JPH07255040A - テレビジョン信号処理装置 - Google Patents

テレビジョン信号処理装置

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Publication number
JPH07255040A
JPH07255040A JP6334682A JP33468294A JPH07255040A JP H07255040 A JPH07255040 A JP H07255040A JP 6334682 A JP6334682 A JP 6334682A JP 33468294 A JP33468294 A JP 33468294A JP H07255040 A JPH07255040 A JP H07255040A
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JP
Japan
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signal
display
video signal
input
output
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Application number
JP6334682A
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English (en)
Inventor
Naoyuki Kokado
尚之 古角
Kiyoyuki Kawai
清幸 川井
Satoyuki Ishii
聡之 石井
Seijirou Yasuki
成次郎 安木
Noriya Sakamoto
典哉 坂本
Yoshihiko Ogawa
佳彦 小川
Atsushi Hirota
敦志 廣田
Koichi Noguchi
幸一 野口
Koichi Sato
耕一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】現在処理中の信号がいずれのタイプの信号であ
るのかを識別し、信号に応じた適切な表示を行い、また
画面を有効に活用する。 【構成】高周波入力処理部1000は、放送信号を受信
して検波することにより得られた現行方式と両立性をも
ったワイド画面用の映像信号または現行方式の映像信号
を導出し、映像デコーダ6000は高周波入力処理部1
000からの映像信号をデコードして表示用の信号に変
換する。同期制御部7000の判定手段は前記映像信号
がワイド画面用のものか現行方式のものであるかを判定
し、その識別信号を得、映像デコーダ6000の処理モ
ードを制御し、またディスプレイ800は識別信号に応
じてワイド画面信号と現行方式画面信号とをそれぞれ識
別表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、現行方式(例えばN
TSC方式)と互換性のある高精細テレビジョン信号を
処理するテレビジョン信号処理装置に関し、特に入力信
号の種類に応じて適切な表示を得る機能を有した装置で
ある。
【0002】
【従来の技術】現行方式と互換性のある高精細テレビジ
ョン信号を伝送し受信するシステムが開発されている。
この伝送受信システムで扱われる信号として、サイドパ
ネル方式とレーターボックス方式とがある。
【0003】サイドパネル方式は、アスペクト比16:
9の高精細テレビジョン信号をセンター部分だけ4:3
のアスペクト比でカットし現行方式の信号の規格に合わ
せメイン信号とし、左右のサイド部分の信号はメイン信
号に多重することにより伝送している。従って、現行方
式のテレビジョン受像機で受信された場合は、画面一杯
に4:3のメイン信号が表示される。また高精細テレビ
ジョン信号デコーダをもつ受像機で受信された場合は、
サイド部分の信号が復調され、メイン信号の左右に繋げ
られて16:9のワイドアスペクト比の画像信号が再現
される。
【0004】一方、レターボックス方式は、16:9の
アスペクト比のテレビジョン信号を上下に圧縮して、
4:3のアスペクト比の画面に納まるように処理してメ
イン信号として伝送している。また、圧縮に伴って生じ
た余分な高解像度用の信号は、例えばメイン信号の上下
に生じた上下マスク部に多重されて伝送される。従って
この方式のテレビジョン信号を現行方式の受像機で受信
