JP3088759B2 - 染色可能な光沢糸 - Google Patents

染色可能な光沢糸

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JP3088759B2 JP02404258A JP40425890A JP3088759B2 JP 3088759 B2 JP3088759 B2 JP 3088759B2 JP 02404258 A JP02404258 A JP 02404258A JP 40425890 A JP40425890 A JP 40425890A JP 3088759 B2 JP3088759 B2 JP 3088759B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸性染料で染色可能な光
沢糸に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からポリエステルフィルムなどの表
面上にアルミニウムなどの金属を蒸着して薄膜層を設
け、その上に熱硬化性アクリル樹脂などを主体とする保
護樹脂層を設けた銀糸を染色して使用する金銀糸が知ら
れている。
【0003】しかしながら、かかる銀糸は染色濃度が低
く色彩の強さにおいて充分ではないという欠点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、高い濃度
に染色することができ、かつ染色の安定性にすぐれ、洗
濯、ドライクリーニングなどに対する耐性の大きな光沢
糸の出現が望まれていた。本発明は前記特徴を有する光
沢糸、なかんずく金属光沢を有する光沢糸を提供するた
めになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は透明なプラスチ
ックフィルムの片面上に無機薄膜層を設け、前記薄膜層
上および前記透明なプラスチックフィルムの他の面上
に、酸性染料で染色可能な、塗布によって形成された厚
さ0.02〜3μmの透明樹脂層を設けてなる積層体を
スリットしてなる染色可能な光沢糸に関する。
【0006】本発明はまた、プラスチックフィルムの両
面上に無機薄膜層を設け、前記両薄膜層上に酸性染料で
染色可能な、塗布によって形成された厚さ0.02〜3
μmの透明樹脂層を設けてなる積層体をスリットしてな
る染色可能な光沢糸に関する。
【0007】本発明はまた、プラスチックフィルムの片
面上に無機薄膜層を設け、前記薄膜層上に酸性染料で染
色可能な、塗布によって形成された厚さ0.02〜3μ
mの透明樹脂層を設けてなる積層体の2枚を、接着剤層
を介して前記透明樹脂層が外側となるように貼り合せて
なる積層体をスリットしてなる染色可能な光沢糸に関す
る。
【0008】本発明はまた、プラスチックフィルムの片
面または両面上に、酸性染料で染色可能な、塗布によっ
て形成された厚さ0.02〜3μmの透明樹脂層を設け
てなる積層体をスリットしてなる染色可能な光沢糸に関
する。
【0009】
【実施例】本発明に用いられるプラスチックフィルム
は、とくに制限はないが、前記無機薄膜層(以下薄膜層
という)をプラスチックフィルムの片面にのみ設け、1
プライのまま使用するばあいには透明なことが必要であ
る。
【0010】本発明に用いられるプラスチックフィルム
としては、従来から金銀糸などの用途に用いられている
フィルム、たとえばポリエステル、ポリアミド、ポリア
ミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、セルロースアセテート、フッ素樹脂などのフ
ィルムが適宜用いられる。そのなかでも、ポリエステル
フィルムが好ましく、なかんずくポリエチレンテレフタ
レート(PET )フィルムは、その諸特性が優れているの
でとくに好ましい。
【0011】前記プラスチックフィルムの厚さは通常4
〜100 μm、より好ましくは6〜50μmの範囲から選ば
れる。本発明の光沢糸においては前記プラスチックフィ
ルムの機械的性質が、ほぼそのままえられる光沢糸の機
