JPH07276564A - ポリマ多層被覆金属積層体 - Google Patents

ポリマ多層被覆金属積層体

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JPH07276564A
JPH07276564A JP6067284A JP6728494A JPH07276564A JP H07276564 A JPH07276564 A JP H07276564A JP 6067284 A JP6067284 A JP 6067284A JP 6728494 A JP6728494 A JP 6728494A JP H07276564 A JPH07276564 A JP H07276564A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】融点140〜245℃のエチレンテレフタレー
ト及び/またはエチレンイソフタレートを主たる構成成
分とするポリエステルAとオレフィン系ポリマが重量比
で60:40〜97:3の割合で配合されてなる(I)
層と、融点220〜265℃のエチレンテレフタレート
を主たる構成成分とするポリエステルBよりなる(II)
層を押出ラミネートにより被覆してなることを特徴とす
るポリマ多層被覆金属積層体。 【効果】本発明のポリマ多層被覆金属積層体は耐衝撃
性、味特性に優れており、特に空焼き、レトルトなどの
熱処理後も優れた耐衝撃性を有しており、成形加工によ
って製造される金属缶に好適に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリマ多層被覆金属積層
体に関するものである。更に詳しくは成形性、耐衝撃
性、味特性に優れ、成形加工によって製造される金属缶
に好適なポリマ多層被覆金属積層体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金属缶の缶内面及び外面は腐食防
止を目的として、エポキシ系、フェノール系等の各種熱
硬化性樹脂を溶剤に溶解または分散させたものを塗布
し、金属表面を被覆することが広く行われてきた。しか
しながら、このような熱硬化性樹脂の被覆方法は塗料の
乾燥に長時間を要し、生産性が低下したり、多量の有機
溶剤による環境汚染など好ましくない問題がある。
【0003】これらの問題を解決する方法として、金属
缶の材料である鋼板、アルミニウム板あるいは該金属板
にめっき等各種の表面処理を施した金属板にポリマを押
出ラミネートする方法がある。そして、ポリマラミネー
ト金属板を絞り成形やしごき成形加工して金属缶を製造
する場合、ポリマラミネート金属板には次のような特性
が要求される。
【0004】(1)成形性に優れ、成形後にピンホール
などの欠陥を生じないこと。
【0005】(2)金属缶に対する衝撃によって、ポリ
マが金属板から剥離したり、クラック、ピンホールが発
生したりしないこと。
【0006】(3)缶の内容物の香り成分がポリマに吸
着したり、ポリマからの溶出成分などの臭いによって内
容物の風味がそこなわれないこと(以下味特性とい
う)。
【0007】これらの要求を解決するために多くの提案
がなされており、例えば特開昭51−17988号公報
には結晶化度20%以下のポリエチレンテレフタレート
系重合体を押出ラミネートした金属体、特開昭51−1
48755号公報にはポリメチレンテレフタレート系重
合体を200〜350℃に加熱した金属体上に押出ラミ
ネートした金属体、特公平2−9935号公報には20
0℃未満に加熱された金属体上に多層のポリエステルを
押出ラミネートした金属体等が開示されている。しかし
ながら、これらの提案は上述のような多岐にわたる要求
特性を総合的に満足できるものではなく、特に耐衝撃
性、味特性を両立する点に対しては十分に満足できるレ
ベルにあるとは言えなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記し
た従来技術の問題点を解消することにあり、成形性、耐
衝撃性、味特性に優れ、特に耐衝撃性、味特性の両立に
優れ成形加工によって製造される金属缶に好適なポリマ
多層被覆金属積層体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、融点1
40〜245℃のエチレンテレフタレート及び/または
エチレンイソフタレートを主たる構成成分とするポリエ
ステルAとオレフィン系ポリマが重量比で60:40〜
97:3の割合で配合されてなる(I)層と、融点22
0〜265℃のエチレンテレフタレートを主たる構成成
分とするポリエステルBよりなる(II)層を押出ラミネ
ートにより被覆してなることを特徴とするポリマ多層被
覆金属積層体によって達成することができる。
【0010】本発明は、特定の融点を有するポリエステ
ルを積層し、低融点のポリエステルに適量のオレフィン
系ポリマを混合することにより、金属に押出ラミネート
後、成形し製缶された際、製缶工程での熱処理、製缶後
のレトルト処理などの多くの熱履歴を受けても良好な耐
衝撃性が得られることを見いだしたものである。その効
果は耐衝撃性、味特性の両立だけでなく耐衝撃性を飛躍
的に向上できる点で従来技術に比べて非常に効果が大き
いものである。
【0011】本発明におけるエチレンテレフタレート及