し再現した場合、画面の上下にマスク(黒)部が生じ、
画面は横長の映像画面となる。また高精細テレビジョン
信号デコーダを持つ受像機で受信された場合は、上下マ
スク部の高解像度用の信号が再生され、かつメイン信号
が垂直方向へ伸張され、これに高解像度用の信号が加算
され、16:9のワイドアスペクト比の画像信号が得ら
れる。
【0005】ところで、上記サイドパネル方式では、現
行テレビジョン受像機でみるとカットされたサイド部分
をみることが出来ず、また放送側においてもサイド部が
カットされることを前提として番組を制作をしなければ
ならない。またサイド部がカットされることは、番組制
作側の著作権上で問題がある。これに対して、レターボ
ックス方式は、ワイド画面のすべてを現行方式でみるこ
とはできるが、現行テレビジョン受像機でみた場合、上
下マスク部の割合が大きくスクリーン全体の有効利用に
欠けるという不満がある。
【0006】そこで最近では、ワイド画面のテレビジョ
ン信号を上下圧縮率を小さくし、かつ4:3のアスペク
ト比にあわせるためにサイド部を少しカットして伝送す
るという中間方式が提案されている。この方式による
と、現行方式のテレビジョン受像機で見た場合上下マス
ク部の割合も少なく、かつカットされるサイド部の割合
も少なく、レターボックス方式とサイドパネル方式の欠
点の双方を緩和して妥協点を見出だした方式と言える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように現在で
は、各種のテレビジョン信号が存在するために、各種の
方式に対応するデコーダ側においては、入力信号に応じ
て適切な信号処理を行う必要がある。また、現在入力し
ている信号がどのような種類の信号であるかをユーザに
認識させて、使用上の安心感を与える必要がある。
【0008】当然、中間方式デコーダとしては、中間方
式の信号のみならず、現行の方式の信号を受信処理する
機能や、ビデオテープレコーダ(以下VTRと記す)か
らの再生信号を処理する機能が望まれる。従って、現行
方式の信号を受信処理する場合、中間方式の信号を受信
処理する場合とで信号の識別が必要であり、またVTR
からの再生信号を処理する場合も、再生信号が現行方式
の信号であるのか、ワイド画面の信号であるのかを識別
する必要も生じる。これは現在のVTRでは、ワイド画
面の信号を記録再生することも実現可能であるからであ
る。
【0009】さらにまた、中間方式デコーダを上記のよ
うな各種のソースからの信号を処理するように設計した
場合、ユーザに対しては現在処理されている信号ソース
がいずれのソースであるのかを表示して認識させる必要
がある。これは、表示形態の自由度を持たせるうえでは
ユーザの認識を高める必要があり、いずれのソースが受
信処理されているのかを明確化する必要があるからであ
る。さらにまた、上下マスク部を生じるような表示形態
としては、映画をVTRにて収録して再生した場合、映
画自体が横長のアスペクト比であるため、上下マスク部
(実際には黒レベル部)が表示され、中間方式を受信表
示した場合と同様な画面になるおそれがあるからであ
る。
【0010】また中間方式の信号と同時に現行方式の信
号も受信できる機能が望まれるが、その表示においてワ
イドアスペクト比の画面をどのように活用し、かつ表示
を実現するが課題である。
【0011】さらに、中間方式の信号を処理する場合、
送信側の信号処理、受信側の信号処理において、画質向
上、表示効果の向上を得るための信号処理が望まれる。
さらに中間方式の信号を表示する場合、そのディスプレ
イ装置においても、中間方式に対応できる装置が望まれ
る。
【0012】そこでこの発明は、上記のような各種の事
情に対処すべくなされたもので、現在処理中の信号がい
ずれのタイプの信号であるのか、また受信信号としてい
ずれのタイプの信号があるのを容易に分かりやすく表示
するとともに、入力信号に応じた適切な処理を行い、ま
た表示器を有効に活用することができるテレビジョン信
号処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、中間方式の
信号を受信処理する他に、各種のソースからの信号にも
対応できるように入力信号識別機能とその表示機能及び
信号処理モード切り換え設定機能を備える。またこの発
