JPH07258931A - ウール後染め加工用丸撚金銀糸及びそれを用いた撚糸ないしは梳毛糸、並びにそれらを用いたウール製品 - Google Patents

ウール後染め加工用丸撚金銀糸及びそれを用いた撚糸ないしは梳毛糸、並びにそれらを用いたウール製品

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JPH07258931A
JPH07258931A JP6074290A JP7429094A JPH07258931A JP H07258931 A JPH07258931 A JP H07258931A JP 6074290 A JP6074290 A JP 6074290A JP 7429094 A JP7429094 A JP 7429094A JP H07258931 A JPH07258931 A JP H07258931A
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yarn
wool
round
silver
tinsel
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JP6074290A
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Kozo Oike
耕三 尾池
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Oike and Co Ltd
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Oike and Co Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明なポリアミド系フイルムの片面上に金属
蒸着層及び腐食防止樹脂塗膜層を設けた積層体フイルム
のスリット糸のポリアミド系フイルム側を外側にして任
意の芯糸の外周に巻きつけた。 【効果】 ウール用の常圧染色法で容易に染色できるだ
けでなく、ウール製品に特有の柔らかくしなやかな風合
いを損なわないものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、丸撚金銀糸及びそれを
用いた撚糸ないしは梳毛糸、並びにそれらを用いたウー
ル製品に関する。さらに詳しくはウール製品中に混ぜて
使用しても、ウール製品の風合いはピュアウールそのま
まで損なわれることがなく、ウール用の常圧染色法で容
易にウールと同色に染色できるウール後染め加工用丸撚
金銀糸及びそれを用いた撚糸ないしは梳毛糸、並びにそ
れらを用いたウール製品に関し、ウール製品にはウール
に混ぜて織りまたは編んだウール製品のほか、ウール編
織物に本発明の糸で刺繍したものも含まれる。
【0002】
【従来の技術】従来より金属蒸着適性にすぐれた厚さ
(本発名の明細書中での厚さとは呼称厚さである、以下
同様)12μm〜25μm程度のポリエステルフイルム
の表面にアルミニウムなどの金属を蒸着してその上に熱
硬化性樹脂を主成分とする腐食防止樹脂塗膜層を設けた
積層体フイルムのスリット糸を任意の芯糸の外周に巻き
つけた丸撚金銀糸があったが、このものは硬く風合いに
欠ける上、ウール染色に用いられる酸性染料では十分な
濃度に染まらなかった。
【0003】さらに詳しくは、ポリエステルフイルムの
片面にアルミニウムなどの金属を蒸着して、その蒸着面
上に透明樹脂層を設けたスリット糸では、そのポリエス
テルフイルムが酸性染料には全く染着されない。また、
金属蒸着層の面上に設けられた腐食防止樹脂塗膜層はそ
の厚みがせいぜい1μm程度であるため、その腐食防止
樹脂塗膜層が酸性染料に染着される濃度には限界があり
ウール糸と同色に染色できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、染色した
色彩が濃色域まで染色でき、かつ金属光沢にすぐれ、し
かもウール糸との混合使用してもウール本来の柔らかく
しなやかな風合いが損なわれない丸撚金銀糸の出現が望
まれていた。
【0005】本発明は前記従来の欠点を克服し、染色し
た色彩が濃色域まで染色でき、かつ金属光沢にすぐれた
ウール後染め加工用丸撚金銀糸の提供と併せてそれを用
いた撚糸ないしは梳毛糸、並びにそれらを用いたウール
製品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のウール後染め加
工用丸撚金銀糸及びそれを用いた撚糸ないしは梳毛糸、
並びにそれらを用いたウール製品では、丸撚金銀糸の構
成に特定の極薄透明なポリアミド系フイルムの片面上に
