JPH072761B2 - 微結晶セルロ−ス球形顆粒及びその製造法 - Google Patents

微結晶セルロ−ス球形顆粒及びその製造法

Info

Publication number
JPH072761B2
JPH072761B2 JP5465385A JP5465385A JPH072761B2 JP H072761 B2 JPH072761 B2 JP H072761B2 JP 5465385 A JP5465385 A JP 5465385A JP 5465385 A JP5465385 A JP 5465385A JP H072761 B2 JPH072761 B2 JP H072761B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microcrystalline cellulose
ventilation
rotary plate
plate
spherical granules
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5465385A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61213201A (ja
Inventor
義弘 伊藤
義典 増田
信治 守屋
Original Assignee
不二パウダル株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 不二パウダル株式会社 filed Critical 不二パウダル株式会社
Priority to JP5465385A priority Critical patent/JPH072761B2/ja
Publication of JPS61213201A publication Critical patent/JPS61213201A/ja
Publication of JPH072761B2 publication Critical patent/JPH072761B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/14Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
    • A61K9/16Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
    • A61K9/167Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction with an outer layer or coating comprising drug; with chemically bound drugs or non-active substances on their surface
    • A61K9/1676Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction with an outer layer or coating comprising drug; with chemically bound drugs or non-active substances on their surface having a drug-free core with discrete complete coating layer containing drug

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた顆粒特性を有し、医薬品や食品等に用い
られる微結晶セルロースの球形顆粒とその製造法に関す
る。
〔従来技術〕
球形顆粒は従来より医薬品や食品等の分野で製造され、
使用に供せられている。殊に医薬品の分野では、薬剤含
有粉体を球形顆粒とし、その複数個をもつて投与単位と
し、確実な薬効発現を期待する製剤設計が行われてい
る。また、近年薬剤の徐放持続化製剤として、球形顆粒
を核とし、その表面に薬剤をコーテイングした製剤が提
案され、注目されている。
かかるニーズに対応するものとしては、従来蔗糖、及び
蔗糖トウモロコシデンプンを組成とする球形顆粒が一般
的に用いられている。しかし、蔗糖は比較的活性に富
み、薬剤の種類によつては薬剤として反応して変質ない
しは不純物を生成し、また製剤加工上の強度も小さいな
どの欠点がある。
このような背景から化学的に不活性で生体に安全でかつ
生体に吸収されない物質を組成とし、物理的強度が大き
く製剤加工が容易な球形顆粒が要望されていた。
