JPH07256210A - 固形物の気流選別方法及び装置 - Google Patents

固形物の気流選別方法及び装置

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JPH07256210A
JPH07256210A JP7430094A JP7430094A JPH07256210A JP H07256210 A JPH07256210 A JP H07256210A JP 7430094 A JP7430094 A JP 7430094A JP 7430094 A JP7430094 A JP 7430094A JP H07256210 A JPH07256210 A JP H07256210A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粗大廃棄物の破砕産物中の電線などの針状物
を、その形状の差異を利用して非針状物から容易に、効
率よく分別する気流選別技術を得る。 【構成】 流動分別槽１に針状物と非針状物の混合被処
理物を供給し、底部に配置した傾斜するメッシュ板２を
通して下方から乱流気体を供給し、被処理物を流動させ
る。その際、針状物は長手方向を重力方向に向けて失速
落下するので、それが上記メッシュ板２を通過し、メッ
シュ板の下方の針状物回収槽３で回収される。非針状物
は傾斜するメッシュ板に沿って流下させて分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】廃家電製品、廃自動車などの粗大
廃棄物の破砕物から有価物を分別してリサイクルする場
合、各素材毎に選別する必要があり、中でも、電磁石用
コイル及び被覆電線の切断物である銅の針状物は、有価
物として比較的価値の高いものであるが、それらを非針
状物から分別するために適した技術が見当らない。本発
明は、このような付加価値の高い銅の針状物とそれ以外
の非針状物を、形状の差異により分別するための固形物
の気流選別装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】廃家電製品、廃自動車などには、モータ
ーをはじめ各種のコイルや電線等が使用されており、そ
れらの廃棄物のリサイクルをはかる場合には、解体、破
砕及び選別の工程を経て各素材毎に分別しなければなら
ない。しかし、コイルや被覆電線の破砕物の選別は、従
来の風力、ジグ、テーブル、流動層、サイクロン選別技
術では、効率よく高精度で分別することが困難である。
また、従来から湿式の各種選別技術も開発されている
が、湿式の場合には後処理が必要になるという問題があ
り、後処理の必要がない乾式の分別技術の開発が必要で
ある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、廃家電製品や廃自動車などの粗大廃棄物の破砕産物
中の針状物を、乾式により、その形状の差異を利用して
容易に、効率よく分別する固形物の気流選別手段を得る
ことにある。本発明の更に具体的な技術的課題は、針状
物と非針状物の混合物を流動分別槽内で下方からの気流
により流動させた場合に、落下する針状物が長手方向を
重力方向に向けることを利用し、針状物を効率よく分別
する気流選別手段を得ることにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の気流選別方法は、上方が拡がる流動分別槽に
針状物と非針状物の混合被処理物を供給し、流動分別槽
の底部に配置した傾斜するメッシュ板を通して下方から
乱流気体を供給することにより、上記流動分別槽内にお
いて被処理物を流動させ、長手方向を重力方向に向けて
失速落下する針状物に上記メッシュ板を通過させること
により、メッシュ板の下方の針状物回収槽で針状物を回
収し、非針状物は傾斜するメッシュ板に沿って流下させ
て分離排出させることを特徴とするものである。
【０００５】また、本発明の気流選別装置は、上方が拡
がる流動分別槽の底部に、被処理物中の針状物がその長
手方向を重力方向に向けた場合には通るがそれよりも大
きいものは通過させないメッシュ板を傾斜させて配設
し、その下方に、上記被処理物を流動させるための気体
