JPH07276482A - インモールドラベル付偏平ボトルおよびその製造方法 - Google Patents

インモールドラベル付偏平ボトルおよびその製造方法

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JPH07276482A JP7058294A JP7058294A JPH07276482A JP H07276482 A JPH07276482 A JP H07276482A JP 7058294 A JP7058294 A JP 7058294A JP 7058294 A JP7058294 A JP 7058294A JP H07276482 A JPH07276482 A JP H07276482A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】インモールドラベル付偏平ボトル頸部の外径寸
法を大きくしたいという要請に応え、また、大きくした
ときに発生する成形上の問題点を解決したインモールド
ラベル付偏平ボトルおよびその製造方法を提供する。 【構成】片面に熱接着性塗布層を有したラベル131,
132を、ブロー成形用金型内に熱接着性塗布層側を金
型の内側方向にして装着し、この金型内でボトルをブロ
ー成形すると同時にラベル131,132をボトルの外
面に接着したインモールドラベル付偏平ボトル100で
あり、この偏平ボトル100の胴部121,122の幅
の狭い方の側面の最大幅寸法Wと頸部110の最小外径
寸法Dとの比の値W/Dが、1.0乃至2.0の範囲に
し、偏平ボトル100の頸部110の上側に、上端外径
寸法が頸部110の最小外径寸法より小さい切取り部を
連接して設けてボトルをブロー成形し、成形後にこの切
取り部を切断して分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗剤、トイレタリー、
食品及び薬品などの液体状内容物に使用するダイレクト
ブロー成形で作製されたインモールドラベル付偏平ボト
ルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シャンプー、洗濯糊、台所洗剤、
食品や医薬品などに、広くプラスチック製ボトルが使用
されてきたが、これらのプラスチック製ボトルで注出具
を備えていないボトルは、使用時に胴部を押圧して内容
物を注出して使用するため、使用のし易さからボトル胴
部の横断面形状が偏平状に形成されている。この偏平状
の胴部には、一般に文字や絵柄が直接印刷されているか
又は印刷されたラベルが貼られている。ラベルを貼った
ボトルは、従来では、成形したボトルに別工程でラベル
を貼っていたが、最近では、工程の削減やラベルとボト
ルを一体化して使用時にラベルを剥がれにくくするた
め、ボトルの成形と同時にラベルを接着するインモール
ドラベル方式へと切り替わりつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近、プラ
スチック製ボトルの適用範囲の拡大につれ、ボトルの頸
部に計量口栓などの比較的大きな機能口栓を付ける要求
や、粘度の比較的高い内容物にも使用するため、頸部の
径を大きくする必要がでてきた。しかしながら、頸部の
径を大きくすると、通常のブロー成形法では、頸部の最
小外径寸法とほぼ同じ外径で断面が円形状のパリソンを
使用してブロー成形するため、頸部の外径寸法と胴部の
幅寸法との差が少ない場合には、金型内で溶融状態のパ
リソンと金型内に装着されたラベルとの位置が近いた
め、ラベルの基材がパリソンの熱によって黄変すること
があったり、金型内でブローピンから吹き込まれるエア
で膨張するパリソンの一部分が、直ぐに金型内に装着さ
れているラベルと接触して接着し、このラベルと接触し
たパリソンの部分は、ラベルに接着及び冷やされて膨張
しなくなり、成形されたボトルの周壁に偏肉を発生し
た。また、成形されたボトルが冷却するにつれ、肉厚の
部分は収縮が大きいためにその部分に接着しているラベ
ルにしわが入ったり、ボトルが変形することもあった。
さらに、ラベルとボトルとの接着強度が不十分な場合に
は、ボトルの収縮によりラベルに浮きや捲れを生じた
