JP2000192344A - 後染め加工用金属光沢スリット糸 - Google Patents

後染め加工用金属光沢スリット糸

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JP2000192344A
JP2000192344A JP2000046183A JP2000046183A JP2000192344A JP 2000192344 A JP2000192344 A JP 2000192344A JP 2000046183 A JP2000046183 A JP 2000046183A JP 2000046183 A JP2000046183 A JP 2000046183A JP 2000192344 A JP2000192344 A JP 2000192344A
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yarn
dyeing
slit yarn
slit
thickness
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JP2000046183A
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English (en)
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Kozo Oike
耕三 尾池
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Oike and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属蒸着層の金属光輝性を付与でき、ウール
用の常圧染色法で、染色でき、かつ柔らかく、しなやか
な風合いを損なわない繊維製品を提供する。 【解決手段】 厚さが6〜12μmのポリアミド系フイ
ルムの片面に金属蒸着層を設けその金属蒸着層上に他の
6〜12μmのポリアミド系フイルムを積層した積層体
のスリット糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属光沢スリット糸に
関し、さらに詳しくはウール製品中に混ぜて使用して
も、ウール製品の風合いはピュアウールそのままで損な
われることがなく、ウール用の常圧染色法で容易に染色
できるので、織編製品においてウールと同色に染色可能
な、後染め加工用金属光沢スリット糸に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属蒸着適性にすぐれた厚さ(本
発名の明細書中での厚さとは呼称厚さである、以下同
様)12μm〜25μmポリエステルフイルムの表面に
アルミニウムなどの金属を蒸着してその上に熱硬化性樹
脂を主成分とする保護層を設けたフイルムを細くスリッ
トした銀糸があったが、このものは硬く風合いに欠ける
上、ウール染色に用いられる酸性染料では十分な濃度に
染まらなかった。
【0003】さらに詳しくは、ポリエステルフイルムの
片面にアルミニウムなどの金属を蒸着して、その蒸着面
上に透明樹脂層を設けた銀糸では、そのポリエステルフ
イルムが酸性染料には全く染着されない。また、蒸着面
上に設けられた透明樹脂層はその厚みがせいぜい1μm
であるため、その透明樹脂層が酸性染料に染着される濃
度は限界がありウール糸と同色に染色できなかった。
【0004】一方、片面にアルミニウムなどの金属を蒸
着した金属蒸着ポリエステルフイルムを2枚、接着剤を
介して金属蒸着側を内側にして貼り合せた銀糸は両面が
ポリエステルフイルムであるため酸性染料でウールと一
緒に同色に染めることはできなかった。
【0005】一方、ウール染色に用いられる酸性染料で
染まる銀糸としては、アルミニウムなどの金属を蒸着し
た厚さ12μmのポリエステルフイルムの両面に厚さ1
5μmのポリアミドフイルムを貼り合せたものや、厚さ
10μmのアルミニウム箔の両面に厚さ15μmのポリ
アミドフイルムを貼り合せたものを細くスリットした銀
糸があったが、このものは銀糸の厚さが35μmをこえ
るため硬く風合いに欠け、ウール糸と混合して使用する
とウール本来の柔らかくしなやかな風合いが損なわれ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、染色した
