JPH07276246A - 研磨テープ - Google Patents

研磨テープ

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Publication number
JPH07276246A
JPH07276246A JP6386094A JP6386094A JPH07276246A JP H07276246 A JPH07276246 A JP H07276246A JP 6386094 A JP6386094 A JP 6386094A JP 6386094 A JP6386094 A JP 6386094A JP H07276246 A JPH07276246 A JP H07276246A
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JP
Japan
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resin
polishing
polishing layer
acid
photosensitive drum
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Pending
Application number
JP6386094A
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English (en)
Inventor
Katsumi Ryomo
克己 両毛
Masaaki Fujiyama
正昭 藤山
Keisuke Yamada
圭介 山田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP6386094A priority Critical patent/JPH07276246A/ja
Publication of JPH07276246A publication Critical patent/JPH07276246A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な削状痕を電子写真用感光ドラムの表面
に付すことができ且つ長寿命の感光ドラムとすることが
できる研磨テープを供給すること。 【構成】 可撓性支持体上に研磨剤粒子と結合剤樹脂を
主体とする研磨層を設けた研磨テープの研磨層からテト
ラヒドロフラン(THF)により抽出される抽出量が研
磨層に対して0.1〜3.0重量%である研磨テープで
あり、望ましくはさらに結合剤中に占めるGPCによる
ポリスチレン換算分子量が5,000以下の樹脂分子の
割合が1〜30重量%である研磨テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可撓性支持体上に研磨
剤粒子と結合剤樹脂とからなる研磨層を有する研磨テー
プに関するものであり、特に、複写機用電子写真感光ド
ラム表面等の粗面化に利用するのに最適な研磨テープに
関し、粗面化に際して突起を減少し、均一な削条痕を感
光ドラム上に形成することを可能にする研磨テープに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機に使用される電子写真感光ドラム
としては、円筒ドラム上に有機光導電体の層を形成した
ものが広く利用されている。
【0003】その有機光導電性層は、通常、有機光導電
体とポリカーボネート樹脂を主体とするものである。
【0004】この電子写真感光ドラムに対しては、帯
電、像露光、トナー現像、転写、クリーニングの工程が
繰り返し行われる。そして、最後のクリーニングの工程
では、画像形成に使用されたトナーを感光体表面を傷を
付けずに複写画像の画質を劣化させない程度まで除去す
る必要がある。
【0005】クリーニング工程で使用されるクリーニン
グブレード等のクリーニング部材と感光体との摩擦係数
を減少させてクリーニング工程を円滑に行うために、通
常、感光体の表面は適度に粗面化される。即ち、感光ド
ラムの円周方向に平行に且つ一定間隔で形成された微細
な溝からなる均一な削状痕を感光体表面に形成するので
ある。
【0006】電子写真感光ドラム表面を粗面化する方法
としては、サンドブラスト法や研磨テープ、砥石による
研磨方法が行われている。
【0007】中でも研磨テープを利用する方法は、他の
方法に比べて簡易な方法で均一な削状痕を付けることが
できるので、その改良法が、例えば、特開平2−391
58号公報、特開平2−105161号公報、特開平2
−129647号公報、特開平2−1139563公
報、特開平2−139567号公報、特開平2−150
850号公報、特開平3−10277号公報、特開平3
−41455号公報、特開平3−81772号公報、特
開平3−184053号公報、特開平3−200258
号公報、特開平3−259154号公報、特開平3−2
78065公報等に数多く開示されている。
【0008】しかし、研磨テープによる粗面化に際して
は以下のような問題があった。即ち、複写機の感光ドラ
ム上に均一な削条痕を付すことができても必ずしも十分
な寿命の感光ドラムが得ることができなかった。
【0009】具体的には、感光ドラムを使用している中
に供給紙の搬送が円滑になされなくなったり、感度の低
下、削状痕の微小な溝に目詰まりが生じて画質が低下す
る等の問題が発生することがあった。
【0010】そのようなことを防止するために、研磨テ
ープの研磨層の表面粗さを低減したり、突起を少なくし
て、研磨テープの研磨層表面を均質なものにして被研磨
面である感光ドラム表面をできるだけ均質に研磨するよ
うに試みられてきたが未だ充分に前記問題に対処できな
かった。
【0011】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来
技術の問題点に鑑みなされたものであり、均一な削状痕
を電子写真用感光ドラムの表面に付すことができ且つ長
寿命の感光ドラムとすることができる研磨テープを供給
することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、可
撓性支持体上に研磨剤粒子と結合剤樹脂を主体とする研
磨層を設けてなる研磨テープにおいて、該研磨層から
テトラヒドロフラン(THF)により抽出される抽出量
が研磨層に対して0.1〜3.0重量%であることを特
徴とする研磨テープにより達成される。
【0013】即ち、上記目的を達成するために本発明者
等は特に研磨層の組成に着目して鋭意検討した結果、研
磨層中にあるTHF中に溶出される抽出量と感光ドラム
の寿命とに相関があることを突きとめ本発明に至ったの
である。
【0014】本発明で言う「THFにより抽出される抽
出量」とは、研磨剤と樹脂を主成分とする研磨層を可撓
性支持体上に設けた研磨テープを25℃下で60分間T
HF中に浸漬したときに溶出される成分の研磨層に対す
る量のことである。抽出される成分は、主として結合剤
樹脂を主体とするものであるがそのほかの比較的低分子
量の有機化合物、例えば、潤滑剤として添加される有機
化合物も含まれる。
【0015】本発明の研磨テープはTHF抽出量が0.
