JPH0725573A - エスカレータ遠隔監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エスカレータの緊急停止時の復旧作業を的確
に、能率良く行なうことができるようにする。 【構成】 この発明のエスカレータ遠隔監視装置では、
安全装置動作検出装置がエスカレータの乗客の危険防止
のために設けられた各種安全スイッチの動作時にその動
作状態を検出し、端末装置がこの安全装置動作検出装置
の検出した各種安全スイッチの動作状態を一般回線を介
して遠隔地の保守会社に設置されている受信装置送信す
る。そこで、受信装置が、端末装置から一般回線を介し
て送られてきた各種安全スイッチの動作状態情報を受信
し、表示、プリントアウト、データ記憶などの所定の情
報処理を行ない、作業員に予備知識として与えられるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、エスカレータの動作
状態を遠隔監視するためのエスカレータ遠隔監視装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来一般に、エスカレータはその特性
上、百貨店などで使用される他、近年は地下鉄などの公
共機関での使用が急増している。そのため、不特定多数
の人々が利用するようになっており、老人や子供などの
安全を十分に確保する必要があって、数多くの安全装置
が取り付けられている。さらに、地下鉄の駅や百貨店な
どでは、エスカレータの運転状態を建物内部の監視室な
どで集中的に監視し、安全確保に大きな努力を払ってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のエスカレータの安全対策では、次のような問題点
があった。すなわち、上記のようなエスカレータでは通
常、安全装置の各種安全スイッチが直列に接続されてお
り、またこれらの安全スイッチが、異常状態が解除され
ると自動的に復旧するようにしてあるため、エスカレー
タが停止した時にいずれの安全スイッチが働いたのか確
認することが困難であり、同じような異常状態の発生に
よる停止、自動復旧の動作が繰り返し起こり得る。ま
た、監視室からのエスカレータの集中監視はエスカレー
タの運転、停止を監視する程度であって、異常の原因究
明まで行なうことは困難であった。

【０００４】そして、このようなエスカレータの停止時
の原因究明が困難であることに起因して、復旧作業の依
頼を受けた保守会社の作業員が現地に赴いても、復旧の
ための情報が少なく、そのためにすべての安全装置の点
検を順次行なっていかなければならず、復旧作業に費や
す時間が長くなる問題点があった。

【０００５】この発明は、このような従来の問題点に鑑
みなされたもので、エスカレータの安全装置の動作時に
そのエスカレータの保守を行なう保守会社へエスカレー
タの運転状態および動作した安全スイッチの種類を自動
的に通報することにより、エスカレータの安全装置動作
時にその装置を確実に特定して保守点検作業を行なうこ
とができるようにし、復旧作業時間を短縮し、サービス
の向上が図れるエスカレータ遠隔監視装置を提供するこ
とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明のエスカレータ
遠隔監視装置は、エスカレータの乗客の危険防止のため
に設けられた各種安全スイッチの動作時にその動作状態
を検出する安全装置動作検出装置と、前記安全装置動作
検出装置が検出した各種安全スイッチの動作状態情報を
一般回線に送り出す端末装置と、前記端末装置から一般
回線を介して送られてきた各種安全スイッチの動作状態
情報を受信し、所定の情報処理を行なう受信装置とを備
えたものである。

【０００７】

【作用】この発明のエスカレータ遠隔監視装置では、安
全装置動作検出装置がエスカレータの乗客の危険防止の
ために設けられた各種安全スイッチの動作時にその動作
状態を検出し、端末装置がこの安全装置動作検出装置の
検出した各種安全スイッチの動作状態を一般回線を介し
て遠隔地の保守会社に設置されている受信装置に送信す
る。

【０００８】そこで、受信装置が、端末装置から一般回
線を介して送られてきた各種安全スイッチの動作状態情
報を受信し、表示、プリントアウト、データ記憶などの
所定の情報処理を行なう。

【０００９】こうして、エスカレータの安全装置の各種
安全スイッチのうちのいずれかが動作したときには、遠
隔地の受信装置において動作した安全スイッチを特定
し、現地に保守作業員を赴かせて該当する安全スイッチ
に対応する復旧作業を行なわせることができ、的確な復
旧作業を能率良く行なうことができる。

