JP2022117664A - 鎖長延長剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、熱可塑性樹脂、特にアミド系重合体への優れた分散安定性を有すると共に、熱可塑性樹脂の成形性を向上することができる、耐熱性に優れた鎖延長剤を提供することを目的とする。【解決手段】オキサゾリン基またはエポキシ基含有単量体由来の構造単位が1質量%以上50質量%以下、シアン化ビニル系単量体由来の構造単位が1質量%以上50質量%以下、およびその他単量体由来の構造単位が50質量%以上95質量%以下である共重合体含有鎖延長剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、鎖長延長剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、例えば、アミド系重合体の成形性向上に有用な鎖長延長剤および樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂は、軽く、加工特性に優れるため、自動車部材、電気・電子部材、事務機器ハウジング、精密部品等の多方面に広く使用されている。中でもアミド系重合体は、自動車用、電気及び電子用、産業資材用、工業材料用、日用及び家庭品用などの各種部品材料として広く用いられている。
自動車産業において、環境に対する取り組みとして、排出ガス低減のために、金属代替による車体軽量化の要求がある。該要求に応えるために、外装材料や内装材料などにポリアミドが一段と用いられる様になり、アミド系重合体に対する耐熱性のレベルは一層向上している。中でも、エンジンルーム内の温度も上昇傾向にあるため、アミド系重合体に対する高耐熱化の要求が強まっている。
例えば特許文献1には、(A)(a)少なくとも50モル%の脂環族ジカルボン酸を含むジカルボン酸と(b)少なくとも50モル%の主鎖から分岐した置換基を持つジアミンを含むジアミンとを重合させたポリアミドと、(B)非晶性高分子量体と、を含有する、ポリアミド組成物が記載されている。
特許文献2には、ジアミン単位とジカルボン酸単位からなり、該ジアミン単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミン単位であり、該ジカルボン酸単位の70モル%以上が炭素数4~20のα,ω-直鎖脂肪族ジカルボン酸単位とイソフタル酸単位のモル比が30:70~95:5である混合ジカルボン酸単位である、溶融重縮合により得られた重合体Aを、重合体Aに対して1~30重量%の水の存在下、かつ、70~120℃で0.5~4時間維持することにより結晶化し、次いで、不活性ガス雰囲気中または減圧下で、重合体Aの融点-50℃~重合体Aの融点-10℃の温度で1~12時間加熱処理して得られたことを特徴とするポリアミド樹脂が記載されている。
特開2011-057798 特開2006-045528
耐熱性が求められる熱可塑性樹脂、特にアミド系重合体において、耐熱性向上に寄与する置換基を有する単量体を用いて重合することは有用であるものの、分子量が上がりにくいなどの理由から強度が十分ではないことなどにより、成形性が不足するという課題が判明した。一方、分子量を増加させるために鎖延長剤を添加した場合、未反応の鎖延長剤の相分離により、やはり強度が十分とはならないことなどにより、成形性が不足するという課題が判明した。
本発明の目的は、アミド系重合体の耐熱性を維持しながら、成形性を向上することができる鎖延長剤を提供することである。
発明者らは、上記のような問題点に鑑み検討を行い、オキサゾリン基またはエポキシ基含有単量体由来の構造単位が1質量%以上50質量%以下、シアン化ビニル系単量体由来の構造単位が1質量%以上50質量%以下、およびその他単量体由来の構造単位が50質量%以上95質量%以下である共重合体含有鎖延長剤が熱可塑性樹脂、特にアミド系重合体の耐熱性を損なうことなく、成形性を向上させることに有効であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、熱可塑性樹脂、特にアミド系重合体の鎖延長剤として好ましく使用することができ、効率よく鎖延長が可能となり、熱可塑性樹脂強度向上、成形性向上も可能となる鎖延長剤を提供できる。また、本発明の鎖延長剤は耐熱性に優れ、かつ、アミド系重合体に対する分散性に優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、これ以降の説明において特に記載がない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を、それぞれ意味し、範囲を示す「A~B」は、A以上B以下であることを示す。また、本発明において、「(メタ)アクリレ-ト」は、「アクリレ-ト」または「メタクリレ-ト」を意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を意味する。
本明細書において、「樹脂」の語は、重合体よりも広い概念を示す。樹脂は、1種又は2種以上の重合体を含んでいてもよく、必要に応じて、重合体以外の材料をさらに含んでいてもよい。
本開示の鎖延長剤とは、他の重合体に添加した際に他の重合体の分子量を増加させうることができる化合物を意味する。例えば、アミド系重合体の末端カルボン酸基と反応して高分子量化(分子鎖の延長)して成形加工性を向上させる剤である。
[本開示の鎖延長剤]
<本開示の共重合体>
本開示の鎖延長剤は、オキサゾリン基および/またはエポキシ基含有単量体由来の構造単位およびシアン化ビニル系単量体由来の構造単位を有する共重合体(以下、本開示の共重合体とも言う)を含む。本開示の共重合体は、オキサゾリン基またはエポキシ基含有単量体と、シアン化ビニル系単量体を含む単量体成分を重合してなる共重合体であることが好ましい。
