JPH07263814A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH07263814A
JPH07263814A JP7256894A JP7256894A JPH07263814A JP H07263814 A JPH07263814 A JP H07263814A JP 7256894 A JP7256894 A JP 7256894A JP 7256894 A JP7256894 A JP 7256894A JP H07263814 A JPH07263814 A JP H07263814A
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正文 小沢
Norikazu Nakayama
典一 中山
Tomokimi Hino
智公 日野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体基体の表面に密着性良く絶縁材料を被
着する半導体装置の製造方法を提供すること。 【構成】 本発明は半導体基体1の表面に絶縁材料2を
被着する方法であり、先ず、半導体基体1の表面に所定
粗さを構成する凹凸1aを形成し、次いで、その凹凸1
aが形成された半導体基体1の表面に絶縁材料2を被着
する。また、半導体基体1として化合物半導体を用いた
り、所定厚さから成る下層基体上に半導体基体1を形成
する場合においては、凹凸1aによる表面の粗さを、最
大粗さにおいて1×10-8m以上で半導体基体1と下層
基体との厚さの和未満にする半導体装置の製造方法でも
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体基体の表面に絶
縁材料を被着する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造においては、層間絶縁
や外部保護、所定の構造形成等の目的で絶縁性の高い材
料(以下、絶縁材料と言う)を被着する工程が必要不可
欠である。絶縁材料は、例えば酸化シリコン(以下、S
iO2 と言う)や窒化シリコン(以下、SiNx と言
う)、酸化アルミニウム(以下、Al2 3 と言う)な
どから構成され、CVD法や蒸着法等の種々の方法によ
り表面の最大粗さが1×10-9m(1nm)程度の半導
体基体上に被着される。
【0003】例えば、半導体レーザの場合においては、
そのストライプ構造を形成のためストライプ部分以外に
絶縁材料から成る絶縁層を所定の半導体基体上に被着し
ている。一般に、半導体レーザはGaAs等から成る化
合物半導体を用いており、例えばGaAsから成る活性
層をAlGaAsから成るクラッド層で挟んだダブルヘ
テロ構造を採っている。また、クラッド層上にはストラ
イプ部分を除いて絶縁膜が被着されており電極から注入
されるキャリアの密度が高いストライプ構造を構成して
いる。
【0004】特に、近年においては発振波長が470n
m〜530nm程度の青色レーザ光を発光する半導体レ
ーザの開発が盛んに行われており、ZnSeなどのII
族−VI族から成る化合物半導体も用いられるようにな
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
化合物半導体は単結晶半導体に比べて機械的特性が劣る
ため、絶縁材料の被着において低温によるプロセスを用
いる必要がある。特に、ZnSeなどのII族−VI族
から成る化合物半導体では加熱による耐久性が乏しく、
300℃以下でのプロセスが必要となる。GaAsなど
のIII族−V族から成る化合物半導体でも結晶保護等
の観点から500℃以下でのプロセスが望ましい。
【0006】このように、500℃以下の低温プロセス
によって被着した絶縁材料ではそれ以上の高温プロセス
によって被着した絶縁材料と比べて半導体基体との密着
力が著しく低下することになり、剥がれ等による半導体
装置の製造上の重大な問題となっている。また、LSI
から成る半導体装置の場合においては、近年高集積化や
多層化が図られるようになり、形成した回路へのダメー
ジをなるべく少なくするために低温による絶縁膜被着等
のプロセスが必要となっている。このため、単結晶Si
を用いた場合であっても被着した絶縁材料の密着力低下
が起こり、製造歩留りの低下や熱伝導性の低下という問
題が生じている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために成された半導体装置の製造方法であ
る。すなわち、本発明は半導体基体の表面に絶縁材料を
被着する方法であり、先ず、半導体基体の表面に所定粗
さを構成する凹凸を形成し、次いで、その凹凸が形成さ
れた半導体基体の表面に絶縁材料を被着する。また、半
導体基体として化合物半導体を用いたり、所定厚さから
成る下層基体上に半導体基体を形成する場合において
は、凹凸による表面の粗さを、最大粗さにおいて1×1
-8m以上で半導体基体と下層基体との厚さの和未満に
する半導体装置の製造方法でもある。
【0008】
【作用】本発明は、半導体基体の表面に所定粗さを構成
する凹凸を形成した後、その凹凸が形成された半導体基
体の表面に絶縁材料を被着している。すなわち、絶縁材
料を被着する半導体基体の表面は、形成された凹凸によ
ってその表面積が増加することになり、これによって被
着する絶縁材料の密着力が増すようになる。特に、化合
物半導体から成る半導体基体の場合には低温によるプロ
セスが必要となるが、このような凹凸を形成することで
