JP5163973B2 - 1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物及びその中間体 - Google Patents
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- 0 C*[Si](*)(c1ccc(C=N*)cc1)O[Si](*)(*)c1ccc(C=N*)cc1 Chemical compound C*[Si](*)(c1ccc(C=N*)cc1)O[Si](*)(*)c1ccc(C=N*)cc1 0.000 description 1
Description
しかしながら、1,3−ビス〔4−(ヒドロキシメチル)フェニル〕ジシロキサン化合物及び1,3−ビス〔4−(アミノメチル)フェニル〕ジシロキサン化合物は文献未記載の新規化学物質であり、その合成例はこれまで報告されていない。さらに、1,3−ビス〔4−(アミノメチル)フェニル〕ジシロキサン化合物の中間体となり得るジイミン化合物も文献未記載の新規化学物質であり、その合成例はこれまで報告されていない。
本発明の第2は、下記一般式(2)で表される1,3−ジアリール−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサンのジイミン化合物に関する。
前記R1は1分子中に4個存在するが、これら4個のR1は同一又は異なってもよいアルキル基である。好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの同一又は異なってもよい炭素数1〜4のアルキル基を挙げることができる。
前記R2は1分子中に2個存在するが、これら2個のR2 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はジフェニルメチル基である。
前記R3は1分子中に2個存在するが、これら2個のR3はヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルキル基又はジフェニルメチル基である。
接触還元の触媒としては、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウムなどの白金属元素又はこれらを1種以上含有する金属触媒が挙げられる。触媒は白金属元素を含有する触媒であれば特に制限されない。例えば、酸化パラジウム、酸化白金などの金属酸化物、塩化パラジウム、塩化白金などの金属塩、白金属元素をアルミナ、シリカ、活性炭などの担体に担持した触媒が挙げられる。好ましいのはパラジウム炭素触媒、白金炭素触媒である。触媒の使用量は一般式(2)で示される化合物に対して0.01質量%以上(金属換算で5×10−4質量%以上)であり、好ましくは0.01〜10質量%(金属換算で5×10−4〜0.5質量%)である。接触還元は、触媒存在下水素加圧又は常圧下に行うことができる。水素加圧時の圧力は特に制限されないが、好ましくは0.1〜1MPaである。常圧下の反応では、水素雰囲気下又は水素をバブリングすることにより行うことができる。原料の仕込み手順は任意であるが、例えば、一般式(2)で表される化合物と触媒を仕込み、これに水素を加圧して行うことができる。反応において溶媒は必要ないが、必要に応じて使用してもよく、反応を阻害しないものであれば特に限定されない。そのような溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコールなどのアルコール類、水が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、20℃程度で反応は進行する。反応は、反応物の種類及び量にもよるが、およそ1〜24時間で終了する。また反応は不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
そして、シロキサン結合を有する高分子材料は、一般的に可視性、表面特性、耐熱性、溶解性、気体透過性、耐RIE(耐反応性イオンエッチング)性などが著しく向上することが知られており、機能性高分子の原料として有用である。
で表される1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン化合物を、下記一般式(4)
で表されるアミン化合物の1種又は2種と反応させることにより製造することができる。
5Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコを使用し、マグネシウム101g(4.17モル)と4−ブロモベンズアルデヒドジメチルアセタール(アルドリッチ社製)963g(4.17モル)を、室温下、テトラヒドロフラン1699g溶液中で2時間反応させ、グリニヤール試薬(4−ジメトキシメチルフェニルマグネシウムブロミド)を調製した。
次いで、グリニヤール試薬とクロロジメチルシラン375g(3.96モル)を、室温下で反応させ、4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシランを含む溶液を得た。この溶液を加水分解した後、有機層を濃縮し、その後、蒸留(沸点92℃/150Pa)することにより、4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシラン622g(2.96モル)を得た。収率は74.7%(クロロジメチルシランに対して)であった。
2Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコを使用し、メタノール460g(14.4モル)と調製例1で得られた4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシラン600g(2.85モル)を、ナトリウムメトキシド0.30g存在下、室温下で17時間反応させ、4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシランを含む溶液を得た。この溶液を濃縮した後、蒸留(沸点116℃/200Pa)することにより、4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシラン525g(2.18モル)を得た。収率は76.5%(4−ジメトキシメチルフェニルジメチルシランに対して)であった。
2Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸2.00g(7.96ミリモル)、水200g(11.1モル)及びテトラヒドロフラン200gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌下、調製例2で得られた4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシラン500g(2.08モル)を添加し、さらにそのままの温度で1時間熟成を行った。反応液を減圧濃縮し、濃縮液にテトラヒドロフラン200g、水200gを添加した後、分液ロートで有機層と水層に分けた。有機層にトルエン200gを添加した後、有機層を水200gで2回洗浄し、有機層757gを得た。この溶液を減圧濃縮し、濃縮液361gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点204℃/93.1Pa)して、無色液体の1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン334g(0.976モル)を得た。収率は93.8%(4−ジメトキシメチルフェニルジメチルメトキシシランに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。
1H−NMR(δ in CDCl3):0.39(s,12H),7.68(d,J=7.8Hz,4H),7.83(d,J=7.8Hz,4H),10.0(s,2H)
13C−NMR(δ in CDCl3):0.79,128.52,133.25,136.68,147.25,192.12
GC−MS(EI):342(M+)、なお、GC−MSはガスクロマトグラフィー質量分析を示す。
2Lの4つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、調製例3で得られた1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン140g(0.409モル)及びテトラヒドロフラン700gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌しつつ、50%ヒドロキシルアミン水溶液54.1g(0.819モル)を滴下し、さらに、そのままの温度で16時間熟成を行った。熟成終了後、水280g及びトルエン280gを添加し、得られた溶液を、分液ロートで有機層と水層に分けた。有機層を水280gで2回洗浄し、有機層976gを得た。得られた有機層を減圧濃縮し、白色固体(融点117.4℃)の1,3−ビス〔4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン152g(0.409モル)を得た。収率は100%〔1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して〕であった。このもののNMRスペクトル及びLC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
1H−NMR(δ in CDCl3):0.34(s,12H),7.52(s,8H),8.13(s,2H),8.51(bs,2H)
13C−NMR(δ in CDCl3):0.91,126.11,129.81,132.57,132.96,133.24,141.93,150.22
LC−MS(APCI):373([M+1]+)、なお、LC−MSは液体クロマトグラフィー質量分析を示す。
200mLのオートクレーブに、実施例1で得られた1,3−ビス〔4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン5.11g(0.0137モル)、テトラヒドロフラン20.0g及びパラジウム炭素触媒(担持量:5%)0.05gを仕込んだ。続いて内部を窒素置換した後、水素圧0.2〜0.5MPa、内温20〜30℃で反応を行った。6時間後、触媒をろ過により除去し、反応ろ液29.2gを得た。ろ液を減圧濃縮し、濃縮液3.84gを得た。次いで、この濃縮液を減圧蒸留(沸点230℃/93.1Pa)して、粘性のある無色液体の1,3−ビス〔4−(アミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン3.01g(8.73ミリモル)を得た。収率は63.7%(1,3−ビス〔4−(ヒドロキシイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して)であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
1H−NMR(δ in CDCl3):0.32(s,12H),1.65(bs,4H),3.84(s,4H),7.26(d,J=7.4Hz,4H),7.49(d,J=6.7Hz,4H)
13C−NMR(δ in CDCl3):1.03,46.47,126.23,133.09,137.87,144.14
GC−MS(EI):344(M+)
20mLの3つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、調製例3で得られた1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン4.00g(0.0117モル)及びテトラヒドロフラン10gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌しつつ、n−ブチルアミン1.71g(0.0234モル)を滴下し、さらに、そのままの温度で1時間熟成を行った。熟成終了後、減圧濃縮し、粘性のある無色液体の1,3−ビス〔4−(n−ブチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン5.28g(0.0117モル)を得た。収率は100%〔1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して〕であった。このものは、66.5Paの減圧下、250℃に加熱しても蒸留することができず、示差熱分析では296.2℃で分解と思われる重量減を伴う発熱が見られた。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
