JPH07276730A - 剥離現像方法 - Google Patents

剥離現像方法

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JPH07276730A
JPH07276730A JP7202194A JP7202194A JPH07276730A JP H07276730 A JPH07276730 A JP H07276730A JP 7202194 A JP7202194 A JP 7202194A JP 7202194 A JP7202194 A JP 7202194A JP H07276730 A JPH07276730 A JP H07276730A
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JP
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color material
peeling
layer
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Application number
JP7202194A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Sawano
野 充 沢
Yoshiharu Sasaki
義 晴 佐々木
Hideyuki Oguchi
口 秀 幸 小
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】色材シートと受像材料とを用いる加熱転写によ
る画像記録において、剥離現像時に発生するスリップス
ティックや白抜け等がなく高画質な画像を安定して記録
することを可能とする剥離現像方法を提供する。 【構成】色材シートおよび受像材料の剥離位置を固定す
る固定部材を用い、剥離位置において色材シートの曲率
を受像材料の曲率の6倍以上とする、または剥離によっ
て発生する音、振動および超音波振幅の少なくとも1つ
が最も小さくなるように固定部材の位置を調整すること
により、あるいは色材シートと受像材料との接着力に応
じて、接着力が大きな時には剥離張力を小することによ
り、あるいは所定の条件を満たす重ね合わせ速度および
重ね合わせ温度で色材シートと受像材料とを重ね合わせ
ることにより、前記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色材層を有する色材シ
ートと、色材シートから画像が転写される受像層を有す
る受像材料とを用い、色材層を画像様に加熱して潜像を
記録し、色材を受像材料の受像層に転写現像する画像記
録装置における剥離現像方法に関し、特に、剥離ムラ等
のない高画質な画像を得られる剥離現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱転写が可能な色材層を有する色材シ
ートと、受像材料とを用い、色材層を画像様に加熱し
て、色材層の加熱部分を受像層に転写することにより、
受像材料上に画像を得る画像記録装置が各種知られてい
る。具体的には、支持体上に熱溶融性の色材層が形成さ
れた色材シートを用い、少なくとも記録位置において、
色材シートと受像材料とを重ね合わせて色材層と受像材
料とを十分密着して、色材シートの裏面側(色材層と逆
面)からサーマルヘッドやレーザビーム等の光ビームで
画像様に加熱して色材層に潜像を形成し、その後、色材
シートと受像材料とを剥離することによって、色材層に
記録された潜像を受像層に転写して現像し、受像材料上
に画像を得る方法が例示される。
【0003】このような転写による画像記録において
は、受像材料への画像転写性をより良好にして高画質な
画像記録を可能とするために、受像材料の表面(画像転
写面)を粘着性とし、かつ色材シートの色材層を加熱剥
離性とし、色材層の潜像記録部分を受像材料に剥離転写
する方法も知られている。さらに、受像材料が支持体
(受像材料本体)と剥離可能な受像層とを有し、色材シ
ートから受像層への画像転写後、受像層を剥離して画像
ごと紙等の永久支持体に貼着・転写することによって、
永久支持体をハードコピーとする画像記録装置も知られ
ている。この画像記録装置は、永久支持体として印刷本
紙等を使用することにより、実際の印刷物に近いハード
コピーが得られるので、印刷分野におけるプルーフの作
成等への応用が期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
色材シートと受像材料とを用いた熱転写による画像記
録、特に、前述の剥離転写による画像記録で高画質な画
像を得るためには、色材シート(色材層)の所定熱量の
加熱部分のみが受像層に転写され、非加熱部分は全く転
写されないのが理想的である。しかしながら、現実には
理想的な状態で画像を転写するのは困難であり、剥離現
像時に、スティックスリップ(剥離力が剥離速度に対し
て負の領域となった時に生じる剥離ムラ)、ゴミに起因
する白抜け等が発生して、高画質な画像を安定して記録
することができないという問題点がある。
【0005】また、印刷分野におけるプルーフの作製等
においては、実際の印刷物に近いハードコピーを得るた
めに、印刷物と同様の網点画像を記録するのが好ましい
が、熱転写による画像記録では前記剥離現像時の剥離ム
ラ等によって、網点サイズのバラツキや網点のエッジが
ボケたりギザギザになる等の不都合が発生し、記録画像
の濃度ムラ(色ムラ)やボケの原因となり、また、画像
全体の画質も十分ではないという問題点がある。
【0006】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決することにあり、加熱転写による画像記録方法にお
いて、剥離現像時に発生するスティックスリップや白抜
け等がなく、また、網点画像の記録においては均一かつ
好適な網点を形成することができ、高画質な画像を安定
して記録することを可能とする、特に印刷分野における
プルーフの作製に最適な剥離現像方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の剥離現像方法の第1の態様は、剥離可能な
色材層を有する色材シートと画像が転写される受像層を
有する受像材料とを用い、前記色材層と受像層とを対面
して色材シートと受像材料とを重ね合わせて前記色材層
を像様に加熱することによって色材層に潜像を形成し、
あるいは、色材層に潜像を形成した後に色材シートと受
像材料とを重ね合わせ、その後、色材シートと受像材料
とを剥離して前記受像層に画像を転写する加熱転写画像
記録における剥離現像方法であって、前記色材シートお
よび受像材料の曲率を規制しつつ両者の剥離位置を固定
する固定部材を用い、かつ前記剥離位置において色材シ
ートの曲率を受像材料の曲率の6倍以上として前記色材
シートと受像材料とを剥離することを特徴とする剥離現
像方法を提供する。
【0008】また、本発明の剥離現像方法の第2の態様
は、剥離可能な色材層を有する色材シートと画像が転写
される受像層を有する受像材料とを用い、前記色材層と
受像層とを対面して色材シートと受像材料とを重ね合わ
せて前記色材層を像様に加熱することによって色材層に
潜像を形成し、あるいは、色材層に潜像を形成した後に
色材シートと受像材料とを重ね合わせ、その後、色材シ
ートと受像材料とを剥離して前記受像層に画像を転写す
る加熱転写画像記録における剥離現像方法であって、前
記色材シートと受像材料との剥離位置を固定する固定部
材を用い、かつ色材シートと受像材料との剥離によって
発生する音、振動および超音波振幅のうち、少なくとも
1つが最も小さくなるように前記固定部材の位置を調整
して前記色材シートと受像材料とを剥離することを特徴
とする剥離現像方法を提供する。
【0009】また、前記本発明の剥離現像方法の第1お
よび第2に態様において、前記固定部材が加熱手段を有
するのが好ましい。
【0010】また、本発明の剥離現像方法の第3の態様
は、剥離可能な色材層を有する色材シートと画像が転写
される受像層を有する受像材料とを用い、前記色材層と
受像層とを対面して色材シートと受像材料とを重ね合わ
せて前記色材層を像様に加熱することによって色材層に
潜像を記録し、あるいは、色材層に潜像を形成した後に
色材シートと受像材料とを重ね合わせ、その後、色材シ
ートと受像材料とを剥離して前記受像層に画像を転写す
る加熱転写画像記録における剥離現像方法であって、前
記色材シートと受像材料との接着力に応じて、この接着
力が大きな時には前記色材シートと受像材料とを剥離す
るために前記色材シートに加える張力を小さくし、接着
力が小さな時には前記色材シートと受像材料とを剥離す
