JPH07267689A - ポリマー被覆ガラス繊維およびその製造方法 - Google Patents

ポリマー被覆ガラス繊維およびその製造方法

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JPH07267689A
JPH07267689A JP6063782A JP6378294A JPH07267689A JP H07267689 A JPH07267689 A JP H07267689A JP 6063782 A JP6063782 A JP 6063782A JP 6378294 A JP6378294 A JP 6378294A JP H07267689 A JPH07267689 A JP H07267689A
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JP
Japan
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polymer
glass fiber
group
glass fibers
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JP6063782A
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English (en)
Inventor
Akira Yanagase
昭 柳ヶ瀬
Masaharu Fujimoto
雅治 藤本
Hideyuki Fujii
秀幸 藤井
Nobuhisa Takayama
暢久 高山
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い剛性あるいは高い耐衝撃性を有する成形
品を得る。 【構成】 ポリマー被覆ガラス繊維において、ガラス繊
維100重量部に対し0.1〜100重量部のポリマー
被覆成分がガラス繊維の表面を均質かつ平滑に被覆しか
つ被覆ポリマーがエポキシ基、カルボキシル基、アミド
基およびアミノ基から選ばれてなる少なくとも一種の官
能基を含有し、ガラス転移温度が40℃以上であること
を特徴とするポリマー被覆ガラス繊維とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマー被覆ガラス繊
維およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維強化材料は、その優れた機械
的特性、耐熱性あるいは成形加工性から、電気・電子分
野、OA機器分野など様々な産業分野において幅広く利
用されている。
【0003】しかしながら、一般にガラス繊維強化樹脂
材料はガラス繊維の複合化によりマトリクス樹脂の本来
有している靱性が大きく損なわれ、より高い耐衝撃性が
要求される分野には利用できないのが現状である。
【0004】ところで、ガラス繊維強化材料の靱性を向
上させる方法として、引き抜き成形法により3mm長以
上のガラス繊維を熱可塑性樹脂に含有させ賦形したガラ
ス長繊維や、ガラス繊維径を小さくさせたガラス繊維を
強化樹脂材料に用いる方法がある。しかしながら前者で
は、射出成形後のウエルド部の強度の低下やガラス繊維
長を保持するための金型構造上の制約が存在し、後者で
はガラス繊維の破断がより起こりやすくなることで機械
特性が低下する等、物性上十分満足するものを得るに至
っていない。
【0005】また、ガラス繊維強化樹脂に粒子状のゴム
成分を添加することにより靱性を改良する方法はよく用
いられるが、この方法では耐衝撃性を上げようとすると
ガラス繊維強化樹脂材料の本来有している剛性が著しく
低下してしまう欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ガラス繊維強化樹脂材
料の靱性を向上させる方法の一つとしてガラス繊維/マ
トリクス界面境界層に低弾性率の成分を導入する考え方
が佐藤らにより提案されている(J.Mat.Sci.,26,3891(1
991))。一方無機繊維表面にゴム層を付着させる方法と
しては、炭素繊維表面にアミン変性ニトリルゴム分散水
溶液により被覆する方法が提案されている。この方法で