色彩が濃色域まで染色でき、かつ金属光沢にすぐれ、し
かもウール糸との混合使用してもウール本来の柔らかく
しなやかな風合いが損なわれない銀糸の出現が望まれて
いた。
【0007】本発明は前記従来の欠点を克服し、染色し
た色彩が濃色域まで染色でき、かつ金属光沢にすぐれた
後染め加工用金属光沢スリット糸およびそれを用いた撚
り糸ないしは梳毛糸およびそれを用いたウール製品等を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の後染め加工用金
属光沢スリット糸およびそれを用いた撚り糸ないしは梳
毛糸およびそれを用いたウール製品では、特定の極薄透
明なポリアミド系フイルムの片面上に金属蒸着層を設け
た積層体と特定の極薄透明なポリアミド系フイルムを接
着剤層を介して金属蒸着層側を内側にして貼り合せた構
成の積層体フイルムを細くスリットした後染め加工用金
属光沢スリット糸を採用したことで、前記従来品にあっ
た課題を克服した。
【0009】つぎに実施例をあげて本発明を説明する。
【実施例】本発明に用いられる透明なポリアミド系フイ
ルムは特に制限はないがナイロン6、ナイロン66の透
明ないし半透明のフイルムであることが必要である。本
発明に用いられるポリアミド系フイルムとしては、無延
伸ナイロンフイルム、一軸延伸ナイロンフイルム、二軸
延伸ナイロンフイルム、逐次二軸延伸ナイロンフイルム
などのナイロンフイルムが適宜用いられる。その中でも
ナイロン6の逐次二軸延伸ナイロンフイルム、二軸延伸
フイルムが酸性染料の飽和染着量が大きいことおよび染
色速度が早く機械加工適性があるなどの点ですぐれてい
るので好ましい。
【0010】前記ポリアミド系フイルムの厚さは通常は
6〜12μm程度の範囲から選ばれる。5μm未満のフ
イルムは工業的に広幅・長尺のものの製膜が困難であ
り、歩留が悪く生産コストが高くなり好ましくない。一
方、15μm程度のフイルムはポリアミド系フイルムの
性質が強く出てウール等と混合して製品化するとウール
製品中の金属光沢スリット糸の占める割合が増え、それ
にともないウール固有の柔らかく、しなやかな風合いが
損なわれるので好ましくない。
【0011】本発明の後染め加工用金属光沢スリット糸
は前記ポリアミド系フイルムの機械的性質が、ほぼその
ままえられるスリット糸の機械的性質を左右して製編
性、製織性、風合いを決定するのでフイルムの厚さはこ
れを考慮して前記範囲から適宜決定される。
【0012】前記ポリアミド系フイルムには、その柔軟
性および透明性を損なわない範囲において、紫外線吸収
剤、酸化防止剤などのプラスチック老化防止剤、帯電防
止剤、滑り剤などを添加することができる。
【0013】本発明において用いられる透明樹脂下塗層
は本発明の後染め加工用金属光沢スリット糸の後染加工
の耐性、加工ウール製品等の耐久性を改善するもので、
前記ポリアミド系フイルムの片面に設けられる。
【0014】前記透明樹脂下塗層の塗料としては、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬
化性樹脂などの各種樹脂がいずれも使用可能で、たとえ
ばアクリル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ウレタン
系樹脂、メラミン系樹脂、尿素メラミン系樹脂、エポキ
シ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂などの単独または混
合物が好ましく用いられ、特に硬化性樹脂が好ましい。
【0015】前記透明樹脂下塗層用塗料は、前記樹脂の
有機溶剤溶液、水溶液などをたとえばグラビアコーティ
ング法、スプレイコーティング法などの通常のコーティ
ング法により均一な厚みに塗布し、乾燥(熱硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂などの場合は
硬化)することによって透明塗膜化される。
【0016】前記透明樹脂下塗層の厚みは通常0.00
5〜2μmの範囲、好ましくは0.01〜1μmの範囲
である。透明樹脂下塗層の厚みが前記範囲未満では後染
め加工適性、金属蒸着層との密着性などの改善にほとん
ど寄与しないので設ける意味がなく好ましくない。一方
前記範囲を超えると、えられる後染め加工用金属光沢ス