なお、本開示において、オキサゾリン基および/またはエポキシ基含有単量体由来の構造単位とは、通常は、オキサゾリン基および/またはエポキシ基含有単量体に含まれる不飽和結合の少なくとも1つが、炭素炭素単結合などの飽和結合に置き換わった構造を有する構造単位(以下、構造単位Aとも言う)をいう。なお、構造単位Aは、オキサゾリン基および/またはエポキシ基含有単量体が重合することにより形成された構造単位に限定されず、構造単位Aと構造が同一であれば、合成的手法などの別の方法により形成された構造単位であっても良い。シアン化ビニル系単量体由来の構造単位、後述するその他の単量体も同様に、それぞれの単量体に含まれる不飽和結合の少なくとも1つが、炭素炭素単結合などの飽和結合に置き換わった構造を有する構造単位(以下、それぞれ構造単位B、構造単位Cとも言う)をいう。
本開示において、オキサゾリン基および/またはエポキシ基含有単量体としては、オキサゾリン基含有単量体とエポキシ基含有単量体とが挙げられる。
本開示において、オキサゾリン基含有単量体は、少なくとも1つのオキサゾリン基と、少なくとも1つの重合性の不飽和結合とを有する化合物である。本開示のオキサゾリン基含有単量体としては、例えば、ビニルオキサゾリン類{例えば、ビニルオキサゾリン(2-ビニル-2-オキサゾリンなど)、置換基を有するビニルオキサゾリン[例えば、アルキル-ビニルオキサゾリン(例えば、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4,4-ジメチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-エチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-プロピル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-ブチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-エチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-プロピル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-ブチル-2-オキサゾリンなどのC1-20アルキル-ビニルオキサゾリン、好ましくはC1-10アルキル-ビニルオキサゾリン、さらに好ましくはモノ又はジC1-4アルキル-ビニルオキサゾリン)など]など}、イソプロペニルオキサゾリン類{例えば、イソプロペニルオキサゾリン(2-イソプロペニル-2-オキサゾリンなど)、置換基を有するイソプロペニルオキサゾリン[例えば、アルキル-イソプロペニルオキサゾリン(例えば、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4,4-ジメチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-エチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-プロピル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-ブチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-プロピル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-ブチル-2-オキサゾリンなどのC1-20アルキル-イソプロペニルオキサゾリン、好ましくはC1-10アルキル-イソプロペニルオキサゾリン、さらに好ましくはモノ又はジC1-4アルキル-イソプロペニルオキサゾリン)など]など}、これらに対応するアリルオキサゾリン類などが挙げられる。
これらの中でも、イソプロペニルオキサゾリン類が好ましく、特に、2-イソプロペニル-2-オキサゾリンが好ましい。
オキサゾリン基含有単量体は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
本開示のエポキシ基含有単量体としては、エポキシ基および共重合性の不飽和結合を有する単量体である。ただし、本開示において、エポキシ基とオキサゾリン基の両方を含む単量体については、オキサゾリン基含有単量体に含まれるものとする。エポキシ基含有単量体は、接着性および耐熱性を具備しつつ、折り曲げ性に優れた接着剤層を形成する観点から、一分子中にエポキシ基を1個有する単官能のエポキシ基含有単量体であることが好ましい。エポキシ基含有単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、ビニル基含有グリシジルエーテルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのエポキシ基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート〔(メタ)アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル〕、モノグリシジルイタコネート〔イタコン酸モノグリシジルエステル〕、モノグリシジルブテントリカルボネート〔ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステル〕などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの不飽和カルボン酸グリシジルエステルは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。ビニル基含有グリシジルエーテルとしては、例えば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテルなど挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのビニル基含有グリシジルエーテルは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。エポキシ基含有単量体のなかでは、接着性、耐熱性および折り曲げ性を向上させる観点から、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