び/またはエチレンイソフタレートを主たる構成成分と
するポリエステルとは、ポリエステル成分の50モル%
以上がエチレンテレフタレート及び/またはエチレンイ
ソフタレートであるポリエステルをいい、好ましくは6
0モル%以上がエチレンテレフタレート及び/またはエ
チレンイソフタレートであるポリエステルをいう。
【0012】ここで、ポリエステルはジカルボン酸成分
とグリコール成分からなるポリマであり、上記以外のジ
カルボン酸成分、例えばナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン
酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダ
イマー酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン
酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等の中か
ら任意に選ばれるジカルボン酸成分を共重合してもよ
い。一方、グリコール成分としてはエチレングリコール
以外の成分として、プロパンジオール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジ
メタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、
ビスフェノールS等の芳香族グリコール等を共重合して
もよく、グリコール成分のうちブタンジオールは耐衝撃
性向上の点から好ましい。なお、これらのジカルボン酸
成分、グリコール成分は2種以上を併用してもよい。
【0013】また、本発明の効果を阻害しない限りにお
いて、共重合ポリエステルにトリメリット酸、トリメシ
ン酸、トリメチロ−ルプロパン等の多官能化合物を共重
合してもよい。
【0014】本発明で使用されるポリエステルAとして
は、融点として140〜245℃であることが耐熱性、
金属板との十分な接着性の点、さらにオレフィン系ポリ
マと混合する際にオレフィン系ポリマの分解を抑制する
点で必要である。好ましくは、イソフタル酸共重合ポリ
エチレンテレフタレート、ブタンジオール/イソフタル
酸共重合ポリエチレンテレタレートなどの共重合ポリエ
ステル、及び該ポリエステルにジエチレングリコール、
ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレングリ
コールを共重合したポリエステルなどが挙げられる。
【0015】ポリエステルAと混合されるオレフィン系
ポリマは、特に限定されないが、低密度、中密度、高密
度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子
量ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−エチルアクリレート共重合体、アイオノマー、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体などのオレフィン−ビニ
ルアルコール共重合体、非晶ポリオレフィンなどが挙げ
られる。特にエチレン−ビニルアルコール共重合体、非
晶ポリオレフィンはレトルト処理後の耐衝撃性に優れる
ので好ましい。
【0016】ここで、オレフィン−ビニルアルコール共
重合体とは、一般にオレフィンと酢酸ビニル等のビニル
エステルとの共重合体をケン化して得られる共重合体で
あり、特にオレフィン含有量が10〜60モル%、特に
20〜50モル%のオレフィン−ビニルアルコール共重
合体が耐衝撃性を大きく向上させる上で好適である。ま
た、ケン化度が90%以上のものが熱安定性の点で好ま
しい。
【0017】ここで、非晶ポリオレフィンとは、一般に
は熱測定で結晶融点が観測されにくいものであり、本発
明でいう非晶ポリオレフィンの代表的なものとしてはジ
シクロペンタジエンの水素化物、ジシクロペンタジエン
とエチレンとの共重合体の水素化物、ジシクロペンタジ
エンの反応生成物とエチレンとの共重合体の水素化物お
よびノルボルネン系重合体から選ばれた1種以上のもの
をいう。
【0018】オレフィン系ポリマは、ポリエステルAと
の溶融押出性の点で210℃、2160g荷重でのメル
トインデックスが0.1〜50g/10分であることが
好ましく、さらに好ましくは0.5〜30g/10分、
特に好ましくは1〜20g/10分である。
【0019】また、ポリエステルAとオレフィン系ポリ
マの混合層に公知の相溶化剤を添加し相溶性を改善する
と耐衝撃性が改善されるので好ましい。
【0020】本発明において、耐衝撃性、味特性を良好
に両立する点でポリエステルAとオレフィン系ポリマが
重量比で60:40〜97:3の割合で配合されてなる
(I)層を有することが必要である。さらに好ましくは
ポリエステルAとオレフィン系ポリマが重量比で70:
30〜95:5、より好ましくはポリエステルAとオレ
フィン系ポリマが重量比で75:25〜92:8であ
る。このようにポリエステルAに柔軟性、粘弾性に優れ
ると考えられるオレフィン系ポリマを含有させることに
より耐衝撃性が大きく向上する。
【0021】一方、製缶工程での耐傷性、缶内容物の香
料成分の非吸着性を考慮すると前記フィルムに加えて、
融点が220〜265℃のエチレンテレフタレートを主
