JPH0725882Y2 - 回転ヘッド装置のパラレルローディング機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案はVTR（ビデオテープレコーダ）及びDAT（デジ
タルオーデイオテープレコーダ）等に用いられる回転ヘ
ッド装置における磁気テープのローディング装置に関す
る。

［従来の技術］ 従来、この種の装置として第４図乃至第６図に示すもの
があった。第４図は従来例を示す斜視図、第５図は従来
例を示す要部斜視図、第６図は従来例を示す要部断面図
である。

第４図乃至第６図において、１は周知の回転ヘッドドラ
ム（以後、ドラムとも称する）である。４は該ドラム１
の周囲に図示せぬ磁気テープを巻き付けるためのローデ
ィングリーダであり、該ローディングリーダ４は、垂直
ポール２と該垂直ポール２に対して所定の傾き角度に設
定されたスラントポール３とを上向きに植設し、被ガイ
ドピン9,9aを下向きに植設してなり、又、前記した被ガ
イドピン9,9aは、その途中に夫々鍔部9bを備えている。
該鍔部9b及び被ガイドピン9,9aはローディングガイド６
の下面及びガイド溝6aに摺動自在に係合することによ
り、上下方向及びローディング方向の位置規制されるよ
うにガイドされる。前記したローディングリーダ４はド
ラム１の周辺近傍の所定位置と図示せぬカセット等でな
るテープ走行系の所定位置との間を往復（ローディング
又はアンローディング）動作し、ローディング時には前
記した磁気テープをカセット等から引出し、該磁気テー
プをドラム１の回転軸に対して所定の傾き角度をもって
該ドラム１の周囲に巡らせて摺動自在に保持し、又、ア
ンローディング時には前記したドラム１の周囲に巡らせ
た磁気テープを解放しながらカセット等へ収納する構成
である。

前記ローディングリーダ４は、テープ供給側のローディ
ング用摺動子（以後、供給側摺動子又は単に摺動子とも
称する）11及びテープ巻取側のローディング用摺動子
（以後、巻取側摺動子又は単に摺動子とも称する）12の
ローディング方向の前方に夫々１組づつ配設され、一対
をなしている（第４図乃至第６図では１組だけ示す）。

又、前記した摺動子11,12の外周にはギヤ歯23,24が刻設
されており、該ギヤ歯23,24に図示せぬモータと連動し
たピニオンギヤが歯合して駆動力を付与される。

前記ローディングリーダ４にはその位置、姿勢及びロー
ディング経路を規制されるようにローディング方向の前
方に位置決め部4aが、下方に棒状の被ガイドピン9,9a及
び鍔部9bと半球形の突起でなる被ガイド部4bが夫々配設
されている。又、前記した被ガイドピン９はローディン
グリーダ４とリンク板18とを結合するように、該リンク
板18上に植設されており、さらに該リンク板18はコ字状
のスライド板10上で回転軸19により回動自在に支承され
ている。さらに該スライド板10は前記摺動子11上でロー
ディング方向へ僅かに摺動可能となるように、前記した
摺動子11に穿設された長穴でなる緩衝溝21にスライド板
10の一部をなす保持ピン13が支承され、前記した摺動子
11とスライド板10の夫々の一部をなすバネ掛け16,17の
間に張架された圧着スプリング14により前記スライド板
10をローディング方向へ所定の弾性力を付勢されてい
る。

又、第６図に示すシャーシ20上には第４図に示すＶブロ
ック５及びローディングガイド６が固設されており、前
記ローディングリーダ４の位置、姿勢及びローディング
経路をローディング完了時、アンローディング完了時及
びローディング途中等の各状態に亘って規制するように
なっている。

ローディング動作については下記の通り。

先ず、ローディング時には前記したモータの駆動力がピ
ニオンギヤを介して摺動子11,12へ伝達され、該摺動子1
1,12はその被ガイド溝８をシャーシ20に固定されたガイ
ドピン7aによりガイドされ、又、前記したローディング
リーダー４はその直下に植設した被ガイドピン9,9aを前
記ローディングガイド６のガイド溝6aによりガイドさ
れ、所定の移動経路をたどりながらローディング動作す
る。

この時、前記ピニオンギヤの歯合関係により前記した摺
動子11と摺動子12とは円弧上を互いに逆方向に摺動する
が、該円弧の略中心部近傍に位置するドラム１に対して
はその両側へ前記した２組のローディングリーダ４によ
り、前記磁気テープを巻き付けるように働く。

尚、アンローディング動作については上記したローディ
ング動作の逆の動作である。

又、ローディング完了状態においては、前記した垂直ボ
ール２がＶブロック５のＶ壁面5aに当接して保持され、
かつローディングリーダ４の位置決め部4aがＶブロック
５の凹部5bに嵌入されることにより、前記した垂直ポー
ル２及びスラントポール３がそれら自身の姿勢とローデ
ィング方向の位置とを規制されながら固定される。