低温プロセスにおける絶縁材料の密着力低下を補うこと
ができるようになる。また、絶縁材料を被着する半導体
基体を下層基体上に形成する場合には、その凹凸による
半導体基体の表面の粗さを、最大粗さにおいて1×10
-8m以上で半導体基体と下層基体との厚さの和未満にす
ることにより、下層基体および製造する半導体装置に応
じた最適な密着力が得られる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の半導体装置の製造方法の実
施例を図に基づいて説明する。図1は、本発明の半導体
装置の製造方法を工程順に説明する概略断面図であり、
主に半導体基体1の表面に絶縁材料2を被着するプロセ
スに特徴がある。先ず、図1(a)に示す第1工程とし
て、絶縁材料2を被着するための半導体基体1を用意す
る。半導体基体1は、主として単結晶SiやGaAs、
InP、InGaAsP、AlGaAs、GaAsP、
AlGaAsPなどから成るIII族−V族の化合物半
導体、またZnSe、ZnS、ZnSSe、ZnCd
S、ZnMgSSeなどから成るII族−VI族の化合
物半導体である。
【0010】次に、図1(b)に示す第2工程として、
上記の半導体基体1の表面に所定の凹凸1aを形成し、
その表面積を増加させる。凹凸1aを形成するには、H
ClやHF、H2 2 等から成るエッチャントを用いて
形成したり、サンドブラスタやスパッタリング法等を用
いて形成したりする。
【0011】図2は半導体基体1(図1参照)の表面に
形成した凹凸1a(図1参照)の状態を示す図であり、
(a)はZnMgSSeの場合、(b)はZnSeの場
合である。例えば、図2(a)に示すZnMgSSeの
場合には、表面の最大粗さが590nm程度であり、従
来の表面粗さ(最大粗さ1nm程度)に比べて2桁ほど
粗くなっている。また、図2(b)に示すZnSeの場
合には、表面の最大粗さが1060nm程度であり、従
来の表面粗さに比べて3桁ほど粗くなっている。このよ
うに、半導体基体1の表面に凹凸1aを設けてその粗さ
を増すことにより表面積を大幅に増加させることができ
る。
【0012】次に、図1(c)に示す第3工程として、
凹凸1aを形成した半導体基体1の表面に絶縁材料2を
被着する。絶縁材料2は、SiO2 やSiNx 、Al2
3 、TiO2 、MgF2 などから成り、CVD法や電
子ビーム蒸着法、スパッタリング法等の種々の方法によ
り凹凸1a上に被着される。絶縁材料2を被着する半導
体基体1の表面は先に説明したような凹凸1aによって
表面積が増加しているため、ここに被着する絶縁材料2
の密着力が向上することになる。
【0013】特に、半導体基体1として化合物半導体を
用いた場合には、500℃以下の低温の環境にて絶縁材
料2を被着することから、低温プロセスによる絶縁材料
2の密着力低下を凹凸1aによる表面積増加によって補
うことができる。なお、絶縁材料2の密着力向上の観点
においては、従来の半導体基体の表面粗さである最大粗
さ1nmより1桁粗い10nm以上の粗さとなるよう凹
凸1aを形成すれば実用上問題のない絶縁材料2の密着
力を備えることができる。
【0014】次に、図3〜図6に基づいて本発明の適応
例を説明する。図3は、本発明の製造方法の適応対象と
なる半導体レーザの構造図である。この半導体レーザ
は、主としてII族−VI族から成る化合物半導体を用
いた青色レーザを発光する半導体装置であり、活性層3
4をp型第1クラッド層10とn型クラッド層33とで
挟んだダブルヘテロ構造となっている。このp型第1ク
ラッド層10が本発明における半導体基体1(図1参
照)に相当しており、その上に被着された絶縁層20が
本発明における絶縁材料2(図1参照)に相当する。
【0015】半導体基体1(図1参照)に相当するp型
第1クラッド層10は、n型基板31、n型バッファ層
32、n型クラッド層33、活性層34から成る下層基
体3上に形成されており、p型第1クラッド層10の表
面に形成された凹凸1aを介して絶縁層20が被着され
ている。半導体レーザは、この絶縁層20によってp型
第2クラッド層5およびp型コンタクト層6によるスト
ライプが構成され、p型コンタクト層6に接続される電
極41およびn型基板31に接続される電極42から高
密度のキャリアを注入できるようになっている。
【0016】次に、このような半導体レーザの製造方法
を図4〜図5の概略断面図に基づいて工程順に説明す
る。先ず、図4(a)に示す第1工程として、最上部に
所定の活性層34が形成された下層基体3を構成しその
活性層34上に例えばMBE法(分子線エピタキシャル
成長法)によってZnMgSSeから成るp型第1クラ
ッド層10を形成する。
【0017】次いで、図4(b)に示す第2工程とし
て、ZnMgSSeから成るp型第1クラッド層10の
上に例えばMBE法等を用いてZnSeまたはZnSS
eから成るp型第2クラッド層5を形成し、さらにその
上にMBE法等を用いてp型コンタクト層6を形成す
る。そして、半導体レーザのストライプを構成するため
のマスクとしてp型コンタクト層6上の所定位置にレジ
スト7を被着する。
【0018】次に、図5(a)に示す第3工程として、
例えばHClやHF、H2 2 から成るエッチャントを
用いて化学的なエッチングを施す。すなわち、p型コン
タクト層6上に被着したレジスト7をマスクとしてエッ
チングを行い、レジスト7が被着する部分以外のp型コ
ンタクト層6、p型第2クラッド層5、さらにp型第1