るために前記色材シートに加える張力を大きくすること
を特徴とする剥離現像方法を提供する。
【0011】さらに、本発明の剥離現像方法の第4の態
様は、剥離可能な色材層を有する色材シートと画像が転
写される受像層を有する受像材料とを用い、前記色材層
と受像層とを対面して色材シートと受像材料とを重ね合
わせて前記色材層を像様に加熱することによって色材層
に潜像を記録し、あるいは、色材層に潜像を形成した後
に色材シートと受像材料とを重ね合わせ、その後、色材
シートと受像材料とを剥離して前記受像層に画像を転写
する加熱転写画像記録における剥離現像方法であって、
前記色材シートと受像材料との重ね合わせ温度[℃]を
Y、同重ね合わせ速度[mm/sec]をXとした際に、下記
式 X+10≦Y≦(X/2)+45 但し、5≦X≦55 を満たす条件で前記色材シートと受像材料とを重ね合わ
せ、その後、潜像の記録、および前記色材シートと受像
材料との剥離を行うことを特徴とする特徴とする剥離現
像方法を提供する。
【0012】
【発明の作用】前述のように、色材シートと受像材料と
を用いた加熱転写による画像記録においては、色材シー
トの加熱部分のみが受像層に転写され、非加熱部分は全
く転写されないのが理想的であるが、現実には理想的な
状態で画像を転写するのは困難であり、剥離現像時にス
ティックスリップや白抜け等が発生して、高画質な画像
を安定して記録することができないという問題がある。
【0013】これに対して、本発明の第1および第2の
態様においては、固定部材を用いて色材シートと受像材
料とのを剥離位置を固定すると共に、第1の態様では、
剥離位置において色材シートの曲率を受像材料の曲率の
6倍以上として、他方、第2の態様においては、色材シ
ートおよび受像材料の剥離によって発生する音、振動お
よび超音波振幅のうち、少なくとも1つが最も小さくな
るように固定部材の位置を調整して前記色材シートと受
像材料とを剥離する。このような本発明の剥離現像方法
の第1および第2の態様によれば、受像材料への画像の
転写を確実に行い、かつ色材シートと受像材料との剥離
を極めて円滑に行うことができるので、スティックスリ
ップや白抜け等の発生がなく、また網点画像を記録した
際には、均一かつ好適な網点を形成することができ、高
画質な画像を安定して得ることができる。
【0014】また、本発明者らの検討によれば、加熱転
写画像記録においては、色材シートと受像材料の重ね合
わせ条件(温度、圧力、速度)や画像記録密度、さらに
は受像材料の粘着力等によって色材シートと受像材料と
の接着力が異なり、常に同条件で剥離現像を行う従来の
剥離現像方法では、全ての画像で安定して高画質な画像
を得ることができない。これに対して、本発明の剥離現
像方法の第3の態様では、色材シートと受像材料との接
着力が大きな時には、色材シートと受像材料とを剥離す
るために色材シートにかける張力を(剥離張力=剥離の
ための巻き取りトルク)を小さくし、接着力が小さな時
には前記色材シートと受像材料の剥離張力を大きくす
る。そのため、本発明の第3の態様によれば、常に色材
シートと受像材料との接着力に応じた適正な条件で剥離
現像を行うことができ、スティックスリップや白抜け等
の発生がなく、また網点画像を記録した際には、均一か
つ好適な網点を形成することができ、高画質な画像を安
定して得ることができる。
【0015】さらに、前述のように加熱転写画像記録に
おいては、色材シートと受像材料の重ね合わせ条件に応
じて両者の接着力が異なり、接着力が弱すぎると、受像
材料への転写が良好に行われないと共に、色材層や受像
層に付着したゴミ等の影響が強く出て高画質な画像を記
録することができず、逆に接着力が強すぎる場合には、
色材シートと受像材料の剥離を良好に行うことができ
ず、記録した画像にスティックスリップ等が生じてしま
う。これに対し、本発明の剥離転写方法の第4の態様に
おいては、色材シートと受像材料との重ね合わせ温度
[℃]をY、重ね合わせ速度[mm/sec]をXとした際
に、下記式 X+10≦Y≦(X/2)+45 但し、5≦X≦55 を満たす条件、すなわち、図3のグラフにおける斜線領
域を満足する重ね合わせ速度および重ね合わせ温度で、
色材シートと受像材料とを重ね合わせ、潜像の記録、剥
離を行う。そのため、色材シートと受像材料の接着力を
適切な状態として剥離現像を行うことができ、スティッ
クスリップや白抜け等の発生がなく、また網点画像を記
録した際には、均一かつ好適な網点を形成することがで
き、高画質な画像を安定して得ることができる。
【0016】以下、本発明の剥離現像方法について、よ
り詳細に説明する。図1に、本発明の剥離現像方法が好
適に利用される加熱転写画像記録工程の一例を示す。図
示例の画像記録方法は、色材シート10、受像材料12
および画像の永久支持体である本紙14を用いた画像記
録であって、色材シート10に記録された画像を受像材
料12の受像層16に転写して、その後、受像層16を
本紙14に転写(貼着)することにより、カラー画像が
記録された本紙14をハードコピーとして得るものであ
る。このような画像記録方法は、本紙14として印刷本
紙等を利用することにより、実際の印刷物に近いハード
コピーを得ることができるので、印刷分野におけるカラ
ープルーフの作製に特に好適に利用可能である。
【0017】図1に示される例において、色材シート1
0は、支持体18、支持体18上に形成され、光熱変換
物質を含む光熱変換層19、光熱変換層19上に形成さ
れる熱剥離層20および熱剥離層20上に形成されるト
ナー等の顔料を含む色材薄膜(以下、色材層という)2
2とを有する。支持体18は、光熱変換層19、熱剥離
層20、および色材層22を機械的に支持する働きをす
るものであり、例えばポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル等の各種の樹脂材料が好適に例示されるが、特に、
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートが好ましく例示さ
れる。また、その膜厚は、2〜300μm、好ましくは
25〜150μmの厚みがよい。
【0018】光熱変換層19は、レーザビーム、キセノ
ンフラッシュ等の光源から照射される高密度エネルギ光
を吸収して熱エネルギに変換する働きをする層で、カー
ボンブラック等の黒色顔料、フタロシアニン等の大環状
化合物を用いた顔料、有機色素等の光吸収材料をアクリ
ル系(共)重合体、セルロース系ポリマー、ビニル系ポ
リマー等のバインダーに混合して形成してなる層や、金
属材料を真空蒸着してなる層等が好適に例示される。良
好な剥離転写性を実現するために、光熱変換層19の膜
厚としては、例えば平均0.05〜2μm、好ましくは
0.1〜1μmでかつ光吸収率70%以上であるのが好
ましい。なお、加熱記録手段としてサーマルヘッド等の
直接加熱手段を使用する場合には、この光熱変換層19
は省略することができる。この際には、支持体18の膜
厚を2.5〜6.5μmとするのが好ましい。
【0019】熱剥離層20は、色材層22と光熱変換層
19(支持体18)との間に介在して両者を結合させ、
加熱によって熱分解反応等の熱反応を生じ、光熱変換層
19と熱剥離層20との間の結合力、熱剥離層20と色
材層22との間の結合力、もしくは熱剥離層20の凝集
力のいずれかを低下させる。熱剥離層20の材料として
は、例えば、上記機能を有する比較的低い熱分解温度を
持つ各種のポリマーが利用可能であるが、特に、ニトロ
セルロース等の自己酸化性ポリマー、塩素化ポリオレフ
ィン等のハロゲン含有ポリマー、ポリイソブチルメタク
リレート等のアクリル系ポリマー、エチルセルロース等
のセルロースエステル等のポリマーと、ジアゾ化合物、
アジド化合物、ガス発生性材料等の熱分解性低分子化合
物と、熱分解性のバインダーポリマーとを含有する熱分
解性の熱剥離層20が好適に例示される。また、良好な
記録感度および高速記録性を実現するために、熱剥離層
20の厚さ(塗布量)は、0.03〜0.3μm程度で
あるのが好ましい。なお、熱剥離層20は、他の素材と
の組合せや使い方によっては省略することができる。
【0020】色材層22は、画像を可視化するための色
素、顔料、染料などの色材、およびバインダの混合物か
らなる層である。顔料としては、各種の画像記録分野に
おいて、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー
(Y)、ブラック(K)の各色や、さらには印刷分野に
おいて特色と呼ばれる各種の色等に使用される、公知の
顔料がいずれも利用可能であるが、高解像力を実現する
ために、平均粒径を2μm以下、好ましくは1μm以下
