JPH07258247A - シアノアミジン化合物およびその使用 - Google Patents

シアノアミジン化合物およびその使用

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JPH07258247A
JPH07258247A JP5071694A JP5071694A JPH07258247A JP H07258247 A JPH07258247 A JP H07258247A JP 5071694 A JP5071694 A JP 5071694A JP 5071694 A JP5071694 A JP 5071694A JP H07258247 A JPH07258247 A JP H07258247A
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JP
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cyano
nitrothiophene
cyanoamidine
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JP5071694A
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English (en)
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Yoshihiro Tanaka
中 義 裕 田
Tatsuo Nakajima
島 達 雄 中
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Kirin Brewery Co Ltd
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Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血圧降下を伴わずに気管支拡張作用を有する
新規な化合物を提供する。 【構成】 次式(I)で示されるシアノアミジン誘導
体。 【化1】 上記のシアノアミジン化合物は、血管平滑筋よりも気管
支平滑筋に対してより特異的に弛緩させる作用を有して
おり、血圧を降下させることなく気管支を拡張すること
ができる抗喘息薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は新規シアノアミジン化合
物に関し、更に詳しくは本発明は抗喘息薬として有用な
新規シアノアミジン化合物およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より喘息、特に気管支喘息の治療に
は様々な薬物、例えば抗ヒスタミン剤、気管支拡張剤、
抗アレルギー剤、ステロイド剤等が用いられている。気
管支拡張剤は気管支平滑筋の収縮抑制をその作用機序と
しており、例えばβ作用薬はβ受容体刺激により平
滑筋の収縮を抑制する。また、亜硝酸薬やイオンチャン
ネルモジュレーターといった平滑筋を弛緩させる薬物の
気管支平滑筋への応用も現在数多く研究されている。し
かし、これらの気管支喘息治療への使用は、血圧降下等
の副作用を伴うことが多く、満足できるものではない。
さて、種々の薬理作用を有するシアノアミジン化合物が
従来より知られている。例えば、特開平3−16306
1号公報、特開平3−218343号公報、特開平4−
295473号公報等には、様々なシアノアミジン誘導
体が開示されており、特にシアノアミジノピリジン化合
物が血管拡張作用を有し、高血圧、心疾患等の治療に使
用され得ることが述べられている。また、特開平3−1
63061号にはシアノアミジノピリジン化合物の喘息
治療薬としての有用性について記載されており、参考例
としてN−シアノ−N´−(2−ニトロキシエチル)−
3−ピリジンカルボキシイミダミドの気管支拡張作用が
示されている。しかし、N−シアノ−N´−(2−ニト
ロキシエチル)−3−ピリジンカルボキシイミダミドに
代表される特開平3−163061号公報に記載された
シアノアミジノピリジン化合物は強力な血圧降下作用を
有する事から、抗喘息薬としての使用には多くの制限が
生じる。また、特開平3−218343号公報、特開平
4−295473号公報にはシアノアミジノチオフェン
化合物が開示されているが、これらのシアノアミジノチ
オフェン化合物はその血管拡張作用、降圧作用が述べら
れているにすぎない。
【0003】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来より知
られているこれらのシアノアミジン化合物と比較して血
圧降下等の副作用の少ない気管支拡張作用を有する新規
なシアノアミジン誘導体および抗喘息剤を提供すること
を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、新規なシ
アノアミジン化合物の合成および薬理活性について鋭意
研究を重ねた結果、特定のシアノアミジン誘導体が血管
平滑筋よりも気管支平滑筋に対してより特異的に弛緩さ
せる望ましい気管支拡張剤であることを見出し、この知
見をもとに本発明を完成させるに至った。すなわち、本
発明による新規なシアノアミジン誘導体は、下記の式