リット糸が全体として硬直なものとなり、その結果とし
て、この金属光沢スリット糸とウール糸等とが撚り合わ
されてなるウール後染め加工用撚り糸、この金属光沢ス
リット糸あるいは撚り糸をウールと共に一般紡績法やサ
イロスパン紡績法で紡績した梳毛糸らも全体として硬直
なものとなり、製編性、製織性が阻害され、これらの金
属光沢スリット糸、撚り糸、梳毛糸を単独であるいはウ
ール糸と織編したウール製品もまた硬直なものとなり、
ウール製品等に特有の柔らかくしなやかな風合いに欠け
るので好ましくない。
【0017】本発明に用いられる金属蒸着層は、本発明
のスリット糸に強い金属光沢を付与するもので、前記ポ
リアミド系フイルムの片面に設けられる。前記金属蒸着
層にはたとえば金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケ
ル、銅、パラジウム、インジウム、鉛、白金、亜鉛、錫
などが通常用いられる。これらの中でも高級品には金、
チタニウム、銀、白金、パラジウムなどが用いられ、コ
ストを重視する場合にはアルミニウム、銀などが適宜用
いられる。前記金属蒸着層にはたとえばニッケルクロ
ム、銀銅合金、真鍮、硫化亜鉛などの合金や化合物など
も適宜用いられる。前記金属蒸着層は1種類の材料で形
成されてもよいが2種類以上のもので形成されてもよ
い。
【0018】前記金属蒸着層は均一な厚みを有するもの
であって、その厚みは20〜100nm程度の範囲であ
り、その中でも35〜60nmの範囲が特に好ましい。
蒸着によってえられる金属蒸着層の厚さが前記範囲未満
では金属光沢に乏しく好ましくない。一方前記範囲を超
えても金属光沢スリット糸としての輝きは増大せず、か
えってクラックが発生しやすくなり、全体が硬直なもの
となって風合いに欠けるので好ましくない。前記金属蒸
着層を形成する方法に特に制限はないが、たとえば前記
の金属、合金または金属化合物を用いて抵抗加熱方式、
高周波誘導加熱方式、電子ビーム加熱方式など通常の蒸
着方式の蒸着膜形成方法により形成することができる。
【0019】本発明の後染め加工用金属光沢スリット糸
は前記積層体を通常は0.15〜2mm程度の幅にマイ
クロスリットすることによりえられる。このことによ
り、本発明の後染め加工用金属光沢スリット糸は、その
扁平度が後染め加工用金属光沢スリット糸の扁平度=
(後染め加工用金属光沢スリット糸の厚さ(μm)/後
染め加工用金属光沢スリット糸の幅(μm))で表した
ときに(厚さは本発明の主旨からして6×2μmから1
2×2+透明樹脂下塗層の厚さ=25μmであるから)
0.006〜0.167の範囲のものとなり風合いの良
好な後染め加工用金属光沢スリット糸となる。本発明の
後染め加工用金属光沢スリット糸は酸性染料で好適に染
色される。酸性染料としては多くの種類のものが知られ
ているが、本発明の後染め加工用金属光沢スリット糸を
染色するにはウール染色の場合と同様に酸性染料の中か
ら、たとえばレベリング染料、ハーフレベリング染料、
ミーリング染料などがあげられる。本発明の後染め加工
用金属光沢スリット糸はそのまま平糸として用いてもよ
いが、ウール等と羽衣撚り、タスキ撚りなどして撚り糸
としたり、金属光沢スリット糸あるいは撚り糸をウール
と共に一般紡績法やサイロスパン紡績法で紡績して梳毛
糸としたり、これらを染色して色物の金属光沢スリット
糸、撚り糸、梳毛糸などを作ることもできる。また本発
明の後染め加工用金属光沢スリット糸、撚り糸、梳毛糸
を使用した編み物、織物は多色に染色して色物の編み
物、織物のウール製品等とすることもできる。
【0020】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。 実施例1 厚さ9μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムの片面
に、アルミニウムを蒸発源として、抵抗加熱方式でアル
ミニウムの蒸着をおこない、厚みが50nmの均一な金
属蒸着層を形成した。えられた金属蒸着フイルムの金属
蒸着層面上に厚みが0.2μmのウレタン系接着剤(ウ
レタン系接着剤50部(重量部、以下同様)、イソシア
ネート5部、トルエン15部、メチルエチルケトン15
部、酢酸ブチル15部)を介して厚さ9μmの透明な二
軸延伸ポリアミドフイルムを貼り合わせ2プライ構成の