とするのが好ましい。また、バインダーとしては、例え
ば、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹
脂、スルホンアミド樹脂、ポリエステルポリオール樹
脂、石油樹脂等の各種の樹脂; スチレン,ビニルトル
エン,α−メチルスチレン,2−メチルスチレン,クロ
ロスチレン,ビニル安息香酸,ビニルベンゼンスルホン
酸ソーダ,アミノスチレン等のスチレンおよびその誘導
体や置換体の単独重合あるいは共重合体; メチルメタ
クリレート,エチルメタクリレート,ブチルメタクリレ
ート,ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル
酸およびメタクリル酸エステル類、メチルアクリレー
ト,エチルアクリレート,ブチルアクリレート,α−エ
チルヘキシルアクリレート等のアクリル酸およびアクリ
ル酸エステル類、ブタジエン,イソプレン等のジエン
類、アクリロニトリル、ビニルエーテル類、マレイン酸
およびマレイン酸エステル類、無水マイレン酸、ケイ皮
酸,塩化ビニル,酢酸ビニル等のビニル系単量体等の各
種の化合物の単独あるいは他の単量体との共重合体;
等が好適に例示される。これらの樹脂は2種以上混合し
て用いてもよい。また、後述するが、良好な剥離転写を
実現して高画質な画像を記録するためには、色材層22
は比較的薄く0.1〜2μm程度の厚さとするのがよ
く、好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.2
〜0.5μm程度である。
【0021】以上のように構成された色材シート10
は、通常では熱剥離層20と色材層22とが強く接着さ
れた状態となっているが、サーマルヘッドや光ビーム等
の加熱記録手段によって直接もしくは光熱変換層19で
光熱変換されて加熱されると、露光部分の熱剥離層20
には熱分解反応等の熱反応が生じ、光熱変換層19もし
くは支持体18と色材層22との接着力を大幅に低下さ
せ、この加熱部粉のみが容易に剥離可能な状態となる。
なお、このような色材シートは、本出願人による特願平
5−263695号明細書に詳述されている。また、図
示しないが、色材シート10の色材層22の表面には、
取り扱い時の傷防止、保存時の膜面同士の接着などを防
ぐため、必要に応じてカバーフィルムが設けられていて
もよい。
【0022】一方、受像材料12は、支持体26、支持
体26上に形成されるクッション層28、およびクッシ
ョン層28上に形成される受像層26とを有する。受像
材料12の支持体26としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニル等の各種の樹脂材料が好適に例示されるが、特に、
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートが水や熱に対する
寸法安定性の点で好ましく例示される。また、樹脂材料
以外にも、金属板、ガラス板等も好適に使用可能であ
る。なお、このような支持体26の厚さは、通常10〜
400μm程度、好ましくは50〜200μm程度であ
る。
【0023】クッション層28は弾性を有する層で、転
写時における色材シート10と受像材料12との押圧力
を吸収し、かつ色材層22と受像層16との良好な密着
を可能とすると共に、色材層22や受像層16に付着し
たゴミ等をこのクッション層28で吸収するようにし
て、これらによる記録画像への悪影響を排除する。この
ようなクッション層28としては、ヴィカー法(Vicat
法:具体的には、アメリカ材料試験法ASTM D 1
235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約
80℃以下のものが好ましい。後に後述するが、クッシ
ョン層28としてこのような材料を用いることにより、
クッション層28の弾性を利用した異物の受像層16へ
の押し込みを良好に行うことができ、高画質な画像記録
をより安定して記録することができる。より好ましく
は、ヴィカー法による軟化点を60℃以下、特に50℃
以下とすることにより、上記利点は一層顕著になる。
【0024】このような材料としては、ポリエチレン,
ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレンと酢酸ビ
ニルあるいはエチレンとアクリル酸エステル等のような
エチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸
ビニルの共重合体のような塩化ビニル系重合体、ポリ塩
化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレ
ン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルのようなス
チレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエン
と(メタ)アクリル酸エステルのようなビニルトルエン
共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)
アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸
エステルの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン,共重
合ナイロン,N−アルコキシメチル化ナイロン等のポリ
アミド樹脂、合成ゴム、塩化ゴム等の有機高分子物質か
らなる少なくとも選ばれる1以上が好適に例示される。
さらに、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック
工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工
業調査会発行、1968年10月25日発行)による軟
化点が約80℃以下の有機高分子物質も好適に利用可能
である。これらの有機高分子物質中には、使用する高分
子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して、実質的
な軟化点を下げてもよい。さらに、軟化点が80℃以上
の有機高分子物質でも、相溶性のある可塑剤を添加する
ことにより、実質的に軟化点を80℃以下に下げて使用
してもよい。また、これらの有機高分子物質中に、支持
体26や受像層16との接着力を調整するために、実質
的な軟化点が80℃を超えない範囲で、必要に応じて、
各種のポリマーや密着性改善剤、界面活性剤、離型剤等
を添加してもよい。クッション層28の厚さは、ゴミ等
が良好に埋められる柔軟性の確保等の点で、1〜100
μm程度、特に5〜30μmであるのが好ましい。
【0025】なお、前述の支持体18そのものを柔らか
いクッション性の材料で形成した場合には、クッション
層28の厚さを上記範囲より薄くしてもよく、あるいは
クッション層28を省略してもよい。このような支持体
18は、発泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン等で形
成することができる。
【0026】受像層16は、色材シート10から色材層
22の画像様に加熱された部分がその表面に転写される
層であって、図示例の受像材料12においては、受像層
16は粘着性を有する。従って、色材層22の被加熱部
分は、受像層16と接触することで、容易に受像層16
に剥離転写される。また、受像層16は剥離可能であ
り、本紙14と受像材料とを密着積層して、加熱圧着し
た後、両者を剥離することにより、受像層16はクッシ
ョン層28から剥離して本紙14に転写される。
【0027】このような受像層16としては、ポリエチ
レン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレンと
酢酸ビニルあるいはエチレンとアクリル酸エステルのよ
うなエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと
酢酸ビニルの共重合体のような塩化ビニル系重合体、ポ
リ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチ
レン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルのような
スチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエ
ンと(メタ)アクリル酸エステルのようなビニルトルエ
ン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリ
ル酸エステルの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ナイロン,
共重合ナイロン,N−アルコキシメチル化ナイロン等の
ポリアミド樹脂、合成ゴム、塩化ゴム等の有機高分子物
質等から選ばれる少なくとも1以上が好適に例示され
る。このような受像層16としては、クッション層26
に用いられるヴィカー法による軟化点が実質的に80℃
以下の有機高分子物質よりも、10℃以上軟化点が高い
物質を使用するのが好ましい。なお、受像層16の層厚
は、0.1〜2μm、特に0.5〜1.5μm程度が好
ましい。
【0028】受像層16は必要に応じて、二層構成であ
ってもよい。特に、印刷本紙等の永久支持体に画像を転
写する際、二層のうち上層を画像と共に転写し、下層
(支持体側)を受像支持体に残留させることもできる。
また、図1(a)に示される重ね合わせ前の状態では、
受像材料12の受像層16は保護シート17で覆われて
おり、重ね合わせ直前に保護シート17を剥離して廃棄
するようにしてもよい。このような受像シートは、特開
平2−244148号公報に詳述されている。
【0029】図1に示される画像記録工程においては、
図1(a)に示されるように、受像材料12と色材シー
ト10とを色材層22と受像層16とが対面するように
搬送し、図1(b)に示されるように、保護シート17
を受像材料12から剥がして、色材シート10と受像材
料12とを加熱ローラなどのラミネート手段によって加
圧加熱しつつ重ね合わせ、色材層22と受像層16とを
均一の粘着力で接着する。ここで、本発明の剥離現像方
法の第4の態様は、色材シート10と受像材料12との
重ね合わせ・接着を所定の条件下で行う。この点につい
ては後に詳述する。
【0030】次いで、図1(c)に示されるように、露
光ヘッド24の光源24aから射出され結像レンズ24
bでスポット径が絞られたレーザビーム等によって色材
シート10が像様に露光されると、色材シート10の光
熱変換層19によって光ビームが熱に変換され、その熱
が熱剥離層20に伝導され、画像が潜像として記録され
る。この画像記録によって、露光部分の熱剥離層20に
よる色材層22の接着力は低下し、色材層22は容易に
剥離可能な状態となる。図中参照符号23は、熱剥離層
20に生じた接着力低下部分を示す。
【0031】次いで、図1(d)に示されるように、色
材シート10と受像材料12を剥離して、現像する。こ
こで、前述のように色材シート10の色材層22の露光
部分は、光熱変換層19との結合力が低下し、受像層1
6との粘着力の方が大きくなっているため、容易に剥離
可能な状態となっている。受像層16は粘着性を有する
ので、色材シート10と受像材料12とを剥離すること
によって、色材層22の被露光部分を剥離ムラを生じさ
せることなく受像層16から剥離するとともに、色材層
22の露光部分を受像層16に剥離転写して現像し、受
像層16に画像を形成する。また、色材層22を前述の
比較的薄い厚さ範囲としておくことにより、剥離現像を
正確かつ確実に行うことができ、剥離ムラや見当ズレの
ない高画質な画像を形成することが可能となる。
【0032】ここで、本発明の剥離現像方法の第1の態
様は、色材シート10および受像材料12の曲率を規制
しつつ両者の剥離位置を固定する固定部材を用い、かつ
剥離位置において色材シートの曲率を受像材料の曲率の
6倍以上として、第2の態様は、色材シートと受像材料
の剥離位置を固定する固定部材を用い、かつ両者の剥離
によって発生する音、振動および超音波振幅のうち、少
なくとも1つが最も小さくなるように固定部材の位置を
調整して、さらに、第3の態様は、色材シートと受像材
料との接着力に応じて、この接着力が大きな時には両者
の剥離張力を小さくし、接着力が小さな時には両者の剥
離張力を大きくして、それぞれ剥離現像を行う。それぞ
れの詳細な説明は後に行う。
【0033】受像材料12の受像層16への1色の画像
形成が終了すると、次いで、別の色の色材シートを用
い、同様に図1(a)〜(d)の操作を繰り返して、別
の色の画像を受像材料12に剥離現像して形成する。こ
のようにして、C,M,YさらにはKの4色(あるいは
C,M,Yの3色、あるいはさらに、印刷分野において
特色と呼ばれる複数色)全ての画像を剥離現像して受像
材料12(受像層16)に転写し、カラー画像を形成す
る。全ての色の画像形成が終了した後、図1(e)に示
されるように、本紙14と受像材料12(受像層16)
を積層(ラミネート)して加熱圧着した後に、図1
(f)に示されるように本紙14と受像材料12を剥離
する。前述のように、受像材料12の受像層16は、紫
外線硬化性などを有し、剥離可能であり、また、硬化前
の表面は粘着性を有するので、本紙14と受像層16と
を粘着後、受像層16を硬化させて剥離することによ
り、受像層16はクッション層28から剥離して本紙1
4に貼着されることでカラー画像が本紙に転写される。
【0034】なお、上述の画像記録工程では、色材シー
ト10と受像材料12とを重ね合わせた後に潜像の記録
を行っているが、本発明の剥離現像方法は、色材シート
10に潜像を記録した後、色材シート10と受像材料1
2とを重ね合わせる画像記録工程にも好適に利用可能で
ある。
【0035】本発明の剥離現像方法が利用可能な、図1
に示す画像記録方法を実施する画像記録装置の概念図が
図2に示される。同図に示す画像記録装置30は、フル
カラー画像を得るためのもので、色材シート10および
受像材料12の供給部32と、色材シート10等を画像
記録位置で保持する保持部材かつ色材シート10の搬送
手段を兼ねるプラテンローラ34と、プラテンローラ3
4上に設けられる感材固定/解除機構36と、プラテン
ローラ34の外周に沿って配置されるラミネート機構3
8と、露光手段40と、剥離機構42と、給紙部44
と、ラミネート部46と、定着部48と、剥離部50
と、トレイ部52と制御部54とを有する。
【0036】このような画像記録装置30においては、
まず、供給部32からプラテンローラ34に受像材料1
2を供給して感材固定/解除機構36によって固定し、
次いで、感材供給部32からプラテンローラ34に色材
シート10を供給して、ラミネート機構38によって受
像材料12上に色材シート10を粘着して重ね合わせる
(図1(a)〜(b)参照)。その後、制御部54から
の画像信号に応じて制御された露光ヘッド24によって
色材シート10を像様に光ビームで露光・加熱して潜像
として画像を記録する(図1(c)参照)。続いて、剥
離機構42によって色材シート10をプラテンローラ3
4上に固定されている受像材料12から剥離して、潜像
として記録された色材シート10の画像を受像材料12
に転写して現像して、受像材料12上に画像を形成する
(図1(d)参照)。
【0037】以上の操作(図1(a)〜(d)の工程)
を3〜4色について繰り返し、受像材料12上にカラー
画像を形成した後(図1(e)参照)、この受像材料1
2と給紙部44から供給された本紙14とをラミネート
部46で積層・密着し、定着部48で受像材料12の受
像層16を光硬化させた後、剥離部50で剥離し(図1
(f)参照)、フルカラー画像が形成された本紙14は
トレイ52aに、使用済受像材料12は廃材スタッカ5
2bに排出される。こうして、フルカラー画像をハード
コピーとして得ることができる。
【0038】供給部32は、ロール状の受像材料12お
よび複数のロール状の色材シート10、例えばY,M,
C,Kの標準ドナーシートや印刷分野で用いられる特色
シートなどのロール状の色材シートが保持されているス
テーション53と、ロール状の色材シート10および受
像材料10を引き出す1対の引出ローラ54と、ステー
ション53から引き出された色材シート10等を所定長
に切断するカッタ55と、色材シート10等を挟持搬送
する1対のローラ56と、色材シート10等をプラテン
ローラ34上に案内し、その先端をプラテンローラ34
の固定/解除機構36まで案内するガイド57とを有す
る。
【0039】プラテンローラ34には、まず受像材料1
2が供給され、その先端が固定/解除機構36のクラン
プ等により固定されると、プラテンローラ34が図中矢
印方向に回転して受像材料12が巻き付けられ、後端も
固定/解除機構36により固定される。
【0040】次いで、この受像材料12上に、同様にし
て供給部32から搬送されてきた色材シート10が重ね
合わされて巻き付けられる。この色材シート10の受像
材料12上への重ね合わせは、内部に図示しないヒータ
を内蔵するラミネートローラ58と、ラミネートローラ
58を支点59aを中心に回動させてドラム34の外周