1〜3.0重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%、
更に好ましくは0.1〜1.5重量%である。
【0016】THF抽出量がこの範囲を越えると感光ド
ラムの寿命を劣化させてしまうので好ましくない。
【0017】本発明では、研磨層中のTHF抽出量成分
の量を特定量以下に少なくすることにより感光ドラムの
寿命を改良できる。しかし、その要因に関してはいまだ
不明な点が多いが研磨層中にあるTHFに可溶な低分子
量成分が研磨操作中に感光ドラムに微量転写されること
が感光ドラムの寿命と相関しているのではないかと推定
される。
【0018】更に、本発明の研磨テープにおいては、研
磨層の結合剤樹脂中に占めるGPC(ゲル パーミエー
ション クロマトグラフィー)によるポリスチレン換算
分子量が5,000以下の樹脂分子の割合が1〜30重
量%、好ましくは1〜10重量%、更に1〜5重量%で
あることが好ましい。
【0019】GPCによるポリスチレン換算分子量が
5,000以下であるものが上記範囲内にある結合剤樹
脂を選択することにより更に研磨テープの切削かすや脱
落かすが感光ドラム上に残渣として残ることを防止して
感光ドラムの寿命を優れたものとすることができる。
【0020】なお、本発明で言うところの研磨層の結合
剤樹脂のGPC換算分子量が5,000以下の樹脂分子
の割合とは、研磨層に使用する硬化剤を含めた結合剤樹
脂組成の単独被膜を測定して得られた値のことである。
【0021】即ち、研磨層自体のTHF抽出量を前記の
ように少なくすると共に、研磨層の結合剤組成単独の被
膜を測定したときのGPC換算分子量が前記のように特
定な条件にあるものがさらに本発明の目的を有効に達成
できるのである。
【0022】本発明の研磨テープのTHF抽出量を上記
のようにするためには、種々の方法がある。例えば、研
磨層の結合剤樹脂の硬化を充分に促進するために、結合
剤樹脂成分に、例えば、ポリウレタン樹脂とポリイソシ
アネートとを使用して80℃以上の温度で乾燥を行った
り、また、乾燥後50℃以上の5時間以上熱処理を行う
ことが有効である。また、研磨層中の研磨剤粒子の種
類、平均粒子径によっても抽出量は微妙に変化する。即
ち、研磨剤粒子が大きくなると粒子表面積が減少するた
め、同一結合剤樹脂量で有ればより多くの結合剤が付着
することになる。これは、研磨剤粒子間に存在する結合
剤量が増えるため架橋の確率は大きくなり硬化が促進す
るためと考えられる。また種類、形状により、吸着の強
さと吸着量が変化して硬化の度合いが異なってくること
も関係しているものと思われる。
【0023】研磨層の結合剤樹脂は、本発明においては
特に限定されるものではなく従来より公知のものを使用
することができる。即ち、使用できる結合剤樹脂として
は、従来公知の熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,反応型樹
脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線硬
化型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹脂
としては軟化温度が150℃以下、平均分子量が10,
000〜300,000、重合度が約50〜2,000
程度のものでより好ましくは200〜700程度であ
り、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重
合体、塩化ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステルアクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、ア
クリル酸エステルスチレン共重合体、メタクリル酸エス
テルアクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステルスチレ
ン共重合体、ウレタンエラストマ−、ナイロン−シリコ
ン系樹脂、ニトロセルロ−ス−ポリアミド樹脂、ポリフ
ッカビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合
体、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリアミド
樹脂、ポリビニルブチラ−ル、セルロ−ス誘導体(セル
ロ−スアセテ−トブチレ−ト、セルロ−スダイアセテ−
ト、セルロ−ストリアセテ−ト、セルロ−スプロピオネ
−ト、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、メチルセ
ルロ−ス、プロピルセルロ−ス、メチルエチルセルロ−
ス、カルボキシメチルセルロ−ス、アセチルセルロ−ス
等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、クロロビニルエ−テルアク
リル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム
系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等が使用される。
【0024】また熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては
塗布液の状態では200,000以下の分子量であり、
塗布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮合、付加等
の反応により分子量は無限大のものとなる。叉、これら
の樹脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化又は
溶融しないものが好ましい。具体的には例えばフェノ−
ル樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタンポリカーボネー
