JPH07255426A - 食肉加工品用ピックル - Google Patents
食肉加工品用ピックルInfo
- Publication number
- JPH07255426A JPH07255426A JP6047287A JP4728794A JPH07255426A JP H07255426 A JPH07255426 A JP H07255426A JP 6047287 A JP6047287 A JP 6047287A JP 4728794 A JP4728794 A JP 4728794A JP H07255426 A JPH07255426 A JP H07255426A
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- Japan
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- pickle
- transglutaminase
- meat
- protein
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- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 トランスグルタミナーゼ、またはこれに加え
てカゼインおよび/または大豆蛋白をも低配合量で含有
する食肉加工品用塩漬剤またはピックル。 【効果】 従来では得られなかった硬さや弾力、あるい
は結着性に優れた食肉加工品を製造することが可能とな
り、また、タンブリングやスライス時の身割れ防止によ
る製品歩留まりの向上、タンパク素材使用量の低減によ
る異風味の改善、あるいはピックルの対肉注入率アップ
なども可能になった。
てカゼインおよび/または大豆蛋白をも低配合量で含有
する食肉加工品用塩漬剤またはピックル。 【効果】 従来では得られなかった硬さや弾力、あるい
は結着性に優れた食肉加工品を製造することが可能とな
り、また、タンブリングやスライス時の身割れ防止によ
る製品歩留まりの向上、タンパク素材使用量の低減によ
る異風味の改善、あるいはピックルの対肉注入率アップ
なども可能になった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハム、ベーコン、焼き
豚等の食肉加工品の製造に使用するピックルに関する。
豚等の食肉加工品の製造に使用するピックルに関する。
【0002】本発明でいうピックルとは、湿塩法による
すべての塩漬法に対応できるものであり、例えば、ピッ
クルに肉を浸す浸漬法、肉にピックルを注入するインジ
ェクション法、および予めピックルをインジェクション
した肉にさらにピックルをカバーピックルとして加える
方法等のいずれにも用いられるものである。
すべての塩漬法に対応できるものであり、例えば、ピッ
クルに肉を浸す浸漬法、肉にピックルを注入するインジ
ェクション法、および予めピックルをインジェクション
した肉にさらにピックルをカバーピックルとして加える
方法等のいずれにも用いられるものである。
【0003】
【従来の技術】ハムやベーコン等いわゆる単身品と呼ば
れる食肉加工品の製造には、周知の如く、ピックルは必
要不可欠な物である。本来、ピックルとは、食塩や亜硝
酸塩などの発色剤等の塩漬剤を水に溶かした溶液である
が、現在では、砂糖、ニコチン酸アミドなどの発色助
剤、アスコルビン酸塩などの酸化防止剤、重合リン酸塩
などの結着補強剤、およびグルタミン酸ナトリウムなど
の調味料類等も適宜塩漬剤またはピックルに加えられて
いる。
れる食肉加工品の製造には、周知の如く、ピックルは必
要不可欠な物である。本来、ピックルとは、食塩や亜硝
酸塩などの発色剤等の塩漬剤を水に溶かした溶液である
が、現在では、砂糖、ニコチン酸アミドなどの発色助
剤、アスコルビン酸塩などの酸化防止剤、重合リン酸塩
などの結着補強剤、およびグルタミン酸ナトリウムなど
の調味料類等も適宜塩漬剤またはピックルに加えられて
いる。
【0004】更に、製品の保水性、乳化性、硬さや弾力
といった食感、あるいは結着性の改良等を目的に、卵
白、ホエー蛋白、カゼインナトリウムなどのカゼインあ
るいは大豆蛋白等の各種タンパク素材をも配合されたピ
ックルが現在では主流となっている。しかしながら、こ
れらタンパク素材の使用量には自ずと制限がある。すな
わち、タンパク素材の配合量を上げすぎると、タンパク
素材自体の風味が食肉加工品に異風味となって現われ、
製品の品質を損なう原因となりうるし、また、ピックル
の粘度が上がってしまい、インジェクターによる注入作
業が困難になってしまう。逆に、タンパク素材の濃度を
低下させすぎると、ピックルに期待される上述の効果が
