JPH11113675A - 椅子の肘掛け取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 肘掛けの取付剛性を確保しつつ、着座部分の
間口の広さを調整可能にする。 【解決手段】 肘掛け１の取付位置を椅子の幅方向に変
化させる位置調整機構２を備え、位置調整機構２は、椅
子本体側に幅方向から肘掛け１を固定するねじ固定手段
４と、椅子本体側と肘掛け１との間に必要に応じて挟み
込まれる任意厚さのスペーサ５を備える。また、位置調
整機構２は、肘掛け１の取付位置の高さを変化させる高
さ調整手段３を備え、高さ調整手段３は、椅子本体側と
肘掛け１のいずれか一方にねじ固定手段４が幅方向から
貫通する縦長孔１８を形成し、縦長孔１８に対してねじ
固定手段４を相対移動させて肘掛け１の高さを変化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、椅子の肘掛け取付
構造に関する。より詳しくは、本発明は、肘掛け全体を
幅方向に位置調整可能な椅子の肘掛け取付構造に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、着座者の体格や作業に合わせて肘
掛けの高さや水平方向の向きを調整できる椅子が知られ
ている。肘掛けの高さを調整する場合には、例えば椅子
本体側に取り付けられた外筒状ブラケットに対して肘掛
けに取り付けられた内筒状ブラケットを出没可能にはめ
込み、外筒状ブラケットに対する内筒状ブラケットのは
め込み量を段階的に変化させて肘掛けの高さを変えてい
た。また、肘掛けの水平方向の向きを調整する場合に
は、例えば肘掛けの支持部材と肘載せ板との間にスライ
ド機構を設けて肘載せ板のみの向きを変えるようにして
いた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
各構造では肘掛けの高さや肘載せ板の向きを調整するこ
とは可能ではあるが、いずれの場合も肘掛けを全体とし
て移動させることはできなかった。このため、左右の肘
掛けの取付位置の間隔、即ち着座部分の間口の広さを着
座者の体格に応じて調整することができなかった。した
がって、間口の広さを調整できる肘掛けの取付構造が要
請されるが、座り心地等を考慮すると、間口の広さを調
整可能にした場合であっても肘掛けの取付剛性を十分に
確保する必要がある。

【０００４】本発明は、着座部分の間口の広さを調整す
ることができ、しかも十分な取付剛性を確保できる肘掛
けの取付構造を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項１記載の椅子の肘掛け取付構造は、肘掛けの
取付位置を椅子の幅方向に変化させる位置調整機構を備
えて構成されている。したがって、肘掛けの取付位置を
幅方向内側に変化させると着座部分の間口が狭くなり、
逆に肘掛けの取付位置を幅方向外側に変化させると着座
部分の間口が広がる。

【０００６】また、請求項２記載の椅子の肘掛け取付構
造は、位置調整機構を、肘掛けの取付位置の高さを変化
させる高さ調整手段を備えて構成している。したがっ
て、肘掛けの取付位置の高さを上げると肘掛けが高くな
り、逆に肘掛けの取付位置の高さを下げると肘掛けが低
くなる。即ち、着座部分の間口の広さと肘掛けの高さを
調整できる。

【０００７】また、請求項３記載の椅子の肘掛け取付構
造は、位置調整機構を、椅子本体側に幅方向から肘掛け
を固定するねじ固定手段と、椅子本体側と肘掛けとの間
に必要に応じて挟み込まれる任意厚さのスペーサを備え
て構成している。

【０００８】したがって、椅子本体側と肘掛けとの間に
厚いスペーサを挟み込むと肘掛けの取付位置が幅方向外
側に移動して着座部分の間口が広がる。一方、薄いスペ
ーサを挟み込むと肘掛けの取付位置が幅方向内側に移動
して着座部分の間口が狭まる。そして、スペーサを挟み
込まない場合には肘掛けの取付位置が椅子の座に最も近
くなり着座部分の間口が最も狭くなる。肘掛けはねじ固
定手段によってしっかりと椅子本体側に取り付けられる
ので、十分な取付剛性が確保される。