り、ラベル基材の引っ張り強度が弱いときには、ボトル
成形時にパリソンの膨張力によって破断してしまうこと
もあった。そこで、上記の問題点を解決するために、パ
リソンの断面形状を、ボトルの断面形状に近いだ円形状
にしてボトルを成形し、膨張するパリソン外面が金型内
に装着するラベルにほぼ同時に接触させる方法が試みら
れたが、図4(a)に示す円形状のパリソンを使用して
ボトルを成形した場合には、膨張するパリソンの外面が
金型内に装着したラベルにaの部分の次にbの部分及び
cの部分が接するのに対して、図4(b)に示すだ円形
状のパリソンを使用した場合には、膨張するパリソンの
外面が金型内のラベルにaの部分、bの部分、cの部分
がぼぼ同時に接し、却って、ラベルとボトル周壁との間
に気泡がたまってしまう問題があった。しかし、断面形
状が円形状のパリソンを使用して良好なインモールドラ
ベル付偏平ボトルを得るためには、図1(b)に示す胴
部の幅の狭い方の側面の最大幅寸法Wと頸部の最小外径
寸法Dとの比の値W/Dが、2.0以上を必要とし、ど
うしても頸部の径を小さくせざるを得なかった。
【0004】本発明は、前述のインモールドラベル付偏
平ボトルの使用上におけるボトル頸部の外径寸法を大き
くしたいという要請に応え、また、頸部の外径寸法を大
きくしたときに発生する従来の成形上の問題点を解決し
たインモールドラベル付偏平ボトルおよびその製造方法
を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図2
(a)及び(b)に示すように、片面に熱接着性塗布層
を有したラベル(131,132)を、ブロー成形用金
型(200)内に熱接着性塗布層側を金型の内側方向に
して装着し、この金型内でボトルをブロー成形すると同
時にラベルをボトルの外面に接着したインモールドラベ
ル付偏平ボトルであって、図1(a),(b)及び
(c)に示すように、この偏平ボトルの胴部(121,
122)の幅の狭い方の側面の最大幅寸法Wと頸部(1
10)の最小外径寸法Dとの比の値W/Dが、1.0乃
至2.0の範囲であることを特徴とするインモールドラ
ベル付偏平ボトル(100)である。
【0006】第2の発明は、図2(a)及び(b)に示
すように、片面に熱接着性塗布層を有したラベル(13
1,132)を、ブロー成形用金型(200)内に熱接
着性塗布層側を金型の内側方向にして装着し、この金型
内でボトルをブロー成形すると同時にラベルをボトルの
外面に接着したインモールドラベル付偏平ボトルの製造
方法であって、図3(a)及び(b)に示すように、こ
の偏平ボトルの頸部(110)の上側に、上端外径寸法
dが頸部(110)の最小外径寸法Dより小さい切取り
部(150)を連接して設けてボトルをブロー成形し、
成形後にこの切取り部(150)を切断して分離するこ
とを特徴とするインモールドラベル付偏平ボトル(10
0)の製造方法である。
【0007】第3の発明は、図3(a)及び(b)に示
すように、第2の発明に記載の偏平ボトルの頸部(11
0)の上側に連接して設けた切取り部(150)の下端
に、上方外側方向へ傾斜して突起する突部(151)を
設けてボトルをブロー成形したことを特徴とするインモ
ールドラベル付偏平ボトル(100)の製造方法であ
る。
【0008】上述の偏平ボトルを成形する方法は、図2
(a)及び(b)に示すように、押出機で押し出された
パリソン(熱溶融管)を、直ぐに前方側割型(201)
と後方側割型(202)とからなる金型(200)内
で、ブローピン(20)のエア孔(21)からエアを吹
き込みボトルに成形する所謂、ダイレクトブロー方式で
あり、単層でも多層でもよい。使用する成形材料は、高
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ートなどを使用してよい。
【0009】また、ラベルの金型内への装着固定は、バ
キューム吸引法、静電気接着法、接着剤法などで行い、
ラベル基材としては、各種のプラスチックフィルム、合
成紙や紙などが使用でき、ラベル基材の片面に形成され
る感熱接着剤層は、アクリル系樹脂、塩素化ポリプロピ
レン、ビニル系樹脂、セルロース誘導体、変性ワックス
などの感熱接着剤を用いて、グラビア印刷、シルクスク
