JPH0726233B2 - クラツド鋼板及びその連続製造方法とその装置 - Google Patents

クラツド鋼板及びその連続製造方法とその装置

Info

Publication number
JPH0726233B2
JPH0726233B2 JP60101312A JP10131285A JPH0726233B2 JP H0726233 B2 JPH0726233 B2 JP H0726233B2 JP 60101312 A JP60101312 A JP 60101312A JP 10131285 A JP10131285 A JP 10131285A JP H0726233 B2 JPH0726233 B2 JP H0726233B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel plate
clad steel
steel sheet
clad
stainless steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60101312A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61261497A (ja
Inventor
雅彦 伊藤
平八郎 緑川
昭 湊
成年 風間
輝雄 山口
恒雄 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP60101312A priority Critical patent/JPH0726233B2/ja
Publication of JPS61261497A publication Critical patent/JPS61261497A/ja
Publication of JPH0726233B2 publication Critical patent/JPH0726233B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は新規なステンレスクラツド鋼板及びその製造法
とその連続製造装置に関する。
〔発明の背景〕
従来、熱延鋼板あるいはステンレス鋼板の連続デスケー
リング法及び装置は、特開昭53-65225号,特公昭38-121
62号及び特開昭59-41482号に記載されているように機械
的にスケールを破壊した後に酸水溶液に浸漬あるいは中
性塩水溶液中で電解処理する方法であつた。しかし、ス
テンレスあるいはチタン等の耐食金属と炭素鋼のクラツ
ド材についての同一設備で連続的に焼鈍、デスケールす
る方法及び設備はなかつた。従来の熱延鋼板あるいはス
テンレス鋼のデスケール設備をステンレスクラツド鋼板
に適用した場合、炭素鋼の溶解が激しい問題があつた。
また、処理後のクラツド鋼板は炭素鋼の防食が考慮され
ておらず、ステンレス鋼と炭素鋼の電食が生ずる不都合
があつた。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、炭素鋼の防食性と金属光沢性の優れた
亜鉛めっき膜を有するステンレス鋼クラツド鋼板及びそ
の製造法とステンレスクラツド鋼板の焼鈍、デスケール
と炭素鋼面の防食処理を同一設備で連続且つ効果的に製
造する連続製造装置を提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明はステンレス鋼クラツド鋼板の炭素鋼面にクロム
0.01〜0.5重量%,ニッケル0.01〜1重量%及び鉄0.01
〜0.5重量%を含む亜鉛皮膜で被覆したことを特徴とす
る。さらに、ステンレス鋼クラツド鋼板を高温の気相中
で熱処理を施し、次いでスケールブレーキング後に中性
塩水溶液で電解処理し、その後硫酸溶液中等で電解処理
を施してステンレス鋼面のスケール除去及び炭素鋼面を
活性化し、次いで片面ステンレスクラツド鋼板の場合は
炭素鋼面のみに前述の亜鉛めつき処理を施こし、次いで
化成処理を施す。両面ステンレスクラツド鋼板の場合は
亜鉛めつき処理を省略して硝弗酸等の混酸処理を施こす
ように各々の処理装置を配置されている。
