JPH07270831A - エレクトロクロミック表示素子 - Google Patents

エレクトロクロミック表示素子

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JPH07270831A
JPH07270831A JP6083693A JP8369394A JPH07270831A JP H07270831 A JPH07270831 A JP H07270831A JP 6083693 A JP6083693 A JP 6083693A JP 8369394 A JP8369394 A JP 8369394A JP H07270831 A JPH07270831 A JP H07270831A
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electrochromic
iron
electrode
solvent
propylene carbonate
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JP6083693A
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Takahisa Fukuzawa
孝久 福澤
Toshiki Koyama
俊樹 小山
Koji Kano
幸司 加納
Kenji Hanabusa
謙二 英
Hiroyoshi Shirai
汪芳 白井
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Nidec Instruments Corp
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄−フェナントロリン錯体を表示極材料とし
て構成されたエレクトロクロミック表示素子の素子構成
が可能であり、かつ繰り返し駆動の安定性向上のため
に、最適な支持電解質溶媒を見つけ出す。 【構成】 電解析出法により成膜が可能な鉄−フェナン
トロリン錯体を表示極エレクトロクロミック材料として
用い、その酸化還元反応を利用することにより赤と無色
の表示が可能なエレクトロクロミック表示素子におい
て、電解液溶媒にプロピレンカーボネートを使用したも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解析出法により成膜
が可能な鉄−フェナントロリン錯体を用い、その酸化還
元反応を利用した、赤と無色の表示が可能なエレクトロ
クロミック表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、赤色エレクトロクロミック材料で
あるフェノール基を有するバソフェナントロリン鉄錯体
は、図1に示す結合構造のトリス(バソフェナントロリ
ンジフェノール)鉄(II)錯体(以下Fe(BPDP)
3 と示す)であって、本出願人が先に提案した特開平4
−29220号に示されるように電解析出法により成膜
され、支持電解質として過塩素酸ナトリウム(NaCl
4 )を0.1mol/lの濃度で含むアセトニトリル
電解液中において、プルシアンブルーを対向極として一
万回以上の色変化(赤と薄黄色)と0.5秒以下の応答
速度を達成することができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのFe
(BPDP)3 の膜は、図2に示すような片側に透明導
電膜1,7を形成した透明基板1,8のそれぞれの内側
に表示極エレクトロクロミック材料4、対向極エレクト
ロクロミック材料6を設けて、背景材5を介して対向さ
せ、上下をシール材3で囲んだ空間に電解液9を充填し
たエレクトロクロミック表示素子において、駆動用電解
液溶媒9にアセトニトリル(接着剤の剥離液に使用され
る)を使用すると、それに耐えられるシール材3が無い
ため、素子の構成が困難であるという問題があった。
【0004】この駆動用電解液の問題は、エレクトロク
ロミック表示素子を構成する上で非常に重要なポイント
である。一方電解液溶媒9に水溶液その他の不活性な溶
媒が使用できれば、様々な接着剤(例えばUV硬化型)
をシール材3として使用できるため、大きなメリットと
なる。ところが以前の実験では、表示極材料4であるF
e(BPDP)3 は、対向極材料6にプルシアンブルー
を使用して塩化ナトリウム(NaCl)を0.1mol
/lの濃度に含む水溶液中で駆動すると繰り返し駆動に
よる著しい特性劣化を起こすことが確認されたため、駆
動用電解液として水が使用できなかった。
【0005】本発明は、Fe(BPDP)3 を表示極材
料として構成されたエレクトロクロミック表示素子の素
子構成を可能とし、かつ繰り返し駆動の安定性向上のた
めに、最適な支持電解質溶媒を見つけ出すことを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Fe(BPD
P)3 に組み合わされる支持電解質の溶媒としてプロピ
レンカーボネート(PC)を使用することで繰り返し駆
動寿命の問題を改善するものである。
【0007】
【実施例】以下に実施した実験例を実施例として述べ
る。
【0008】検討した駆動用支持電解質は、カチオン
(陽イオン)をナトリウム(Na+ )、アニオン(陰イ
オン)を過塩素酸(ClO4 -)とする。過塩素酸ナトリ
ウム(NaClO4 )、濃度を0.1mol/lに固定
し、溶媒として水またはプロピレンカーボネートを使用
した。評価方法はFe(BPDP)3 膜を成膜した電極
についてサイクリックボルタンメトリーを連続して測定
し、得られたボルタモグラムのピーク電流値の変化を追
跡することによって繰り返し駆動の安定性を評価した。
サイクリックボルタンメトリーは3電極法にて実施し、
対極には白金そして参照電極には飽和カロメル電極(S
CE)を使用した。また、この時の査定速度は20mV
/sec、走査電位幅は0V←→+1.5VvsSCE
にて実施した。
【0009】その結果、図3に示されるように、溶媒が
水の場合においてはサイクリックボルタモグラムのピー
ク電解値が50周で初期値より半減しているのに対し、
溶媒がプロピレンカーボネートの場合、図4に示すよう
に50周でも初期値と変化せず繰り返し寿命回数が数倍
改善される結果が得られた。この時Fe(BPDP)3
の繰り返し駆動に必要な陰イオンとしてはClO4 -に限
定されるものではなくBF4 -,PF4 -など他の陰イオン
も使用可能であり、また対陽イオンとしてもナトリウム
に限定されるものではなく、H+ ,Li+ ,K+ ,Rb
+ などであっても問題ない。またこれらの電解質の添加
濃度は0.01mol/l〜1mol/lの範囲内であ
れば問題なく駆動可能であるが、特に0.05mol/
l〜0.5mol/lの範囲であることが望ましい。
【0010】また今回は3電極法による評価によって発
明の効果を確認したが、例えばプルシアンブルー(P
B)や酸化タングステン(WO3 )あるいは例えばゴバ