薄れてしまう。
といった食感、あるいは結着性の改良等を目的に、卵
白、ホエー蛋白、カゼインナトリウムなどのカゼインあ
るいは大豆蛋白等の各種タンパク素材をも配合されたピ
ックルが現在では主流となっている。しかしながら、こ
れらタンパク素材の使用量には自ずと制限がある。すな
わち、タンパク素材の配合量を上げすぎると、タンパク
素材自体の風味が食肉加工品に異風味となって現われ、
製品の品質を損なう原因となりうるし、また、ピックル
の粘度が上がってしまい、インジェクターによる注入作
業が困難になってしまう。逆に、タンパク素材の濃度を
低下させすぎると、ピックルに期待される上述の効果が
薄れてしまう。
【0005】したがって、従来から用いられているタン
パク素材、およびそれを配合したピックルでは、その目
的とする効果に一定の限界があることは否めない事実で
ある。
パク素材、およびそれを配合したピックルでは、その目
的とする効果に一定の限界があることは否めない事実で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
のピックル組成では成し得なかった、硬さ、弾力、ある
いは結着性等を著しく向上させ得るピックル組成及びそ
れを用いた食肉加工品の製造法を提供することである。
のピックル組成では成し得なかった、硬さ、弾力、ある
いは結着性等を著しく向上させ得るピックル組成及びそ
れを用いた食肉加工品の製造法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、ピックル中にト
ランスグルタミナーゼを、またはこれに加えてカゼイン
および/または大豆蛋白を低配合量で配合することによ
り前記課題を解決することができることを見い出し、こ
のような知見に基いて本発明を完成するにいたった。
解決するために鋭意研究を行った結果、ピックル中にト
ランスグルタミナーゼを、またはこれに加えてカゼイン
および/または大豆蛋白を低配合量で配合することによ
り前記課題を解決することができることを見い出し、こ
のような知見に基いて本発明を完成するにいたった。
【0008】以下、本発明について具体的に説明する。
【0009】本発明の食品加工用塩漬剤およびこれらを
水に溶かした溶液であるピックルの組成は、トランスグ
ルタミナーゼを、またはこれに加えてカゼインおよび/
または大豆蛋白をも低配合量で使用することを除いて
は、特に差支えのない限りは従来の組成に適宜準じるこ
とができる。そこで、以下、従来と異なるところを中心
に説明する。
水に溶かした溶液であるピックルの組成は、トランスグ
ルタミナーゼを、またはこれに加えてカゼインおよび/
または大豆蛋白をも低配合量で使用することを除いて
は、特に差支えのない限りは従来の組成に適宜準じるこ
とができる。そこで、以下、従来と異なるところを中心
に説明する。
【0010】本発明において、トランスグルタミナーゼ
としては様々な由来のものが使用できる。例えば、モル
モット肝臓由来のもの(特公平1−50382参照)、
魚由来のもの(例えば、関信夫ら「昭和63年度日本水
産学会秋期大会講演要旨集」167頁及び「平成2年度
日本水産学会春季大会講演要旨集」219頁参照)、あ
るいは微生物由来のもの(例えば、特開平1−2747
1参照)を挙げることが出来る。この他、遺伝子組み替
えにより製造されるもの等、いずれのトランスグルタミ
ナーゼでも使用可能であり、その起源あるいは製法に制
限されるところはない。但し、経済性及び機能の点か
ら、上述の微生物由来のトランスグルタミナーゼが現在
のところ最も好ましいといえる。
としては様々な由来のものが使用できる。例えば、モル
モット肝臓由来のもの(特公平1−50382参照)、
魚由来のもの(例えば、関信夫ら「昭和63年度日本水
産学会秋期大会講演要旨集」167頁及び「平成2年度
日本水産学会春季大会講演要旨集」219頁参照)、あ
るいは微生物由来のもの(例えば、特開平1−2747
1参照)を挙げることが出来る。この他、遺伝子組み替
えにより製造されるもの等、いずれのトランスグルタミ
ナーゼでも使用可能であり、その起源あるいは製法に制
限されるところはない。但し、経済性及び機能の点か
ら、上述の微生物由来のトランスグルタミナーゼが現在
のところ最も好ましいといえる。
【0011】かかるトランスグルタミナーゼは、その固
形の酵素製剤が食肉加工品用塩漬剤に配合され、また剤
形のいずれであるかを問わず、ピックルに添加溶解され
る。
形の酵素製剤が食肉加工品用塩漬剤に配合され、また剤
形のいずれであるかを問わず、ピックルに添加溶解され
る。
【0012】ピックルの使用法には、前述のように種々
あるが、特にインジェクション法にて使用される場合、