は単繊維状被覆繊維は得られるものの端面も含めた均質
被覆形態を有する7mm長以下の繊維を得ることはでき
ず、また具体的な低弾性率の成分の導入方法や得られた
複合材料の物性等にについては明らかにされていない。
【0007】本発明者らは既に特願平5−65520号
において、ガラス繊維表面をゴム弾性率を示すポリマー
で均質に被覆し、かつ繊維間の癒着の少ないゴム被覆ガ
ラス繊維およびその製造方法を報告している。そのよう
なゴム被覆ガラス繊維を含む熱可塑性樹脂は従来のガラ
ス繊維含有樹脂組成物に比べて剛性においては同等かそ
れ以下であるが、靱性においては充分に満足できるもの
ではなかった。
【0008】しかしさらに鋭意検討を重ねた結果、被覆
ポリマーに、ガラス転移温度が40℃以上であるポリマ
ーを用いることによって得られるポリマー被覆ガラス繊
維を含む熱可塑性樹脂は、従来のガラス繊維含有樹脂組
成物に比べて、優れた靱性と剛性を有する成形品を得る
ことができることを見い出し、本発明に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の第1の
要旨は、ポリマー被覆ガラス繊維において、ガラス繊維
100重量部に対し0.1〜100重量部の被覆ポリマ
ーがガラス繊維の表面を均質かつ平滑に被覆しかつ被覆
ポリマーがエポキシ基、カルボキシル基、アミド基およ
びアミノ基から選ばれてなる少なくとも一種の官能基を
含有し、ガラス転移温度が40℃以上であることを特徴
とするポリマー被覆ガラス繊維にあり、第2の要旨は、
ビニル基、スチリル基、アリル基、メタクリル基、アク
リル基、メルカプト基およびアゾ基から選ばれた少なく
とも一種のグラフト活性点を有するガラス繊維上にガラ
ス転移温度が40℃以上であり、エポキシ基、カルボキ
シル基、アミド基およびアミノ基から選ばれてなる少な
くとも一種の官能基を含有する被覆ポリマーをビニル単
量体のラジカル重合により付着させることを特徴とする
ポリマー被覆ガラス繊維の製造方法にある。
【0010】本発明における被覆ポリマーとしては、ガ
ラス転移温度が40℃以上を示すものであれば限定され
るものではないが、ガラス繊維表面のグラフト活性点と
の反応性を考慮するとメチルメタクリレート、スチレ
ン、アクリロニトリル、アクリルアミド、4−フェニル
スチレン、グリシジルメタクリレート、(メタ)アクリ
ル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ア
リルメタクリレート、ジビニルベンゼン、エチレングリ
コールジメタクリレートから選ばれた少なくとも一種の
ビニル単量体であることが好ましい。
【0011】また被覆ポリマーの量は、ガラス繊維10
0重量部に対して0.1〜100重量部であることが好
ましい。0.1重量部未満では実質上ポリマーの被覆効
果が期待できず、また100重量部を越えた範囲では均
質な被覆形態を有するポリマー被覆ガラス繊維を得るこ
とが困難となる。さらに好ましくは0.1〜30重量部
である。
【0012】また、本発明におけるポリマー被覆ガラス
繊維の形状はそのアスペクト比が5以上でかつ繊維長さ
が7mm以下であることが好ましい。アスペクト比が5
未満の場合はガラス繊維の充填剤としての性能が低下す
る。つまりこれを熱可塑性樹脂と複合化させた樹脂組成
物から得られる成形品は充分な機械的特性を得ることが
できない。また繊維長さが7mmを越える場合は熱可塑
性樹脂との複合化に際しガラス繊維の破断が生じ、ポリ
マー成分が被覆されていない端面が生じることで得られ
る成形品の靱性が低下してしまう傾向がある。
【0013】本発明のポリマー被覆ガラス繊維は、表面
にラジカル重合用グラフト活性点を有するガラス繊維に
モノマー成分をラジカル重合することすることによって
製造することができる。
【0014】本発明のポリマー被覆ガラス繊維の製造に
おけるガラス繊維表面に導入するグラフト活性点は、特
に限定されるものではないが、ポリマー成分を構成する
ビニル単量体との反応性を考慮すると、ビニル基、スチ
リル基、メタクリル基、アクリル基、メルカプト基およ
びアゾ基から選ばれた少なくとも一種が好ましい。な
お、グラフト活性点をガラス繊維表面に導入する方法と
しては、ガラス繊維とグラフト活性点との結合力を考慮