更に、本発明は、炭素鋼板の片面にステンレス鋼薄帯が
一体圧着されているクラッド鋼板を移送させながら亜鉛
めっき浴中に浸漬して前記炭素鋼板の前記ステンレス鋼
薄帯が設けられている反対面側に電気めっきによってク
ロム0.01〜0.5重量%,ニッケル0.01〜1重量%及び鉄
0.01〜0.5重量%を含む亜鉛皮膜を形成するクラッド鋼
板の連続製造法であって、前記電気めっきは前記クラッ
ド鋼板をカソードとし、前記炭素鋼板側に該炭素鋼板と
同程度の幅を有する電極を設けアノードとして電界を与
え、前記ステンレス鋼薄帯側に該ステンレス鋼薄帯と同
程度の幅を有する電極を設けカソードとするとともに前
記クラッド鋼板の電位より大きくすることを特徴とする
クラッド鋼板の連続製造法にある。
亜鉛めつきに当つてステンレス鋼側に設けた電極に対し
てクラツド鋼板より高い電位とすることによつてステン
レス鋼が電解液中に溶出するので、この溶出したFe,Cr,
Ni等が前述の微量の濃度で亜鉛めつき皮膜に形成され、
耐食性を向上させる。
ステンレス鋼は耐食材料として一般に良く知られている
が高価であるために使用が制限される問題がある。一般
に金属材料の耐食性は、その表面の性質で決まることか
ら、炭素鋼の如き安価な構造材料の表面にステンレス鋼
の耐食性を付与すれば経済性、特性上大きな効果をもた
らす。クラツド鋼板に圧着されるステンレス鋼はオース
テナイト系ステンレス鋼が好ましい。特に、JIS規格のS
US304,316,321,347,309,310等が好ましい。フエライト
系ステンレス鋼としてSUS410が好ましい。
しかるに炭素鋼表面にステンレス鋼の箔をはりつける、
いわゆるステンレスクラツド鋼板にすれば経済的で且つ
高耐食性の鋼板が得られる。クラツド鋼板の製造法は爆
着方が主流であつたが、この方法ではクラツド鋼板を連
続的に製造すること出来ない。最近、圧延機による圧着
法が開発され、ステンレスクラツド鋼板を連続的にコイ
ル状で製造できるようになつた。
ステンレスクラツド鋼板は片面ステンレスクラツド鋼板
と両面ステンレスクラツド鋼板があるが経済性や溶接性
などを考慮すると片面ステンレスクラツド鋼板(以下、
単にステンレスクラツド鋼板と云う)が有用である。片
面ステンレスクラツド鋼板を屋根、建物の外板等建材に
使用する場合、外側はステンレス鋼面とすれば問題ない
が、内側の炭素鋼側の耐食性が問題となる。すなわち、
ステンレス鋼と炭素鋼の電位差による電食が生じるため
である。本発明は、このような問題を解消するものであ
り、ステンレスクラツド鋼板の炭素鋼面を耐食性に優れ
た亜鉛めつき皮膜で被覆したものである。ここで亜鉛め
つきは材料の機械的特性を損わずに、炭素鋼面のみを被
覆することが肝要であり、このためには片面電気亜鉛め
つき皮膜が好ましい。更に、電気亜鉛めつきについて、
本願発明者らが種々の研究を実施した結果、亜鉛皮膜中
の微量のクロム,ニツケル,鉄を含有させた場合に、亜
鉛めつきの美麗な外観を損なうことなく、耐食性と化成
処理性を向上させ得ることが判明した。ここで、クロ
ム,ニツケル、鉄を微量としたのは次の理由による、亜
鉛皮膜中のクロム含有量が0.5%を超えるとめつき皮膜
が黒灰色〜黒色の粗雑な皮膜となり、外観を著しく損な
うのみでなく、耐食性が低下する。クロム含有量が0.5
%以下では、めつき皮膜の外観は純亜鉛めつきと同等で
あり美麗な面が得られる。耐食性はクロムを含有するこ
とにより、0.5%以下であればいずれの含有量でも純亜
鉛めつきより向上し、効果を発揮する。0.5%以下の含
有量では0.1程度が耐食性が亜鉛めつきの約3倍と安定
しており実用的である。
ニツケル含有量は亜鉛・ニツケル合金めつきの耐食性に
関しては10%付近までが最も良好で、それ以上では効果
が低下する。しかし、亜鉛中にクロム,ニツケルが含有
された場合、ニツケルの効果は含有量がそれ程高くなく
ても十分であり、1%以下でも耐食性は改善される。ニ
ツケル量をむやみに多くしてもステンレスクラツド鋼板
の目的からすれば経済性等を考慮すれば得策ではなく、
1%以下で十分に目的を達せられる。
本発明は、炭素鋼板の片面にステンレス鋼薄帯が一体圧
