジアミンと無水マレイ
ン酸との付加反応は、通常、所定温度の無水マレイン酸
の芳香族炭化水素溶液に、芳香族ジアミンの混合溶媒溶
液を滴下して行われる。反応温度は50℃以上、好まし
くは70〜150℃、滴下時間は0.5〜5時間で、滴
下終了後、更に、同温度、好ましくは70〜150℃で
0.1〜5時間反応を継続して、ビスマレアミド酸のス
ラリー液を生成させる。この際、芳香族ジアミンを無水
マレイン酸と完全に反応させてビスマレアミド酸とする
ことが重要であり、低温では反応が十分進行しないので
得られるビスマレイミドの純度が低下する。また温度が
高すぎると重合物が多くなり製品純度が低下する。
ン酸との付加反応は、通常、所定温度の無水マレイン酸
の芳香族炭化水素溶液に、芳香族ジアミンの混合溶媒溶
液を滴下して行われる。反応温度は50℃以上、好まし
くは70〜150℃、滴下時間は0.5〜5時間で、滴
下終了後、更に、同温度、好ましくは70〜150℃で
0.1〜5時間反応を継続して、ビスマレアミド酸のス
ラリー液を生成させる。この際、芳香族ジアミンを無水
マレイン酸と完全に反応させてビスマレアミド酸とする
ことが重要であり、低温では反応が十分進行しないので
得られるビスマレイミドの純度が低下する。また温度が
高すぎると重合物が多くなり製品純度が低下する。
【0012】付加反応生成液は、次いで、酸触媒を添加
して脱水閉環反応に供される。 (酸触媒)脱水閉環反応に使用される酸触媒としては、
硫酸、無水硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、縮
合リン酸等の無機酸、及び、p−トルエンスルホン酸、
トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。これらの中で有
機酸が好ましく用いられる。酸触媒の使用量は、使用し
た芳香族ポリアミンの全アミノ基1当量に対し、0.0
001〜1モル、好ましくは0.001〜0.5モルの
範囲である。
して脱水閉環反応に供される。 (酸触媒)脱水閉環反応に使用される酸触媒としては、
硫酸、無水硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタリン酸、縮
合リン酸等の無機酸、及び、p−トルエンスルホン酸、
トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。これらの中で有
機酸が好ましく用いられる。酸触媒の使用量は、使用し
た芳香族ポリアミンの全アミノ基1当量に対し、0.0
001〜1モル、好ましくは0.001〜0.5モルの
範囲である。
【0013】(脱水閉環反応)脱水閉環反応は、酸触媒
の添加後、80〜200℃、好ましくは80〜150℃
で、圧力760〜50mmHgで生成水を反応溶媒と共
沸留去しながら行われる。反応時間は、通常、1〜20
時間で、実質的に未閉環のビスマレアミド酸が消失する
まで行われ、ビスマレアミド酸の消失は、反応系が不均
一系から均一系に変化することで知ることができる。生
成水と共沸留去した溶媒は、冷却・相分離後、反応系に
戻される。反応温度が低いと脱水反応が進行しにくく、
200℃を越えると重合物が多くなる。
の添加後、80〜200℃、好ましくは80〜150℃
で、圧力760〜50mmHgで生成水を反応溶媒と共
沸留去しながら行われる。反応時間は、通常、1〜20
時間で、実質的に未閉環のビスマレアミド酸が消失する
まで行われ、ビスマレアミド酸の消失は、反応系が不均
一系から均一系に変化することで知ることができる。生
成水と共沸留去した溶媒は、冷却・相分離後、反応系に
戻される。反応温度が低いと脱水反応が進行しにくく、
200℃を越えると重合物が多くなる。
【0014】(後処理)上記のようにして得られた反応
液を、均一な溶液状態を保持しつつ、水洗し、芳香族炭
化水素溶媒を初期仕込み量の50重量%以上留去し、残
存する芳香族炭化水素溶媒1重量部に対して1重量部以
上の非芳香族溶媒を添加した後に、該溶液を冷却してビ
スマレイミドを析出させる。
液を、均一な溶液状態を保持しつつ、水洗し、芳香族炭
化水素溶媒を初期仕込み量の50重量%以上留去し、残
存する芳香族炭化水素溶媒1重量部に対して1重量部以
上の非芳香族溶媒を添加した後に、該溶液を冷却してビ
スマレイミドを析出させる。
【0015】水洗は、反応液中に含まれる生成マレイミ
ド1重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは2
〜20重量部の水を加えて、攪拌後、静置し、油水分離
する。攪拌は、一般に、回転数30〜300rpmで、
3〜30分間行う。洗浄温度は70〜95℃で、1〜5
回、好ましくは2回以上行う。水洗後の芳香族炭化水素
溶媒の留去は、温度50〜160℃、圧力760〜0.
