JPH07265013A - 乾燥食肉製品の製造法 - Google Patents

乾燥食肉製品の製造法

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JPH07265013A
JPH07265013A JP6085850A JP8585094A JPH07265013A JP H07265013 A JPH07265013 A JP H07265013A JP 6085850 A JP6085850 A JP 6085850A JP 8585094 A JP8585094 A JP 8585094A JP H07265013 A JPH07265013 A JP H07265013A
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JP
Japan
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meat
rolling
dried
drying
treatment
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JP6085850A
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English (en)
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Masahiro Numata
正寛 沼田
Yoshinori Suzuki
美紀 鈴木
Toyoro Nakamura
豊郎 中村
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Ito Ham KK
Itoham Foods Inc
Original Assignee
Ito Ham KK
Itoham Foods Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 風味は勿論のこと、筋肉タンパク質の繊維性
の形状と食感を損なうことなく、軟らかさを調整し、か
つ消化のよい乾燥食肉製品を得る。 【構成】 プロテアーゼを含む塩漬剤を用いて塩漬及び
/又は熟成した食肉を得、これを乾燥させた後、圧延す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素処理後の原料肉を
圧延した乾燥食肉製品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】乾燥食肉製品には水分活性0.87未満
の規格基準がある。この基準を満足するには、原料肉を
十分乾燥させることが必要である。乾燥に伴ない、食肉
タンパク質は変性し、硬化する。このことは食肉の有す
る独特の風味と共に、この硬い食感が乾燥食肉製品の特
徴の1つでもある。しかし近年はより軟らかく、ソフト
な食感の乾燥食肉製品を望む声も多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】乾燥食肉製品のソフト
化はジャーキーで試みられている。即ち、原料肉を細切
して細切肉とした後、食塩の作用によって再度結着さ
せ、スライス後乾燥したものである。この場合、原料肉
の細切により食感は軟らかくなるものの、反面、筋繊維
の崩壊を招き、食肉特有の繊維性の形状と食感は失われ
る。
【0004】そして繊維性の形状と食感を有しソフトな
ジャーキーの製造法としては、特開平2−97364号
及び特開平3−19646号が提案されている。上記公
報ではソフト化は食肉に高濃度の糖類を注入することに
よってなされたものであり、当然風味は糖濃度の上昇に
より本来のジャーキーのそれとは異なってくる。
【0005】一方、最終製品の厚さが、食感に大きな影
響を及ぼすことは容易に想像される。特開昭51−61
663号には、食肉をのしいか様に圧延する方法が開示
されている。これによると食肉を加熱変性させた後圧延
するものであるが、ソフト化に関する言及はなく、事
実、単に加熱変性した食肉を圧延しても、筋繊維の解れ
は十分ではなく、ソフト化には至らない。又、魚肉タン
パク質と異なり、筋繊維の方向性が不規則な食肉を均一
に圧延することは非常に困難である。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、風味は勿論のこと、筋肉タンパク質の繊維性の形
状と食感を損なうことなく、軟らかさを調整し、かつ消
化のよい乾燥食肉製品の製造法を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、プロテアーゼを含む
塩漬剤を用いて塩漬及び/又は熟成した食肉をスライス
し、乾燥させた後、圧延すれば、風味及び筋肉タンパク
質の繊維性の形状と食感を損なうことなく、軟らかくか
つ消化性のよい乾燥食肉製品を製造することができるこ
とを見出した。
【0008】本発明は単一肉塊を用いる乾燥食肉製品に
適用される。例えば、ジャーキー,ドライハム類等であ
る。原料肉は牛肉,豚肉,馬肉等の食肉が利用できる。
塩漬は通常の乾燥食肉製品の製造に使用される塩漬剤を
用いて行なうことができる。プロテアーゼはその活性が
著しく損なわれぬ限り、一般的には塩漬剤と共に用いら
れる。
【0009】塩漬剤及びプロテアーゼの原料肉への添加
は、当該物質を含む水溶液又は懸濁液として、均一に原
料肉中に注入するのが効果的であるが、乾塩漬法あるい
は液漬法によっても差し支えない。塩漬剤及びプロテア
ーゼの原料肉中での均一な分散は、タンブリング及びマ
ッサージング等の手段によって促進される。
【0010】使用するプロテアーゼの種類に制限はな
く、食肉タンパク質のpH域においてタンパク分解能を
有する酵素が使用できる。例えば、トリプシン等の動物
起源のプロテアーゼ、フィシン,パパイン,プロメリン
等の植物起源のプロテアーゼ、又は種々の微生物起源の
プロテアーゼ等でよい。
【0011】酵素反応は塩漬,熟成及び/又は乾燥期間
中に行なわれる。この場合、塩漬及び/又は熟成終了
後、原料肉を適当な厚さにスライスし、50℃以上の温
度で温風乾燥すれば、肉温の上昇は早く、酵素反応時間
のみならず、乾燥期間を短縮することができる。スライ
ス厚は、後の圧延処理を考えれば5〜10mmの範囲が
適切である。
【0012】酵素反応の制御は本発明における最も重要