又、ローディング又はアンローディング途中において
は、前記したローディングガイド６の内側に穿設された
長穴でなるローディング溝6aによりローディングリーダ
４の被ガイドピン9,9aがガイドされてローディング経路
を規制され、かつ前記したローディングガイド６の平ら
な上面によりローディングリーダ４の被ガイド部4bがガ
イドされてシャーシ20に対する垂直方向等の位置規制さ
れる。

尚、前記巻取側の摺動子12とそれに伴ってローディング
動作するローディングリーダ４の構成及び動作に関して
は、既に説明した供給側の摺動子11等と略左右対称の関
係になっているので、説明を省略する。

ところで、従来上記のように、回転ヘッドドラムの周面
に磁気テープを巻付けるように移動する２個のローディ
ングリーダと、これらのローデングリーダがそれぞれ取
付けられた各別の摺動子を備え、これらの摺動子に設け
られたギャ歯を介してこれらの摺動子が駆動され、該駆
動による移動に伴って前記ローディングリーダが前進し
たように移動される回転ヘッド装置のパラレルローディ
ング機構であって、前記摺動子は間隔を保って互いに重
なった状態で前記のように移動されるように、これらの
摺動子を案内するガイドを備え、該ガイドは、前記２個
の摺動子が摺動自在にそれぞれ嵌合される２条のガイド
溝を有するＥ字状ガイドと、該Ｅ字状ガイドから離れた
位置に配設された、スペーサを有するガイド部材とより
なり、該ガイド部材はその下端部のみでメインシャーシ
に固定され、また該ガイド部材は摺動子の被ガイド溝に
摺動自在に嵌合されたものが知られている（特開昭62−
18660号公報）。

［考案が解決しようとする問題点］ このようなものでは、前記ガイド部材がその下端部のみ
でメインシャーシに固定されているので、該ガイド部材
は曲げ等に対して比較的弱く、従ってガイド部材として
比較的大径のものを用いる必要があり、このため前記摺
動子の被ガイド溝として幅の広いものが必要となり、前
記摺動子の撓みに対する強度が弱くなるという欠点があ
った。

この考案は上記した問題点を解決するものであり、前記
ガイド部材に代わるガイドピンの上端部、中央部及び下
端部は前記Ｅ字状ガイドにより位置が規制されて、摺動
子の移動に伴う曲げ等の力に対して強くなり、このた
め、ガイドピンとして比較的小径のものをも用いること
ができ、これに伴って前記被ガイド溝をも細くすること
ができるので、摺動子自体も撓み等に対して強くなる、
回転ヘッド装置のパラレルローディング機構を提供する
ことを目的とするものである。

［問題を解決するための手段］ 上記した問題を解決するためのこの考案は、 回転ヘッドドラムの周面に磁気テープを巻付けるように
移動する２個のローディングリーダと、 これらのローデングリーダがそれぞれ取付られた各別の
摺動子を備え、 これらの摺動子に設けられたギャ歯を介してこれらの摺
動子が駆動され、該駆動による移動に伴って前記ローデ
ィングリーダが前記したように移動される回転ヘッド装
置のパラレルローディング機構であって、 前記摺動子は間隔を保って互いに重なった状態で前記の
ように移動されるように、これらの摺動子を案内するガ
イドを備えたものにおいて、 該ガイドは、前記２個の摺動子が摺動自在に、かつ密接
してそれぞれ嵌合される２条のガイド溝と、これらのガ
イド溝と交差して貫通するガイドピンとを有し、該ガイ
ドピンは２個の前記摺動子の被ガイド溝に摺動可能に嵌
合されていることを特徴とする回転ヘッド装置のパラレ
ルローディング機構である。

［作用］ 上記のように構成された本考案のローディング機構で
は、ガイドとして前記した２条のガイド溝の他、該２条
のガイド溝と交差して貫通するガイドピンを有するの
で、該ガイドピンの上端部、中央部及び下端部は前記ガ
イドにより位置が規制され、摺動子の移動に伴う曲げ等
の力に対して強くなり、このため、ガイドピンとして比
較的小径のものをも用いることができ、これに伴って前
記被ガイド溝をも細くすることができるので、摺動子自
体も撓み等に対して強くなる。

［実施例］ 第１図、第２図及び第３図は本考案の一実施例を示す図
であり、第１図はその斜視図、第２図はその要部斜視
図、第３図はその断面図である。

尚、従来例と同効のものは同一符号を付して説明の重複
を避ける。

第１図、第２図及び第３図において、15は前記摺動子1
1,12の移動経路等を規制するガイドである（第２図では
図示せず）。該ガイド15は、Ｅ字型の断面でなり、前記
摺動子11,12を滑らかに摺動可能な程度に受入れて、し
かも適度に密接した係合が得られるように前記摺動子1
1,12の厚さよりも若干幅広くしかも十分な接触面積が得
られる深さを持つ２条のガイド溝15a,15bが刻設されて
いる。そしてこのガイド15は前記ガイド溝15a,15bと交
差して貫通するガイドピン７をも有する。又、前記摺動
子11,12にはこれが摺動自在に支承されてしかもガタツ
キ少ない係合が得られる程度に前記ガイドピン７の外径
よりも若干幅広く被ガイド溝８が刻設されている。