リーン印刷などによって部分的又は全面に形成するもの
である。
【0010】
【作用】第1の発明のインモールドラベル付偏平ボトル
は、胴部の幅の狭い方の側面の最大幅寸法Wと頸部の最
小外径寸法Dとの比の値W/Dが、1.0乃至2.0の
範囲であり、従来の通常のインモールドラベル付偏平ボ
トルの頸部より、径の大きい頸部を有しているため、計
量口栓などの比較的大きな機能口栓を付けることが可能
となり、また、粘度の比較的高い内容物の充填や使用時
の注出が容易となる。
【0011】第2の発明のインモールドラベル付偏平ボ
トルの製造方法は、偏平ボトルの頸部の上側に、上端外
径寸法dが頸部の最小外径寸法Dより小さい切取り部を
連接して設けてボトルをブロー成形するため、その偏平
ボトルを成形する上でもっとも適した径寸法のパリソン
を選定することができ、金型内でパリソンとラベルとの
間に、適切な間隔が得られ、偏平ボトルの成形がし易
く、また、パリソンの熱によってラベルが変色せず、ブ
ローピンのエア吹き込みによって膨張する断面形状が円
形状のパリソンの外面が、金型内に装着されたラベルの
縦方向の中心より外側へ順次接着して行くので、ラベル
とボトル周壁との間に気泡が入りにくく、比較的大きな
面積のラベルを貼ることが可能となる。
【0012】第3の発明の製造方法により得られたイン
モールドラベル付偏平ボトルは、偏平ボトルの頸部の上
側に連接して設けた切取り部の下端に、上方外側方向へ
傾斜して突起する突部を設けてあり、切取り部を偏平ボ
トルから切断するときに、この突部の下端の傾斜部が切
断刃を固定するため、切断刃の滑りがなく切取り部を切
断し易い。
【0013】
【実施例】まず、図3(a)及び(b)に示す偏平ボト
ル(100)の頸部(110)の上側に、下端に突部
(151)をもつ切取り部(150)を連接したボトル
の各部のキャビティ(210,221,222,25
0)を形成した図2(a)及び(b)に示す前方側の割
型(201)及び後方側の割型(202)とからなるブ
ロー成形用金型(200)を作製した。なお、成形後の
偏平ボトルの目標仕様寸法を示すと、正面の胴部の最大
幅寸法は、84mmで、側面の胴部の最大幅寸法は、5
2mmであり、頸部の上端の最小幅寸法Dは、φ38.
3mmで、切取り部(150)の上端の最小幅寸法d
は、φ30mmであり、偏平ボトルの胴部の幅の狭い方
の側面、つまり側面の最大幅寸法Wと頸部の最小外径寸
法Dとの比の値W/Dは、1.36であった。また、偏
平ボトルの高さは、170mmであり、充填内容量は、
400mlであり、切取り部の高さは、25mmであっ
た。
【0014】次に、作製したブロー成形用金型をダイレ
クトブロー成形機に取り付け、前方側の割型及び後方側
の割型にそれぞれバキューム吸着法でラベルを装着し、
成形材料として着色した高密度ポリエチレンを用い、断
面形状がφ30mmの円形状のパリソンで偏平ボトルを
成形と同時にラベルをボトルの前面と後面とに接着し
て、図3(a)及び(b)に示す頸部(110)の上側
に切取り部(150)が付いているインモールドラベル
付偏平ボトルを連続的に作製したのち、これらのボトル
の切取り部(150)を、頸部の上端から切取り部(1
50)の下端の傾斜部に切断刃を当てて切断して、本実
施例のインモールドラベル付偏平ボトル(100)を作
製した。なお、ラベル基材には、100μm厚の延伸ポ
リプロピレンフィルムを用い、この片面にアクリル樹脂
系接着剤をグラビア印刷法で塗布して、感熱接着剤層を
形成した。
【0015】本実施例のインモールドラベル付偏平ボト
ルの連続成形においては、成形上の問題は全く発生しな
かった。また、切取り部の切断作業も容易であった。そ
して、作製されたインモールドラベル付偏平ボトルは、
ラベルの黄変やしわの発生もなく、周壁の肉回りも比較
的に良好であり、頸部の径が比較的大きいため、30m
lの計量口栓を容易に取り付けることができた。
【0016】
【発明の効果】本発明のインモールドラベル付偏平ボト
ルは、胴部の幅の狭い方の側面の最大幅寸法Wと頸部の
最小外径寸法Dとの比の値W/Dが、1.0乃至2.0
の範囲であり、従来の通常のインモールドラベル付偏平
ボトルの頸部と比較すると、径が大きい頸部を有してい
るため、計量口栓などの比較的大きな機能口栓を付ける