本開示のシアン化ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトニル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニトリルなどが挙げられ、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。
本開示の共重合体におけるオキサゾリン基含有単量体由来の構造単位の含有割合は、熱可塑性樹脂、特にアミド系重合体の鎖延長剤として使用した際に、効率よく鎖延長が可能となり、熱可塑性樹脂強度向上、成形性向上の観点から、共重合体中に1質量%以上(例えば、5質量%以上)が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、重合性の観点から、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
本開示の共重合体におけるエポキシ基含有単量体由来の構造単位の含有割合は、熱可塑性樹脂、特にアミド系重合体の鎖延長剤として使用した際に、効率よく鎖延長が可能となり、熱可塑性樹脂強度向上、成形性向上の観点から、共重合体中に1質量%以上(例えば、5質量%以上)が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、重合性の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
なお、本開示において、オキサゾリン基および/またはエポキシ基含有単量体由来の構造単位としては、オキサゾリン基含有単量体由来の構造単位を必須として含むことが好ましい。オキサゾリン基含有単量体由来の構造単位を必須として含むことにより、より効率よく鎖延長が可能となる傾向にあり、相分離も抑制される傾向にある。
本開示のシアン化ビニル系単量体由来の構造単位の含有割合は、熱可塑性樹脂、特にアミド系重合体の鎖延長剤として使用した際に、熱可塑性樹脂との分散性の観点から、共重合体中に1質量%以上(例えば、5質量%以上)が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、重合性の観点から、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
本開示の鎖延長剤は、オキサゾリン基またはエポキシ基含有単量体由来の構造単位およびシアン化ビニル系単量体由来の構造単位以外のその他単量体由来の構造単位を有していても良い。その他単量体由来の構造単位とは下記に記載のその他単量体を重合して成る構造単位である。
その他単量体としては、例えば、アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体、カルボキシル基含有単量体、芳香族ビニル単量体、マレイミド基含有単量体、アミド基含有単量体、N-置換(メタ)アクリルアミド単量体、オレフィン系単量体、ハロゲン含有単量体などが挙げられ、アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族ビニル単量体、マレイミド基含有単量体が好ましく、耐熱性の観点から、芳香族ビニル単量体がより好ましい。
アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、炭素数が1~20の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体などが挙げられる。
アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどが挙げられる。前記アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体は、単独で、又は2種以上組み合せて用いてもよい。
アルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、炭素数が1~14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン、ジメチルスチレン、tert-メチルスチレン、α-クロロスチレン、β-クロロスチレンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの芳香族ビニル単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。芳香族ビニル単量体は、ベンゼン環にメチル基、tert-ブチル基などのアルキル基、ニトロ基、ニトリル基、アルコキシル基、アシル基、スルホン基、ヒドロキシル基などの官能基が存在していてもよい。芳香族ビニル単量体のなかでは、耐熱性、低誘電性の観点から、スチレンが好ましい。なお、芳香族ビニル単量体には、本発明の目的が阻害されない範囲内で芳香族ビニル単量体のオリゴマーが含まれていてもよい。