1mmHgの範囲で行われ、芳香族炭化水素溶媒が初期
仕込み量の50重量%以上、通常、50〜95重量%留
去する。温度が低過ぎたり、芳香族炭化水素溶媒を留去
し過ぎると、留去操作中にマレイミドの析出が起こり、
溶媒を内包してしまう。また、留去量が少な過ぎても析
出するビスマレイミドの結晶中に溶媒が内包されてしま
う。
ド1重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは2
〜20重量部の水を加えて、攪拌後、静置し、油水分離
する。攪拌は、一般に、回転数30〜300rpmで、
3〜30分間行う。洗浄温度は70〜95℃で、1〜5
回、好ましくは2回以上行う。水洗後の芳香族炭化水素
溶媒の留去は、温度50〜160℃、圧力760〜0.
1mmHgの範囲で行われ、芳香族炭化水素溶媒が初期
仕込み量の50重量%以上、通常、50〜95重量%留
去する。温度が低過ぎたり、芳香族炭化水素溶媒を留去
し過ぎると、留去操作中にマレイミドの析出が起こり、
溶媒を内包してしまう。また、留去量が少な過ぎても析
出するビスマレイミドの結晶中に溶媒が内包されてしま
う。
【0016】(非芳香族溶媒)留去後の反応液に添加す
る非芳香族溶媒としては、エステル類、エーテル類、お
よび、ケトン類から選ばれる溶媒を用いる。エステル類
としては、例えば、ギ酸エチル、ギ酸n−ブチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、
プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、イソ吉
草酸エチル等の脂肪族エステルが挙げられる。
る非芳香族溶媒としては、エステル類、エーテル類、お
よび、ケトン類から選ばれる溶媒を用いる。エステル類
としては、例えば、ギ酸エチル、ギ酸n−ブチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸2−エチルヘキシル、
プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、イソ吉
草酸エチル等の脂肪族エステルが挙げられる。
【0017】エーテル類としては、例えば、ジエチルエ
ーテル、ジn−ブチルエーテル等の脂肪族エーテル、テ
トラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテ
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等のアルコ
ールエーテル、及び、酢酸エチルセロソルブ、酢酸カル
ビトール等のエステルエーテルが挙げられる。ケトン類
としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられ
る。
ーテル、ジn−ブチルエーテル等の脂肪族エーテル、テ
トラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテ
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等のアルコ
ールエーテル、及び、酢酸エチルセロソルブ、酢酸カル
ビトール等のエステルエーテルが挙げられる。ケトン類
としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられ
る。
【0018】非芳香族溶媒の添加量は、留去後の反応液
に残存する芳香族炭化水素溶媒1重量部に対して、1重
量部以上、好ましくは1.5〜50重量部である。非芳
香族溶媒の量が少なすぎると、析出するビスマレイミド
の結晶中に芳香族炭化水素溶媒が内包されてしまう。非
芳香族溶媒を添加して60〜200℃で0.5〜2時間
攪拌して均一に溶解させる。温度が低過ぎると非芳香族
溶媒の添加中にビスマレイミドが析出し、結晶中に非芳
香族溶媒が内包されてしまう。
に残存する芳香族炭化水素溶媒1重量部に対して、1重
量部以上、好ましくは1.5〜50重量部である。非芳
香族溶媒の量が少なすぎると、析出するビスマレイミド
の結晶中に芳香族炭化水素溶媒が内包されてしまう。非
芳香族溶媒を添加して60〜200℃で0.5〜2時間
攪拌して均一に溶解させる。温度が低過ぎると非芳香族
溶媒の添加中にビスマレイミドが析出し、結晶中に非芳
香族溶媒が内包されてしまう。
【0019】均一溶解液は、50℃以下に冷却して、攪
拌下にビスマレイミドの結晶を析出させる。析出は、最
初の結晶析出後30分以上、好ましくは1時間以上攪拌
を続けるのがよい。
拌下にビスマレイミドの結晶を析出させる。析出は、最
初の結晶析出後30分以上、好ましくは1時間以上攪拌
を続けるのがよい。
【0020】析出したマレイミドは、濾別後、必要に応
じ、メタノール等の低級アルコールまたは水でリンスし
た後、乾燥して目的物を得る。乾燥は、50℃以上、生
成ビスマレイミドの融点以下の温度で、1〜100時
間、好ましくは3〜50時間乾燥する。得られるエーテ
ルイミド系マレイミドは、通常、残存溶媒量2重量%以
下で、酸価5(mg・KOH/g)以下の高純度のもの
である。
じ、メタノール等の低級アルコールまたは水でリンスし
た後、乾燥して目的物を得る。乾燥は、50℃以上、生
成ビスマレイミドの融点以下の温度で、1〜100時
間、好ましくは3〜50時間乾燥する。得られるエーテ
ルイミド系マレイミドは、通常、残存溶媒量2重量%以
