JPH0726012A - 一酸化炭素とオレフィン不飽和化合物との共重合体及びそれらの製造方法 - Google Patents
一酸化炭素とオレフィン不飽和化合物との共重合体及びそれらの製造方法Info
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Abstract
状共重合体並びにその製造方法を提供する。 【構成】 本発明の一酸化炭素と1つ以上のオレフィン
不飽和化合物との線状ランダム共重合体は、その重合体
鎖がオレフィン不飽和化合物由来の単位及び一酸化炭素
由来の単量体単位をモル比52.5:47.5〜80:
20で含むことを特徴とする。本発明の一酸化炭素と1
つ以上のオレフィン不飽和化合物との線状ランダム共重
合体の製造方法は、前記単量を一酸化炭素対オレフィン
不飽和化合物のモル比1:30〜1:3の範囲であり、
パラジウム源及びアニオン性リン単座配位子を含む触媒
組成物と接触させる工程を含む。
Description
不飽和化合物との線状共重合体及びその製造方法に関す
る。
に沿ってランダムに分布している単位−CO−(C
2H4)−及び単位−CO−(A)−から成る、一酸化炭
素と、エテンと1つ以上の他のオレフィンの不飽和化合
物(A)との共重合体が開示されている。従って、ここ
に開示された共重合体は、一酸化炭素とエテン又は別の
オレフィン不飽和単量体Aとの線状交互共重合体であ
る。一酸化炭素とエテンとの高分子線状交互共重合体と
比べた上記ポリマーの長所は、融点が低いことであり、
これによりポリマーの溶融加工を低温で実施することが
できる。加工温度が低いので、加工中のポリマーの分解
及び変色が防止される。しかし、低融点のポリマーを製
造するためにはエテンのほかに少なくとも1つの別のオ
レフィン不飽和単量体が必要であるので、オレフィン不
飽和単量体の総数が少なくとも2となるという欠点があ
る。
ーは、特に高温で、優れた機械的性質を有し、そのため
エンジニアリングポリマーとして有用である。
1522942には、ラジカル触媒を使用して一酸化炭
素及び脂肪族モノオレフィンをラジカル重合して製造さ
れる、一酸化炭素と脂肪族モノオレフィン、好ましくは
エテンとの非交互共重合体が開示されている。前記アメ
リカ特許の実施例には、1.16:1〜20:1のエテ
ン対一酸化炭素のモル比を有する一酸化炭素とエテンと
の共重合体が記載されている。前記イギリス特許の明細
書に記載された共重合体は、1に近いエテン対一酸化炭
素のモル比を有する。
86及びGB−A−1522942に記載されている前
記エテン/一酸化炭素共重合体は、対応する完全交互共
重合体より低い融点を有する。しかし、当業者には自明
の通り、前記共重合体はラジカル重合機構のために、線
状構造ではなく枝分かれ構造を有する。枝分かれ構造を
有するポリマーの欠点は比較的高い溶融粘度を有してお
り、溶融加工が非常に妨げられることである。更に、ラ
ジカル開始剤のよく知られた欠点は、安定して貯蔵でき
ないこと及びその残滓が製造されたポリマー中に存在し
てポリマーの安定性を害する恐れがあるということであ
る。
る上記の欠点を解消することが望ましい。
化合物及びホスフィノ−スルホン酸配位子をベースにし
た触媒組成物を使用して一酸化炭素と1つ以上のオレフ
ィン不飽和化合物との線状交互共重合体を製造する方法
が開示されている。このヨーロッパ特許出願の実施例に
は、前記線状交互共重合体が重合混合物中にオレフィン
不飽和化合物を一酸化炭素に対するモル比約1:1で添
加することによって製造され得ることが教示されてい
る。
線状非交互共重合体が、一酸化炭素に対して比較的高い
モル比のオレフィン不飽和単量体を重合混合物中に適用
することを含む方法によって、EP−A−280380
で開示されている触媒組成物を使用して得られることが
驚くべきことに見いだされた。従って、前記ポリマーは
枝分かれでなく線状である点で、ラジカル重合によって
製造されたポリマーと異なる。さらに前記ポリマーが、
対応の線状交互ポリマーより低い融点を示すことが見い
だされた。
化炭素と1つ以上のオレフィン不飽和化合物との共重合
体に関し、重合体鎖は線状であり、オレフィン不飽和化
合物由来の単量体単位及び一酸化炭素由来の単量体単位
をモル比52.5:47.5〜80:20で含み、よっ
て重合体鎖の少なくとも一部で上記の単量体単位がラン
ダムな順序で配置されていることを特徴とする。