たる構成成分とするポリエステルBよりなる(II)層を
積層することが好ましい。融点が220℃未満であると
缶の耐熱性が不十分であり好ましくない。ここで、エチ
レンテレフタレートを主たる構成成分とするポリエステ
ルとは70モル%以上、好ましくは80モル%以上がエ
チレンテレフタレート単位であるポリエステルをいう。
【0022】さらに、ポリエステルAとポリエステルB
の融点差が好ましくは35℃以下、さらに好ましくは3
0℃以下、より好ましくは25℃以下であると製缶工程
で受ける熱履歴時に(I)層と(II)層の熱伸縮挙動差
が小さくなり、加工性が向上するので好ましい。
【0023】本発明において(I)層を形成するポリマ
の熱安定性、味特性の点でポリエステル成分のカルボキ
シル末端基量が35当量/トン以下であることが好まし
い。より好ましくはカルボキシル末端基量が30当量/
トン以下である。具体的には、固相重合、カルボジイミ
ド、オキサゾリンなどの公知の末端封鎖剤などによりカ
ルボキシル末端基量を所定量まで低減させる方法は好ま
しく行うことができる。
【0024】一方、表面処理などにより(I)層の表層
部においてカルボキシル末端基量を多くすることは接着
性を向上させる上で好ましい。
【0025】本発明におけるポリエステルは、好ましく
はジエチレングリコール成分量が0.01〜1.5重量
%、さらに好ましくは0.01〜1.0重量%、より好
ましくは0.01〜0.6重量%であることが製缶工程
での熱処理、製缶後のレトルト処理などの多くの熱履歴
を受けても良好な耐衝撃性を維持する上で望ましい。こ
のことは、200℃以上での耐酸化分解性が向上するも
のと考えられ、さらに公知の酸化防止剤を0.0001
〜1重量%添加してもよい。
【0026】ジエチレングリコール成分を0.01未満
とすることは重合工程が煩雑となり、コストの面で好ま
しくなく、1.5重量%を超えると製缶工程での熱履歴
によりポリエステルの劣化が生じフィルムの耐衝撃性を
大きく悪化し好ましくない。ジエチレングリコールは一
般にポリエステル製造の際に副生するが、その量を減少
させるには、重合時間を短縮したり、重合触媒として使
用されるアンチモン化合物、ゲルマニウム化合物などの
量を限定する方法、液相重合と固相重合を組み合わせる
方法、アルカリ金属成分を含有させる方法などが挙げら
れるが方法としては特に限定されない。
【0027】また、味特性を良好にする上で、ポリエス
テル中のアセトアルデヒドの含有量を好ましくは30p
pm以下、さらに好ましくは25ppm以下、より好ま
しくは20ppm以下が望ましい。アセトアルデヒドの
含有量が30ppmを超えると味特性に劣る。ポリエス
テル中のアセトアルデヒドの含有量を30pm以下とす
る方法は特に限定されるものではないが、例えばポリエ
ステルを重縮反応等で製造する際の熱分解によって生じ
るアセトアルデヒドを除去するため、ポリエステルを減
圧下あるいは不活性ガス雰囲気下において、ポリエステ
ルの融点以下の温度で熱処理する方法、好ましくはポリ
エステルを減圧下あるいは不活性ガス雰囲気下において
150℃以上、融点以下の温度で固相重合する方法、ベ
ント式押出機を使用して溶融押出する方法、ポリエステ
ルを溶融押出する際に押出温度を融点+30℃以内、好
ましくは融点+25℃以内で、短時間で押出す方法等を
挙げることができる。
【0028】また、本発明において特に耐衝撃性、味特
性を良好にするためには、好ましくはポリエステルの極
限粘度[η]が0.7以上、さらに好ましくは極限粘度
[η]が0.75以上であると、ポリマ分子鎖の絡み合
い密度が高まるためと考えられるが耐衝撃性、味特性を
さらに向上させることができるので好ましい。
【0029】本発明のポリマ多層被覆金属積層体が飲
料、食缶用途に使用される場合、ポリエステルは、味特
性の点でゲルマニウム元素を1〜500ppm含有する
ことが好ましく、さらに好ましくは5〜300ppm、
より好ましくは10〜100ppmである。ゲルマニウ
ム元素量が1ppm未満であると味特性向上の効果が十
分でなく、また500ppmを超えると、ポリエステル
中に異物が発生し耐衝撃性が悪化したり、味特性を悪化
してしまう。本発明のポリエステルは、ポリエステル中
にゲルマニウム元素の前記特定量を含有させることによ
り味特性をさらに向上させることができる。ゲルマニウ
ム元素をポリエステルに含有させる方法は従来公知の任
意の方法を採用することができ特に限定されないが、通
常ポリエステルの製造が完結する以前の任意の段階にお
いて、重合触媒としてゲルマニウム化合物を添加するこ
とが好ましい。このような方法としては例えば、ゲルマ
ニウム化合物の粉体をそのまま添加する方法や、あるい
は特公昭54−22234号公報に記載されているよう
に、ポリエステルの出発原料であるグリコ−ル成分中に
ゲルマニウム化合物を溶解させて添加する方法等を挙げ
ることができる。ゲルマニウム化合物としては、例えば
二酸化ゲルマニウム、結晶水含有水酸化ゲルマニウム、
あるいはゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウム
テトラエトキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲ
ルマニウムエチレングリコキシド等のゲルマニウムアル