ピックルは通常調製後数時間リサイクルされ使用される
場合が殆どである。従って、その間にピックルに含まれ
るタンパク質がトランスグルタミナーゼによる架橋高分
子化作用を受け、ピックルの粘度が上昇し、その肉への
注入が著しく困難になってしまう恐れがある。
あるが、特にインジェクション法にて使用される場合、
ピックルは通常調製後数時間リサイクルされ使用される
場合が殆どである。従って、その間にピックルに含まれ
るタンパク質がトランスグルタミナーゼによる架橋高分
子化作用を受け、ピックルの粘度が上昇し、その肉への
注入が著しく困難になってしまう恐れがある。
【0013】塩漬剤、延いてはピックルへ利用されるタ
ンパク素材としては、前述のように様々なものがある
が、本発明者が鋭意検討した結果、通常用いられるタン
パク素材のうち、カゼインナトリウムなどのカゼイン及
び大豆蛋白の2種がトランスグルタミナーゼとの反応性
が他に比べて高いことが明らかになり、またピックルが
リサイクルされ使用される場合、その粘度上昇を防止す
るにはこの2種のタンパク素材の配合量をある一定量以
下の低配合量とするとよいことが明らかになった。この
ような低配合量は、ピックルの組成、その使用条件等に
もよるが、カゼインナトリウムの場合はピックルに占め
る割合は例えば3%以下であり、そして大豆蛋白の場合
は例えば4%以下であれば、実用上差し支えない範囲に
粘度増加を抑制できることが判明した。この条件につい
ては、カゼインナトリウムについては3%以下は大抵の
場合必須であるが、大豆蛋白についてはその変性度等に
より粘性も変化するために大体の目安と考えればよい。
そこで、従来の塩漬剤またはピックルの組成に準ずる場
合のその従来の組成にカゼインおよび/または大豆蛋白
が含まれている場合は、その含有量をこのような範囲の
低配合量に抑えることが好ましく、また含まれていない
場合であって、新たに組成に加えるときは、このような
範囲の低配合量で加えることが好ましい。
ンパク素材としては、前述のように様々なものがある
が、本発明者が鋭意検討した結果、通常用いられるタン
パク素材のうち、カゼインナトリウムなどのカゼイン及
び大豆蛋白の2種がトランスグルタミナーゼとの反応性
が他に比べて高いことが明らかになり、またピックルが
リサイクルされ使用される場合、その粘度上昇を防止す
るにはこの2種のタンパク素材の配合量をある一定量以
下の低配合量とするとよいことが明らかになった。この
ような低配合量は、ピックルの組成、その使用条件等に
もよるが、カゼインナトリウムの場合はピックルに占め
る割合は例えば3%以下であり、そして大豆蛋白の場合
は例えば4%以下であれば、実用上差し支えない範囲に
粘度増加を抑制できることが判明した。この条件につい
ては、カゼインナトリウムについては3%以下は大抵の
場合必須であるが、大豆蛋白についてはその変性度等に
より粘性も変化するために大体の目安と考えればよい。
そこで、従来の塩漬剤またはピックルの組成に準ずる場
合のその従来の組成にカゼインおよび/または大豆蛋白
が含まれている場合は、その含有量をこのような範囲の
低配合量に抑えることが好ましく、また含まれていない
場合であって、新たに組成に加えるときは、このような
範囲の低配合量で加えることが好ましい。
【0014】一方、浸漬法やカバーピックル等、ピック
ルがリサイクル使用されない場合には、その粘度上昇を
抑制する必要性がなく、従ってこれらのタンパク素材の
配合条件は特に制限される必要もなく、従来の塩漬剤ま
たはピックルにおける配合割合に準ずることができる。
ルがリサイクル使用されない場合には、その粘度上昇を
抑制する必要性がなく、従ってこれらのタンパク素材の
配合条件は特に制限される必要もなく、従来の塩漬剤ま
たはピックルにおける配合割合に準ずることができる。
【0015】もちろん、ピックルにおける、その他のタ
ンパク素材の種類や配合量及び調味料やリン酸塩等その
他の原料の種類や配合量は、トランスグルタミナーゼに
よるピックルの粘度上昇には殆ど影響を及ぼさないた
め、インジェクション法によるピックルの場合にも従来
の組成に準じて任意に設定できる。
ンパク素材の種類や配合量及び調味料やリン酸塩等その
他の原料の種類や配合量は、トランスグルタミナーゼに
よるピックルの粘度上昇には殆ど影響を及ぼさないた
め、インジェクション法によるピックルの場合にも従来
の組成に準じて任意に設定できる。
【0016】また、ピックルの調製法にも特別の制限は
ない。例えば、他の原料を予め水に溶解、分散し、タン
パク素材を十分膨潤せしめた後、トランスグルタミナー
ゼを添加溶解させる方法や、トランスグルタミナーゼを
含むすべての原料を同時に水に溶解、分散させる方法等