(I)に示されるシアノアミジン化合物である。
【化2】 更に本発明はこの化合物の用途にも関する。上記の化合
物は血圧降下を伴わず強力に気管支平滑筋を弛緩させる
ため、抗喘息薬として利用することができる。すなわ
ち、本発明による抗喘息薬は、上記のシアノアミジン誘
導体を有効成分として含んでなるものである。
【0005】〔発明の具体的説明〕シアノアミジン化合物 本発明による化合物は、前記のように式(I)で示され
るシアノアミジン誘導体である。
【0006】シアノアミジン化合物の製造 本発明によるシアノアミジン化合物は、合目的的な任意
の合成方法により合成できるが、たとえば以下に述べる
ように図1に示す工程に従って合成することができる。
式(I)で示されるシアノアミジン化合物は、図1に示
すように、2−シアノ−5−ニトロチオフェンをプロパ
ノールと反応させてプロピル=N−シアノ−2−(5−
ニトロチオフェン)カルボキシイミデートへと導き(ピ
ンナー反応)、この化合物を2−ニトロキシエチルアミ
ンと反応させることにより、N−シアノ−N´−(2−
ニトロキシエチル)−2−(5−ニトロチオフェン)カ
ルボキシイミダミドとして得ることができる。
【0007】(1) プロピル=N−シアノ−2−(5
−ニトロチオフェン)カルボキシイミデートの合成 一般に市販されている2−シアノ−5−ニトロチオフェ
ンをプロパノール溶液中において、塩化水素ガスを作用
させることによりプロピル=2−(5−ニトロチオフェ
ン)カルボキシイミデート(化合物III )を得て、この
化合物を緩衝液中でシアナミドと反応させることによ
り、プロピル=N−シアノ−2−(5−ニトロチオフェ
ン)カルボキシイミデート(化合物II)に導くことがで
きる。プロパノールの使用量は、通常2−シアノ−5−
ニトロチオフェン1モルに対して1L〜3L、好ましく
は2Lである。本反応に際し、原料である化合物III は
アセトニトリルに溶解後、反応緩衝液中に加えることが
好ましい。化合物III を溶解するアセトニトリルの使用
量は、通常化合物III 1モルに対して1L〜3L、好
ましくは1.5L〜2.5Lである。化合物III を合成
する反応は、通常0〜35℃、好ましくは0〜25℃で
行なうのが好ましく、1時間程度で終了する。化合物II
I から化合物IIへの反応に使用される緩衝液は、好まし
くはリン酸緩衝液(たとえばリン酸二水素ナトリウムお
よびリン酸水素二ナトリウムの緩衝液)であり、そのp
Hは通常6.0〜7.0、好ましくは6.5〜7.0の
範囲である。またこの反応段階に用いられるシアナミド
の使用量は、通常化合物III 1モルに対して1モル〜4
モル、好ましくは2モル〜3モルである。化合物III か
ら化合物IIへの反応は、通常室温で行ない、12時間程
度で終了する。
【0008】(2) N−シアノ−N´−(2−ニトロ
キシエチル)−2−(5−ニトロチオフェン)カルボキ
シイミダミド(化合物I)の製造 上記の工程(1)で得られた化合物IIおよび2−ニトロ
キシエチルアミンを反応させることにより、式(I)で
示される目的の化合物Iを製造することができる。2−
ニトロキシエチルアミンは通常その酸付加塩が使用され
る。酸付加塩としては塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、メタン
スルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等があり、塩
酸塩、硝酸塩が一般的である。本反応で2−ニトロキシ
エチルアミンの酸付加塩を使用する場合には、塩基を使
用し遊離のアミンとして化合物IIと反応させる。使用し
うる塩基としてはナトリウムメチラート、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
2−ニトロキシエチルアミンの使用量は化合物II 1モ
ルに対して1モル〜3モル、好ましくは1モル〜2モル
である。塩基の使用量は2−ニトロキルエチルアミンの
酸付加塩を遊離のアミンとするために必要な量であり、
化合物II 1モルに対して1モル〜3モル、好ましくは
1モル〜2モルである。本反応は通常溶媒中で行われ
る。使用しうる溶媒としてはDMF、メタノール、エタ
ノール、アセトニトリル等の有機溶媒が挙げられる。こ
の段階の反応は、通常0℃〜溶媒の沸点、好ましくは0
℃〜室温で行い、1時間程度で終了する。上記の反応で
粗製物の形で得られる化合物Iは、カルボキシイミダミ
ド化合物を単離精製する公知の精製法(種々のクロマト
グラフィー法、結晶化法など)を用いて精製することが
できる。このような精製法の好ましい例としては、たと
えば吸着剤(シリカゲルなど)を用いたカラムクロマト
グラフィー(溶出溶媒としては例えばヘキサン:酢酸エ
チルなど)、結晶化(結晶化に用いる溶媒系としては例
えばメタノール−エーテルなど)などがあげられる。
【0009】シアノアミジン化合物の用途/医薬組成物 本発明によるシアノアミジン化合物は気管支拡張作用を
有するものであることは前記した通りである。従って、
本発明のシアノアミジン化合物は抗喘息薬として有用で
ある。本発明によるシアノアミジン化合物を抗喘息薬と
して投与する場合は、吸入あるいは非経口投与(筋肉
内、皮下、静脈内、経皮、直腸投与など)にて投与する
ことができる。本発明シアノアミジン化合物の投与量お