コキシド化合物、ゲルマニウムフェノレート、ゲルマニ
ウムβ−ナフトレート等のゲルマニウムフェノキシド化
合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウム等の
リン含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウム等を挙
げることができる。中でも二酸化ゲルマニウムが好まし
い。
【0030】また、本発明のポリエステルは味特性の点
からポリエステル中のオリゴマの含有量を0.8重量%
以下とすることが好ましく、さらには0.7重量%以
下、特には0.6重量%以下とすることが好ましい。共
重合ポリエステル中のオリゴマの含有量が0.8重量%
を超えると味特性に劣り好ましくない。ポリエステル中
のオリゴマの含有量を0.8重量%以下とする方法は特
に限定されるものではないが、上述の共重合ポリエステ
ル中のアセトアルデヒド含有量を減少させる方法と同様
の方法等を採用することで達成できる。
【0031】本発明のポリエステルの製造は、従来公知
の任意の方法を採用することができ、特に限定されるも
のではない。例えばポリエチレンテレフタレートにイソ
フタル酸成分を共重合し、ゲルマニウム化合物として二
酸化ゲルマニウムを添加する場合で説明する。テレフタ
ル酸成分、イソフタル酸成分とエチレングリコールをエ
ステル交換またはエステル化反応せしめ、次いで二酸化
ゲルマニウム、リン化合物を添加し、引き続き高温、減
圧下で一定のジエチレングリコール含有量になるまで重
縮合反応せしめ、ゲルマニウム元素含有重合体を得る。
次いで得られた重合体をその融点以下の温度において減
圧下または不活性ガス雰囲気下で固相重合反応せしめ、
アセトアデルヒドの含有量を減少させ、所定の極限粘度
[η]、カルボキシル末端基を得る方法等を挙げること
ができる。
【0032】本発明のポリエステルを製造する際には、
従来公知の反応触媒、着色防止剤を使用することがで
き、反応触媒としては例えばアルカリ金属化合物、アル
カリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン
化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチ
モン化合物、チタン化合物等、着色防止剤としては例え
ばリン化合物等挙げることができる。
【0033】本発明において、ポリエステルA、ポリエ
ステルBは、触媒、ジエチレングリコール量、カルボキ
シル末端基量は異なっていてもよい。ポリマを回収する
場合は、(I)層に回収することが味特性の点で好まし
い。
【0034】本発明の被覆ポリマの厚さは、金属にラミ
ネートした後の成形性、金属に対する皮膜性、耐衝撃
性、味特性の点で、5〜50μmであることが好まし
く、さらに好ましくは8〜45μm、より好ましくは1
0〜40μmである。
【0035】さらに積層ポリマとしては、(I)層の厚
みと(II)層の厚みの比として20:1〜1:1(I:
II)であることが味特性、耐衝撃性の点で好ましく、特
に15:1〜4:1(I:II)であることが耐衝撃性の
点で好ましい。
【0036】また、本発明のポリマには加工性を向上さ
せるために、平均粒子径0.1〜10μmの無機粒子お
よび/または有機粒子が0.01〜10重量%含有させ
てもよいし、無粒子でもよい。但し、10μmを超える
平均粒子径を有する粒子を使用するとポリマ層の欠陥が
生じ易くなるので好ましくない。特に30μm以上の粒
子を含有させると好ましくないために、押出時のフィル
ターとしては30μm以上の異物を激減できるものを使
用することが好ましい。無機粒子および/または有機粒
子としては、例えば湿式および乾式シリカ、コロイド状
シリカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレ
ー等の無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル
酸、ジビニルベンゼン類等を構成成分とする有機粒子等
を挙げることができる。なかでも湿式および乾式コロイ
ド状シリカ、アルミナ等の無機粒子およびスチレン、シ
リコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、
ジビニルベンゼン等を構成成分とする有機粒子等を挙げ
ることができる。これらの無機粒子および/または有機
粒子は二種以上を併用してもよい。
【0037】粒子は(I)層、(II)層のいずれに添加
しても良いが、加工性向上のためには(II)層に粒子を
添加することが好ましい。一方、(I)層にも回収など
の点で特性を損ねない範囲で粒子を添加しても良い。
【0038】さらに、本発明の被覆ポリマを製造するに
あたり、必要により可塑剤、帯電防止剤、耐候剤等の添
加剤も適宜使用することができる。
【0039】また、(I)層にコロナ放電処理などの表
面処理を施すことにより接着性を向上させることはさら
に特性を向上させる上で好ましい。その際、E値として
は5〜40が好ましく、さらに好ましくは10〜25で
ある。
【0040】本発明の金属体へのポリマ多層被覆方法と
しては溶融押出ラミネートであれば特に限定されない
が、本発明の製造方法例について述べる。
【0041】ポリエステルAとしてイソフタル酸17.