械的性質を左右して製織性や風合いを決定するので、フ
ィルムの厚さはこれを考慮して前記範囲の中から適宜選
択決定される。
【0012】前記プラスチックフィルムには、その柔軟
性および、透明なフィルムを用いるばあいにはその透明
性を損なわない範囲において、紫外線吸収剤、酸化防止
剤などのプラスチック老化防止剤、帯電防止剤、スベリ
剤などを添加することができる。
【0013】本発明に用いられる薄膜層は、本発明の光
沢糸にとくに強い光沢を付与するもので、前記プラスチ
ックフィルムの片面または両面上に設けられる。前記薄
膜層としては通常金属または合金の薄膜が用いられ、金
属の例としては、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッ
ケル、銅、パラジウム、鉛、白金、亜鉛、スズなどがあ
げられる。高級品にはこれらの中で金、銀、白金、パラ
ジウムなどが用いられ、コストを重視するばあいにはア
ルミニウム、銀などが適宜用いられる。合金の例として
はたとえばクロム鋼(SUS) 、ニッケルクロム合金などが
あげられる。
【0014】前記薄膜層はまた無機化合物、たとえば酸
化亜鉛、酸化アルミニウムなどの金属酸化物、酸化ケイ
素などからなるものでもよい。
【0015】前記薄膜層は1種類の無機材料で形成され
てもよいが、2種類以上のもので形成されていてもよ
い。
【0016】前記薄膜層は均一な厚さを有するものであ
って、その厚さは10〜 100nm程度の範囲であり、その中
でも30〜80nmの範囲がとくに好ましい。薄膜層の厚さが
前記範囲未満では、光透過率が大きく、光反射率が小さ
いため金属光沢が乏しくなって好ましくない。一方前記
範囲を超えても光沢糸としての輝きは増大せず、かえっ
てクラックが発生しやすくなったり、全体が硬直なもの
となって風合いに欠けるうえコスト高となって経済的で
ないので好ましくない。
【0017】なお、本発明における薄膜層の膜厚は水晶
振動子膜厚モニターでの測定値である。
【0018】前記薄膜層の形成は、真空蒸着法(抵抗加
熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビーム加熱
方式などを含む)、スパッタリング法、イオンプレーテ
ィング法などの通常の薄膜形成方法により行われる。
【0019】前記薄膜層をプラスチックフィルムの両面
に設けたばあいには、片面のみに前記薄膜層を設けたと
きよりも表面・裏面間に光沢差を生じにくいという特徴
がある。
【0020】本発明における酸性染料で染色可能な透明
樹脂層(以下、可染樹脂層という)は、前記薄膜層がプ
ラスチックフィルムの片面上にのみ設けられているとき
は、前記薄膜層上および反対側のプラスチックフィルム
上に設けられ、また薄膜層がプラスチックフィルムの両
面上に設けられているときには両薄膜層上に設けられ、
薄膜層が設けられていないときにはプラスチックフィル
ムの片面または両面上に設けられる。
【0021】前記可染樹脂層を形成するための樹脂とし
ては、酸性染料の吸着率の高いものが使用される。
【0022】このような樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などの中
から適宜選択されるが、たとえばアクリル- スチレン共
重合体、塩化ビニル- 酢酸ビニル共重合体、ポリアミン
系樹脂、ポリビニルブチラール、ニトロセルロース、セ
ルロースアセテート、ウレタン系樹脂、尿素- メラミン
系樹脂、ナイロン系樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ア
ルキッド系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ロジン変性
マレイン酸樹脂などの単独または混合物が選択使用され
る。とくに硬化性樹脂が好ましい。
【0023】前記樹脂のなかでとくに好ましいのはアミ