積層体とした。この時の積層体の厚みは約19μmであ
った。この積層体を150切り(0.2mm幅)にマイ
クロスリットして、銀色の後染め加工用金属光沢スリッ
ト糸をえた。このスリット糸は約44デニールであっ
た。
【0021】実施例2 厚さ9μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムにかえ
て、厚さ12μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルム
を用いたほかは実施例1と同様にして2プライ構成の積
層体をえた。この積層体の厚みは約25μmであった。
この積層体を150切り(0.2mm幅)にマイクロス
リットして、銀色の後染め加工用金属光沢スリット糸を
えた。このスリット糸は約58デニールであった。
【0022】実施例3 厚さ6μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムの片面
に、アクリル樹脂30部、アミノ樹脂10部、ニトロセ
ルロース5部、トルエン25部、メチルエチルケトン2
5部、シクロヘキサノン5部を混合した透明樹脂塗料を
グラビアコーターで塗布、乾燥して厚み0.05μmの
均一な透明樹脂下塗層を形成した。この樹脂下塗層面上
にアルミニウムを蒸発源として、抵抗加熱方式でアルミ
ニウムの蒸着をおこない、厚みが50nmの均一な金属
蒸着層を形成した。えられた金属蒸着フイルムの金属蒸
着層面上に厚みが0.2μmのウレタン系接着剤(ウレ
タン系接着剤50部、イソシアネート5部、トルエン1
5部、メチルエチルケトン15部、酢酸ブチル15部)
を介して厚さ6μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイル
ムを貼り合わせ2プライ構成の積層体とした。この時の
積層体の厚みは約12μmであった。この積層体を15
0切り(0.2mm幅)にマイクロスリットして、銀色
の後染め加工用金属光沢スリット糸をえた。このスリッ
ト糸は約28デニールであった。
【0023】実施例4 厚さ6μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムにかえ
て、厚さ9μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムを
用いたほかは実施例3と同様にして2プライ構成の積層
体をえた。この積層体の厚みは約19μmであった。こ
の積層体を150切り(0.2mm幅)にマイクロスリ
ットして、銀色のウール後染め加工用金属光沢スリット
糸をえた。このスリット糸は約43デニールであった。
【0024】実施例5 厚さ6μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムにかえ
て、厚さ12μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルム
を用いたほかは実施例3と同様にして2プライ構成の積
層体をえた。この積層体の厚みは約25μmであった。
この積層体を150切り(0.2mm幅)にマイクロス
リットして、銀色の後染め加工用金属光沢スリット糸を
えた。このスリット糸は約56デニールであった。
【0025】実施例6 厚さ6μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムにかえ
て、透明樹脂下塗層を形成する面にコロナ放電処理をお
こなった厚さ12μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイ
ルムを用いたほかは、実施例3と同様にして2プライ構
成の積層体をえた。この積層体の厚みは約25μmであ
った。この積層体を150切り(0.2mm幅)にマイ
クロスリットして、銀色の後染め加工用金属光沢スリッ
ト糸をえた。このスリット糸は約57デニールであっ
た。
【0026】実施例7 実施例1〜6でえられた銀色の後染め加工用金属光沢ス
リット糸を芯にウール糸(150デニール)を絡ませて
羽衣撚り糸とした。
【0027】実施例8 実施例1〜6でえられた銀色の後染め加工用金属光沢ス
リット糸を芯に、ウール糸(100デニール)を左右か
らSZ方向に絡ませてタスキ撚り糸とした。
【0028】実施例9 実施例1〜6でえられた銀色の後染め加工用金属光沢ス