の供給口を開口させた針状物回収槽を設置し、上記回収
槽に針状物の排出口を開口させ、傾斜させたメッシュ板
からの流下位置に非針状物の排出口を開口させたことを
特徴とするものである。
【０００６】
【作用】上記気流選別装置においては、針状物回収槽に
開口させた気体の供給口から所要流量の気体を供給し、
メッシュ板の下方から流動分別槽内に供給されて上昇す
る乱流気体中において、針状物と非針状物の混合被処理
物を浮揚、流動させる。上部の断面積を拡げた流動分別
槽は、上昇する気流の速度を急激に減速させるので、浮
揚力の大きいものも流動中に飛散することがない。
【０００７】上記被処理物は、気流中で浮揚、失速落下
を繰り返すが、それらが気流中で失速落下するときに、
針状物の長手方向が重力方向に傾くため、気流中におけ
る浮揚力が著しく低下し、重力方向に落下する。しかる
に、流動分別槽の底部には、メッシュ板を配設している
ので、上記針状物がこのメッシュ板を通過する。そのた
め、被処理物を、メッシュ板を通過した針状物とメッシ
ュ板上に残留する非線状物に容易に分別することができ
る。したがって、廃家電製品や廃自動車などの粗大廃棄
物の破砕産物中における電線等の針状物を、乾式によ
り、その形状の差異を有効に利用して、容易に、効率よ
く分別することができる。
【０００８】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照して詳
細に説明する。図１及び図２に示す本発明の固形物気流
選別装置は、廃家電製品、廃自動車などの廃棄物のリサ
イクルをはかるために、それらを解体、破砕、選別の工
程を経て各素材毎に分別する場合に、モーターをはじめ
各種のコイルや電線等の破砕によって生じる針状物とそ
れ以外の非針状物を選別分離するために用いるもので、
その主要部として、上記針状物とそれ以外の非針状物と
の混合被処理物を選別分離のために供給する上方が拡が
った流動分別槽１と、その底部に配置した傾斜するメッ
シュ板２と、そのメッシュ板２の下方に位置する針状物
回収槽３とを備えている。
【０００９】上記流動分別槽１は、上端を開放させ、下
方から上方に断面積を拡げることにより、下方の針状物
回収槽３からメッシュ板２を通して供給した気体が槽１
内を上昇するに従って減速するようにしたものである。
この流動分別槽１の底部に傾斜状態で配置したメッシュ
板２は、多孔板により構成し、あるいは保持枠に金網等
からなるメッシュを組み込むことにより構成したもの
で、被処理物中の針状物がその長手方向を重力方向に向
けた場合には通るが、それよりも大きいものは通過させ
ない網目を有している。なお、上記流動分別槽１あるい
はメッシュ板２には、当該メッシュ板２に振動を与えて
非針状物の移動を容易にするためのバイブレーターを付
設することができる。
【００１０】上記メッシュ板２の下方に配設した針状物
回収槽３は、メッシュ板２により分別された針状物を収
容部を形成すると共に、メッシュ板２を通してその下方
から流動分別槽１に気流を供給するためのもので、その
下部に、フランジ接合部５を介して、上下二つの開閉自
在のダンパー７，８によりそれらの中間に針状物の一時
的収容部を形成した回収筒６を連結し、また、その回収
筒６にはフランジ接合部９を介して針状物排出筒１０を
連結している。上記流動分別槽１は、この針状物回収槽
３と共に、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウムなどの金
属類、各種のプラスチック素材、あるいはそれらの複合
材料によって構成することができる。
【００１１】さらに、この針状回収槽３には、一次気体
の供給管１１から気体供給筒１２に供給された一次気体
がダンパー１４を備えた分岐筒１３を通して供給される
ところの一次気体の供給口１５を開口させている。上記
ダンパー１４は、分岐筒１３に分岐供給される一次気体
の流量を調節するためのものである。また、上記分岐筒
１３の供給口１５とは別に、上記針状物回収槽３内に
は、ダンパー１７を備えた２次気体の供給管１６（図２
参照）を供給口１８において開口させている。この供給
管１６は、ダンパー１７の断続的な開閉により、別途用