マレイミド基含有単量体としては、例えば、マレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-プロピルマレイミド、N-イソプロピルマレイミド、N-ブチルマレイミド、N-sec-ブチルマレイミド、N-tert-ブチルマレイミド、N-アミルマレイミド、N-ヘキシルマレイミド、N-ヘプチルマレイミド、N-オクチルマレイミド、N-ノニルマレイミド、N-デシルマレイミド、N-デシルマレイミド、N-ウンデシルマレイミド、N-ドデシルマレイミド(N-ラウリルマレイミド)、N-トリデシルマレイミド、N-テトラデシルマレイミド、N-ペンタデシルマレイミド、N-ヘキサデシルマレイミド、N-ヘプタデシルマレイミド、N-オクタデシルマレイミド(N-ステアリルマレイミド)、N-ノナデシルマレイミド、N-アリルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-ヒドロキシフェニルマレイミド、N-メチルフェニルマレイミド、N-ジメチルフェニルマレイミド、N-エチルフェニルマレイミド、N-ジエチルフェニルマレイミド、N-フェニルメチルマレイミド、N-メトキシフェニルマレイミド、N-クロロフェニルマレイミド、N-ジクロロフェニルマレイミド、N-トリクロロフェニルマレイミド、N-トリブロモフェニルマレイミドなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのマレイミド基含有単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルなどのが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、ビニル安息香酸などのカルボキシル基含有単量体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本開示の芳香族ビニル単量体由来の構造単位の含有割合は、耐熱性向上させる観点から、共重合体100質量部に対して50量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、熱可塑性樹脂、特にアミド系重合体との分散性の観点から、95質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。
本開示の芳香族ビニル単量体由来の構造単位の含有割合は、耐熱性向上させる観点から、その他単量体由来の構造単位100質量部に対して70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%がさらに好ましく、100質量%であっても良い。
本開示の共重合体(不揮発分)のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限されないが、耐熱性の観点から、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましく、110以上が特に好ましいく、作業性の観点から200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。
ガラス転移温度は、示差熱量測定法により測定することができるが、以下のFox式から見積もったものであってもよい。
Figure 2022117664000001
計算式(1)中、Tg’は、重合体のTg(絶対温度)である。W’、W’、・・・W’は、全単量体成分に対する各単量体の質量分率である。T、T、・・・Tは、それぞれ各単量体成分からなるホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度(絶対温度)である。
上記計算式(1)により重合性単量体成分のガラス転移温度(Tg)を算出するのに使用する、代表的なホモポリマーのTg値を下記に示す。
2-イソプロペニルー2-オキサゾリン:100℃
アクリロニトリル(AN):104℃
スチレン(St):100℃
アクリル酸(AA):95℃
メチルメタクリレート(MMA):105℃
本開示の共重合体の重量平均分子量としては、1000~5000000g/molであることが好ましく、10000~100000g/molであることがより好ましい。重量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。例えば、重量平均分子量は、以下の測定条件で測定する。
装置:東ソー(株)製、品番:HLC-8320GPC
検出器:RI
カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ-M{東ソー(株)製}
2本を直列に使用
カラム温度:40℃
流速:0.18ml/分
検量線:標準ポリスチレン
溶離液:トリエチルアミン1重量%含有テトラヒドロフラン
また、共重合体同士が、例えば架橋剤等により結合(架橋)された架橋体を有してもよい。
本開示の共重合体の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、例えば、10以下(例えば、1~8)、好ましくは7以下(例えば、1.05~6)、さらに好ましくは5以下(例えば、1.1~4)程度であってもよい。
本開示の共重合体の熱分解温度は、260℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましく、310℃以上がさらに好ましい。上限値は特に限定されないが、325℃程度が好ましい。
本開示の共重合体の熱分解温度は、空気気流下での5%質量減量温度を熱分解温度とする。熱分解温度は、熱分析装置を使用して測定することができる。例えば、ネッチ・ジャパン株式会社製のTG-DTA2010SA装置を用いて、共重合体(鎖延長剤)約10mgをアルミパン上に置き、50ml/minの空気気流中、室温(20℃~30℃)から400℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し質量減量変化を測定することができる。
