JPH1176942A - 物品破砕装置および風力選別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可燃部分と鉄などの金属部分とを分別するこ
とができる物品破砕装置および選別装置を提供する。 【解決手段】 破砕装置によって物品１を破砕し、磁気
選別装置２１によって、磁性体すなわち鉄系の金属材料
を選別する。ついで、選別された物品１を風力選別装置
３０の内部に投入する。風力選別装置３０は、空気流に
より物品を上方に吹き上げることによって重量物と軽量
物とに選別する。これにより、重量のある金属材料と軽
量な可燃材料を効率よく正確に分別できる。風力選別装
置３０には、これに空気流を供給する排風機４０が接続
されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、マットレスや木製
ベッドなどの物品を破砕処理する際に好適に用いられる
物品破砕装置および選別装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、マットレスや木製ベッドなど
の家具は、そのままの状態で廃棄されることが多い。し
かしながら、廃棄の効率上からは、細かく破砕して処分
することが望まれる。

【０００３】ところで、マットレスや木製ベッドなどの
家具は、木材、綿、布などの可燃材料からなる部分と、
スプリングや止め金などのような、主に鉄系の金属材料
からなる部分とを含んでいる。こうした家具を破砕して
も、可燃材料と鉄系金属材料とが混ざり合ってしまう。
すると、焼却処理が難しく、また、金属部分のリサイク
ルも難しいという問題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の事情
に鑑みてなされたもので、可燃部分と鉄系の金属部分と
を分別することができる物品破砕装置および選別装置を
提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る物品破砕
装置は、物品を破砕する破砕手段と、破砕手段によって
破砕された物品から磁性体を選別する磁気選別手段と、
磁気選別手段によって選別された磁性体を上方への空気
流にさらすことによって重量物と軽量物とに選別する風
力選別手段と、風力選別手段に空気流を供給する空気流
供給手段とから構成されている。

【０００６】請求項２に係る物品破砕装置は、請求項１
記載の物品破砕装置において、風力選別手段を、空気流
供給手段から供給された空気流を斜め上方に向けて通過
させる選別流路と、磁気選別手段によって選別された物
品を選別流路の内部に移送する移送路とを備えた構成と
した。

【０００７】請求項３に係る物品破砕装置は、請求項２
記載の物品破砕装置において、選別流路に、空気流供給
手段から供給された空気流を選別流路に供給する供給路
を接続し、供給路を、選別流路との接続部分近傍におい
て、ほぼ水平方向または斜め上向きに傾斜する方向に延
長させた。

【０００８】請求項４に係る風力選別装置は、物品を上
方への空気流にさらすことによって重量物と軽量物とに
選別する風力選別装置であって、空気流を上方または斜
め上方に向けて通過させる選別流路と、物品を選別流路
の内部に移送する移送路とを備えている。

【０００９】請求項５に係る風力選別装置は、請求項４
記載の風力選別装置において、選別流路に、空気流を選
別流路に供給する供給路を接続し、供給路を、選別流路
との接続部分近傍において、ほぼ水平方向または斜め上
向きに傾斜する方向に延長させた。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に係る物品破
砕装置および選別装置を図１および図２に基づいて説明
する。

【００１１】本実施形態に係る物品破砕装置は、物品１
を破砕する破砕手段１０と、破砕手段１０によって破砕
された物品１から磁性体（本明細書においては、磁石に
吸着しやすい性質を有する材料を称するものとする。）
を選別する磁気選別手段２０と、磁気選別手段２０によ
って選別された磁性体を上方への空気流にさらすことに
よって重量物と軽量物とに選別する風力選別手段３０
と、風力選別手段３０に空気流を供給する空気流供給手
段４０と、風力選別手段３０からの排気を回収する回収
機構５０と、回収機構５０の排気側に接続されたバグフ
ィルタ（bag filter）６０と、破砕手段１０に物品１を
供給する供給コンベア７０と、破砕手段１０から磁気選
別手段２０に、破砕された物品１を移送する移送コンベ
ア８０と、風力選別手段３０と回収機構５０と空気流供
給手段４０とバグフィルタ６０とを接続する配管９０〜
９３とから構成されている。