ノ樹脂、ポリアミン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリアミンと変性エポキシ樹脂の共重合体、エポキ
シ-イソシアネート共重合体、アミノ- エポキシ共重合
体などである。そのなかでもポリアミン樹脂(エポキシ
樹脂硬化用)20〜60部(重量部、以下同じ)、尿素樹脂
10〜40部、エポキシ樹脂20〜60部を合計100 部となるよ
うに混合した組成物、またはポリアミド樹脂20〜60部、
アミノ樹脂10〜20部、アミノ変性エポキシ樹脂20〜60部
を合計100 部となるように混合した組成物がとくに好ま
しい。
【0024】本発明においては、前記可染樹脂層に酸性
染料の吸着率が高い樹脂を使用するので、染料の吸着率
(染色前の光沢糸の重量に対する吸着された染料の重量
の比率、以下同様)が10%以上の光沢糸がえられる。
【0025】本発明の可染樹脂層の厚さは0.02〜3
μmの範囲から選ばれる。可染樹脂層の厚さが前記範囲
未満では酸性染料の吸着性が悪くなって、虹模様に染着
したり、淡色染色となって好ましくない。一方前記範囲
を超えると、酸性染料の吸着性は向上し、極めて濃い色
に染色できるが、該可染樹脂層の薄膜層との密着性が低
下し、かつ極めて硬直な光沢糸となるので風合いに欠け
ることとなり好ましくない。
【0026】本発明における前記可染樹脂層を設けるに
は、前記樹脂を溶かす有機溶剤、たとえばトルエン、キ
シレン、メチルエチルケトン、エチルセロソルブ、イソ
プロパノール、n-ブタノールなどに前記樹脂を溶解し、
該溶液をたとえばグラビアコーティング法、スプレイコ
ーティング法などの通常のコーティング法により均一な
厚さに塗布し、そののち加熱硬化させるのが好ましい。
【0027】本発明においてはさらに前記薄膜層と前記
可染樹脂層との間に透明なアンカーコート層を設けるの
が好ましい。
【0028】該アンカーコート層を設けると薄膜層と可
染樹脂層との密着性が向上する。さらに濃色染めの安定
性が向上し、また長時間におよぶ色相合わせの追加染め
についても応用が可能となって、本発明の光沢糸は各種
の染色加工に適するようになる。
【0029】前記アンカーコート層を形成するために用
いられる樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線
硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などの各種の樹脂から選
択使用でき、たとえばアクリル系樹脂、スチレン系樹
脂、アクリル- スチレン共重合体、塩化ビニル系樹脂、
酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル- 酢酸ビニル共重合体、
ポリビニルブチラール、ニトロセルロース、セルロース
アセテート、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系
樹脂、尿素- メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキ
ッド系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ロジン変性マレ
イン酸樹脂、ポリアミド系樹脂などの単独または混合物
を用いることができる。とくに硬化性樹脂、なかんずく
尿素樹脂とエポキシ樹脂との共重合物(分子量500 〜30
00程度のもの)などが好ましく用いられる。
【0030】前記アンカーコート層の厚さは通常0.01〜
5μmの範囲、好ましくは0.02〜2μmの範囲である。
アンカーコート層の厚さが前記範囲未満では洗濯、漂
白、染色および精練などに対する抵抗性が劣るので好ま
しくない。一方前記範囲を超えると全体として硬直なも
のとなり、織編性および風合いに欠けるので好ましくな
い。
【0031】前記アンカーコート層は前記樹脂の有機溶
剤溶液、水溶液などをたとえばグラビアコーティング
法、スプレイコーティング法などの通常のコーティング
法により均一な厚さに塗布し乾燥してえられる。
【0032】本発明においては前記プラスチックフィル