一方、微結晶セルロースは化学的に不活性で生体で安全
でかつ吸収されない物質として医薬品や食品の分野で汎
用されており、球形顆粒としうることも公知である。
〔アビセル時報第4号第6頁(昭和39年6月30日、旭化
成工業(株)発行)等〕。
微結晶セルロースの球形顆粒は、従来微結晶セルロース
粉末を加湿する工程、加湿された原料を押出造粒により
円柱状の造粒物を作る工程、円柱状の造粒物を転動造粒
法を用いて球形の造粒物にする工程、球形造粒物を乾燥
する工程の四つの工程からなる方法により、それぞれの
装置で製造されていた。
しかし、従来の転動造粒方法は、特公昭41−563号公報
や特公昭42−8684号公報に記載されたものであって、こ
れら従来の転動造粒方法により微結晶セルロースを造粒
した場合、得られる造粒物は、粒径が不揃いで造粒分野
が広がつたもので、真球度(短軸の長さ/長軸の長さ)
が小さく形状が不揃いで、粒子表面が平滑でなく、密度
の低い軽質のものである。従つて、従来の微結晶セルロ
ース球形顆粒は、前記用途に適用する顆粒特性としては
不満足であり、製剤工程上あるいは経済上の問題点があ
つた。
この従来の方法を用いて微結晶セルロースを原料とした
顆粒として薬剤学第33巻第4号、161〜166頁(1973年)
に記載されているものがある。しかしこの文献の平均粒
径が約800μmであって、本願の特許請求の範囲(1)
の発明の球形顆粒に比べて粒径が大であり、前記の用途
のものとしては、粒径の点などで不満なものである。
このことは前記文献の166頁の写真からも明らかであ
る。この写真の各粒子の粒径は、そのほとんどが1000μ
m±200μmの粒径であって、700〜750μm程度のもの
が一つか二つ見られるのみで、明らかに710μmよりも
粒径の小さい粒子は皆無である。尚、これら写真は、破
砕、凝集、圧密化、球形化等の過程を示すもので、写真
中には、粒径の比較的小さい粒子も含まれるが粒径にば
らつきが多く、又真球度が低い。この微結晶セルロース
の顆粒は、主としてその表面に薬剤をコーティングし、
医薬品にするものである。したがって、前記文献に記載
された従来の微結晶セルロースの顆粒に薬剤をコーティ
ングした場合、第十改正日本薬局方(昭和56年4月1日
発行)の顆粒剤の規定よりも大になる。即ち従来の顆粒
は、その約50%が1000μm以上であり、これに薬剤を多
くコーティングする場合、そのほとんどが基準である14
10μmを越えてしまう。特に大衆薬(カゼ薬等)は、コ
ーティングされる薬剤の量が多いのでこの傾向は大であ
る。つまり引用例の微結晶セルロースの顆粒に薬剤をコ
ーティングした場合、可成りの量で基準値を越え、粒径
が1410μm以下のものが90%以下になることは明らかで
ある。
又、前記の日本薬局方の基準は、厳密に守らなければな
らず、そのため各製薬会社共薬品の標準的な仕上がり具
合を低めにおさえている。そのため薬剤をコーティング
した後の薬品の粒径は出来る限り小さくする必要があ
る。この点を考慮すれば従来の微結晶セルロースの造粒
物では、比較的含有量の少ない薬剤をコーティングした
薬品であっても、日本薬局方にて規定する粒径の顆粒を
歩留りよく製造し得ない。
また、従来の製造法は前記四つの工程を夫々別別の装置
により行なう必要があり、多くの装置を必要とする上に
連続した作業として行ない得ないために作業時間を多く
要し、高価なものとならざるを得ないなどの欠点があつ
た。
更に押出造粒にて得られる円柱状の造粒物と、これをも
とにして転動造粒により得られる球形造粒物とで水分量
が異なる場合がある。そのため、押出造粒により得られ
る造粒物の水分が多い場合には、これを転動造粒方法に
より球形にする際に、遠心力により造粒物中に含まれる
水分が造粒物の表面に出て来ることがあり好ましくな
い。これを防止するためには、押出造粒した造粒物を予
め乾燥して造粒物中に含まれている水分を減少せしめて
から転動造粒を行なう必要がある。したがつて押出造粒
と転動造粒の間に更に乾燥の工程を加えなければならな
いために一層工程数が増えることになる。
転動造粒の場合、処理容器の容積に比較して非常に少な
い量しか処理出来ないために経済的でなく、又人手を要
し特に熟練した者の勘にたよつて行なわれる場合が多
い。
また押出造粒により形成された造粒物に含まれる水分量
が多い場合に、この造粒物を転動造粒する際に上方より
熱風を吹きつけて表面に出る水分を乾燥除去しながら造
粒する方法が考えられる。しかし転動造粒を行なう造粒
装置は、一般には同一の装置で乾燥を行なうことは出来
ないために、十分な乾燥による水分除去効果は得られな
い。