金属蒸着層を設けた積層体フイルムのスリット糸のポリ
アミド系フイルム側を外側にして任意の芯糸の外周に巻
きつけたことで、前記従来品にあった課題をすべて克服
した。
【0007】
【作用】以下に本発明に用いられる構成材料とその作用
について述べる。
【0008】本発明に用いられる透明なポリアミド系フ
イルムは特に制限はないがナイロン6、ナイロン66、
ナイロン12の透明ないし半透明のフイルムであること
が必要である。
【0009】本発明に用いられるポリアミド系フイルム
としては、無延伸ナイロンフイルム、一軸延伸ナイロン
フイルム、二軸延伸ナイロンフイルム、逐次二軸延伸ナ
イロンフイルムなどのナイロンフイルムが適宜用いられ
る。その中でもナイロン6の逐次二軸延伸ナイロンフイ
ルム、二軸延伸フイルムが酸性染料の飽和染着量が大き
いこと及び染色速度が早く機械加工適性があるなどの点
ですぐれているので好ましい。
【0010】前記ポリアミド系フイルムの厚さは通常は
6〜12μm程度の範囲から選ばれる。5μm未満のフ
イルムは工業的に広幅・長尺のものの製膜が困難であ
り、歩留が悪く生産コストが高くなり好ましくない。一
方、15μm程度のフイルムはポリアミド系フイルムの
性質が強く出てウールと混合して製品化するとウール製
品中の丸撚金銀糸の占める割合が増え、それにともない
ウール固有の柔らかく、しなやかな風合いが損なわれる
ので好ましくない。
【0011】本発明のウール後染め加工用丸撚金銀糸は
前記ポリアミド系フイルムの機械的性質が、ほぼそのま
まえられるスリット糸の機械的性質を左右して製編性、
製織性、刺繍性、風合いを決定するのでフイルムの厚さ
はこれらを考慮して前記範囲から適宜決定される。
【0012】前記ポリアミド系フイルムには、その柔軟
性及び透明性を損なわない範囲において、紫外線吸収
剤、酸化防止剤などのプラスチック老化防止剤、帯電防
止剤、滑り剤などを添加したものも使用できる。
【0013】本発明において適宜用いられる樹脂下塗層
は本発明のウール後染め加工用丸撚金銀糸の後染加工時
の耐性、加工ウール製品の耐久性を改善するもので、前
記ポリアミド系フイルムの片面に設けられる。
【0014】前記樹脂下塗層の塗料としては、特に制限
はないが透明なものから選ばれ、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などの各
種樹脂がいずれも使用可能で、たとえばアクリル系樹
脂、ニトロセルロス系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン
系樹脂、メラミン−アクリル樹脂、尿素メラミン系樹
脂、エポキシ系樹脂、エポキシ−イソシアネート樹脂、
アミノアルキッド系樹脂などの単独または混合物が好ま
しく用いられ、特に硬化性樹脂が好ましい。また樹脂下
塗層を形成する塗料にはあらかじめ染料(蛍光染料、蓄
光染料)、顔料(蛍光顔料、蓄光顔料)などの色剤によ
り適宜着色したものも用いることができる。この場合に
は蒸着金属に固有の色以外に彩色された丸撚金銀糸をえ
ることができる。さらに艶消剤あるいはマット剤を添加
したものも用いることができる。この場合には金属蒸着
層の光沢を抑制して雅趣に富んだ丸撚金銀糸をえること
ができる。
【0015】前記樹脂下塗層用塗料は、前記樹脂の有機
溶剤溶液、水溶液などをたとえばグラビアコーティング
法、スプレイコーティング法、ロールコーティング法、
浸漬法などの通常のコーティング法により塗布し、乾燥
(熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂
などの場合は硬化)することによって透明塗膜化され
る。
【0016】前記樹脂下塗層の厚みは通常0.05〜2
μmの範囲、好ましくは0.1〜1μmの範囲である。
樹脂下塗層の厚みが前記範囲未満では後染め加工適性、
金属蒸着層との密着性などの改善にほとんど寄与しない
ので設ける意味がなく好ましくない。一方前記範囲を超
えると、えられるウール後染め加工用丸撚金銀糸が全体
として硬直なものとなり、その結果として、この丸撚金
銀糸とウール糸とが撚り合わされてなるウール後染め加
工用撚糸、この丸撚金銀糸をウールと共に一般紡績法や
サイロスパン紡績法で紡績した梳毛糸らも全体として硬
直なものとなり、製編性、製織性、刺繍性、風合いが阻
害され、これらの丸撚金銀糸、撚糸、梳毛糸を単独であ
るいはウール糸と織編したウール製品や刺繍したウール
製品もまた硬直なものとなり、ウール製品に特有の柔ら
かくしなやかな風合いに欠けるので好ましくない。
【0017】本発明に用いられる金属蒸着層は、本発明
のスリット糸に強い金属光沢を付与するもので、前記ポ