明は、現行方式の信号を受信した場合、ワイドアスペク
ト比画面を有効に活用できるように、画面のオーバース
キャン調整機能を備えるものである。さらにこの発明
は、中間方式と現行方式の信号を受信した場合、ワイド
アスペクト比画面を有効に活用できるように、マルチ表
示機能を備えるものである。
【0014】
【作用】上記の手段により現在の入力信号に応じて適切
な処理と表示を得ることができるとともに、ワイド画面
のディスプレイを有効に活用することができ、使い勝手
を向上できる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0016】(全体システム)図1はこの発明の一実施
例における受信部における全体ブロック図である。入力
端子100にはアンテナからの高周波(RF)信号が導
入され、RF入力処理部1000に供給される。RF入
力処理部1000で得られた音声信号は、セレクタ20
00に供給される。このセレクタ2000は、外部から
の音声信号も選択することができる。セレクタ2000
からの出力音声信号は、音声増幅器3000で増幅され
て、スピーカ4000に供給される。RF入力処理部1
000から得られた映像信号は、セレクタ5000に入
力される。セレクタ5000は、外部からの映像信号も
選択することができる。セレクタ5000で選択された
映像信号は、再度RF入力処理部1000に入力されて
受信信号補正(例えばゴーストキャンセル処理)され、
映像デコーダ6000及び同期制御部7000に入力さ
れる。映像デコーダ6000では、入力映像信号の方式
(中間方式、現行方式)と、ユーザによる制御に応じた
処理が行われ、入力映像信号が復号される。復号の結果
得られたR,G,B信号、同期信号、輝度補正信号等
は、ディスプレイ8000に供給される。
【0017】同期制御部7000は、映像信号に含まれ
る制御信号を用いて所定の同期信号や、映像信号の方式
や種類を示す識別信号を発生する。この発生された同期
信号は映像デコーダ6000に入力されて映像信号のデ
コード処理のためのモード切換え等に用いられる。
【0018】ユーザ制御部9000は、ユーザの操作に
応じてシステムの動作モードを制御するもので、セレク
タ2000、5000で選択される信号を切換えること
ができる。また同期制御部7000からの映像信号の種
類を示す識別信号やRF入力処理部1000からの音声
信号の種類を示す音声識別信号を受けて、映像デコーダ
6000に対して処理モード切換え信号を与えたり、イ
ンジケータ200に対して映像及び音声のモード表示を
行う。また、ユーザがRF信号以外の外部入力の選択操
作を行った場合は、ユーザ制御部9000は、RF入力
処理部1000の映像用ゴーストキャンセラーをスルー
状態に制御する信号を送出する。
【0019】図2はRF入力処理部1000の具体的構
成例を示している。
【0020】入力端子100からの高周波信号は、チュ
ーナ1001に入力されて、ユーザにより指定されたチ
ャンネルが選択される。チューナ1001の出力中間周
波は映像中間周波増幅器(PIF回路)1002に入力
されて増幅され、同相/直交検波部1003に入力され
る。同相検波により得られた映像信号は、セレクタ50
00に入力されるとともに音声中間周波増幅器(SIF
回路)1005に入力される。セレクタ5000で選択
された映像信号は、受信信号補正部1004に入力され
てゴーストキャンセルされ映像デコーダ6000、同期
制御部7000に入力される。ただしセレクタ5000
において外部映像信号(例えばVTR出力)が選択され
ているときは、受信信号補正部1004はスルー状態に
制御される。一方、SIF回路1005から得られた音
声信号は、FM検波器1006においてFM復調され、
音声デコーダ1007に入力される。音声デコーダ10
07においては、音声多重信号等のデコード処理やユー
ザ制御部からの音声選択制御信号に応じた選択処理を行
い、その出力をスイッチ1010の一方に供給するとと
もに、ロジック回路1009にも供給している。スイッ
チ1010の選択出力は、セレクタ2000に入力され
る。
【0021】ところで、このシステムでは、中間方式映
像信号と共に、デジタル音声信号が直交変調されて伝送
されてくる。このデジタル音声信号は、ステレオ、4チ
ャンネル、音声多重、モノラルなどの種類がある。直交