ムの片面上に順次薄膜層、可染樹脂層、さらに必要に応
じて薄膜層と可染樹脂層との間にアンカーコート層を設
けた積層体の2枚を接着剤層を介して貼り合せ、2プラ
イ構造とすることもできる。2プライ構造にするばあい
は、可染樹脂層は薄膜層上にのみ設け、反対側の、フィ
ルム面上には設ける必要はない。そして前記可染樹脂層
が設けられていないフィルム面同志を接着剤層を介して
貼り合せ、2プライの積層体とする。このばあいの接着
剤は酸性水溶液に侵されないものであることが必要で、
ウレタン/イソシアネート系のものが好ましい。
【0033】本発明においてはまた、前記薄膜層を設け
ないで、前記プラスチックフィルム上に直接前記可染樹
脂層を設け、それをマイクロスリットして染色可能な光
沢糸とすることもできる。このものは金属的な輝きはな
いが、染色後でもプラスチックフィルムにもとづく強い
光沢を有している。
【0034】本発明の光沢糸は、前記積層体を0.15〜2
mmの幅にマイクロスリットすることによりえられる。
【0035】本発明の光沢糸は酸性染料で好適に染色さ
れる。酸性染料としては多くの種類のものが知られてい
るが、本発明の光沢糸を染色するには、使用されている
可染樹脂層の樹脂の種類などを考慮して適宜選択使用す
ればよい。使用される酸性染料の例としては、たとえば
日本チバガイギー(株)製のラナセットレッド(Lanase
t Red )2B、ラナセットブルー(Lanaset Blue)2R、ラ
ナセットイエロー(Lanaset Yellow)4G、エリオニルブ
ラック(Erionyl Black)M-R 、住友化学工業(株)製
のアミニルブラック(AminylBlack)F-GL、サンド
(株)製のナイロサンブラック(Nylosan Black )F-WS
などがあげられる。
【0036】本発明の光沢糸の染色は、95℃前後に加熱
した染色液に糸を浸漬して行われる。前記染色液は、酢
酸、ギ酸などで酸性とした液に、酸性染料、染色助剤を
加えたものである。前記染色助剤にはアミラジンD(第
一工業製薬(株)製の特殊非イオン性界面活性剤からな
る酸性染料の緩均染剤)、硫酸ナトリウム(酸性染料に
よる羊毛染めの緩染剤)などが用いられる。
【0037】本発明の光沢糸は前記のごとく酸性染料で
各種の色に濃く染色することが可能であって、従来のこ
の種の光沢糸ではえられなかった濃い色の染色光沢糸が
えられ、また濃色染めの安定性および長時間におよぶ色
合せの追加染めについても応用が可能となって、多種の
染色加工に適するものである。
【0038】また本発明の光沢糸は耐洗濯性、耐ドライ
クリーニング性にも優れている。
【0039】本発明の光沢糸はそのまま平糸として用い
てもよいが、他の繊維たとえば絹、綿、レーヨン、ナイ
ロン、ポリエステルなどの繊維と羽衣撚り、タスキ撚り
して撚り金銀糸、撚り光沢糸としてから染色をして、色
物の羽衣撚り、タスキ撚り金銀糸を作ることもできる。
【0040】また本発明の光沢糸を使用した編物、織物
は多色に染色して色物の編物、織物とすることもでき
る。
【0041】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0042】実施例1 厚さ12μmの透明なPET フィルムの片面上に純度が90%
以上のアルミニウムを蒸発源として、抵抗加熱方式でア
ルミニウム蒸着を行い、均一な厚さ(厚さ50nm)を有す
る薄膜層を設けた。該薄膜層上およびPET フィルムの反
対面上にポリアミン樹脂50部、尿素樹脂30部およびエポ
キシ樹脂20部を、トルエン50部、キシレン10部、エチル
セロソルブ30部およびイソプロピルアルコール10部から
なる溶媒に溶解してえた透明樹脂塗剤をグラビアコータ
ーで塗布し、160 ℃×20秒の条件で乾燥硬化させて0.8
μmの均一な厚さを有する可染樹脂層を設けて積層体を
えた。えられた積層体を80切(0.379mm 幅)にマイクロ
スリットして銀色の光沢を有する平糸をえた。
【0043】実施例2 厚さ12μmのPET フィルムの両面上に実施例1と同様に