【０００９】また、請求項４記載の椅子の肘掛け取付構
造は、位置調整機構を、肘掛けの取付位置の高さを変化
させる高さ調整手段を備えて構成し、当該高さ調整手段
を、椅子本体側と肘掛けのいずれか一方にねじ固定手段
が幅方向から貫通する縦長孔を形成し、当該縦長孔に対
してねじ固定手段を相対移動させて肘掛けの高さを変化
させるように構成している。

【００１０】したがって、ねじ固定手段を緩めてその固
定を解除すると、縦長孔に対してねじ固定手段が相対移
動可能になり、肘掛けの高さを変化させることができ
る。ねじ固定手段は縦長孔の形成されている範囲内で相
対移動し、この範囲で肘掛けの高さ調整が可能である。
そして、肘掛けの高さを調整した後ねじ固定手段を締め
付けると、肘掛けはその高さでしっかりと固定される。

【００１１】また、請求項５記載の椅子の肘掛け取付構
造は、縦長孔を、椅子の前後方向に傾斜させて構成して
いる。したがって、ねじ固定手段を縦長孔に対して相対
移動させると、肘掛けが上下動しながら前後動し、肘掛
けの高さ及び前後位置が同時に調整される。

【００１２】また、請求項６記載の肘掛け取付構造は、
前後位置調整可能な座板の側面に沿って配置され且つ当
該座板の前後位置調整により背もたれの下方に生じる空
間を椅子の側方から覆う目隠しプレートを椅子本体側に
固定し、当該目隠しプレートに肘掛けを取り付けるよう
に構成されている。

【００１３】座板を背もたれから独立させて前後に移動
させると、座板の奥側端と背もたれの下端との位置関係
が変化し、特に座板を前に出した場合には背もたれの下
方に空間が発生し見栄えが悪くなる。かかる位置関係の
変化は目隠しプレートによって隠される。また、このプ
レートは、肘掛けを取り付けるブラケットとしても機能
する。

【００１４】また、請求項７記載の肘掛け取付構造は、
位置調整機構を、椅子本体側と肘掛けのいずれか一方に
形成された横長孔と、当該横長孔を上下方向から貫通し
て肘掛けを上下方向から椅子本体側に固定するねじ固定
手段を有し、横長孔に対してねじ固定手段を相対移動さ
せて肘掛けの取付位置を幅方向に変化させるように構成
されている。

【００１５】したがって、ねじ固定手段を緩めてその固
定を解除すると、横長孔に対してねじ固定手段が相対移
動可能になり、肘掛けの取付位置を幅方向に移動させる
ことができる。ねじ固定手段は横長孔の形成されている
範囲内で相対移動し、この範囲で肘掛けの取付位置を幅
方向に移動可能である。そして、肘掛けは取付位置を幅
方向に調整した後ねじ固定手段を締め付けると、肘掛け
はその位置でしっかりと固定される。

【００１６】また、請求項８記載の肘掛け取付構造は、
位置調整機構を、肘掛けの取付位置の高さを変化させる
高さ調整手段を備えて構成し、当該高さ調整手段を、椅
子本体側と肘掛けとの間に必要に応じて挟み込まれる任
意厚さのスペーサを備えて構成されている。

【００１７】したがって、椅子本体側と肘掛けとの間に
厚いスペーサを挟み込むと肘掛けの取付位置が下がって
肘掛けが低くなる。一方、薄いスペーサを挟み込むと、
肘掛けの取付位置が上がって肘掛けが高くなる。そし
て、スペーサを挟み込まない場合には、肘掛けの取付位
置が最も上がって肘掛けが最も高くなる。

【００１８】さらに、請求項９記載の肘掛け取付構造
は、横長孔を、椅子の前後方向に傾斜させて構成してい
る。したがって、ねじ固定手段を横長孔に対して相対移
動させると、肘掛けが幅方向に移動しながら前後にも移
動し、肘掛けの取付位置が幅方向及び前後方向に同時に
移動される。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
最良の形態に基づいて詳細に説明する。

【００２０】図１から図３に、本発明を適用した椅子の
肘掛け取付構造の第１の実施形態を示す。なお、左右の
肘掛けについて取付構造は同じであり、一方の肘掛けの
取付構造についてのみ説明する。