<本開示の共重合体の製造方法>
単量体成分を重合させる際には、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤の量を適宜調整することにより、得られる共重合体の分子量を容易に調整することができる。一般に、重合開始剤の量を少なくすると重合反応時間が長くなる傾向にあるが、得られる共重合体の分子量を高くすることができ、重合開始剤の量を多くすると重合反応時間が短くなる傾向にあるが、得られる共重合体の分子量が低くなる。
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)などのアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、ベンゾイルパ-オキサイド、パラクロロベンゾイルパ-オキサイド、ラウロイルパ-オキサイド、過酸化アンモニウム、t-アミルパーオキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエートなどの過酸化物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単量体成分100質量部あたりの重合開始剤の量は、重合速度を高め、未反応の単量体成分の残存量を低減させるとともに、得られる共重合体の分子量を制御する観点から、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、得られる共重合体の分子量を高める観点から、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
重合開始剤を単量体成分に含有させる方法は、特に限定されない。その含有方法としては、例えば、一括仕込み、分割仕込み、連続滴下などが挙げられる。
なお、重合開始剤の分解を促進するために、例えば、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤、硫酸第一鉄などの遷移金属塩などの重合開始剤の分解剤を反応系内に適量で添加してもよい。
また、共重合体の分子量を調整するために、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、チオグリコ-ル酸2-エチルヘキシル、tert-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2-メルカプトエタノ-ル、α-メチルスチレン、α-メチルスチレンダイマ-などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単量体成分を重合させる方法としては、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合法のなかでは、溶液重合法が好ましい。
単量体成分を溶液重合法によって重合させる場合に使用される溶媒としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、シクロヘキサンなどの有機溶媒が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの溶媒のなかでは、接着剤用樹脂組成物を容易に調製することができることから、トルエンが好ましい。溶媒の量は、単量体成分および重合開始剤を十分に溶解させるとともに、単量体成分を効率よく反応させることができる量であればよく、特に限定されないが、通常、単量体成分100質量部あたり、50~500質量部程度である。
単量体成分を重合させる際の雰囲気は、特に限定されないが、重合開始剤の効率を高める観点から、窒素ガスなどの不活性ガスであることが好ましい。
単量体成分を重合させる際の重合反応温度は、特に限定がないが、通常、好ましくは50~200℃、より好ましくは60~150℃である。重合温度は、一定であってもよく、重合反応の途中で変化させてもよい。
単量体成分の重合反応時間は、特に限定がなく、重合反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、通常、2~20時間程度である。
<本開示の共重合体の用途>
本開示の共重合体は熱可塑性樹脂との相溶化剤としても用いることができる。熱可塑性樹脂としては、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリル系ゴムを配合したABS樹脂やASA樹脂などのゴム質重合体、アミド系重合体、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。本開示の共重合体は、鎖延長剤の他、相溶化剤、加水分解抑制剤、架橋剤、改質剤などに好ましく使用することができる。
<本開示の鎖延長剤の組成など>
本開示の鎖延長剤は、本開示の共重合体を含む。本開示の鎖延長剤は、本開示の共重合体を例えば本開示の鎖延長剤100質量%に対し、90%以上、100質量%以下含む。本開示の鎖延長剤は、本開示の共重合体以外の成分を任意で含んでいても良い。開示の鎖延長剤は、例えば、溶剤、重合禁止剤、防腐剤、酸化防止剤などを含んでいても良い。
<本開示の鎖延長剤による鎖延長方法>
本開示の鎖延長剤を用いた鎖延長方法に特に制限はないが、本開示の鎖延長剤と樹脂を混合する工程(以下、混合工程とも言う)と、該混合物を加熱する工程(以下、加熱工程とも言う)とを含むことが好ましい。加熱しながら混合(混合工程と加熱工程を同時)し溶融混錬することがより好ましい。
上記加熱工程における加熱温度は、100℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、350℃以下であることが好ましい。
上記混合工程と、加熱工程とは同時に行っても良い。