して、50nmの均一な厚さを有するアルミニウムの薄膜層
を設けた。両薄膜層上にポリアミン樹脂50部、尿素樹脂
30部およびエポキシ樹脂20部を、トルエン50部、キシレ
ン10部、エチルセロソルブ30部およびイソプロピルアル
コール10部からなる溶媒に溶解してえた透明樹脂塗剤を
グラビアコーターで塗布し、160 ℃×20秒の条件で乾燥
硬化させて0.8 μmの均一な厚さを有する可染樹脂層を
設けて積層体をえた。えられた積層体を80切(0.379mm
幅)にマイクロスリットして銀色の光沢を有する平糸を
えた。
【0044】実施例3 厚さ12μmの透明なPET フィルムの片面上に実施例1と
同様の、均一な厚さのアルミニウムの薄膜層を設けた。
該アルミニウム薄膜層上にポリアミン樹脂50部、尿素樹
脂30部およびエポキシ樹脂20部を、トルエン50部、キシ
レン10部、エチルセロソルブ30部およびイソプロピルア
ルコール10部からなる溶媒に溶解してえた透明樹脂塗剤
をグラビアコーターで塗布し、160 ℃×20秒の条件で乾
燥硬化させて0.8 μmの均一な厚さを有する可染樹脂層
を設けて積層体をえた。
【0045】該積層体の2枚を厚さ1.6 μmのウレタン
樹脂系接着剤層を介して、前記可染樹脂層が外側となる
ように貼り合せて2プライ構成の積層体とした。えられ
た2プライの積層体を80切(0.379mm 幅)にマイクロス
リットして銀色の光沢を有する平糸をえた。
【0046】実施例4 厚さ12μmのPET フィルムの片面上に実施例1と同様
の、均一な厚さのアルミニウムの薄膜層を設け、該薄膜
層上にアンカーコート層として、尿素樹脂20部、ポリエ
ステル樹脂20部、エポキシ樹脂10部、トルエン50部、メ
チルイソブチルケトン30部、エチルセロソルブ10部およ
びn-ブタノール10部からなる透明な樹脂溶液をグラビア
コーターで塗布後、160 ℃×20秒の条件で乾燥硬化させ
て、0.2 μmの均一な厚さの層を設けた。つぎに該アン
カーコート層上およびPET フィルムの反対面上に実施例
1と同様の可染樹脂層を設けて積体層をえた。えられた
積層体を80切(0.379mm 幅)にマイクロスリットして銀
色の光沢を有する平糸をえた。
【0047】実施例5 厚さ12μmのPET フィルムの両面上に実施例1と同様
の、均一な厚さのアルミニウムの薄膜層を設け、該アル
ミニウム薄膜層上に実施例4と同様のアンカーコート層
を設けた。つぎに該アンカーコート層上に実施例1と同
様の可染樹脂層を設けて積層体をえた。えられた積層体
を80切(0.379mm 幅)にマイクロスリットして銀色の光
沢を有する平糸をえた。
【0048】実施例6 厚さ12μmの透明なPET フィルムの片面上にポリアミン
樹脂50部、尿素樹脂30部、エポキシ樹脂20部、トルエン
50部、キシレン10部、エチルセロソルブ30部、イソプロ
ピルアルコール10部からなる透明樹脂塗剤をグラビアコ
ーターで塗布し、160 ℃×20秒の条件で乾燥硬化させて
0.8 μmの均一な厚さを有する可染樹脂層を設けて積層
体をえた。えられた積層体を80切(0.379mm幅)にマイ
クロスリットして光沢を有する平糸をえた。
【0049】実施例7 厚さ12μmのPET フィルムの両面上に実施例1と同様
の、均一な厚さのアルミニウムの薄膜層を設け、該薄膜
層上にアンカーコート層として、ニトロセルロース5
部、アミノ樹脂70部、エポキシ樹脂25部をトルエン50
部、メチルエチルケトン30部およびイソプロピルアルコ
ール20部からなる溶媒に溶かしてえた透明な樹脂溶液を
グラビアコーターで塗布後、160 ℃×20秒の条件で乾燥
硬化させて、0.2 μmの均一な厚さの層を設けた。つぎ
に該アンカーコート層上にポリアミン樹脂40部、尿素樹
脂20部およびエポキシ樹脂40部を、トルエン50部、エチ
ルセロソルブ30部およびイソプロピルアルコール20部か
らなる溶媒に溶解してえた透明樹脂塗剤をグラビアコー
ターで塗布し、160 ℃×20秒の条件で乾燥硬化させて1.