がある。もちろん、トランスグルタミナーゼの水中での
失活を考慮すると、前者の方が好ましい。また、タンパ
ク素材の変性や微生物による腐敗等を防止するために、
ピックルの温度は極力低温に保つ方が好ましいことは言
うまでもない。
ない。例えば、他の原料を予め水に溶解、分散し、タン
パク素材を十分膨潤せしめた後、トランスグルタミナー
ゼを添加溶解させる方法や、トランスグルタミナーゼを
含むすべての原料を同時に水に溶解、分散させる方法等
がある。もちろん、トランスグルタミナーゼの水中での
失活を考慮すると、前者の方が好ましい。また、タンパ
ク素材の変性や微生物による腐敗等を防止するために、
ピックルの温度は極力低温に保つ方が好ましいことは言
うまでもない。
【0017】このようにして調製されたピックルは、ハ
ム、ベーコン、焼豚等の食肉加工品の製造に際し、従来
の方法に準じて所望の方法にて使用される。例えば、浸
漬法であれば原料肉を直接ピックル中に浸漬し、インジ
ェクション法であればインジェクターにより原料肉に注
入した後タンブリングを行い、塩漬される。また、カバ
ーピックルとして用いる場合には、タンブリングの前ま
たは後あるいはその途中でインジェクションされた肉に
加えられることになる。塩漬終了後はケーシングやリテ
ーナー等に充填、あるいは成型され、くん煙、加熱等の
工程を経て製品となる。もちろんこれらの方法は、例え
ばピックルの使用方法や塩漬時間、成型の方法、加熱の
条件、あるいは原料肉の種類等は本発明においてなんら
制限されるものではなく、製品の種類に応じ従来の方法
に準じて適宜選択することができる。
ム、ベーコン、焼豚等の食肉加工品の製造に際し、従来
の方法に準じて所望の方法にて使用される。例えば、浸
漬法であれば原料肉を直接ピックル中に浸漬し、インジ
ェクション法であればインジェクターにより原料肉に注
入した後タンブリングを行い、塩漬される。また、カバ
ーピックルとして用いる場合には、タンブリングの前ま
たは後あるいはその途中でインジェクションされた肉に
加えられることになる。塩漬終了後はケーシングやリテ
ーナー等に充填、あるいは成型され、くん煙、加熱等の
工程を経て製品となる。もちろんこれらの方法は、例え
ばピックルの使用方法や塩漬時間、成型の方法、加熱の
条件、あるいは原料肉の種類等は本発明においてなんら
制限されるものではなく、製品の種類に応じ従来の方法
に準じて適宜選択することができる。
【0018】尚、本発明でいうトランスグルタミナーゼ
の活性単位は、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタ
ミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応
を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在
下で鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測定
し、その量を検量線により求める方法により測定され、
かつ定義される(前掲特開平1−27471公報参
照)。
の活性単位は、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタ
ミニルグリシンとヒドロキシルアミンを基質として反応
を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在
下で鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測定
し、その量を検量線により求める方法により測定され、
かつ定義される(前掲特開平1−27471公報参
照)。
【0019】
【作用】トランスグルタミナーゼは、ペプチド鎖内にあ
るグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル転
移反応を触媒する酵素である。アシル受容体としてタン
パク質中のリジン残基のε−アミノ基が作用すると、タ
ンパク質分子内及び分子間においてε−(γ−Glu)
−Lys架橋結合が形成される。
るグルタミン残基のγ−カルボキシアミド基のアシル転
移反応を触媒する酵素である。アシル受容体としてタン
パク質中のリジン残基のε−アミノ基が作用すると、タ
ンパク質分子内及び分子間においてε−(γ−Glu)
−Lys架橋結合が形成される。
【0020】本発明においても、かかるトランスグルタ
ミナーゼのタンパク質に対する架橋高分子化作用が働い
ているものと考えられ、それにより硬さや弾力あるいは
結着性に優れた、ハムやベーコン、焼豚等の食肉加工品
の製造が可能となるものと考えられる。