着されているクラツド鋼板を焼鈍する焼鈍炉、焼鈍後高
温のクラツド鋼板を冷却する冷却装置、冷却されたクラ
ツド鋼板表面の酸化皮膜にクラツクを形成させるスケー
ルブレーカ、前記酸化皮膜にクラツクを有するクラツド
鋼板の前記酸化皮膜を電解によつて除去する電解装置及
び該電解処理されたクラツド鋼板の前記炭素鋼板面側に
電解によつて亜鉛めつきを施す亜鉛めつき装置及び前記
クラッド鋼板を移送する駆動装置を備えたことを特徴と
するクラツド鋼板の連続製造装置であって、前記亜鉛め
っき装置は前記クラッド鋼板をカソードとし、前記炭素
鋼板側に該炭素鋼板と同程度の幅を有する電極を設け、
該電極をアノードとする電界を与え、かつ前記ステンレ
ス鋼薄帯側に該ステンレス鋼薄帯と同程度の幅を有する
電極を設け、該電極をカソードとするとともに前記クラ
ッド鋼板の電位より大きくする手段を有し、前記亜鉛め
っき皮膜にクロム0.01〜0.5重量%,ニッケル0.01〜1
重量%及び鉄0.01〜0.5重量%を含有させるようにした
ことを特徴とする。亜鉛めつき皮膜を形成させた後に化
成皮膜をその表面に形成することは有効であり、化成皮
膜形成装置を有するのが好ましい。この装置の後に、更
に、本発明は炭素鋼板の両面にステンレス鋼薄帯が一体
圧着されているクラツド鋼板を、上述と同様に電解処理
した後に亜鉛皮膜を形成することなく混酸によつて処理
する混酸処理槽を備えたことを特徴とする。この場合
は、亜鉛めつき皮膜は形成させず、また化成皮膜も形成
しなくてもよいので、素通りする。
また、本発明はクラツド鋼板を連続的に処理するもの
で、焼鈍炉から最後の混酸処理槽までを連続して処理さ
れるもので、クラツド鋼板は同時に焼鈍、スケール除
去、亜鉛めつき及びその他の必要に応じて化成皮膜処
理、混酸処理が行われる。鋼帯は両端でロール等の手段
によつて強制的にテンシヨンが与えられるが、焼鈍炉で
はテンションがかからないようにする。スケール除去の
ための電解装置として、中性塩電解装置の他硫酸電解装
置が好ましい。硫酸電解装置はステンレス鋼面がアノー
ド、炭素鋼面がカソードとなるような電極配置及び電位
となるように構成される。
片面電気めつき装置は、ステンレス鋼面がアノード、炭
素鋼面がカソードになるような電極配置及び電位になる
ように構成される。
めつき後処理装置として亜鉛皮膜の化成処理装置が設け
られる。
焼鈍時にはクラツド鋼板にタンシヨンがかからないよう
に連続的に鋼板を移動させる。そのため焼鈍炉中で鋼板
を支持するロールが所定間隔で設けられ自重によつても
伸びないようになつている。スケールブレーカはロール
によつて構成されており、この部分で鋼板の曲げによる
抵抗によつて中性塩電解タンク、硫酸電解タンク、片面
メツキタンク後処理装置及び混酸タンク、ホツトリン
ズ、ドライヤを順次通つてロールに巻回されるその力に
よつてテンシヨンがかけられる。中性塩電解タンク、硫
酸電解タンク、片面メツキタンクの各間及び混酸タンク
の後にブラシ洗浄機を設けるのが好ましい。
鋼板はロールの駆動によって連続的に移動され毎分20〜
60mが好ましい。
次にステンレスクラツド鋼板の連続表面処理と設備につ
いて説明する。ステンレスクラツド鋼板は焼鈍熱処理を
施し、その機械的性質を調整する。焼鈍熱処理の際に生
成するステンレス鋼面及び炭素鋼面のスケールは除去し
て美麗な外観として製品とする。前述した如き炭素鋼面
の防食を施した鉄含有量は、亜鉛−鉄合金めつき膜の場
合は鉄含有量が30%以下では亜鉛めつき膜よりも低下す
る。したがつて鉄は少ない方が好ましい。しかし、亜鉛
中に鉄がクロム,ニツケルと共存し、鉄の含有量が0.5
%以下で耐食性に影響なく、めつき後の化成処理性を著
しく向上させることができる。鉄含有量が多くなる程化
成処理性は向上するが、耐食性は逆に低下することか
ら、亜鉛中の鉄をむやみに多くすることは得策ではなく
0.5%程度で十分目的は達せられる。
電気亜鉛めつき浴としてはステンレスクラツド鋼板の性
質上、塩素イオンの存在は避けるべきであり、また公害
問題を考慮すればシアン化浴も好しくなく、硫酸亜鉛め
つき浴が実用的である。ステンレスクラツド鋼板の焼