ト樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シ
リコン樹脂、アクリル系反応樹脂(電子線硬化樹脂)、
エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロ−スメラミン
樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネ−トプレ
ポリマ−の混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシ
アネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリオ−
ルとポリイソシアネ−トとの混合物、尿素ホルムアルデ
ヒド樹脂、低分子量グリコ−ル/高分子量ジオ−ル/ト
リフェニルメタントリイソシアネ−トの混合物、ポリア
ミン樹脂、ポリイミン樹脂及びこれらの混合物等であ
る。これらの熱可塑、熱硬化性樹脂、反応型樹脂は、主
たる官能基以外に官能基としてカルボン酸(COO
M)、スルフィン酸、スルフェン酸、スルホン酸(SO
3M)、燐酸(PO(OM)(OM))、ホスホン酸、
硫酸(OSO3M)、及びこれらのエステル基等の酸性
基(MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、炭化水
素基)、アミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノアル
コ−ルの硫酸または燐酸エステル類、スルフォベタイ
ン、ホスホベタイン、アルキルベタイン型等の両性類
基、アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基等また、
水酸基、アルコキシル基、チオ−ル基、アルキルチオ
基、ハロゲン基(F、Cl、Br、I)、シリル基、シ
ロキサン基、エポキシ基、イソシアナト基、シアノ基、
ニトリル基、オキソ基、アクリル基、フォスフィン基を
通常1種以上6種以内含み、各々の官能基は樹脂1gあ
たり1×10-6eq〜1×10 -2eq含むことが望まし
い。本発明の研磨テープにおける研磨層の結合剤樹脂と
して使用できる以上の樹脂を用いる場合、研磨層からの
抽出量を本願発明の範囲にするのは、硬化剤としてポリ
イソシアネートを使用して研磨層の乾燥後の熱処理を充
分に行って硬化を促進するようにすること、比較的大き
な分子量の樹脂を使用することが重要である。
【0025】これらの結合剤樹脂の単独又は組合わされ
たものが使われ、ほかに添加剤が加えられる。研磨層の
研磨剤と結合剤樹脂との混合割合は重量比で研磨剤との
合計100重量部に対して結合剤樹脂5〜70重量部の
範囲で使用される。
【0026】研磨層に用いる硬化剤のポリイソシアネ−
トとしては、トリレンジイソシアネ−ト、4、4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイ
ソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレ
ン−1、5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイソ
シアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニ
ルメタントリイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ
−ト等のイソシアネ−ト類、叉当該イソシアネ−ト類と
ポリアルコ−ルとの生成物、叉イソシアネ−ト類の縮合
に依って生成した2〜10量体のポリイソシアネ−ト、
又ポリイソシアネートとポリウレタンとの生成物で末端
官能基がイソシアネートであるもの等を使用することが
できる。これらポリイソシアネ−ト類の平均分子量は1
00〜20000のものが好適である。これらポリイソ
シアネ−トの市販されている商品名としては、コロネ−
トL、コロネ−トHL、コロネ−ト2030、コロネ−
ト2031、ミリオネ−トMR、ミリオネ−トMTL
(日本ポリウレタン株製)、タケネ−トD−102、タ
ケネ−トD−110N、タケネ−トD−200、タケネ
−トD−202、タケネ−ト300S、タケネ−ト50
0(武田薬品株製)、スミジュ−ルT−80、スミジュ
−ル44S、スミジュ−ルPF、スミジュ−ルL、スミ
ジュ−ルNデスモジュ−ルL、デスモジュ−ルIL、デ
スモジュ−ルN、デスモジュ−ルHL、デスモジュ−ル
T65、デスモジュ−ル15、デスモジュ−ルR、デス
モジュ−ルRF、デスモジュ−ルSL、デスモジュ−ル
Z4273(住友バイエル社製)等があり、これらを単
独もしくは硬化反応性の差を利用して二つ若しくはそれ
以上の組み合わせによって使用することができる。叉、
硬化反応を促進する目的で、水酸基(ブタンジオ−ル、
ヘキサンジオ−ル、分子量が1000〜10000のポ
リウレタン、水等)、アミノ基(モノメチルアミン、ジ
メチルアミン、トリメチルアミン等)を有する化合物や
金属酸化物の触媒や鉄アセチルアセトネート等の触媒を
併用することもできる。これらの水酸基やアミノ基を有
する化合物は多官能であることが望ましい。これらポリ
イソシアネ−トは研磨層の結合剤樹脂樹脂とポリイソシ
アネ−トの総量100重量部あたり2〜70重量部で使
用することが望ましく、より望ましくは5〜50重量部
である。
【0027】結合剤樹脂に使用するポリウレタン樹脂の
数平均分子量(Mn)を20,000以上もしくは同じ
く数平均分子量(Mn)が20,000以上の塩化ビニ
ル樹脂をポリイソシアネートと併用して結合剤樹脂とし
て使用することが好ましい。
【0028】更に、GPC換算分子量が5,000以下
の割合が30重量%以下の結合剤樹脂組成とするために
は、研磨層の結合剤樹脂の架橋硬化を充分に促進させる
ことと、結合剤樹脂のポリウレタン樹脂もしくは塩化ビ
ニル樹脂の数平均分子量を20,000以上とすること
が効果的である。