リアミド系フイルムの片面に直接にまたは前記樹脂下塗
層を介して設けられる。金属蒸着層には、たとえば金、
銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、パラジウ
ム、インジウム、鉛、白金、亜鉛、錫などが通常用いら
れる。これらの中でも高級品には金、チタニウム、銀、
白金、パラジウムなどの単体金属やニッケルクロム、銀
銅合金、真鍮、硫化亜鉛などの合金や金属化合物なども
適宜用いられる。コストを重視する場合にはアルミニウ
ム、錫などが好ましく用いられる。また金属蒸着層は1
種類の材料で形成されてもよいが2種類以上のもので形
成されてもよく、複数層に形成されてもよい。
【0018】前記金属蒸着層は、ほぼ均一な厚みを有す
るものであって、その厚みは20〜100nm程度の範
囲であり、その中でも35〜60nmの範囲が特に好ま
しい。蒸着によってえられる金属蒸着層の厚さが前記範
囲未満では金属光沢に乏しく好ましくない。一方、前記
範囲を超えても丸撚金銀糸としての輝きは増大せず、か
えってクラックが発生しやすくなり、全体が硬直なもの
となって風合いに欠けるので好ましくない。
【0019】前記金属蒸着層を形成する方法は特に制限
はないが、たとえば前記の金属、合金または金属化合物
を用いて抵抗加熱蒸着法、高周波誘導加熱蒸着法、電子
ビーム加熱蒸着法、イオンプレーテイング蒸着法、スパ
ッタリング法、反応性抵抗加熱蒸着法、反応性高周波誘
導加熱蒸着法、反応性電子ビーム加熱蒸着法、反応性イ
オンプレーテイング蒸着法、反応性スパッタリング法な
どの通常の物理的蒸着による蒸着膜形成方法により、前
記合成樹脂フイルムの片面側に直接にあるいは前記樹脂
下塗層を介して形成する。
【0020】本発明の丸撚金銀糸を構成する前記金属蒸
着層自体は機械的強度が弱く摩擦による損傷などを受け
やすく、その上、空気中の水分、酸素ガス、炭酸ガス、
硫化物ガス、窒素酸化物ガスなどにより腐食されやすい
ので、金属蒸着層の面上に腐食防止樹脂塗膜層を設け
る。
【0021】前記腐食防止樹脂塗膜層の厚みは通常0.
1〜2μmの範囲、好ましくは0.5〜1.5μmの範
囲である。腐食防止樹脂塗膜層の厚みが前記範囲未満で
は金属蒸着層を摩擦による損傷などから充分に保護でき
ず、また空気中の水分、酸素ガス、炭酸ガス、硫化物ガ
ス、窒素酸化物ガスなどによる腐食を防止できず好まし
くない。一方前記範囲を超えると乾燥に長時間を要しそ
の上、塗膜中に溶剤が残留し安く、しかも得られる丸撚
金銀糸が全体として硬直なものとなり、柔らかくしなや
かな風合いに欠けるので好ましくない。
【0022】かかる腐食防止樹脂塗膜層を形成するため
の樹脂としては、たとえば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂のいずれもが
用いられ、たとえばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、
アクリルースチレン共重合体、塩化ビニル系樹脂、酢酸
ビニル系樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリ
ビニルブチラール、ポリカーボネート、ニトロセルロー
ス、セルロースアセテート、ウレタン系樹脂、尿素系樹
脂、メラミン系樹脂、尿素ーメラミン系樹脂、エポキシ
系樹脂、アルキッド系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、
ロジン変性マレイン酸樹脂などの単独または混合物が好
ましく用いられる。
【0023】腐食防止樹脂塗膜層の形成は、前記腐食防
止樹脂塗膜層を形成するための樹脂の有機溶剤溶液、水
溶液などをグラビアコーティング法、スプレイコーティ
ング法、ロールコーティング法、浸漬法などの通常のコ
ーティング法により均一な厚みに塗布し、乾燥(熱硬化
性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などの場
合は硬化)することによって塗膜化され、積層体フイル
ムがえられる。また腐食防止樹脂塗膜層は染料または顔
料などの色材で着色してあってもよい。
【0024】本発明のウール後染め加工用丸撚金銀糸は
前記積層体フイルムを通常は0.15〜2mm程度の細
幅にスリットされ、平箔糸とされたのち、金属蒸着層側
を内側にして、つまりナイロンフイルム側を外側にして
任意の芯糸の外周に巻きつけることによりえられる。
【0025】本発明において用いられる芯糸としては特
に制限はなく、通常の丸撚金銀糸に用いられるものから
適宜選択使用される。たとえば綿糸、ウール糸、絹糸な