鈍、デスケール及びめつき処理は同一設備で連続的に行
なえば好都合である。焼鈍熱処理はトンネル炉で行なう
のが好ましく、この場合の雰囲気は大気あるいは調整雰
囲気のいずれでも目的は達せられるが、表面に生成する
スケール量を軽減し、デスケール性を良くするには酸化
性を調整した雰囲気ガス中で行なうことが好ましい。焼
鈍後の強制冷却時の雰囲気も焼鈍炉に準ずれば良いが、
鋼板温度が急激に降下することを考慮すると大気でも十
分目的は達せられる。焼鈍後のデスケール処理を効果的
に行なうにはクラツド鋼板に機械的な方法で変形を与
え、スケールにクラツドを発生させ(スケールブレーキ
ング処理)、次いで電解処理をする方法が有利である。
スケールブレーキング処理は複数個のロール配置によ
り、ステンレスクラツド鋼板に引張り曲げ伸びを与える
方法が実用的であり、5%程度の伸び率を鋼板に与える
ことにより必要十分なクラツクがスケールに発生する。
スケールにクラツクを発生させたステンレスクラツド鋼
板は中性塩水溶液中でアノード電解することにより素地
に損傷を与えることなくスケール除去を行なうが、スケ
ールは中性塩電解処理のみでは完全に除くことは困難で
あるので、次に行なう硫酸水溶液中での電解処理と併用
して行なうのが実用的である。この中性塩電解処理では
特に炭素鋼板面の酸化皮膜を除去するが、ステン鋼側の
酸化皮膜の十分な除去ができない。中性塩電解処理は通
常ステンレスクラツド鋼板をアノードとするアノード電
解で十分であるが、場合によつてはアノード電解とカソ
ード電解を併用しても良い。電解浴はNaClの如き塩化物
水溶液ではステンレス面及び炭素鋼面のいずれにもピツ
テイングが生じるので実用的ではなく、硫酸ナトリウム
水溶液が好ましい。
硫酸水溶液中の電解は主にステンレス鋼側のスケールの
除去と炭素鋼面のめつきの前処理として行なう。この処
理ではステンレスクラツド鋼板の炭素鋼面をカソードと
することにより、炭素鋼面を硫酸による溶解とカソード
還元反応により清浄にするとともに活性化してめつきの
前処理を行なう。同時にステンレス面をアノードとして
活性溶解させることにより、中性塩電解処理で残つたス
ケールを溶解除去する。したがつて硫酸電解処理ではス
テンレスクラツド鋼板の両面に対向して電極を配置し
て、炭素鋼側の電極をA、ステンレス鋼側を電極Bとす
ると電解時の各々の電位はA>ステンレスクラツド鋼板
>Bの順に低くすることが肝要である。ここで、炭素鋼
面のスケールが厚く、中性塩電解のみでは完全に除去で
きないような場合は通常の硫酸電解でステンレスクラツ
ド鋼板の両面をアノードとして電解することもできる。
スケール除去後の亜鉛めつき処理は炭素鋼面のみに施こ
す必要があり、めつき浴は中性塩電解時と同様の理由か
ら硫酸亜鉛めつき浴が好ましい。ステンレス鋼面のめつ
きを防止して、炭素鋼面のみを亜鉛めつきをするには、
上述した硫酸電解と同じ電極配置と電位構成にする必要
がある。これにより電極に対して炭素鋼面はカソードと
なり、めつき皮膜が形成され、ステンレス鋼面は電極に
対してアノードとなるために、めつきは行なわれない。
さらにステンレス鋼面がアノードとなるためにステンレ
ス鋼面からめつき浴中にその構成成分であるクロム,ニ
ツケル,鉄が溶出する。しかるに前述した如く、亜鉛め
つき膜中に微量のクロム,ニツケル,鉄が含有されると
諸特性が向上するが、めつき浴中のこれらのイオンは外
部から添加する必要がなく、自動的に供給されることに
なり、極めて好都合である。めつき浴中へのクロム,ニ
ツケル,鉄の溶出量は電位を調節することにより調整で
きる。
なお、炭素鋼面要求の耐食性がそれ程、高くない場合は
通常の片面亜鉛電気めつきでもその目的は達せられる。
この場合はステンレス鋼面のシールあるいはステンレス
鋼面と対向する電極の電位を同じにする方法等が採用さ
れる。
めつき後の後処理はリン酸塩化成処理あるいはクロメー
ト処理のいずれの処理でも目的は達せられるが、ステン
レスクラツド鋼板が構造物としての利用が多いことを考
慮すると化成処理膜を厚くできるリン酸塩化成処理が実
用性が高い。
