JPH0725774B2 - 1―(2,3―ジカルボキシフエニル)―3―(3,4―ジカルボキシフエニル)―1,1,3,3―テトラメチルジシロキサン二無水物およびその製造方法 - Google Patents

1―(2,3―ジカルボキシフエニル)―3―(3,4―ジカルボキシフエニル)―1,1,3,3―テトラメチルジシロキサン二無水物およびその製造方法

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JPH0725774B2
JPH0725774B2 JP62313051A JP31305187A JPH0725774B2 JP H0725774 B2 JPH0725774 B2 JP H0725774B2 JP 62313051 A JP62313051 A JP 62313051A JP 31305187 A JP31305187 A JP 31305187A JP H0725774 B2 JPH0725774 B2 JP H0725774B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,1−(2,3−ジカルボキシフエニル)−3−
(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン二無水物,その製造方法に関する。
(従来の技術) 次式(II) で示される,1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)
−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物の合成
方法は,ジヤーナル オブ オーガニック ケミストリ
ー(J.Org.Chem,)第38巻 4271頁(1973年),K.L.Mitt
al編Polyimides(Plenum Press発行)第1巻51頁および
特開昭61−83191号公報に開示されている。
ところで,上記化合物の融点は,上記ジヤーナル オブ
オーガニック ケミストリーにも報告されているよう
に137℃〜138℃である。
一方上記1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物をエポキシ
樹脂硬化剤として用いるのは、その構造からも明らかな
如く,硬化物の吸湿性および接着性に優れているからで
あるが、上記化合物は融点が137℃〜138℃と高いため,
エポキシ樹脂との混合は加熱して行なう必要があり,硬
化促進剤を添加する場合は,ポットライフが非常に短く
なるとともに,混合時ゲル化し易いという問題点があつ
た。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記問題点に鑑み,融点の低い,加工性に優れ
たジシロキサン結合を有するテトラカルボン酸二無水物
およびその製造方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明の第1の発明は1−(2,3−ジカルボキシフエニ
ル)−3−(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン二無水物に関する。
また本発明の第2の発明は一般式(I) (ここで,無水酸基の位置はそれぞれ単独に2,3−位ま
たは3,4−位に結合している) で示される1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物中から,エー
テル溶媒を用いて1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物を
結晶析出させ,これを除いた母液に,パラフイン系溶媒
を加えてさらに結晶分析させることを特徴とする1−
(2,3−ジカルボキシフエニル)−3−(3,4−ジカルボ
キシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
二無水物の製造方法に関する。
本発明になる第1の発明であるジシロキサン結合を有す
るテトラカルボン酸二無水物である1−(2,3−ジカル
ボキシフエニル)−3−(3,4−ジカルボキシフエニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物
は,下記式(III)で表される。
この化合物は構造が非対称であることから,その融点は
118℃〜120℃と1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物の
融点に比べて18℃〜19℃低い。
また1−(2,3−ジカルボキシフエニル)−3−(3,4−
ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサン二無水物は、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフ
エニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水
物との混合物にすることにより、さらに融点は降下し、
低温で溶融する酸無水物とすることができる。例えば,
重量比で1:1の混合物は,溶融混合直後は,室温でも粘
稠液体であり,この時点でエポキシ樹脂と混合させるこ
とができる。また混合物を長時間放置すると,徐々に結
晶化し,固体となるが,この結晶化物の融点は92℃〜96
℃と従来例に比し40℃以上低くなつている。
次に本発明になる第2の発明である1−(2,3−ジカル
ボキシフエニル)−3−(3,4−ジカルボキシフエニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物の
製造法について説明する。
まず一般式(II)で示される1,3−ビス(ジカルボキシ
フエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無
水物混合物は、既に公知の化合物であり,例えば以下の
方法で合成される。
すなわち,まず4−ブロモ−o−キシレンと,3−ブロモ