0 μmの均一な厚さを有する可染樹脂層を設けて積層体
をえた。えられた積層体を80切(0.379mm 幅)にマイク
ロスリットして、銀色の光沢を有する平糸をえた。
【0050】比較例1 厚さ12μmのPET フィルムの片面に実施例1と同様の、
均一な厚さのアルミニウム薄膜層を設け、該アルミニウ
ム薄膜層上に通常用いられる銀糸用透明塗剤(メラミン
樹脂40部、尿素樹脂40部、エポキシ樹脂20部、トルエン
50部、キシレン10部、エチルセロソルブ30部、イソプロ
ピルアルコール10部からなる透明樹脂塗剤)をグラビア
コーターで塗布し、160 ℃×20秒の条件で乾燥硬化し、
0.8 μmの均一な厚さを有する透明樹脂層を設けて積層
体をえた。えられた積層体を80切(0.379mm 幅)にマイ
クロスリットして、銀色の光沢を有する平糸をえた。
【0051】比較例2 厚さ12μmのPET フィルムの両面に実施例1と同様の、
均一な厚さのアルミニウム薄膜層を設け、該アルミニウ
ム薄膜層上に比較例1と同様の透明塗剤をグラビアコー
ターで塗布し、160 ℃×20秒の条件で乾燥硬化させ、0.
8 μmの均一な厚さを有する透明樹脂層を設けて積層体
をえた。えられた積層体を80切(0.379mm幅)にマイク
ロスリットして銀色の光沢を有する平糸をえた。
【0052】比較例3 厚さ12μmのPET フィルムの片面に比較例1と同様の透
明塗剤をグラビアコーターで塗布し、160 ℃×20秒の条
件で乾燥硬化させ、0.8 μmの均一な厚さを有する透明
樹脂層を設けて積層体をえた。えられた積層体を80切
(0.379mm 幅)にマイクロスリットして光沢を有する平
糸をえた。
【0053】実施例1〜7および比較例1〜3でえられ
た光沢を有する平糸をそれぞれ表1に示す染色条件A、
Bで処理して染色を行った。
【0054】
【表1】
【0055】えられた染色物について染料の吸着率を測
定し、染色性、洗濯・ドライクリーニングに対する耐性
をつぎのようにして調べた。
【0056】染色性:光沢糸の染色の濃さを目視で評価
耐 性:耐洗濯性と耐ドライクリーニング性を目視で評
価耐洗濯性:マルセル石けん液(5g/リットル)に50
℃×20分浸漬後の変化耐ドライクリーニング性:パーク
ロロエチレンに21℃×30分浸漬後の変化評価はつぎのよ
うに行なった。
【0057】3:濃色に染色し耐性も良好 2:濃色に染色し耐性は僅かに不良 1:染色不足、耐性は僅かに不良 結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】表2から本発明による光沢糸は酸性染料で
濃く着色し、かつアンカーコート層を設けたばあいには
長時間の染色、洗濯、ドライクリーニングにもよく耐
え、さらに応用範囲の広い光沢糸であることが分かる。
【0060】
【発明の効果】本発明による光沢糸は酸性染料で濃色に
染色可能で、染めの安定性が高く、追加染めをはじめ各
種の染色加工にも適するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 3/00 D02G 3/06 D02G 3/12 D02G 3/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なプラスチックフィルムの片面上に
    無機薄膜層を設け、前記薄膜層上および前記透明なプラ
    スチックフィルムの他の面上に、酸性染料で染色可能
    、塗布によって形成された厚さ0.02〜3μmの
    明樹脂層を設けてなる積層体をスリットしてなる染色可
    能な光沢糸。
  2. 【請求項2】 プラスチックフィルムの両面上に無機薄
    膜層を設け、前記両薄膜層上に酸性染料で染色可能な
    塗布によって形成された厚さ0.02〜3μmの透明樹
    脂層を設けてなる積層体をスリットしてなる染色可能な
    光沢糸。
  3. 【請求項3】 プラスチックフィルムの片面上に無機薄
    膜層を設け、前記薄膜層上に酸性染料で染色可能な、塗
    布によって形成された厚さ0.02〜3μmの透明樹脂
    層を設けてなる積層体の2枚を、接着剤層を介して前記
    透明樹脂層が外側となるように貼り合せてなる積層体を
    スリットしてなる染色可能な光沢糸。
  4. 【請求項4】 プラスチックフィルムの片面または両面
    上に、酸性染料で染色可能な、塗布によって形成された
    厚さ0.02〜3μmの透明樹脂層を設けてなる積層体
    をスリットしてなる染色可能な光沢糸。
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