JPH07258703A - 水素吸蔵合金粉末およびその製造方法 - Google Patents

水素吸蔵合金粉末およびその製造方法

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JPH07258703A
JPH07258703A JP6049238A JP4923894A JPH07258703A JP H07258703 A JPH07258703 A JP H07258703A JP 6049238 A JP6049238 A JP 6049238A JP 4923894 A JP4923894 A JP 4923894A JP H07258703 A JPH07258703 A JP H07258703A
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storage alloy
fine particles
alloy
alloy powder
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JP6049238A
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Toru Yamamoto
徹 山本
Hajime Seri
肇 世利
Yoichiro Tsuji
庸一郎 辻
Koji Yamamura
康治 山村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/38Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of elements or alloys
    • H01M4/383Hydrogen absorbing alloys
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微粉化が抑制され、低コスト、長寿命のニッ
ケルー水素電池を与える水素吸蔵合金粉末を提供する。 【構成】 平均粒径20μm以下の水素吸蔵合金粉末と
融点1500℃以上の酸化物または窒化物からなる平均
粒径1μm以下の微粒子との混合物を加圧成形し、その
成形体を真空中あるいは不活性ガス中で水素吸蔵合金の
融点よりやや低い温度で焼結し、これを粉砕して水素吸
蔵合金粉末を得る。また、同様の微粒子と水素吸蔵合金
の原料金属との混合物を加熱して前記原料金属を溶解、
鋳造することにより、微粒子の分散された合金を作り、
これを粉砕する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポータブル機器等の電
源として用いられるニッケル−水素蓄電池などに用いら
れる水素吸蔵合金粉末およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、可逆的に水素を吸蔵・放出する水
素吸蔵合金粉末を負極に用いたニッケル−水素蓄電池
は、原理的に短絡の原因となるデンドライトの生成がな
いためサイクル寿命が長く、エネルギー密度も高い二次
電池として注目されている。水素吸蔵合金には、主に希
土類元素とニッケル(Ni)からなるAB5タイプとジ
ルコニウム(Zr)とマンガン(Mn)を主成分とする
AB2タイプなどがある。従来は放電容量、電池内圧、
充電保存特性およびサイクル寿命などの電池特性にバラ
ンスのとれた前者のAB5タイプが電池として主に使用
されている。
【0003】また、その代表的な水素吸蔵合金粉末の製
造工程は以下の様なものである。まず、成分金属を真空
中あるいはアルゴン等の不活性ガス中で高周波溶解炉等
を用いて完全に溶解させた後、水冷された鋳型にこの溶
湯を流し込み、十分冷やしてから溶解炉より取り出し板
状のインゴットを一旦作製する。次に、このインゴット
をある程度の大きさに粉砕した後、真空中あるいはアル
ゴン中で1000℃程度の高温でアニール処理を行う。
この後、粉砕機で平均粒径が20〜30μm程度になる