【００２１】この肘掛け取付構造は、肘掛け１の取付位
置を椅子の幅方向に変化させる位置調整機構２を備え、
当該位置調整機構２は肘掛け１の取付位置の高さを変化
させる高さ調整手段３を備えている。位置調整機構２
は、椅子本体側に椅子の幅方向（以下、単に幅方向とい
う）から肘掛け１を固定するねじ固定手段４と、椅子本
体側と肘掛け１との間に必要に応じて挟み込まれる任意
厚さのスペーサ５を備えている。

【００２２】ねじ固定手段４としては、例えばねじ，ボ
ルト，ビス等とナットや雌ねじ等との組合せがあり、本
実施形態では３組のねじ６とナット７によって肘掛け１
を椅子本体側に固定している。詳述すると、椅子本体側
としての例えば座板８の側面にはほぼＬ字形状を成すベ
ースフレーム９が固定されており、このベースフレーム
９に肘掛け１の取付部１ａを３組のねじ６とナット７に
よって固定している。ベースフレーム９の３箇所には小
孔１０が形成されており、当該ベースフレーム９の裏面
の各小孔１０に対応する位置にはナット７がそれぞれ溶
接されている。即ち、各ナット７はウエルドナットであ
る。一方、肘掛け１の取付部１ａはベースフレーム９と
同様にほぼＬ字形状の平板状を成し、各小孔１０に対向
する位置には高さ調整手段３である縦長孔１８がそれぞ
れ形成されている。ここで、縦長孔とは一端が高く他端
が低くなるように形成されている長孔をいう。各縦長孔
１８は、椅子の前後方向に傾斜、例えば上端が椅子の前
側に下端が後側に位置している。各縦長孔１８は互いに
平行に形成されている。なお、肘掛け１は例えばいわゆ
るサークル式のもので、椅子使用時には取付部１ａにカ
バー１ｂが取り付けられる。カバー１ｂは、２本のねじ
１２によって固定される。

【００２３】スペーサ５は、例えば円筒形状を成してお
り、厚さが例えば５ｍｍ間隔で異なる複数種類のものが
準備されている。したがって、ベースフレーム９と肘掛
け１の取付部１ａとの間に挟み込むスペーサ５の種類を
適宜選択することで、ベースフレーム９と肘掛け１の取
付部１ａとの間の距離が変わり肘掛け１の取付位置が幅
方向に変化する。

【００２４】この構造は、ねじ６は２本でも可能である
が、３本にすることにより、肘掛けのガタを防ぐことが
できる。更に、縦長孔１８を垂直、水平方向にしないこ
とによりガタ防止になっている。

【００２５】この取付構造では、ベースフレーム９が目
隠しプレートとなっている。即ち、この椅子では、座板
８を止めている図示しないねじを外して座板８の前後位
置を調整することができるが、座板８を前後に移動させ
ると当該座板８の奥側端と背もたれ１１の下端との位置
関係が変化し、特に座板８を前に移動させた場合には背
もたれ１１の下方に空間が発生する。目隠しプレートで
あるベースフレーム９は、座板８の側面に沿って配置さ
れており、当該座板８の前後位置調整により背もたれ１
１の下方に生じる空間を椅子の側方から覆っている。即
ち、椅子の側方から見た場合、座の奥側端がベースフレ
ーム９に隠れる範囲で座板８の前後位置調整が行われ
る。

【００２６】この肘掛け取付構造では、以下のようにし
て肘掛け１の取付位置を調整することができる。

【００２７】先ず、２本のねじ１２を緩めてカバー１ｂ
を外し、取付部１ａの３組のねじ固定手段４のねじ６を
露出させる。次に、３組のねじ固定手段４を外し、ベー
スフレーム９からスペーサ５と肘掛け１を取り外す。こ
の状態で、スペーサ５を所望の厚さのものに交換し、新
たなスペーサ５をベースフレーム９と肘掛け１の取付部
１ａとの間に挟み込みながら３組のねじ固定手段４を締
め付ける。新たなスペーサ５としてより厚いものを選択
した場合には、肘掛け１の取付位置が幅方向外側に移動
して着座部分の間口が広がる。逆に新たなスペーサ５と
してより薄いものを選択した場合には、肘掛け１の取付
位置が幅方向内側に移動して着座部分の間口が狭まる。
なお、スペーサ５を省略することで、肘掛け１の取付位
置が最も幅方向内側に移動し、着座部分の間口を最も狭
くできる。