その重合体鎖の少なくとも一部でランダムな順序で配置
されているオレフィン不飽和化合物由来の単量体単位及
び一酸化炭素由来の単量体単位を含む、一酸化炭素と1
つ以上のオレフィン不飽和化合物との共重合体の製造方
法に関し、前記方法は、(a)パラジウム源、及び
(b)一般式R1R2P−R−X(式中、R1、R2は独立
して任意で極性置換されるヒドロカルビル基を示し、R
は橋中に2つの炭素原子を有する2価の橋かけ基であ
り、Xはアニオン基である)を有し、pKa4未満の酸
から誘導されるアニオン性リン単座配位子を含む触媒組
成物の存在下で一酸化炭素及び1つ以上のオレフィン不
飽和化合物を接触させることを含み、前記一酸化炭素対
オレフィン不飽和化合物のモル比が1:30〜1:3、
好ましくは1:15〜1:5の範囲であることを特徴と
する。
「線状」という語は、重合体主鎖が重合中に形成される
高分子側鎖を実質的に含まない、つまり重合反応器から
得られるヴァージンポリマー粉末の分析によって上記の
側鎖を検出することができない程度しか含まないことを
意味する。これは、オレフィン不飽和化合物由来の単量
体単位の0.5%未満が高分子側鎖を有することを意味
する。線状ポリマーは種々の溶解性において枝分かれポ
リマーと異なる。
する、重合中にオレフィン不飽和単量体間に形成される
結合の比率は、共重合体の非交互性に関する明白な指標
である。完全な交互共重合体では前記比率(%)は0で
ある。
結晶質であるかオレフィン不飽和化合物の単独重合体に
類似している可能性は小さくなり、機械的特性、特にモ
ジュール及び強度が低下する。一方、前記比率が小さい
ときは、共重合体はますます完全な交互共重合体に近く
なり、対応する融点もますます高くなる。従って、前記
比率は5〜60%、典型的には7〜40%の範囲であ
る。これらの比率は、オレフィン不飽和化合物由来の単
量体単位の一酸化炭素由来の単量体単位に対するモル
比、つまり52.5:47.5〜80:20及び53.
5:46.5〜70:30にそれぞれ対応する。本発明
の共重合体が170℃を越える融点を有する半結晶質ポ
リマーになるような比率が好ましい。
有するとは、相互に結合された2つ以上のオレフィン不
飽和単量体単位から成り、各端部が一酸化炭素由来の単
量体単位と隣接している部分(entities)を重
合体鎖が含むことを意味する。
る反応条件、例えばオレフィン不飽和化合物の一酸化炭
素に対するモル比によって決まり得る。
ン不飽和化合物由来の単量体単位間のすべての結合のう
ち50〜95%、より好ましくは65〜85%が2つの
このような単量体単位からなる部分に含まれる。オレフ
ィン不飽和化合物由来の単量体単位間の残りの結合は3
つ以上の前記単量体単位からなる部分に含まれる。
合体鎖の少なくとも一端がオレフィン不飽和単量体の単
独重合体ブロックである。単独重合されたオレフィン不
飽和単量体の「末端ブロック」を1つ又は2つ有する共
重合体は、例えば重合の開始及び/又は終了時に、一酸
化炭素を実質的に含まない反応混合物を使用することに
よって得られる。大変好ましい共重合体は、単独重合さ
れたオレフィン不飽和単量体の末端ブロックを1つのみ
含むものである。単独重合体の末端ブロックが共重合体
全体の10〜50重量%を構成するのが好適である。
なオレフィン不飽和化合物は、一般的には分子中の2つ
の炭素原子間に少なくとも1つの、重合を受けやすい2
重結合を含むどんな化合物でもよい。好ましい種類のオ
レフィン不飽和化合物は脂肪族モノオレフィン、特にα
−オレフィンであり、そのうちエテン、プロペン、1−
ブテン又はそれらの混合物が有用なものである。これら
のうちエテンが特に望ましい。
モプラスチックの用途で使用される以外に、それらは例
えば包装においても非常に有用である。
び一般式R1R2P−R−X(式中、R1、R2は独立して
任意で極性置換されるヒドロカルビル基を示し、Rは橋
に2個の炭素原子を有する2価の橋かけ基であり、Xは
アニオン基である)を有するアニオン性リン単座配位子
を含む。前記配位子はpKa4未満、好ましくは2未満
の酸から誘導される。
ウム化合物、好ましくはパラジウム塩である。有用なパ
ラジウム塩の例はカルボン酸のパラジウム塩である。パ
ラジウムアセテートが好ましい。
ホン酸及びカルボン酸のような有機酸から誘導される。
これらの酸から誘導されるアニオン基のうちスルホン酸
から誘導されたアニオン基が好ましい、つまり前記の一