ルトフタロシアニン(CoPc)といった金属フタロシ
アニンのように還元反応が安定なエレクトロクロミック
材料特に好ましくはプルシアンブルーを対向極材料とし
て使用すれば、容易に赤色表示可能なエレクトロクロミ
ック表示部材の素子が可能であることは言うまでもな
い。
【0011】
【発明の効果】以上述べたように、電解析出法により得
られた鉄−フェナントロリン錯体を用いたエレクトロク
ロミック表示素子において、その駆動用電解液溶媒にプ
ロピレンカーボネートを使用した結果、繰り返し駆動寿
命が従来の水溶液系に比べて著しく改善される効果が得
られた。またプロピレンカーボネートは一般に用いられ
るエレクトロクロミツク表示素子を構成するためのシー
ル剤例えば紫外線硬化型接着剤などの有機高分子系の接
着剤に対して不活性であるため、従来困難であった赤色
表示可能なエレクトロクロミック表示素子の提供を実現
できる。
【0012】また、請求項2の発明の場合、プロピレン
カーボネート電解液で安定的に反応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】Fe(BPDP)3 の構造式である。
【図2】エレクトロクロミック表示素子の断面図であ
る。
【図3】電解質溶媒として水を使用した場合の繰り返し
駆動寿命の評価結果を示す図である。
【図4】電解質溶媒としてプロピレンカーボネートを使
用した場合の繰り返し駆動寿命評価結果を示す図であ
る。
【符号の説明】
1,8 透明基板 2,7 透明導電膜 3 シール材 4 表示極エレクトロクロミック材料 5 背景材 6 対向極エレクトロクロミック材料 9 電解液
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】検討した駆動用支持電解質は、カチオン
(陽イオン)をナトリウム(Na+ )、アニオン(陰イ
オン)を過塩素酸(ClO4 -)とする。過塩素酸ナトリ
ウム(NaClO4 )、濃度を0.1mol/lに固定
し、溶媒として水またはプロピレンカーボネートを使用
した。評価方法はFe(BPDP)3 膜を成膜した電極
についてサイクリックボルタンメトリーを連続して測定
し、得られたボルタモグラムのピーク電流値の変化を追
跡することによって繰り返し駆動の安定性を評価した。
サイクリックボルタンメトリーは3電極法にて実施し、
対極には白金そして参照電極には飽和カロメル電極(S
CE)を使用した。また、この時の走査速度は20mV
/sec、走査電位幅は0V←→+1.5VvsSCE
にて実施した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】その結果、図3に示されるように、溶媒が
水の場合においてはサイクリックボルタモグラムのピー
ク電解値が50周で初期値より半減しているのに対し、
溶媒がプロピレンカーボネートの場合、図4に示すよう
に50周でも初期値と変化せず繰り返し寿命回数が数倍
改善される結果が得られた。この時Fe(BPDP)3
の繰り返し駆動に必要な陰イオンとしてはClO4 -に限
定されるものではなくBF4 -PF6 - など他の陰イオン
も使用可能であり、また対陽イオンとしてもナトリウム
に限定されるものではなく、H+ ,Li+ ,K+ ,Rb
+ などであっても問題ない。またこれらの電解質の添加
濃度は0.01mol/l〜1mol/lの範囲内であ
れば問題なく駆動可能であるが、特に0.05mol/
l〜0.5mol/lの範囲であることが望ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 英 謙二 長野県上田市常田3−15−1 信州大学繊 維学部機能高分子学科内 (72)発明者 白井 汪芳 長野県上田市常田3−15−1 信州大学繊 維学部機能高分子学科内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解析出法により成膜が可能な鉄−フェ
    ナントロリン錯体を表示極エレクトロクロミック材料と
    して用い、その酸化還元反応を利用することにより赤と
    無色の表示が可能なエレクトロクロミック表示素子にお
    いて、電解液溶媒にプロピレンカーボネートを使用した
    ことを特徴とするエレクトロクロミック表示素子。
  2. 【請求項2】 対向極のエレクトロクロミック材料とし
    てプルシアンブルーを使用したことを特徴とする請求項
    1記載のエレクトロクロミック表示素子。
JP6083693A 1994-03-31 1994-03-31 エレクトロクロミック表示素子 Expired - Lifetime JP2930860B2 (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008081923A1 (ja) 2006-12-28 2008-07-10 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology プルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子の製造方法、並びにそれにより得られるプルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子、その分散液、その発色制御方法、それを用いた電極及び透過光制御装置
US8014056B2 (en) 2006-12-21 2011-09-06 Konica Minolta Holdings, Inc. Display element and method of driving the same
US8064119B2 (en) 2007-01-17 2011-11-22 Konica Minolta Holdings, Inc. Display element and driving method thereof
US8384982B2 (en) 2007-09-18 2013-02-26 Konica Minolta Holdings, Inc. Display element
US8658251B2 (en) 2008-06-27 2014-02-25 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Method of producing structural member having prussian blue-type metal complex nanoparticles, structural member obtained by the method, substrate, electrochromic device, rectifying device, and photo responding device, using the structural member

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