JPH07267693A - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents

合わせガラス用中間膜

Info

Publication number
JPH07267693A
JPH07267693A JP5557194A JP5557194A JPH07267693A JP H07267693 A JPH07267693 A JP H07267693A JP 5557194 A JP5557194 A JP 5557194A JP 5557194 A JP5557194 A JP 5557194A JP H07267693 A JPH07267693 A JP H07267693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
ethylene
laminated glass
copolymer
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5557194A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Bando
明彦 坂東
Hajime Shobi
初 松扉
Naoki Ueda
直樹 植田
Masahiro Yasuda
昌弘 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP5557194A priority Critical patent/JPH07267693A/ja
Publication of JPH07267693A publication Critical patent/JPH07267693A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐候性、耐衝撃性、透明性、ガラスとの接着性
に優れ、且つ、常温保管が可能で、合わせ加工時に調湿
を必要とせず、オートクレーブ無しに、適度な温度で合
わせ加工が可能な合わせガラス用中間膜を提供する。 【構成】エチレン/α−オレフィン共重合体からなる層
(A)と、エチレン系共重合体または変性エチレン系共
重合体からなる層(B)とが交互に積層され、且つ、最
外層のうち少なくとも1層が層(B)とされる合わせガ
ラス用中間膜であって、該エチレン/α−オレフィン共
重合体は密度0.860〜0.950g/cm3 、クロ
ス分別法による10重量%溶出温度と100重量%溶出
温度の差30℃以下の特定の結晶性を有し、上記エチレ
ン系共重合体がエチレンと不飽和カルボン酸(無水物)
および/または(メタ)アクリル酸グリシジルからな
り、上記変性エチレン系共重合体がエチレンと不飽和カ
ルボン酸(無水物)および/または(メタ)アクリル酸
グリシジルからなる共重合体の塩素化物であって、その
塩素化度が5〜50重量%であることを特徴とする合わ
せガラス用中間膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合わせガラス用中間膜
に関する。
【0002】
【従来の技術】合わせガラスは、自動車用安全ガラス、
公共施設や運動施設等のグレージング材、間仕切り、防
犯用ドアーに用いられており、その構造は、複数枚の無
機ガラス、またはその一部を有機ガラス即ち透明合成樹
脂板で置き換え、合わせガラス用中間膜を介して合わせ
加工したものである。
【0003】上記の合わせガラス用中間膜としては、可
塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール樹
脂が、ガラスとの優れた接着性、強靭な引っ張り強度、
高い透明性を兼ね備えており、最も一般的なものとして
用いられてきた。しかしながら、上記可塑化されたポリ
ビニルブチラール樹脂よりなる合わせガラス用中間膜は
ロール巻きで保管する際には、自着性が強いために低温
で保管するか、合わせガラス用中間膜の間に離型紙を介
在させ、ブロッキング防止の対策をとる必要がある。さ
らに、ガラスと合わせ加工する前に調湿の必要があり、
オートクレーブによる高温高圧下の合わせ加工を必要と
し、合わせ加工を煩雑なものとしている。また、透明合
成樹脂板を用いて合わせ加工する場合、可塑剤が合わせ
ガラス用中間膜と透明合成樹脂板との界面にブリード
し、接着性を低下させると同時に透明合成樹脂板を侵食
し、白化させると言う欠点があった。
【0004】上記欠点を改良するものとして、エチレン
/酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」という)の部分
鹸化物を無水フタル酸の様な酸無水物でエステル化した
酸変性物を用いる合わせガラス用中間膜及び、EVAと
有機過酸化物の混合物を合わせ加工時に熱硬化してなる
合わせガラス用中間膜が特公昭47−2103号公報び
特公平2−53381号公報に開示されている。
【0005】しかし、上記酸変性物を用いる合わせガラ
ス用中間膜では、結晶性が高いために透明性(特にヘイ
ズ)が低いという欠点を持っていおり、上記EVAと有
機過酸化物の混合物を用いる合わせガラス用中間膜で
は、透明性に優れ、かつ常温保管が可能、合わせ加工前
の調湿が不要、オートクレーブを用いずに合わせ加工が
可能であるが、有機過酸化物の分解により生成したラジ
カルを熱硬化に利用するので130℃以上の加工温度を
要し、着色した装飾合わせガラスに用いる際、耐熱染料
が必要となり、加工作業性が低下し、コスト高につなが
る。また、透明合成樹脂板を用いて合わせガラスを加工
する際、熱変形するという欠点を持つ。
【0006】このように上記先行技術の合わせガラス用
中間膜では、常温保管性、合わせ加工性、透明性、接着
性等の合わせガラスとしての特性の全てを満足するもの
はない。
【0007】一方近年、重合触媒としてメタロセン化合
物を使用することにより、α−オレフィンの共重合成分
が均一に分子鎖内に存在し、且つ、分子量分布の狭いエ
チレン/αーオレフィン共重合体を製造するできること
が特開平3ー188092号公報、特開平4ー2795
92号公報に開示されている。こうして得られるエチレ
ン/α−オレフィン共重合体はとりわけ透明性が高い。
しかしながら、耐候性、耐衝撃性、ガラスとの接着性が
合わせガラス用中間膜として用いるには、まだ不充分で
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
に鑑みてなされたもので、耐候性、耐衝撃性、透明性、
ガラスとの接着性に優れ、且つ、常温保管が可能で、合
わせ加工時に調湿を必要とせず、オートクレーブ無し
に、適度な温度で合わせ加工が可能な合わせガラス用中
間膜を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明で用いられるエチ
