JPH07258827A - 金属薄膜,その形成方法,半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

金属薄膜,その形成方法,半導体装置およびその製造方法

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JPH07258827A
JPH07258827A JP5552994A JP5552994A JPH07258827A JP H07258827 A JPH07258827 A JP H07258827A JP 5552994 A JP5552994 A JP 5552994A JP 5552994 A JP5552994 A JP 5552994A JP H07258827 A JPH07258827 A JP H07258827A
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gas
sputtering
target
wiring
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JP5552994A
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Toshihiko Shiga
俊彦 志賀
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体装置の製造方法において、実用的な方
法で、従来より低抵抗の金属薄膜を形成する。 【構成】 クリプトン(Kr)を用いて金属ターゲット
5をスパッタすることにより、基板4上に低抵抗の金属
薄膜を形成する。 【効果】 大きな堆積速度をもって、膜厚が均一で、か
つ抵抗率の低い金属薄膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属薄膜,その形成方
法,半導体装置およびその製造方法に関し、特に半導体
装置の製造工程のうちの、配線または電極の形成工程に
用いる、スパッタ法による金属薄膜の形成方法に関し、
低抵抗の金属薄膜を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路における配線あるいは電
極に用いられる金属薄膜には、(1) 低抵抗であること、
例えば、抵抗率が10-5Ωcm以下となること、(2) 下
地の段差に対する被覆性が良好であること、の2点が主
に要求されている。
【0003】特に、高い集積度をもつ半導体集積回路の
製造においては、金属薄膜の形成工程において、薄膜を
被着させるべき基板の表面には大きな段差や、アスペク
ト比の大きなコンタクト孔が多数存在する。
【0004】このような凹凸に富んだ基板表面に対して
金属薄膜を一様な膜厚で被着させるためには、段差被覆
性に優れた成膜方法であるスパッタ法が多く用いられ
る。なお、この段差被覆性は平坦部と段差部での膜厚比
が1に近いほど「良好」と言えるものである。
【0005】ところで、一般に、スパッタ法は、加速さ
れた粒子が固体表面に衝突した時、相手の原子,分子を
弾き飛ばすスパッタリング現象を利用するものである。
また、スパッタ法はアルゴン(Ar)雰囲気中でグロー
放電を行い、このグロー放電中のアルゴン(Ar)イオ
ンをターゲットに当て、出てきた粒子を基板上に堆積す
る方法として用いられるのが一般的であり、CVD(che
mical vapor deposition) ,真空蒸着と並び薄膜形成に
多く用いられている。
【0006】スパッタ法が真空蒸着と大きく異なるの
は、(1) 固体ソースを用いること、(2) ガス圧力が大き
いこと、(3) プラズマ雰囲気中で膜形成を行うこと、の
3点である。
【0007】グロー放電の電位と正イオン,電子の密度
分布を図9に示す。また、図10にArイオンによるス
パッタリングを示す。
【0008】まず、陰極近傍の電位差で加速されたAr
イオン100が陰極のターゲット101に当たる。する
と、このターゲット101からはArイオンの衝突によ
ってターゲットを構成する原子あるいは分子102が弾
き飛ばされる。スパッタ率はこの原子あるいは分子の弾
き飛ばされやすさの程度を表し、これはイオンの種類,
イオンのエネルギー,イオンのターゲットへの入射角
度,ターゲットの種類等で決まる。
【0009】このスパッタ法の特徴としては、(1) 基板
がプラズマにさらされ、またスパッタされた粒子のエネ
ルギーが大きいため膜の付着力が大きく、(2) また、面
ソースを用い、0.1〜1Pa程度のガス圧力で堆積を
行うのでステップカバレッジがよく、(3) 固体ソースで
電気的に制御するので、堆積速度が安定している、(4)
金属,合金,絶縁物とほとんどの物質の膜を形成でき
る、こと等があげられる。
【0010】スパッタ法は従来、ICの製造用として、
Pt,Ti,Ta,TiW,MoやSiO2 等の膜形成
に用いられてきたが、堆積速度が遅いという欠点があ
り、堆積速度の大きいマグネトロンスパッタリングの開
発により超LSI用Al合金膜形成に広く用いられるよ
うになった。