【００１２】破砕手段１０は、内部に、動力によって回
転させられるカッタ１１を有する公知の破砕装置によっ
て構成されている。

【００１３】磁気選別手段２０は、対向して配置された
一対のローラの周囲に掛け渡された無端状のベルト２１
と、ベルト２１の内部に配設された磁石２２と、ベルト
２１の下方に配置された収容器２３とを主体として構成
されている。ベルト２１は、一方のローラに供給される
動力によって、図中反時計方向に回転させられる構成と
なっている。

【００１４】風力選別手段３０は、本発明における風力
選別装置の実施形態に相当するものである。風力選別手
段３０は、空気流供給手段４０から供給された空気流
を、ジグザグ状に斜め上方に向けて通過させる選別流路
３１と、磁気選別手段２１によって選別された物品１を
選別流路３１の内部に移送する移送路３２と、選別流路
３１に接続され、かつ、空気流供給手段４０から供給さ
れた空気流を選別流路３１に供給する供給路３３と、選
別流路３１の下方に配置された収容器３４とを主体とし
て構成されている。選別流路３１は、上端および下端に
おいて開口されている。下端における開口部の下方に
は、収容器３４が配置されている。上端における開口部
には、配管９０が接続されており、選別流路３１から上
方に吹き上げられた物品１を、空気流とともに、配管９
０を介して回収機構５０に送ることができるようになっ
ている。移送路３２は、磁気選別手段２０の近傍から斜
め下方に向けて延長させられている。移送路３２には、
空気流が移送路３２に入り込んで物品１の落下を阻害す
ることを防止する、例えば板などからなる風量規制手段
（図示せず）が取り付けられている。供給路３３は、配
管９２との接続部分から、斜め上方に向けて延長させら
れている。この構成により、供給路３３は、選別流路３
１との接続部分近傍において、斜め上向きに傾斜させら
れた構成となっている。

【００１５】空気流供給手段４０としては、ファンによ
って空気流を送ることができる公知の排風機が用いられ
ている。空気流供給手段４０の排風口（排気口）には、
配管９２が接続されており、風力選別手段３０の供給路
３３に空気流を供給できるようになっている。空気流供
給手段４０の吸気口には、配管９１が接続されており、
回収機構５０からの排気を空気流供給手段４０に提供で
きるようになっている。

【００１６】回収機構５０としては、公知のサイクロン
集塵機が用いられている。回収機構５０の吸気口には、
前記したように、配管９０が接続されている。回収機構
５０の排気側には、配管９１が接続されている。

【００１７】バグフィルタ６０としては、バグフィルタ
として公知の構成のものが用いられている。バグフィル
タ６０の吸気口には、配管９３が接続されている。配管
９３は、配管９２の中間部に接続されている。

【００１８】供給コンベア７０としては、通常のベルト
コンベアが用いられている。移送コンベア８０は、破砕
手段１０の下方に配置された第１コンベア８１と、第１
コンベア８１の下流端の下方から磁気選別手段２０の下
方まで傾斜しつつ延長された第２コンベア８２とから構
成されている。第１および第２コンベア８１および８２
は、通常のベルトコンベアから構成されている。

【００１９】つぎに、前記のように構成された本実施形
態に係る物品破砕装置の動作について説明する。

【００２０】まず、例えば、コイルスプリング入りマッ
トレスや木製家具などの物品１を、供給コンベア７０の
上に載せる。物品１は、供給コンベア７０の回転に伴っ
て移動し、供給コンベア７０の終端から落下して、破砕
手段１０の内部に入る。つづいて、物品１は、カッター
１１によって破砕される。

【００２１】破砕された物品１は、移送コンベア８０に
おける第１コンベア８１の上に落下する。落下した物品
１は、第１コンベア８１によって第２コンベア８２に移
送され、続いて、第２コンベア８２によって、磁気選別
手段２０の下面近傍に移送される。

【００２２】第２コンベア８２の終端においては、磁性
体（磁性体に綿などの他の物品が付着しているものを含
む。）のみが、磁石２２からの引力により、ベルト２１
の表面に吸着する。布や木材のように、磁石に吸着しな
い材質からなる物品１は、ベルト２１に吸着することな
く落下する。落下した物品１は、収容器２３の内部に収
容されて回収される。