般式のアニオン基Xは好ましくはスルホネート基−SO
3 -である。
く、典型的には10個以下炭素原子を有する、脂肪族又
は芳香族ヒドロカルビル基、例えばアルキル、シクロア
ルキル、アルケニル、アリール、アリールアルキル、ア
ルキルアリール又はそれらの官能化誘導体を示す。また
極性置換されたヒドロカルビル基も有用である。極性置
換基は例えば6個以下の炭素原子を有するアルコキシ基
で、そのうちメトキシが特に好ましい代表例である。R
1及びR2は同じであることが好ましいが、本発明の最も
好ましい実施態様ではR1及びR2は共にフェニル基を示
す。
2価の基であればよい。従って、Rは1,2−エチレ
ン、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン又は2,3
−ブチレンでもよいし、また1,2−フェニレン又は1
−フェニル−1,2−エチレンでもよい。好ましい橋か
け基は、1,2−エチレン及び1,2−フェニレンであ
る。
形で又は塩として導入するが、酸が好ましい。
組成物の成分(b)として使用されるリン配位子は2−
(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸から誘導
される。
実施され得るが、後者が好ましい。好ましい液体希釈剤
はプロトン性又は非プロトン性の希釈剤もしくはそれら
の混合物である。従って、有効なプロトン性希釈剤はメ
タノール及びエタノールのような低級アルコールを包含
し、アセトン、テトラヒドロフラン及びジグリム(ビス
(2−メトキシエチル)エーテル)は有効な非プロトン
性希釈剤の例である。パラジウムアセテートのようなパ
ラジウム塩をパラジウム源として使用するならば、触媒
組成物の触媒活性を最適化するために4未満のpKaを
有する有機酸をさらに添加してもよい。つまり、このよ
うな酸は、リン単座配位子によってまだ置換されていな
いアセテート基をパラジウム原子から除去するのに有効
であり、従って、パラジウムの、有効な触媒活性サイト
の数が増加し得る。特にこの目的に好ましいのは、例え
ばメタンスルホン酸のようなスルホン酸であるが、4未
満のpKaを有する他の有機酸を使用してもよい。
は特に臨界的ではなく、広い範囲に亘る。好ましくは、
使用される触媒組成物の量が、重合されるオレフィン不
飽和化合物1モルにつき10-7〜10-3、特に10-6〜
10-4グラム原子のパラジウムを含むようなものであ
る。
℃、さらに好ましくは30〜150℃の範囲の温度で、
一方圧力は好ましくは1〜200バール、さらに好まし
くは20〜100バールで実施される。
るが、本発明はこれらの特定実施例に限定されるもので
はない。
0.15mmol を含む触媒溶液を装入した。
去し、圧力が40バールに達するまでエテンを導入し
た。次に圧力が45バールに達するまで一酸化炭素を導
入した。オートクレーブを95℃まで加熱し、10時間
重合を実施し、その後室温まで冷却し圧力を解放して重
合を停止した。このようにして得た重合生成物をろ別、
メタノールで洗浄、室温で真空乾燥した。3.5gのポ
リマーが得られ、これは温度勾配10℃/minで作動
する示差走査熱量計(DSC)で測定して融点210℃
を有する。
gle Spinning−13CNMR)での分析によ
って、エテン由来の単量体単位及び一酸化炭素由来の単
量体単位のモル比が57.5:42.5である線状共重
合体が得られたことが判明した。従って、重合の間に形
成された化学結合のうちの総計15%がエテン単位間の
結合として存在し、そのうち73%が2つのエテン単位
から成る部分に、残りの27%が3つ以上のエテン単位
から成る部分に含まれていた。重合の間に形成された結
合の残りの85%は一酸化炭素−エテン結合であった。
枝分かれは検出されなかったので、高分子又は別の置換
基を有するのはエテン単位の0.5%未満であったこと
を意味する。
0.3mmol及び メタンスルホン酸 0.3mmol を含む触媒溶液を装入した。
去し、圧力が40バールに達するまでエテンを導入し
た。次に温度を10分間で84℃に上げ、さらに5分間
維持してエテンを重合した。それから5バールの一酸化
炭素を導入し、84℃で6時間重合を継続し、その後室
温に冷却し圧力を開放して重合を停止した。このように
して得た重合生成物をろ別、メタノールで洗浄、室温で
真空乾燥した。5gの重合体が得られ、これは温度勾配