従来の転動造粒装置は、単に回転板を回転させる方式の
もので、前述のように乾燥工程は一般に別の装置で行な
われているが、これを同一装置で行なう場合は回転板上
方よりエアーを送るか、下方より送る場合には造粒室と
回転板の間の空隙を通して行なうもので粒子表面に出て
来る水分を蒸発させるには不十分である。そのために粗
大粒子が発生する等均一な粒子が出来ない。
〔発明の目的〕
本発明は、見掛け密度が0.65g/ml以上、真球度が0.8以
上で、24メッシュを通過する留分が90%以上の顆粒特性
を有する微結晶セルロースを20%以上含んでいる顆粒を
提供することを目的とする。
また、本発明は通気機構を有する通気回転板を備えた造
粒装置の通気回転板の上部より微結晶セルロース粉体を
投入し、通気回転板の下部より気体を供給し、通気回転
板を周速1.5〜15m/secで回転し、湿潤粒体の湿潤率とし
て40〜65%となる量の結合剤を供給して若しくは供給し
ながら転動流動造粒し、次いで乾燥することによつて前
記の優れた顆粒特性を有し粒径、粒形の揃つた微結晶セ
ルロースを直接製造する方法を提供することを目的とす
る。
本発明における微結晶セルロースの球形顆粒は、微結晶
セルロース単体を組成とするもののみでなく、微結晶セ
ルロースの含有量が100〜20重量%を含有する組成であ
つてもよい。混合される組成成分としては、その数、そ
の種類を特に限定するものではないが、例えば球形顆粒
の崩壊性、溶解性を調節する物質、具体的にはカルボキ
シメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)、カルボキ
シセルロースナトリウム(CMC−Na)、デンプン、D−
マンニトール、乳糖、蔗糖などである。
また、結合剤は、水、水にエタノールなどのアルコール
類を1〜50%混合した溶液、水又は水にエタノールなど
のアルコール類を混合した溶液に結合性を有する物質あ
るいは界面活性剤を有する物質例えばプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン
(P.V.P)、ポリビニルアルコール(PVA)、ヒドロキシ
プロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、エチ
ルセルロース(EC)、メタクリル酸/メタクリル酸エス
テル共重合体(オイドラギツト)、アルフア化デンプ
ン、デキストリンポリソルベート80、ソルビタンモノ脂
肪酸エステル、シヨ蔗脂肪酸エステル、ステアリン酸ポ
リオキシル40等を溶解又は分散させた液等が用いられ
る。
本発明の微結晶セルロースの球形顆粒は、通気機構を有
する通気回転板を備えた結合剤供給、通気転動、乾燥の
各工程のすべてを行いうる装置を用いて、特に通気回転
板の回転速度、通気回転板の通気機構を通して供給され
る気体の温度と供給量、結合剤の供給量を制御すること
によつて製造される。
これらの制御は結合剤供給、通気転動、乾燥の種々の条
件を変えることによつて粒径、粒形、顆粒特性を制御す
るもので、コンピユータ等によつて自動的に行う。
粒径を決定する主たる要因は通気転動に入る前の湿潤材
料の湿潤率である。湿潤率は〔含有水分重量/(乾燥原
料粉体重量+含有水分重量)〕×100(%)で表わされ
る。本発明においては通気転動に入る前の湿潤材料の湿
潤率として40〜65%となるように、主として結合剤の供
給量で制御されるが、粉体流動化の通気による乾燥条件
顆粒特性等を考慮して制御条件を選択する。湿潤率が40
%より下では粒径が150μ以下で粉体と余り変らず65%
より上では豆粒大以上になり、前記用途に適さない。結
合剤は通常流動状態にある微結晶セルロース粉体に噴霧
して供給される。従つて、結合剤の総供給量は、湿潤材
料として湿潤率40〜65%となるようにするためには流動
化通気の乾燥条件によつて変動するが、通常微結晶セル
ロース粉体重量の75〜200(w/w)%が適当である。
流動化は、通気回転板の下部より通気回転板の通気機構
を通して造粒室に気体を供給することによつて行われ
る。制御は、主として気体の供給量で行われ、微結晶セ
ルロース粉体の供給量や、流動層の形成状態を考慮して
適宜選定される。結合剤供給プロセスを他のプロセスと
区分して設定する場合であつても均一な流動化を図るた
めには、通気回転板を回転しながら流動化気体を供給す
るのが好適であり、この場合の通気回転板の回転は周速
(すなわち特定機器における回転数)を2〜20m/secの
範囲内の一定の値に設定して制御するのが有利である。
また、流動化気体流の温度は、装置の外温の影響を避け
るために一定の温度に設定するのが適切であり、0〜80