【0029】また、本発明の研磨テープにおいて研磨層
中の研磨剤粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、
2〜10μm、好ましくは3〜8μm、最も好ましくは
3〜6μmとすることにより、適度な深さの削状痕を感
光ドラム上に付すことができまたその寿命を増大させる
ことができる。ここでいう研磨剤粒子の平均粒子径は、
JIS−R6400の電気抵抗試験方法で測定されたも
のを基準としている。
【0030】本発明の研磨テープを使用して電子写真感
光体の表面を粗面化する条件としては、研磨テープ送り
速度が毎秒0.01〜10cmが良い。そして、テンシ
ョンは、5〜200g/cm巾相当が良い。
【0031】前記のように本発明においては、研磨テー
プの研磨層に使用する結合剤成分を選択することが重要
である。
【0032】特に、上述したように結合剤樹脂中の塩ビ
系樹脂を全く使用しないか、使用したとしても10重量
%以下とすることにより、塩素などのハロゲン成分、ま
た対イオンとして存在するNa,K等のアルカリ金属が
腐蝕原因成分となって感光ドラムの寿命に与える影響を
最小限にすることができる。
【0033】また、研磨層に脂肪酸、脂肪酸エステルを
含有させることにより、油脂成分による感光ドラムへの
汚染物が削れかすとなることを最小限に止めることがで
きる。但し、その含有量は研磨剤粒子100重量部に対
して0.1重量部を越えないようにすることが望まし
い。
【0034】さらに、本発明の研磨テープの研磨層の中
心線平均表面粗さRa(カットオフ値0.8mm)を
0.15〜1.0μmとすることにより、適度な削状痕
を感光ドラム上に付すことができ、複写画像に影響を与
えるようなスクラッチ状の傷を防止することができる。
【0035】表面粗さを上記の範囲とするためには、研
磨剤粒子の分散を充分に行って、研磨剤粒子の二次、三
次の凝集粒子を極力低減することが望ましい。
【0036】本発明の研磨テープに使用される研磨剤粒
子としては、酸化クロム、α−アルミナ、炭化珪素、非
磁性酸化鉄、ダイヤモンド、γ−アルミナ、α、γ−ア
ルミナ 熔融アルミナ、酸化セリウム、コランダム、人
造ダイヤモンド、ザクロ石、エメリ−(主成分:コラン
ダムと磁鉄鉱)、ガ−ネット、珪石、窒化珪素、窒化硼
素、炭化モリブデン、炭化硼素、炭化タングステン、チ
タンカ−バイド等で、主としてモ−ス硬度6以上の材料
が1内至4種迄の組合わせで使用される。
【0037】本発明の研磨テープの研磨層中には、上述
したように脂肪酸や脂肪酸エステルを含有させることが
好ましい。脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、エライジン酸、リノ−ル酸、リノレン
酸、ステアロ−ル酸、ベヘン酸、マレイン酸、フタル酸
等の炭素数2〜40個の脂肪酸(R1 COOH、R1 は
炭素数1〜39個のアルキル基、フェニル基、アラルキ
ル基)が挙げられる。
【0038】また、脂肪酸エステルとしてはカプリル酸
ブチル、カプリル酸オクチル、ラウリン酸エチル、ラウ
リン酸ブチル、ラウリン酸オクチル、ミリスチン酸エチ
ル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチ酸オクチル、ミリス
チン酸2エチルヘキシル、パルミチン酸エチル、パルミ
チン酸ブチル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2
エチルヘキシル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブ
チル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸オクチ
ル、ステアリン酸2エチルヘキシル、ステアリン酸アミ
ル、ステアリン酸イソアミル、ステアリン酸2エチルペ
ンチル、ステアリン酸2ヘキシルデシル、ステアリン酸
イソトリデシル、ステアリン酸アミド、ステアリン酸ア
ルキルアミド、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒド
ロソルビタンモノステアレ−ト、アンヒドロソルビタン
ジステアレ−ト、アンヒドロソルビタントリステアレ−
ト、アンヒドロソルビタンテトラステアレ−ト、オレイ
ルオレ−ト等が挙げられる。
【0039】また、研磨層中には、各種の機能を有した
添加剤として、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止
剤、防黴剤、着色剤、溶剤等を加えることもできる。本
発明の研磨テープの研磨層中には、静電気による塵埃の
付着を防止するために電気抵抗を低下させる目的からカ
ーボンブラックを含有させることが有効である。
【0040】使用できるカーボンブラックはゴム用ファ
−ネス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、アセチレ
ンブラック等を用いる事ができる。これらカーボンブラ
ックはテープの帯電防止剤、遮光剤、摩擦係数調節剤、
耐久性向上を目的として使用される。 これらカ−ボン
ブラックの米国における略称の具体例をしめすとSA
F、ISAF、IISAF、T、HAF、SPF、F
F、FEF、HMF、GPF、APF、SRF、MP
F、ECF、SCF、CF、FT、MT、HCC、HC
F、MCF、LFF、RCF等があり、米国のASTM
規格のD−1765−82aに分類されているものを使
用することができる。本発明に使用されるこれらカ−ボ
ンブラックの平均粒子サイズは 5〜1000ミリミク
ロン(電子顕微鏡)、窒素吸着法比表面積は1〜800
2 /g、PHは4〜11(JIS規格K−6221−
1982法)、ジブチルフタレ−ト(DBP)吸油量は
10〜800ml/100g(JIS規格K−6221
−1982法)である。本発明に使用されるカ−ボンブ
ラックのサイズは、塗布膜の表面電気抵抗を下げる目的