クラッド層10の途中まで除去する。この際、ZnMg
SSeから成るp型第1クラッド層10の表面は化学的
なエッチングによって所定の凹凸10aが形成されるこ
とになる。例えば、p型第1クラッド層10の厚さが1
μm程度である場合、この凹凸10aによってp型第1
クラッド層10の表面を最大粗さ50nm〜100nm
程度にする。
【0019】次いで、図5(b)に示す第4工程とし
て、ZnMgSSeから成るp型第1クラッド層10の
表面に形成された凹凸10a上に例えばAl2 3 から
成る絶縁層20を電子ビーム蒸着法等により被着する。
絶縁層20を被着する際のp型第1クラッド層10の温
度は、ZnMgSSeから成るp型第1クラッド層10
の場合にはその破損を防止するため300℃以下にして
おく。なお、このように300℃以下の低温においてA
2 3 から成る絶縁層20を被着しても、ZnMgS
Seから成るp型第1クラッド層10の表面に凹凸10
aが設けられているためその表面積が増加しており、高
い密着力を保つことができるようになる。
【0020】その後、p型コンタクト層6と接触するよ
う電極41を形成し、下層基体3と接触するよう電極4
2を形成する。なお、電極42は図4(a)に示す第1
工程の段階で既に被着しておいてもよい。これらの工程
によって、ZnMgSSeから成るp型第1クラッド層
10の表面にAl2 3 から成る絶縁層20が密着した
半導体レーザが製造できる。
【0021】また、他の製造方法の例として図6の概略
断面図に示すように、凹凸10aによるp型第1クラッ
ド層10の表面粗さを大きくしてさらにその表面積を増
加させるようにしてもよい。すなわち、化学的なエッチ
ングや機械的な形成によりp型第1クラッド層10の表
面の凹凸10aを大きくし、例えばp型第1クラッド層
10の厚さとほぼ等しい大きさにしたり、さらに下層基
体3まで入り込む大きさの凹凸10a(図中破線参照)
を形成する。
【0022】このように、凹凸10aを大きくして表面
粗さ増すことで絶縁層20の密着力も増加するが、最大
粗さ10nm以上でp型第1クラッド層10と下層基体
3との厚さの和未満において凹凸10aを形成する。こ
れにより、製造する半導体レーザの特性に応じて最も絶
縁層20の密着力が高まる凹凸10aの大きさを選択で
きるようになる。
【0023】なお、本実施例においては主として半導体
レーザを例に半導体装置の製造方法を説明したが本発明
はこれに限定されない。すなわち、半導体レーザ以外に
も、トランジスタやメモリ等から成るLSIや発光ダイ
オード、受光装置であるフォトダイオード、太陽電池で
あっても本発明の製造方法を適応することが可能であ
る。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体装
置の製造方法によれば次のような効果がある。すなわ
ち、半導体基体の表面に絶縁材料を被着する場合におい
て、その表面に所定の凹凸を形成した後に絶縁材料を被
着しているため、半導体基体の表面の表面積が増加する
ことで絶縁材料の密着力が向上することになる。また、
絶縁材料の密着力が向上することによりその後の各種プ
ロセスを確実に行うことが可能となるとともに、絶縁材
料を介した熱伝導が向上することから半導体装置の信頼
性向上を果たすことが可能となる。特に、半導体基体が
化合物半導体から成る場合には、低温によるプロセスを
行っても絶縁材料の密着力を向上できることから半導体
装置の歩留りおよび品質を向上させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明する概略断面図で、(a)は第1
工程、(b)は第2工程、(c)は第3工程である。
【図2】凹凸の状態を説明する図で、(a)はZnMg
SSeの場合、(b)はZnSeの場合である。
【図3】半導体レーザの構造図である。
【図4】本発明の適応例を説明する概略断面図(その
1)で、(a)は第1工程、(b)は第2工程である。
【図5】本発明の適応例を説明する概略断面図(その
2)で、(a)は第3工程、(b)は第4工程である。
【図6】他の例を説明する概略断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基体 2 絶縁材料 1a、10a 凹凸 10 p型第1クラッド層 20 絶縁層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基体の表面に絶縁材料を被着する
    半導体装置の製造方法であって、 先ず、前記半導体基体の表面に所定の粗さを構成する凹
    凸を形成し、 次いで、前記凹凸が形成された半導体基体の表面に前記
    絶縁材料を被着することを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記半導体基体は化合物半導体から成る
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 所定の厚さから成る下層基体上に前記半
    導体基体を形成する場合において、 前記凹凸による表面の粗さは、最大粗さにおいて1×1
    -8m以上で前記半導体基体と前記下層基体との厚さの
    和未満であることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の半導体装置の製造方法。
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