JPH07275080A - 車両用シートのアームレスト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 左右一対のシートの着座者の体格差により左
右それぞれのシートの位置に前後にずれがある場合に
も、左右それぞれのシートの着座者が快適に使用できる
車両用シートのアームレストを提供する。 【構成】 車両用シートの一側部に前後方向に回動可能
に組み付けたアームレスト１１の内側部分１１ａに対し
て外側部分１１ｂを前後方向へ移動可能に構成し、かつ
板バネ４１と波型５０ｃを組み合わせることにより任意
の位置に位置決め固定することができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両用シートのアームレ
ストに関する。

【０００２】

【従来の技術】車両用シートのアームレストの一形式と
して車両用シートの一側部に後端部を中心として前端部
を上下方向へ回動可能に組み付けて、使用しないときに
は上方へ回動させシート側部と平行に格納し、使用する
ときには下方へ回動させて水平に位置させるものがあ
る。そして、一対のシートが左右方向に並列に配置され
ている場合にどちらか片方のシートに組み付けたアーム
レストを左右両方のシートの着座者が共用できるよう幅
広とし、アームレストが組み付けられていないシートの
着座者にも安楽な着座姿勢を提供しようとしたものがあ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、左右一
対のシートの着座者の体格に大きな差がある場合に、ア
ームレストが組み付けられたシートの着座者が安全かつ
快適な着座姿勢を設定するためにシートを前後方向に移
動させると、上記した従来の幅広なアームレストはアー
ムレストが組み付けられていないシートに対して前後ず
れてしまうので、アームレストが組み付けられていない
シートの着座者には使用しづらくなってしまうという問
題点があった。

【０００４】本発明は、上記した問題を解決し、左右一
対のシートの着座者の体格差により左右それぞれのシー
トの前後位置がずれている場合にも、左右一対のシート
の着座者が快適に使用できる車両用シートのアームレス
トを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記した形式
のアームレストの外側に前後方向へ平行移動可能なアー
ムレストを組み付けたことを特徴とする。

【０００６】

【発明の作用・効果】上記した構成により、本発明のア
ームレストは、外側に組み付けたアームレストをアーム
レストが組み付けられていないシートの着座者にとって
最適な位置へ前後方向に調整することが可能となり、左
右一対のシートの着座者の体格差によって左右それぞれ
のシートの位置が前後にずれている場合でも、左右それ
ぞれのシートの着座者が快適に使用できる。また、アー
ムレストが組み付けられていないシートに着座者がない
場合には、上記シートに回動可能に取り付けたアームレ
ストとその外側に平行移動可能に組み付けたアームレス
トの前端を一致した位置に設定すれば、アームレストが
組み付けられたシートの着座者が幅の広いアームレスト
として使用できる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【０００８】本発明にかかるアームレスト１１を組み付
けた車両用シート１０が図１に示されている。アームレ
スト１１は図３に示したブラケット２０をバックフレー
ム（図示せず）へ溶接またはボルト止めにて固定するこ
とによりシート１０に組み付けられており、また図１及
び図２に示したように、幅方向の略中央部にて内側部分
１１ａと外側部分１１ｂに分割されている。

【０００９】アームレストの内側部分１１ａは図２、図
３及び図４に示したように片側面を開放させた長方形の
内側フレーム３０及びフレームパネル３１をクッション
パッド３２と外皮３３で被覆して構成されている。内側
フレーム３０の後部側面には穴３０ａが設けられてい
る。長方形のプレート３４には前記穴３０ａに対応する
穴３４ａが設けられている。プレート３４は内側フレー
ム３０に穴３０ａと穴３４ａが一致するように溶接、接
着またはボルト止め等の手段により固着されている。ボ
ルト３５は上記穴３０ａ及び３４ａを貫通し、ブラケッ
ト２０の裏面に固着したナット２３に螺着している。こ
れにより、内側フレーム３０は、ボルト３５により、内
側フレーム３０の回動を円滑にするワッシャ３６とブッ
シュ２２を介して、ブラケット２０に上下方向へ回動可
能に組み付けられている。ブラケット２０にはプレート
３４と当接することによりアームレスト１１の回動範囲
を制限するストッパピン２１が裏面より固着されてい
る。