又、前記した摺動子11,12の外側に刻設されたギヤ歯23,
24に図示せぬモータと連動したピニオンギヤ22a,22b,22
cが歯合して所定方向に駆動力を付与する。

このパラレルローディング機構の組立られる順序は、先
ず前記したＥ字型の上部から下部にかけてガイドピン７
が嵌め込まれる以前に、摺動子11,12を２条のガイド溝1
5a,15bへ夫々挿入した後に、これらガイド15及び摺動子
11,12をガイドピン７によって共に串刺しにするように
ガイド15の上面から下面にかけて、被ガイド溝８を貫通
しながらガイドピン７を刺し込む。

このように長穴でなる前記被ガイド溝８を貫通しながら
摺動子11,12がガイドピン７によってガイド15と共に串
刺しにされているので該摺動子11,12は夫々２条のガイ
ド溝15a,15bに正確に沿って摺動し、ローディング経路
を容易に規制され、脱出することもない。

尚、本考案は上記した実施例の構成に限るものでなく、
例えば摺動子11,12の外周側にギヤ歯23,24を刻設してい
たところを摺動子11,12の内周側に同様のギヤ歯を刻設
し、そのギヤにピニオンギヤを歯合して駆動力を付与す
る等の構成にしてもよい。

［効果］ 上記したように本考案のものは、 回転ヘッドドラム１の周面に磁気テープを巻付けるよう
に移動する２個のローディングリーダ4,4と、 これらのローデングリーダ4,4がそれぞれ取付られた各
別の摺動子11,12を備え、 これらの摺動子11,12に設けられたギャ歯23,24を介して
これらの摺動子11,12が駆動され、該駆動による移動に
伴って前記ローディングリーダ4,4が前進したように移
動される回転ヘッド装置のパラレルローディング機構で
あって、 前記摺動子11,12は間隔を保って互いに重なった状態で
前記のように移動されるように、これらの摺動子11,12
を案内するガイド15を備えたものにおいて、 該ガイド15は、前記２個の摺動子11,12が摺動自在に、
かつ密接してそれぞれ嵌合される２条のガイド溝15a,15
bと、これらのガイド溝15a,15bと交差して貫通するガイ
ドピン７とを有し、該ガイドピン７は２個の前記摺動子
11,12の被ガイド溝8,8に摺動可能に嵌合されていること
を特徴とするから、 ガイド15として前記した２条のガイド溝15a,15bの他、
該２条のガイド溝15a,15bと交差して貫通するガイドピ
ン７を有するので、該ガイドピン７の上端部、中央部及
び下端部は前記ガイド15により位置が規制され、摺動子
11,12の移動に伴う曲げ等の力に対して強くなり、この
ため、ガイドピン７として比較的小径のものをも用いる
ことができ、これに伴って前記被ガイド溝8,8をも細く
することができるので、摺動子11,12自体も撓み等に対
して強くなる、という効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図。 第２図は本考案の実施例を示す要部斜視図。 第３図は本考案の実施例を示す断面図。 第４図は従来例を示す斜視図。 第５図は従来例を示す要部斜視図。 第６図は従来例を示す要部断面図。 1:ドラム 2:垂直ポール 3:スラントポール 4:ローディングリーダ 4a:位置決め部 4b:被ガイド部 5:Vブロック 5a:V壁面 5b:凹部 6:ローディングガイド 6a:ガイド溝 7,7a:ガイドピン 8:被ガイド溝 9,9a:被ガイドピン 9b:鍔部 10:スライド板 11:供給側摺動子 12:巻取側摺動子 13:保持ピン 14:圧着スプリング 15:ガイド 15a,15b:ガイド溝 15c:ガイド面 16,17:バネ掛 18:リンク板 19:回転軸 20:シャーシ 21:緩衝溝 22a,22b,22c:ギヤ 23,24:ギヤ歯

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転ヘッドドラム１の周面に磁気テープを
   巻付けるように移動する２個のローディングリーダ4,4
   と、 これらのローデングリーダ4,4がそれぞれ取付られた各
   別の摺動子11,12を備え、 これらの摺動子11,12に設けられたギャ歯23,24を介して
   これらの摺動子11,12が駆動され、該駆動による移動に
   伴って前記ローディングリーダ4,4が前記したように移
   動される回転ヘッド装置のパラレルローディング機構で
   あって、 前記摺動子11,12は間隔を保って互いに重なった状態で
   前記のように移動されるように、これらの摺動子11,12
   を案内するガイド15を備えたものにおいて、 該ガイド15は、前記２個の摺動子11,12が摺動自在に、
   かつ密接してそれぞれ嵌合される２条のガイド溝15a,15
   bと、これらのガイド溝15a,15bと交差して貫通するガイ
   ドピン７とを有し、該ガイドピン７は２個の前記摺動子
   11,12の被ガイド溝8,8に摺動可能に嵌合されていること
   を特徴とする回転ヘッド装置のパラレルローディング機
   構。