【００２８】またこのとき、３組のねじ固定手段４を完
全に締め付ける前のがたが残っている状態で、肘掛け１
の高さ調整を行う。肘掛け１は、各縦長孔１８に対して
各ねじ固定手段４を相対移動させながらこれら各縦長孔
１８の範囲で上下に移動し高さ調整される。各縦長孔１
８の形状は上側が前に、下側が後ろに位置しているの
で、肘掛け１の高さを高くした場合にはこの肘掛け１は
前方にも移動し、高さを低くした場合には後方にも移動
する。即ち、高さ調整と前後位置調整を同時に行うこと
ができる。

【００２９】その後、３組のねじ固定手段４を完全に締
め付けると、調整後の位置に肘掛け１が固定される。こ
れにより、着座部分の間口、肘掛け１の高さ及び前後位
置が着座者の体格等にあわせて調整され、いわばオーダ
メイド感覚の椅子を提供できる。また、肘掛け１の取付
部１ａは３組のねじ固定手段４によってベースフレーム
９に固定されており、しかも各縦長孔１８が傾斜してい
ることから当該斜面に各ねじ固定手段４のねじ６が下方
への荷重を受けて当たっているので、肘掛け１はがた付
くこと無くしっかりと固定され、肘掛け１の取付剛性が
大きくなる。即ち、座り心地の良い椅子となって着座者
の満足度を向上させることができる。

【００３０】肘掛け１の取付位置を調整した後、露出し
ていた肘掛け１の取付部１ａにカバー１ｂをはめ込み各
ねじ１２で固定する。これにより、各ねじ固定手段４の
ねじ６や縦長孔１８を隠した状態で椅子を使用すること
ができる。なお、スペーサ５の交換による幅方向の位置
調整を行わずに、単に３本のねじ固定手段４を緩めて高
さ及び前後位置調整のみを行っても良い。

【００３１】また、ベースフレーム９及び肘掛け１によ
って座板８の側面が覆われているので、たとえ座板８を
前に出して背もたれ１１の下方に空間が発生した場合で
あっても当該空間が椅子の側方からみえることはなく、
見栄えも良くなる。

【００３２】次に、本発明を適用した肘掛け１の取付構
造の第２の実施形態について説明する。

【００３３】図４に示す肘掛け１の取付構造の位置調整
機構２は、椅子本体側と肘掛け１のいずれか一方に形成
された横長孔１３と、当該横長孔１３を上下方向から貫
通して肘掛け１を上下方向から椅子本体側に固定するね
じ固定手段４を有し、当該横長孔１３に対してねじ固定
手段４を相対移動させて肘掛け１の取付位置を幅方向に
変化させる構成である。

【００３４】肘掛け１にはブラケット１４がほぼ水平に
取り付けられており、横長孔１３はこのブラケット１４
の３箇所に形成されている。ここで、横長孔１３とは、
両端が幅方向にずれている長孔をいう。各横長孔１３
は、椅子の前後方向に傾斜、本実施形態では、椅子の幅
方向外側端が前に、内側端が後ろに位置するように傾斜
している。このブラケット１４は、椅子の座板８に取り
付けられたベースプレート１５との間に高さ調整手段３
としてのスペーサ１９を挟み込んで３組のねじ固定手段
４によって固定されている。なお、スペーサ１９の構造
やねじ固定手段４は上述のものと同一であり、これらの
説明は省略する。