レン/α−オレフィン共重合体とは、エチレンとαーオ
レフィンとを構成単位とする樹脂であり、αーオレフィ
ンとしては、例えば、プロピレン、1ーブテン、1ーペ
ンテン、1ーヘキセン、4ーメチルー1ーペンテン、1
ーヘプテン、1ーオクテン等が挙げられる。
【0010】本発明で用いられるエチレン/α−オレフ
ィン共重合体の密度は、大きくなると結晶性が増し、得
られる合わせガラス用中間膜の透明性が低下し、小さく
なると機械的強度が低下し、耐衝撃性が低下するため、
0.860〜0.950g/cm3 であり、より好まし
くは0.870〜0.945g/cm3 である。
【0011】上記密度は、JISK6760に準拠し、
エチルアルコール/水系を用いた密度勾配管法にて測定
される密度(g/cm3 )をいう。
【0012】上記エチレン/α−オレフィン共重合体
は、上記クロス分別法により測定される10重量%溶出
温度(T1 )と100重量%溶出温度(T2 )の温度差
(T2−T)が大きくなるとエチレン/α−オレフィン
共重合体の中に結晶性の高い部分と低い部分が存在する
ことになり、得られる合わせガラスの均一透明が低下す
るので、上記温度差は、30℃以下であり、好ましくは
28℃以下である。
【0013】上記エチレン/α−オレフィン共重合体
は、上記クロス分別法により測定される重量平均分子量
/数平均分子量で表される分子量分布の値が小さくなる
と、溶融時の流動性が低下し、合わせガラス用中間膜を
成形するときの成形性が低下し、大きくなると平均分子
量分布が広くなり、合わせ加工時の合わせガラス用中間
膜の溶融時の流動性にむらを生じ、得られる合わせガラ
スの透明性の均一性が低下するため、1.5〜3.5で
あり、より好ましくは1.7〜3.0である。
【0014】上記クロス分別法は、エチレン/α−オレ
フィン共重合体が完全に融解する温度でo−ジクロロベ
ンゼンに溶解し、一定速度で冷却し、予め用意したシリ
カゲルなどの不活性担体表面に薄い層状に析出させる。
次に、連続または段階状に昇温し、順次溶出した成分の
濃度を検出し、溶出量と温度、を測定する方法である。
(「温度上昇溶離分別」という。)また同時に、上記溶
出した成分を高温型ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(「GPC」という。)により重量平均分子量、
分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)測定する
方法をいう。
【0015】上記クロス分別法に用いる測定装置として
は、例えば、上述した温度上昇溶離分別部と高温GPC
部分から構成されるクロス分別クロマトグラフ装置(三
菱油化製;CFC−T150A型)が挙げられる。
【0016】上記エチレン/α−オレフィン共重合体の
上記示差熱分析における結晶融解ピークが複数個存在し
たり、融解ピーク温度(T3 )と全結晶融解終了温度
(T4)との温度差(T4 −T3 )が大きくなると、結
晶の大きさに広い分布があることを示し、その場合、合
わせ加工時の合わせガラス用中間膜の流動性にむらを生
じ、得られる合わせガラスの透明性の均一性が低下する
ので、結晶融解ピークが1つであり、且つ(T4
3 )は、20℃以下である。
【0017】上記エチレン/α−オレフィン共重合体
は、例えば、4価の遷移金属を含むメタロセン化合物を
触媒として重合される。4価の遷移金属として、例え
ば、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハ
フニウム、白金等が挙げられれ、上記メタロセン化合物
は、これらの4価の遷移金属に1つまたはそれ以上のシ
クロペンタジエニル環類、その他の配位子が配位してな
る。
【0018】上記シクロペンタジエニル環類としては、
例えば、シクロペンタジエニル環;炭化水素基、置換炭
化水素基、シリル基置換炭化水素基、炭化水素基で置換
されたメタロイド基により置換されたシクロペンタジエ
ニル環;シクロペンタジエニルオリゴマー環;インデニ
ル環;炭化水素基、置換炭化水素基,炭化水素基で置換
されたメタロイド基により置換されたインデニル環等が
挙げられ、これらのシクロペンタジエニル環類は1つま
たはそれ以上上記4価の遷移金属に配位する。
【0019】上記その他の配位子としては、塩素、臭素
等の1価のアニオン配位子;2価のアニオンキレート配
位子、炭化水素基、アルコキシド基、アリールオキシド
基、アミド基、アリールアミド基、ホスフィド基、アリ
ールホスフィド基等が挙げられる。
【0020】上記炭化水素基としては、例えば、メチル
基、プロピル基、ブチル基、アミル基、イソアミル基、
ヘキシル基、イソブチル基、ヘプチル基、オクチル基、
ノニル基、デシル基、セチル基、2−エチルヘキシル
基、フェニル基等が挙げられる。
【0021】上記4価の遷移金属を含むメタロセン化合
物としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウム
トリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロ
ペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリ
ルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミ
ドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチ
ルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウム
ジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタ
ジエニル−p−ブチルフェニルアミドジルコニウムクロ
リド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタ
ジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロリド、イ
ンデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、インデ
ニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、インデニル
チタニウムトリス(ジプロピルアミド)、インデニルチ
タニウムビス(ジブチルアミド)(ジプロピルアミド)
等が挙げられる。
【0022】上記エチレン/α−オレフィン共重合体の
製造は、通常上記4価の遷移金属を含むメタロセン化合
物に共触媒としてメチルアルミノキサン、ホウ素系化合
物等を加えた触媒系で行われ、メタロセン化合物に対す
る共触媒の使用割合としては10〜1,000,000