変調されたデジタル音声信号は、同相/直交検波部10
03において直交検波により復調され、受信信号補正部
1004に入力されて補正される。そして補正されたデ
ジタル音声信号は、デジタルデコーダ1008にてデコ
ードされ音声信号としてスイッチ1010の他方の入力
端子に供給されるとともに、ロジック回路1009に入
力される。ロジック回路1009は、通常はスイッチ1
010をデジタル音声信号側に設定しているが、デジタ
ル音声信号のデコーディング状態を監視し、誤りが多い
場合は、スイッチ1010をアナログ側の選択状態に切
換えるように設定されている。
【0022】図3は同期制御部7000の具体的構成例
を示している。
【0023】RF入力処理部1000からの映像信号
は、色副搬送波再生部7001、同期分離部7002、
制御信号再生及び標準ワイド判定部7005に入力され
る。同期分離部7002で分離された水平及び垂直同期
信号H,Vは、バーストゲート発生部7003に入力さ
れ、バーストゲート信号を作成するのに供される。バー
ストゲート信号は、色副搬送波再生部7001に入力さ
れてバースト信号の抜き取りタイミング信号として利用
される。色副搬送波再生部7001では、色副搬送波の
周波数fscの4倍の連続信号4fscと、8倍の連続信号
8fscを発生する。これらはデジタル処理部のクロック
として用いられる。4fscの信号と水平及び垂直同期信
号は、標準/非標準判定部7004に入力されている。
標準/非標準判定部7004は、これら入力信号の周波
数及び位相関係から映像信号が放送規格に準拠した標準
形式のものであるか、あるいはVTR等で再生された非
標準形式のものであるかを判定する。この標準/非標準
判定信号は、標準ワイド判定部7005と非標準ワイド
判定部7006に入力されている。標準ワイド判定部7
005は、放送による標準信号が入力されたときに、入
力映像信号が中間方式の信号(ワイド信号)であるのか
現行方式の信号であるのかの判定を行う部分である。ま
たワイド画面用の映像信号であったとしても、それがど
の様な処理モード(例えばレターボックス処理のみ)で
処理されているのかを判定することもできる。これは例
えば後述するように、垂直ブランキング期間の特定のラ
インに、その識別情報を付加しておくことにより可能で
ある。非標準ワイド判定部7006は、非標準信号が入
力されたときに、入力映像信号が中間方式の信号である
のか現行方式の信号であるのか、さらにはワイド信号そ
のものであるのかの判定を行う部分である。VTRにお
いてもワイド画面(16:9)の信号を直接記録再生で
きるからである。ワイド信号であるか否かの判定は、例
えば垂直ブランキング期間の特定のラインにワイド識別
信号としてデジタル多重されている信号を利用して行わ
れる。
【0024】またワイド識別信号の中にも複数種類があ
る。これは中間方式はレターボックス処理とサイドパネ
ル処理の2種類の処理を施す方式であるが、いずれか一
方の処理、例えばサイドパネル処理だけで伝送すること
が考えられるからである。
【0025】標準ワイド判定部7005と非標準ワイド
判定部7006の判定出力はそれぞれインジケータ20
0に入力され、現在どのような信号を受信処理している
のかをユーザに知らせることができる。図では直接イン
ジケータ200に判定信号を入力しているが、ユーザ制
御部9000を介して供給してもよい。
【0026】標準ワイド判定部7005が、標準ワイド
信号の判定を得たときには、標準同期再生部7007を
リセットする。標準同期再生部7007は、4fscの信
号をクロックとして用いて、分周カウンタで分周し水平
同期信号及び垂直同期信号を作成している。これに対し
て非標準同期再生部7008は、同期分離部7002か
らの水平及び垂直同期信号を直接用いて、非標準信号用
の水平及び垂直同期信号を作成している。標準同期再生
部7007と非標準同期再生部7008からの水平同期
信号はスイッチ7009の一方と他方の入力端子に供給
され、先の標準/非標準判定信号により判定内容に応じ
た同期信号が選択され、システムの水平同期信号として
利用される。また同様に標準同期再生部7007と非標
準同期再生部7008からの垂直同期信号はスイッチ7
010の一方と他方の入力端子に供給され、標準/非標
準判定信号により判定内容に応じた同期信号が選択さ
れ、システムの垂直同期信号として利用される。さらに