【0011】スパッタリング条件は形成する膜と用途,
スパッタリング方式と装置により大きく異なる。
【0012】一般的には基板を加熱脱ガスして残留ガス
圧力の小さい状態で高純度のArガスを用いてスパッタ
リングを行う。とくにAlは不純物ガスの影響を受けや
すく、O2,N2,H2 O(水)の混入により膜の性質が変
わり、例えば、鏡面反射率は図11のように低下する。
また、合金や石英のような無機化合物ではターゲット組
成と堆積した膜の性質が異なることがある。
【0013】次に、半導体集積回路の配線材料に用いる
金属薄膜について述べると、例えばGaAs,InP等
の化合物半導体を用いた半導体集積回路においては、そ
れを構成するトランジスタの電極に、金あるいは金を含
有する合金が用いられるため、電極とその上層の配線と
の接合部を安定して形成するために、電極材料と相性の
よい配線材料として金が多く用いられている。
【0014】また、シリコンを用いた半導体集積回路に
おいても、近年サブミクロン化やハーフミクロン化さら
にはクオータミクロン化等の配線幅の微細化が要求され
るに従って、エレクトロマイグレーションに対する信頼
性に優れた配線材料である金の適用が検討されている。
なお、エレクトロマイグレーションとは、高温,大電流
密度下で、電流担体としての電子と金属イオンとの間で
運動量が交換されることにより、金属イオンの移動が起
こり、局所的なボイドが発生するため配線の抵抗が増大
したり、断線したりする現象であり、温度,電流密度,
金属中の不純物,配線幅,グレインサイズ,配線上の保
護膜の種類などに依存するものである。
【0015】しかしながら、スパッタ法で成膜したAu
薄膜は、真空蒸着法等のガスを用いない成膜方法により
成膜したAu薄膜に比べて、下地に対する段差被覆性が
よいという特徴をもつ反面、抵抗率が高いという問題が
ある。
【0016】例えば、真空蒸着法で形成したAu薄膜の
抵抗率は3.0μΩcm以下であるのに比べ、スパッタ
法により成膜したAu薄膜の抵抗率は4.5μΩcm以
上となり、高い値を示す。このため、Arガスを用いた
スパッタ法によってAu薄膜を形成すると、下地に対す
る段差被覆性に優れているという利点があるが、低抵抗
であるというAuの材料としての特長が十分に生かされ
ないという問題がある。
【0017】このArガスを用いてスパッタしたAu薄
膜の抵抗率が高くなる原因を以下に示す。図12に、電
力,ガス圧,基板温度等のスパッタ条件を変化させて成
膜したAu薄膜について、その抵抗率と膜中に含まれる
Ar原子の濃度(原子数比)とを蛍光X線分析により測
定した結果を示す。この図12から明らかであるよう
に、スパッタ法で成膜したAu薄膜においては、膜中に
含まれるAr原子の濃度が高い膜ほど、高い抵抗率を示
すことがわかる。これは、Arガスによるスパッタ法で
成膜したAu薄膜の抵抗率が高い原因は、成膜時にAr
原子が膜中に混入することにある,ということを示すも
のである。従って、スパッタ法で成膜したAu薄膜が高
抵抗であるという問題は、成膜時の膜中へのスパッタガ
ス原子の混入を抑制すれば解決すると考えられる。
【0018】特開平2−1918号公報に示された半導
体装置の製造方法は、この問題点に対する解決策とし
て、Arより原子量の大きい不活性ガスであるキセノン
(Xe)ガスを用いて金ターゲットをスパッタすること
により低抵抗の金薄膜を形成するようにしたものであ
る。
【0019】図13は、この特開平2−1918号公報
の第1図に示された半導体装置の製造方法に適用される
従来のスパッタ装置を示すものである。図13におい
て、211は基板、212は金ターゲット、213は真
空チャンバ、214は周波数13.56MHzの高周波電源、2
15はスパッタガスであるキセノンガスの流入口、21
6は排気口である。
【0020】その処理法は次の通りである。即ち、キセ
ノンガス流入口215からXeガスを導入し、排気口2
16から真空排気して真空チャンバ213の内部を5×
10-3Torrの減圧下にし、高周波電源を印加して金膜を
スパッタする。
【0021】この従来例は、不活性ガスのなかで最も原
子量の大きいキセノンガスを用いてAuをスパッタすれ
ば、原子量が大きいイオンほど結晶へのイオン注入効果
が小さいのと同様に、原子量の大きい不活性ガスほどス
パッタ膜中へのガスの混入が減って結晶Auに近づき、
抵抗率が低下して、導電性が良くなるという推察に基づ
くものである。
【0022】ところが、上述のように、スパッタ法によ
る金薄膜の形成においてスパッタガスにXeガスを用い
た場合、以下に述べるような実用上の問題点がある。ま
ず、第一に、スパッタ装置内においてスパッタガス雰囲
気中でプラズマを発生させた際、スパッタガスがXeで
あった場合、プラズマ中のイオン電流と電位勾配の関係
から、例えば5000オングストローム/分以上の所望
の堆積速度を確保することが可能であるような、例えば
1A以上の大きなイオン電流を得るためには、例えば1
kV以上の極めて高い電圧を印加しなければならない。
【0023】また、第二に、成膜を行うために真空チャ
ンバ内にXeガスを導入すると、処理を終了してXeガ