モル倍が好ましく、より好ましくは50〜5,000モ
ル倍である。
【0023】上記製造条件については、特に制限はな
く、不活性媒体を用いる溶液重合法、あるいは実質的に
不活性媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法などが
採用でき、重合温度としては−100〜300℃、重合
圧力としては、常圧〜100Kg/cm2 で行うのが好
ましい。
【0024】上記エチレン/α−オレフィン共重合体
は、一般に分子量分布が狭く、どの分子量成分も共重合
体成分がほぼ等しく、このようなエチレン/α−オレフ
ィン共重合体としては、例えば、ダウ・ケミカル製、商
品名;CGCTやエクソン・ケミカル製、商品名;EX
ACTなどが市販されている。
【0025】上記示差熱分析の方法は、上記エチレン/
α−オレフィン共重合体を、白金パンに入れ、加熱し、
一度融解させた後、5℃/分の速度で−50℃まで冷却
させ、それから5℃/分の速度で昇温しながら吸熱およ
び発熱量を測定する方法で、示差走査熱量計(「DS
C」という)を用いて行われる。
【0026】上記示差走査熱量計としては、例えば、セ
イコー電子製;SSC5200型が挙げられる。
【0027】本発明で用いられる不飽和カルボン酸とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロ
トン酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられ、不飽
和カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられ
る。
【0028】上記不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸
無水物、(メタ)アクリル酸グリシジルは単独で用いて
もよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0029】上記不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸
無水物、(メタ)アクリル酸グリシジルの含有率は、小
さくなると、透明性および接着性が低下し、大きくなる
と引っ張り強度が低下するため5〜50重量%に限定さ
れる。
【0030】本発明で用いられるエチレン系共重合体
は、高圧法、乳化法などの公知の重合法、ポリエチレン
と上記不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、
(メタ)アクリル酸グリシジルなどを有機過酸化物と共
存させ加熱し、変性する方法で製造できる。
【0031】上記エチレン系共重合体のASTM 12
38−65Tで測定されるメルトインデックス(「M
I」という。以下単位「g/10分」を略す。)は、小
さくなると流動性が低下し、合わせ加工性が低下し、大
きくなると流動性が過剰になり、合わせ加工時に合わせ
ガラス用中間膜の厚みが減少するため、0.1〜100
が好ましい。
【0032】本発明の合わせガラス用中間膜には、エチ
レン/α−オレフィン共重合体、エチレン系共重合体の
劣化を防止する目的で、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤等を必要に応じて適宜添加されてもよい。
【0033】上記安定剤としては、例えば、ステアリン
酸カルシウム石鹸、ジアルカノール脂肪族第三級アミン
等が挙げられ、上記酸化防止剤としては、例えば、t−
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、チバガイギー
製;「イルガノックス1010」等が用いられ、上記紫
外線吸収剤としては、例えば、チバガイギー製;ベンゾ
トリアゾール系の「チヌビンp」、「チヌビン32
0」、「チヌビン326」、「チヌビン328」が用い
られ、アデカアーガス製のヒンダードアミン系の「LA
−57」、シプロ化成製のベンゾフェノン系の「シーソ
ーブ101」、「シーソーブ102」、「シーソーブ1
03」、「シーソーブ104」等が用いられる。
【0034】さらに、必要に応じて層(B)を構成する
エチレン系共重合体に一つ以上のアミノ基、グリシジル
基、メルカプト基を有するシランカップリング剤の群よ
り1種以上を選択して添加することができる。
【0035】上記シランカップリング剤としては、例え
ば、ジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、メルカプトメチルジメチルエトキシ
シラン、メルカプト、メチルメチルジエトキシシラン、
3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプ
トプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらは
単独で用いてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0036】本発明の合わせガラス用中間膜を製造する
方法としては、例えば、エチレン/α−オレフィン共重
合体と適宜添加される添加剤を混合し、押し出し法、プ
レス法、カレンダー法でシート化し層(A)を製造し、
エチレン系共重合体と適宜添加される添加剤を混合し、
同様にしてシ−ト化し層(B)を製造し、例えば、層
(B)/層(A)または(B)/層(A)/層(B)の
ように重ね、ラミネ−トロ−ルを用いて、加熱積層する
方法、2個以上のシリンダ−を有する押出機または2台
以上の押出機にシ−ト用金型を取り付け押し出しながら
積層する方法、層(A)両面に層(B)を塗工する方法
などが挙げられる。
【0037】本発明の合わせガラス用中間膜の層構成
は、基本的には、樹脂層(A)及び(B)からなる2層
構成であるが、3層以上の積層構成とされてもよいく、
3層以上の層構成が非対称であっても良い。
【0038】更に、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム、紙、金属薄膜等の合わせガラスの物性を損なわない
層(C)が積層されてもよい。ただし、ガラスと接する
層が層(B)であることが必要である。
【0039】上記3層以上の積層構成としては、例え
ば、下記の積層構成が挙げられる。
【0040】(1)層(B)/層(A)/層(B) (2)層(B)/層(A)/層(C)/層(A)/層
(B) (3)層(B)/層(A)/層(B)/層(C)/層
(B)/(A)/層(B)
【0041】本発明で用いられる層(A)の厚さは、薄
くなると得られる合わせガラスの耐衝撃性が低下し、厚
くなると得られる合わせガラスの透明性が低下するため
50〜900μmが好ましく、より好ましくは200〜