℃の範囲内の一定の温度となるように制御する。
粒径分布を決定する主たる要因は前記湿潤率と通気転動
の乾燥条件、転動条件である。また、粒形及び表面平
滑、緻密重質、真球度など顆粒特性は、主として通気転
動の転動条件によつて決定される。通気転動は、通気回
転板を回転し、通気回転板の下方より通気回転板の通気
機構を通して通気回転板の上方に気体好ましくは温風を
供給することによつて行われ、通気回転板の回転と容器
器壁とにより生ずる転動作用により湿潤材料の球形化を
図り、その際球形顆粒表面に浸出する湿分を通気により
除去しようとするものである。
転動は主として通気回転板の周速を制御して行う。転動
プロセスにおける通気回転板の周速は1.5〜15m/secの範
囲内の一定の値に設定し、制御する。周速が1.5m/secよ
り下及び15m/secより上では、粒径の分布が悪くなり、
真球度などの顆粒特性も落ち、目的とする球形顆粒を得
ることができない。
気体の供給量は球形顆粒の粒径分布、顆粒特性、原料の
種類、供給量や湿潤材料の湿潤率などを考慮して適宜設
定される。温度制御は空気流を0〜90℃、好ましくは40
〜75℃の範囲内の一定の温度に設定して行う。
乾燥は、通風、あるいは熱風乾燥で行うのが好ましく、
前記通気機構を有する通気回転板を備えた造粒装置であ
れば、同一機器で実施でき有利である。温度は常温乃至
45℃好ましくは50〜90℃の範囲内の一定温度に設定し、
制御する。乾燥時乾燥効率を考慮して通気回転板を回転
して行うこともできる。
本発明の方法は、前記のような気体流通路を有する通気
回転板を備えた造粒装置を用いて行なわれるもので、し
たがつて気体流通路を通つて粉粒体に供給される乾燥空
気量が大であり、乾燥効率が良い。そのために造粒工程
中に粒体内部より表面にしみ出る湿分は効果的に除去さ
れる。更に回転板による旋回流は、気体流通路を通つて
の空気の外周方向へ向けての流れによつて促進され、原
料供給料が多くても十分に旋回流が形成されるため転動
効果が促進されるため真球度の高い微結晶セルロースの
球形顆粒を得ることが可能となる。
従つて、本発明に用いる装置は、スリツト、多数の小
孔、又は一部あるいは全部が網状になつている等の通気
機構を有し、造粒室内底部で高速回転が可能な通気回転
板を備え、この通気回転板の下方より通気機構を通して
(あるいは更に回転板周縁部と器壁との間隙が通気機構
となつていてもよい)通気回転板の上方に湿度制御した
気体を供給できる構造を有するものであれば、特に限定
はない。就中、本発明の目的達成の上で後述する装置が
最適である。
〔実施例〕
本発明の微結晶セルロースの球形顆粒を製造する実施例
を示す。
まず次に示す実施例において使用した造粒装置の主な構
造について説明する。
第1図は造粒装置全体を示す図で、この図において1は
造粒室、2はバツグフイルターケース、3は掻き羽根、
4は後に述べる構造の通気回転板で軸受5により支持さ
れている回転軸6に固定されている。この回転軸6は駆
動用モーター7によりプーリー,ベルト等の回転伝達機
構を介して回転されこの回転軸6の回転により回転板4
が回転される。8は回転板4の表面上に複数枚取付けら
れた造粒作用増強用の傾斜板、9は造粒室2の回転板4
の下方に連結されている送風管、10は結合剤を噴霧する
スプレーガン、11はバツクフイルター、12は原料投入
口、13は造粒物排出口である。
前記の回転板4は、第2図,第3図に拡大して示すよう
な構造で、20は大きな開口20aを有し回転軸6に固定さ
れている円板状の基板、21,22,23…は夫々径の異なる環
状板で図示するように各環状板21,22,23…の間には僅か
な間隙24が夫々形成されている。この各間隙24はいずれ
も回転板4の上方の口24bが下方の口24aよりも中心より
離れた外側に位置しその間がほぼ水平方向に走る空隙に
て連通された形状になつている。したがつて第2図に示
す矢印Aのような下方よりの空気は、下方の口24aより
入り、中心より離れる方向にほぼ水平に流れた後に上方
の口24bより出るような気体流通路を形成する構造にな
つている。
このような造粒装置にて微結晶セルロース粒体を製造す
る場合、原料投入口12より原料の微結晶セルロースを投
入し、スプレーガン10より所定量の結合剤を噴霧し、所
定回転数にて回転板4を回転せしめ、送風管9より所定
温度の気体を所定量供給することによつて行なわれる。
これによつて微結晶セルロースの原料にスプレーガン10
よりの結合剤が噴霧されることにより所定の湿度が加え
られ回転板4の回転により転動作用が加えられる。更に
送風管9よりの気体は、回転板4の下から回転板4の気