−o−キシレンとの混合物を,金属マグネシウムと反応
させ,グリニヤール試薬とする。
次にこれをジメチルクロロシランを加え,カップリング
反応させ,ジメチルフランとする。
次いで,パラジウム触媒を用いて,ヒドロキシル化し,
ジメチルフエニルジメチルフエニルジメチルヒドロキシ
シランとする。
次に酸触媒を用いて加水分解し,1,3−ビス(ジメチルフ
エニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとし,
これを化マンガン酸カリウムで酸化して,1,3−ビス(ジ
カルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサンにし,これを加熱脱水閉環させる。
上記の如くして一般式(I)で示される1,3−ビス(ジ
カルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサン二無水物は得られるが,次に上記経過を次の反応
式(IV)で示す。
こうして得られた酸無水物は,出発のブロモ−o−キシ
レンが,4−ブロモ−o−キシレンと,3−ブロモ−o−キ
シレンとの混合物であるため,本発明の目的物である1
−(2,3−ジカルボキシフエニル)−3−(3,4−ジカル
ボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン二無水物以外に,1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエ
ニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物
および1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフエニル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物を含んでい
た。
ところでこうして得られた一般式(I)で表わされる酸
無水物混合物は、茶褐色の粘稠液体であるが,この段階
では精製を行なつていないため,酸化反応時の副生物も
含んでおり、エポキシ樹脂硬化剤あるいはポリイミド樹
脂原料とすることはできない。
そこで,次に上記一般式(I)の酸無水物をジエチルエ
ーテル,ジイソプロピルエーテル,ジ−n−プロピルエ
ーテル等のエーテル溶媒中に分散させ,溶媒に不溶な1,
3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン二無水物を結晶析出させ,濾過
操作によつてこれを除く。このとき用いるエーテル溶媒
の量は,上記一般式(I)の酸無水物に対して,100〜50
0重量%の範囲で用いることが好ましい。100重量%未満
の場合,溶媒量が少なく,分散が悪くなり好ましくな
い。また500重量%を越える場合は,溶媒中に1,3−ビス
(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン二無水物が溶解するので好ましくない。
また分散時の温度は,10℃以上,溶媒のリフラックス温
度以下で行ない,樹脂状物が消失するまで撹拌またはリ
フラックスを行なう。次に放冷後,結晶として析出した
1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン二無水物を濾過で除く。得ら
れた1−(2,3−ジカルボキシフエニル)−3−(3,4−
ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサン二無水物を含む濾液に,n−ヘキサン,シクロヘ
キサン,n−ペンタン,n−ヘプタン等のパラフイン系溶媒
を加え,目的の1−(2,3−ジカルボキシフエニル)−
3−(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン二無水物を結晶析出させることがで
きる。このとき用いるパラフイン系溶媒の量は,濾液量
の10〜100重量%の範囲で用いることが好ましい。10重
量%未満の場合,結晶として析出する目的物の量が少な
く好ましくない。また100重量%を越える場合は,単に
溶媒量が増加するだけで,目的物の収量は増加しない。
このようにして得られた1−(2,3−ジカルボキシフエ
ニル)−3−(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサン二無水物は,結晶となつて
いるので,エーテル溶媒で再結晶し純度を向上させるこ
とができる。
(実施例) 次に本発明の実施例および応用例を説明する。
実施例1 (1) 1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサン二無水物の製造 (イ) グリニヤール試薬の製造 アリーン冷却機,液化ロート,温度計および撹拌装置を
取付けた2四つ口フラスコをアルゴンガス雰囲気下で
充分乾燥させた後,金属ナトリウムで脱水したテトラヒ
ドロフラン10ml,金属マグネシウム9.72gおよびブロモ−
オルト−キシレン(4−ブロモ−オルト−キシレン75重
量%および3−ブロモ−オルト−キシレン25重量%混合
物)10.0gを加えた。反応液が濁りはじめて,グリニヤ
ール試薬が生成しはじめたとき,滴下ロートから上記と
同一のブロモ−オルト−キシレン64.0gとテトラヒドロ
フラン100mlの混合液を1時間かけて滴下した。この
間,発熱反応であるので氷浴で冷却しながら反応温度を
40℃に保つた。滴下終了後も金属マグネシウムが残つて
いるので,オイルバスで加熱し,温度40℃のまま5時間
撹拌し,金属マグネシウムを完全に反応させグリニヤー
ル試薬とした。
(ロ) カップリング反応 次に、滴下ロートから,ジメチルクロロシラン37.85g
(0.40モル)を20分かけて滴下した。この間反応温度を
20℃に保ち,滴下終了後もさらに5時間,20℃に保つた
ままカップリング反応を完結さた。
この後,イオン交換水100mlを徐々に加え,カップリン
グ反応で生成したクロロブロモマグネシウムを水溶液と
した。フラスコ内は,上層にジメチルフエニルジメチル