【００３５】この肘掛け１の取付構造では、以下のよう
にして肘掛け１の取付位置を調整する。

【００３６】先ず、３組のねじ固定手段４を外して、ベ
ースプレート１５からスペーサ１９とブラケット１４を
取り外す。この状態で、スペーサ１９を所望の厚さのも
のに交換し、新たなスペーサ１９をベースプレート１５
とブラケット１４との間に挟み込みながら３組のねじ固
定手段４を締め付ける。新たなスペーサ１９としてより
厚いものを選択した場合には肘掛け１の取付位置が下が
って肘掛け１の高さが低くなり、逆により薄いものを選
択した場合には肘掛け１の取付位置が上がって肘掛け１
の高さは高くなる。また、スペーサ１９を省略した場合
には、肘掛け１の取付位置が最も上がって肘掛け１の高
さが最も高くなる。

【００３７】またこのとき、３本のねじ固定手段４を完
全に締め付ける前のがたが残っている状態で肘掛け１の
取付位置の幅方向の調整を行う。肘掛け１はブラケット
１４の各横長孔１３に対して各ねじ固定手段４を相対移
動させながら移動し、その取付位置を変える。各横長孔
１３の形状は椅子の外側が前に、内側が後ろに位置して
いるので、肘掛け１の取付位置を幅方向外側に移動させ
た場合には前方にも移動し、内側に移動させた場合には
後方にも移動する。即ち、着座部分の間口の広さと、肘
掛け１の高さ及び前後位置を同時に調整することができ
る。

【００３８】その後、３組のねじ固定手段４を完全に締
め付けると、調整後の位置に肘掛け１がしっかりと固定
される。

【００３９】なお、上述の各形態は本発明の好適な形態
の例ではあるがこれらに限定されるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、上述の各説明では、縦長孔１８を肘掛け１
の取付部１ａに、横長孔１３を肘掛け１のブラケット１
４に形成していたが、必ずしもこれらに限るものではな
く、縦長孔１８をベースフレーム９に、横長孔１３をベ
ースプレート１５に形成しても良い。

【００４０】また、上述の各説明では、各縦長孔１８，
各横長孔１３をそれぞれ互いに同一形状で平行に形成し
ているが、必ずしも同一形状で平行に形成する必要はな
い。各縦長孔１８，各横長孔１３を互いに同一形状で平
行に形成した場合には、肘掛け１の姿勢を変えずにいわ
ゆる平行移動させることができたが、各縦長孔１８，各
横長孔１３の形状や角度を互いに相違させることで、肘
掛け１の姿勢をかえながら位置調整することが可能にな
る。また、各縦長孔１８，各横長孔１３を３箇所に設け
ているが、これら長孔１８，１３を設ける箇所の数とし
ては、３箇所に限るものではない。

【００４１】また、上述の各説明では、ねじ固定手段４
としてねじ６とナット７の組合せを採用し、ベースフレ
ーム９又はベースプレート１５の裏面に固着させたナッ
ト７にねじ６をはめ込む構成にしたが、必ずしも当該構
成に限るものではなく、ねじ構造を使用して着脱できる
ものであれば特に限定されない。例えば、図５に示すよ
うに、ねじ固定手段４として、スタッドボルト１６とナ
ット１７の組合せであっても良い。即ち、ベースフレー
ム９又はベースプレート１５にスタッドボルト１６を設
置し、当該スタッドボルト１６に肘掛け１の取付部１ａ
又はブラケット１４に形成した縦長孔１８又は横長孔１
３を通してナット１７で締め付け固定するようにしても
良い。

【００４２】また、スペーサ５，１９の形状は必ずしも
円筒形状に限るものでなく、他の形状であっても良い。
また、各ねじ固定手段４毎にスペーサ５，１９を１個ず
つ設ける必要はなく、１枚の長いスペーサとしても良
い。

【００４３】さらに、上述の各位置調整機構２は高さ調
整手段３をそれぞれ備えていたが、必ずしも高さ調整手
段３は必要ではなく省略しても良い。

【００４４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の椅
子の肘掛け取付構造では、肘掛けの取付位置を椅子の幅
方向に変化させる位置調整機構を備えているので、肘掛
け全体を椅子の幅方向に移動させることができ、着座部
分の間口の広さを調整することができる。このため、着
座者の体格にあわせた間口の椅子を提供することがで
き、椅子がオーダーメイド的なものになって着座者の満
足度を向上させることができる。