スの導入を中止した後に、真空チャンバ内にXeガスが
残留するため、チャンバ内真空度が回復せず、到達真空
度を十分に確保するためにはチャンバの内壁を例えば一
昼夜等の長時間にわたって300℃以上に加熱すること
が必要になるという新たな問題が生じる。これはXe原
子はAr原子に比べその質量が大きいため、固体表面に
対する吸着エネルギーが大きいということに起因する。
【0024】以上に述べたような二つの問題のため、X
eをスパッタガスとして用いたスパッタ法では、低抵抗
のAu薄膜が得られるが、これを実際の半導体集積回路
等の製造工程に適用するのは実用的ではない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、スパッタ法ではArガスを用いることが一般的であ
り、これはArガスが安価であることによるが、Arガ
スは成膜された金属中に混入するために、その抵抗が増
大し、特に配線金属として金を用いる場合には、低抵抗
であるという金の特徴を充分に活かすことができないも
のである。
【0026】また、Xeをスパッタガスとして用いたス
パッタ法では、低抵抗のAu薄膜が得られるが、真空チ
ャンバ内にXeガスが残留するため、チャンバ内の真空
度が回復せず、到達真空度を十分に確保するためにはチ
ャンバの内壁を長時間にわたって加熱することが必要に
なり、実際に半導体集積回路等の製造工程に適用するに
は実用的ではない。
【0027】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、実際の半導体装置の製造工程に適用可能なスパ
ッタ法であり、かつ、成膜されたAu薄膜中へのスパッ
タガスの混入が少なく、かつ低抵抗のAu薄膜の形成が
可能であるような金属薄膜,その形成方法,半導体装置
およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】この発明に係る金属薄膜
によれば、不純物として、0.1%以下のクリプトン
(Kr)を含有するようにしたものである。また、この
発明に係る金属薄膜によれば、金を主成分とする金属薄
膜が0.1%以下のクリプトン(Kr)を含有するよう
にしたものである。
【0029】また、この発明に係る金属薄膜の形成方法
によれば、クリプトン(Kr)を用いてターゲットをス
パッタし、少なくともクリプトン以上の原子量を有する
金属の薄膜を形成するようにしたものである。また、こ
の発明に係る金属薄膜の形成方法によれば、上記ターゲ
ットとして金(Au)ターゲットを用いるようにしたも
のである。
【0030】また、この発明に係る半導体装置によれ
ば、不純物として、0.1%以下のクリプトン(Kr)
を含有する金属薄膜を配線として有するようにしたもの
である。また、この発明に係る半導体装置によれば、上
記配線を金を主成分とするものとしたものである。
【0031】また、この発明に係る半導体装置の製造方
法によれば、クリプトン(Kr)を用いてターゲットを
スパッタし、少なくともクリプトン以上の原子量を有す
る金属の薄膜を形成する工程を、その配線形成工程にお
いて含むようにしたものである。
【0032】さらに、この発明に係る半導体装置の製造
方法によれば、クリプトン(Kr)を用いて金ターゲッ
トをスパッタし、金の薄膜を形成する工程を、その配線
形成工程において含むようにしたものである。
【0033】
【作用】この発明においては、上述のように、不純物と
してクリプトン(Kr)を0.1%以下の含有量で含有
するので、不活性ガスの混入により増加する金属薄膜の
抵抗の増加が最小限に止まる。
【0034】また、この発明においては、上述のよう
に、金を主成分とする金属薄膜が0.1%以下のクリプ
トン(Kr)を含有するようにしたので、金の抵抗の増
大が最小限に止まる。
【0035】また、この発明においては、上述のよう
に、ArガスではなくKrガスによりスパッタを行なう
ようにしており、このスパッタガスに用いるKrはAr
に比べ原子量が大きいため、同一のエネルギーでターゲ
ットに入射した場合、Arに比べターゲットで反射され
たガス原子のエネルギーが小さくなると考えられ、薄膜
中に取り込まれるスパッタガスの量が少なくなる。この
ため、Krガスをスパッタガスとして使用することで、
スパッタガスの混入が少なく低抵抗の金属薄膜が得られ
る金属薄膜の製造方法が実現される。また、Kr原子は
Ar原子に比べ質量は大きいがXe原子よりは質量が小
さいため、固体表面に対する吸着エネルギーはXe原子
よりは小さく、従ってXeガスを用いる場合に比べチャ
ンバ内の真空度を容易に回復できる金属薄膜の製造方法
が実現される。
【0036】また、この発明においては、上述のよう
に、ターゲットとして金を用いるようにしたので、金が
本来持っている低抵抗という特徴を活かしつつ段差被覆
性のよい薄膜形成が可能なスパッタを実行できる金属薄
膜の製造方法が実現される。
【0037】また、この発明においては、上述のよう
に、不純物として、0.1%以下のクリプトン(Kr)
を含有する金属薄膜を配線として使用するようにしたの
で、配線の抵抗の増加を最小限に抑えた半導体装置が得
られる。