以上、主として片面ステンレスクラツド鋼板の処理につ
いて述べたが、両面ステンレスクラツド鋼板の場合には
亜鉛めつきの必要性はほとんどないことから、公知のス
テンレス鋼のデスケール処理と同様に中性塩電解処理の
後で硫酸電解処理、亜鉛めつき処理、化成処理を省略し
て、硝弗酸水溶液に浸漬することにより美麗なステンレ
スクラツド鋼板を得ることができる。
〔発明の実施例〕
〔実施例1〕 硫酸亜鉛めつき液にCr6+,Ni2+,Fe2+を種々の濃度で添加
しためつき浴でステンレスクラツド鋼板をめつきし、純
亜鉛めつきと及びCr,Ni及びFeを含む亜鉛めつき皮膜特
性を比較した。クラツド鋼板はステンレス鋼薄帯として
JIS規格のSUS304鋼厚さ0.1mmが炭素鋼板厚さ0.9mmに圧
着したものである。
(めつき条件) 上記、めつき液にCr6+,Ni2+,Fe2+の供給源としてCrO3,N
iSO4・6H2O,FeSO4・7H2Oを種々の濃度に添加してめつき浴
とした。めつきは電流密度10A/dm2で2分間、めつき浴
温度40℃で行ない、厚さ約5μmの亜鉛皮膜を形成させ
た。
第1表にめつき膜特性評価結果を示す。
表から明らかな如く、亜鉛めつきしないものはたちまち
赤錆が発生するが、純亜鉛めつきすると顕著に耐食性が
向上する。更に微量のクロム,ニツケル,鉄が亜鉛めつ
き膜中に存在することにより、耐食性,化成処理性が大
幅に向上することがわかる。
また、外観上からCrは0.5%以下、Feは0.5%以下とすべ
きであり、更にNiは1%を越えても大きな効果がないこ
とが分る。
〔実施例2〕 第1図に工程を示す連続表面処理設備において本発明の
一例を実施した。
片面ステンレスクラツド鋼帯1はペイオフリール,カツ
テイングシヤー,ウエルダなどで構成されている入側設
備から連続的に供給されて、焼鈍炉2に入り、1000℃で
熱処理を受けると同時に、ステンレスクラツド鋼帯1の
表面に付着している圧延油などが焼却されて脱脂され
る。次にステンレスクラツド鋼帯1は冷却帯3で強制空
冷により常温付近まで冷却される。次いでスケールブレ
ーカ4により引張り曲げ加工を施こされて、焼鈍炉2で
生成したスケールにクラツクを生じさせる。ここでスケ
ールブレーカ4ではステンレスクラツド鋼帯1に約3.5
%の伸びを与えるように鋼帯1にかかるテンシヨンを調
節した。次いで、ステンレスクラツド鋼帯1は中性塩電
解装置5に入り、ここで80℃の硫酸ナトリウム250g/lの
水溶液中でpH7で25A/dm2の電流密度でアノード電解し、
ステンレス鋼面及び炭素鋼面のスケールを除去する。し
かし、ステンレス鋼面のスケールは中性塩電解のみでは
完全には除去されないので、ステンレスクラツド鋼帯1
はブラシ洗浄装置6でブラツシングしながら水洗されて
表面に残つた硫酸ナトリウムを洗い流した後、硫酸電解
装置7に入り、60℃の硫酸100g/lの水溶液中で電流密度
10A/dm2で電解処理して、ステンレス鋼面のスケールを
完全に除去する。この時に炭素鋼面の電位よりも対向す
る電極電位を高く保持することにより炭素鋼面はカソー
ド還元されて、清浄且つ活性な表面となる。次いでブラ
シ洗浄装置8でブラツシングしながら水洗されて、表面
に残留する硫酸を洗い流した後に片面電気めつき装置9
に入る。ここでCr6+,Ni2+,Fe2+を含んだ硫酸亜鉛めき浴
により炭素鋼面がめつきされる。この時ステンレス鋼面
の電位が対向する電極に対してアノードになるように電
極の電位を設定することにより、ステンレス鋼面へのめ
つきを防止する。さらに、ステンレス鋼面がアノードと
なることにより、めつき浴中へCr6+,Ni2+,Fe2+が溶出
し、めつき浴中のCr6+,Ni2+,Fe2+濃度が保持され、Znめ
つき皮膜中に微量に含有される。次いでステンレスクラ
ツド鋼帯1はめつき後処理装置10に入り、めつき面がリ
ン酸塩化成処理され、めつき膜表面にリン酸亜鉛皮膜が
形成される。次いで、硝弗酸混酸槽11を素通りして、ブ
ラシ洗浄装置12で表面に残留するリン酸塩化成処理液を
洗い流した後で、熱水洗浄装置13に入り、表面を洗浄す
ると同時に加温され、ドライヤー14で乾燥され片面ステ