5モル%共重合ポリエチレンテレフタレート([η]=
0.84、ジエチレングリコール0.7重量%、融点2
15℃、カルボキシル末端基:15当量/トン)とエチ
レン−ビニルアルコール共重合体(エチレン含有量29
モル%、融点183℃、MFI:8g/10分(210
℃、2160g))を重量比で95:5、ポリエステル
Bとしてイソフタル酸5モル%共重合ポリエチレンテレ
フタレート([η]=0.90、ジエチレングリコール
0.89重量%、融点240℃、カルボキシル末端基:
14当量/トン)を二軸ベント式の別々の押出機(押出
機の温度は融点+25℃((I)層側はポリエステルに
対して融点+30℃)に設定)に供給し溶融し、しかる
後にフィードブロック(275℃設定)にて2層に積層
して口金から吐出後、(I)層が金属面になるように
0.3mm程度の厚みの金属板に厚さ30μmのポリマ
ラミネートを行う。その後直ちに水などにより常温付近
まで冷却固化してポリマ多層被覆積層金属体を得る。ま
た、ラミネート工程に防塵処理を施すとポリマの欠陥が
生じ難くなるので好ましい。
【0042】本発明の金属体とは特に限定されないが、
成形性の点で鉄やアルミニウムなどを素材とする金属板
が好ましい。さらに、鉄を素材とする金属板の場合、そ
の表面に接着性や耐腐食性を改良する無機酸化物被膜
層、例えばクロム酸処理、リン酸処理、クロム酸/リン
酸処理、電解クロム酸処理、クロメート処理、クロムク
ロメート処理などで代表される化成処理被覆層を設けて
もよい。特に金属クロム換算値でクロムとして6.5〜
150mg/m2 のクロム水和酸化物が好ましく、さら
に、展延性金属メッキ層、例えばニッケル、スズ、亜
鉛、アルミニウム、砲金、真鍮などを設けてもよい。ス
ズメッキの場合0.5〜15g/m2 、ニッケルまたは
アルミニウムの場合1.8〜20g/m2 のメッキ量を
有するものが好ましい。
【0043】本発明のポリマ多層被覆積層金属体は、絞
り成形やしごき成形によって製造されるツーピース金属
缶の内面及び外面被覆用に好適に使用することができ
る。また、ツーピース缶の蓋部分、あるいはスリーピー
ス缶の胴、蓋、底の被覆用としても良好な金属接着性、
成形性、耐衝撃性を有するため好ましく使用することが
できる。特に、外面被覆用には着色した本発明ポリマを
使用することができる。このため、ポリエステル層に着
色剤を配合することができ、着色剤としては白色系、赤
色系などが好ましく使用され、酸化チタン、亜鉛華、無
機または有機顔料などから選ばれた着色剤を5〜60重
量%、好ましくは15〜50重量%添加することが望ま
しい。添加量が5重量%未満であると色調、白色性など
の点で劣り好ましくない。必要に応じて、ピンキング
剤、ブルーイング剤などを併用してもよい。
【0044】
【特性の測定法、評価法】なお特性は以下の方法により
測定、評価した。
【0045】(1)ポリエステル中のジエチレングリコ
ール成分の含有量 NMR(13C−NMRスペクトル)によって測定し
た。
【0046】(2)ポリエステル中のゲルマニウム元素
の含有量 蛍光X線測定によりポリエステル組成物中のゲルマニウ
ム元素の含有量とピーク強度の検量線から定量した。
【0047】(3)ポリエステルの極限粘度 ポリエステルをオルソクロロフェノールに溶解し、25
℃において測定した。なお、不溶ポリマは濾過して取り
除いて測定した。
【0048】(4)ポリエステルの融点 ポリエステルを結晶化させ、示差走査熱量計(パーキン
・エルマー社製DSC−2型)により、10℃/min
の昇温速度で測定した。
【0049】(5)ポリエステル中のアセトアルデヒド
含有量 ポリマの微粉末を2g採取しイオン交換水と共に耐圧容
器に仕込み、120℃で60分間水抽出後、高感度ガス
クロで定量しポリエステル中のアセトアルデヒド量を求
めた。
【0050】(6)ポリエステル中のオリゴマ含有量 ポリマ100mgをオルソクロロフェノール1mlに溶
解し、溶液を分別した後液体クロマトグラフ(Vari
an社製モデル8500)で環状三量体を測定し、オリ
ゴマ量とした。
【0051】(7)耐衝撃性 100〜350℃に加熱されたSnメッキしたブリキ金
属板をポリマで被覆した後、しごき成形機(成形比(最
大厚み/最小厚み)=3.0)で成形し、底成形等を行
いDraw Iron ing缶を得た。