で5〜100ミリミクロンのカ−ボンブラックを、また
塗布膜の強度を制御するときに50〜1000ミリミク
ロンのカ−ボンブラックを用いる。また塗布膜の表面粗
さを制御する目的でスペ−シングロス減少のための平滑
化のためにより微粒子のカ−ボンブラック(100ミリ
ミクロン未満)を、粗面化して摩擦係数を下げる目的で
粗粒子のカ−ボンブラック(100ミリミクロン以上)
をもちいる。このようにカ−ボンブラックの種類と添加
量は研磨テープもしくはクリーニングテープに要求され
る目的に応じて使い分けらる。また、これらのカ−ボン
ブラックを、後述の分散剤などで表面処理したり、樹脂
でグラフト化して使用してもよい。また、カ−ボンブラ
ックを製造するときの炉の温度を2000℃以上で処理
して表面の一部をグラファイト化したものも使用でき
る。また、特殊なカ−ボンブラックとして中空カ−ボン
ブラックを使用することもできる。
【0041】これらのカ−ボンブラックは研磨層の場合
無機粉末100重量部に対して0.1〜100重量部で
用いることが望ましい。本発明に使用出来るカ−ボンブ
ラックは、例えば『カ−ボンブラック便覧』(カ−ボン
ブラック協会編 昭和46年発行)を参考にすることが
できる。
【0042】また、研磨層中に下記のような粉末状潤滑
剤を含有させることにより研磨剤粒子の充填度を調節し
て研磨テープの切削力を調整することもできる。粉末状
潤滑剤としては、グラファイト、二硫化モリブデン、窒
化硼素、弗化黒鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸
化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、二硫化タング
ステン等の無機微粉末、アクリルスチレン系樹脂微粉
末、ベンゾグアナミン系樹脂微粉末、メラミン系樹脂微
粉末、ポリオレフイン系樹脂微粉末、ポリエステル系樹
脂微粉末、ポリアミド系樹脂微粉末、ポリイミド系樹脂
微粉末、ポリフッカエチレン系樹脂微粉末等の樹脂微粉
末等がある。
【0043】また、研磨層中に下記のような有機化合物
系潤滑剤を含有させることにより研磨剤粒子の充填度を
調整したり、摩擦係数 を調整することもできる。有機
化合物系潤滑剤としては、シリコンオイル(ジアルキル
ポリシロキサン、ジアルコキシポリシロキサン、フェニ
ルポリシロキサン、フルオロアルキルポリシロキサン
(信越化学製KF96、KF69等))、脂肪酸変性シ
リコンオイル、フッ素アルコ−ル、ポリオレフィン(ポ
リエチレンワックス、ポリプロピレン等)、ポリグリコ
−ル(エチレングリコール、ポリエチレンオキシドワッ
クス等)、テトラフルオロエチレンオキシドワックス、
ポリテトラフルオログリコ−ル、パーフルオロアルキル
エーテル、パ−フルオロ脂肪酸、パ−フルオロ脂肪酸エ
ステル、パ−フルオロアルキル硫酸エステル、パ−フル
オロアルキルスルホン酸エステル、パ−フルオロアルキ
ルベンゼンスルホン酸エステル、パ−フルオロアルキル
燐酸エステル等の弗素や珪素を導入した化合物、アルキ
ル硫酸エステル、アルキルスルホン酸エステル、アルキ
ルホスホン酸トリエステル、アルキルホスホン酸モノエ
ステル、アルキルホスホン酸ジエステル、アルキル燐酸
エステル、琥珀酸エステル等の有機酸および有機酸エス
テル化合物、トリアザインドリジン、テトラアザインデ
ン、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアジン、ベンゾジ
アゾール、EDTA等の窒素・硫黄を含む複素(ヘテ
ロ)環化合物、炭素数10〜40の一塩基性脂肪酸と炭
素数2〜40個の一価のアルコ−ルもしくは二価のアル
コ−ル、三価のアルコ−ル、四価のアルコ−ル、六価の
アルコ−ルのいずれか1つもしくは2つ以上とから成る
脂肪酸エステル類、炭素数10個以上の一塩基性脂肪酸
と該脂肪酸の炭素数と合計して炭素数が11〜70個と
成る一価〜六価のアルコ−ルから成る脂肪酸エステル
類、炭素数8〜40の脂肪酸或いは脂肪酸アミド類、脂
肪酸アルキルアミド類、脂肪族アルコ−ル類も使用でき
る。これら化合物の具体的な例としては、ステアリン酸
ブチル、ミリスチン酸イソオクチル等がある。
【0044】その他研磨層中には、防黴剤として、2−
(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、N−(フル
オロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、10,1
0’−オキシビスフェノキサルシン、2,4,5,6テ
トラクロロイソフタロニトリル、P−トリルジヨードメ
チルスルホン、トリヨードアリルアルコール、ジヒドロ
アセト酸、フェニルオレイン酸水銀、酸化ビス(トリブ
チル錫)、サルチルアニライド等がある。 このような
ものは、例えば「微生物災害と防止技術」1972年工
学図書、「化学と工業」32、904(1979)等に
於いて示されているもの、酸化防止剤(アルキルフェノ
−ル、ベンゾトリアジン、テトラアザインデン、スルフ
ァミド、グアニジン、核酸、ピリジン、アミン、ヒドロ
キノン、EDTA等の金属キレート剤 )、錆どめ剤
(ナフテン酸、アルケニルコハク酸、燐酸、ジラウリル
フォスフェ−ト等)、油性剤(ナタネ油、ラウリルアル
コ−ル等)、極圧剤(ジベンジルスルフィド、トリクレ
ジルフォスフェ−ト、トリブチルホスファイト等)、清
浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、泡どめ剤等
がある。これらの添加剤は結合剤樹脂100重量部に対
して0.01〜30重量部の範囲で添加することもでき
る。
【0045】これらについては、アイビ−エムテクニカ
ル デイ スクロジャ−ブリテン(IBM Techni
cal Disclosure Bulletin)V
ol.9,No7,p779(1966年12月)、エ
レクトロニク(ELEKTRONIK)1961年No
12,p380、化学便覧、応用編、p954−96