リット糸を平均長さ80mmに裁断したものを、ウール
とともに紡績して金属光沢スリット糸を含む、繊度が約
210デニールで、金属光沢スリット糸の混率が約28
%の梳毛糸とした。
【0029】実施例10 実施例1〜6でえられた銀色の後染め加工用金属光沢ス
リット糸を芯糸にしてウールとともに紡績して金属光沢
スリット糸を含む、繊度が約150デニールで、金属光
沢スリット糸の混率が約37%の梳毛糸とした。
【0030】実施例11 実施例3でえられた銀糸と150デニールのウール糸と
を絡ませた羽衣撚り糸を緯糸に、実施例3でえられた銀
糸を芯糸にしてウールと共に紡績した梳毛糸を経糸にし
て平織物にした。この時の緯糸と経糸との比率は8対6
であり、スリット糸の混率は17%であった。
【0031】実施例12 実施例3でえられた銀糸を芯糸にしてウール糸と共に紡
績した梳毛糸と150デニールのウール糸を比率1対1
の割合にして経糸とし、150デニールのウール糸を緯
糸にして平織物にした。この時の経糸と緯糸との比率は
6対5であり、スリット糸の混率は4%であった。
【0032】実施例13 実施例3でえられた銀糸と150デニールのウール糸と
を絡ませた羽衣撚り糸と150デニールのウール糸とを
丸編機にて交編して編物にした。この時のスリット糸の
混率は9%であった。
【0033】実施例14 実施例1〜13でえられた後染め加工用金属光沢スリッ
ト糸およびその加工品をそれぞれ下記に示すA,Bの染
色条件で染色処理をおこなった。また後記する評価方法
で、風合いを評価した。
【0034】染色条件(A) 無水硫酸ナトリウム10%、氷酢酸2%、カヤノール
ネービー ブルー R5%、98℃×60分、浴比1:
30
【0035】染色条件(B) 酢酸アンモニウム5%、カヤノール ミーリング ブラ
ック TLB5%、98℃×60分、浴比1:30 なお、Aは弱酸性浴、Bは中性浴の染色条件である。
【0036】えられた染色物は、いずれも染着性、光沢
性共に良好で、洗濯、摩擦堅牢度はいずれも4級以上で
あった。またウールと同色に染着されていた。
【0037】比較例1 厚さ6μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムにかえ
て、厚さ6μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフイルムを用いたほかは実施例3と同様にして2
プライ構成の積層体をえた。この積層体の厚みは約12
μmであった。この積層体を150切り(0.2mm
幅)にマイクロスリットして、銀色のスリット糸をえ
た。このスリット糸は約34デニールであった。
【0038】比較例2 厚さ9μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムにかえ
て、厚さ9μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートフイルムを用いたほかは実施例4と同様にして2
プライ構成の積層体をえた。この積層体の厚みは約19
μmであった。この積層体を150切り(0.2mm
幅)にマイクロスリットして、銀色のスリット糸をえ
た。このスリット糸は約52デニールであった。
【0039】比較例3 厚さ12μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムにか
えて、厚さ12μmの透明な二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフイルムを用いたほかは実施例5と同様にし
て2プライ構成の積層体をえた。この積層体の厚みは約
25μmであった。この積層体を150切り(0.2m
m幅)にマイクロスリットして、銀色のスリット糸をえ
た。このスリット糸は約68デニールであった。
【0040】比較例4 厚さ12μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムにか
えて、透明樹脂下塗層を形成する面にコロナ放電処理を
おこなった厚さ12μmの透明な二軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフイルムを用いたほかは実施例6と同様
にして2プライ構成の積層体をえた。この積層体の厚み
は約25μmであった。この積層体を150切り(0.