どの天然繊維糸、キュプロ糸、ベンベルグ糸などの人造
絹糸、ナイロン糸、ナイロンフィラメント、ポリエステ
ル糸、ポリエステルフィラメント、ビニロン糸、ビニロ
ンフィラメントなどの合成繊維糸から適宜選択使用され
る。
【0026】本発明のウール後染め加工用丸撚金銀糸は
そのまま用いてもよいが、丸撚金銀糸をウールと共に一
般紡績法やサイロスパン紡績法で紡績して梳毛糸とした
り、これらを染色して色物の丸撚金銀糸、撚糸、梳毛糸
などを作ることもできる。
【0027】また本発明のウール後染め加工用丸撚金銀
糸、撚糸、梳毛糸を使用した編み物、織物は多色に染色
して色物の編み物、織物のウール製品とすることもでき
る。さらにウール編織物に本発明の糸で刺繍したウール
製品とすることもできる。
【0028】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0029】
【実施例】
実施例1 厚さが6μmの透明な二軸延伸ナイロンフイルムの片面
側に、銀を蒸発源として、抵抗加熱方式で銀の蒸着をお
こない、厚みが50nmの均一な金属蒸着層を形成し、
次いでこの金属蒸着層上に尿素−メラミン樹脂62部
(重量部、以下同様)、酢酸エチル15部、エタノール
10部、n−ブタノ−ル10部、トルエン40部、酢酸
ブチル5部からなる塗料をグラビア方式で塗布し、乾燥
し、加熱硬化させて、厚みが1μmの腐食防止樹脂塗膜
層を形成して積層体フイルムをえた。この積層体フイル
ムを70切り(0.433mm幅)にスリットして、銀
色の平箔糸をえた。この平箔糸をナイロンフイルム側が
外側になるように150デニールの人造絹糸を芯糸とし
てその外周にほぼ隙間なく巻きつけた後、水蒸気セット
して本願発明の銀色をした丸撚金銀糸をえた。
【0030】実施例2 厚さが6μmの透明な二軸延伸ナイロンフイルムにかえ
てを厚さが9μmの透明な二軸延伸ナイロンフイルムを
用いたほかは実施例1と同様にして本願発明の銀色をし
た丸撚金銀糸をえた。
【0031】実施例3 厚さが6μmの透明な二軸延伸ナイロンフイルムの片面
側に、厚みが50nmの均一な金属蒸着層を形成する前
に、熱硬化型アクリル樹脂9部、シリカ微粉末(マット
剤)1部、酢酸エチル−メチルエチルケトン(1:1)
混合溶剤57部からなる塗料をグラビア方式により塗布
し、乾燥し、加熱硬化せしめて厚さが0.5μmの樹脂
下塗層を形成したほかは実施例1と同様にして本願発明
の艶消しされた銀色をした丸撚金銀糸をえた。
【0032】実施例4 実施例1でえられた丸撚金銀糸を芯に150デニールの
ウール糸を絡ませてウール後染め加工用撚糸をえた。
【0033】実施例5 実施例1でえられた丸撚金銀糸を芯糸にしてウールと共
にサイロスパン法で紡績して丸撚金銀糸の混率が約50
%のウール後染め加工用梳毛糸をえた。
【0034】実施例6〜8 実施例1〜3でえられた丸撚金銀糸をそれぞれ経糸と
し、150デニールのウール糸を緯糸として平織物にし
た。
【0035】実施例9及び10 実施例4及び5でえられた梳毛糸をそれぞれ単独で用い
て編みあげて編物にした。
【0036】実施例11〜13 実施例1〜3でえられた丸撚金銀糸をそれぞれ単独で用
いてウール織物に刺繍して刺繍布にした。
【0037】比較例1 厚さが12μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフイルムの片面側に、銀を蒸発源として、抵抗加
熱方式で銀の蒸着をおこない、厚みが60nmの均一な
金属蒸着層を形成し、次いでこの金属蒸着層上に尿素−
メラミン樹脂62部、酢酸エチル15部、エタノール1
0部、n−ブタノ−ル10部、トルエン40部、酢酸ブ
チル5部からなる塗料をグラビア方式で塗布し、乾燥
し、加熱硬化させて、厚みが1μmの腐食防止樹脂塗膜
層を形成して積層体フイルムをえた。この積層体フイル
ムを70切り(0.433mm幅)にスリットして、銀
色の平箔糸をえた。この平箔糸を二軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフイルム側が外側になるように150デ
ニールの人造絹糸を芯糸としてその外周にほぼ隙間なく
巻きつけた後、水蒸気セットして従来の銀色をした丸撚
金銀糸をえた。
【0038】比較例2 比較例1でえられた丸撚金銀糸を経糸とし、150デニ
ールのウール糸を緯糸として平織物にした。
【0039】実施例1〜3で得られた本願発明の丸撚金
銀糸、実施例4でえられた撚糸、実施例5でえられた梳
毛糸、実施例6〜8でえられた平織物、実施例9〜10
でえられた編物、実施例11〜13でえられた刺繍布、
比較例1でえられた従来公知の丸撚金銀糸及び比較例2