下で、酸価5(mg・KOH/g)以下の高純度のもの
である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により、本発明をより具体的に
説明する。 実施例1 冷却器、温度計、攪拌機および水分離器を備えた500
mlの4口フラスコ内に、無水マレイン酸26.3g、
トルエン170gを仕込み、内温を80℃に調整した。
次に、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン50gをトルエン110g及びN−メ
チル−2−ピロリドン10gに溶解した液を80℃に加
温し、フラスコ内温を80℃に維持しながら30分間か
けて滴下し、滴下終了後、80℃で30分間攪拌して付
加反応させた。
説明する。 実施例1 冷却器、温度計、攪拌機および水分離器を備えた500
mlの4口フラスコ内に、無水マレイン酸26.3g、
トルエン170gを仕込み、内温を80℃に調整した。
次に、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン50gをトルエン110g及びN−メ
チル−2−ピロリドン10gに溶解した液を80℃に加
温し、フラスコ内温を80℃に維持しながら30分間か
けて滴下し、滴下終了後、80℃で30分間攪拌して付
加反応させた。
【0022】続いて、得られた反応液にp−トルエンス
ルホン酸2.3g添加後、昇温し、トルエンの還流下
(112℃)に7時間加熱して、マレアミド酸の閉環反
応を行った。この間、反応で生成した水はトルエンと共
沸させて系外へ留去せしめた。
ルホン酸2.3g添加後、昇温し、トルエンの還流下
(112℃)に7時間加熱して、マレアミド酸の閉環反
応を行った。この間、反応で生成した水はトルエンと共
沸させて系外へ留去せしめた。
【0023】反応終了後、反応液に純水150gを加え
80〜85℃で攪拌して洗浄を行い、これを3回繰り返
した。水洗後、反応液を温度60〜70℃、減圧下(2
00〜50mmHg)で、トルエン220gを留去した
(仕込みトルエンに対する留去率78.6%、残存トル
エン60g)。
80〜85℃で攪拌して洗浄を行い、これを3回繰り返
した。水洗後、反応液を温度60〜70℃、減圧下(2
00〜50mmHg)で、トルエン220gを留去した
(仕込みトルエンに対する留去率78.6%、残存トル
エン60g)。
【0024】次いで、残留物に酢酸エチルセロソルブ2
00gを追加し、100℃で1時間攪拌して均一溶液と
なした後、攪拌しながら、30℃まで冷却し、マレイミ
ドを析出させ、その後2時間攪拌を続けた後、析出物を
濾別し、70℃で24時間乾燥して、淡黄色のマレイミ
ド粉末62.0gを得た(収率89.2%)。
00gを追加し、100℃で1時間攪拌して均一溶液と
なした後、攪拌しながら、30℃まで冷却し、マレイミ
ドを析出させ、その後2時間攪拌を続けた後、析出物を
濾別し、70℃で24時間乾燥して、淡黄色のマレイミ
ド粉末62.0gを得た(収率89.2%)。
【0025】このマレイミドのキャピラリー法による融
点は143〜145℃、液体クロマトグラフ(示差屈折
率検出器)の面積百分率で求めた純度は98.8%、ガ
スクロマトグラフ(FID)の絶対検量線法で求めたト
ルエン残存量は0.05重量、N/10KOHエタノー
ル溶液で滴定した酸価は、1.8(mg・KOH/g)
であった。
点は143〜145℃、液体クロマトグラフ(示差屈折
率検出器)の面積百分率で求めた純度は98.8%、ガ
スクロマトグラフ(FID)の絶対検量線法で求めたト
ルエン残存量は0.05重量、N/10KOHエタノー
ル溶液で滴定した酸価は、1.8(mg・KOH/g)
であった。
【0026】実施例2〜4 実施例1において非芳香族溶媒の種類を表1のように変
えた他は実施例1と同様にして、マレイミドを得た。そ
れらの結果を表1に示す。 実施例5 実施例1においてトルエンに代えてベンゼンを用い、ベ
ンゼンの還流下(82℃)に42時間加熱してマレアミ
ド酸の閉環反応を行った他は実施例1と同様にして、マ
レイミドを得た。その結果を表1に示す。
えた他は実施例1と同様にして、マレイミドを得た。そ
れらの結果を表1に示す。 実施例5 実施例1においてトルエンに代えてベンゼンを用い、ベ
ンゼンの還流下(82℃)に42時間加熱してマレアミ
ド酸の閉環反応を行った他は実施例1と同様にして、マ
レイミドを得た。その結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】比較例1 実施例1において、反応液を水洗後、そのまま30℃ま
で冷却してマレイミドを析出させ、濾別した析出物の乾
燥時間を48時間とした他は実施例1と同様にして、淡
黄色のマレイミド粉末67.6gを得た(見かけの収率
97.2%)。このマレイミドは、トルエン13.1重
量%を含み(トルエンを除外した純度は98.2%)、
キャピラリー法による融点は140〜145℃、N/10
KOHエタノール溶液で滴定した酸価は、2.4(mg
・KOH/g)であった。
で冷却してマレイミドを析出させ、濾別した析出物の乾
燥時間を48時間とした他は実施例1と同様にして、淡
黄色のマレイミド粉末67.6gを得た(見かけの収率
97.2%)。このマレイミドは、トルエン13.1重
量%を含み(トルエンを除外した純度は98.2%)、