本開示の鎖延長方法は、予熱工程や脱気工程、成形工程など、任意の工程を含んでも良い。
[本開示の樹脂組成物]
本開示の樹脂組成物は本開示の共重合体とその他重合体を含む。その他重合体としては、例えば、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)などのオレフィン系重合体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩素化ビニル樹脂などのハロゲン化ビニル系重合体;ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系重合体;ポリスチレン、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンブロック共重合体などのスチレン系重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのエステル系重合体;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのアミド系重合体;ポリアセタール;カーボネート系重合体;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリオキシベンジレン;ポリアミドイミド;ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムを配合したABS樹脂やASA樹脂などのゴム系重合体;などが挙げられ、カーボネート系重合体、エステル系重合体およびアミド系重合体が好ましく、本開示の共重合体を鎖延長剤として用いた際の分散性の観点からアミド系重合体がより好ましい。本開示の共重合体が鎖延長効果を効率よく発揮する観点から、本開示の樹脂組成物は少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含むことが好ましく、カルボキシル基、チオール基、フェノール性水酸基、および酸無水物基から選択される少なくとも1つの反応基を1つ以上含む樹脂を含むことが好ましい。
アミド系重合体としては、ナイロン6(PA6)、ナイロン46(PA46)、ナイロン66(PA66)、ナイロン11(PA11)、ナイロン12(PA12)、ナイロン610(PA610)、ナイロン612(PA612)などの脂肪族アミド系重合体、ナイロン6T(PA6T)、ナイロン9T(PA9T)、ナイロンMXD6(PAMXD6)、ナイロン6I(PA6I)、ナイロンM5T(PAM5T)などの半芳香族アミド系重合体が挙げられる。中でも耐熱性の観点から半芳香族アミド系重合体が好ましく、ナイロン9T(PA9T)がより好ましい。
本開示の樹脂組成物におけるアミド系重合体の含有割合は、樹脂組成物の耐熱性の観点から、共重合体およびアミド系重合体の合計量100質量部に対して45質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、樹脂組成物の強度向上、成形性向上の観点から、99質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましい。
本開示のその他重合体中のアミド系重合体の含有割合は、共重合体との分散性向上の観点から、その他重合体100質量部に対して70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%がさらに好ましく、100質量%であっても良い。
本開示のその他重合体100質量部に対するカーボネート系重合体またはエステル系重合体の含有割合は、共重合体との分散性向上の観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下が特に好ましい。
その他重合体のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限されないが、耐熱性の観点から、80℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましく、110以上が特に好ましいく、作業性の観点から200℃以下が好ましい。
本開示の樹脂組成物における共重合体(鎖延長剤)とその他重合体の質量比は1/99~50/50が好ましく、5/95~40/60がより好ましく、10/90~30/70がさらに好ましく、15/85~20/80が特に好ましい。
本開示の樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、例えば、添加剤などが含まれていてもよい。前記添加剤としては、例えば、顔料などの着色剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、抗酸化剤、重合禁止剤、充填剤、カップリング剤、防錆剤、抗菌剤、金属不活性化剤、湿潤剤、消泡剤、界面活性剤、補強剤、可塑剤、潤滑剤、防曇剤、防食剤、顔料分散剤、流動調整剤、過酸化物分解剤、鋳型脱色剤、蛍光性増白剤、有機防炎剤、無機防炎剤、滴下防止剤、溶融流改質剤、静電防止剤、防藻剤、防カビ剤、難燃剤、ガラス繊維をなどの無機充填材、スリップ剤、金属キレート剤、アンチブロッキング剤、耐熱安定剤、加工安定剤、分散剤、増粘剤、レオロジーコントロール剤、発泡剤、老化防止剤、防腐剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、成膜助剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの添加剤の量は、当該添加剤の種類によって異なるので一概には決定することができないことから、当該添加剤の種類に応じて適宜決定することが好ましい。