でえられた平織物をそれぞれ下記に示すA,Bの染色条
件で染色処理をおこなった。その結果を表1に示す。
【0040】染色条件(A) 無水硫酸ナトリウム10%、氷酢酸2%、カヤノール
ネービー ブルー R5%、98℃×60分、浴比1:
30
【0041】染色条件(B) 酢酸アンモニウム5%、カヤノール ミーリング ブラ
ック TLB5%、98℃×60分、浴比1:30
【0042】なお、Aは弱酸性浴、Bは中性浴の染色条
件である。
【0043】えられた実施例1〜13の染色物は、いず
れも染着性、光沢性共に良好で洗濯、摩擦堅牢度はいず
れも4級以上であった。またウールと同色に染着され
た。
【0044】
【表1】
【0045】評価方法 1.染着濃度 目視で評価し、JIS L−0804を準用して実施例
1の染着濃度を5級とし、他の試料についての染着濃度
を5段階に評価した。
【0046】2.風合い 糸または布の硬軟性、弾性、及びあらさなどの視覚及び
触覚によって官能的に評価した。実施例、比較例及びの
ウール100%の試料から、30人の目隠しをした試験
員がそれぞれ10gの試料を取り、手の中に入れて握っ
たときの柔らかさ、指先で揉んだときの柔らかさなど一
般的あるいは経験的に行われている方法で比較試験し
た。ウール100%の試料と何らかの差異を感じた人の
多い少ないで、実施例、比較例の風合い評価をした。差
異を感じた人の数と評価の関係は下記の通りとした。 差異を感じた人の数 評価 0 〜 1 5級 2 〜 3 4級 4 〜 10 3級 11 〜 20 2級 21 〜 30 1級
【0047】表1から本発明によるウール後染め加工用
丸撚金銀糸は染着性が良好で、光沢性にすぐれ、かつ染
色堅牢度が極めて良好であり、ポリエチレンテレフタレ
ートフイルムを用いた丸撚金銀糸より柔軟性に富み風合
いなどに極めてすぐれていることが認められる。
【0048】
【発明の効果】本発明によるウール後染め加工用丸撚金
銀糸は酸性染料で濃色に染色が可能で染色堅牢度が良く
豊富な色彩に染色する加工に適するものである。
【0049】また本発明によるウール後染め加工用丸撚
金銀糸はウール糸と混ぜて織編みした場合、あるいはウ
ール織編物に本発明のウール後染め加工用丸撚金銀糸で
もって刺繍した場合に、ウール染色用染料で濃色にかつ
同系統の色彩に染色ができ、染色加工の安定性にも富む
ので手芸糸をはじめ、ウール織物、ウール編物、ウール
刺繍品などのウール製品を多色に染色して色彩豊かな商
品をえることができる。
【0050】さらに、本発明によるウール後染め加工用
丸撚金銀糸及びそれを用いた撚糸ないしは梳毛糸、並び
にそれらを用いたウール製品は、ウール用の常圧染色法
で容易に染色できるだけでなく、ウール製品に特有の柔
らかくしなやかな風合いを損なわないものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D03D 15/00 102 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明なポリアミド系フイルムの片面上に金
    属蒸着層及び腐食防止樹脂塗膜層を設けた積層体フイル
    ムのスリット糸のポリアミド系フイルム側を外側にして
    任意の芯糸の外周に巻きつけたことを特徴とするウール
    後染め加工用丸撚金銀糸。
  2. 【請求項2】ポリアミド系フイルムの厚さが6〜12μ
    mである請求項1記載の丸撚金銀糸。
  3. 【請求項3】ポリアミド系フイルムと金属蒸着層との間
    に樹脂下塗層が設けらてなる請求項1記載のウール後染
    め加工用丸撚金銀糸。
  4. 【請求項4】請求項1および請求項2記載の丸撚金銀糸
    とウール糸とが撚り合わされてなるウール後染め加工用
    撚糸。
  5. 【請求項5】請求項1、請求項2および請求項3記載の
    丸撚金銀糸をウールと共に一般紡績法やサイロスパン紡
    績法で紡績した梳毛糸。
  6. 【請求項6】請求項1、請求項2、請求項3、請求項4
    および請求項5記載の丸撚金銀糸、撚糸、梳毛糸を単独
    であるいはウール糸と織編したウール製品。
  7. 【請求項7】請求項1、請求項2および請求項3記載の
    丸撚金銀糸を用いてウール織編物に刺繍したウール製
    品。
JP6074290A 1994-03-17 1994-03-17 ウール後染め加工用丸撚金銀糸及びそれを用いた撚糸ないしは梳毛糸、並びにそれらを用いたウール製品 Pending JPH07258931A (ja)

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