体流通路を通つて回転板4の上に通り抜ける。ここで回
転板4の回転による遠心力も加わつて気体は中心より周
辺へ向かいながら上昇して行く。
このような作用によつて回転板4上の微結晶セルロース
は、適度な湿気を与えられると共に回転板4の回転およ
び回転板4の流通路を通り抜けて流れる気体とによつて
中心より周辺へ移動しながら上昇してから中心方向へ向
けて落下しながらしかも全体として回転する旋回流をな
して移動することになる。したがつてこの旋回流にのつ
て移動する原料は自転,公転をしその転動作用によつて
造粒される。しかそ気体(転動時は好ましくは熱風)
が、前記のような流れとなつて移動するので原料が旋回
流となつて移動するのを促進すると共に適度の乾燥作用
を加えることになり、原料粉末の表面のぬれによつて原
料の粉粒体が互に付着して不定形の塊を形成することな
く真球状の粒体が形成されていく。更に回転板4上に設
けた造粒作用増強用の傾斜板8によつて、造粒室の容積
に比較して多量の原料を投入しても造粒が可能である。
以下上記の造粒装置を用いて行なつた結晶セルロース粒
子の製造方法の実施例を示す。
実施例1 直径500mmの通気回転板を有する第1図乃至第3図に示
す構造の装置に、微結晶セルロース原料10Kgを投入し、
通気回転板を250R.P.M.で回転させ、通気回転板の下部
より50℃〜60℃の空気を3〜8m3/min造粒室内に供給
し、結合剤として水を0.2/min噴霧して75分間造粒し
た。その後水の噴霧を停止し造粒室内へ供給する熱風の
温度を徐々に上昇せしめて80℃まで高め、一方通気回転
板の回転数を徐々に下げて50R.P.M.にし80分間乾燥して
微結晶セルロース粒子を得た。
このようにして形成した微結晶セルロース粒子の粒径分
布は下記の通りである。
12〜24メツシユ 2.2% 24〜48メツシユ 97.1% 48メツシユ通過 0.6% 見かけ密度 0.78g/ml 真球度 0.96 安息角 29゜ 実施例2 実施例1と同じ造粒装置で同じ造粒条件で造粒時間を70
分にし、つまり水の全供給量を更に減少せしめた結果、
微結晶セルロース粒子の粒径分布は下記の通りになつ
た。
12〜32メツシユ 1.8% 32〜60メツシユ 91.6% 60メツシユ通過 7.1% 見かけ密度 0.76g/ml 真球度 0.97 安息角 30゜ 実施例3 微結晶セルロース6Kg、乳糖6Kg、水の総供給量14.2Kg結
合剤供給プロセス、転動プロセスにおける空気流の温度
70℃、結合剤の供給方法を間歇噴霧とし、転動プロセス
時の通気回転板の回転数を300R.P.M.乾燥時の空気流の
温度90℃で乾燥時間60分とした他は実施例3とほぼ同様
にして微結晶セルロース球形顆粒を得た。
粒度分布 2% 24〜42メツシユ 91% 42メツシユ通過 7% 見かけ密度 0.76g/ml 真球度 0.90 安息角 33゜ 実施例4 微結晶セルロース8Kg、蔗糖(粉糖)4Kg、水総供給量12
Kgとした他は実施例4とほぼ同様にして微結晶セルロー
ス球形顆粒を得た。
粒度分布 20〜24メツシユ 3% 24〜42メツシユ 92% 42メツシユ通過 5% 見かけ密度 0.77g/ml 真球度 0.95 安息角 31゜ 上記の実施例では、結合剤として水を用いたが前記のよ
うな他の結合剤を用いてもよい。更に結合剤としてコー
テイング液を噴霧することによつても造粒が可能であ
る。
実施例において用いた造粒装置は、第2図に示すような
傾斜板を設けた回転板を備えたものであるが、傾斜板を
設けない回転板を備えた造粒装置でも微結晶セルロース
の造粒を行なうことが出来る。又第5図や第6図,第7
図に示す構造の回転板を有する造粒装置でもよい。
これらの回転板のうち第5図に示すものは、造粒促進用
の傾斜板25が、図示するように中央から周辺に向けて斜
め上方へ延びる形状のものである。
また第6図,第7図に示す回転板26は、第2図,第3図
に示す回転板のような流出口24bが流入口24aより外側に
位置する気体流通路24を設けず単に開口27を有する構造
のものである。又傾斜板28として開口27を覆うようにし
て回転板の回転方向と逆方向に向け上昇するものでその
端部28aに多数の小孔29を設けたものである。この通気
回転板を用いた場合、送気管よりの空気は開口27を通り
傾斜板28の小孔29より造粒物中に供給されることにな
る。
〔発明の効果〕
本発明によつて提供される微結晶セルロースの球形顆粒
は、以上の実施例から明らかなように表面平滑で緻密重
質な構造を有しほぼ真球に近いもので、しかも粒径が極
めて小である。すなわち、本発明の球形顆粒は見かけ密