ンレスクラツド鋼板が製造され、次工程へ送られる。こ
の工程で得られた片面ステンレスクラツド鋼板は外観が
美麗でしかも第1表に示した如く、その特性は極めて満
足すべきものであった。移動速度は毎分40mである。
本実施例においては第1図の装置を用い両面ステンレス
鋼帯の清浄処理を行うことができる。両面ステンレス鋼
帯1を焼鈍炉2で熱処理と脱脂洗浄を行ない、次いで冷
却帯3で冷却後、スケールブレーカー4でスケールにク
ラツクを発生させ、次いで中性塩電解装置5で電解して
ステンレス鋼面のスケールを一部除去し、ブラシ洗浄装
置6で表面に残留する硫酸ナトリウムを洗い流す。その
後、硫酸電解装置7、ブラシ洗浄装置8、片面電気めつ
き装置9、めつき後処理装置10を素通りさせて、硝弗酸
混酸槽11に入り、硝酸と弗酸の混合水溶液に浸漬して残
留するスケールを完全に除去する。次いでブラシ洗浄装
置12で表面に残留する硝弗酸を洗い流した後、熱水洗装
置13でさらに洗浄すると同時に加温し、ドライヤー14で
乾燥して両面ステンレスクラツド鋼板を得、次工程へ送
る。この工程により極めて美麗な両面ステンレスクラツ
ド鋼板が得られた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、ステンレスクラツド鋼板の表面処理を
同一設備で連続的に行なうことができ、極めて耐食性に
優れた美麗なステンレスクラツド鋼板が生産性良く得ら
れる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の表面処理工程を示すブロッ
ク図である。 1……ステンレスクラツド鋼帯、2……焼鈍炉、3……
冷却帯、4……スケールブレーカ、5……中性塩電解装
置、6……ブラシ洗浄装置、7……硫酸電解装置、8…
…ブラシ洗浄装置、9……片面電気めつき装置、10……
めつき後処理装置、11……硝弗酸混酸槽、12……ブラシ
洗浄装置、13……熱水洗浄装置、14……ドライヤー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 風間 成年 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 山口 輝雄 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 中村 恒雄 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭56−70943(JP,A) 特開 昭58−181889(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素鋼板の片面にステンレス鋼薄帯が一体
    圧着されているクラッド鋼板において、前記炭素鋼板の
    前記ステンレス鋼薄帯が設けられている反対面側にクロ
    ム0.01〜0.5重量%,ニッケル0.01〜1重量%及び鉄0.0
    1〜0.5重量%を含む亜鉛皮膜が設けられていることを特
    徴とするクラッド鋼板。
  2. 【請求項2】炭素鋼板の片面にステンレス鋼薄膜が一体
    圧着されているクラッド鋼板を移送させながら亜鉛めっ
    き浴中に浸漬して前記炭素鋼板の前記ステンレス鋼薄帯
    が設けられている反対面側に電気めっきによってクロム
    0.01〜0.5重量%,ニッケル0.01〜1重量%及び鉄0.01
    〜0.5重量%を含む亜鉛皮膜を形成するクラッド鋼板の
    連続製造法であって、前記電気めっきは前記クラッド鋼
    板をカソードとし、前記炭素鋼板側に該炭素鋼板と同程
    度の幅を有する電極を設けアノードとして電界を与え、
    前記ステンレス鋼薄帯側に該ステンレス鋼薄帯と同程度
    の幅を有する電極を設けカソードとするとともに前記ク
    ラッド鋼板の電位より大きくすることを特徴とするクラ
    ッド鋼板の連続製造法。
  3. 【請求項3】炭素鋼板の片面にステンレス鋼薄帯が一体
    圧着されているクラッド鋼板を焼鈍する焼鈍炉、焼鈍後