【００１０】

【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。

【００１１】図１はこの発明の一実施例のシステム構成
を示しており、１は各種安全スイッチＳＷ１〜ＳＷｎを
備えた安全装置、２はこの安全装置１に対して、そのい
ずれかの安全スイッチが動作したときにその動作状態を
検出し、その動作状態情報を保持する安全装置動作検出
装置、３はこの安全装置動作検出装置２の保持している
安全装置動作情報を一般公衆回線４を使用して遠隔の保
守会社まで伝送する端末装置である。さらに、５は保守
会社に備えられている受信装置であって、端末装置３か
ら送られてくる安全装置動作情報の処理を行ない、異常
が発生した顧客名、建物識別名、エスカレータ号機、型
式データ、動作した安全スイッチの種類などを表示、印
字し、また記憶する。

【００１２】次に、上記構成のエスカレータ遠隔監視装
置の動作について説明する。

【００１３】エスカレータの安全装置１の安全スイッチ
ＳＷ１〜ＳＷｎのうちのいずれかが動作したときには、
安全装置動作検出装置２がその状態を検出し、内容を保
持する。

【００１４】また、この安全装置動作検出装置２は、保
持した安全装置動作状態情報を端末装置３に伝送し、端
末装置３はこのような情報が入力されると、あらかじめ
登録されている保守会社の電話番号を自動ダイヤルし、
その受信装置５を呼び出す。そして、保守会社の受信装
置５が応答すれば、端末装置３は安全装置動作検出装置
２から入力された情報、およびあらかじめ登録されてい
るエスカレータ設置建物の識別番号、エスカレータ号
機、型式などの情報を公衆電話回線４を通じて受信装置
５へ伝送する。

【００１５】受信装置５は端末装置３からの情報を受信
すると、その情報内容から異常が発生した建物名および
エスカレータ号機、また動作した安全スイッチ名および
これに対応するあらかじめ登録されている復旧処置方法
などを表示装置に自動的に表示し、必要項目については
自動的に印字出力する。

【００１６】こうして得られた情報をもとにして、保守
作業員は復旧作業のために現地に赴く前に、動作した安
全装置の内容や復旧処置方法などを把握することがで
き、現地到着時に直ちに的確な復旧作業を開始すること
ができるようになる。

【００１７】図２はこの発明の実施例のさらに詳しい構
成を示している。

【００１８】エスカレータ設置建物の安全装置１には各
種安全スイッチＳＷ１〜ＳＷｎが設けられている。

【００１９】安全装置動作検出装置２には、各安全スイ
ッチＳＷ１〜ＳＷｎの動作を検出する動作検出部２ａ
と、この動作検出部２ａが検出する各安全スイッチの動
作状態情報の入出力処理を行なう入出力回路２ｂ、計数
回路２ｃおよび信号処理回路２ｄなどから構成される信
号処理部２ｅとが備えられている。

【００２０】端末装置３には、信号の入出力処理を行な
う入出力回路３ａと、演算制御を行なうＣＰＵ３ｂと、
電話回線へ送り出す信号の変調、電話回線からの信号の
復調を行なうモデム３ｃと、回線制御部（ＮＣＵ）３ｄ
と、建物についての各種情報、例えば建物の識別デー
タ、エスカレータの型式データ、受信装置５の電話番号
などの情報が登録されている建物情報記録部３ｅとが備
えられている。

【００２１】一般公衆回線４には一般電話回線が使用さ
れている。

【００２２】そして、遠隔の保守会社に設置されている
受信装置５には、回線制御部（ＮＣＵ）５ａと、伝送信
号の変復調を行なうモデム５ｂと、端末装置３から送信
されてくる信号の情報処理を行なう信号処理装置５ｃ
と、この信号処理装置５ｃによって処理された情報を表
示するＣＲＴのような表示装置５ｄと、情報の印字を行
なう印字装置５ｅと、必要な情報を履歴として記憶する
記憶装置５ｆとが備えられている。

【００２３】次に、上記の構成のエスカレータ遠隔監視
装置の動作について説明する。

【００２４】エスカレータに異常が発生して安全装置１
の安全スイッチＳＷ１〜ＳＷｎのいずれかが動作すれ
ば、安全装置動作検出装置２の動作検出部２ａがいずれ
のスイッチが動作したかを検出し、その信号が信号処理
部２ｅに伝達される。

【００２５】信号処理部２ｅでは、この入力信号をもと
にして動作した安全スイッチの種類および動作状態の確
認処理を信号処理回路２ｄにおいて行ない、この情報が
信号入出力回路２ｂから端末装置３に伝達される。

【００２６】端末装置３では、安全装置動作検出装置２
からの信号が入力回路３ａから入力されると、あらかじ
め設定されている受信装置５に対して自動ダイヤル動作
し、建物の識別番号やエスカレータの号機番号、型式デ
ータなどのあらかじめ建物情報記録部３ｅに設定されて
いる関連情報が付加され、モデム３ｃにより変調され、
回線制御部３ｄより電話回線４へ送り出される。