【0052】(炭酸飲料での耐衝撃性)製缶後、220
℃、10分の熱処理を行い、炭酸水を充填し0℃、48
時間炭酸バブリングした。そして、缶底外面からポンチ
で各5箇所衝撃を与えた後内容物を除いて缶側内面をろ
うでマスキングし、カップ内に1%の食塩水を入れて、
食塩水中の電極と金属缶に6vの電圧をかけて電流値を
読み取った。
【0053】A級:0.1mA未満 B級:0.1mA以上0.2mA未満 C級:0.2mA以上0.5mA未満 D級:0.5mA以上
【0054】(レトルト飲料での耐衝撃性)製缶後、2
20℃10分の条件で空焼きを行い、空焼き後、20℃
×30分のレトルト処理をし、市販のウーロン茶を充填
し、30℃、24時間放置し、缶底外面からポンチで各
5箇所衝撃を与えた後、内容物を除き缶側内面をろうで
マスキングしてカップ内に1%食塩水を入れて、食塩水
中の電極と金属缶に6Vの電圧をかけて電流値を読み取
った。
【0055】A級:0.1mA未満 B級:0.1mA以上0.2mA未満 C級:0.2mA以上0.5mA以下 D級:0.5mA以上
【0056】(9)味特性 ポリマ(II)層側のみ香料水溶液(d−リモネン30p
pm水溶液)に接するようにして(接触面積:314c
2 )常温7日間放置した後、80℃で30分間窒素気
流中で加熱し追い出される成分を、ガスクロマトグラフ
ィーによりフイルム1gあたりのd−リモネンの吸着量
を定量し味特性を評価した。
【0057】また、成形した金属缶に香料水溶液(d−
リモネン20ppm水溶液)を入れ、密封後1ヶ月放置
し、その後開封して官能検査によって、臭気の変化を以
下の基準で評価した。
【0058】A級:臭気に変化が見られない B級:臭気にほとんど変化が見られない C級:臭気に変化が見られる
【0059】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳細に説明す
る。
【0060】実施例1 ポリエステルAとしてイソフタル酸17.5モル%共重
合ポリエチレンテレフタレート(ゲルマニウム元素量4
0ppm、[η]=0.84、ジエチレングリコール
0.70重量%、融点215℃、カルボキシル末端基:
15当量/トン)とエチレン−ビニルアルコール共重合
体(エチレン含有量29モル%、融点183℃、MF
I:8g/10分(210℃、2160g))を重量比
で92:8、ポリエステルBとしてイソフタル酸5モル
%共重合ポリエチレンテレフタレート(ゲルマニウム元
素量40ppm、[η]=0.90、ジエチレングリコ
ール0.89重量%、融点240℃、カルボキシル末端
基:14当量/トン、平均粒子径4μmの酸化珪素粒子
0.2重量%)を二軸ベント式の別々の押出機(押出機
の温度は融点+25℃((I)層側はポリエステルAに
対して融点+25℃)に設定)に供給し溶融し、しかる
後にフィードブロックにて2層((I)層/(II)層=
9/1、設定温度270℃)に積層して通常の口金から
吐出後、(I)層が接着面になるように約200℃に通
電加熱された厚さ0.3mmの鋼板(Sn付着量が缶外
面側2.8g/m2 、缶内面側100mg/m2 にクロ
メート処理を行ったブリキ鋼板)に押出ラミネートを行
い(その際のニップ圧としては約80kg/cm、ラミ
ネート速度50m/分)、直ちに水槽にて急冷した。か
くして得られた2層積層被覆ポリマは、ポリエステル成
分を溶剤に溶かし極限粘度を求めたところ0.78、オ
リゴマ含有量0.5重量%、アセトアルデヒド量18p
pm、カルボキシル末端基22当量/トンであった。物
性、及び金属板にラミネートし製缶した結果を表1に示
す。表からわかるように、オレフィン−ビニルアルコー
ル共重合体を適量含有する本発明のポリマ多層被覆金属
積層体は特に耐衝撃性、味特性の両者に優れていた。
【0061】実施例2〜実施例12 ポリオレフィンの量、種類、積層比、ポリエステルの種
類、金属板の種類などを変更し実施例1と同様にして金
属板に押出ラミネートした。結果を表1〜表4に示と
た。
【0062】実施例2は、ポリエステルAとオレフィン
−ビニルアルコール共重合体の量を重量比で80:20
とし、オレフィン−ビニルアルコール共重合体をエチレ
ン含有量44モル%、融点164℃、MFI:12g/
10分(210℃、2160g)、ポリエステルBをポ