シランを含むテトラヒドロフラン溶液と,下層の水溶液
層とに分離した。ここで下層分を除去した後,上層分を
イオン交換水50mlで4回洗浄し,無水硫酸ナトリウムで
脱水した。
(ハ) ヒドロキシル化反応 次いでアリーン冷却機,温度計および撹拌装置を取付け
た1フラスコに,ジメチルフエニルジメチルシランの
テトラヒドロフラン溶液を全量仕込み,室温23℃で撹拌
しながらイオン交換水20mlと5重量%活性炭担持パラジ
ウム触媒0.3g(金属パラジウムの量としてジメチルフエ
ニルジメチルシランの0.023重量%)を加えると,直ち
に水素ガスが発生しはじめた。ここでアリーン冷却機の
出口に,湿式ガスメータを取付け,発生水素量を測定し
たところ,反応開始後2,5時間で水素の発生が終了し,
発生ガス量は23℃で9.57(0.394モル)であつた。
反応終了液を濾過してパラジウム触媒を除去し,下層の
水層を除去し,ジメチルフエニルジメチルヒドロキシシ
ランのテトラヒドロフラン溶液を得た。
(ニ)加水分解反応 次で,アリーン冷却機,温度計および撹拌装置を取付け
た1フラスコに,ジメチルフエニルジメチルヒドロキ
シシランのテトラヒドロフラン溶液を全量仕込み,20℃
で撹拌しながら36%塩酸15mlを加え,8時間反応を行なつ
た。反応終了後,下層の塩酸水溶液層を分液ロートで除
去し,1,3−ビス(ジメチルフエニル)−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサンのテトラヒドロフラン溶液にトル
エン10mlを加えた後,イオン交換水70mlで3回水洗し
た。この溶液をエバポレータでテトラヒドロフランおよ
びトルエンを留去し,1,3−ビス(ジメチルフエニル)−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを66.8g(0.195モ
ル)得た。
この化合物をゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイー
で分析したところ,1,3−ビス(ジメチルフエニル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサンが98重量%で、他に
ポリシロキサン化合物と推定される化合物が1.5重量%
および未反応のヒドロキシシラン化合物が0.5重量%あ
つた。
この液体を,ヴイグリユー分留管をつけた蒸溜装置で蒸
溜精製し,沸点141℃〜144℃(圧力0.52mmHg)の留分6
2.1gを得た。このものをプロトン−NMR分析したところ,
1,3−ビス(ジメチルフエニル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサンであることを確認できた。
(ホ) 酸化反応 次いで,1,3−ビス(ジメチルフエニル)−1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン13.7g(40ミリモル),ピリジ
ン240mlおよびイオン交換水120mlをアリーン冷却管,温
度計および撹拌装置を取付けた1四つ口フラスコに仕
込み,フラスコ内を85℃に加熱し,過マンガン酸カリウ
ム75.9g(480ミリモル)を2時間かけて徐々に加え,そ
の後さらに4時間,85℃に保持して撹拌を続けた。反応
で生成した酸化マンガンの沈澱を濾過で除去し,濾液中
のピリジンをロータリーエバポレーターで留去した後,3
6%塩酸で酸析したところ,白色の樹脂状沈澱を得た。
このときの水層のpHは1であつた。沈澱を220mlのテト
ラヒドロフランと,150mlのトルエン混合溶媒に溶解さ
せ,10%食塩水75mlで4回洗浄し,ロータリーエバポレ
ーターで溶媒を留去したところ,淡黄褐色の樹脂状の1,
3−ビス(ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメ
チルジシロキサン17.4g(37.6ミリモル)を得た。
(ヘ) 脱水閉環反応 次いで,上記樹脂状の1,3−ビス(ジカルボキシフエニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン13.9g(30ミ
リモル)を,100mlナス型フラスコに仕込み,0.7mmHg減圧
下,150℃で3時間加熱を行ない,脱水閉環を行なつた。
1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン二無水物が,樹脂状で12.4g(29ミ
リモル)得られた。
(2) 1−(2,3−ジカルボキシフエニル)−3−
(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン二無水物の製造 上記の如くして得られた樹脂状粘稠物である1,3−ビス
(ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン二無水物混合物10gを,冷却管を付けた100ml
ナス型フラスコに入れ,これにエテルエーテル25ml(1
7.9g)を加え,4時間加熱リフラックスを行ない,放冷し
た。
次に白色の粉末結晶として析出した1,3−ビス(3,4−ジ
カルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサン二無水物を濾過操作により除いた。得られた濾液
20gに対して5.0gのn−ヘキサンを室温で撹拌しながら
徐々に滴下した。滴下後も撹拌を続けたところ,10分後
に微細な白色結晶が析出した。濾過操作でこの結晶を取
出し乾燥したところ3.4g得られた。
この結晶3.0gをエチルエーテル10ml(7.2g)に加熱溶解
させ,熱濾過し,濾過を冷却させた。析出した結晶を取
出し乾燥したところ,その重量は2.4gであつた。
得られた結晶を元素分析した結果,炭素55.93重量%,
水素4.21重量%であり,1−(2,3−ジカルボキシフエニ
ル)−3−(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン二無水物の計算値である炭素
56.32重量%,水素4.25重量%に極めて近似した。