度が0.65g/ml以上好ましくは0.7g/ml以上、真球度が0.8
以上好ましくは0.90以上、24メツシユを通過する留分が
90%以上の顆粒特性を有する。例えば前述の従来例に比
べて極めて粒径の小さい微結晶セルロースを含む顆粒で
あって、これに薬剤をコーテイングする等により薬品を
形成した場合においても、その粒径を極めて小さくおさ
え得て、例えば前記日本薬局方の規定を満たすものを極
めて歩留り良く得ることが可能である等の従来例にては
得られない作用効果を有する。
このような顆粒特性をもつ微結晶セルロースの球形顆粒
は従来得られなかつたものであり、以下に示す製剤上経
済上の多くの利点をもたらす。
(1) 表面平滑さは、球形顆粒に自由流動性を与える
と共に、球形顆粒に薬物あるいはコーテイング液をコー
テイングする場合のコーテイングのむらをなくし、コー
テイング粒子の歩留りを高める。従つて、製剤化の取扱
いの容易さ、製剤上の経済性を大巾に改善する。
(2) 緻密かつ重質であることは、球形顆粒の物理的
強度を高めると共に、かさ高さをなくし、製剤上の取扱
いを容易にし、加工時輸送時などの衝撃に対する安定性
を高める。
(3) 真球度が大きいことは、表面平滑さと同様、自
由流動性、コーテイングの経済性を改善し、かつ製品美
観を良好にする。
又微結晶セルロースは不活性であるので、結晶セルロー
ス単体のみでなく他のものを混合した原料を用いて前述
のような真球度の高い平滑で硬質な造粒物を得ることが
可能である。また膨潤性が大であるのでこれを薬剤用に
用いた場合、薬剤にて要望される持効性,徐放性等のす
ぐれた薬剤の製剤が可能であつて、使用にあたつて均一
に溶出するので所望の薬効が得られることになる。
また、本発明の製造法によれば上記の実験データーより
明らかなように粒度分布も、粒径の狭い範囲に極めて多
くの粒子が集つており、つまり目的とする粒径のものが
ほとんどばらつきなしに得られることが明らかである。
更に結合剤の供給量(供給時間)のコントロールによつ
て目的とする粒径の粒子を得ることが出来る。即ち、結
合剤の供給時間が短い場合には粒径の小さい粒子が得ら
れ、また結合剤の供給時間を長くすれば粒径の大きい粒
子が得られる。
本発明の微結晶セルロース球形顆粒の製造法によれば、
微結晶セルロースの原料は通気回転板の回転による遠心
力により回転板の外周方向への移動と全体としての回転
運動を行ない、これによつて旋回流となり又結合剤の噴
霧により造粒が行なわれる。それに加えて通気回転板の
下方に供給される熱風が回転板の気体流通路を通つて流
れ回転板の遠心力による外周方向の流れとなつて原料の
自転公転を含む旋回流を促進することになり原料の造粒
作用が増大する。又、結合剤の噴霧による湿気が遠心力
により造粒体表面に出たものを原料中を通りぬける熱風
により適度に乾燥せしめることになる。したがつて従来
原料粉末より直接造粒することの出来なかつた微結晶セ
ルロースを直接しかも表面が平滑で真球度の高い硬質の
微結晶セルロース球形顆粒となし得、更に要望する粒径
のものが得られる。
又処理容器(造粒室)の容積に応じた十分な処理量の造
粒が可能であり、しかも同一の装置ですべての工程を連
続して行ない得るので、微結晶セルロース原料を投入し
てから最終造粒製品の形成まで連続した一工程で処理出
来る。又コンピユーターによる自動制御により所望のも
のが正確に得られる。更に結合剤の分散性が極めて良い
ため均一な粒子が得られる。
さらに、得られた球形顆粒を更にコーテイングする場
合、同一装置で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の造粒方法により造粒の際に使用される
造粒装置の一例を示す断面図、第2図,第3図は前記造
粒装置で用いられている通気回転板の一部分を示す断面
図および平面図、第4図は前記回転板に設けられている
傾斜板の第2図において矢印IV方向よりみた端面図、第
5図および第6図は夫々他の回転板を示す図、第7図は
第6図におけるVII−VII線断面図である。 1……造粒室、4……回転板、8……傾斜板、9……送
風管、10……スプレーガン。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】見掛け密度0.65g/ml以上、真球度0.8以
    上、24メッシュを通過する留分が90%以上の顆粒特性を
    有し、微結晶セルロースを20%以上含有する球形顆粒。
  2. 【請求項2】通気機構を有する通気回転板を備えた造粒
    装置の通気回転板の上部より微結晶セルロースを含む粉
    体を投入し、結合剤および通気回転板の下部よりの気体