まで機械粉砕を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様にして作製され
た水素吸蔵合金粉末を負極に用いたニッケル−水素蓄電
池のサイクル寿命は、AB5タイプで300〜500回
程度、AB2タイプでは150回程度とあまり長寿命と
はならず、サイクルを繰り返すにつれて容量の低下が起
こる。この原因としては、水素吸蔵合金粉末の微粉化、
水素吸蔵合金表面の酸化および合金成分の電解液中への
溶出等が考えられるが、その中でも水素吸蔵合金粉末の
微粉化の影響がもっとも大きいと言われている。すなわ
ち、水素吸蔵合金は、水素を吸収することによって体積
が2〜3割膨脹するため、充放電サイクルを繰り返すこ
とによって合金中に応力が発生する。そして、その応力
によりクラックを生じて合金粉末は微粉化を起こし、微
粉化することで細かくなった水素吸蔵合金粉末は、表面
が酸化され、水素吸蔵能力が大幅に低下する(例えば大
角泰章、アグネ技術センター「水素吸蔵合金」第3章、
P246)。
【0005】これらの欠点を解決するため、AB5タイ
プの合金においては、延性の高いCoを添加したりCu
合金の偏析相を形成することで水素吸脱時の応力を緩和
させ、微粉化を防いでいる。しかし、Coは高価である
ため極力添加量を少なくする必要があり、一方Cu合金
の偏析相を形成するためにはBサイトの原子比を5.5
程度まで増やす必要があり、このため放電容量の低下を
招く欠点を有している。AB2合金においては、今のと
ころ微粉化を防ぐ有効な手段が見つかっていない。本発
明は上記課題に鑑み、低コストでサイクル寿命特性に優
れた水素吸蔵合金粉末およびその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。本発明は、またAB2、A
5いずれのタイプの合金にも適用できる水素吸蔵合金
粉末の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金粉
末は、融点1500℃以上の酸化物および窒化物よりな
る群から選択される物質からなる平均粒径1μm以下の
微粒子を合金中にほぼ均一に分散していることを特徴と
するものである。
【0007】また、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方
法は、融点1500℃以上の酸化物および窒化物よりな
る群から選択される物質からなる平均粒径1μm以下の
微粒子と平均粒径20μm以下の水素吸蔵合金粉末との
混合物を加圧成形する工程、前記で得られた成形体を真
空中あるいは不活性ガス中において前記水素吸蔵合金の
融点よりやや低い温度で焼結する工程、および得られた
焼結体を粉砕する工程を有する。
【0008】ここで、上記の焼結温度は、水素吸蔵合金
の融点より50〜400℃低い温度が適当であり、水素
吸蔵合金の融点より100〜200℃低い温度がより好
ましい。焼結時間は、温度が高いほど短時間でよく、前
記焼結温度に対応して2〜10時間が適当であり、5〜
10時間がより好ましい。これらの範囲を外れると、微
粒子がほぼ均一に分散した合金の焼結体が得難くなる。
また、用いる水素吸蔵合金の粉末の平均粒径は、微粒子
の分散性をよくするために10μm以下であることがよ
り好ましい。さらに、前記の微粒子としては、CaO、
23 、SiO2、ZrO2、TiO2、CeO2、Fe3
4、Fe23、NiO、BaO、MgO、La23
α-Al23、ZnO、AlN、TaN、TiN、VN
およびNbNよりなる群から選択される少なくとも1種
を用いるのが好ましい。
【0009】また、本発明の水素吸蔵合金の製造方法
は、水素吸蔵合金の原料金属と、融点1500℃以上で
水素吸蔵合金の密度とほぼ同じ密度を有する酸化物およ
び窒化物よりなる群から選択される物質からなる平均粒
径1μm以下の微粒子との混合物を真空中あるいは不活
性ガス中において高周波溶解炉で加熱して、前記原料金
属を溶解させる工程、前記微粒子の混合している溶解物