10℃/minで作動する示差走査熱量計(DSC)で
測定して2つの溶融吸熱量、つまり125℃及び225
℃を示した。
前記重合生成物の約30重量パーセントがポリエチレン
(融点125℃)であり、残りの部分は線状共重合体A
−B(Aはポリエチレンブロック、Bはエチレン/CO
共重合体)であることが判明した。エテン由来の単量体
単位の一酸化炭素由来の単量体単位に対するモル比は5
5:45であった。従って、ポリマーは10%のエテン
−エテン結合を含み、残り90%は一酸化炭素−エテン
結合であった(融点225℃)。
離し得る。
ートクレーブからの空気の除去後、圧力が20バールに
達するまでエテンを導入し、その後圧力が20バールに
達するまで一酸化炭素を導入した。7gのポリマーが得
られ、これは温度勾配10℃/minで作動するDSC
で測定して融点250℃を有する。
状共重合体はエテン−エテン結合を含まず、完全に交互
するエチレン/COの共重合体であることが判明した。
Claims (13)
- 【請求項1】 一酸化炭素と1つ以上のオレフィン不飽
和化合物との共重合体であって、重合体鎖が線状であ
り、オレフィン不飽和化合物由来の単量体単位及び一酸
化炭素由来の単量体単位を52.5:47.5〜80:
20のモル比で含むことによって重合体鎖の少なくとも
一部で上記単量体単位がランダムな順序に配置されてい
ることを特徴とする共重合体。 - 【請求項2】 前記モル比が53.5:46.5〜7
0:30であることを特徴とする請求項1に記載の共重
合体。 - 【請求項3】 オレフィン不飽和化合物由来の単量体単
位間の全結合のうち50〜95%が2つの上記単量体単
位から成る部分に含まれることを特徴とする請求項1又
は2に記載の共重合体。 - 【請求項4】 共重合体鎖の少なくとも一端がオレフィ
ン不飽和単量体の単独重合体ブロックであることを特徴
とする請求項1又は2に記載の共重合体。 - 【請求項5】 共重合体鎖の一端がオレフィン不飽和単
量体の単独重合体ブロックであることを特徴とする請求
項4に記載の共重合体。 - 【請求項6】 単独重合体末端ブロックが全共重合体の
10〜50重量%を占めることを特徴とする請求項4又
は5に記載の共重合体。 - 【請求項7】 前記オレフィン不飽和単量体がα−オレ
フィンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
1項に記載の共重合体。 - 【請求項8】 前記α−オレフィンがエテンであること
を特徴とする請求項7に記載の共重合体。 - 【請求項9】 重合体鎖が線状であり、重合体鎖の少な
くとも一部でランダムな順序に配置されているオレフィ
ン不飽和化合物由来の単量体単位及び一酸化炭素由来の
単量体単位を含む、一酸化炭素と1つ以上のオレフィン
不飽和化合物との共重合体の製造方法であって、(a)
パラジウム源、及び(b)一般式R1R2P−R−X(式
中、R1、R2は独立して任意で極性置換されるヒドロカ
ルビル基を示し、Rは橋に2つの炭素原子を有する2価
の橋かけ基であり、Xはアニオン基である)を有し、p
Ka4未満の酸から誘導されるアニオン性リン単座配位
子を含む触媒組成物の存在下で一酸化炭素と1つ以上の
オレフィン不飽和化合物を接触させることを含み、前記
一酸化炭素対オレフィン不飽和化合物のモル比が1:3
0〜1:3の範囲であることを特徴とする方法。 - 【請求項10】 前記一酸化炭素対オレフィン不飽和化
合物のモル比が1:15〜1:5の範囲であることを特
徴とする請求項9に記載の方法。 - 【請求項11】 R1及びR2が共にフェニル基であるこ
とを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。 - 【請求項12】 Rが1,2−エチレン及び1,2−フ
ェニレンから成る群から選択され、Xはスルホネート基
−SO3 -であることを特徴とする請求項9〜11のいず
れか1項に記載の方法。 - 【請求項13】 触媒組成物の成分(b)が2−(ジフ
ェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸から誘導される
ことを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載
の方法。
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