するとグラフト活性基を有するアルコキシシラン、ジア
ルコキシシラン、トリアルコキシシラン、エポキシ化合
物、酸無水物およびハロゲン化炭化水素類から選ばれた
少なくとも一種とガラス繊維表面とを反応させる方法が
好ましい。
【0015】本発明において用いるポリマー被覆成分の
ビニル単量体の量は特に限定されるものではないが、均
質な被覆形態を有するポリマー被覆繊維を得るために
は、ガラス繊維100重量部に対し、ビニル単量体を
0.1〜120重量部用いることが好ましい。
【0016】本発明におけるポリマー成分のラジカル重
合は単量体、溶媒または水を媒体として、ガラス繊維を
分散させて行えばよいが、特に水を分散媒にした場合に
は効率よく繊維間の癒着を抑制することができる。
【0017】なお、グラフト重合後のポリマー被覆ガラ
ス繊維の回収を考慮すると、グラフト重合においてアニ
オン系、カチオン系およびノニオン系乳化剤のうち少な
くとも一種を含むことが好ましい。上記の乳化剤は、ラ
ジカル重合において非グラフトポリマー重合体を微粒化
させる機能を有し、重合後の回収の際この非グラフト重
合体を濾別によりポリマー被覆ガラス繊維から除去する
ことができるからである。
【0018】本発明のポリマー被覆ガラス繊維は、従来
のガラス繊維と同様の方法で熱可塑性樹脂と複合化する
ことができる。得られたポリマー被覆ガラス繊維含有樹
脂組成物は、従来のガラス繊維含有樹脂組成物に比べ靱
性と剛性が大きく向上し、優れた物性バランスを示す。
【0019】また、本発明のポリマー被覆ガラス繊維は
熱可塑性樹脂であれば限定されることなく複合化するこ
とができるが、特に得られる複合樹脂組成物の靱性と剛
性のバランスを考慮すると、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、6−ナイロン、6,
6−ナイロン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリスチレン、ポリプロピレンおよびA
BSから選ばれた少なくとも一種である熱可塑性樹脂で
あることが好ましい。
【0020】本発明のポリマー被覆ガラス繊維を利用し
た樹脂組成物は、射出成形、プレス成形、中空成形、カ
レンダ成形等の様々な加工法によって目的の成形品とさ
れ、その優れた剛性、機械強度、耐衝撃性を活かした用
途に使用することができるが、特に耐衝撃性と剛性の優
れたバランスは、成形品の薄肉化、軽量化などの観点か
ら有利である。
【0021】さらに本発明のポリマー被覆ガラス繊維を
利用した樹脂組成物では、比較的少ないポリマー量で靱
性と剛性の両方の改良が可能であるため、従来の粒子状
ポリマーを用いた場合と比べ耐熱性および耐薬品性の観
点からも有利となる。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0023】なお、以下の実施例におけるポリマー被覆
ガラス繊維の分析およびポリマー被覆ガラス繊維含有樹
脂組成物の樹脂特性の測定法は次の通りである。
【0024】1)ポリマー付着率の測定:陶器製るつぼ
にポリマー被覆ガラス繊維を秤量(M0)し、これを約
700℃で焼成後、残存量(M1)を秤量する。ポリマ
ー付着率は、次式に準じて算出した。
【0025】ポリマー付着率(wt%対GF)=(M0
−M1)/M1×100 2)ポリマー被覆形態の観察:走査型電子顕微鏡を用い
てポリマー被覆ガラス繊維のポリマー被覆形態を観察し
た。
【0026】3)曲げ試験:ASTM D−790に準
じて測定した。なお、測定条件は、温度23℃、湿度5
0%RHであった。
【0027】4)アイゾット衝撃試験:ASTM D−
256に準じて測定した。なお、測定条件は、試験片厚
さ3.2mm、温度23℃、湿度50%RHであった。
【0028】また、以下の実施例、比較例において使用
される「部」は全て重量部である。
【0029】実施例1 試薬注入容器、冷却管および攪拌装置を備えた2.0l
容の反応器内に、エチルアルコール1000部、酢酸1
5部およびシランカップリング剤(信越シリコーン
(株)製 KBM−503)20部を入れ、2時間室温
にて反応した。次いで、ガラス繊維(日本電気硝子
(株) EPG−70M−01N)を500部投入し、