に接離させるアーム59と、ラミネートローラ58を所
定押圧力でプラテンローラ34外周に押圧する押圧手段
60からなるラミネート機構38によって行われる。押
圧手段60は、ばね等の付勢手段であってもエアシリン
ダのマニュピレータであってもよい。
【0041】前述のように、受像材料12の受像層16
は粘着性を有しているため、ラミネートローラ58によ
って所定押圧力により押圧しながら色材シートを巻き付
けてラミネートすることにより、色材シート10にしわ
などを発生させないことはもちろん、均一な粘着力で受
像材料12の受像層16と色材シート10の色材層22
とを接着することができる。また、ラミネートローラ5
8によって加熱しつつ受像材料12と色材シート10と
を重ね合わせることにより、両者の接着力を十分とし、
かつ受像材料12のクッション層28を十分に柔軟化し
て、色材層22や受像層16に付着したゴミ等をここで
吸収して、画像に与える悪影響を大幅に低減することが
できる。
【0042】ここで、本発明の剥離現像方法の第4の態
様においては、色材シート10と受像材料12との重ね
合わせ速度、すなわち図示例においてはプラテンローラ
34およびラミネートローラ58による色材シート10
の搬送速度と、重ね合わせ温度、すなわち図示例におい
てはラミネートローラ58による加熱温度は、両者の重
ね合わせ温度[℃]をY、重ね合わせ速度[mm/sec]を
Xとした際に、下記式 X+10≦Y≦(X/2)+45 但し、5≦X≦55 を満たす条件、すなわち両者の関係を示す図3のグラフ
の斜線領域を満たす条件で色材シート10と受像材料1
2とを重ね合わせる。
【0043】色材シート10と受像材料12の接着力、
および受像材料12のクッション層28の柔軟性は、色
材シート10と受像材料12の重ね合わせ条件によって
大きく影響を受ける。すなわち、両者の重ね合わせ温度
が高いほど、また、重ね合わせ速度が遅いほど、接着力
は高くなり、クッション層28の柔軟性も向上する。逆
に、両者の重ね合わせ温度が低いほど、また、重ね合わ
せ速度が速いほど、接着力は低く、クッション層28の
柔軟性は低くなる。色材シート10と受像材料12の接
着力が強すぎると、剥離現像を良好に行うことができ
ず、得られた画像にスティックスリップや白抜け等が生
じてしまい、両者の接着力が弱すぎると、受像材料12
への画像転写が良好に行われない。また、クッション層
28の柔軟性が低すぎると、色材層16や受像層22に
付着したゴミ等を好適に吸収することができず、さらに
色材層16と受像層22との密着が良好に行われずに、
これらによる悪影響が強く出て高画質な画像を得ること
ができない。
【0044】これに対して、本発明の剥離現像方法の第
4の態様は、色材シート10と受像材料12との重ね合
わせ速度と重ね合わせ温度との関係を示す図3のグラフ
において、斜線領域で示される条件下で色材シート10
と受像材料12とを重ね合わせる。そのため、色材シー
ト10と受像材料12の接着力、およびクッション層2
8の柔軟性を良好な状態として、その後の両者の剥離を
行うことができるので、スティックスリップや白抜け、
さらにはゴミ等によって発生する白抜け等の各種のの悪
影響のない、高画質な画像を安定して得ることができ
る。
【0045】このようにしてプラテンローラ34に受像
材料12および色材シート10が重ね合わされて固定さ
れると、露光手段40からの光ビームL(図3等参照)
によって色材シート10が裏面(支持体18側)から画
像様に露光・加熱されて、色材層22に潜像が記録され
る。露光手段40は、変調手段を含み、光ビーム等の高
密度エネルギ光を射出する光源24aと光ビームのスポ
ット径を調整する結像レンズ24b等からなる露光ヘッ
ド24(図1(c)参照)と、図3に示されるように、
露光ヘッド24をプラテンローラ34の軸方向(図2の
紙面に垂直な方向)に移動することによって、光ビーム
を移動方向に移動して副走査を行う副走査手段61とを
有する。他方、光ビームによる色材シート10の主走
査、すなわち色材シート10(および受像材料12)の
搬送は、プラテンローラ34の矢印y方向への回転によ
って行う。すなわち、図示例の画像記録装置30におい
ては、いわゆるドラムスキャナと同様にして色材シート
10を光ビームLによって2次元的に走査する。なお、
露光手段40に副走査移動手段61を設けず、プラテン
ローラ34に軸方向の移動手段を設け、プラテンローラ
34を回転主走査しつつ軸方向に移動させて副走査させ
てもよい。
【0046】このような画像記録(露光・加熱による潜
像の形成)を行うためにの画像データは、本発明の画像
記録装置30の外部の画像読取装置、画像処理装置、D
TP機能を持つワークステーション(W/S)、電子出
版システムや各種の記憶媒体(磁気テープ、フロッピー
ディスク、ハードディスク、RAMカード等々)からS
CSIインターフェース等を介してディジタル信号とし
て、制御部54に伝送され、必要な処理が施された後、
露光手段40に伝送され、露光ヘッド24による露光の
制御が行われる。制御部54は、露光手段40の副走査
手段61による副走査およびプラテンローラ34の回転
主走査の制御を始めとして、本発明の画像記録装置30
の各部の制御および全体シーケンスの制御などを行う。
制御部54からの画像信号による光ビームの変調は、例
えばアルゴンイオンレーザの場合には外部変調器にビー
ムを通し、また半導体レーザの場合には、レーザーに注
入する電流を信号により制御(直接変調)する等、公知
の方法により行なわれる。
【0047】剥離機構42は、露光手段40による露光
(加熱)によって潜像として画像が形成された色材シー
ト10を受像材料12から剥離すると同時に色材シート
10の潜像を受像材料12に剥離転写して現像するため
のもので、支軸67aによって回動自在に支持されるア
ーム67と、アーム67に軸支される剥離ローラ62
と、剥離ローラ62に当接する2個の分割ローラ63,
64と、剥離ローラ62に沿って分割ローラ63,64
の分割ローラ片間に設けられる櫛刃ガイド板65とを有
する。ここで、図示例においては、剥離ローラ62が色
材シートおよび受像材料の曲率を規制しつつ両者の剥離
位置を固定する固定部材である。
【0048】光ビームによる露光によって熱エネルギが
像様に印加され、色材層22の接着力が低下することで
潜像として画像が形成された色材シート10と、これが
接着された受像層16を持つ受像材料12との積層体に
対し、アーム67が回動して積層体の受像材料12の受
像層16と色材シート10の色材層22との間に櫛刃ガ
イド板65を挿入する。ここで、色材シート10と受像
材料12のいずれかの接合長さを変えておけば櫛刃ガイ
ド板65を両者間に容易に挿入できる。この後、プラテ
ンローラ34を回転するとともに剥離ローラ62、分割
ローラ63,64を回転させ、色材シート10の先端を
櫛刃ガイド65に沿って移動させ剥離ローラ62と分割
ローラ63の間に挟持させる。こうして、色材シート1
0と受像材料12の剥離位置を剥離ローラ62で固定し
ながら、色材シート10を剥離ローラ62と分割ローラ
63,64との間で挟持搬送して、受像材料12から剥
離する。
【0049】ところで、このような加熱転写による画像
記録においては、色材シート10の加熱部分のみが受像
材料12に転写され、非加熱部分は全く転写されないの
が理想的であるが、現実には理想的な状態で画像を転写
するのは困難であり、剥離現像時にスティックスリップ
や白抜け等が発生して、高画質な画像を安定して記録す
ることができないという問題がある。
【0050】これに対して、本発明の剥離現像方法の第
1の態様においては、色材シート10と受像材料12の
剥離位置を固定すると共に、剥離位置における両者の曲
率を規制し、かつ色材シート10の曲率を受像材料12
の曲率の6倍以上とする固定部材を用いて、色材シート
10と受像材料12とを剥離する。すなわち図示例にお
いては、前述のように剥離ローラ62が固定部材として
作用する。そのため、受像材料10への画像の転写を確
実に行い、かつ色材シート10と受像材料12との剥離
を極めて円滑に行うことができるので、スティックスリ
ップや白抜け等の発生がなく、また網点画像を記録した
際には、均一かつ好適な網点を形成することができ、高
画質な画像を安定して得ることができる。
【0051】このような本発明の剥離現像方法の第1の
態様において、剥離位置における色材シート10の曲率
は、受像材料12の曲率の6倍以上であればよいが、好
ましくは10倍以上、より好ましくは、受像材料12の
曲率を0以下(負も含む)とした、すなわち無限倍であ
る。上記範囲とすることにより、スティックスリップに
よる剥離ムラ等の画像欠陥の発生を好適に防止して、例