を鋳造する工程、および前記で得られた微粒子がほぼ均
一に分散した水素吸蔵合金塊を粉砕する工程を有する。
【0010】ここで、前記の微粒子としては、5.7g
/cm3以上8.4g/cm3以下の密度を有するものが
用いられる。なかでもZrO2、NiO、BaO、Ce
2、La23、VNおよびNbNよりなる群から選ば
れる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0011】本発明の水素吸蔵合金中における微粒子の
含有割合は、体積比で1〜5%が適当である。微粒子の
含有割合がこの範囲より多いと、放電容量の低下が著し
くなり、少ないと微粒子の添加効果が得られない。
【0012】さらに、本発明の水素吸蔵合金は、Mm、
Ni、Al、Mn、X(ただし、XはCo、Cu、F
e、ZnおよびBよりなる群から選ばれる少なくとも1
種)からなるAB5タイプの合金であり、Aサイト原子
に対するBサイト原子の比率が4.7〜5.7である合
金を用いることが好ましい。
【0013】また、本発明はZr、Ni、Mn、X(た
だし、XはTi、Co、Cr、V、NbおよびMoより
なる群から選ばれる少なくとも1種)からなるAB2
イプの合金であり、Aサイト原子に対するBサイト原子
の比率が1.8〜2.2である合金に適用することがで
きる。
【0014】
【作用】本発明の水素吸蔵合金においては、合金中に酸
化物あるいは窒化物からなる微粒子がほぼ均一に分散し
ていることによって、充放電サイクルによる水素吸蔵合
金の水素吸脱時の膨脹、収縮で発生する応力を大きく緩
和させることができる。このため、応力クラックが入り
にくくなる。また、クラックが発生した場合でも添加物
微粒子の所でクラックの進行が停止する現象が見られ
る。この双方の効果によって、水素吸蔵合金の微粉化の
進行をほとんど防ぐことができる。本発明の水素吸蔵合
金は、放電容量および高率放電特性については、添加物
粒子を加えることで若干低下する。しかし、AB5タイ
プの水素吸蔵合金においては、高価なCoの添加量を大
幅に減らすことができ、低コスト化と長寿命化を達成で
きる。また、AB2タイプの合金においては、長寿命化
と初期活性化が達成できる。初期活性が向上するのは、
添加物界面を水素が通過するためと考えられる。
【0015】本発明の製造方法は、水素吸蔵合金を一旦
作製し、これを粉砕した合金粉末と酸化物あるいは窒化
物の微粉末とをよく混合し、加圧成形した後、真空中ま
たは不活性ガス雰囲気中において加熱処理して合金粉末
を焼結することにより、水素吸蔵合金中に酸化物あるい
は窒化物の微粒子をほぼ均一に分散するものである。通
常のように合金作製時に酸化物や窒化物の微粒子を混合
した場合、酸化物や窒化物の比重が金属材料に比べて小
さいため金属溶解時に上部に浮いてしまい、水素吸蔵合
金中に均一にこれら添加物を分散させることはできな
い。このため一旦水素吸蔵合金を作製し、これを粉砕し
た合金粉末と添加物粉末をよく混合した後、焼結するこ
とで水素吸蔵合金中に添加物を均一に分散させるのであ
る。この方法は、酸化物もしくは窒化物の融点だけ制約
を受けるが、微粒子の密度の制約を受けない利点があ
る。
【0016】本発明は、また水素吸蔵合金を高周波溶解
・鋳造する際、ほぼ合金と同じ密度を有する酸化物もし
くは窒化物の微粒子を添加するものであり、ここに用い
る微粒子は、密度5.7〜8.4g/cm3のものがう
まく水素吸蔵合金中に分散する。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。 [実施例1]図1は、実施例における水素吸蔵合金粉末
の製造工程を示す図である。水素吸蔵合金としてランタ
ン(La)を40重量%含むミッシュメタル(Mm)と
ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、アルミニウム
(Al)、コバルト(Co)を所定の割合で混合し、真
空高周波溶解炉に投入し、水素吸蔵合金を溶解する(高
