JPH0726480B2 - 立体駐車装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、多行、多列、多段の駐車空間を有する駐車装
置に関するものであり、狭いスペース内に多数の車両や
荷物を収納する場合に使用される。

（従来技術とその問題点） この種の駐車装置は、特開昭62-228570号に開示のもの
が公知である。

この装置は、最上段には昇降可能なパレット台を行列配
置し、最下段には下降されたパレット台を前後方向に移
動させる台車を配置し、中間の各階に前後方向に移動可
能なパレット台を列配置すると共に、その一行分をパレ
ット台の移動スペースとした構成となっている。

この装置においては、車の入出庫に際しては、入出庫さ
せるパレットに対応する下層階のパレット台を前進又は
後退させて空間を形成し、吊設されているパレット台を
昇降させることになる。従って、パレット台が容易に移
動できるために、車の入出庫に要する時間を節約できる
利点があるものの、車の収納台数を大きくできない不都
合がある。

また、上層段（最上段を除く）においては、前後方向に
移動するパレット台を配列させてあるために、その一行
分全体を移動スペースとせざるを得ない不都合がある。

（技術的課題） 本発明は、多行、多列、多段の駐車空間を有する駐車装
置において、車の入出庫に要する移動スペースを小さく
できるようにすることを課題としたものである。

（技術的手段） この技術的課題を解決するための技術的手段は、（イ）
最下段には入出庫方向に対して左右方向への移動を可能
にしてパレットを配置し、（ロ）最下段を除く各段には
昇降装置よって独立して昇降するパレットを配置し、
（ハ）最下段及び最上段を除く各段にはパレットをその
昇降装置を備えた台車に支持させ、（ニ）台車には少な
くとも一列の台車を左右方向に他の列の台車を前後方向
に移動するための走行装置を取り付け、（ホ）各段の左
右方向に移動する列のパレットの数を行数より少なくす
ること、である。

第二の技術的手段は、（ヘ）最上段に配置するパレット
をその昇降装置を備えた台車に支持させ、（ト）台車に
は少なくとも一列の台車を左右方向に他の列の台車を前
後方向に移動するための走行装置を取り付け、（チ）左
右方向に移動する列のパレットの数を行数より少なくす
ること、である。

また、第三の技術的手段は（リ）パレットと台車の少な
くとも何れかに位置検出手段を配設し、（ヌ）位置検出
手段からの信号に基づいて制御手段を作動させてパレッ
トの移動及び昇降並びに台車の移動を制御すること、で
ある。

（技術的手段の作用） 最下段には左右方向への移動を可能にしたパレットが配
置されると共にその列のパレット数が行数より少なくな
っているため、パレットを左右に移動させることによっ
て車の入出庫のための通路を確保することができる。最
前列の全てを通路とする場合にはパレットを配置する必
要はない。

最下段を除く各段では、パレットは昇降装置によって独
立した昇降が可能になっているため、車の入出庫に際し
ては、最下段までパレットを下降させることになる。

最下段及び最上段を除く各段では、パレットはその昇降
装置を備えた台車に支持されているため、台車と一体と
なって車を搭載することになる。少なくとも一列の台車
には左右方向に移動するための走行装置を取り付けら
れ、且つその列のパレット数が行数より少なくされてい
るため、台車を左右方向へ移動して空所を形成すること
ができる。他の列の台車には前後方向に移動するための
走行装置が取り付けられているため、形成された空所に
台車を前進又は後退させることによって、パレットの下
降空間を形成することができる。

上段に車を入出庫させる場合には、前記した手順によっ
て台車を移動させ、入出庫させるべきパレットの昇降空
間を形成することになる。

尚、パレット（台車）が左右方向に移動して形成する空
所は少なくとも一車分あれば良い。

最上段のすべての駐車空間にパレットを配置する場合に
は、最下段では一行分の移動スペース、最上段及び最下
段を除く各階では一台分の移動スペースを確保すれば良
いことになり、移動スペースを最小限とすることができ
る。