【0038】また、この発明においては、上述のよう
に、配線が金を主成分とするものであるので、元々抵抗
の低い金の特徴を活かした配線を有する半導体装置が得
られる。
【0039】また、この発明においては、上述のよう
に、Krガスによりスパッタを行なう金属薄膜の形成方
法をその配線形成工程において実行するようにしたの
で、配線形成工程において抵抗の少ない配線が形成でき
る半導体装置の製造方法が得られる。
【0040】さらに、この発明においては、上述のよう
に、配線形成工程において使用するターゲットとして金
ターゲットを使用するようにしたので、配線形成工程に
おいて抵抗の少ない金配線が形成できる半導体装置の製
造方法が得られる。
【0041】
【実施例】
実施例1.以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は本発明の一実施例による金属薄膜の
製造方法に使用する直流マグネトロンスパッタ装置の一
例の概要を示す。図において、1は内部を気密に保持可
能であるような真空チャンバであり、その中に陽極2,
及び陰極3の2つの電極を対向配置し、陽極2には金属
薄膜を被着すべき基板4を、陰極3には被着すべき金属
薄膜の材料よりなる金属ターゲット5をそれぞれ支持し
ている。そして、上記陽極2,及び陰極3には例えば1
00ないし1000Vの高圧の直流電源6を接続し、ま
た陰極3には陰極3の近傍に磁界を発生させる例えば
0.01〜0.1Tの永久磁石7を配置する。
【0042】一方、上記真空チャンバ1にはスパッタガ
スであるKrガスの流入口8,及び真空ポンプに接続さ
れた排気口9を開設している。
【0043】このスパッタ装置を用いた本実施例の方法
は、まず真空チャンバ1を排気口9より排気することに
より1×10-7Torr程度にまで排気した後、Krガス流
入口8よりスパッタガスであるKrを導入し、真空チャ
ンバ1の内部を10-3Torr〜10-2Torrの所定の真空度
に設定する。
【0044】次に、直流電源6を用いて陽極2,及び陰
極3に例えは100Vないし1kVの直流電圧を印加す
る。これにより、陽極2と陰極3との間にKrプラズマ
が発生し、プラズマの作用により金属ターゲット5から
ターゲット5の成分である金属原子が飛散する。この金
属原子は上記陽極2上の基板4に向かって飛散し、基板
4の表面に被着され、その結果、基板4表面に金属薄膜
が形成される。
【0045】次に、スパッタガスにKrを用いることに
よる効果について説明する。図2に、上記実施例によ
り、金属ターゲット5に金ターゲットを用いて成膜した
金(Au)薄膜と、従来技術であるArガスを用いたス
パッタ法により成膜したAu薄膜との,抵抗率,Au薄
膜の堆積速度,及び直径3インチ円形基板での面内の膜
厚の均一性を比較した例を示す。
【0046】この図2により明らかなように、本実施例
のようにKrガスを用いたスパッタ法により成膜された
Au薄膜の抵抗率は、従来の方法であるArガスを用い
たスパッタ法により成膜したAu薄膜の抵抗率の約60
%であることがわかる。また、Krガスを用いたスパッ
タ法は、従来のArガスを用いたスパッタ法に比べてA
u薄膜の堆積速度が大きく、また膜厚の基板面内の均一
性も良好であることも明らかである。
【0047】ここで、スパッタガスとしてKrガスを用
いることにより、上述のように抵抗率が減少する理由に
ついて述べる。即ち、上述のように、Arガスによるス
パッタで成膜された金属薄膜では、膜中にAr原子が取
り込まれることによりその抵抗率が高くなる。膜中に混
入するスパッタガス原子は、ターゲット表面で反射され
た高エネルギーの原子であると考えられる。ここに、タ
ーゲット表面でのガス原子の反射はガス原子とターゲッ
ト原子との間の弾性衝突によると考えると、反射された
ガス原子のエネルギーE1 と、入射するガス原子のエネ
ルギーE2 との関係は、ガス原子の原子量をm,ターゲ
ット原子の原子量をMとして、 E1 /E0 =[(M−m)/(M+m)]2 ……(1) で与えられる。但し、M,mの間にはM>mの関係が成
り立つものとする。
【0048】図3に、種々の不活性ガスがAuターゲッ
トの表面で反射されたときの、反射された原子のエネル
ギーと入射エネルギーとの比E1 /E0 を、式(1) によ
り求めた結果を示す。E1 /E0 の値はスパッタガスの
原子量が大きいほど小さくなる、すなわち例えば数百e
V程度の同じエネルギーで入射した場合の反射されたガ
ス原子のエネルギーは小さいということが導かれる。こ
のことから、スパッタガスにArに比べて原子量の大き
い不活性ガスであるKr,Xeを用いることにより、A
u膜中に取り込まれるスパッタガスの量が低減され、ひ
いては成膜されたAu薄膜の抵抗率はArを用いた場合
と比べて低減されることが予想される。そして、式(1)
から特にAuのように原子量の大きな金属においては、
本発明の効果が大きいことがわかる。
【0049】図4および図5にAr,Kr,およびXe
の3種のガスをスパッタガスとして、同等のスパッタ条
件にて成膜したAu薄膜の抵抗率、膜中のスパッタガス
含有率を示す。