500μmであり、本発明で用いられる層(B)の厚さ
は、薄くなると得られる合わせガラスの耐衝撃性が低下
し、厚くなると得られる合わせガラスの透明性が低下す
るため、1〜100μmが好ましく、より好ましくは3
0〜70μmであり、本発明の合わせガラス用中間膜
は、層(A)と(B)が交互に積層されてなり、合わせ
ガラス用中間膜の全体としての厚さは、薄くなると得ら
れる合わせガラスの耐衝撃性が低下し、厚くなると得ら
れる合わせガラスの透明性が低下するため、100μm
〜1mmが好ましい。
【0042】本発明の合わせガラス用中間膜から合わせ
ガラスを製造する方法としては、例えば、あらかじめ洗
浄しておいたガラス板2枚の間に挟み込み、これをゴム
製の真空バックへ入れ、0〜20Torrの真空度で一
定時間脱気した後、脱気状態のまま80℃以上のオーブ
ンに移し、この温度で一定時間保持することにより合わ
せガラスを製造する。あるいは上記合わせガラス用中間
膜をガラス板2枚の間挟んだものを100℃以上に加熱
した加圧ゴムロールに一定時間通過させた後、オーブン
で加熱保持することにより合わせガラスを製造する。
【0043】本発明の合わせガラス用中間膜を用いて得
られる合わせガラスは、ガラス/合わせガラス用中間膜
/ガラスを基本とするが以下に示す層構成とすることも
できる。
【0044】(1)ガラス/合わせガラス用中間膜/ポ
リエステルフィルム/合わせガラス用中間膜/ガラス (2)ガラス/合わせガラス用中間膜/金属板/合わせ
ガラス用中間膜/ガラス/合わせガラス用中間膜/ポリ
ウレタンフィルム (3)ガラス/合わせガラス用中間膜/紙/合わせガラ
ス用中間膜/ガラス (4)ポリカーボネート板/合わせガラス用中間膜/ポ
リエステルフィルム/合わせガラス用中間膜/ポリカー
ボネート板 (5)アクリル板/合わせガラス用中間膜/金属板/合
わせガラス用中間膜/アクリル板/合わせガラス用中間
膜/ポリウレタンフィルム (6)アクリル板/合わせガラス用中間膜/紙/合わせ
ガラス用中間膜/アクリル板 等があげられる。
【0045】上記ポリエステルフィルムとしては、例え
ば、東レ製、商品名;ルミラ−、帝人製、商品名;テト
ロンフィルムなどが挙げられ、ポリウレタンフィルムと
しては、例えば、日本マタイ製、商品名;エスファン−
URS、上記アクリル板としては、三菱レ−ヨン製、商
品名;アクリライト、上記ポリカーボネート板として
は、例えば、三菱ガス化学、商品名;ユ−ピロシ−トが
挙げられる。
【0046】本発明の2で用いられるエチレン/α−オ
レフィン共重合体は本発明で用いられるものと同様のも
のである。
【0047】本発明の2で用いられる変性エチレン系共
重合体は、エチレン85〜95.5重量%と不飽和カル
ボン酸(無水物)および/または(メタ)アクリル酸グ
リシジル0.5〜15重量%からなる共重合体の塩素化
物であって、その塩素化度が5〜50重量%である。
【0048】上記共重合体の不飽和カルボン酸(無水
物)および/または(メタ)アクリル酸グリシジルの含
有量は、小さくなると、得られる合わせガラス用中間膜
の透明性および接着性が低下し、大きくなると、透明性
および引き裂き強度が低下するので0.5〜15重量%
に限定される。
【0049】上記共重合体のメルトインデックス(AS
TM123−65Tに準拠して測定される。単位g/1
0分)は、小さくなると、流動性が著しく低下し、合わ
せ加工性低下し、大きくなると流動性が過剰になり、合
わせ加工時に合わせガラス用中間膜の厚みが減少するた
め、0.1〜100であることが好ましい。
【0050】上記塩素化は、例えば、塩素ガスを用いた
熱塩素化、光塩素化などの公知の方法によって行われ
る。JIS K5580に準拠して測定される塩素度
は、小さくなると得られる合わせガラス用中間膜のガラ
スとの接着性が低下し、大きくなると、層(A)のエチ
レン/α−オレフィン共重合体との相溶性が低下し、透
明性が低下するため、5〜50重量%に限定される。
【0051】上記塩素化の方法としては、粉体の共重合
体を水に、ラウリル硫酸ナトリウムの様な分散剤を添加
し、懸濁し、塩素ガスを吹き込み、加熱および/または
紫外線を照射する方法が好ましく用いられる。
【0052】エチレン/α−オレフィン共重合体から層
(A)、上記変性エチレン系共重合体から層(B)を本
発明と同様にして成形し、積層し、合わせガラス用中間
膜を製造し、合わせガラスを製造する。
【0053】上記層(A)、層(B)には、本発明で層
(A)、層(B)に用いられると同様の安定剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤を添加する
ことができる。
【0054】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。尚、以下
「部」とあるのは「重量部」を意味する。
【0055】(実施例1) (層(A)の調製)4価の遷移金属を含むメタロセン化
合物を触媒として重合した密度0.885g/cm3
分子量分布2.1、クロス分別法によるT2 −T1 が2
3℃、示差熱分析によるT4 −T3 が16℃であるエチ
レン/α−オレフィン共重合体(エクソン・ケミカル
製;EXACT4011)を厚さ100μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルム2枚で挟着し、得られた挟
着体をプレス成型機を用いて温度150℃、圧力120
Kg/cm2 で30分間プレス成型し、厚さ300μm
の層(A)を調製した。 (層(B)の調製)メタクリル酸含有量10重量%のエ
チレン/メタクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケ
ミカル製;ニュクレルN010)を用いて、上記層
(A)の調製とと同様な方法により、厚さ50μmの層
(B)を調製した。 (合わせガラスの作製)得られた層(A)及び(B)を
挟着しているポリエチレンテレフタレート膜をそれぞれ
剥離して、予め洗浄しておいた2枚の厚さ3mmのフロ
ートガラス間に、上記層(A)及び層(B)を、層
(B)/層(A)/層(B)の構成で積層し、この積層
体をゴムバックへ入れ、10Torrの真空度で20分
間脱気した後、脱気状態のまま100℃のオーブンに移
し、この温度で10分間保持することにより、合わせガ
ラスを作製した。
【0056】(接着強度試験用合わせガラスの作製)上
記2枚のガラスの1枚をポリエチレンテレフタレートフ
ィルムに換え、接着強度試験用合わせガラスを作製し
た。
【0057】(実施例2)実施例1と同様のポリエチレ
ン樹脂を用いて、厚さ10μmの層(A)を作製した。
ポリエチレン(東ソー製;ニポロンーLF10)100
部、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン(日本油脂製;パーヘキ