【００２３】このように、本実施形態の物品破砕装置に
よれば、磁気選別手段２０によって、磁性体と磁石に吸
着しにくい布や木材とを分別することができる。ここ
で、一般的に、マットレスや木製ベッドなどの家具に用
いられている磁性体は、鉄系の材料、すなわち、リサイ
クルに適した金属材料であり、磁石に吸着しにくい材料
は、布や木材のように、焼却処理に適した可燃材料であ
る。よって、磁気選別手段２０によって、可燃材料を落
下させて分別することができる。もちろん、投入した物
品１の中にアルミのような材料が混在すれば、これが可
燃材料の中に混在してしまうが、本実施形態の装置によ
り、スクラップとして価値のある鉄系の材料を回収する
ことができる。

【００２４】ベルト２１に吸着された物品１は、磁気選
別手段２０の終端（図２中右端）において、磁石２２に
よる物品１への引力が低下して、ベルト２１から離間す
る。ベルト２１から離間した物品１は、落下して、風力
選別手段３０の移送路３２の内部に入る。続いて、物品
１は、移送路３２の傾斜に沿って下降し、選別流路３１
の内部に入る。ここで、選別流路３１の内部には、空気
流供給手段４０から、配管９２および供給路３３を介し
て、上方に向かう空気流が予め供給されている。したが
って、選別流路３１の内部に入った物品１は、上方への
空気流にさらされる。すると、空気流は、磁性体からな
る物品１の表面に付着した、軽量な綿くずや木くずを、
磁性体から剥離させて上方に移送する。上方に移送され
た綿くずや木くずは、配管９０を介して回収機構５０に
回収される。回収機構５０では、通常のサイクロン集塵
機の作用によって、綿くずや木くずを回収することがで
きる。一方、重量物である磁性体は、選別流路３１を落
下して、収容器３４の内部に回収される。

【００２５】本実施形態に係る物品破砕装置では、選別
流路３１を傾斜させたので、選別される物品が選別流路
中に滞留する時間を長くすることができる。したがっ
て、この装置によれば、軽量物と重量物、すなわち可燃
材料と金属材料（磁性体）とをより正確に分別すること
ができ、分別効果を高めることができるという利点があ
る。

【００２６】また、本実施形態に係る物品破砕装置で
は、空気流を選別流路３１に送り込む供給路３３を傾斜
させ、横方向から選別流路に接続したので、供給路３３
の内部に、破砕された物品１が入り込むおそれを減少さ
せることができる。これにより、空気流を効率良く供給
することができ、したがって、分別効果を一層向上させ
ることができるという利点がある。

【００２７】さらに、本実施例に係る物品破砕装置で
は、供給路３３を上向きに傾斜させたので、上方に向か
う空気流を無理なく作り出すことができる。したがっ
て、空気流の流速および流量を大きくすることが容易と
なり、この点からも、分別効果を一層向上させることが
できるという利点がある。

【００２８】回収機構５０からの排気は、配管９１を介
して空気流供給手段４０に達し、さらに、配管９２およ
び９３を介して、排気の一部がバグフィルタ６０に達す
る。バグフィルタ６０では、回収機構５０で回収できな
かった細かい被破砕物を回収することができる。

【００２９】なお、本発明の要旨は、前記した実施形態
に係る装置に限定されるものではない。例えば、空気流
供給機構４０としては、本実施形態に示された排風機に
限らず、エアコンプレッサなど、適宜の手段を用いるこ
とができる。また、本実施形態では、選別流路３１に空
気流を吹き込む構成としたが、これに限らず、例えば、
選別流路３１の上端から空気流を吸引する構成であって
もよい。

【００３０】

【発明の効果】請求項１に係る物品破砕装置は、物品を
破砕する破砕手段と、破砕手段によって破砕された物品
から磁性体を選別する磁気選別手段と、磁気選別手段に
よって選別された磁性体を上方への空気流にさらすこと
によって重量物と軽量物とに選別する風力選別手段と、
風力選別手段に空気流を供給する空気流供給手段とから
構成されているので、可燃材料と鉄などの金属材料とを
効率良く分別することができる。

【００３１】請求項２に係る物品破砕装置は、請求項１
記載の物品破砕装置において、風力選別手段を、空気流
供給手段から供給された空気流を斜め上方に向けて通過
させる選別流路と、磁気選別手段によって選別された物
品を選別流路の内部に移送する移送路とを備えた構成と
したので、選別される物品が選別流路中に滞留する時間
を長くすることができる。したがって、この装置によれ
ば、軽量物と重量物、すなわち可燃材料と金属材料とを
より正確に分別することができ、分別効果を高めること
ができる。