エバポレーションにより反応物を回収した。得られた反
応物を熱風乾燥器いて 95℃下で5時間熱処理した
後、水続いてアセトンにて洗浄を行い、濾過回収した後
70℃にて一晩真空乾燥した。
【0030】次に、試薬注入容器、冷却管、ジャケット
加熱器および攪拌装置を備えた2.0l容の反応器内
に、上記のシランカップリング剤処理ガラス繊維192
部、水668.2部および乳化剤(花王アトラス(株)
製 ネオペックスNo.6) 2.2部を入れ、窒素
気流下で十分攪拌した。次に硫酸第一鉄0.0024
部、エチレンジアミンテトラ酢酸0.0072部および
ロンガリッドC0.572部を水50部に溶解させた水
溶液を試薬注入容器から添加した後、60℃まで昇温し
た。続いてメタクリル酸メチル71.28部、グリシジ
ルメタクリレート 23.76部アリルアクリレート
0.96部およびクメンハイドロパーオキサイド0.4
32部の混合容液を窒素置換後試薬注入容器から毎分
4.8mlの速度で反応器中に適下した。適下終了時か
ら時間後に反応器を冷却し、内容物を濾過回収した。得
られた生成物は水洗後、80℃にて一晩熱風乾燥した。
【0031】以上のようにして得られた生成物の表面状
態を走査型電子顕微鏡にて観察した。これより、ポリマ
ー成分がガラス繊維を被覆した形態が観察された。ま
た、被覆表面は平滑でかつ繊維間の癒着は全く観察され
なかった。
【0032】また、該ポリマー被覆ガラス繊維のポリマ
ー付着率を測定した。
【0033】以上のポリマー被覆ガラス繊維の調製条件
および結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 実施例1に準拠して、用いたモノマーの組成をメタクリ
ル酸メチル47.52部、グリシジルメタクリレート4
7.52部、アリルアクリレート 0.96部およびク
メンハイドロパーオキサイド0.432部に変更し得ら
れた生成物の表面状態を、走査型電子顕微鏡にて観察し
た。これより、ポリマー成分がガラス繊維を被覆した形
態が観察された。また、被覆表面は平滑でかつ繊維間の
癒着は全く観察されなかった。
【0036】また、該ポリマー被覆ガラス繊維のポリマ
ー付着率を測定した。
【0037】以上のポリマー被覆ガラス繊維の調製条件
および結果を表1に示す。
【0038】実施例3 実施例1に準拠して、用いたモノマーの組成をグリシジ
ルメタクリレート95.04部、アリルアクリレート
0.96部およびクメンハイドロパーオキサイド0.4
32部に変更し得られた生成物の表面状態を、走査型電
子顕微鏡にて観察した。これより、ポリマー成分がガラ
ス繊維を被覆した形態が観察された。また、被覆表面は
平滑でかつ繊維間の癒着は全く観察されなかった。
【0039】また、該ポリマー被覆ガラス繊維のポリマ
ー付着率を測定した。
【0040】以上のポリマー被覆ガラス繊維の調製条件
および結果を表1に示す。
【0041】比較例1 実施例1に準拠して、用いたモノマーの組成をブチルア
クリレート48.00部、グリシジルメタクリレート4
8.00部、アリルアクリレート0.96部およびクメ
ンハイドロパーオキサイド0.432部に変更し得られ
た生成物の表面状態を、走査型電子顕微鏡にて観察し
た。これより、ポリマー成分がガラス繊維を被覆した形
態が観察された。また、被覆表面は平滑でかつ繊維間の
癒着は全く観察されなかった。
【0042】また、該ポリマー被覆ガラス繊維のポリマ
ー付着率を測定した。
【0043】以上のポリマー被覆ガラス繊維の調製条件
および結果を表1に示す。
【0044】比較例2 実施例1に準拠して、用いたモノマーの組成をメチルメ
タクリレート48.00部、グリシジルメタクリレート
48.00部、アリルアクリレート0.96部およびク
メンハイドロパーオキサイド0.432部に変更し得ら
れた生成物の表面状態を、走査型電子顕微鏡にて観察し
た。これより、ポリマー成分がガラス繊維を被覆した形
態が観察された。また、被覆表面は平滑でかつ繊維間の
癒着は全く観察されなかった。
【0045】また、該ポリマー被覆ガラス繊維のポリマ
ー付着率を測定した。
【0046】以上のポリマー被覆ガラス繊維の調製条件
および結果を表1に示す。
【0047】実施例4 実施例1で調製したポリマー被覆ガラス繊維30.8部