サ3M)0.5部および無水マレイン酸20部を混合
し、混練し重量平均分子量75000、無水マレイン酸
含有量は2 0wt%のエチレン系共重合体を作製し
た。このエチレン系共重合体を用いて、実施例1と同様
にして厚さ10μm層(B)を調製した。
【0058】上記層(A)および層(B)を用いて、層
(B)/層(A)/層(B)の層構成で積層し、実施例
1と同様にして合わせガラスおよび接着強度測定用合わ
せガラスを作製した。
【0059】(実施例3)4価の遷移金属を含むメタロ
セン化合物を触媒として重合した密度0.922g/c
3 、分子量分布2.2、クロス分別法によるT2 −T
1 が12℃、示差熱分析によるT4 −T3 が4℃である
エチレン/α−オレフィン共重合体(エクソン・ケミカ
ル製;EXACT2009)を厚さ100μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム2枚で挟着し、得られた
挟着体をプレス成型機を用いて温度150℃、圧力12
0Kg/cm2 で30分間プレス成型し、厚さ380μ
mの層(A)を調製した。 (層(B)の調製)メチルメタクリル酸グリシジル含有
量12重量%のエチレン系共重合体(住友化学製;ボン
ドファ−ストE)を用いて、上記層(A)の調製と同様
な方法により、厚さ20μmの層(B)を調製した。 (合わせガラスの作製)上記で得られた層(A)及び
(B)を用いて実施例1と同様にして合わせガラスおよ
び接着強度測定用合わせガラスを作製した。
【0060】(実施例4)実施例1と同様にして層
(A)を調製した。 (層(B)の調製)実施例1と同様にして厚さ20μm
の層(B)を調製した。 (合わせガラスの作製)上記で得られた層(A)及び
(B)を用いて実施例1のガラスをポリカ−ボネ−ト板
(三菱ガス化学、商品名;ユ−ピロシ−ト)に換えた以
外は実施例1と同様にして合わせガラスおよび接着強度
測定用合わせガラスを作製した。
【0061】(実施例5)実施例1と同様にして厚み3
50μmの層(A)を調製した。 (層(B)の調製)実施例1と同様にして厚さ50μm
の層(B)を調製した。 (合わせガラスの作製)上記で得られた層(A)及び
(B)を用いて実施例1のガラスをアクリル板(三菱レ
−ヨン製、商品名;アクリライト)に換えた以外は実施
例1と同様にして合わせガラスおよび接着強度測定用合
わせガラスを作製した。
【0062】(実施例6)実施例1と同様にして厚み1
80μmの層(A)を調製した。 (層(B)の調製)実施例1と同様にして厚さ15μm
の層(B)を調製した。 (合わせガラスの作製)上記で得られた層(A)及び
(B)を用いて層構成を層(B)/層(A)/層(C)
/層(A)/層(A)とした以外は実施例1と同様にし
て合わせガラスおよび接着強度測定用合わせガラスを作
製した。
【0063】(比較例1) (樹脂層(A)の調製)実施例1と同様にして厚み35
0μmの層(A)を調製した。 (層(B)の調製)擢型撹拌機、温度制御用外部水ジャ
ケット、乾燥窒素、エチレンの調節機付供給装置、その
他の添加剤を導入するためのセプタム入口を装備した2
50ミリリットルのオートクレーブ反応器内を用い、反
応器の乾燥とガス抜きを充分に行った後、メタクリル酸
を0.6g、ジt−ブチルペルオキシド0.04gを反
応器に注入し、次に反応器を150℃に加熱し、圧力5
00×105 Paのエチレンを系内に導入後750×1
5 Paまで昇圧し、重合反応を30分間行い、反応系
を急速冷却と排気を行って反応を停止させ、生成ポリマ
−を回収した。(収率は10%であった。)このポリマ
−を赤外線分析法、化学分析法およびクロス分別法で調
べたところメタクリル酸を0.5重量%含有する、重量
平均分子量185000、分子量分布(重量平均分子量
/数平均分子量)2.67のエチレン/メタクリル酸共
重合体であった。得られたエチレン/メタクリル酸共重
合体を用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ50
μmの層(B)を調製した。
【0064】(合わせガラスの作製)上記で得られた層
(A)及び(B)を用いて実施例1と同様にして合わせ
ガラスおよび接着強度測定用合わせガラスを作製した。
【0065】(比較例2) (樹脂層(A)の調製)実施例1と同様にして厚さ38
0μmの層(A)を調製した。 (樹脂層(B)の調製)比較例1と同様の方法を用い
て、メタクリル酸の量を7gとしてメタクリル酸成分が
55重量%のエチレン/メタクリル酸共重合体合成し、
これを用いて実施例1同様にして厚さ20μmの層
(B)を調製した。 (合わせガラスの作製)上記で得られた層(A)及び
(B)を用いて実施例1と同様にして合わせガラスおよ
び接着強度測定用合わせガラスを作製した。その他の試
験等は実施例1と同様に行い、結果を表2に示した。
【0066】(比較例3)実施例1と同様にして得られ
た厚さ400μmの層(A)のみを合わせガラス用中間
膜とした以外は実施例1と同様にして合わせガラスおよ
び接着強度測定用合わせガラスを作製した。
【0067】(比較例4)酢酸ビニル含有量32重量%
のEVA(東ソー製;ウルトラセン750)を加水分解
し、鹸化度90モル%の部分鹸化物を得た。この部分鹸
化物180gと無水フタル酸104g及びピリジン40
ミリリットルとを1.5リットルのキシレン中に混合
し、110℃で4時間反応行った。得られた部分エステ
ル化物の組成を赤外線分析法及び化学分析法で調べたと
ころ、酢酸ビニル成分3.2重量%、ビニルアルコール
成分16.1重量%、フタル酸ビニル成分12.7重量
部%で残りはエチレン成分から成っていることが認めら
れた。
【0068】上記部分エステル化物を用いて実施例1と
同様の方法で、厚さ400μmの1層からなる合わせガ
ラス用中間膜を作製し、合わせガラスおよび接着強度測
定用合わせガラスを作製した。
【0069】(比較例5)酢酸ビニル含有量25重量%
のEVA(三井・デュポンポリケミカル製;EVAFL
EX360)100部、トリアリルイソシアヌレート
(日本化成製;タイク)3部、1,1−ビス(t−ブチ
ルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
(日本油脂製;パ−ヘキシル3M)1.0部およびγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.3部を
配合し、100℃に加熱したロールミルによって混練し
て混合物を調製した。
【0070】上記混合物を用いて、実施例1と同様の方
法で、1層からなる厚さ400μmの合わせガラス用中
間膜を作製し、合わせガラスおよび接着強度測定用合わ
せガラスを作製した。
【0071】実施例1〜6および比較例1〜3で用いら