    高温のクラッド鋼板を冷却する冷却装置、冷却されたク
    ラッド鋼板表面の酸化皮膜にクラックを形成させるスケ
    ールブレーカ、前記酸化皮膜にクラックを有するクラッ
    ド鋼板の前記酸化皮膜を電解によって除去する電解装置
    及び該電解処理されたクラッド鋼板の前記炭素鋼板面側
    に電解によって亜鉛めっき皮膜を施す亜鉛めっき装置及
    び前記クラッド鋼板を移送する駆動装置を備えたクラッ
    ド鋼板の連続製造装置であって、前記亜鉛めっき装置は
    前記クラッド鋼板をカソードとし、前記炭素鋼板側に該
    炭素鋼板と同程度の幅を有する電極を設け、該電極をア
    ノードとする電界を与え、かつ前記ステンレス鋼薄帯側
    に該ステンレス鋼薄帯と同程度の幅を有する電極を設
    け、該電極をカソードとするとともに前記クラッド鋼板
    の電位より大きくする手段を有し、前記亜鉛めっき皮膜
    にクロム0.01〜0.5重量%,ニッケル0.01〜1重量%及
    び鉄0.01〜0.5重量%を含有させるようにしたことを特
    徴とするクラッド鋼板の連続製造装置。
  4. 【請求項4】炭素鋼板の両面にステンレス鋼薄帯が一体
    圧着されているクラッド鋼板を焼鈍する焼鈍炉、焼鈍後
    高温のクラッド鋼板を冷却する冷却装置、冷却されたク
    ラッド鋼板表面の酸化皮膜にクラックを形成させるスケ
    ールブレーカ、前記酸化皮膜にクラックを有するクラッ
    ド鋼板の前記酸化皮膜を電解によって除去する電解装
    置、該電解処理した前記クラッド鋼板の前記炭素鋼板面
    側に電解によって亜鉛めっき皮膜を施す亜鉛めっき装
    置、該亜鉛めっき皮膜を有するクラッド鋼板を混酸溶液
    に浸漬し酸洗処理する混酸処理槽及び前記クラッド鋼板
    を移送する駆動装置を備えたクラッド鋼板の連続製造装
    置であって、前記亜鉛めっき装置は前記クラッド鋼板を
    カソードとし、前記炭素鋼板側に該炭素鋼板と同程度の
    幅を有する電極を設け、該電極をアノードとする電界を
    与え、前記ステンレス鋼薄帯側に該ステンレス鋼薄帯と
    同程度の幅を有する電極を設け、該電極をカソードとす
    るとともに前記クラッド鋼板の電位より大きくする手段
    を有し、前記亜鉛めっき皮膜にクロム0.01〜0.5重量
    %,ニッケル0.01〜1重量%及び鉄0.01〜0.5重量%を
    含有させるようにしたことを特徴とするクラッド鋼板の
    連続製造装置。
  5. 【請求項5】炭素鋼板の少なくとも片面にステンレス鋼
    薄帯が一体圧着されているクラッド鋼板を焼鈍する焼鈍
    炉、焼鈍後高温のクラッド鋼板を冷却する冷却装置、冷
    却されたクラッド鋼板表面の酸化皮膜にクラックを形成
    させるスケールブレーカ、前記酸化皮膜にクラックを有
    するクラッド鋼板の前記酸化皮膜を電解によって除去す
    る電解装置、該電解処理されたクラッド鋼板の前記炭素
    鋼板面側に電解によって亜鉛めっきを施す亜鉛めっき装
    置、該亜鉛めっき皮膜を有するクラッド鋼板の亜鉛めっ
    き皮膜に該皮膜を保護する化成皮膜を形成する化成皮膜
    形成装置、前記化成皮膜を形成したクラッド鋼板を混酸
    溶液に浸漬し酸洗処理する混酸処理槽及び前記クラッド
    鋼板を移送する駆動装置を備え、前記クラッド鋼板は前
    記焼鈍炉から前記混酸処理槽にわたって連続して接続し
    ており前記クラッド鋼板の前記焼鈍炉以外で強制的にテ
    ンションを与えるロールを備えたクラッド鋼板の連続製
    造装置であって、前記亜鉛めっき装置は前記クラッド鋼
    板をカソードとし、前記炭素鋼板側に該炭素鋼板と同程
    度の幅を有する電極を設け、該電極をアノードとする電
    界を与え、かつ前記ステンレス鋼薄帯側に該ステンレス
    鋼薄帯と同程度の幅を有する電極を設け、該電極をカソ
    ードとするとともに前記クラッド鋼板の電位より大きく
    する手段を有し、前記亜鉛めっき皮膜にクロム0.01〜0.