ことが可能であり、また、粘度の比較的高い内容物にも
使用することができる。
【0017】本発明のインモールドラベル付偏平ボトル
の製造方法は、偏平ボトルの頸部の上側に、上端外径寸
法dが頸部の最小外径寸法Dより小さい切取り部を連接
して設けてボトルをブロー成形するため、その偏平ボト
ルを成形する上でもっとも適した径寸法のパリソンを選
定することができ、偏平ボトルの周壁の成形状態が良好
であり、偏平ボトルに貼られたラベルは、変色や気泡に
よるしわの発生がなく、ボトルと一体感をもって接着し
ているため、商品価値の高いインモールドラベル付偏平
ボトルが得られる。また、比較的大きな面積のラベルを
貼ることが可能でもある。
【0018】本発明の製造方法により得られたインモー
ルドラベル付偏平ボトルには、偏平ボトルの頸部の上側
に連接して設けた切取り部の下端に、上方外側方向へ傾
斜して突起する突部を設けてあるため、切取り部を偏平
ボトルから切断する作業が、非常に容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一例の実施例のインモール
ドラベル付偏平ボトルの正面図であり、(b)は、その
側面図で、(c)は、A−A′断面図である。
【図2】(a)は、型締めしたときの、後方側の割型の
キャビティと、パリソンと、ラベル及びブローピンとの
関係位置を示す正面の説明図であり、(b)は、型締め
したときの、前方側及び後方側の割型のキャビティと、
パリソンと、ラベル及びブローピンとの関係位置を示す
断面の説明図である。
【図3】(a)は、本発明の一例の実施例の切取り部を
頸部の上側に連接して設けたインモールドラベル付偏平
ボトルの正面図であり、(b)は、その側面図である。
【図4】(a)は、断面形状が円形のパリソンを用いた
ときの、図2(b)のB−B′断面図であり、(b)
は、断面形状が円形のパリソンを用いたときのB−B′
断面図である。
【符号の説明】
10……パリソン 20……ブローピン 21……エア孔 100……インモールドラベル付偏平ボトル又は偏平ボ
トル 110……頸部 121,122……胴部 131,132……ラベル 140……パーティングライン跡 150……切取り部 151……突部 200……ブロー成形用金型 201,202……割型 210,221,222,250……キャビティ 240……パーティングライン W……側面方向の幅寸法 D……首部の最小径寸法 d……切取り部の上端の最小幅寸法

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】片面に熱接着性塗布層を有したラベルを、
    ブロー成形用金型内に熱接着性塗布層側を金型の内側方
    向にして装着し、この金型内でボトルをブロー成形する
    と同時にラベルをボトルの外面に接着したインモールド
    ラベル付偏平ボトルであって、この偏平ボトルの胴部の
    幅の狭い方の側面の最大幅寸法Wと頸部の最小外径寸法
    Dとの比の値W/Dが、1.0乃至2.0の範囲である
    ことを特徴とするインモールドラベル付偏平ボトル。
  2. 【請求項2】片面に熱接着性塗布層を有したラベルを、
    ブロー成形用金型内に熱接着性塗布層側を金型の内側方
    向にして装着し、この金型内でボトルをブロー成形する
    と同時にラベルをボトルの外面に接着したインモールド
    ラベル付偏平ボトルの製造方法であって、この偏平ボト
    ルの頸部の上側に、上端外径寸法dが頸部の最小外径寸
    法Dより小さい切取り部を連接して設けてボトルをブロ
    ー成形し、成形後にこの切取り部を切断して分離するこ
    とを特徴とするインモールドラベル付偏平ボトルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の偏平ボトルの頸部の上側
    に連接して設けた切取り部の下端に、上方外側方向へ傾
    斜して突起する突部を設けてボトルをブロー成形したこ
    とを特徴とするインモールドラベル付偏平ボトルの製造
    方法。
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