れたエチレン/α−オレフィン共重合体の密度、分子量
分布、T1 、T2 、T2 −T1 、T3 、T4 、T4 −T
3 、エチレン系共重合体のエチレン以外の成分およびメ
ルトインデックス(以下「MI」という。)を表1に示
す。
【0072】
【表1】
【0073】実施例1〜6および比較例1〜5で得られ
た合わせガラスについて透明性試験、耐衝撃試験、冷熱
試験、耐湿試験および煮沸試験を行い、結果を表2に示
した。また、接着強度測定用合わせガラスについてピ−
ル強度試験を行い結果を表2に示した。
【0074】上記試験方法は、下記の通りである。な条
件により合わせガラスを作製した。各試験についても実
施例1と同様な条件で行い、結果を表2に示した。
【0075】(耐衝撃試験)JISR3205に準拠し
て実施した。すなわち、温度23℃、湿度50%で4時
間保持した合わせガラスを支持枠にて垂直に保持し、重
量45kg、最大径75mmの加撃体を30cmの高さか
ら振り子式に合わせガラスの中心に自由落下させた。破
壊部分に直径75mmの球が自由に通過できる開口を生
じた場合を×、開口部を生じなかった場合を○として示
した。
【0076】(透明性試験)東京電色製;積分式濁度計
を用い、温度23℃、湿度50%における全光線透過率
(%)及びヘイズ値(−)を測定した。なお、試験はn
=10で行った。
【0077】(ピ−ル強度試験)接着強度測定用合わせ
ガラスを幅2cm、長さ10cmにカットし、オリエン
テック社製、商品名;テンシロンUCE500を用いて
引っ張り速度500mm/分でガラス(以下ポリカ−ボ
ネ−ト板、アクリル板を含む。)と合わせガラス用中間
膜の間の90度ピール強度を測定した。
【0078】(冷熱試験)合わせガラスを70℃で2時
間放置した後、70℃からー20℃まで2時間かけて冷
却し、更にー20℃で2時間放置した後、ー20℃から
70℃まで2時間かけて昇温する工程を1サイクルとし
て10サイクル実施した後、ガラスと合わせガラス用中
間膜間の層剥離の有無を観察した。
【0079】(耐湿試験)合わせガラスを55℃、環境
相対湿度98%で2週間放置した後、ガラスと合わせガ
ラス用中間膜間の層剥離の有無を観察した。
【0080】(沸騰試験)合わせガラス沸騰水中に2時
間放置した後、ガラスと合わせガラス用中間膜間の層剥
離の有無を観察した。
【0081】
【表2】
【0082】(実施例7) (樹脂層(A)及び樹脂層(B)の調製)EXACT4
011を用いて実施例1と同様にして厚さ350μmの
樹脂層(A)を調製した。次に、擢型撹拌機、温度制御
用外部水ジャケット、乾燥窒素およびエチレンの調節機
付供給装置、その他の添加剤を導入するためのセプタム
入口を装備した250ミリリットルのオートクレーブ反
応器を用い、反応器の乾燥とガス抜きリを十分に行った
後、メタクリル酸を4.8g、ジ−t−ブチルペルオキ
シド0.04gを反応器に注入し、次に反応系を150
℃に加熱し、エチレン(500×105 Pa)を系内に
導入後750×105 Paまで昇圧した。重合反応を3
0分間行い、系の急速冷却と排気を行って反応を停止さ
せ、粉体状の生成ポリマーを回収した。(収率10%、
Mw=185000、重量平均分子量/数平均分子量=
2.67)得られた生成ポリマ−の組成を赤外線分析法
及び化学分析法で調べたところメタクリル酸成分が4重
量%で残りはエチレンのエチレン/メタクリル酸共重合
体であった。次いで粉体状のエチレンのエチレン/メタ
クリル酸共重合体100gとラウリル硫酸ナトリウム5
gを5リットルの耐圧容器内に入れ撹拌機により水中に
懸濁させ、この耐圧容器に塩素ガスをその圧力が常に
1.5kg/cm2 になるように導入しながら、80℃
で3時間塩素化反応を行い変性エチレン系共重合体を得
た。JIS K5580の方法で塩素度を測定したとこ
ろ、30重量%であった。変性エチレン系共重合体を、
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
2枚で挟着し、得られた挟着体をプレス成型機にて15
0℃、120Kg/cm2 で30分間プレス成形し、ポ
リエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、厚さ50
μmの層(B)を調製した。
【0083】(合わせガラスの作製)予め洗浄しておい
た2枚の3mm厚のフロートガラス間に、上記層(A)
及び層(B)を、層(B)/層(A)/層(B)の構成
で積層体を作成し、この積層体をゴムバックに入れ、1
0Torrの真空度で20分間脱気した後、脱気状態の
まま100℃のオーブンに移し、この温度で10分間保
持することにより、合わせガラスを作製した。
【0084】(接着強度測定用合わせガラスの作製)上
記2枚のガラスの1枚をポリエチレンテレフタレートフ
ィルムに換え、実施例1と同様にして接着強度測定用合
わせガラスを作製した。
【0085】(実施例8)実施例7のメタクリル酸に換
えて、無水マレイン酸を10.0g用い、塩素ガスの圧
力が常に1.0Kg/cm2 で、温度80℃で3時間塩
素化反応を行った。得られた変性エチレン系共重合体
は、無水マレイン酸含有量10重量%、塩素化度20重
量%であった。この変性エチレン系共重合体を用いて、
実施例7と同様にして、合わせガラスおよび接着強度測
定用合わせガラスを作製した。
【0086】(実施例9)EXACT2009を用い
て、実施例1と同様にして、厚さ380μmの層(A)
を調製した。次いで実施例7のメタクリル酸に換えて、
メタクリル酸グリシジルを3.0g用い、塩素ガスの圧
力が常に 1.0Kg/cm2 、温度80℃で2時間塩
素化反応を行った。得られた変性エチレン系共重合体の
組成はメタクリル酸グリシジル成分2重量%、塩素化度
15重量%であった。この変性エチレン系共重合体を用
いて、実施例7と同様にして、合わせガラスおよび接着
強度測定用合わせガラスを作製した。
【0087】(実施例10)実施例7と同様にしてエチ
レン/α−オレフィン共重合体を用いて、層(A)を調
製した。次いで、実施例7のメタクリル酸をメタクリル
酸2.4gとメタクリル酸グリシジル1.5gに換えた
以外は同様にして、温度80℃で2時間塩素化反応を行
った。得られた変性エチレン系共重合体の組成は、メタ
クリル酸成分2重量%、メタクリル酸グリシジル成分5
重量%、塩素化度15重量%であった。このこの変性エ
チレン系共重合体を用いて、実施例7と同様にして、合
わせガラスおよび接着強度測定用合わせガラスを作製し
た。
【0088】(実施例11)実施例7の層(A)、層
(B)の厚みをそれぞれ380μm、20μmとしガラ
スをポリカ−ボネ−ト板とした以外は、同様にして合わ
せガラスおよび接着強度測定用合わせガラスを作製し
た。
【0089】(実施例12)実施例7のガラスをアクリ