周波溶解工程)。次に、その溶湯を水冷鋳型に流し込ん
で、MmNi3. 7Mn0.4Al0.3Cu0.3Co0.1の組成
の水素吸蔵合金塊(融点約1400℃)を作製する(鋳
造工程)。その後、前記の合金塊を平均粒径10μm程
度まで粉砕して水素吸蔵合金粉末(母合金)を作製する
(粉砕工程)。
【0018】次に、この水素吸蔵合金粉末100重量部
と平均粒径0.5μmのNiO微粒子2重量部(2.1
体積%)とをよく混合した(混合工程)後、油圧プレス
により400kgf/cm2の圧力で粉末を加圧成形し
て直径6cm、高さ5mmのペレットを作製する(加圧
成形工程)。この様に作製したペレットを真空中におい
て1200℃の温度で6時間焼成して、NiO微粒子ほ
ぼが均一に分散した水素吸蔵合金の焼結体を作製する
(焼結工程)。なお、母合金の水素吸蔵合金粉末の平均
粒径は20μm以下が適当であるが、分散性の点から1
0μm以下がより好ましい。焼結温度は、水素吸蔵合金
の融点より50〜400℃、好ましくは100〜200
℃低い温度が適していた。また、焼結時間は、2時間か
ら10時間程度が適当であったが、好ましくは5時間か
ら10時間程度が最適であった。
【0019】次に、このNiO微粒子が分散された水素
吸蔵合金を平均粒径約20μm程度まで粉砕し(粉砕工
程)、その後密度1.3g/cm3の水酸化カリウム中
に70℃で20分間よく撹拌しながら浸漬し(アルカリ
処理工程)、次に水洗を6回行いKOHを除去し、乾燥
する(水洗・乾燥工程)。こうして得た合金粉末をニッ
ケル−水素蓄電池用の負極材料として用いる。この様に
して作製したNiO粒子を含有する水素吸蔵合金粉末1
00重量部に、結着剤の合成ゴム粒子0.5重量部、増
粘剤のカルボキシメチルセルロース0.2重量部、導電
材のカーボンブラック0.2重量部、および水16重量
部を加えてよく混合し、負極用ペーストを作製した。こ
のペーストをニッケル製パンチングメタルの集電体(芯
材)に塗布し、乾燥後、ローラープレス法にて加圧し、
所定形状に打抜いて負極板(合金重量約3.0g)を作
製した。一方、正極板は水酸化ニッケルを主成分とする
従来の正極合剤3.2gを発泡ニッケル基板に充填して
作製したものを用いた。
【0020】上記の負極板1枚と正極板2枚をそれぞれ
厚さ0.2mmのポリプロピレン製の袋状のセパレータ
の中に挿入し、負極板を正極板が両側から挟むように構
成し、両側からアクリル樹脂板を当て一体に固定した。
これを円筒型アクリル樹脂製の電槽に入れ、リード部を
極柱に溶接した後、水酸化カリウム水溶液(密度1.3
0g/cm3)を主成分とする電解液を多量に電槽に注
液し、細孔を有するポリプロピレン製の蓋をした後、一
旦真空にして脱泡を行い、液リッチの負極規制の評価電
池を作製した。
【0021】[比較例1]実施例1と同一組成の水素吸
蔵合金(NiOは含有しない)を高周波溶解炉で溶解
し、鋳造後、アルゴンガス中において1100℃で6時
間アニールした後、平均粒径20μm程度に粉砕し、従
来のAB5 タイプの水素吸蔵合金粉末を作製した。その
後アルカリ処理として密度1.3g/cm3の水酸化カ
リウム中に70℃で20分間撹拌しながら浸漬し、次に
水洗を6回行いKOHを除去し、乾燥した。この様にし
て作製した水素吸蔵合金粉末を負極材料として実施例1
と同様にして評価用電池を作製した。 [比較例2]Co含量を多くしたMmNi3.7Mn0.4
0.3Co0.6の組成の合金を粉砕した平均粒径20μm
程度の粉末を負極材料として実施例1と同様にして評価
用電池を作製した。
【0022】以上の実施例1および比較例1、2の評価
用電池について25℃において充放電サイクル試験を行
った。図2に充放電サイクルの進行にともなう負極の放
電容量の変化を示す。充放電サイクル試験の条件は、放
電は初期放電電気量を基準として2Cで0.9Vカット
(放電深度100%)、充電は2Cで放電電気量に対し
て充電深度100%とした。一方、容量確認は50サイ
クルごとに行い、0.1Cで11時間充電した後、0.