7、1980年丸善株発行等に開示されて化合物を参照
できる。
【0046】研磨層塗布液中に以下の化合物を分散剤と
して添加することにより研磨剤粒子の分散性を促進する
ことができる。
【0047】例えば、脂肪酸のアルカリ金属(Li、N
a、K、NH4+ 等)またはアルカリ土類金属(Mg、
Ca、Ba等)、Cu、Pb等から成る金属石鹸(オレ
イン酸銅)、脂肪酸アミド;レシチン(大豆油レシチ
ン)等が使用される。この他に炭素数4〜40の高級ア
ルコ−ル、(ブタノ−ル、オクチルアルコ−ル、ミリス
チルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル)及びこれらの
硫酸エステル、スルホン酸、フェニルスルホン酸、アル
キルスルホン酸、スルホン酸エステル、燐酸モノエステ
ル、燐酸ジエステル、燐酸トリエステル、アルキルホス
ホン酸、フェニルホスホン酸、アミン化合物等も使用可
能である。また、ポリエチレングリコール、ポリエチレ
ンオキサイド、スルホ琥珀酸、スルホ琥珀酸金属塩、ス
ルホ琥珀酸エステル等も使用可能である。これらの分散
剤は通常一種類以上で用いられ、一種類の分散剤はバイ
ンダー100重量部に対して0.005〜20重量部の
範囲で添加される。これら分散剤の使用方法は、強磁性
微粉末や非磁性微粉末の表面に予め被着させても良く、
また分散途中で添加してもよい。
【0048】本発明に用いるカーボンブラック以外の帯
電防止剤としてはグラファイト、変成グラファイト、カ
−ボンブラックグラフトポリマ−、酸化錫−酸化アンチ
モン、酸化錫、酸化チタン−酸化錫−酸化アンチモン等
の導電性粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキレ
ンオキサイド系、グリセリン系、グリシド−ル系、多価
アルコ−ル、多価アルコ−ルエステル、アルキルフェノ
−ルEO付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキル
アミン類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドア
ミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピリ
ジンそのほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン
酸、ホスホン酸、燐酸、硫酸エステル基、ホスホン酸エ
ステル、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界
面活性剤;アミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノア
ルコ−ルの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイ
ン型等の両性界面活性剤等が使用される。 これら帯電
防止剤として使用し得る界面活性剤化合物例の一部は、
小田良平他著『界面活性剤の合成とその応用』(槙書店
1972年版);A.W.ベイリ著『サ−フェス アク
テイブ エ−ジェンツ』(インタ−サイエンス パブリ
ケ−ション コ−ポレイティッド1985年版);T.
P.シスリ−著『エンサイクロペディア オブ サ−フ
エスアクティブ エ−ジェンツ,第2巻』(ケミカルパ
ブリッシュカンパニ−1964年版);『界面活性剤便
覧』第六刷(産業図書株式会社,昭和41年12月20
日);丸茂秀雄著『帯電防止剤』幸書房(1968)等
の成書に記載されている。 これらの界面活性剤は単独
または混合して添加しても良い。研磨層におけるこれら
の界面活性剤の使用量は、研磨剤の合計100重量部当
たり0.01〜10重量部である。
【0049】本発明の分散、混練、塗布の際に使用する
有機溶媒としては、任意の比率でアセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン系;メ
タノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、イ
ソブチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、メチル
シクロヘキサノ−ルなどのアルコ−ル系;酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプ
ロピル、乳酸エチル、酢酸グリコ−ルモノエチルエ−テ
ル等のエステル系;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフ
ラン、グリコ−ルジメチルエ−テル、グリコ−ルモノエ
チルエ−テル、ジオキサンなどのエ−テル系;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クレゾ−ル、クロルベンゼ
ン、スチレンなどのタ−ル系(芳香族炭化水素);メチ
レンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、ク
ロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼ
ン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデ
ヒド、ヘキサン等のものが使用できる。またこれら溶媒
は通常任意の比率で2種以上で用いる。また1重量%以
下の量で微量の不純物(その溶媒自身の重合物、水分、
原料成分等)を含んでもよい。$これらの溶剤は研磨層
塗布液の固形分100重量部に対して100〜20,0
00重量部で用いられる。 望ましい塗布液の固形分率
は1〜40重量%である。
【0050】可撓性支持体の厚みは2.5〜500μ
m、望ましくは3〜75μmが望ましい。また非磁性支
持体の長手もしくは幅方向のいずれかのヤング率が40
0Kg/mm2以上であることが望ましい。可撓性支持