【0050】このように、スパッタガスとしてKrを用
いて成膜したAu薄膜においては、膜中に含まれるスパ
ッタガスの濃度が例えば0.1%(原子数比%)に低減
されるため抵抗率が低減されること、また、スパッタガ
スとしてXeを用いた場合もKrを用いた場合と同様の
効果は得られるが、その抵抗率の低下の改善度はKrを
用いたときとほぼ同程度であることがわかる。以上のよ
うにスパッタガスにKrを用いることにより、従来のA
rを用いた方法に比べて低抵抗のAu薄膜の作製が可能
となる。
【0051】また、Krガスは、Xeガスに比べ比較的
低電圧の700Vで1Aの十分なイオン電流が得られる
ため広い圧力範囲で高電力でのスパッタが可能な上、X
eガスに比べ真空チャンバの内壁への吸着が弱く、チャ
ンバ内の到達真空度は処理後直ちに処理前の状態に復帰
するため、実際の半導体装置の製造工程での実用性が高
い成膜方法を得ることができる。
【0052】実施例2.なお、上記実施例1では、直流
マグネトロンスパッタ装置において、クリプトンをスパ
ッタガスとして用いるものを示したが、RFマグネトロ
ンスパッタ装置においてクリプトンを使用することも勿
論可能である。
【0053】図6は本発明の第2の実施例による金属薄
膜の製造方法に使用するRFマグネトロンスパッタ装置
の一例の概要を示す。図6において、11は基板、12
は金ターゲット、13は真空チャンバ、14は周波数1
3.56MHzの高周波電源、15はスパッタガスであるクリ
プトンガスの流入口、16は排気口である。
【0054】その処理法は次の通りである。即ち、クリ
プトンガス流入口15からKrガスを導入し、排気口1
6から真空排気して真空チャンバ13の内部を5×10
-3Torrの減圧下にし、高周波電源を印加して金膜をスパ
ッタする。
【0055】このように、RFマグネトロンスパッタ装
置を使用してスパッタを行なう際にも、クリプトンをス
パッタガスとして用いることによって、上記実施例1と
同様に低抵抗かつ段差被覆性のよい金薄膜を形成するこ
とが可能であり、従来のArを用いた方法に比べて低抵
抗のAu薄膜の作製が可能となる。
【0056】また、Krガスは、Xeガスに比べ比較的
低電圧の700Vで1Aの十分なイオン電流が得られる
ため広い圧力範囲で高電力でのスパッタが可能な上、X
eガスに比べ真空チャンバの内壁への吸着が弱く、チャ
ンバ内の到達真空度は処理後直ちに処理前の状態に復帰
するため、実際の半導体装置の製造工程での実用性が高
い成膜方法を得ることができる。
【0057】実施例3.さらに、上記実施例1では、直
流マグネトロンスパッタ装置において、クリプトンをス
パッタガスとして用いるものを示したが、ECRスパッ
タ装置においてクリプトンをスパッタガスとして使用す
ることも可能である。
【0058】図7は本発明の第3の実施例による金属薄
膜の製造方法に使用するECRスパッタ装置の一例とし
てのバイアスECRスパッタ装置の概要を示す。図7に
おいて、31はKrガス導入口、32はマイクロ波導入
口、33は高周波電力電源、34はプラズマ生成室、3
5は電磁石コイル、36は反応室、37は基板、38は
ターゲット、39は直流電源、40は高周波電力電源、
41は排気口である。なお、ECRスパッタ装置の場
合、基板37に接続された高周波電力電源40は必ずし
も必要なものではない。
【0059】その処理法は次の通りである。まず、電磁
石コイル35に通電して磁界を発生するとともに、プラ
ズマ生成室34にマイクロ波導入口33よりマイクロ波
を導入するとともに高周波電力電源32からの高周波電
力を印加し、かつKrガス導入口31よりKrガスを導
入してKrのプラズマを発生する。このKrのプラズマ
は直流電源39によりバイアスされているターゲット3
8に引き寄せられ、ターゲット38をスパッタする。そ
してそのスパッタ粒子は高周波電力電源40によりバイ
アスされている基板37に引き寄せられ、基板37上で
成膜が行われる。
【0060】このように、ECRスパッタ装置を使用し
てスパッタを行なう際にも、クリプトンをスパッタガス
として用いることによって、上記実施例1と同様に低抵
抗かつ段差被覆性のよい金薄膜を形成することが可能で
あり、従来のArを用いた方法に比べて低抵抗のAu薄
膜の作製が可能となる。
【0061】また、Krガスは、Xeガスに比べ比較的
低電圧の700Vで1Aの十分なイオン電流が得られる
ため広い圧力範囲で高電力でのスパッタが可能な上、X
eガスに比べ真空チャンバの内壁への吸着が弱く、チャ
ンバ内の到達真空度は処理後直ちに処理前の状態に復帰
するため、実際の半導体装置の製造工程での実用性が高
い成膜方法を得ることができる。
【0062】実施例4.なお、上記実施例1ないし3の
方法により製造された金属薄膜を配線として用いること
により、低抵抗かつ段差被覆性に優れた配線をもつ半導
体装置およびその製造方法が得られる。
【0063】図8は上記実施例1ないし実施例3の方法
により製造される金属薄膜を配線として使用する半導体
装置の2層配線の形成プロセスを、ガリウム砒素集積回
路を例にとって示す図である。
【0064】図8において、50は半絶縁性ガリウム・