えば網点画像であれば、尾引き等の不均一性のない、均
一な網点形状の高画質な画像が得られる等の点でより好
ましい結果を得る。
【0052】他方、本発明の剥離現像方法の第2の態様
においては、色材シート10と受像材料12との剥離位
置を固定する固定部材を用い、かつ、両者の剥離によっ
て発生する音、振動および超音波振幅のうち、少なくと
も1つ、好ましくは全てが最も小さくなるように固定部
材の位置を調整する。図示例においては、例えば、剥離
ローラ62とプラテンローラ34との間隙や圧力、プラ
テンローラ34円周上の位置等を調整する。このような
構成を有する本発明の第2の態様によれば、前述の第1
の態様と同様、受像材料10への画像の転写を確実に行
い、かつ色材シート10と受像材料12との剥離を極め
て円滑に行うことができるので、スティックスリップや
白抜け等の発生がなく、また網点画像を記録した際に
は、均一かつ好適な網点を形成することができ、高画質
な画像を安定して得ることができる。
【0053】本発明の剥離現像方法の第2の態様におい
て、色材シート10および受像材料12の剥離によって
発生する音、振動あるいは超音波振幅が最も小さくなる
ような固定部材の位置調整の方法には特に限定はなく、
例えば、剥離時の音、振動、超音波振幅を調整するため
の標準的な色材シートおよび受像材料を作製し、これら
を用いて、実際に標準的な画像記録を行った後に両者を
剥離して、最も音等が小さくなるように固定部材の位置
を調整してもよく、あるいは、各種の測定装置を用いて
同様の調整を行ってもよい。また、固定部材の位置調整
は、画像記録装置の工場出荷時に行うものであってもよ
く、前記測定装置を用いる態様であれば、画像記録装置
に測定装置を配置し、測定結果をフィードバックして固
定部材の位置を調整してもよい。
【0054】このような本発明の第1および第2の態様
において、剥離ローラ62は必要に応じてプラテンロー
ラ34に押圧してもよい。その際の押圧力には特に限定
はないが、通常0.01〜10kg/cm 程度、好ましくは
0.1〜1kg/cm である。
【0055】また、本発明の第1および第2の態様にお
いて、固定部材は剥離ローラ62に限定されず、図4に
示されるような、色材シート10と受像材料12との剥
離位置を固定するための棒状体、剥離バー69を利用し
てもよい。固定部材として剥離バー36を用いる装置で
は、本発明の剥離現像方法の第2の態様は好適に利用さ
れる。
【0056】剥離バー69の材料には特に限定はなく、
各種の金属材料、樹脂材料等、十分な強度、耐熱性を有
する各種の材料がいずれも利用可能であるが、具体的に
は、アルマイト処理したアルミニウム等が好適に例示さ
れる。なお、このような剥離バー69を使用する態様に
おいては、剥離バー69をプラテンローラ34に押圧す
ると色材シート10と受像材料12の搬送を円滑に行う
ことができないので、プラテンローラ34に対して所定
の位置に剥離バー69を固定する。
【0057】さらに、本発明の第1および第2の態様
等、剥離ローラ62や剥離バー69等の固定部材を使用
する画像記録装置では、固定部材を加熱して、色材シー
ト10および受像材料12を加熱しつつ剥離現像を行う
のが好ましい。このような態様とすることにより、受像
材料12(受像層16)への画像の剥離転写をより良好
に行って、より高画質な画像記録を行うことが可能とな
る。この際の加熱温度には特に限定はないが、通常20
〜60℃程度、好ましくは30〜50℃である。
【0058】ところで、前述のように、加熱転写による
画像記録においては、重ね合わせの条件、すなわち温度
や速度、さらには圧力等によって色材シート10と受像
材料12との接着力が異なる。また、両者の接着力は画
像記録密度によっても異なる(一般的に、高密度なほど
接着力が高い)。さらに、両者の接着力は、受像材料の
粘着力等の材料特性によっても異なる。ところが、従来
の剥離現像方法では、常に同条件で剥離現像を行うた
め、色材シート10と受像材料12との接着力が強い場
合等にはスティックスリップ等の画質劣化が生じ易く、
安定して高画質な画像記録を行うことができない。
【0059】これに対して、本発明の剥離現像方法の第
3の態様では、色材シート10と受像材料12の接着力
が大きな時には、両者を剥離するために色材シート10
にかける張力、すなわち剥離張力(剥離テンション あ
るいは剥離のための色材シート10の巻き取りトルク)
を小さくし、接着力が小さな時には剥離張力を大きくす
る。そのため、本発明の第3の態様によれば、強く接着
されたものを強い力で剥離する際に生じる波打ち等がな
く、常に色材シート10と受像材料12との接着力に応
じた適正な条件で剥離現像を行うことができるので、ス
ティックスリップや白抜け等の発生がなく、また網点画
像を記録した際には、均一かつ好適な網点を形成するこ
とができ、高画質な画像を安定して得ることができる。
【0060】剥離張力の大きさには特に限定はなく、装
置構成や色材シート10と受像材料12の特性等に応じ
て適宜決定すればよいが、通常は1〜100kg・cm程
度、好ましくは5〜30kg・cmである。
【0061】このような本発明の剥離現像方法の第1〜
第3の態様において、色材シート10と受像材料12と
の剥離速度には特に限定はないが、通常は、1〜200
0mm/sec程度、好ましくは、5〜500mm/sec程度であ
る。また、後述するサーマルヘッドによる画像記録の場
合には、記録と剥離の速度が同一であるので、特に5〜
20mm/secが好ましい。剥離速度を上記範囲とすること
により、スティックスリップ等のない高画質な画像が得
られる等の点で好ましい結果を得る。
【0062】このようにして、先頭の一色、例えばC画
像の画像記録および受像材料12への転写が終了する
と、次いで、同様にして、次色、例えばM色材層を有す
るM色材シートが供給部32からプラテンローラ34に
供給されて、C画像が転写された受像材料12上に重ね
合わされ、画像(潜像)記録位置合わせ(見当合わせ)
が行われた後に、露光ヘッド24による色材シートの露
光(潜像記録)、受像材料12への転写が行われる。以
下、同様にしてYおよびKの残りの色の画像記録・受像
材料12への転写が行われ、4色のカラー画像が受像材
料12に転写される。
【0063】このようにしてC,M,YおよびKの4色
の画像が正確に見当合わせされて剥離・転写・現像され
た受像材料12は、ガイド部材70,70に案内されつ
つ、搬送ローラ対71によって搬送されて、ラミネート
部46に搬送される。ラミネート部46においては、受
像材料12の搬送にタイミングを合わせて、本紙供給ロ
ール72が本紙カセット73から本紙14を送り出し、
ガイド部材70によって案内しつつ図中左方向に搬送す
る。本紙14を手差し供給口44aから本紙供給ロール
72に供給してもよい。次いで、受像材料12および本
紙14は、レジストローラ対75によって位置合わせさ
れつつ積層され、定着部48に搬送される。
【0064】定着部48において、ラミネート部46に
おいて積層された受像材料12と本紙14は、圧着ロー
ラ76aおよび加熱ローラ76bより構成される加熱定
着ローラ対76によって加熱定着されつつ挟持搬送さ
れ、さらに紫外線ランプ等の後露光ランプ77によって
さらに受像材料12の受像層16が剥離しやすいように
硬化する。次いで、剥離部50において、剥離ローラ対
78および剥離ガイド79によって、硬化して剥離しや
すい受像層16が受像材料12より剥離され、受像層1
6が本紙14に貼着されて画像が転写され、画像が転写
された本紙14はハードコピーとしてトレイ部52のト
レイ52aに排出され、受像層16が剥離された受像材
料12は、廃棄トレイ52bに廃棄される。
【0065】以上説明した例においては、受像材料(シ
ート)12は受像層16のみが剥離可能に構成されてい
たが、本発明においては、これ以外にも、受像層16と
クッション層28とが同時に剥離するように構成されて
いてもよい。なお、受像層16とクッション層28(そ
の他の中間層)とが同時に剥離される構成においては、
クッション層28を透明な材料で形成することにより、
受像層16とクッション層28とを本紙14に転写した
後、クッション層28を画像の保護シートとしてもよ
い。また、クッション層28がハードコピーの支持体の
作用をしてもよく、この場合には、本紙14を透明なシ
ートとして、画像の保護シートとして作用させてもよ
い。
【0066】図1に示される画像記録装置30は、いわ
ゆるドラムスキャナであって、プラテンローラ34に色
材シート10および受像材料12を固定して、全面を密
着して画像記録を行った後に、剥離現像を行うものであ
ったが、本発明の剥離現像方法は、色材シート10およ