【００４５】また、請求項２記載の椅子の肘掛け取付構
造では、位置調整機構として肘掛けの取付位置の高さを
変化させる高さ調整手段を備えているので、着座部分の
間口の広さに加えて肘掛けの高さをも調整することがで
きる。このため、椅子が一層オーダーメイド的なものに
なり、着座者の満足度を一層向上させることができる。

【００４６】また、請求項３記載の椅子の肘掛け取付構
造では、位置調整機構を、椅子本体側に幅方向から肘掛
けを固定するねじ固定手段と、椅子本体側と肘掛けとの
間に必要に応じて挟み込まれる任意厚さのスペーサを備
えて構成しているので、スペーサの選択によって肘掛け
の取付位置を幅方向に調整することができる。即ち、簡
単な構造で前記調整を行うことができ、着座部分の間口
の広さを調整できる椅子を低コストで提供することがで
きる。また、肘掛けはねじ固定手段によって固定される
ので、肘掛けの取付剛性を大きくすることができ、しっ
かりとした安定感のある椅子を提供することができる。

【００４７】また、請求項４記載の椅子の肘掛け取付構
造では、位置調整機構を肘掛けの取付位置の高さを変化
させる高さ調整手段を備えて構成し、当該高さ調整手段
は、椅子本体側と肘掛けのいずれか一方にねじ固定手段
が幅方向から貫通する縦長孔を形成し、当該縦長孔に対
してねじ固定手段を相対移動させて肘掛けの高さを変化
させるので、着座部分の間口の広さと肘掛けの高さの調
整が簡単な構造で可能になり、これらの調整が可能な椅
子を低コストで提供することができる。

【００４８】また、請求項５記載の椅子の肘掛け取付構
造では、縦長孔を椅子の前後方向に傾斜させているの
で、肘掛けの高さ調整と同時に前後位置も調整すること
ができ、肘掛けの取付位置をより一層着座者の体格にあ
わせて調整することができる。また、縦長孔を傾斜させ
ることで、縦長孔が垂直な場合よりも肘掛けのがた付き
を抑えることができ、肘掛けの取付剛性が一層向上して
座り心地の良い椅子を低コストで提供することができ
る。

【００４９】また、請求項６記載の肘掛け取付構造で
は、前後位置調整可能な座板の側面に沿って配置され且
つ当該座板の前後位置調整により背もたれの下方に生じ
る空間を椅子の側方から覆う目隠しプレートを椅子本体
側に固定し、当該目隠しプレートに肘掛けを取り付けて
いるので、肘掛けを取り付ける部材を利用して座板の前
後位置調整により生じる空間を隠すことができ、デザイ
ン的に優れた椅子を低コストで提供することができる。

【００５０】また、請求項７記載の肘掛け取付構造で
は、位置調整機構が、椅子本体側と肘掛けのいずれか一
方に形成された横長孔と、当該横長孔を上下方向から貫
通して肘掛けを上下方向から椅子本体側に固定するねじ
固定手段を有し、横長孔に対してねじ固定手段を相対移
動させて肘掛けの取付位置を幅方向に変化させるので、
横長孔とねじ固定手段との相対位置をずらすだけで肘掛
けの取付位置を幅方向に調整することができる。即ち、
簡単な構造で前記調整を行うことができ、着座部分の間
口の広さを調整できる椅子を低コストで提供することが
できる。また、肘掛けはねじ固定手段によって固定され
るので、肘掛けの取付剛性を大きくすることができ、し
っかりとした安定感のある椅子を提供することができ
る。

【００５１】また、請求項８記載の肘掛け取付構造で
は、位置調整機構を肘掛けの取付位置の高さを変化させ
る高さ調整手段を備えて構成し、当該高さ調整手段を椅
子本体側と肘掛けとの間に必要に応じて挟み込まれる任
意厚さのスペーサを備えているので、着座部分の間口の
広さと肘掛けの高さの調整が簡単な構造で可能になり、
これらの調整が可能な椅子を低コストで提供することが
できる。