ル板とした以外は、同様にして合わせガラスおよび接着
強度測定用合わせガラスを作製した。
【0090】(実施例13)実施例7の層(A)、層
(B)の厚みをそれぞれ180μm、15μmとし、層
(C)を厚み10μmのポリエチレンテレフタレ−トフ
ィルムとし、層構成を層(B)/層(A)/層(C)/
層(A)/層(B)とした以外は、同様にして合わせガ
ラスおよび接着強度測定用合わせガラスを作製した。
【0091】(比較例6)実施例7と同様にして層
(A)を得た。次に実施例7と同様にして得られたエチ
レン/メタクリル酸共重合体100g、水2000g、
ラウリル硫酸ナトリウム5gを5リットルの耐圧容器内
に入れ撹拌機により懸濁させ、塩素ガスを、その圧力が
常に1.0kg/cm2 になるように導入しながら、7
0℃で0.5時間塩素化反応を行った。得られた変性エ
チレン系共重合体の塩素化度は、2重量%であった。こ
の変性エチレン系共重合体を用いて、実施例7と同様に
して、厚さ50μmの層(B)を調製し、合わせガラス
および接着強度測定用合わせガラスを作製した。
【0092】(比較例7)実施例7と同様にして厚さ3
80μmの層(A)を得た。次に実施例7と同様にして
得られたエチレン/メタクリル酸共重合体100g、水
2000g、ラウリル硫酸ナトリウム5gを5リットル
の耐圧容器内に入れ撹拌機により懸濁させ、塩素ガス
を、その圧力が1.5Kg/cm2 、温度90℃で4時
間塩素化反応を行った。得られた変性エチレン系共重合
体は、塩素化度60重量%であった。この変性エチレン
系共重合体を用いて、実施例7と同様にして、厚さ20
μmの層(B)を調製し、合わせガラスおよび接着強度
測定用合わせガラスを作製した。
【0093】(比較例8)実施例7のメタクリル酸を
0.4部とした以外は同様にして、メタクリル酸成分
0.3重量%の共重合体を得、塩素化度10重量%の変
性エチレン系共重合体を調製した。実施例7と同様にし
て厚さ380μmの層(A)、厚さ20μmの層(B)
を作成し、合わせガラスおよび接着強度測定用合わせガ
ラスを作製した。
【0094】実施例7〜13および比較例6〜8で用い
られたエチレン/α−オレフィン共重合体の密度、分子
量分布、T2 −T1 、T4 −T3 、変性エチレン系共重
合体のエチレン以外に由来する成分、塩素化度およびメ
ルトインデックス(以下「MI」という。)を表3に示
す。
【0095】
【表3】
【0096】実施例7〜13および比較例6〜8で得ら
れた合わせガラスについて、透明性試験、耐衝撃試験、
冷熱試験、耐湿試験および煮沸試験を行い、結果を表4
に示した。また、接着強度測定用合わせガラスについて
ピ−ル強度試験を行い結果を表4に示した。
【0097】
【表4】
【0098】上記試験方法は、前述の方法を用いた。
【0099】
【発明の効果】本発明の合わせガラス用中間膜は、以上
の通り、特定の密度のエチレン/α−オレフィン共重合
体からなる層、エチレンと不飽和カルボン酸(無水物)
および/または(メタ)アクリル酸グリシジルの共重合
体からなる層を交互に積層されてなるので従来の合わせ
加工時にオートクレーブを必要としない合わせガラス用
中間膜に比して、耐衝撃性、透明性、ガラスとの接着性
にすぐれた合わせガラス用中間膜が得られ、車輌用、建
築用に使用できる。本発明の2では、特定の密度のエチ
レン/α−オレフィン共重合体からなる層、エチレンと
不飽和カルボン酸(無水物)および/または(メタ)ア
クリル酸グリシジルの共重合体の塩素化物である変性エ
チレン系共重合体からなる層を交互に積層されてなるの
で従来の合わせ加工時にオートクレーブを必要としない
合わせガラス用中間膜に比して、耐衝撃性、透明性、ガ
ラスとの接着性にすぐれた合わせガラス用中間膜が得ら
れ、車輌用、建築用に使用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン/α−オレフィン共重合体からな
    る層(A)と、エチレン系共重合体からなる層(B)と
    が交互に積層され、且つ、最外層のうち少なくとも1層
    が層(B)とされる合わせガラス用中間膜であって、上
    記エチレン/α−オレフィン共重合体は、密度0.86
    0〜0.950g/cm3 、クロス分別法による10重
    量%溶出温度と100重量%溶出温度の差30℃以下、
    重量平均分子量/数平均分子量1.5〜3.5、示差熱
    分析による結晶融解ピークが1つで、該融解ピーク温度
    と全結晶融解終了温度との差20℃以下であり、上記エ
    チレン系共重合体がエチレン50〜95重量%と不飽和
    カルボン酸(無水物)および/または(メタ)アクリル
    酸グリシジル5〜50重量%からなることを特徴とする
    合わせガラス用中間膜。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエチレン系共重合体に代え
    て、エチレン85〜95.5重量%と不飽和カルボン酸
    (無水物)および/または(メタ)アクリル酸グリシジ
    ル0.5〜15重量%からなる共重合体の塩素化物であ
    って、その塩素含有量が5〜50重量%である変性エチ
    レン系共重合体を使用することを特徴とする合わせガラ
    ス用中間膜。
JP5557194A 1994-03-25 1994-03-25 合わせガラス用中間膜 Pending JPH07267693A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5557194A JPH07267693A (ja) 1994-03-25 1994-03-25 合わせガラス用中間膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5557194A JPH07267693A (ja) 1994-03-25 1994-03-25 合わせガラス用中間膜

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07267693A true JPH07267693A (ja) 1995-10-17

Family

ID=13002414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5557194A Pending JPH07267693A (ja) 1994-03-25 1994-03-25 合わせガラス用中間膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07267693A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997011986A1 (en) * 1995-09-28 1997-04-03 Norton Performance Plastics Corporation Thermoplastic interlayer film