1Cで0.9Vまでの放電容量を求めた。図2から次の
ことが明らかである。すなわち、初期放電容量について
は、実施例1のものが285mAh/gで、比較例1お
よび2の295mAh/gより10mAh/g低い。し
かし、サイクル寿命については、比較例1が150サイ
クルで、また比較例2は400サイクル時点でそれぞれ
初期放電容量の80%を切っているが、実施例1は80
0サイクルまで寿命が延びている。400サイクル時点
で電池を分解して負極合金粉末の粒度分布を測定したと
ころ、実施例1のものは平均粒径が16μmと大きかっ
たが、比較例2の合金は8μm、比較例1の合金は5μ
mと小さくなっていた。NiO微粒子を均一に分散した
実施例1の合金が微粉化の防止に有効に働いていること
がわかった。
【0023】次に、実施例1において、合金中のNiO
の含有量を変えたものを用いて上記と同様にして充放電
サイクル試験を行った。合金中のNiOの含有量と負極
の放電容量およびサイクル寿命との関係を図3に示す。
NiO量が5体積%を越すと急激に放電容量が低下し、
一方、1体積%以下ではサイクル寿命の向上効果が少な
いことがわかる。NiOの含有量としては1体積%以上
5体積%以下が適している。
【0024】表1、表2および表3に各種実施例および
比較例の負極について実施例1と同様にして求めた初期
放電容量とサイクル寿命の比較を示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】[実施例2〜17]これらの実施例は、A
5タイプの水素吸蔵合金を母合金とし、実施例1と同
様の方法で添加する酸化物または窒化物を各種変えて水
素吸蔵合金粉末を作製し、電池特性を評価したものであ
る。SnO2のような融点の低い酸化物は、焼成中に溶
解し、ペレットの下部に溜り、ペレットから溶出する。
このため合金中に均一に分散せず、微粉化抑制の効果は
ほとんどなかった。また、酸化物または窒化物の平均粒
径は、1μm以下が有効であった。1μmより大きい
と、水素吸蔵合金粉末中に含まれる数が少なくなり、微
粉化抑制の効果がほとんどなかった。添加量は、いずれ
の添加物も1体積%以上5体積%以下が有効で、添加物
による差はほとんど認められなかった。実施例17は、
添加物としてSiO2とLa23を混合させたものを用
いたが、長寿命の効果が得られた。
【0029】[実施例18〜24]これらの実施例は、
水素吸蔵合金を通常行っているような高周波溶解・鋳造
する際、密度が5.7〜8.4g/cm3の酸化物もし
くは窒化物を所定量添加して合金を作製し、粉砕後実施
例1と同様の方法で評価用電池を作製したものである。
このような方法で合金粉末を作製しても合金の微粉化を
防ぐのに有効で長寿命化が達成できた。
【0030】[実施例25〜30]これらの実施例は、
実施例1と同様の製造方法を用いZrTi0.2Mn0.6
0.3Cr 0.1Ni1.3などのAB2タイプの水素吸蔵合金を
母合金として添加物微粒子の分散した水素吸蔵合金粉末
を作製したものである。AB2タイプの水素吸蔵合金
は、水素吸蔵量がAB5タイプの合金に比べ大きいため
微粉化も激しく、従来の添加物を加えない水素吸蔵合金
だけのものでは100サイクル程度で放電容量の大幅な
低下が見られたが、添加物を1〜5体積%加えることで
放電容量は若干低下するが、サイクル寿命の大幅な改善
が達成できた。また、初期活性化も添加物を混合した本
実施例では従来の5回から10回に比べ、1〜2回で活
性化ができた。但し、AB2タイプの合金の場合は、実
施例1で行ったアルカリ処理工程は行わなかった。
【0031】以上の実施例においては、特定の水素吸蔵
合金について説明したが、本発明で用いる母合金の水素
吸蔵合金としては、Mm、Ni、Al、Mn、X(Xは
Co、Cu、Fe、ZnおよびBよりなる群から選ばれ
る少なくとも1種)からなるAB5タイプ(但し、Aサ
イトの原子に対するBサイトの原子比は4.7〜5.