よび投与方法は、患者の状況、性別、感受性、投与時
間、併用する薬剤、患者またはその病気の程度に応じて
変化することはいうまでもなく、また一定条件のもとに
おける適量と投与回数は、上記指針を基にして専門医の
適量決定試験によって決定されなければならないが、通
常、成人1人当たりの投与量は約0.1〜200mg、
好ましくは0.3〜100mg程度であり、より好まし
くは0.5〜50mgである。本発明化合物を医薬とし
て吸入投与する場合は、乾式または湿式スプレーによる
方法で投与され、非経口投与される場合は、注射剤、懸
濁剤、座剤等の形態で投与される。これらの製剤を製造
するには、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤等
の添加剤を加えることができる。賦形剤としては、例え
ば乳糖、結晶セルロース、マンニトール、マルトース、
リン酸水素カルシウム、軽質無水ケイ酸、炭酸カルシウ
ム等が、結合剤としては、例えばポリビニルピロリド
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム等が、
崩壊剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース等
が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウ
ム、タルク、硬化油等が、安定剤としては、例えば乳
糖、マンニトール、マルトース、ポリソルベート類、ポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油類があげられる。これら
の成分を用いて通常の方法によりスプレー剤、注射剤、
座剤等の剤形に製造することができる。
【0010】
【実施例】本発明は以下の実施例および薬理試験によっ
て更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例およ
び薬理試験により限定されるものではない。実施例:N−シアノ−N´−(2−ニトロキシエチル)
−2−(5−ニトロチオフェン)カルボキシイミダミド
の製造 (i) 2−シアノ−5−ニトロチオフェン(7.59
g,49.3mmol)のプロパノール(100ml)
溶液に氷水冷下、攪拌しながら塩化水素ガスを15分間
導入した後、氷浴を外しさらに1時間塩化水素ガスを導
入した。反応液を減圧乾固して得られた残渣に飽和炭酸
ナトリウム溶液(100ml)を加え、直ちにクロロホ
ルム(100ml×3)で抽出した。抽出した有機層は
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮することにより
粗プロピル=2−(5−ニトロチオフェン)カルボキシ
イミデートを固体として得た。リン酸二水素ナトリウム
二水和物(30.8g)、リン酸水素二ナトリウム
(7.0g)、シアナミド(5.2g)の水(300m
l)溶液に上記粗プロピル=2−(5−ニトロチオフェ
ン)カルボキシイミデートのアセトニトリル(100m
l)溶液を加え、室温で一晩攪拌した。反応液をクロロ
ホルム(100ml×3)で抽出し、抽出した有機層は
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた
残渣をヘキサン:酢酸エチル(8:1)を溶出溶媒とす
るシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すること
により、プロピル=N−シアノ−2−(5−ニトロチオ
フェン)カルボキシイミデート(8.69g,収率74
%)を結晶として得た。 <プロピル=N−シアノ−2−(5−ニトロチオフェ
ン)カルボキシイミデートの物理化学的性質>1 H−NMR δ(ppm)(90MHz,CDC
3 )8.48(1H,d,J=4.4Hz),7.9
2(1H,d,J=4.4Hz),4.41(2H,
t,J=6.5Hz),1.91(2H,m),1.0
6(3H,t,J=7.7Hz)。 IR cm-1(KBr)2170,1600,1510,
1340,1290。 (ii)プロピル=N−シアノ−2−(5−ニトロチオフ
ェン)カルボキシイミデート(5.10g,21.3m
mol)、2−ニトロキシエチルアミン塩酸塩(3.4
0g)のDMF(50ml)溶液に氷水冷下ナトリウム
メチラート(1.28g)を加えた。氷水浴を外し1時
間攪拌した後、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を酢
酸エチル(100ml)に溶かし、水と飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、減圧濃縮した。得
られた残渣をシリカゲルを担体とするカラムクロマトグ
ラフィー(溶出溶媒:クロロホルム/メタノール=25
/1)で精製することによりN−シアノ−N´−(2−
ニトロキシエチル)−2−(5−ニトロチオフェン)カ
ルボキシイミダミド(3.76g,収率62%)を結晶
として得た。 <N−シアノ−N´−(2−ニトロキシエチル)−2−
(5−ニトロチオフェン)カルボキシイミダミドの物理
化学的性質> 融点105℃。1 H−NMR δ(ppm)(90MHz,DMSO−
6 )9.70(1H,brs),8.22(1H,
d,J=4.6Hz),7.78(1H,d,J=4.