キャピラリー法による融点は140〜145℃、N/10
KOHエタノール溶液で滴定した酸価は、2.4(mg
・KOH/g)であった。
【0029】比較例2 実施例1において、トルエン留去量を110g(仕込み
トルエンに対する留去率39.3%)とした以外は、実
施例1と同様にしてビスマレイミド粉末65.2gを得
た(見かけの収率93.8%)。このマレイミドは、ト
ルエン13.3重量%を含み(トルエンを除外した純度
は98.5%)、融点は125〜130℃、酸価は、
2.0(mg・KOH/g)であった。
トルエンに対する留去率39.3%)とした以外は、実
施例1と同様にしてビスマレイミド粉末65.2gを得
た(見かけの収率93.8%)。このマレイミドは、ト
ルエン13.3重量%を含み(トルエンを除外した純度
は98.5%)、融点は125〜130℃、酸価は、
2.0(mg・KOH/g)であった。
【0030】比較例3 実施例1において、トルエン220gを留去した後、加
える酢酸エチルセロソルブの量を50gとした以外は、
実施例1と同様にしてビスマレイミド粉末70.3gを
得た(見かけの収率101.1%)。このマレイミド
は、トルエン13.7重量%を含み(トルエンを除外し
た純度は98.8%)、融点は123〜130℃、酸価
は、3.3(mg・KOH/g)であった。
える酢酸エチルセロソルブの量を50gとした以外は、
実施例1と同様にしてビスマレイミド粉末70.3gを
得た(見かけの収率101.1%)。このマレイミド
は、トルエン13.7重量%を含み(トルエンを除外し
た純度は98.8%)、融点は123〜130℃、酸価
は、3.3(mg・KOH/g)であった。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式〔I〕 【化1】 〔式中、Yは−CH2 −,−C(CH3)2 −,−C(C
F3)2 −,−C(CCl3) 2 −,−C(CH3)(Ph)−から
選ばれる基、R1 〜R4 は水素原子、ハロゲン原子、ま
たは炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕で示される芳
香族ジアミンと無水マレイン酸とを芳香族炭化水素溶媒
と非プロトン性極性溶媒の混合溶媒中で50℃以上で付
加反応させてポリマレアミド酸を得た後、酸触媒の存在
下で副生する水を芳香族炭化水素溶媒と共沸除去して脱
水閉環反応させて得られた反応液を、均一な溶液状態を
保持しつつ、水洗し、芳香族炭化水素溶媒を初期仕込み
量の50重量%以上留去し、残存する芳香族炭化水素溶
媒1重量部に対して1重量部以上の、エステル類、エー
テル類、および、ケトン類から選ばれる非芳香族溶媒を
添加した後、冷却してビスマレイミドを析出させること
を特徴とするビスマレイミドの製造方法。 - 【請求項2】 式〔I〕で示される芳香族ジアミンが
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパンである請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14493493A JPH072768A (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | ビスマレイミドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14493493A JPH072768A (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | ビスマレイミドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH072768A true JPH072768A (ja) | 1995-01-06 |
Family
ID=15373598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14493493A Pending JPH072768A (ja) | 1993-06-16 | 1993-06-16 | ビスマレイミドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH072768A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10836719B2 (en) | 2018-05-10 | 2020-11-17 | Unitika Ltd. | Production method of maleimide |
-
1993
- 1993-06-16 JP JP14493493A patent/JPH072768A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10836719B2 (en) | 2018-05-10 | 2020-11-17 | Unitika Ltd. | Production method of maleimide |
US11958806B2 (en) | 2018-05-10 | 2024-04-16 | Unitika Ltd. | Production method of maleimide |
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