び受像材料12を全面的に密着する熱転写画像記録のみ
ならず、記録位置のみ、あるいはさらにその近傍のみを
密着して行う熱転写画像記録にも好適に利用される。図
5に、このような熱転写画像記録を行う、加熱記録手段
としてサーマルヘッドを使用する画像記録装置の画像記
録転写部を概念的に示す。
【0067】図5に示される例においては、色材シート
10は、供給ロール81より供給され、加熱記録手段と
してのサーマルヘッド83や、色材シート10および受
像材料12を所定の画像記録位置で保持するプラテンロ
ーラ84、固定部材である剥離バー69等を有する画像
記録転写部を経て画像記録および受像材料12への転写
が行われ、記録後に巻き取りロール87に巻回される。
一方、受像材料12は、搬送ローラ対82によってプラ
テンローラ84が配置される画像記録転写部に搬送され
る。
【0068】画像記録開始前には、サーマルヘッド83
は上方に移動しており、また、色材シート10は、記録
開始位置に対応した状態で、搬送されずに待機してい
る。受像材料12が所定の位置に搬送されると、サーマ
ルヘッド83が下方に移動して、色材シート10と受像
材料12は、プラテンローラ84とサーマルヘッド83
とに軽く挟持されて重ね合わされ、画像記録位置(例え
ば、プラテンローラ84の頂点)で密着する。同時に色
材シート10の搬送が開始され、色材シート10は供給
ロール81および巻き取りロール87によって、他方、
受像材料12は、搬送ローラ対82、プラテンローラ8
4および搬送ローラ対86によって、同速度で矢印方向
に搬送されつつ、画像記録位置で密着され、サーマルヘ
ッド83によって色材シート10への画像記録が行われ
る。前述のように色材シート10の色材層22は加熱に
よって容易に剥離可能な状態となり、また受像材料12
の受像層16は粘着性を有するので、記録とほぼ同時に
受像材料12への画像転写も行われる。
【0069】画像記録位置においては、色材シート10
と受像材料12はプラテンローラ84とサーマルヘッド
83とに軽く挟持されて密着されており、画像記録位置
(プラテンローラ84)の搬送方向下流側においては、
色材シート10は巻き取りロール87によって上方に搬
送され、他方、受像材料12は搬送ローラ対86によっ
て下方に搬送され、剥離バー69によって剥離位置を固
定されて両者は剥離される。つまり、図示例の装置にお
いては、色材シート10および受像材料12がプラテン
ローラ84の上流から下流に搬送されることにより、図
2の(a)〜(d)に示される重ね合わせ、記録および
剥離現像の各工程が、ほぼ同時に行われ、受像材料12
には画像が転写される。
【0070】図5に示される態様においては、色材シー
ト10と受像材料12は画像記録位置のみで重ね合わさ
れるものであり、かつ重ね合わせ、記録および剥離現像
がほぼ同時に行われるので、加熱記録手段としてのサー
マルヘッド83に両者の剥離位置を固定する固定部材6
9を固定している。なお、この構成以外にも、色材シー
ト10と受像材料12とを画像記録位置を含む領域で面
的に重ね合わせ、別途固定部材を配置してもよいのはも
ちろんである。また、図5に示される態様で、前述の本
発明の剥離現像方法の第4の態様を利用する際には、重
ね合わせの際の加熱はサーマルヘッド83によって行っ
てもよく、あるいは、プラテンローラ84を加熱しても
よく、両者を併用してもよい。
【0071】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明
をより詳細に説明する。
【0072】[実施例1]図2に示される画像記録装置
30、図4に示されるように剥離機構42を剥離バー6
9に変更した以外は同様の画像記録装置、剥離ローラ3
4等の固定部材を有さない画像記録装置を用い、剥離ロ
ーラ34の直径を変更する等の方法で色材シート10の
曲率を種々変更して、A4サイズの画像記録および剥離
現像を行った。画像は記録率50%の網点画像とした。
ラミネート機構38における受像材料12への色材シー
ト10の重ね合わせ速度は10mm/sec、重ね合わせ温度
は25℃とした。なお、各材料は回転方向と長手方向と
を一致してプラテンローラ34に装着した。プラテンロ
ーラ34の半径は180mm(曲率半径1/180mm) で
記録時の回転速度は10m/sec とした。露光手段40の
光ビームとしては、波長830nm、出力100mWのレー
ザビームを用い、色材層22におけるスポット径を10
μmφとした。色材シート10の剥離速度は10mm/sec
で、剥離ローラ34を用いた装置では、剥離ローラ34
は2kg/cm2の力でプラテンローラ34に押圧した。この
ようにして得られた記録画像を目視して、画質評価を行
った。なお、評価は、剥離ムラなしを○、許容範囲であ
るが剥離方向と直交方向にスジ状の剥離ムラを生じたも
のを△、これ以外のNG(規格外)画像を×とした。結
果を下記表1に示す。
【0073】 受像材料の曲率は1/180mm
【0074】上記表1に示されるように、剥離位置を固
定する固定部材を用い、かつ剥離位置における色材シー
トの曲率を受像材料の曲率の5倍以上として色材シート
と受像材料との本発明の剥離現像方法では、NG画像は
なく、高画質な画像を安定して記録することができる。
【0075】[実施例2]前記実施例1と同様の実験
を、図5に示される、サーマルヘッド83およびプラテ
ンローラ84を使用する画像記録装置で行った。プラテ
ンローラ84の半径は180mm(曲率半径1/180m
m) で、サーマルヘッド83とプラテンローラ84によ
る受像材料12および色材シート10の挟持圧(積層
圧)は0.5kg/cm2とした。サーマルヘッド83は、記
録密度300dpi 、ヒータ幅65μm、1ドットあたり
の長さ80μmで、抵抗値3kΩ、電圧20Vのものを
用いた。記録速度は10mm/secとした。すなわち、重ね
合わせ速度および剥離速度は共に10mm/secである。な
お、発明例2は、固定部材として曲率半径1/5mmの剥
離ローラを用いて同様の実験を行ったものである。結果
を下記表2に示す。
【0076】 受像材料の曲率は1/180mm
【0077】上記表2に示されるように、サーマルヘッ
ドを用いた装置でも、剥離位置における色材シートの曲
率を受像材料の曲率の5倍以上とする本発明の剥離現像
方法では、NG画像はなく、高画質な画像を安定して記
録することができる。
【0078】[実施例3]図4に示されるような装置に
おいて、プラテンローラ34に受像材料12を固定し
て、次いで色材シート10を重ね合わせ、密着した後
に、サーマルヘッドを用いて記録率50%の網点画像を
記録した。色材シート10は幅300mmである。次い
で、剥離バー69の位置(プラテンローラ34と剥離バ
ー69との距離)を種々変更して、受像材料12から色
材シート10を剥離した。なお、剥離バー69はアルマ
イト処理したアルミニウム製で、色材シート10に接触
する部分の曲率は1/2mmのものを用いた。また、色材
シート10の剥離は色材シート10をローラに巻き取る
ことによって行った。巻き取りトルクは10kg・cmとし
た。
【0079】剥離の際の剥離バー69の位置と、その際
に生じた剥離音および画質の評価を図6に示す。なお、
剥離バー69の位置は、プラテンローラ34表面に受像
材料12および色材シート10を重ね合わせ、剥離バー
69が色材シート10表面(支持体18)に接触する位
置を0として、プラテンローラ34から離れるとプラ
ス、逆をマイナスで距離(単位mm)によって示す。ま
た、画質の評価は前記実施例1と同様である。
【0080】図6に示されるように、剥離バー69の位
置を調整することによって剥離音を小さくすることがで
きると共に、剥離音が小さいほど剥離ムラ等のない高画
質な画像を得ることができ、高画質画像を安定して記録
することができる。
【0081】[実施例4]剥離バー69の位置を0.1
mmに固定し、画像記録率および色材シート10の巻き取
りトルクを種々変更した以外は、前記実施例3と同様に
して受像材料12から色材シート10を剥離した。各種
の画像記録率および巻き取りトルク組み合わせにおけ
る、画質の評価を下記表3に示す。なお、画質の評価は
前記実施例1と同様である。
【0082】
【0083】前述のように、画像記録率が向上するにつ
れて受像材料12と色材シート10の接着力が向上する
傾向にあるが、表3に示されるように、接着力の向上に
伴い巻き取りトルク(すなわち剥離張力)を低減するこ
とによって、スジ状の剥離ムラのない高画質な画像を安
定して記録することができる。
【0084】[実施例5]図2に示される画像記録装置
30を用い、剥離ローラ34の曲率を1/5mmに固定し