およびポリブチレンテレフタレート(三菱レイヨン
(株)製 タフペットPBT N1010)69.2部
をビニール袋中で混合した後、この混合物をバレル、単
軸スクリューおよびダイスを備えた押し出し機にて、バ
レル温度250℃で押し出し、ストランド状の樹脂組成
物を得た。
【0048】該組成物をASTM D−790およびD
−256に準拠した試験片用金型シリンダバレル、スク
リューを備えた射出成形機にて、シリンダ温度250℃
金型温度60℃の条件で射出成形を行い、得られた曲げ
試験およびアイゾット衝撃試験用試験片を用いて、曲げ
試験およびアイゾット衝撃試験を行った。
【0049】以上の混合仕込み条件および物性測定結果
を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】実施例5 実施例4に準拠して、実施例2で調製したポリマー被覆
ガラス繊維を用いて、曲げ試験およびアイゾット衝撃試
験を行った。
【0052】混合仕込み条件および物性測定結果を表2
に示す。
【0053】実施例6 実施例4に準拠して、実施例3で調製したポリマー被覆
ガラス繊維を用いて、曲げ試験およびアイゾット衝撃試
験を行った。
【0054】混合仕込み条件および物性測定結果を表2
に示す。
【0055】比較例3 ガラス繊維(日本電気硝子(株)製 EPG−70M−
01N)30部およびポリブチレンテレフタレート(三
菱レイヨン(株)製 タフペットPBTN101)70
部をビニール袋中で混合した後、この混合物をバレル、
単軸スクリューおよびダイスを備えた押し出し機にて、
バレル温度250℃で押し出し、ストランド状の樹脂組
成物を得た。
【0056】該組成物をASTM D−790およびD
−256に準拠した試験片用金型シリンダバレル、スク
リューを備えた射出成形機にて、シリンダ温度250℃
金型温度60℃の条件で射出成形を行い、得られた曲げ
試験およびアイゾット衝撃試験用試験片を用いて、曲げ
試験およびアイゾット衝撃試験を行った。
【0057】以上の混合仕込み条件および物性測定結果
を表2に示す。
【0058】比較例4 比較例3に準拠して、ガラス繊維(日本電気硝子(株)
製 EPG−70M−70E)を用いて、曲げ試験およ
びアイゾット衝撃試験を行った。
【0059】混合仕込み条件および物性測定結果を表2
に示す。
【0060】比較例5 実施例4に準拠して、比較例1で調製したポリマー被覆
ガラス繊維を用いて、曲げ試験およびアイゾット衝撃試
験を行った。
【0061】混合仕込み条件および物性測定結果を表2
に示す。
【0062】比較例6 実施例4に準拠して、比較例2で調製したポリマー被覆
ガラス繊維を用いて、曲げ試験およびアイゾット衝撃試
験を行った。
【0063】混合仕込み条件および物性測定結果を表2
に示す。
【0064】比較例7 メチルメタクリレート47.52部、グリシジルメタク
リレート47.52部、アリルメタクリレート0.96
部を乳化重合法によって重合させた粒子状のグラフトポ
リマー0.9部、ガラス繊維(日本電気硝子(株)製
EPG−70M−01N)30部およびポリブチレンテ
レフタレート(三菱レイヨン(株)製タフペットPBT
N1010)69.1部をビニール袋中で混合した
後、この混合物をバレル、単軸スクリューおよびダイス
を備えた押し出し機にて、バレル温度250℃で押し出
し、ストランド状の樹脂組成物を得た。
【0065】該組成物をASTM D−790およびD
−256に準拠した試験片用金型シリンダバレル、スク
リューを備えた射出成形機にて、シリンダ温度250℃
金型温度60℃の条件で射出成形を行い、得られた曲げ
試験およびアイゾット衝撃試験用試験片を用いて、曲げ
試験およびアイゾット衝撃試験を行った。
【0066】以上の混合仕込み条件および物性測定結果
を表2に示す。
【0067】実施例および比較例より次のことが明らか
になった。
【0068】1)実施例1〜3のように、表面にラジカ
ル重合用グラフト活性点を有するガラス繊維の存在下で
モノマー成分をラジカル重合することによって、均質な
表面形態を有しかつ被覆ポリマーのガラス転移温度が4
0℃以上であるようなポリマー被覆ガラス繊維が得られ
る。
【0069】2)本発明に係る製造法によって調製した