次いで,この結晶の融点を測定したところ,118℃〜120
℃であつた。
この結晶の1H−NMR(日立製作所(株)製 日立R−250
型核磁気共鳴スペクトロメーター)による分析を行つ
た。結果を第1図に示す。ここで,2.5ppmの吸収は溶媒D
MSO(ジメチルスルホキシド)によるものであり,3.3ppm
の吸収は溶媒中の水分である。また0.485ppmと0.495ppm
の吸収はケイ素に結合したメチル基プロトンの吸収であ
るが,分子が非対称であるため2本の分裂している。ま
た,7.93〜8.20ppmの吸収はベンゼン環プロトンの吸収で
ある。メチル基プロトンとベンゼン環プロトンの積分強
度比は,182:92(12:6.07)であり,1−(2,3−ジカルボ
キシフエニル)−3−(3,4−ジカルボキシフエニル)
−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物の理論
値である12:6に良く一致した。
また13C−NMR(日立製作所(株)製 日立R−250型核
磁気共鳴スペクトロメーター)の分析を行つた。結果を
第2図に示す。この場合理論上は18本のピークが観測さ
れるはずであり,第2図に示す如く18本のピークがあ
る。第2図で,炭素のピークと炭素′のピークが重
なつているが,これは両者のピークのケミカルシフト値
が,165.793ppm,165.762ppmと極めて近接しているため
で,同図では1本のピークとなつている。また炭素の
ピークと炭素′のピークも近接しているが,それぞれ
3.172ppmと3.004ppmとに分れている。
上記実験結果より,得られた結晶は1−(2,3−ジカル
ボキシフエニル)−3−(3,4−ジカルボキシフエニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物を
確認できた。
なお赤外線吸収スペクトル(日立製作所(株) 日立26
0−30型赤外分光光度計;KBr法)を測定した。結果を第
3図に示すが,これからも上記結晶は1−(2,3−ジカ
ルボキシフエニル)−3−(3,4−ジカルボキシフエニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物と
確認できた。
応用例1 上記実施例で得られた1−(2,3−ジカルボキシフエニ
ル)−3−(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン二無水物1.0gと,1,3−ビス
(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン二無水物1.0gとを試験管入れ,加熱溶融
混合した。その後室温まで冷却したが,液状のままであ
つた。これにエポキシ当量190のビスフエノールAジグ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂を1.8g加えたが、室温
で液状のままであり,室温でエポキシ樹脂との混合が可
能であつた。
比較応用例 試験管に1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物1.1gと上記
実施例2で用いたエポキシ樹脂1.0gとを加え,140℃で加
熱溶融混合させた。ここで室温に冷却したところ,1,3−
ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン二無水物の白色結晶が析出してしま
つた。
(発明の効果) 第2の発明によつて得られる第1の発明の1−(2,3−
ジカルボキシフエニル)−3−(3,4−ジカルボキシフ
エニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水
物は,分子構造が非対称であるため,従来の1,3−ビス
(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン二無水物等に比し融点が低く,そのため
加工性に優れたエポキシ樹脂の硬化剤として用いること
ができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は1−(2,3−ジカルボキシフエニル)−3−
(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン二無水物の1H−NMRスペクトルを示し,
第2図は上記化合物の13C−NMRスペクトルを示し,第3
図は上記化合物の赤外線吸収スペクトルを示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1−(2,3−ジカルボキシフエニル)−3
    −(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメ
    チルジシロキサン二無水物。
  2. 【請求項2】一般式(I) (ここで,無水酸基の位置はそれぞれ単独に2,3−位ま
    たは3,4−位に結合している) で示される1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)−1,1,
    3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物中から,エー
    テル溶媒を用いて1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニ
    ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物を
    結晶析出させ,これを除いた母液に,パラフイン系溶媒
    を加えてさらに結晶析出させることを特徴とする1−
    (2,3−ジカルボキシフエニル)−3−(3,4−ジカルボ
    キシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
    二無水物の製造方法。
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