体用素材としてはポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエ
チレンナフタレ−ト等のポリエステル類、ポリプロピレ
ン等ポリオレフイン類、セルロ−ストリアセテ−ト、セ
ルロ−スダイアセテ−ト等のセルロ−ス誘導体、ポリ塩
化ビニル等のビニル系樹脂類、ポリカ−ボネ−ト、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリフェニルスル
ホン、ポリベンゾオキサゾール等のプラスチックのほか
にアルミニウム、銅等の金属、ガラス等のセラミックス
等も使用できる。このなかで特にポリエチレンナフタレ
ートもしくはポリアミドが好ましい。これらの支持体は
塗布に先立って、コロナ放電処理、プラズマ処理、下塗
処理、熱処理、除塵埃処理、金属烝着処理、アルカリ処
理をおこなってもよい。これら支持体に関しては例えば
西独特許3338854A、特開昭59−11692
6号、特開昭61−129731号、米国特許4388
368号;三石幸夫著、『繊維と工業』31巻 p50
〜55,1975年などに記載されている。研磨テープ
等の場合これら支持体の中心線平均表面粗さは0.00
1〜1.5μm(カットオフ値0.25mm)が望まし
い。
【0051】分散、混練の方法には特に制限はなく、ま
た各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶媒等)、
分散・混練中の添加位置、分散温度(0〜80°C)な
どは適宜設定することができる。研磨層用塗料の調製に
は通常の混練機、例えば、二本ロ−ルミル、三本ロ−ル
ミル、ボ−ルミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグ
ラインダ−、ツエ グバリ(Szegvari)アトライ
タ−、高速インペラ−、分散機、高速スト−ンミル、高
速度衝撃ミル、ディスパ−、ニ−ダ−、高速ミキサ−、
リボンブレンダ−、コニ−ダ−、インテンシブミキサ
−、タンブラ−、ブレンダ−、ディスパ−ザ−、ホモジ
ナイザ−、単軸スクリュ−押し出し機、二軸スクリュ−
押し出し機、及び超音波分散機などを用いることができ
る。通常分散・混練にはこれらの分散・混練機を複数備
え、連続的に処理を行う。混練分散に関する技術の詳細
は、T.C.PATTON著(テ−.シ−.パットン)
“Paint Flow and Pigment D
ispersion”(ペイント フロ− アンド
ピグメント デイ スパ−ジョン)1964年JohnW
iley & Sons社発行(ジョン ウイリ− ア
ンド サンズ))や田中信一著『工業材料』25巻37
(1977)などや当該書籍の引用文献に記載されてい
る。これら分散、混練の補助材料として分散・混練を効
率よく進めるため、球相当径で10cmφ〜0.05m
mφの径のスチールボール、スチールビーズ、セラミツ
クビーズ、ガラスビーズ、有機ポリマービーズを用いる
ことが出来る。またこれら材料は球形に限らない。ま
た、米国特許第2581414号及び同第285515
6号などの明細書にも記載がある。本発明においても上
記の書籍や当該書籍の引用文献などに記載された方法に
準じて混練分散を行い研磨層塗料を調製することができ
る。
【0052】可撓性支持体上へ前記の研磨層用塗布液を
塗布する方法としては塗布液の粘度を1〜20,000
センチストークス(25°C)に調整し、エア−ドクタ
−コ−ター、ブレ−ドコ−ター、エアナイフコ−ター、
スクイズコ−ター、含浸コ−ター、リバ−スロ−ルコ−
ター、トランスファ−ロ−ルコ−ター、グラビアコ−タ
ー、キスコ−ター、キヤストコ−ター、スプレイコ−タ
ー、ロッドコ−ター、正回転ロ−ルコ−ター、カ−テン
コ−ター、押出コ−ター、バ−コ−ター、リップコータ
等が利用出来、その他の方法も可能であり、これらの具
体的説明は朝倉書店発行の『コ−テイング工学』253
頁〜277頁(昭和46.3.20.発行)等に詳細に
記載されている。これら塗布液の塗布の順番は任意に選
択でき、また所望の液の塗布の前に下塗り層あるいは支
持体との密着力向上のためにコロナ放電処理等を行って
も良い。また研磨層を多層で構成したいときは、同時多
層塗布、逐次多層塗布等を行ってもよい。これらは、例
えば、特開昭57−123532号公報、特公昭62−
37451号公報、特開昭59−142741号公報、
特開昭59−165239号公報の明細書等に示されて
いる。
【0053】このような方法により、可撓性支持体上に
約1〜100μmの厚さに塗布された研磨層塗布液は、
直ちに20〜130℃で多段階で乾燥させる処理を施し
たのち、形成した研磨層を0.1〜15μm厚みに乾燥
する。このときの支持体の搬送速度は、通常10m/分
〜900m/分でおこなわれ、複数の乾燥ゾーンで乾燥
温度を20℃〜130℃で制御し塗布膜の残留溶剤量を
0.1〜40mg/m 2 とする。これらの製造方法は粉
体の予備処理・表面処理、混練・分散、塗布・配向・乾
燥、平滑処理、熱処理、EB処理、表面クリーニング処
理、裁断、巻き取りの工程を連続して行うことが望まし
い。このように作成した研磨テープを裁断したあと所望
のプラスチックや金属のリールに巻き取る。巻き取る直
前ないしはそれ以前の工程において研磨テープ(研磨
層、エッジ端面、ベース面)をバーニシュ及び/または
クリーニングすることが望ましい。バーニツシュは研磨
テープの表面粗度と研磨力を制御するために具体的には
サファイア刃、剃刀刃、超硬材料刃、ダイアモンド刃、
セラミックス刃のような硬い材料により研磨テープ表面
の突起部分をそぎおとし均一にもしくは平滑にする。こ
れら材料のモース硬度は8以上が好ましいが特に制限は
なく突起を除去できるものであれば良い。これら材料の
形状は特に刃である必要はなく、角型、丸型、ホイール
(回転する円筒形状の周囲にこれらの材質を付与しても
良い)のような形状でも使用できる。また研磨テープの
クリーニングは、研磨テープ表面の汚れや余分な潤滑剤
を除去する目的で研磨テープ表層を不織布などで研磨層