【００５２】さらに、請求項９記載の椅子の肘掛け取付
構造では、横長孔を椅子の前後方向に傾斜させているの
で、肘掛けの高さ調整と同時に前後位置も調整すること
ができ、肘掛けの取付位置をより一層着座者の体格にあ
わせて調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した椅子の肘掛け取付構造の第１
の実施形態を示す分解斜視図である。

【図２】図１の肘掛け取付構造の位置調整機構を拡大し
て示す分解斜視図である。

【図３】図１の肘掛け取付構造が適用された肘掛けの分
解斜視図である。

【図４】本発明を適用した椅子の肘掛け取付構造の第２
の実施形態を示す分解斜視図である。

【図５】肘掛け取付構造のねじ固定手段の他の例を示す
断面図である。

【符号の説明】

１ 肘掛け ２ 位置調整機構 ３ 高さ調整機構 ４ ねじ固定手段 ５ スペーサ ８ 座板 ９ ベースフレーム（目隠しプレート） １１ 背もたれ １３ 横長孔 １８ 縦長孔 １９ スペーサ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 智一 大阪府大阪市東成区大今里南６丁目１番１ 号 コクヨ株式会社内 (72)発明者 西村 加代子 大阪府大阪市東成区大今里南６丁目１番１ 号 コクヨ株式会社内

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 肘掛けの取付位置を椅子の幅方向に変化
   させる位置調整機構を備えることを特徴とする椅子の肘
   掛け取付構造。
2. 【請求項２】 前記位置調整機構は、前記肘掛けの取付
   位置の高さを変化させる高さ調整手段を備えることを特
   徴とする請求項１記載の椅子の肘掛け取付構造。
3. 【請求項３】 前記位置調整機構は、前記椅子本体側に
   前記幅方向から前記肘掛けを固定するねじ固定手段と、
   前記椅子本体側と肘掛けとの間に必要に応じて挟み込ま
   れる任意厚さのスペーサを備えることを特徴とする請求
   項１又は２記載の椅子の肘掛け取付構造。
4. 【請求項４】 前記位置調整機構は、前記肘掛けの取付
   位置の高さを変化させる高さ調整手段を備え、当該高さ
   調整手段は、前記椅子本体側と肘掛けのいずれか一方に
   前記ねじ固定手段が前記幅方向から貫通する縦長孔を形
   成し、当該縦長孔に対して前記ねじ固定手段を相対移動
   させて前記肘掛けの高さを変化させることを特徴とする
   請求項３記載の椅子の肘掛け取付構造。
5. 【請求項５】 前記縦長孔は、椅子の前後方向に傾斜し
   ていることを特徴とする請求項４記載の椅子の肘掛け取
   付構造。
6. 【請求項６】 前後位置調整可能な座板の側面に沿って
   配置され且つ当該座板の前後位置調整により背もたれの
   下方に生じる空間を椅子の側方から覆う目隠しプレート
   を前記椅子本体側に固定し、当該目隠しプレートに前記
   肘掛けを取り付けることを特徴とする請求項３から５の
   いずれか記載の椅子の肘掛け取付構造。
7. 【請求項７】 前記位置調整機構は、前記椅子本体側と
   肘掛けのいずれか一方に形成された横長孔と、当該横長
   孔を上下方向から貫通して前記肘掛けを上下方向から前
   記椅子本体側に固定するねじ固定手段を有し、前記横長
   孔に対して前記ねじ固定手段を相対移動させて前記肘掛
   けの取付位置を前記幅方向に変化させることを特徴とす
   る請求項１又は２記載の椅子の肘掛け取付構造。
8. 【請求項８】 前記位置調整機構は、前記肘掛けの取付
   位置の高さを変化させる高さ調整手段を有し、当該高さ
   調整手段は、前記椅子本体側と肘掛けとの間に必要に応
   じて挟み込まれる任意厚さのスペーサを備えることを特
   徴とする請求項７記載の椅子の肘掛け取付構造。
9. 【請求項９】 前記横長孔は、椅子の前後方向に傾斜し
   ていることを特徴とする請求項７又は８記載の椅子の肘
   掛け取付構造。