2mm幅)にマイクロスリットして、銀色のスリット糸
をえた。このスリット糸は約69デニールであった。
【0041】比較例5 比較例1〜4でえられた銀色のスリット糸を芯にウール
糸(150デニール)を絡ませて羽衣撚り糸とした。
【0042】比較例6 比較例1〜4でえられた銀色のスリット糸を芯にウール
糸(100デニール)を左右からSZ方向に絡ませてタ
スキ撚り糸とした。
【0043】比較例7 比較例1〜4でえられた銀色のスリット糸を平均長さ8
0mmに裁断したものを、ウールとともに紡績して金属
光沢スリット糸を含む、繊度が約210デニールで、金
属光沢スリット糸の混率が約33%の梳毛糸とした。
【0044】比較例8 比較例1〜4でえられた銀色のスリット糸を芯糸にして
ウールとともに紡績して金属光沢スリット糸を含む、繊
度が150デニールで、金属光沢スリット糸の混率が約
46%の梳毛糸とした。
【0045】比較例9 比較例1でえられた銀糸と150デニールのウール糸と
を絡ませた羽衣撚り糸を緯糸に、比較例1でえられた銀
糸を芯糸にしてウール糸と共に紡績した梳毛糸を経糸に
して平織物にした。この時の緯糸と経糸の比率は8対6
であり、スリット糸の混率は21%であった。
【0046】比較例10 比較例1でえられた銀糸を芯糸にしてウール糸と共に紡
績した梳毛糸と150デニールのウール糸とを比率1対
1の割合で経糸として、150デニールのウール糸を緯
糸として平織物にした。この時の経糸と緯糸の比率は6
対5であり、スリット糸の混率は6%であった。
【0047】比較例11 比較例1でえられた銀糸と150デニールのウール糸と
を絡ませた羽衣撚り糸と150デニールのウール糸とを
丸編機にて交編して編物にした。この時のスリット糸の
混率は11%であった。
【0048】比較例12 厚さ6μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムにかえ
て厚さ5μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムを用
いたほかは、実施例3と同様にして2プライ構成の積層
体をえた。この積層体の厚みは約11μmであった。し
かしポリアミドフイルムが強度不足のために各工程で皺
が生じ、歩留が悪く製品化できなかった。
【0049】比較例13 厚さ6μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムにかえ
て厚さ15μmの透明な二軸延伸ポリアミドフイルムを
用いたほかは、実施例3と同様にして2プライ構成の積
層体をえた。この積層体の厚みは約32μmであった。
この積層体を150切り(0.2mm幅)にマイクロス
リットして、銀色のスリット糸をえた。このスリット糸
は約92デニールであった。比較例1〜13でえられた
金属光沢スリット糸およびその加工品をそれぞれ前記し
たA,Bの染色条件で染色処理をおこなった。また後記
する評価方法で、風合いを評価した。えられた染色物
は、比較例13とウールはいずれも染着性良好であった
が、他の比較例の金属光沢スリット糸は何れも染色され
ていなかった。また比較例13の場合は風合いの悪いも
のであった。
【0050】評価方法 1.厚さ 試作した試料について、厚み計(シチズン社製、V−2
型)にて測定したときの測定値である。 2.繊度 試作した試料について、単位長さ当りの重量からデニー
ルを算出した。 3.染着濃度 目視で評価し、JIS L−0804を準用して実施例
6の染着濃度を5級とし、他の試料についての染着濃度
を5段階に評価した。 4.風合い 糸または布の硬軟性、弾性、およびあらさなどの視覚お
よび触覚によって官能的に評価した。実施例、比較例お
よびのウール100%の試料から、30人の目隠しをし
た試験員がそれぞれ10gの試料を取り、手の中に入れ
て握ったときの柔らかさ、指先で揉んだときの柔らかさ
など一般的あるいは経験的に行われている方法で比較試
験した。ウール100%の試料と何らかの差異を感じた
人の多い係は下記の通りとした。
【0051】 《評価》 実施例1 :染着濃度 (スリット糸5)、 風合い 4 実施例2 :染着濃度 (スリット糸5)、 風合い 3 実施例3 :染着濃度 (スリット糸4)、 風合い 5 実施例4 :染着濃度 (スリット糸5)、 風合い 4 実施例5 :染着濃度 (スリット糸5)、 風合い 3 実施例6 :染着濃度 (スリット糸5)、 風合い 3 実施例7 :染着濃度(ウール5、スリット糸4-5)、 風合い 5 実施例8 :染着濃度(ウール5、スリット糸4-5)、 風合い 5 実施例9 :染着濃度(ウール5、スリット糸4-5)、 風合い 5 実施例10:染着濃度(ウール5、スリット糸4-5)、 風合い 5 実施例11:染着濃度(ウール5、スリット糸4-5)、 風合い 5 実施例12:染着濃度(ウール5、スリット糸4-5)、 風合い 5 実施例13:染着濃度(ウール5、スリット糸4-5)、 風合い 5