7)の水素吸蔵合金およびZr、Ni、Mn、X(Xは
Ti、Co、Cr、V、NbおよびMoよりなる群から
選ばれる少なくとも1種)からなるAB2タイプ(但
し、Aサイトの原子に対するBサイトの原子比は1.8
〜2.2)の水素吸蔵合金が有効であった。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、水素吸蔵
合金中に酸化物あるいは窒化物の微粒子を均一に分散さ
せることで水素の吸脱時に発生する応力を緩和すること
ができ、微粉化を防ぐことが可能となる。従って、放電
容量は若干低下するが、サイクル寿命特性に優れたニッ
ケル−水素蓄電池などに用いる水素吸蔵合金電極が得ら
れる。また、AB5タイプの水素吸蔵合金においては、
従来長寿命化のために添加していた高価なCoの添加量
を抑えることができるため、長寿命化とともに低コスト
化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における水素吸蔵合金粉末の製
造工程を示す図である。
【図2】本発明の実施例および比較例における評価用電
池の充放電サイクルと放電容量の関係を示す図である。
【図3】合金中のNiOの含有量とサイクル寿命および
放電容量との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山村 康治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点1500℃以上の酸化物および窒化
    物よりなる群から選択される物質からなる平均粒径1μ
    m以下の微粒子を合金中にほぼ均一に分散していること
    を特徴とする水素吸蔵合金粉末。
  2. 【請求項2】 前記微粒子が、CaO、Y23 、Si
    2、ZrO2、TiO2、CeO2、Fe34、Fe
    23、NiO、BaO、MgO、La23、α-Al2
    3、ZnO、AlN、TaN、TiN、VNおよびNb
    Nよりなる群から選択される少なくとも1種である請求
    項1記載の水素吸蔵合金粉末。
  3. 【請求項3】 前記微粒子の含有割合が1体積%以上5
    体積%以下である請求項1記載の水素吸蔵合金粉末。
  4. 【請求項4】 水素吸蔵合金が、Mm、Ni、Al、M
    n、X(ただし、XはCo、Cu、Fe、ZnおよびB
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種)からなるAB
    5タイプの合金であり、Aサイト原子に対するBサイト
    原子の比率が4.7〜5.7である請求項1記載の水素
    吸蔵合金粉末。
  5. 【請求項5】 水素吸蔵合金が、Zr、Ni、Mn、X
    (ただし、XはTi、Co、Cr、V、NbおよびMo
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種)からなるAB
    2タイプの合金であり、Aサイト原子に対するBサイト
    原子の比率が1.8〜2.2である請求項1記載の水素
    吸蔵合金粉末。
  6. 【請求項6】 融点1500℃以上の酸化物および窒化
    物よりなる群から選択される物質からなる平均粒径1μ
    m以下の微粒子と平均粒径20μm以下の水素吸蔵合金
    粉末との混合物を加圧成形する工程、前記で得られた成
    形体を真空中あるいは不活性ガス中において前記水素吸
    蔵合金の融点よりやや低い温度で焼結する工程、および
    得られた焼結体を粉砕する工程を有することを特徴とす
    る水素吸蔵合金粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 水素吸蔵合金の原料金属と、融点150
    0℃以上で水素吸蔵合金の密度とほぼ同じ密度を有する
    酸化物および窒化物よりなる群から選択される物質から
    なる平均粒径1μm以下の微粒子との混合物を真空中あ
    るいは不活性ガス中において高周波溶解炉で加熱して、
    前記原料金属を溶解させる工程、前記微粒子の混合して
    いる溶解物を鋳造する工程、および前記で得られた微粒
    子がほぼ均一に分散した水素吸蔵合金塊を粉砕する工程
    を有することを特徴とする水素吸蔵合金粉末の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記微粒子が、ZrO2、NiO、Ba
    O、CeO2、La23、VNおよびNbNよりなる群
    から選ばれる少なくとも1種である請求項7記載の水素
    吸蔵合金粉末の製造方法。
JP6049238A 1994-03-18 1994-03-18 水素吸蔵合金粉末およびその製造方法 Pending JPH07258703A (ja)

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