ミナーゼのタンパク質に対する架橋高分子化作用が働い
ているものと考えられ、それにより硬さや弾力あるいは
結着性に優れた、ハムやベーコン、焼豚等の食肉加工品
の製造が可能となるものと考えられる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。もちろん、本発明の技術的範囲はこれらの実施例
により限定されるものではない。
する。もちろん、本発明の技術的範囲はこれらの実施例
により限定されるものではない。
【0022】実施例1 放線菌ストレプトベルチシリウムに属する微生物(Stre
ptoverticillium mobaraense IFO 13819)起源のトラン
スグルタミナーゼ(比活性1000ユニット/g )を用い、
下記第1表に示す配合に従ってピックルを調製し、10
℃で一晩放置した後の各ピックルの性状を評価した。そ
の結果、テスト区Aの各試料(1)〜(3)は殆ど粘度
変化を生じなかったのに対し、テスト区Bは各試料
(4)〜(6)とも懸著な粘度増加を示した。
ptoverticillium mobaraense IFO 13819)起源のトラン
スグルタミナーゼ(比活性1000ユニット/g )を用い、
下記第1表に示す配合に従ってピックルを調製し、10
℃で一晩放置した後の各ピックルの性状を評価した。そ
の結果、テスト区Aの各試料(1)〜(3)は殆ど粘度
変化を生じなかったのに対し、テスト区Bは各試料
(4)〜(6)とも懸著な粘度増加を示した。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 実施例1により調製したテスト区A(1) のピックルをイ
ンジェクション法により用い、豚モモ肉を原料肉とする
ボンレスハムを常法により試作した。尚、ピックルの注
入率は原料肉に対して60重量%とし、タンブリングは
減圧下で間欠撹拌しながら5℃で一夜行なった。また、
ケーシングは折り幅11cmのファイブラスケーシング
を使用し、加熱条件は、乾燥を60℃で2時間、くん煙
を60℃で1時間、そして蒸煮を75℃で2時間とし
た。また、対照品としてトランスグルタミナーゼを含ま
ない以外はすべて同一条件とするハムを試作した。
ンジェクション法により用い、豚モモ肉を原料肉とする
ボンレスハムを常法により試作した。尚、ピックルの注
入率は原料肉に対して60重量%とし、タンブリングは
減圧下で間欠撹拌しながら5℃で一夜行なった。また、
ケーシングは折り幅11cmのファイブラスケーシング
を使用し、加熱条件は、乾燥を60℃で2時間、くん煙
を60℃で1時間、そして蒸煮を75℃で2時間とし
た。また、対照品としてトランスグルタミナーゼを含ま
ない以外はすべて同一条件とするハムを試作した。
【0025】まず、タンブリング後の肉の状態を比較す
ると、対照品が一部の身割れを生じていたのに対し、ト
ランスグルタミナーゼを加えた方(本発明品)は身の脱
落もなく、しっかりとした形を保っていた。
ると、対照品が一部の身割れを生じていたのに対し、ト
ランスグルタミナーゼを加えた方(本発明品)は身の脱
落もなく、しっかりとした形を保っていた。
【0026】また、出来上がったハムを、熟練した検査
員5名よりなるパネルの官能評価に付したところ、対照
品がやや軟らかくぱさぱさした食感である、との評価に
対し、トランスグルタミナーゼ使用品(本発明品)は適
度な弾力を有し、好ましい食感である、との評価であっ
た。
員5名よりなるパネルの官能評価に付したところ、対照
品がやや軟らかくぱさぱさした食感である、との評価に
対し、トランスグルタミナーゼ使用品(本発明品)は適
度な弾力を有し、好ましい食感である、との評価であっ
た。
【0027】更に、ハムスライサーを用いて2mm厚に
スライスしたところ、対照品が肉塊の継目から一部身割
れを生じたのに対し、トランスグルタミナーゼ使用品
(本発明品)は身割れを全くせず、良好な結着性を有し
ていた。
スライスしたところ、対照品が肉塊の継目から一部身割
れを生じたのに対し、トランスグルタミナーゼ使用品
(本発明品)は身割れを全くせず、良好な結着性を有し
ていた。
【0028】実施例3 実施例1におけると同一のトランスグルタミナーゼを用
い、下記第2表に示す配合にて調製したピックルをイン
ジェクション法により用いてロースハムを試作した。
尚、その他の条件は実施例2に準じた。
い、下記第2表に示す配合にて調製したピックルをイン
ジェクション法により用いてロースハムを試作した。
尚、その他の条件は実施例2に準じた。
【0029】
【表2】
【0030】試作品を評価したところ、対照品に比べ
て、ブランクが軟らかく脆い食感であったのに対し、テ
スト区(本発明)は対照品と遜色ない硬さと弾力を有し