面、エッジ端面、ベース面をワイピングすることにより
行う。このようなワイピングの材料としては例えば日本
バイリーン製の各種バイリーンや東レ製のトレシー、エ
クセーヌ、商品名キムワイプ、また不織布はナイロン製
不織布、ポリエステル製不織布、レーヨン製不織布、ア
クリロニトリル製不織布、混紡不織布など、ティッシュ
ペーパー等が使用できる。尚、研磨層を形成した面とは
反対側の面に磁気記録媒体に使用されているのと同じよ
うなバック層を形成することにより、研磨テープの帯電
を防止したり、走行性を確保することもできる。そのバ
ック層の基本的な構成としては、磁気記録媒体と変わる
ところはない。即ち、カーボンブラックや種々の無機粉
末を結合剤樹脂中に分散した塗布膜であり、厚さは1μ
m以下であり、必要に応じて潤滑剤などを添加すること
もできる。
【0054】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここに示す成分、割合、操作順序等は本発明の
精神から逸脱しない範囲において変更しうるものである
ことは本業界に携わるものにとつては容易に理解される
ことである。従って、本発明は下記の実施例に制限され
るべきではない。なお、実施例中の「部」とあるのは
「重量部」を示す。
【0055】〔実施例1〜4及び比較例1〜4〕厚さ2
0μmのポリエチレンテレフタレート(PET)上にポ
リエステル樹脂からなる下塗り層を0.1μm厚に塗布
し、その上に下記の組成で調整した研磨層用塗布液を、
乾燥後10μm厚さとなるようにバーコート塗布を行い
研磨テープを作成した。研磨剤粒子の平均粒子径、ポリ
ウレタンの分子量及び塩ビ系樹脂の使用量を表1のよう
に選択して、THF抽出量を表1のように変化させた。
【0056】 (研磨層用塗布液組成) 研磨剤(酸化アルミナ#3000、平均粒子径:表1参照) 100部 結合剤樹脂成分(ポリエステルポリウレタン、スルホン酸ナトリウム2×10 -3 当量/g樹脂含有、エポキシ基 1×10-5当量/g樹脂、数平均分子量:表 1参照) 10部 結合剤樹脂成分 (塩ビ系樹脂:日本ゼオン社製 MR110) Y部 結合剤(ポリイソシアネート、トリメチロールプロパン(1モル)のTDI( トリレンジイソシアネート、3モル)付加物 5部 潤滑剤(ステアリン酸/ステアリン酸ブチル) X部 希釈剤(メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=2/1(重量比))200部 希釈剤(トルエン/MIBK=1/1(重量比)) 150部 添加剤(カーボンブラック) 1部
【0057】作成した研磨テープを60℃で24時間エ
ージングしたあと、200mm巾にスリットした。研磨
層の重量は、可撓性支持体より研磨層を超硬刃ではぎ取
り、電子天秤で測定して求めた。
【0058】
【表1】 得られた研磨テープを使用して下記電子写真感光ドラム
を下記の研磨条件で粗面化して感光ドラムの円周方向に
ほぼ平行に50〜500μm間隔の深さが約0.2〜3
μmで幅が約1〜20μmの溝からなる削状痕をその表
面に付した。
【0059】(電子写真感光ドラム) ドラム径: 75φ ドラム幅: 300mm 感光層の組成:ビスフェノールZ型ポリカーボネート/
ヒドラゾン=1/1 感光層の厚さ:20μm (研磨条件)20φのゴム硬度が60度のバッキングロ
ールを使用して、張力3Kgで押し付け切削を行った。
【0060】(評価方法)上記のような条件でその表面
に削状痕を付した電子写真感光ドラムを市販の複写機に
装着して、40℃80%RHの環境条件下で連続的に給
紙させて、帯電、テストパターンの露光、トナー現像、
定着処理を行って削状痕の状態及び感光ドラムの寿命を
以下の条件で測定した。 〔削状痕の状態〕感光ドラムを研削後、常温常湿状態下
に放置し2週間経過した時点で、感光ドラムの表面を倍
率200倍の光学顕微鏡でドラムの幅方向に観察した。 ○ … スクラッチ傷が全く見られたなかった。 × … 1〜5本観察された。 ×× … 6本以上観察された。 〔寿命の測定方法〕テストパターンを連続的に複写し
て、0.1mmの間隔で書かれた線の間隔が潰れるか、
非画像部に黒スジが現れるか、3cm角の正方形のソリ
ッドイメージ中に白抜けが発生するかいずれかの現象が
複写画像に現れた時間をもって感光ドラムの寿命とし
た。
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】研磨層のTHF抽出量を少なくすること
によりその研磨テープを使用して削状痕を形成した有機
感光体を用いた電子写真感光ドラムの寿命を大幅に改良
することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性支持体上に研磨剤粒子と結合剤樹
    脂を主体とする研磨層を設けてなる研磨テープにおい
    て、該研磨層からテトラヒドロフラン(THF)により
    抽出される抽出量が研磨層に対して0.1〜3.0重量
    %であることを特徴とする研磨テープ。
  2. 【請求項2】 前記結合剤樹脂中に占めるGPCによる
    ポリスチレン換算分子量が5,000以下である樹脂分
    子の割合が1〜30重量%である請求項1に記載の研磨
    テープ。
  3. 【請求項3】 前記研磨剤粒子の平均粒子径が2〜10
    μmである請求項1もしくは請求項2に記載の研磨テー
    プ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6040034A (en) * 1997-04-25 2000-03-21 Tdk Corporation Lapping tape
JP2017047508A (ja) * 2015-09-02 2017-03-09 富士ゼロックス株式会社 研磨部材、定着装置、及び画像形成装置

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