砒素基板、51は図中右側のMESFETのソース領域
となるn+ 領域、52は図中右側のMESFETのドレ
イン領域となり、図中左側のMESFETのソース領域
となるn+ 領域、53は図中左側のMESFETのドレ
イン領域となるn+ 領域、54は図中右側のMESFE
Tのゲート電極、55は図中左側のMESFETのゲー
ト電極、56,57,58,59はスペーサ膜、61,
62は層間絶縁膜、63は図中右側のMESFETのゲ
ート電極上のスペーサ膜および層間絶縁膜に形成された
スルーホール、64は例えば上記実施例1ないし3のい
ずれかの方法で形成された第1層配線、65はこの第1
層配線64上を左右のMESFET上に形成された層間
絶縁膜、66はこの層間絶縁膜65上の一部およびこの
層間絶縁膜65に形成されたスルーホール内に形成され
た第2層配線、67はこの第2層配線66および層間絶
縁膜65上を覆うように形成されたパッシベーション膜
である。
【0065】まず、周知のMESFET形成工程によ
り、MESFETが基板上に形成されているものとす
る。次に、図8(a) に示すように、選択的エッチングに
より、図中右側のMESFETのゲート電極60上のス
ペーサ膜および層間絶縁膜を開口し、スルーホール63
を形成する。
【0066】次に、図8(b) に示すように、このスルー
ホール内および層間絶縁膜上およびスペーサ膜上に、第
1層配線64を形成する。この第1層配線64はこれを
形成する際、上記実施例1ないし実施例3のいずれかの
方法により形成するようにすればよく、これによりスル
ーホール付近の段差部においても被覆性よく形成でき、
かつ低抵抗の金配線を形成することができる。
【0067】そして、図8(c) に示すように、配線64
を含む全面に層間絶縁膜65を形成し、図中右側のME
SFETのソース領域側および左側のMESFETのド
レイン領域側にそれぞれスルーホールを形成する。
【0068】そして、図8(d) に示すように、図8(c)
で形成された層間絶縁膜65上の一部およびスルーホー
ル内に第2層配線66を形成する。この第2層配線66
もこれを形成する際、上記実施例1ないし実施例3のい
ずれかの方法により形成するようにすればよく、これに
よりスルーホール付近の段差部においても被覆性よく形
成でき、かつ低抵抗の金配線を形成することができる。
【0069】そして、図8(e) に示すように、この第2
層配線66および層間絶縁膜65上の全面にパッシベー
ション膜を形成し、その後周知のパッケージング工程を
実行することにより、ガリウム砒素集積回路を得ること
ができる。
【0070】このように、本実施例4によれば、ガリウ
ム砒素集積回路の配線を形成する際に、Krをスパッタ
ガスとしてスパッタを行うことにより形成した金薄膜を
配線として使用するようにしたので、段差被覆性がよ
く、かつ低抵抗の配線を有するガリウム砒素集積回路が
得られる。
【0071】また、Krガスは配線工程で使用する真空
チャンバの真空度の回復が容易なため、配線工程におい
て高い生産性が得られるガリウム砒素集積回路の製造方
法がが得られる。
【0072】なお、上記実施例1〜3ではAuターゲッ
トを用いてAu薄膜を形成する場合を例にとって説明し
たが、タングステン(W),白金(Pt)等の高融点金
属やWSi,TiW等の合金をターゲットとして用いる
ようにしてもよく、これにより、タングステン(W),
白金(Pt)等の薄膜やWSi,TiW等の薄膜を形成
する場合にも適用でき、上記実施例と同様の効果を奏す
る。
【0073】また、上記実施例4では半導体集積回路と
してモノリシックマイクロ波ICやデジタルIC等のガ
リウム砒素集積回路を形成する場合を例にとって説明し
たが、通常のシリコンプロセスによる集積回路に適用す
るようにしてもよく、上記実施例と同様の効果を奏す
る。
【0074】なお、Arより原子量の大きい不活性ガス
を用いてスパッタを行うことにより金属薄膜を形成する
方法として、特開昭61−287121号公報に示され
た半導体集積回路の製造方法がある。これは、ウエハの
大口径化に伴って半導体1枚毎に金属膜を付着形成する
枚葉式が主流になりつつあるが、枚葉式スパッタリング
装置では基板が自転,公転することはなく、しかもスパ
ッタ速度を上げるためにこの半導体基板とターゲット間
の距離が短く設定されており、スパッタ原子はArガス
分子と僅かの回数しか衝突しないため、金属原子が広範
囲の入射角をもって半導体基板の段差部に入射すること
ができず、このため基板の段差部において形成される金
属膜の被覆性が低下するという問題の解決を図ったもの
である。
【0075】しかしながら、この先行技術は、この問題
を解決するために、放電ガスとしてXe等のより原子量
の大きい不活性ガスを用いることにより、金属原子の平
均自由行程を短縮して、衝突回数を増し、半導体基板の
段差部に入射する金属原子の入射角に分布を持たせて、
段差被覆性を改善しようとするものであり、これは成膜
時のスパッタガスの混入を減少させて、配線抵抗を低減
しようとするものではない。
【0076】また、不活性ガスを用いて金属薄膜を形成
する方法として、例えば特開昭59−168635号公