また請求項２のように、最上段に配置するパレットをそ
の昇降装置を備えた台車に支持させ、台車には少なくと
も一列の台車を左右方向に他の列の台車を前後方向に移
動するための走行装置を取り付け、左右方向に移動する
列のパレット（台車）の数を行数より少なくしておく
と、最上段でも台車を請求項１における最下段以外の段
と同様に移動させることができ、その昇降位置を変更で
きることになる。そして、車は最上段の左右方向で移動
する列内で昇降させられるため、それより下の段では、
最上段の左右方向に移動する列の下方に位置する列を左
右方向に移動できるようにしておけば車を入出庫できる
ことになる。

パレットと台車のすくなくとも何れかに位置検出手段を
配設し、位置検出手段からの信号に基づいて制御手段を
作動させてパレットの移動及び昇降並びに台車の移動が
制御できるようにしておくと（請求項３）、車の停止位
置の確認から昇降装置の作動までを電気的に制御するこ
とができ、駐車装置の自動化を図れることになる。

（本発明の効果） 車の移動スペースを最小限にできる結果、それだけ駐車
スペースを増やせられる利点がある。尚、出庫に際して
の移動手順は、中間段においては左右移動→前後移動→
パレット下降の三工程であり、前記した従来の駐車装置
の工程数が増えることはない。

請求項２の発明では、最上段のパレットも中間段と同様
に移動できるため、下段の空所の位置に対応してパレッ
トを昇降させられる利点があり、例えば、下段に既に形
成されている昇降スペースを利用し、最小台数を移動さ
せて最上段のパレットを昇降させることができる。

請求項３の発明では、立体駐車装置の自動化ができる結
果、人件費を節約できる利点があり、しかも、駐車場内
に人が入る必要がないため、装置自体の安全性を高めら
れる利点もある。

（実施例） 次に、上記技術的手段の具体例について、図面を参酌し
ながら説明する。

第１図乃至第３図は、３列５行４段に構成した駐車装置
のパレットの移動を説明するための各階平面略図であ
る。

１階を第１図（ａ）、２、３階を第２図（ａ）、４階を
第３図に示した状態において、４階ののパレットを下
降させる場合について説明する。

１階のパレットは、全て入口（で示している）に対し
て左右方向（⇔）に移動し、１行分（図面では左側）が
空所となっている。ここにおける４階の（＊印参照）
のパレットに対応するパレットはである。

この位置に空所を形成してパレットの下降を保証すると
共に、車を入口へ移行させる通路を形成する必要があ
り、第１図（ａ）の状態からパレット〜、〜及
び〜を矢印←方向に移動させる（第１図（ｂ）参
照）。

２、３階においては、中央列のパレットは左右方向
（⇔）に移動し、その前後列のパレットは前後方向 に移動するようにしてあり、中央列の左端に空所を設け
ている。ここにおける４階ののパレットに対応するパ
レットはであり、ここに空所を設ける必要がある。

第２図（ａ）の状態から、先ず〜を矢印←の方向へ
移動させ（第２図（ｂ）参照）、次いでパレットを矢
印↓方向に移動させて元のの位置に空所を形成する
（第２図（ｃ）参照）。

上記のパレットの同一方向への移動は同時的に行えば移
動時間を節約することができる。

パレットの移動が終了した段階で４階のパレットを下
降させ、１階で停止した段階でそのまま車を発進させる
ことができる。

１階におけるパレットの移動は図示を省略しているが、
パレット列に沿ってその下側にレールを敷設し、パレッ
ト裏面にコロを取り付けて置くなど公知の移動手段を採
用することができる。

２、３階におけるパレットを移動させるための台車とし
ては、例えば第４図に示したものを採用することができ
る。

最上段及び最下段を除く各階には、図示しない桁上に縦
横にレール（１）（２）が敷設してある。

台車（５）は枠台（６）の一端に支持枠（７）を立設し
たＬ字形に構成してあり、枠台（６）の長辺の下部には
車輪（９）（９）を軸支させてある。この車輪（９）は
枠台（６）上に取り付けたモータ（11）で回転し、レー
ル（１）に沿って各台車（５）が前後方向に移動する。