【００１０】フレームパネル３１は溶接等により内側フ
レーム３０と一体的に固定されている。フレームパネル
３１の後部にはボルト３５の締め付けに用いる作業穴３
１ａが設けられている。この作業穴３１ａはボルト３５
の締め付け作業後キャップ３７にて塞がれる。さらに、
フレームパネル３１に設けた一対の穴３１ｂには一対の
支持ブロック４０が溶接等により固着されている。支持
ブロック４０の下面にはネジ４２により板バネ４１がそ
れぞれ固定されている。

【００１１】アームレスト１１の外側部分１１ｂは、図
２、図３及び図５に示したように、合成樹脂等で一体成
形された外側フレーム５０及び外側板５１をクッション
パッド３２と外皮３３で被覆して構成されている。外側
フレーム５０には一対の長方形段付穴５０ａが形成され
ている。前記した一対の支持ブロック４０は、内側フレ
ーム３０と外側フレーム５０の前端が前後方向に一致す
る状態で、それぞれが長方形段付穴５０ａの略中央に位
置するようにフレームパネル３１上に固定されている。
長方形段付穴５０ａの内側上面５０ｂは平らであり、支
持ブロック４０の上面４０ａに支持される。長方形段付
穴５０ａの内側下面５０ｃは図３及び図６に示したよう
に波型に形成され、この波型に適応する形状の前記板バ
ネ４１に係合する。外側フレーム５０は長方形段付穴５
０ａの段差面５０ｄに当接するワッシャ４４を介してボ
ルト４３を支持ブロック４０に形成したネジ穴４０ｂに
螺着して前後方向へ摺動可能に固定される。外側フレー
ム５０はワッシャ４４と支持ブロック４０のフランジ部
分４０ｃに左右から摺動可能に支持される。ボルト４３
の頭部は長方形段付穴５０ａの外側部分に沈み込むので
内側フレーム５０の側面から突出しない。

【００１２】上記した構成によりアームレスト１１は、
プレート３４とストッパピン２１により限定される範囲
内で、後端部を中心として前端部を上下方向に回動可能
である。また、アームレスト１１の外側部分１１ｂは図
２に二点鎖線及び破線で示したように前後方向へ移動可
能である。さらに、外側部分１１ｂの前後方向の移動量
は、図６に示したように、支持ブロック４０の面４０ｃ
に外側フレーム５０の内側の面５０ｅが当接することに
より制限される。外側部分１１ｂを前後どちらかへ移動
させたとき長方形段付穴５０ａの内側下面５０ｃの波型
の谷部分に係合していた板バネ４１が波型の山部分を乗
り越えて隣接する谷部分に係合する。これにより、外側
部分１１ｂを任意の位置に位置決め固定することができ
る。

【００１３】したがって、左右一対のシートの着座者の
体格差によって左右それぞれのシートの位置が前後にず
れている場合、アームレスト１１の外側部分１１ｂをア
ームレストが組み付けられていないシートの着座者とっ
て最適な位置へ前後方向に調整することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例にかかるアームレストを備
えた車両用シートの全体斜視図。

【図２】 図１のアームレストの拡大斜視図。

【図３】 図１のアームレストの分解斜視図。

【図４】 図２のＡ−Ａ線に沿って見た断面図。

【図５】 図２のＢ−Ｂ線に沿って見た断面図。

【図６】 図３のＣ−Ｃ線に沿って見た断面図。

【符号の説明】

１１…アームレスト、１１ａ…内側部分、１１ｂ…外側
部分、３０…内側フレーム、３１…フレームパネル、３
４…プレート、３５…ボルト、３７…キャップ、２０…
ブラケット、２１…ストッパピン、２２…ブッシュ、２
３…ナット、４０…支持ブロック、４１…板バネ、４２
…ネジ、４３…ボルト、４４…ワッシャ、５０…外側フ
レーム、５１…外側板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両用シートの一側に後端部を中心とし
   て前端部を上下方向に回動可能に取り付けたアームレス
   トにおいて、 同アームレストの外側に前後方向へ平行移動可能なアー
   ムレストを組み付けたことを特徴とする車両用シートの
   アームレスト。