リエチレンテレフタレート(ゲルマニウム元素量40p
pm、[η]=0.90、ジエチレングリコール0.8
9重量%、融点250℃、カルボキシル末端基:16当
量/トン)とし、ラミネート速度を80m/分とした以
外は実施例1と同様にしてポリマ多層被覆金属積層体を
得た。表1に示すとおり特に良好な特性が得られた。
【0063】実施例3は、ポリエステルAをイソフタル
酸12モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(ゲル
マニウム元素量42ppm、[η]=0.85、ジエチ
レングリコール0.70重量%、融点227℃、カルボ
キシル末端基:14当量/トン)、ポリオレフィンを三
井石油化学(株)製“アペル”6509(ノルボルネン
系非晶ポリオレフィン、熱変形温度70℃[ASTM
D−648、18.6kg/cm2 ])とし重量比で8
5:15、積層比、ポリエステルBの粒子処方を変更
し、実施例1と同様にしてポリマ多層被覆金属積層体を
得た。表1に示すとおり特に良好な特性が得られた。
【0064】実施例4は、ポリエステルAをイソフタル
酸10モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(ゲル
マニウム元素量50ppm、[η]=0.72、ジエチ
レングリコール0.80重量%、融点235℃、カルボ
キシル末端基:20当量/トン)、ポリオレフィンを三
井石油化学(株)製“アペル”6015(ノルボルネン
系非晶ポリオレフィン、熱変形温度125℃[ASTM
D−648、18.6kg/cm2 ])とし重量比で
90:10、ポリエステルBの粒子処方を変更し、実施
例1と同様にしてポリマ多層被覆金属積層体を得た。表
2に示すとおり良好な特性を得た。
【0065】実施例5は、ポリエステルAのジエチレン
グリコール量を2.0重量%とした以外は実施例1と同
様にしてポリマ多層被覆金属積層体を得た。表2に示す
とおり良好な特性を得た。
【0066】実施例6は、ポリオレフィンを低密度ポリ
エチレン(密度0.918g/cm3 、融点108℃、
MFI:3g/10分(210℃、2160g))とし
た以外は実施例1と同様にしてポリマ多層被覆金属積層
体を得た。表2に示すとおり良好な特性を得た。
【0067】実施例7は、ポリオレフィンをエチレン−
ビニルアセテート(5%)コポリマー(密度0.926
g/cm3 、融点102℃、MFI:1g/10分(2
10℃、2160g))とし重量比を95:5、ポリエ
ステルB、粒子処方を変更した以外は実施例1と同様に
してポリマ多層被覆金属積層体を得た。表3に示すとお
り良好な特性を得た。
【0068】実施例8は、ポリエステルAをイソフタル
酸14モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(アン
チモン元素量200ppm、[η]=0.86、ジエチ
レングリコール0.50重量%、融点223℃、カルボ
キシル末端基:11当量/トン)、ポリオレフィンをア
イオノマー(エチレン−メタクリル酸共重合体Znタイ
プ:融点99℃、MFI:5g/10分(210℃、2
160g))とし重量比90:10とした以外は実施例
1と同様にしてポリマ多層被覆金属積層体を得た。表3
に示すとおり良好な特性を得た。
【0069】実施例9は、溶液重合のみを実施した
[η]=0.67のポリエステルA、溶液重合のみを実
施した[η]=0.68のポリエステルBとして、単軸
押出機で280℃で押出した以外は実施例1と同様にし
てポリマ多層被覆金属積層体を得た。得られた被覆ポリ
マはアセトアルデヒド量が多く、極限粘度も小さいため
に表3に示すとおり耐衝撃性、味特性がやや低下したが
良好な特性が得られた。
【0070】実施例10は、積層比を1:2((I)
層:(II)層)とした以外は実施例1と同様にしてポリ
マ多層被覆金属積層体を得た。表4に示すように(II)
層の積層比が大きいため耐衝撃性がやや低下したが良好
な特性であった。
【0071】実施例11は、鋼板の種類をアルミニウム
とし通電加熱を150℃、(I)層にチバガイギ製“イ
ルガノックス”1010を0.05重量%添加した以外
は実施例1と同様にしてポリマ多層被覆金属積層体を得
た。表4に示すように良好な特性が得られた。
【0072】実施例12は、下記のポリマ1を厚さ0.