WO1999004971A2 (en) * 1997-07-24 1999-02-04 Evergreen Solar, Inc. Encapsulant material for solar cell module and laminated glass applications
US6159608A (en) * 1995-09-28 2000-12-12 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Thermoplastic interlayer film
US6432522B1 (en) 1999-02-20 2002-08-13 Saint-Gobain Vitrage Transparent acoustical and mechanical barrier
JP2013537495A (ja) * 2010-07-30 2013-10-03 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 安全積層体用の架橋性材料

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997011986A1 (en) * 1995-09-28 1997-04-03 Norton Performance Plastics Corporation Thermoplastic interlayer film
US5792560A (en) * 1995-09-28 1998-08-11 Norton Performance Plastics Corporation Thermoplastic interlayer film
US6159608A (en) * 1995-09-28 2000-12-12 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Thermoplastic interlayer film
US6423170B1 (en) 1995-09-28 2002-07-23 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Thermoplastic interlayer film
WO1999004971A2 (en) * 1997-07-24 1999-02-04 Evergreen Solar, Inc. Encapsulant material for solar cell module and laminated glass applications
WO1999004971A3 (en) * 1997-07-24 1999-04-22 Evergreen Solar Inc Encapsulant material for solar cell module and laminated glass applications
US6187448B1 (en) 1997-07-24 2001-02-13 Evergreen Solar, Inc. Encapsulant material for solar cell module and laminated glass applications
JP2003524532A (ja) * 1997-07-24 2003-08-19 エバーグリーン ソーラー, インコーポレイテッド ソーラーセルモジュールおよび積層ガラスアプリケーションのためのカプセル材料
US6432522B1 (en) 1999-02-20 2002-08-13 Saint-Gobain Vitrage Transparent acoustical and mechanical barrier
JP2013537495A (ja) * 2010-07-30 2013-10-03 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 安全積層体用の架橋性材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101138095B (zh) 太阳能电池密封材料
TW201945190A (zh) 多層元件
JP5281584B2 (ja) プロピレン系重合体組成物
JP5344909B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物、太陽電池封止用シートおよび太陽電池
JP4722264B2 (ja) パウチ
KR20010052768A (ko) 에틸렌·α-올레핀공중합체, 그 조성물 및 그 필름 및그들을 이용한 용도
JP2011511875A (ja) エチレン/カルボン酸ビニルエステルコポリマーと官能性モノマーを含むポリオレフィンとをベースにした結合剤
JP4688247B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物、その製造方法および用途
US20130087198A1 (en) Electronic Device Module Comprising Heterogeneous Polyolefin Copolymer and Optionally Silane
JP3690867B2 (ja) 押出ラミネート成形用樹脂組成物
EP2650328A1 (en) Modified polypropylene composition and laminate using same
JP3702628B2 (ja) 化粧シート用フィルム
JPH07267693A (ja) 合わせガラス用中間膜
JP3686737B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれを用いた積層体
JP4027195B2 (ja) プリントラミネート製品
JP6635933B2 (ja) 合わせガラス及び合わせガラス用中間膜
JPH07267692A (ja) 合わせガラス用中間膜
JP4722263B2 (ja) パウチ
JP3730702B2 (ja) 包装材
JP4005977B2 (ja) フィルムおよびシーラント
JP4806286B2 (ja) ラミネート用熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP4439535B2 (ja) 積層フィルムの製造方法
JP2000053821A (ja) 極性基含有樹脂材料およびこれを用いた積層体
JPWO2019044267A1 (ja) 合わせガラス
JPH07267694A (ja) 合わせガラス中間膜