て、ラミネート機構38による重ね合わせ速度および重
ね合わせ温度を種々変更した以外は、前述の実施例1と
同様にして各種の画像記録を行った。各記録画像につい
て、目視によって、剥離ムラ、および受像材料12等に
付着したごみ等に起因する白ヌケの2項目について画質
評価を行った。剥離ムラの評価は前記実施例1と同様で
ある。また、白ヌケの評価は、0.1mm以上の白ヌケを
有する画像が×(NG画像)、0.05mm以上の白ヌケ
を有する画像が△、これ以下の白ヌケしか有さない画像
を○で評価した。結果を図7に示す。
【0085】図7に示されるように、重ね合わせ温度が
低温なほど、また重ね合わせ速度が高速なほど、十分に
クッション層28を柔軟にすることができずに、ゴミ等
に起因する白抜けが生じてしまう。逆に、重ね合わせ温
度が高温なほど、また重ね合わせ速度が低速なほど、剥
離ムラが生じてしまう。ここで、図7のグラフ中に記さ
れる線は、両評価においてNG画像を生じない境界線で
あり、図7のゴミおよび剥離ムラによるNGのない領域
を組み合わせた、図3の斜線領域、すなわち、両者の重
ね合わせ温度[℃]をY、重ね合わせ速度[mm/sec]を
Xとした際に、下記式 X+10≦Y≦(X/2)+45 但し、5≦X≦55 を満たす条件で両者の重ね合わせを行えば、白抜けや剥
離ムラ等のない高画質な画像を安定して記録することが
できる。以上の結果より、本発明の効果は明らかであ
る。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の剥離現像
方法によれば、スティックスリップ、剥離ムラや白抜け
等の発生がなく、また網点画像を記録した際には、均一
かつ好適な網点を形成することができ、高画質な画像を
安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の剥離現像方法が利用可能な熱転写画像
記録の一例の工程を概念的に示す図である。
【図2】本発明の剥離現像方法を実施する画像形成装置
の一例を概念的に示す線図的断面図である。
【図3】本発明の剥離現像方法の第4の態様における色
材シートと受像材料の重ね合わせ温度および重ね合わせ
速度の領域を示すグラフである。
【図4】本発明の剥離現像方法を利用する画像形成装置
の別の例の一部分を概念的に示す図である。
【図5】本発明の剥離現像方法を利用する画像形成装置
の別の例の一部分を概念的に示す図である。
【図6】熱転写画像記録の剥離現像において、剥離部材
とプラテンローラとの間隙と剥離音との関係および画質
評価を示すグラフである。
【図7】色材シートと受像材料の重ね合わせ温度および
重ね合わせ速度と白抜けおよび剥離ムラの発生を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
10 色材シート 12 受像材料 14 本紙 16 受像層 17 保護シート 18,26 支持体 19 光熱変換層 20 熱剥離層 22 色材層 24 露光ヘッド 24a 光源 24b 結像レンズ 28 クッション層 30 画像記録装置 32 供給部 34,84 プラテンローラ 36 固定/解除機構 38 ラミネート機構 40 露光手段 42 剥離機構 44 給紙部 46 ラミネート部 48 定着部 50 剥離部 52 トレイ部 58 ラミネートローラ 59,67 アーム 60 押圧手段 62 剥離ローラ 63,64 分割ローラ 65 櫛刃ガイド板 69 剥離バー 81 供給ローラ 82,86 搬送ローラ対 83 サーマルヘッド 87 巻き取りローラ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/40 5/26 9121−2H B41M 5/26 H 9121−2H A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剥離可能な色材層を有する色材シートと画
    像が転写される受像層を有する受像材料とを用い、前記
    色材層と受像層とを対面して色材シートと受像材料とを
    重ね合わせて前記色材層を像様に加熱することによって
    色材層に潜像を形成し、あるいは、色材層に潜像を形成
    した後に色材シートと受像材料とを重ね合わせ、その
    後、色材シートと受像材料とを剥離して前記受像層に画
    像を転写する加熱転写画像記録における剥離現像方法で
    あって、 前記色材シートおよび受像材料の曲率を規制しつつ両者
    の剥離位置を固定する固定部材を用い、かつ前記剥離位
    置において色材シートの曲率を受像材料の曲率の6倍以
    上として前記色材シートと受像材料とを剥離することを
    特徴とする剥離現像方法。
  2. 【請求項2】剥離可能な色材層を有する色材シートと画
    像が転写される受像層を有する受像材料とを用い、前記
    色材層と受像層とを対面して色材シートと受像材料とを
    重ね合わせて前記色材層を像様に加熱することによって
    色材層に潜像を形成し、あるいは、色材層に潜像を形成
    した後に色材シートと受像材料とを重ね合わせ、その
    後、色材シートと受像材料とを剥離して前記受像層に画
    像を転写する加熱転写画像記録における剥離現像方法で
    あって、 前記色材シートと受像材料との剥離位置を固定する固定
    部材を用い、かつ色材シートと受像材料との剥離によっ
    て発生する音、振動および超音波振幅のうち、少なくと
    も1つが最も小さくなるように前記固定部材の位置を調
    整して前記色材シートと受像材料とを剥離することを特
    徴とする剥離現像方法。
  3. 【請求項3】前記固定部材が加熱手段を有する請求項1
    または2に記載の剥離現像方法。
  4. 【請求項4】剥離可能な色材層を有する色材シートと画
    像が転写される受像層を有する受像材料とを用い、前記
    色材層と受像層とを対面して色材シートと受像材料とを
    重ね合わせて前記色材層を像様に加熱することによって
    色材層に潜像を記録し、あるいは、色材層に潜像を形成
    した後に色材シートと受像材料とを重ね合わせ、その
    後、色材シートと受像材料とを剥離して前記受像層に画
    像を転写する加熱転写画像記録における剥離現像方法で
    あって、 前記色材シートと受像材料との接着力に応じて、この接
    着力が大きな時には前記色材シートと受像材料とを剥離
    するために前記色材シートに加える張力を小さくし、接
    着力が小さな時には前記色材シートと受像材料とを剥離
    するために前記色材シートに加える張力を大きくするこ
    とを特徴とする剥離現像方法。
  5. 【請求項5】剥離可能な色材層を有する色材シートと画
    像が転写される受像層を有する受像材料とを用い、前記
    色材層と受像層とを対面して色材シートと受像材料とを
    重ね合わせて前記色材層を像様に加熱することによって
    色材層に潜像を記録し、あるいは、色材層に潜像を形成
    した後に色材シートと受像材料とを重ね合わせ、その
    後、色材シートと受像材料とを剥離して前記受像層に画
    像を転写する加熱転写画像記録における剥離現像方法で
    あって、 前記色材シートと受像材料との重ね合わせ温度[℃]を
    Y、同重ね合わせ速度[mm/sec]をXとした際に、下記
    式 X+10≦Y≦(X/2)+45 但し、5≦X≦55 を満たす条件で前記色材シートと受像材料とを重ね合わ
    せ、その後、潜像の記録、および前記色材シートと受像
    材料との剥離を行うことを特徴とする特徴とする剥離現
    像方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010509756A (ja) * 2006-11-06 2010-03-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー パターン指示層を有するドナーフィルム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010509756A (ja) * 2006-11-06 2010-03-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー パターン指示層を有するドナーフィルム
KR101364091B1 (ko) * 2006-11-06 2014-02-19 삼성디스플레이 주식회사 패턴 유도층을 갖는 도너 필름

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