    の供給を行ない又通気回転板を周速1.5〜15m/secで回転
    しながら造粒を行なう方法で、湿潤粒体の湿潤率が40〜
    65%の範囲内に保たれるように結合剤および気体の供給
    を制御しながら転動流動造粒し、次いで乾燥することを
    特徴とする見掛け密度0.65g/ml以上、真球度0.8以上24
    メッシュを通過する留部が90%以上の微結晶セルロース
    を20%以上含有する球形顆粒の製造法。
  3. 【請求項3】造粒装置が、上方の流入口が下方の流入口
    より周辺側に位置する多数の気体流通路を有する通気回
    転板を前記通気回転板に取り付けた傾斜板と前記回転板
    の下部に設けた送風管と前記回転板の上部に配置された
    原料投入口並びに結合剤噴霧用のスプレーガンとを備え
    た装置である特許請求の範囲第2項記載の製造法。
JP5465385A 1985-03-20 1985-03-20 微結晶セルロ−ス球形顆粒及びその製造法 Expired - Lifetime JPH072761B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5465385A JPH072761B2 (ja) 1985-03-20 1985-03-20 微結晶セルロ−ス球形顆粒及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5465385A JPH072761B2 (ja) 1985-03-20 1985-03-20 微結晶セルロ−ス球形顆粒及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61213201A JPS61213201A (ja) 1986-09-22
JPH072761B2 true JPH072761B2 (ja) 1995-01-18

Family

ID=12976741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5465385A Expired - Lifetime JPH072761B2 (ja) 1985-03-20 1985-03-20 微結晶セルロ−ス球形顆粒及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH072761B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998010751A1 (fr) * 1996-09-10 1998-03-19 Freund Industrial Co., Ltd. Groupe de particules spheriques, son procede de production et produits pharmaceutiques particulaires spheriques constitues desdits groupes de particules
JP2009126783A (ja) * 2007-11-19 2009-06-11 Freunt Ind Co Ltd 球形粒及びその製造方法
KR101581572B1 (ko) * 2014-07-29 2015-12-30 현대제철 주식회사 고로용 펠렛 제조 방법

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0616827B2 (ja) * 1985-09-20 1994-03-09 フロイント産業株式会社 粉粒体処理方法および装置
EP0452862B1 (en) * 1990-04-18 1995-07-19 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Spherical seed cores, spherical granules and process for production thereof
JP2542122B2 (ja) * 1990-04-18 1996-10-09 旭化成工業株式会社 球状核、球形顆粒およびその製造方法
EP0587830B1 (en) * 1992-01-10 2000-09-06 Accurate Polymers, Ltd. Cellulose chromatographic supports and method
EP0661934A4 (en) * 1992-09-22 1996-07-24 Fmc Corp PRODUCT AND METHOD FOR MICROCRYSTAL INCELLULOSE.