【００２７】遠隔の保守会社に設けられている受信装置
５では、端末装置３から電話回線４を通して送られてく
る信号が回線制御部５ａより受信され、モデム５ｂによ
り復調され、信号処理装置５ｃに伝達される。

【００２８】信号処理装置５ｃでは、信号を受信すると
その情報処理を行ない、異常発生信号を受信したことを
示す警報を起動して監視員に知らせる共に、受信した信
号から該当する建物名、エスカレータの号機、型式デー
タ、動作した安全スイッチの種類および動作状態などの
情報を表示装置５ｃに表示し、同時に印字装置５ｅに印
字出力させる。これと共に、信号処理装置５ｃは処理し
た情報を履歴として記憶装置５ｆに順次格納していく。

【００２９】こうして、万一、エスカレータの安全装置
が動作し、エスカレータが緊急停止した場合でも、安全
装置動作検出装置２が動作状態を検出し、端末装置３に
よって建物の識別番号、エスカレータの号機、型式デー
タなどの情報と共に自動的に遠隔地の保守会社に設置さ
れている受信装置５に伝送し、受信装置５側では、信号
受信の警報を起動すると共に、受信内容を表示装置５ｄ
に表示すると共に印字装置５ｅに印字出力することによ
り、エスカレータ設置建物から遠く離れている保守会社
にいながら、保守作業員が異常が発生したエスカレータ
の設置建物名、そのエスカレータの型式、号機、異常の
発生した安全スイッチの特定ができ、復旧作業のために
何をする必要があるかを現地に赴く前に予備知識として
把握し、必要と思われる交換部品も手当しておくことが
でき、現地に到着すれば直ちに該当する異常箇所を特定
してその復旧作業に入ることができるようになる。

【００３０】なお、記憶装置５ｆにあらかじめ各種安全
装置の動作状態に対応する復旧作業マニュアル情報を登
録しておき、表示装置５ｅに異常情報が表示されたとき
には、その異常が発生した安全装置の動作状態に対して
キーボード、あるいはタッチスクリーンから復旧対策情
報呼び出し操作を行なえば、復旧対策情報が記憶装置５
ｆから呼び出された表示装置５ｅに表示され、また印字
装置５ｄに印字出力されるようにすれば、保守作業員の
保守作業の能率を向上させることができる。

【００３１】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、万一エ
スカレータの安全装置が動作してエスカレータが緊急停
止したような場合でも、エスカレータの保守を実施する
保守会社では、直ちに動作した安全スイッチの種類や動
作状態、並びに該当するエスカレータの特徴なども確認
することができ、これらの情報に基づいて保守作業員は
あらかじめ復旧対策を立て、必要に応じて的確な交換部
品の準備もしてから現地に赴くことができ、復旧作業を
能率良く行なうことができてエスカレータ停止時間を短
くすることができ、サービスの向上が図れる。

【００３２】また、異常発生時の情報を格納しておくこ
とにより、それらの情報を集計し、解析することによっ
て定期点検時の点検項目なども的確なものに決定するこ
とができ、安全性の向上に寄与することができるように
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例のブロック図。

【図２】この発明の一実施例の詳しい構成を示すブロッ
ク図。

【符号の説明】

１ 安全装置 ＳＷ１〜ＳＷｎ 安全スイッチ ２ 安全装置動作検出装置 ２ａ 動作検出部 ２ｂ 入出力回路 ２ｃ 計数回路 ２ｄ 信号処理回路 ２ｅ 信号処理部 ３ 端末装置 ３ａ 入出力回路 ３ｂ ＣＰＵ ３ｃ モデム ３ｄ 回線制御部 ３ｅ 建物情報記録部 ４ 電話回線 ５ 受信装置 ５ａ 回線制御部 ５ｂ モデム ５ｃ 信号処理装置 ５ｄ 表示装置 ５ｅ 印字装置 ５ｆ 記憶装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エスカレータの乗客の危険防止のために
   設けられた各種安全スイッチの動作時にその動作状態を
   検出する安全装置動作検出装置と、 前記安全装置動作検出装置が検出した各種安全スイッチ
   の動作状態情報を一般公衆回線に送り出す端末装置と、 前記端末装置から一般回線を介して送られてきた各種安
   全スイッチの動作状態情報を受信し、所定の情報処理を
   行なう受信装置とを備えて成るエスカレータ遠隔監視装
   置。