意された送風機からの２次気体を供給口１８を通じて間
欠的に供給するものであり、これにより被処理物の浮揚
と落下を強制的に繰り返すことができる。
【００１２】一方、上記流動分別槽１における傾斜させ
たメッシュ板２の下部、すなわち、メッシュ板２に沿っ
て非針状物が流下する位置には、分別した非針状物をそ
の流動分別槽１から排出させる非針状物排出口２０を開
設し、それを排出管２１により上記気体供給筒１２に連
通させている。そして、この排出管２１には、気体供給
筒１２からの１次気流の逆流を阻止するため、別に用意
されたコンプレッサー等の圧力源からの圧縮気体が幕状
の層流として供給される圧縮気体供給用ノズル２２を設
けている。この圧縮気体供給用ノズル２２は、流動分別
槽１から排出される産物のサイズにより排出口２０の開
口量を調節するため、上下にスライド可能としたもので
ある。
【００１３】また、上記気体供給筒１２における排出管
２１の連結部の上部には、フランジ接合部２５を介して
切頭円錐筒２６を連設し、さらに、その上にフランジ接
合部２７を介して円筒２８を連設し、この円筒２８に
は、上面に浮揚物飛散防止用メッシュ板３１を張設する
と共に周囲に浮揚物排出路３２が形成された断面積の広
い浮揚物回収円筒３０が、一体に設けられている。一
方、上記気体供給筒１２における供給管１１の連結部の
下部には、フランジ接合部３５を介して、上下二つの開
閉自在のダンパー３７，３８によりそれらの中間に非針
状物の一時的収容部を形成した回収筒３６を連結し、ま
た、その回収筒３６にはフランジ接合部３９を介して非
針状物排出筒４０を連結している。
【００１４】上記構成の気流選別装置において、被処理
物の分別を行うには、あらかじめ用意された気体供給源
である送風機から一次気体の供給管１１へ所要流量の空
気を送給し、また、非針状物の排出管２１に１次供給気
体が逆流しないように、圧力源からの圧縮気体を圧縮気
体供給用ノズル２２から幕状の層流を噴出させる。さら
に、気体供給筒１２から、分岐筒１３及び針状物回収槽
３を通して、流動分別槽１における針状物と非針状物の
混合被処理物の流動、分別に適した空気量を供給するた
め、ダンパー１４の開度を調節する。なお、このとき、
針状物の回収筒６に設けたダンパー７，８、及び被針状
物の回収筒３６に設けたダンパー３７，３８は閉じてお
く。
【００１５】この状態で、流動分別槽１における傾斜し
たメッシュ板２の高い方の上部（図１における流動分別
槽１の上部左側）から針状物と非針状物の混合被処理物
を、適当な振動フィーダー等を用いて供給し、供給した
被処理物を流動分別槽１内におけるメッシュ板２上で、
当該メッシュ板２を通してその下方から供給される乱流
気体で浮揚させる。上記流動分別槽１への風量は、被処
理物が浮揚と失速落下を繰り返して流動するに十分なも
のであることが必要であるが、被処理物中に非常に浮揚
力の大きい物が混在することもある。しかるに、流動分
別槽１の上部の断面積を拡げることにより上昇する気流
の速度が急激に減速させるように構成しているので、流
動中にそれらが飛散することはない。
【００１６】傾斜したメッシュ板２の高い部分に供給さ
れた被処理物は、図１の流動分別槽１における左側の部
分で上昇気流により浮揚されるが、気流による浮揚力が
比較的小さいために、被処理物は間もなく失速、落下
し、再び浮揚して流動を繰り返すことになるが、特に針
状物が失速、落下するときには、その長手方向が重力方
向に傾く傾向がある。したがって、それらがメッシュ板
２上に落下すると、メッシュ板２の目開きを通過して針
状物回収槽３へ落下し、その下方のダンパー７の上に集
積される。
【００１７】一方、非針状物は流動と失速落下を繰り返
しながら次第にメッシュ板２上を低い方（右側）に流下
していき、最終的に非針状物排出口２０に到達する。こ
の非針状物は、さらに圧縮気体供給用ノズル２２から流
出する層流に乗って気体供給筒１２中に輸送される。な
お、必要ならば、バイブレーターを用いて流動分別槽１
あるいはメッシュ板２に振動を与えることにより、流動
分別槽１内において非針状物を容易に移動させることが
できる。
【００１８】針状物回収槽３内をダンパー７上に落下し
て集積した産物は、適時にそれを開いてダンパー８上に