ていた。また、大豆蛋白等のタンパク素材による異風味
も対照品より明らかに少なく、良好な品質であった。
て、ブランクが軟らかく脆い食感であったのに対し、テ
スト区(本発明)は対照品と遜色ない硬さと弾力を有し
ていた。また、大豆蛋白等のタンパク素材による異風味
も対照品より明らかに少なく、良好な品質であった。
【0031】実施例4 実施例1におけると同一のトランスグルタミナーゼを用
い、下記第3表に示すピックル組成及び注入率に従って
ロースハムを試作した。尚、その他の条件は実施例2に
準拠した。
い、下記第3表に示すピックル組成及び注入率に従って
ロースハムを試作した。尚、その他の条件は実施例2に
準拠した。
【0032】
【表3】
【0033】得られた試作品について官能評価した結
果、ブランクが対照品に比べ軟らかく脆い食感であった
のに対し、テスト区(本発明)は対照品と遜色ない、良
好な硬さと弾力を有していた。
果、ブランクが対照品に比べ軟らかく脆い食感であった
のに対し、テスト区(本発明)は対照品と遜色ない、良
好な硬さと弾力を有していた。
【0034】実施例5 実施例1におけると同一のトランスグルタミナーゼをカ
バーピックルに用い、ボンレスハムを試作した。豚モモ
肉の小塊(5cm角で15cm長程度)に下記第4表に
示すピックルを対肉60%注入し、さらに第5表に示す
カバーピックルを対肉10%加え、5℃で18時間タン
ブリングを行った後、肉塊3〜4本程度を折り幅11c
mのケーシングに充填し加熱した。尚、その他の条件は
実施例2に準じた。また、対照品としてトランスグルタ
ミナーゼを含まない以外は全て同一条件とするものを試
作した。
バーピックルに用い、ボンレスハムを試作した。豚モモ
肉の小塊(5cm角で15cm長程度)に下記第4表に
示すピックルを対肉60%注入し、さらに第5表に示す
カバーピックルを対肉10%加え、5℃で18時間タン
ブリングを行った後、肉塊3〜4本程度を折り幅11c
mのケーシングに充填し加熱した。尚、その他の条件は
実施例2に準じた。また、対照品としてトランスグルタ
ミナーゼを含まない以外は全て同一条件とするものを試
作した。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】得られた試作品について官能評価した結
果、トランスグルタミナーゼを使用したハム(本発明)
は、対照品に比べて肉塊同士が強固に結着しており、2
mm厚にスライスしても全く身割れせず、良好な品質で
あった。
果、トランスグルタミナーゼを使用したハム(本発明)
は、対照品に比べて肉塊同士が強固に結着しており、2
mm厚にスライスしても全く身割れせず、良好な品質で
あった。
【0038】
【発明の効果】本発明により、従来では得られなかった
硬さや弾力、あるいは結着性に優れた食肉加工品を製造
することが可能となり、また、タンブリングやスライス
時の身割れ防止による製品歩留まりの向上、タンパク素
材使用量の低減による異風味の改善、あるいはピックル
の対肉注入率アップなども可能になった。
硬さや弾力、あるいは結着性に優れた食肉加工品を製造
することが可能となり、また、タンブリングやスライス
時の身割れ防止による製品歩留まりの向上、タンパク素
材使用量の低減による異風味の改善、あるいはピックル
の対肉注入率アップなども可能になった。
Claims (4)
- 【請求項1】 トランスグルタミナーゼを含有すること
を特徴とする食肉加工品用塩漬剤。 - 【請求項2】 トランスグルタミナーゼを含有すること
を特徴とする食肉加工品用ピックル。 - 【請求項3】 トランスグルタミナーゼに加えて、カゼ
インおよび/または大豆蛋白をも低配合量で含有するこ
とを特徴とする食肉加工品用塩漬剤またはピックル。 - 【請求項4】 請求項2または3記載のピックルを使用
して製造したことを特徴とする食肉加工品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6047287A JPH07255426A (ja) | 1994-03-17 | 1994-03-17 | 食肉加工品用ピックル |
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JP (1) | JPH07255426A (ja) |
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1994
- 1994-03-17 JP JP6047287A patent/JPH07255426A/ja active Pending
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