    5重量%,ニッケル0.01〜1重量%及び鉄0.01〜0.5重量
    %を含有させるようにしたことを特徴とするクラッド鋼
    板の連続製造装置。
JP60101312A 1985-05-15 1985-05-15 クラツド鋼板及びその連続製造方法とその装置 Expired - Lifetime JPH0726233B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60101312A JPH0726233B2 (ja) 1985-05-15 1985-05-15 クラツド鋼板及びその連続製造方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60101312A JPH0726233B2 (ja) 1985-05-15 1985-05-15 クラツド鋼板及びその連続製造方法とその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61261497A JPS61261497A (ja) 1986-11-19
JPH0726233B2 true JPH0726233B2 (ja) 1995-03-22

Family

ID=14297293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60101312A Expired - Lifetime JPH0726233B2 (ja) 1985-05-15 1985-05-15 クラツド鋼板及びその連続製造方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0726233B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0852264A1 (en) * 1997-01-02 1998-07-08 Industrial Galvanizadora S.A. Zinc alloys yielding anticorrosive coatings on ferrous materials
AU2001214193A1 (en) * 2000-11-21 2002-06-03 Sambix Corporation Zinc-plated article free from occurrence of whisker and having rust-resistant, multi-layered film, composition for forming rust-resistant multi-layered film andmethod for preparing zinc-plated article free from occurrence of whisker and ha ving rust-resistant, multi-layered film
CN116083981A (zh) * 2023-02-13 2023-05-09 北京依蓝能源科技有限公司 一种连续不锈钢-碳钢电镀锌复合板及其制备方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5670943A (en) * 1979-11-13 1981-06-13 Kobe Steel Ltd High anticorrosive surface coated steel plate
JPS58181889A (ja) * 1982-04-17 1983-10-24 Nippon Steel Corp 片面亜鉛系電気メツキ鋼板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61261497A (ja) 1986-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6121317B2 (ja)
JPH0726233B2 (ja) クラツド鋼板及びその連続製造方法とその装置
JP3514837B2 (ja) 熱延鋼板の溶融めっき方法
JP3792335B2 (ja) ステンレス鋼帯の脱スケールにおける仕上げ電解酸洗方法
US6837973B1 (en) Apparatus for electrically coating a hot-rolled steel substrate
JPS5837192A (ja) 片面亜鉛系電気メッキ鋼板の非メッキ面の後処理方法
JP2014205884A (ja) Mn層を有する鋼材
TW585937B (en) Process for producing an electrolytically coated, hot-rolled strip
JPH05295600A (ja) ステンレス鋼帯の連続脱スケール方法及び装置
JPH045753B2 (ja)
JP3873335B2 (ja) 鋼帯の電解脱スケール方法
JPH0369996B2 (ja)
JPS61166999A (ja) 鋼板の表面清浄方法
JPS5861294A (ja) 良好な鉄面を持つ片面亜鉛系電気メッキ鋼板の製造
JPH09209108A (ja) 鋼材加工品の浸漬めっき方法
JPH0331797B2 (ja)
JP2726144B2 (ja) 被覆性と密着性に優れた高耐食性Pb‐Sn合金めっきCr含有鋼板の製造法
JPS6260900A (ja) ステンレス鋼材の脱スケ−ル方法
JPS5989791A (ja) 冷間圧延鋼板の表面性状改質方法
JPH0765214B2 (ja) めっき密着性及び耐食性にすぐれたNi,Co,及びNi−Co合金めっきCr含有鋼板の製造法
JPS61119694A (ja) 電気メツキ鋼板の製造方法
JP2000080498A (ja) 錫系めっき鋼板の化学処理法
JPS61163292A (ja) 片面電気めつき法
JP3643473B2 (ja) 高速シーム溶接性、密着性、耐食性に優れた表面処理鋼板およびその製造方法
JPS5964783A (ja) 化成処理性にすぐれた熱延鋼板の製造方法