本開示の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂の強度向上、成形性向上などに優れるため、以下に限定されるものではないが、例えば、家具類、家庭用品、収納・備蓄用品、壁・屋根等の建材、玩具・遊具、パチンコ面盤等の趣味用途、医療・福祉用品、OA機器、AV機器、電池電装用、照明機器、船舶、航空機の構造の車体部品、車両用部品等に使用可能であり、特に車体部品や車両用部品等の車両用途や、光学用途、電気・電子用途に好適に用いることができる。
具体的には、車両用途では、耐熱性や耐衝撃性が要求される外装部品として好適であり、バンパー、フロントグリル、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、ボディ周辺部品(バイザー等)、タイヤ周辺部品等の各種車両用部材に用いることが可能である。
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
〔重量平均分子量の測定〕
共重合体(鎖延長剤)の分子量は、以下の測定条件で測定した。
装置:東ソー(株)製、品番:HLC-8320GPC
検出器:RI
カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ-M{東ソー(株)製}
2本を直列に使用
カラム温度:40℃
流速:0.18ml/分
検量線:標準ポリスチレン
溶離液:トリエチルアミン1重量%含有テトラヒドロフラン
[製造例1]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、トルエン576部、スチレン228部、アクリロニトリル61部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン15部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら105℃に加熱した。そこへ、トルエン2部、トリゴノックス142(化薬ヌーリオン株式会社製)5部からなる混合物を添加して20分間初期反応をさせた。次に、トルエン180部、スチレン529部、アクリロニトリル142部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン35部およびトリゴノックス142(化薬ヌーリオン株式会社製)5部からなる混合物を4時間にわたって滴下した。更に、105℃~120℃で2時間攪拌を続けて反応を完結させた後、室温まで冷却して樹脂溶液を得た。次に得られた樹脂溶液をロータリーエバポレーターに移し、所定の温度および圧力でトルエンを留去した後、残留物を粉砕して、オキサゾリン基含有共重合体(鎖延長剤1)を得た。
得られたオキサゾリン基含有共重合体(鎖延長剤1)の重量平均分子量は、75000であった。
[製造例2]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、トルエン576部、スチレン212部、アクリロニトリル61部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン30部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら105℃に加熱した。そこへ、トルエン2部、トリゴノックス142(化薬ヌーリオン株式会社製)5部からなる混合物を添加して20分間初期反応をさせた。次に、トルエン180部、スチレン495部、アクリロニトリル141部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン71部およびトリゴノックス142(化薬ヌーリオン株式会社製)5部からなる混合物を4時間にわたって滴下した。更に、105℃~120℃で2時間攪拌を続けて反応を完結させた後、室温まで冷却して樹脂溶液を得た。次に得られた樹脂溶液をロータリーエバポレーターに移し、所定の温度および圧力でトルエンを留去した後、残留物を粉砕して、オキサゾリン基含有共重合体(鎖延長剤2)を得た。
得られたオキサゾリン基含有共重合体(鎖延長剤2)の重量平均分子量は、76000であった。
[製造例3]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、トルエン616部、スチレン157部、アクリロニトリル48部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン36部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら105℃に加熱した。そこへ、トルエン1部、トリゴノックス142(化薬ヌーリオン株式会社製)4部からなる混合物を添加して20分間初期反応をさせた。次に、トルエン351部、スチレン364部、アクリロニトリル113部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン84部およびトリゴノックス142(化薬ヌーリオン株式会社製)4部からなる混合物を4時間にわたって滴下した。更に、105℃~120℃で4時間攪拌を続けて反応を完結させた後、室温まで冷却して樹脂溶液を得た。次に得られた樹脂溶液をロータリーエバポレーターに移し、所定の温度および圧力でトルエンを留去した後、残留物を粉砕して、オキサゾリン基含有共重合体(鎖延長剤3)を得た。
得られたオキサゾリン基含有共重合体(鎖延長剤3)の重量平均分子量は、53000であった。