支持枠（７）にはモータ（12）で正逆方向に自転する一
対の巻取りドラム（13）が配置してあり、下端部をパレ
ット（15）に固定させたワイヤ（14）はガイドプーリ
（16）を通って他端部がドラム（13）に固定され、ドラ
ム（13）を回転させてワイヤを巻取り又は繰り出すこと
によって、パレット（15）が枠台（６）の内側で昇降す
るようになっている。尚、上記の例ではワイヤ（14）で
パレットを吊り下げているが、チェーンやその他の吊り
下げ手段を使用することもできる。また、ドラム（13）
は枠台（６）に取りつけるようにすることもできるが、
この場合には支持枠（７）は不要となる。

左右方向へ移動させる台車は、車輪（９）（９）を枠台
（６）の短辺の下部に回転軸を90°変位させて軸支させ
ることになる。

尚、最上段に収納するパレットは、この実施例と同様に
台車に支持させて昇降する方式を採用する他、駐車装置
本体の天井、桁、梁等に昇降装置を取り付けることがで
きる。

最上階（本実施例では４階）にも第２図（ａ）と同様に
左右方向へ移動する台車列を設けると、４階ののパレ
ットは中央列のパレットを移動させてのパレットの前
に空所を形成し（第２図（ｂ）と同じ状態を形成）、
を前進させてパレットを下降することになる。このよう
に中央列を利用して車の入出庫を行う場合には、１階の
最後列に移動パレット列を配置しなくても良い。

尚、パレットや台車に取り付ける検知手段は、車両の停
止及びその位置、パレットの昇降位置、台車の移動位置
等を検知するために取り付けるが、これらの検知手段は
公知のセンサーを使用し、センサーからの出力信号をコ
ンピュータによって制御することになる。

上記の実施例では、３列５行４段の駐車装置について説
明をしたが、行数と段数はそのまま任意数を増加させる
ことができる。列数を増加する場合には、最前列と最後
列に前後方向に移動可能な台車を配置し、その間の列を
左右方向に移動できるようにしておくことが望ましい。

【図面の簡単な説明】

図面は、上記技術的手段の具体例を説明するためのもの
で、第１図（ａ）（ｂ）は最下段を説明するための概略
平面図、第２図（ａ）（ｂ）（ｃ）は中間段を説明する
ための概略平面図、第３図は最上段を説明するための概
略平面図、第４図は台車の斜視図である。 （１）（２）レール、（５）台車、（６）枠台、（７）
支持枠、（９）車輪、（11）（12）モータ、（13）巻取
りドラム、（14）ワイヤ、（15）パレット

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多行、多列、多段の駐車空間を有する駐車
   装置において、最下段には入出庫方向に対して左右方向
   への移動を可能にしてパレットを配置し、最下段を除く
   各段には昇降装置よって独立して昇降するパレットを配
   置し、最下段及び最上段を除く各段にはパレットをその
   昇降装置を備えた台車に支持させ、台車には少なくとも
   一列の台車を左右方向に他の列の台車を前後方向に移動
   するための走行装置を取り付け、各段の左右方向に移動
   する列のパレットの数を行数より少なくした立体駐車装
   置。
2. 【請求項２】最上段に配置するパレットをその昇降装置
   を備えた台車に支持させ、台車には少なくとも一列の台
   車を左右方向に他の列の台車を前後方向に移動するため
   の走行装置を取り付け、左右方向に移動する列のパレッ
   トの数を行数より少なくした請求項１に記載の立体駐車
   装置。
3. 【請求項３】パレットと台車の少なくともいずれかに位
   置検出手段を配設し、位置検出手段からの信号に基づい
   て制御手段を作動させてパレットの移動及び昇降並びに
   台車の移動を制御できるようにした請求項１、２又は３
   項に記載の立体駐車装置。