6Hz),4.75(2H,t,J=5,1Hz),
3,77(2H,m)。IR cm-1(KBr)343
0,3200,2160,1630,1560,153
0,1340,1280。
【0011】薬理試験1:モルモット摘出気管標本に対
する弛緩作用 本発明によるN−シアノ−N´−(2−ニトロキシエチ
ル)−2−(5−ニトロチオフェン)カルボキシイミダ
ミド(化合物1)のモルモット摘出気管標本に対する弛
緩作用を、本発明化合物に近似した公知化合物であるN
−シアノ−N´−(2−ニトロキシエチル)−3−ピリ
ジンカルボキシイミダミド(化合物2:特開平3−16
3061号公報参照)、N−シアノ−N´−(2−ニト
ロキシエチル)−2−チオフェンカルボキシイミダミド
(化合物3:特開平3−218343号公報参照)およ
びN−シアノ−N´−(2−ニトロキシエチル)−2−
(5−メチルチオフェン)カルボキシイミダミド(化合
物4:特開平4−295473号公報参照)と比較した
調べた。 (1)試験法 摘出したモルモットの気管を用いる方法によって、本発
明化合物の生理活性を試験した。放血致死させた体重2
50〜350gのHartley系雄性モルモットより
速やかに気管支を摘出した。気管支は幅5mmに切断し、
次いで筋の対側の軟骨の部分を切り開き標本を作成し
た。標本は95%O2 −5%CO2 の混合ガスを通気し
た37℃のKrebs液を満たしたオーガンバス中に懸
垂した。初期負荷は1gとした。標本の張力が安定した
後、アセチルコリン10-5Mを添加し、標本を収縮させ
た。その発生張力が一定となった後、試験化合物を累積
的にオーガンバス内に添加し、標本を弛緩させた。アセ
チルコリンによる張力を100%とし、弛緩反応をその
抑制率として求め、IC50値(アセチルコリンによる張
力を50%抑制する濃度)は平均の用量−作用曲線から
プロビット法により算出した。 (2)結果 化合物No. IC50(M) 1 7.31×10-6 2 1.17×10-5 3 7.96×10-6 4 6.38×10-7 上記の結果より、いずれの化合物も強い気管支弛緩作用
を示した。
【0012】薬理試験2:ラット大動脈標本に対する血
管弛緩作用 本発明によるN−シアノ−N´−(2−ニトロキシエチ
ル)−2−(5−ニトロチオフェン)カルボキシイミダ
ミド(化合物1)のラット大動脈標本に対する血管弛緩
作用を本発明化合物に近似した公知化合物であるN−シ
アノ−N´−(2−ニトロキシエチル)−3−ピリジン
カルボキシイミダミド(化合物2)、N−シアノ−N´
−(2−ニトロキシエチル)−2−チオフェンカルボキ
シイミダミド(化合物3)およびN−シアノ−N´−
(2−ニトロキシエチル)−2−(5−メチルチオフェ
ン)カルボキシイミダミド(化合物4)と比較して調べ
た。 (1)試験法 摘出したラットの大動脈を用いる方法によって、本発明
化合物の生理活性を試験した。放血致死させた体重25
0〜350gのウィスター系雄性ラットより速やかに胸
部大動脈を摘出し、幅3mmの輪切り標本を作成した。標
本は95%O2−5%CO2 の混合ガスを通気した37
℃のクレブス−リンガー(Krebs−Ringer)
液を満たしたオーガンバス中に懸垂した。静止張力1g
を負荷して、標本の引力が安定した後、オルガンバス内
を40mMKClを含む等張の栄養液に交換し、標本の
張力を増加させた。KClによる発生張力が一定となっ
た後、試験化合物を累積的にオーガンバス内に添加し、
標本を弛緩させた。KClによる張力を100%とし、
弛緩反応をその抑制率として求め、IC50値(KClに
よる張力を50%抑制する濃度)は平均の用量−作用曲
線からプロビット法により算出した。 (2)結果 化合物No. IC50(M) 1 no effect 2 5.1×10-6 3 9.6×10-6 4 1.4×10-6 上記の結果より、本発明化合物1は比較化合物に対して