ポリマー被覆ガラス繊維は均質かつ平滑な被覆形態を有
し、また繊維間の癒着が少ないので通常の混合装置によ
って熱可塑性樹脂と複合化させることができる。
【0070】3)実施例4、5、6で得られた本発明に
係るポリマー被覆ガラス繊維含有樹脂組成物は優れた剛
性、靱性のバランスを示す。
【0071】4)比較例3のように未処理ガラス繊維を
用いた場合、剛性、靱性のバランスは低い。比較例4の
ようにシランカップリング剤処理済みのガラス繊維を用
いた場合、剛性が劣る。
【0072】5)比較例5のように、被覆ポリマーのガ
ラス転移温度が比較的低いガラス繊維を用いた場合、剛
性が劣る。比較例6のように被覆ポリマー成分にグリシ
ジルメタクリレートを含まない場合にも被覆ポリマーの
ガラス転移温度は40℃以上であり剛性の向上がみられ
るが、さらに実施例4,5,6のように被覆ポリマー成
分にグリシジルメタクリレートを含む場合には剛性の向
上に加えて靱性の向上もみられる。
【0073】6)比較例7のように粒子状ポリマーを添
加した場合は、靱性の向上はみられるものの剛性、靱性
のバランスは低いレベルとなる。
【0074】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおりであり、次
のように特別に顕著な効果を奏し、その産業上の利用価
値は極めて大である。
【0075】1)本発明の製造方法によって調製したポ
リマー被覆ガラス繊維は均質かつ平滑な被覆形態を有し
ており、通常の手法により容易に熱可塑性樹脂と複合化
できる。
【0076】2)このようにして得られたポリマー被覆
ガラス繊維含有樹脂組成物は剛性と靱性のバランスに優
れ、従来材料では使用困難であった。高い剛性あるいは
高い耐衝撃性の要求される用途に利用することができる
ばかりではなく成形品の薄肉化軽量化が図れるなど目的
とする成形物のデザイン上の自由度が広がる。
【0077】3)本発明のポリマー被覆ガラス繊維の製
造法は工業的に非常に有利な水中での乳化ラジカル重合
によって行うことができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【表2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】比較例5 実施例4に準拠して、比較例2で調製したポリマー被覆
ガラス繊維を用いて、曲げ試験およびアイゾット衝撃試
験を行った。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】比較例6 実施例4に準拠して、比較例1で調製したポリマー被覆
ガラス繊維を用いて、曲げ試験およびアイゾット衝撃試
験を行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 暢久 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー被覆ガラス繊維において、ガラ
    ス繊維100重量部に対し0.1〜100重量部の被覆
    ポリマーがガラス繊維の表面を均質かつ平滑に被覆しか
    つ被覆ポリマーがエポキシ基、カルボキシル基、アミド
    基およびアミノ基から選ばれてなる少なくとも一種の官
    能基を含有し、ガラス転移温度が40℃以上であること
    を特徴とするポリマー被覆ガラス繊維。
  2. 【請求項2】 ビニル基、スチリル基、アリル基、メタ
    クリル基、アクリル基、メルカプト基およびアゾ基から
    選ばれた少なくとも一種のグラフト活性点を有するガラ
    ス繊維上にガラス転移温度が40℃以上であり、エポキ
    シ基、カルボキシル基、アミド基およびアミノ基から選
    ばれてなる少なくとも一種の官能基を含有する被覆ポリ
    マーをビニル単量体のラジカル重合により付着させるこ
    とを特徴とするポリマー被覆ガラス繊維の製造方法。
JP6063782A 1994-03-31 1994-03-31 ポリマー被覆ガラス繊維およびその製造方法 Pending JPH07267689A (ja)

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