1H−NMR(δ in CDCl3):0.34(s,12H),0.94(t,J=7.0Hz,6H),1.35−1.41(m,4H),1.66−1.70(m,4H),3.60(t,J=6.7Hz,4H),7.54(d,J=8.2Hz,4H),7.67(d,J=8.2Hz,4H),8.23(s,2H)
13C−NMR(δ in CDCl3):0.91,13.99,20.53,33.05,61.50,127.05,133.01,136.90,142.30,160.51
GC−MS(EI):452(M+)
200mLのオートクレーブに、実施例3で得られた1,3−ビス〔4−(n−ブチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン4.00g(8.83ミリモル)、テトラヒドロフラン15.0g及び白金炭素触媒(担持量:5%)0.20gを仕込んだ。続いて、内部を窒素置換した後、水素圧0.2〜0.5MPa、内温20〜30℃で反応を行った。7時間後、触媒をろ過により除去し、反応ろ液18.5gを得た。ろ液を減圧濃縮し、粘性のある無色液体の1,3−ビス〔4−(n−ブチルアミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン3.74g(8.19ミリモル)を得た。収率は92.8%(1,3−ビス〔4−(n−ブチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して)であった。このものは、66.5Paの減圧下、250℃に加熱しても蒸留することができず、示差熱分析では242.1℃で分解と思われる重量減を伴う発熱が見られた。このもののNMRスペクトル及びLC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
1H−NMR(δ in CDCl3):0.38(s,12H),0.97(t,J=7.4Hz,6H),1.38−1.57(m,10H),2.68(t,J=7.0Hz,4H),3.82(s,4H),7.33(d,J=7.8Hz,4H),7.54(d,J=7.8Hz,4H)
13C−NMR(δ in CDCl3):1.01,14.08,20.53,32.29,49.22,54.05,127.22,132.91,137.89,141.45
LC−MS(APCI):457([M+1]+)
20mLの3つ口フラスコに還流冷却器、温度計、滴下ロート及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、調製例3で得られた1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン4.00g(0.0117モル)及びテトラヒドロフラン4.00gを仕込んだ。その後、内温20〜30℃で撹拌しつつ、ジフェニルメチルアミン4.28g(0.0234モル)を滴下し、さらにそのままの温度で2時間熟成を行った。熟成終了後、減圧濃縮し、白色固体(融点134.8℃)の1,3−ビス〔4−(ジフェニルメチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン7.73g(0.0115モル)を得た。収率は98.3%〔1,3−ビス(4−ホルミルフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して〕であった。このもののNMRスペクトル及びGC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
1H−NMR(δ in CDCl3):0.33(s,12H),5.57(s,2H),7.18−7.38(m,20H),7.55(d,J=7.8Hz,4H),78(d,J=8.2Hz,4H),8.38(s,2H)
13C−NMR(δ in CDCl3):0.96,126.82,127.54,128.27,133.01,136.89,142.79,143.70,160.66
GC−MS(EI):672(M+)
200mLのオートクレーブに、実施例5で得られた1,3−ビス〔4−(ジフェニルメチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン3.00g(4.47ミリモル)、テトラヒドロフラン20.0g及び白金炭素触媒(担持量:5%)0.15gを仕込んだ。続いて内部を窒素置換した後、水素圧0.2〜0.5MPa、内温20〜30℃で反応を行った。9時間30分後、触媒をろ過により除去した。ろ液を減圧濃縮し、粘性のある無色液体の1,3−ビス〔4−(ジフェニルメチルアミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン3.01g(4.46ミリモル)を得た。収率は99.8%{(1,3−ビス〔4−(ジフェニルメチルイミノメチル)フェニル〕−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンに対して}であった。このものは、66.5Paの減圧下、250℃に加熱しても蒸留することができず、示差熱分析では239.7℃で分解と思われる重量減を伴う発熱が見られた。このもののNMRスペクトル及びLC−MSスペクトルを測定した結果、上記化合物であることが確認された。以下にその結果を示す。
1H−NMR(δ in CDCl3):0.32(s,12H),1.80(s,2H),3.72(s,4H),4.84(s,2H),7.16−7.49(m,28H)
13C−NMR(δ in CDCl3):1.13,51.91,66.50,126.88,127.23,127.38,128.34,133.01,138.11,141.40,143.80
LC−MS(APCI):677([M+1]+)
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