落下させ、次いで、ダンパー７を閉じたうえで、ダンパ
ー８を開いてその上に集積した産物を、針状物排出筒１
０から直接排出コンベア上やフィーダー上、あるいは他
の装置のホッパー中に移送することにより、針状物回収
槽３内の流送気流の流量に影響を与えることなく取り出
すことができる。
【００１９】また、気体供給筒１２中に到達した非針状
物は、その中の浮揚力の小さい産物が気体供給筒１２中
を失速落下してダンパー３７の上に集積され、浮揚力の
大きい産物は切頭円錐筒１７で加速され、円筒２８を通
過して浮揚物回収円筒３０に到達し、この断面積の広い
円筒３０内で気流の速度が急激に減速するため、それら
の浮揚物は浮揚物排出路３２から排出される。排出され
た浮揚物は、直接ベルトコンベア、フィーダー上、ある
いは他の装置のホッパーやシューターに移送することが
できる。ダンパー３７の上に集積させた浮揚力の小さい
産物も、前記ダンパー７上の針状物と同様に、そのダン
パー３７を開いてダンパー３８上に落下集積させた後、
再びダンパー３７を閉じたうえでダンパー３８を開き、
直接ベルトコンベアやフィーダー、ホッパー等に移送す
ることができる。
【００２０】さらに、この気流選別装置は、分岐筒１３
に組み込まれているダンパー１４を閉じ、別途用意され
た送風機から供給管１６を通じて２次気体を送給しなが
ら、ダンパー１７を断続的に開き、間欠的に所要の２次
気体を供給することにより、間欠気流中において浮揚と
落下を強制的に行い、効果的な分別を行うことができ
る。
【００２１】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の気流選別
装置によれば、針状物と非針状物の混合物を流動分別槽
内で下方からの気流により流動させた場合に、落下する
針状物が長手方向を重力方向に向けることを利用し、廃
家電製品や廃自動車のような粗大廃棄物の破砕産物中の
針状物などを、乾式により、その形状の差異を利用して
容易に、効率よく分別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る気流選別装置の実施例の側断面図
である。
【図２】上記実施例の横断面図である。
【符号の説明】
１ 流動分別槽 ２ メッシュ板 ３ 針状物回収槽 １５，１８ 供給口 ２０ 排出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大井 英節 茨城県つくば市小野川16番３ 工業技術院 資源環境技術総合研究所内 (72)発明者 四元 弘毅 茨城県つくば市小野川16番３ 工業技術院 資源環境技術総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】上方が拡がる流動分別槽に針状物と非針状
    物の混合被処理物を供給し、流動分別槽の底部に配置し
    た傾斜するメッシュ板を通して下方から乱流気体を供給
    することにより、上記流動分別槽内において被処理物を
    流動させ、長手方向を重力方向に向けて失速落下する針
    状物に上記メッシュ板を通過させることにより、メッシ
    ュ板の下方の針状物回収槽で針状物を回収し、非針状物
    は傾斜するメッシュ板に沿って流下させて分離排出させ
    ることを特徴とする固形物の気流選別方法。
  2. 【請求項２】上方が拡がる流動分別槽の底部に、被処理
    物中の針状物がその長手方向を重力方向に向けた場合に
    は通るがそれよりも大きいものは通過させないメッシュ
    板を傾斜させて配設し、その下方に、上記被処理物を流
    動させるための気体の供給口を開口させた針状物回収槽
    を設置し、上記回収槽に針状物の排出口を開口させ、傾
    斜させたメッシュ板からの流下位置に非針状物の排出口
    を開口させたことを特徴とする固形物の気流選別装置。
JP7430094A 1994-03-18 1994-03-18 固形物の気流選別方法及び装置 Expired - Lifetime JP2535778B2 (ja)

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