な要素の1つである。即ち、酵素反応が進行し過ぎる
と、食肉タンパク質の過度な軟化を招き、繊維性の食感
は失われる。又、反対に反応が足りないと、圧延処理時
に筋繊維が十分に解れず、ソフト感は現れない。加え
て、原料肉を均一な状態で圧延することが難しくなる。
至適な酵素反応条件は、使用する酵素の種類及び添加量
によって適宜決定されなければならない。
【0013】酵素の失活は乾燥及び加熱処理を併用する
ことで行なうことができる。乾燥は原料肉の水分活性が
0.87未満になるまで行なう。温風乾燥の場合、最終
的に肉温を80℃以上に保持すれば、失活はより完全な
ものとなる。
【0014】酵素失活後の原料肉は適切な手段により圧
延される。例えば、のしいか製造用の伸展機やパスタ用
の製麺機等が利用できる。圧延等の肉温に制限はない
が、30〜50℃の範囲で行なうのが好ましい。圧延す
る方向は筋繊維と平行であり、このことによって、十分
な筋繊維の解れと均一な圧延処理が可能となる。更に均
一な圧延状態を得るには、圧延処理を段階的に行ない、
原料肉の厚さを徐々に低下させるとよい。
【0015】最終的な軟らかさの調整は、酵素処理と圧
延処理の条件を適宜選択することによって行なうことが
できる。具体的には、酵素の種類と添加量、酵素反応時
間と温度及び圧延処理後の原料肉の厚さであり、実施例
にはその調整方法の一部を記載した。ただし、本発明の
技術的範囲が本実施例によって制限されるものではな
い。
【0016】
【実施例】以下実施例について説明する。 [実施例1]この場合は酵素処理と圧延処理の相乗効果
についての検討である。ホルスタイン種牛もも肉10k
gに、第1表記載の組成を有する塩漬液を夫々肉重量に
対して20%注入した。
【0017】
【表1】
【0018】塩漬は7℃の真空下でタンブリングをしな
がら15時間行なった。塩漬終了後の原料肉はミートス
ライサーを用いて7mm厚にスライスし、オーブン内で
乾燥した。乾燥条件は、50℃−20分及び90℃−6
0分とし、前者は酵素反応を、後者は酵素の失活を兼ね
た。乾燥終了後、原料肉の温度が50℃になるまで放冷
し、次いで、パスタ用製麺機を用いて徐々に圧延した。
最終的な原料肉の肉厚は1.0mmであった。
【0019】第2表にこれら乾燥食肉製品の成分分析,
物性及び官能検査結果を示した。それによれば、ソフト
化は酵素処理と圧延処理を併用することによって可能で
あり、この場合、風味や筋肉タンパク質の有する繊維性
の食感は損なわれなかった。一方、酵素処理をしていな
い製品は非常に硬く、又、圧延時に製品が不規則に身割
れする現象が認められた。消化率はテステ1は88.9
%,テスト2は98.7%であり、酵素処理により9.
8%向上した。
【0020】
【表2】
【0021】なお、物性はタケトモ電機製テンシプレッ
サーを用いて測定した。又、官能検査は10名のパネラ
ーによる5段階評価を行ない、その平均値を示した。こ
こで指標として、5:非常によい,4:よい,3:普
通,2:悪い,1:非常に悪い、を用いた。
【0022】[実施例2]この場合は酵素の種類と反応
条件の影響についての検討である。第1表記載の塩漬液
中に、他の酵素としてブロメリン(2.0unit/g
タンパク質)を追加した。いずれの酵素を用いた場合で
も乾燥条件は第3表記載の通りとし、それ以外は全て
[実施例1]に従った。
【0023】
【表3】
【0024】第4表にこれら乾燥食肉製品の成分分析,
物性及び官能検査結果をパパイン処理とブロメリン処理
とに分けて示した。官能的に軟らかさが好ましいと評価
されたのは、パパイン処理で50℃乾燥10〜30分、
ブロメリン処理で10〜25分の範囲であった。この範
囲で物性は、パパイン処理で軟らかさ12.51〜1
0.52kg重/cm2 ,しなやかさ0.066〜0.
088,破断エネルギー3155〜6574kg重/c
2 ・cm,ブロメリン処理で軟らかさ12.63〜1
0.52kg重/cm2 ,しなやかさ0.083〜0.
068,破断エネルギー5971〜3183kg重/c
2 ・cmと処理時間に依存して変化しており、酵素反
応時間を適宜選択することによって、軟らかさが調整で
きることがわかった。
【0025】
【表4】
【0026】
【表5】
【0027】一方、この範囲を越える反応時間では、筋
肉タンパク質の繊維性の食感が失われると同時に、過度
の軟化から咀しゃく性も低く評価された。又、風味も変
化した、逆に、反応時間が足りないと、硬く、圧延時の
均一性にも欠けた。これらはパパイン処理及びブロメリ
ン処理に共通して認められる現象であった。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば風
味及び筋肉タンパク質の繊維性の形状と食感を損なうこ
となく、軟らかさを調整し、かつ消化性のよい乾燥食肉
製品を製造することができる。このことは乾燥食肉製品
の老人食及び医療食としての用途が広がり、その利用度
を一層高めることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロテアーゼを含む塩漬剤を用いて塩漬
    及び/又は熟成した食肉を得、これを乾燥させた後圧延
    することを特徴とする乾燥食肉製品の製造法。
  2. 【請求項2】 圧延処理は酵素処理後に行なわれること
    を特徴とする請求項1記載の乾燥食肉製品の製造法。
  3. 【請求項3】 酵素処理及び圧延処理の条件は適宜選択
    することを特徴とする請求項1記載の乾燥食肉製品の製
    造法。
JP6085850A 1994-03-31 1994-03-31 乾燥食肉製品の製造法 Pending JPH07265013A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003032747A1 (fr) * 2001-10-15 2003-04-24 Katayama, Hiroshi Aliments contenant une proteine animale, procede de ramollissement de la proteine animale, et ramollissants utilisables pour ramollir la proteine animale
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