PT1121103E (pt) 1998-05-18 2007-02-28 Takeda Pharmaceutical Comprimidos de desintegração oral compreendendo um benzimidazole
CN1075515C (zh) * 1998-12-30 2001-11-28 中国科学院广州化学研究所 一种微晶纤维素胶体的制法
WO2001034684A1 (en) * 1999-11-12 2001-05-17 R.P. Scherer Technologies, Inc. Microcrystalline cellulose cushioning granules
JP4945917B2 (ja) * 2005-01-19 2012-06-06 大正製薬株式会社 薬物含有コーティング用核粒子
CA2634232C (en) 2005-12-28 2013-08-20 Takeda Pharmaceutical Company Limited Method of producing solid preparation disintegrating in the oral cavity
EP2050438B1 (en) * 2006-07-26 2016-10-19 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Spherical crude granule and method for production thereof
WO2008081891A1 (ja) 2006-12-28 2008-07-10 Takeda Pharmaceutical Company Limited 口腔内崩壊性固形製剤
WO2008149894A1 (ja) * 2007-06-06 2008-12-11 Asahi Kasei Chemicals Corporation セルロース系微小核粒子及びその製造方法
JP5132225B2 (ja) * 2007-08-29 2013-01-30 協和化学工業株式会社 非晶質球状珪酸アルミニウム、その製造方法および該珪酸アルミニウムを用いた製剤。
JP5511663B2 (ja) 2008-07-01 2014-06-04 沢井製薬株式会社 タムスロシン塩酸塩を含有する球形微粒子の製造方法
JP5469482B2 (ja) * 2010-03-01 2014-04-16 ニプロ株式会社 固形重曹透析用剤
CA2819460C (en) 2010-12-03 2017-08-01 Takeda Pharmaceutical Company Limited Orally disintegrating tablet
US20130273157A1 (en) 2010-12-27 2013-10-17 Takeda Pharmaceutical Company Limited Orally disintegrating tablet
AR089032A1 (es) 2011-11-30 2014-07-23 Takeda Pharmaceutical Comprimido recubierto seco
CN105392486A (zh) 2013-05-21 2016-03-09 武田药品工业株式会社 口腔崩解片
SG11202000136YA (en) 2017-07-10 2020-02-27 Takeda Pharmaceuticals Co Preparation comprising vonoprazan

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
薬剤学,第33巻第4号(1973)161〜166頁

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998010751A1 (fr) * 1996-09-10 1998-03-19 Freund Industrial Co., Ltd. Groupe de particules spheriques, son procede de production et produits pharmaceutiques particulaires spheriques constitues desdits groupes de particules
JP2009126783A (ja) * 2007-11-19 2009-06-11 Freunt Ind Co Ltd 球形粒及びその製造方法
KR101581572B1 (ko) * 2014-07-29 2015-12-30 현대제철 주식회사 고로용 펠렛 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61213201A (ja) 1986-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH072761B2 (ja) 微結晶セルロ−ス球形顆粒及びその製造法
Ghebre-Selassie Pharmaceutical pelletization technology
JP3261707B2 (ja) ペレットの製造法
KR900003941B1 (ko) 유동 조립-코팅 장치 및 방법
WO1999004760A1 (fr) Particules spheriques constituees d'une substance unique, medicaments et produits alimentaires contenant lesdites particules, et procede de fabrication associe
US4937080A (en) Granular product (I)
Vuppala et al. Application of powder-layering technology and film coating for manufacture of sustained-release pellets using a rotary fluid bed processor
JPH09504225A (ja) プロセス▲ii▼
JP3349535B2 (ja) 球形顆粒の製造方法
AU4365299A (en) Layering process and apparatus therefor
HU196717B (en) Apparatus and method for fluidization contacting materials
WO1998010751A1 (fr) Groupe de particules spheriques, son procede de production et produits pharmaceutiques particulaires spheriques constitues desdits groupes de particules
WO2003077886A1 (fr) Procede de fabrication de particules composites contenant un produit chimique
JP4092587B2 (ja) 二軸混練機を用いた乾式コーティング
US4994458A (en) Process for rotary fluid bed granulation of riboflavin
JP3219787B2 (ja) 球形粒子の製造方法
JP3910939B2 (ja) 単一物質球形粒、それらを用いた食品、医薬及びそれらの製法
JP2003275281A (ja) 薬物含有複合粒子の製造方法
CN113304117A (zh) 一种丙戊酸钠缓释片的制备方法
WO2009133774A1 (ja) 球形顆粒及びその製造方法
JP3354172B2 (ja) 高薬物含量粉体の重質造粒法
JP2010200853A (ja) コーティング粒子の製造方法
JPH10192687A (ja) 粉粒体処理装置およびこれを用いた粉粒体処理方法
WO2009081716A1 (ja) 球形粒及びその製造方法並びに放出制御製剤の製造方法
JP4397146B2 (ja) 薬物含有複合粒子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term