【0052】 比較例1 :染着濃度(スリット糸 不染)、 風合い 4 比較例2 :染着濃度(スリット糸 不染)、 風合い 2 比較例3 :染着濃度(スリット糸 不染)、 風合い 2 比較例4 :染着濃度(スリット糸 不染)、 風合い 2 比較例5 :染着濃度(ウール5、スリット糸 不染) 風合い 3 比較例6 :染着濃度(ウール5、スリット糸 不染)、 風合い 3 比較例7 :染着濃度(ウール5、スリット糸 不染)、 風合い 4 比較例8 :染着濃度(ウール5、スリット糸 不染)、 風合い 3 比較例9 :染着濃度(ウール5、スリット糸 不染)、 風合い 3 比較例10:染着濃度(ウール5、スリット糸 不染)、 風合い 4 比較例11:染着濃度(ウール5、スリット糸 不染)、 風合い 4 比較例12:染着濃度、風合いとも評価できず 比較例13:染着濃度(スリット糸 5)、 風合い 2 以上の結果から本発明による後染め加工用金属光沢スリ
ット糸は染着性が良好で、光沢性にすぐれ、かつ染色堅
牢度が極めて良好であり、ポリエチレンテレフタレート
フイルム銀糸より柔軟性に富んだ風合いなどに極めてす
ぐれていることが認められる。
【0053】
【発明の効果】本発明による後染め加工用金属光沢スリ
ット糸は常圧の酸性染料で濃色に染色が可能で染色堅牢
度が良く豊富な色彩に染色する加工に適するものであ
る。また本発明による後染め加工用金属光沢スリット糸
はウール染色用染料で濃色にかつ同系統の色彩に染色可
能であり、染色加工の安定性に富むので本発明の後染め
加工用金属光沢スリット糸を使用したウール織物、編み
物、手芸糸などのウール製品を多色に染色して色彩豊か
な商品をえることができる。さらに、本発明による後染
め加工用金属光沢スリット糸およびそれを用いた撚り糸
ないしは梳毛糸およびそれを用いたウール製品等は、ウ
ール用の常圧染色法で容易に染色できるだけでなく、ウ
ール製品に特有の柔らかくしなやかな風合いを損なわな
いものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明なポリアミド系フイルムの片面上に金
    属蒸着層を設けた積層体と他の透明なポリアミド系フイ
    ルムとを接着剤層を介して金属蒸着層側を内側にして貼
    り合せた構成の積層体フイルムのスリット糸において、
    ポリアミド系フイルムの厚さが6〜12μmであり、ウ
    ールの常圧染色で濃色に染色可能なことを特徴とする後
    染め加工用金属光沢スリット糸。
  2. 【請求項2】ポリアミド系フイルムと金属蒸着層との間
    に樹脂下塗層が設けられてなる請求項1記載の後染め加
    工用金属光沢スリット糸。
  3. 【請求項3】後染め加工用金属光沢スリット糸の扁平度
    =(後染め加工用金属光沢スリット糸の厚さ(μm)/
    後染め加工用金属光沢スリット糸の幅(μm))が、
    0.006〜0.167である請求項1または請求項2
    記載の後染め加工用金属光沢スリット糸。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006283260A (ja) * 2005-03-30 2006-10-19 Kyoji Okabe ラメ糸編織布地の間隙状染色方法
JP2011514451A (ja) * 2008-02-28 2011-05-06 エムエムティー テキスタイルズ リミテッド 材料
KR20160019179A (ko) * 2014-08-11 2016-02-19 주식회사 선진 나일론 필름을 이용한 메탈릭 얀 및 그 제조방법

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KR101663732B1 (ko) * 2014-08-11 2016-10-07 주식회사 선진 나일론 필름을 이용한 메탈릭 얀 및 그 제조방법

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