【００３２】請求項３に係る物品破砕装置は、請求項２
記載の物品破砕装置において、選別流路に、空気流供給
手段から供給された空気流を選別流路に供給する供給路
を接続し、供給路を、選別流路との接続部分近傍におい
て、ほぼ水平方向または斜め上向きに傾斜する方向に延
長させたので、供給路の内部に、破砕された物品が入り
込むおそれを減少させることができる。これにより、空
気流を効率良く供給することができ、したがって、分別
効果を一層向上させることができる。また、供給路を上
方に傾斜させた場合には、上方に向かう空気流を無理な
く作り出すことができる。したがって、空気流の流速お
よび流量を大きくすることが容易となり、分別効果を一
層向上させることができる。

【００３３】請求項４に係る風力選別装置は、物品を上
方への空気流にさらすことによって重量物と軽量物とに
選別する風力選別装置であって、空気流を上方または斜
め上方に向けて通過させる選別流路と、物品を選別流路
の内部に移送する移送路とを備えているので、可燃材料
と鉄などの金属材料とを効率良く分別することができ
る。また、選別流路を傾斜させた場合には、選別される
物品が選別流路中に滞留する時間を長くすることがで
き、可燃材料と金属材料とをより正確に分別することが
できて、分別効果を高めることができる。

【００３４】請求項５に係る風力選別装置は、請求項４
記載の風力選別装置において、選別流路に、空気流を選
別流路に供給する供給路を接続し、供給路を、選別流路
との接続部分近傍において、ほぼ水平方向または斜め上
向きに傾斜する方向に延長させたので、供給路の内部
に、破砕された物品が入り込むおそれを減少させること
ができる。これにより、空気流を効率良く供給すること
ができ、したがって、分別効果を一層向上させることが
できる。また、供給路を上方に傾斜させた場合には、上
方に向かう空気流を無理なく作り出すことができる。し
たがって、空気流の流速および流量を大きくすることが
容易となり、分別効果を一層向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施形態に係る物品破砕装置およ
び風力選別装置の概略的な説明図であって、物品破砕装
置において図中Ｘ−Ｘ線部分から右側を示す図である。

【図２】 本発明の一実施形態に係る物品破砕装置およ
び風力選別装置の概略的な説明図であって、物品破砕装
置において図中Ｘ−Ｘ線部分から左側を示す図である。

【符号の説明】

１ 物品 １０ 破砕手段 ２０ 磁気選別手段 ３０ 風力選別手段 ３１ 選別流路 ３２ 移送路 ３３ 供給路 ４０ 空気流供給手段 ５０ 回収機構

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 物品を破砕する破砕手段と、破砕手段に
   よって破砕された物品から磁性体を選別する磁気選別手
   段と、前記磁気選別手段によって選別された磁性体を上
   方への空気流にさらすことによって重量物と軽量物とに
   選別する風力選別手段と、前記風力選別手段に前記空気
   流を供給する空気流供給手段とを備えたことを特徴とす
   る物品破砕装置。
2. 【請求項２】 前記風力選別手段は、前記空気流供給手
   段から供給された空気流を斜め上方に向けて通過させる
   選別流路と、前記磁気選別手段によって選別された物品
   を前記選別流路の内部に移送する移送路とを備えている
   ことを特徴とする請求項１記載の物品破砕装置。
3. 【請求項３】 前記選別流路には、前記空気流供給手段
   から供給された空気流を前記選別流路に供給する供給路
   が接続されており、前記供給路は、前記選別流路との接
   続部分近傍において、ほぼ水平方向または斜め上向きに
   傾斜する方向に延長させられていることを特徴とする請
   求項２記載の物品破砕装置。
4. 【請求項４】 物品を上方への空気流にさらすことによ
   って重量物と軽量物とに選別する風力選別装置であっ
   て、空気流を上方または斜め上方に向けて通過させる選
   別流路と、前記物品を前記選別流路の内部に移送する移
   送路とを備えている風力選別装置。
5. 【請求項５】 前記選別流路には、前記空気流を前記選
   別流路に供給する供給路が接続されており、前記供給路
   は、前記選別流路との接続部分近傍において、ほぼ水平
   方向または斜め上向きに傾斜する方向に延長させられて
   いることを特徴とする請求項４記載の風力選別装置。