2mmのTFS鋼板の片面(成形時に缶内面側)に積層
押出ラミし急冷後、再度200℃に通電加熱し、下記の
ポリマ2の白色ポリマを該鋼板の片面(成形時に缶外面
側)に押出ラミし急冷した。さらに成形比1.2のDT
R(Draw Thin Redraw)成形を行っ
た。その後、缶の耐衝撃性、味特性を調べたところ表4
に示すように良好な特性を得ることができ、缶外面の白
色性も良好であった。
【0073】(ポリマ1) ラミネート面(27μm):イソフタル酸12モル%共
重合ポリエチレンテレフタレート(ゲルマニウム元素量
42ppm、[η]=0.75、ジエチレングリコール
0.80重量%、融点228℃、カルボキシル末端基:
25当量/トン)とエチレン−ビニルアルコール共重合
体(エチレン含有量29モル%)を重量比で92:8 非ラミネート面(3μm):イソフタル酸5モル%共重
合ポリエチレンテレフタレート(ゲルマニウム元素量4
0ppm、[η]=0.74、ジエチレングリコール
0.89重量%、融点240℃、カルボキシル末端基:
16当量/トン)
【0074】(ポリマ2) ラミネート面(5μm):イソフタル酸12モル%共重
合ポリエチレンテレフタレート(ゲルマニウム元素量4
2ppm、[η]=0.75、ジエチレングリコール
0.80重量%、融点228℃、カルボキシル末端基:
25当量/トン)とエチレン−ビニルアルコール共重合
体(エチレン含有量29モル%)を重量比で92:8 非ラミネート面(25μm):イソフタル酸5モル%共
重合ポリエチレンテレフタレート(ゲルマニウム元素量
40ppm、[η]=0.74、ジエチレングリコール
0.89重量%、融点240℃、カルボキシル末端基:
16当量/トン)と二酸化チタン(平均粒子径0.3μ
m)70重量%含有ポリブチレンテレフタレート
(〔η〕=0.75、融点221℃)を重量比で1:2
【0075】比較例1 (I)層としてイソフタル酸17.5モル%共重合ポリ
エチレンテレフタレート(ゲルマニウム元素量50pp
m、[η]=0.65、ジエチレングリコール2.0重
量%、融点211℃、アセトアルデヒド量37ppm、
カルボキシル末端基41当量/トン)、(II)層として
イソフタル酸5モル%共重合ポリエチレンテレフタレー
ト(ゲルマニウム元素量42ppm、[η]=0.6
4、ジエチレングリコール1.20重量%、融点239
℃、カルボキシル末端基39当量/トン、平均粒子径4
μmの酸化珪素粒子0.1重量%)を、押出温度を28
0℃として、実施例1と同様の方法にしてポリマ多層被
覆金属積層体を得た。表5に結果を示した。
【0076】このポリマ多層被覆金属積層体は、ポリオ
レフィンを含有しておらず、アセトアルデヒド量が多い
ため特性が悪化した。
【0077】比較例2 実施例1のポリオレフィン量を1重量%、ジエチレング
リコール量を2.5重量%、[η]=0.64とした以
外は実施例1と同様にしてポリマ多層被覆金属積層体を
得た。表5に結果を示した。
【0078】表からわかるように、ポリオレフィン含有
量が不十分であり、耐衝撃性、味特性が低下してしまっ
た。
【0079】比較例3 ポリエステルAとポリオレフィンとして低密度ポリエチ
レン(密度0.918g/cm3 、融点108℃、MF
I:3g/10分(210℃、2160g))を重量比
40:60とした以外は比較例1と同様にしてポリマ多
層被覆金属積層体を得た。表5に結果を示した。
【0080】表からわかるように、ポリオレフィンの量
が本発明外であり、味特性が大きく低下してしまった。
【0081】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0082】
【発明の効果】本発明のポリマ多層被覆金属積層体金属
板は缶などに成形した際、耐衝撃性、味特性に優れてお
り、特に空焼き、レトルトなどの熱処理後も優れた耐衝
撃性を有しており、成形加工によって製造される金属缶
に好適に使用することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点140〜245℃のエチレンテレフ
    タレート及び/またはエチレンイソフタレートを主たる
    構成成分とするポリエステルAとオレフィン系ポリマが
    重量比で60:40〜97:3の割合で配合されてなる
    (I)層と、融点220〜265℃のエチレンテレフタ
    レートを主たる構成成分とするポリエステルBよりなる
    (II)層を押出ラミネートにより被覆してなることを特
    徴とするポリマ多層被覆金属積層体。
  2. 【請求項2】 ポリエステル成分のカルボキシル末端基
    量が35当量/トン以下であることを特徴とする請求項
    1に記載のポリマ多層被覆金属積層体。
  3. 【請求項3】 ポリエステル成分のジエチレングリコー
    ル成分量が0.01〜1.5重量%であることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のポリマ多層被覆金
    属積層体。
  4. 【請求項4】 ポリエステル成分のアセトアルデヒド量
    が30ppm以下であることを特徴とする請求項1〜請
    求項3のいずれかに記載のポリマ多層被覆金属積層体。
  5. 【請求項5】 ポリエステル成分の極限粘度[η]が
    0.7以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4
    いずれかに記載のポリマ多層被覆金属積層体。
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