報に示された半導体装置があり、これはスパッタ法では
なく真空蒸着法において段差部上を通る配線を欠陥なく
形成しようとするもので、具体的には、1〜10×10
-3Torrの不活性ガス雰囲気中で金属を蒸着することによ
り段差部の被覆性を改善することができるものである。
一般的な真空蒸着法により段差部のカバレージ性を向上
させる場合には、真空度を〜10-6Torr以下に完全に抑
え込む必要があるが、通常の真空蒸着装置において、こ
の真空度を維持しようとすると、スループットの低下に
つながるものであり、この特開昭59−168635号
公報の方法は、この問題を解決するため、比較的低真空
の不活性ガス雰囲気中で段差部上を通る配線を蒸着によ
り形成するものである。
【0077】しかしながら、この特開昭59−1686
35号公報の方法は、真空蒸着により基板に垂直に入射
する金属蒸気を不活性ガスにより散乱させることで段差
部に入射する金属蒸気の入射角度に分布を持たせること
により段差被覆性の向上を図っているものと思われ、こ
の方法も成膜時のスパッタガスの混入を減少させて、配
線抵抗を低減しようとするものではない。また、この特
開昭59−168635号公報の方法は成膜の方式が真
空蒸着であるので、スパッタ法ほどの成膜速度を得るこ
とができず、緻密な膜が得られるものでもない。
【0078】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る金属薄膜
によれば、不純物として、0.1%以下のクリプトン
(Kr)を含有するようにしたので、不活性ガスの混入
により増加する金属薄膜の抵抗の増加が最小限に止まる
という効果がある。
【0079】また、この発明に係る金属薄膜によれば、
金を主成分とする金属薄膜が0.1%以下のクリプトン
(Kr)を含有するようにしたので、金の抵抗の増大を
最小限に止まるという効果がある。
【0080】また、この発明に係る金属薄膜の形成方法
によれば、クリプトン(Kr)を用いてターゲットをス
パッタし、少なくともクリプトン以上の原子量を有する
金属の薄膜を形成するようにしたので、スパッタガスの
混入が少なく低抵抗の金属薄膜が得られれ、また、その
製造に使用するチャンバ内の真空度を容易に回復できる
金属薄膜の形成方法を実現できる効果がある。
【0081】また、この発明に係る金属薄膜の形成方法
によれば、上記ターゲットとして金(Au)ターゲット
を用いるようにしたので、金が本来持っている低抵抗と
いう特徴を活かしつつ段差被覆性のよい薄膜形成が可能
なスパッタを実行できる金属薄膜の形成方法を実現でき
る効果がある。
【0082】また、この発明に係る半導体装置によれ
ば、不純物として、0.1%以下のクリプトン(Kr)
を含有する金属薄膜を配線として有するようにしたの
で、配線の抵抗の増加を最小限に止めた半導体装置が得
られる効果がある。
【0083】また、この発明に係る半導体装置によれ
ば、上記配線を金を主成分とするものとしたので、元々
抵抗の低い金の特徴を活かした配線を有する半導体装置
が得られる効果がある。
【0084】また、この発明に係る半導体装置の製造方
法によれば、クリプトン(Kr)を用いてターゲットを
スパッタし、少なくともクリプトン以上の原子量を有す
る金属の薄膜を形成する工程を、その配線形成工程にお
いて含むようにしたので、配線形成工程において抵抗の
少ない配線が形成できる半導体装置の製造方法が得られ
る効果がある。
【0085】さらに、この発明に係る半導体装置の製造
方法によれば、クリプトン(Kr)を用いて金ターゲッ
トをスパッタし、金の薄膜を形成する工程を、その配線
形成工程において含むようにしたので、配線形成工程に
おいて抵抗の少ない金配線が形成できる半導体装置の製
造方法が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による金属薄膜の形成方
法を実施するためのスパッタ装置の一例を示す図であ
る。
【図2】上記実施例における金属薄膜の形成方法により
形成したAu薄膜と、従来の方法により形成したAu薄
膜との,抵抗率,基板面内の膜厚均一性,及び堆積速度
を示す図である。
【図3】種々の不活性ガスがAuターゲットの表面で反
射されたときの、反射された原子のエネルギーと入射エ
ネルギーとの比,E1 /E0 を示す図である。
【図4】スパッタガスの種類による、Au薄膜の抵抗
率,スパッタガス含有率の違いを示した表を示すす図で
ある。
【図5】スパッタガスの種類による、Au薄膜の抵抗
率,スパッタガス含有率の違いを示したグラフを示す図
である。
【図6】本発明の第2の実施例による金属薄膜の形成方
法を実施するためのスパッタ装置の一例を示す図であ
る。
【図7】本発明の第3の実施例による金属薄膜の形成方
法を実施するためのスパッタ装置の一例を示す図であ
る。
【図8】本発明の第4の実施例によるガリウム砒素集積
回路の製造工程を示す図である。
【図9】スパッタリングにおけるグロー放電の電位と正
イオン,電子の密度分布を示す図である。
【図10】Arイオンによるスパッタリングを示す図で
ある。
【図11】不純物ガスの影響による鏡面反射率の一例を