血管収縮反応の抑制作用が著しく弱かった。
【0013】薬理試験3:モルモットを用いたヒスタミ
ン誘発気道収縮反応に対する作用(静脈内投与) 本発明によるN−シアノ−N´−(2−ニトロキシエチ
ル)−2−(5−ニトロチオフェン)カルボキシイミダ
ミド(化合物1)の気管支拡張作用をモルモットにおい
て本発明化合物に近似した公知化合物であるN−シアノ
−N´−(2−ニトロキシエチル)−3−ピリジンカル
ボキシイミダミド(化合物2)およびN−シアノ−N´
−(2−ニトロキシエチル)−2−(5−メチルチオフ
ェン)カルボキシイミダミド(化合物4)と比較して調
べた。 (1)試験法 モルモットをウレタン麻酔後、背位固定下に頚部正中切
開により気管を露出し、気管カニューレを挿入した後、
人工呼吸器により人工呼吸を行い、Konzett−R
ossler法の変法により定圧負荷のもとにvent
ilationoverflow量を気道抵抗の指標と
して測定した。0.0003%のヒスタミン吸入により
気道収縮反応を誘発し、安定したoverflow量が
得られたところで化合物を大腿静脈に挿入したカニュー
レを介して累積的に投与した。ヒスタミン吸入によって
増加したoverflow量に対する化合物の抑制率を
求め、用量−作用曲線からED50値(50%抑制する用
量)を算出した。 (2)結果 化合物No. ED50(μg/kg) 1 70 2 70 4 1000 上記の結果より、本発明化合物1および比較化合物2は
強い気道収縮反応抑制作用を示した。
【0014】薬理試験4:SDラットに対する血圧降下
作用(静脈内投与) 本発明によるN−シアノ−N´−(2−ニトロキシエチ
ル)−2−(5−ニトロチオフェン)カルボキシイミダ
ミド(化合物1)の血圧降下作用を雄性のSDラットに
おいて本発明化合物に近似した公知化合物であるN−シ
アノ−N´−(2−ニトロキシエチル)−3−ピリジン
カルボキシイミダミド(化合物2)およびN−シアノ−
N´−(2−ニトロキシエチル)−2−(5−メチルチ
オフェン)カルボキシイミダミド(化合物4)と比較し
て調べた。 (1)試験法 ウレタン−α−クロラロース(腹腔内投与)で麻酔した
ラットの頚動脈にカニューレを挿入し、圧トランスデュ
ーサーを介して平均血圧を測定した。化合物は、大腿静
脈に挿入したカニューレから30分毎に累積投与した。
投与前の血圧を100%とし、血圧の変化をその降下率
として求め、用量−作用曲線からED20値(血圧が20
%降下する用量)を算出した。 (2)結果 化合物No. ED20(μg/kg) 1 no effect 2 15.9 4 14.5 上記の結果より、比較化合物2および4がいずれも強い
血圧降下作用を示しているのに対し、本発明化合物の血
圧降下作用は著しく弱かった。
【0015】
【発明の効果】本発明によるシアノアミジン化合物は、
血管平滑筋よりも気管支平滑筋に対してより特異的に弛
緩させる作用を有しており、血圧を降下させることなく
気管支を拡張することができる。本発明化合物がこのよ
うな優れた気管支拡張作用を有しているという特性は、
当業者にとって思いがけなかったことといえよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明シアノアミジン化合物の製造法の一例を
示す反応工程図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I)で示されるシアノアミジン化合
    物。 【化1】
  2. 【請求項2】請求項1に記載のシアノアミジン化合物を
    有効成分として含んでなる、抗喘息薬。
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