[比較製造例1]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、トルエン576部、スチレン289部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン15部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら120℃に加熱した。そこへ、トルエン2部、カヤカルボンBIC-75(化薬アクゾ株式会社製)0.5部からなる混合物を添加して20分間初期反応をさせた。次に、トルエン180部、スチレン671部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン35部およびカヤカルボンBIC-75(化薬アクゾ株式会社製)0.5部からなる混合物を4時間にわたって滴下した。更に、120℃~130℃で5時間攪拌を続けて反応を完結させた後、室温まで冷却して樹脂溶液を得た。次に得られた樹脂溶液をロータリーエバポレーターに移し、所定の温度および圧力でトルエンを留去した後、残留物を粉砕して、オキサゾリン基含有共重合体(比較鎖延長剤1)を得た。
得られたオキサゾリン基含有共重合体(比較鎖延長剤1)の重量平均分子量は、150000であった。
[比較製造例2]
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計および滴下ロートを備えたフラスコに、トルエン323部、メタクリル酸メチル283部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン50部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら105℃に加熱した。そこへ、トルエン10部、トリゴノックス142(化薬ヌーリオン株式会社製)1部からなる混合物を添加して20分間初期反応をさせた。次に、トルエン570部、メタクリル酸メチル525部、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン93部およびトリゴノックス142(化薬ヌーリオン株式会社製)33部からなる混合物を4時間にわたって滴下した。更に、105℃~120℃で2時間攪拌を続けて反応を完結させた後、室温まで冷却して樹脂溶液を得た。次に得られた樹脂溶液をロータリーエバポレーターに移し、所定の温度および圧力でトルエンを留去した後、残留物を粉砕して、オキサゾリン基含有共重合体(比較鎖延長剤2)を得た。
得られたオキサゾリン基含有共重合体(比較鎖延長剤2)の重量平均分子量は、35000であった。
[樹脂組成物]
樹脂組成物は本開示の共重合体(鎖延長剤)とその他重合体を含む。その他重合体としては、熱可塑性樹脂であるアミド系重合体(商品名:Nylon6、SIGMA-ALDRICH製)を用いた。
表1は、製造例および比較製造例で得られた鎖延長剤および比較鎖延長剤の一覧を示す。
[実施例1~3、比較例1、2]
表2に示す配合割合(質量部)で、アミド系重合体(Nylon6)と、表1に示す鎖延長剤をラボプラストミル(株式会社 東洋精機製作所製、型式:4C150、混錬条件:240℃,5min,50rpm)を使用して溶融混錬し各樹脂組成物を得た。次に、原子間力顕微鏡(AFM)を使用して、得られた樹脂組成物断面の弾性率画像を取得した。その弾性率画像の分散粒子径を測定して分散性を評価した。各々の分散粒子径(μm)は、実施例1=0.18~0.65、実施例2=0.12~0.3、実施例3=0.18~0.36、比較例1=0.6~1.2、比較例2=0.15~0.27であった。評価結果を表2に示す。
〔分散性の評価〕
〇:分散粒子径が0.6μm未満
×:分散粒子径が0.6μm以上
また、上記ラボプラストミル(株式会社 東洋精機製作所製)に押出し機を取付けてキャストフィルムを作製し、そのキャストフィルムを二軸延伸機にかけて延伸して厚さ60μ8mのフィルムを得た。得られたフィルムの状態から延伸成形性の評価を行った。評価結果を表2に示す。
〔延伸成形性の評価〕
〇:延伸したフィルムに破れ無し
×:延伸したフィルムに破れ有り
〔耐熱性の評価〕
共重合体(鎖延長剤)の熱分解温度は、熱分析装置を使用して測定した。ネッチ・ジャパン株式会社製のTG-DTA2010SA装置を用いて、共重合体(鎖延長剤)約10mgをアルミパン上に置き、50ml/minの空気気流中、室温(20℃~30℃)から400℃まで10℃/minの昇温速度で加熱し質量減量変化を測定した。5%質量減量した温度を熱分解温度とし、以下の評価基準で耐熱性を評価した。
◎:熱分解温度が310℃以上
〇:熱分解温度が300℃以上310℃未満
×:熱分解温度が300℃未満
本実施例の鎖延長剤の熱分解温度(Air下5%質量減量)は310℃以上であり、優れた耐熱性を示す。熱分解温度が高いと、より高温化での熱可塑性樹脂との溶融混錬が可能となり、適用範囲が広くなる。
Figure 2022117664000002
Figure 2022117664000003

Claims (4)

  1. オキサゾリン基および/またはエポキシ基含有単量体由来の構造単位が1質量%以上50質量%以下、シアン化ビニル系単量体由来の構造単位が1質量%以上50質量%以下、およびその他単量体由来の構造単位が50質量%以上95質量%以下である共重合体含有鎖延長剤。
  2. 前記その他単量体由来の構造単位における芳香族ビニル系単量体由来の構造単位が70質量%以上である請求項1記載の鎖延長剤。
  3. 請求項1または2記載の鎖延長剤とアミド系重合体を含む樹脂組成物。
  4. 前記鎖延長剤とアミド系重合体の質量比が1/99~50/50である請求項3に記載の樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116162202A (zh) * 2022-12-09 2023-05-26 江苏越科新材料有限公司 一种环氧扩链剂及其制备方法和应用

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