示す図である。
【図12】従来技術であるArを用いたスパッタにより
成膜したAu薄膜における膜中に含有するAr濃度と膜
の抵抗率の関係を示す図である。
【図13】特開平2−1918号に示された、従来の金
属薄膜の形成方法を実施するためのスパッタ装置の一例
を示す図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 2 陽極 3 陰極 4 基板 5 金属ターゲット 6 直流電源 7 永久磁石 8 ガス流入口 9 排気口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】次に、直流電源6を用いて陽極2,及び陰
極3に例え100Vないし1kVの直流電圧を印加す
る。これにより、陽極2と陰極3との間にKrプラズマ
が発生し、プラズマの作用により金属ターゲット5から
ターゲット5の成分である金属原子が飛散する。この金
属原子は上記陽極2上の基板4に向かって飛散し、基板
4の表面に被着され、その結果、基板4表面に金属薄膜
が形成される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】ここで、スパッタガスとしてKrガスを用
いることにより、上述のように抵抗率が減少する理由に
ついて述べる。即ち、上述のように、Arガスによるス
パッタで成膜された金属薄膜では、膜中にAr原子が取
り込まれることによりその抵抗率が高くなる。膜中に混
入するスパッタガス原子は、ターゲット表面で反射され
た高エネルギーの原子であると考えられる。ここに、タ
ーゲット表面でのガス原子の反射はガス原子とターゲッ
ト原子との間の弾性衝突によると考えると、反射された
ガス原子のエネルギーE1 と、入射するガス原子のエネ
ルギーE0 との関係は、ガス原子の原子量をm,ターゲ
ット原子の原子量をMとして、 E1 /E0 =[(M−m)/(M+m)]2 ……(1) で与えられる。但し、M,mの間にはM>mの関係が成
り立つものとする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】図7は本発明の第3の実施例による金属薄
膜の製造方法に使用するECRスパッタ装置の一例とし
てのバイアスECRスパッタ装置の概要を示す。図7に
おいて、31はKrガス導入口、32は高周波電力電
源、33はマイクロ波導入口、34はプラズマ生成室、
35は電磁石コイル、36は反応室、37は基板、38
はターゲット、39は直流電源、40は高周波電力電
源、41は排気口である。なお、ECRスパッタ装置の
場合、基板37に接続された高周波電力電源40は必ず
しも必要なものではない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】そして、図8(e) に示すように、この第2
層配線66および層間絶縁膜65上の全面にパッシベー
ション膜67を形成し、その後周知のパッケージング工
程を実行することにより、ガリウム砒素集積回路を得る
ことができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/3205

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物として、0.1%以下のクリプト
    ン(Kr)を含有することを特徴とする金属薄膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の金属薄膜において、 金を主成分とすることを特徴とする金属薄膜。
  3. 【請求項3】 クリプトン(Kr)を用いてターゲット
    をスパッタし、少なくともクリプトン以上の原子量を有
    する金属の薄膜を形成することを特徴とする金属薄膜の
    形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の金属薄膜の形成方法にお
    いて、 上記ターゲットとして金(Au)ターゲットを用いるこ
    とを特徴とする金属薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の金属薄膜を配線として有
    することを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の半導体装置において、 上記配線は金を主成分とするものであることを特徴とす
    る半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の金属薄膜の形成方法を、
    その配線形成工程において含むことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 上記配線形成工程において使用するターゲットとして金
    (Au)ターゲットを用いることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
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