また、標準同期再生部7007と非標準同期再生部70
08からは2H(H:水平周期)の信号も取り出されこ
の信号はスイッチ7011の一方と他方の入力端子に供
給され、標準/非標準判定信号により判定内容に応じて
選択され、システムに利用される。
【0027】さらにまた、標準ワイド判定部7005か
らのワイドと規格サイズを現すワイド/規格サイズ判定
信号は、映像デコーダ6000の水平圧縮部、垂直伸張
部6012にもそれぞれ供給されている。これは、例え
ば、現行方式の信号を受信処理しているときに、ワイド
画面では領域に余裕ができるので、現行方式の信号をワ
イド化する場合、判定信号により水平及び垂直方向の圧
縮伸張処理が自動的に切換わるようにするためである。
また、中間方式映像信号を受信した場合は、その水平垂
直同期が正確に得られるので、従来ディスプレイにてオ
ーバースキャン部を確保しているが、このオーバースキ
ャン部の率が少なくてすむから、オーバースキャン率を
切換えるのに用いられる。
【0028】(ワイド画面記録VTR信号識別システ
ム)図4は上記した非標準ワイド判定部7006の具体
的構成例である。
【0029】非標準ワイド判定部7006は、例えばV
TRより記録されている信号が再生された場合にVTR
からの再生信号が現行方式のものであるか、ワイド画面
のものであるかを判定する部分である。16:9のワイ
ド画面を4:3の画面で表示すると画像の内容が縦長に
表示されてしまい、16:9の表示画面で通常の4:3
画面の信号を表示すると横長になってしまう。従って、
VTRに記録されている画像信号が16:9のものであ
るか4:3のものであるかを判別する必要がある。VT
Rにはコントロール信号が利用されているので、このコ
ントロール信号を変調して識別信号とする方法もあるが
このようにすると、デコーダとの間で映像信号の接続ケ
ーブルとは別にコントロール信号の接続ケーブルが必要
となる。
【0030】そこで、このシステムでは、上記非標準判
定部7006を設けている。非標準同期再生部7008
からの水平及び垂直同期信号は、ゲート信号発生器76
01に入力される。ゲート信号発生器7601は、水平
及び垂直同期信号を基準として、所定の水平ライン、例
えば263ライン目のバースト位置でゲートパルスを発
生する。ゲート回路7602は、この期間のみ映像信号
を通過させる。ゲート回路7602の出力は、乗算器7
605に入力されてカラーバースト発生器7604から
のバースト信号と乗算される。この乗算出力は、積分器
7606に入力されて積分され、その積分値は判定回路
7607に入力される。判定回路7607は積分値が所
定レベル以下の場合は、ワイド信号としての判定出力を
得、所定レベル以上の場合は通常の4:3の画像信号で
あることの判定信号を出力する。
【0031】従って、当然のことながらVTRの再生出
力がワイド画面の信号であるときは、263ライン目の
バースト信号位置で積分出力が低下し、通常の4:3の
画面の信号であるときは積分出力が高くなるように処理
されている。このように得られるワイド/規格サイズ判
定信号は映像デコーダの処理モード切換えとして利用さ
れる。
【0032】図5は上記のような263ラインの信号を
処理できるVTRの構成を示している。映像デコーダ6
000にてワイド化された映像信号は、記録処理部30
0にて処理され磁気テープ301に記録される。このと
き、同期制御部7000からは、ワイド画面の信号であ
ることの判定信号が得られる。そこでこの判定信号を利
用して記録処理部300にてコントロール信号を変調す
る。これによりワイド画面の信号が記録されたことが識
別信号としてコントロール信号に多重されることにな
る。コントロール信号は、同期用としてはその前縁のタ
イミングのみが利用され、後縁は利用されない。そこで
この前縁から後縁までのデューティーを制御することに
より、コントロール信号にデジタルの情報を多重するこ
とができる。なお、通常の4:3の画面の信号が記録さ
れるときは、上記のような処理は行わない。再生処理部
302は、コントロール信号を管理し、コントロール信
号が所定の変調を受けているときは、ワイド画面の信号
であるものと判定し、ゲート信号発生器303にアクテ
ィブ制御信号を与える。ゲート信号発生器303は、ア
クティブ状態になると、再生処理部302から得られた
輝度信号Yの同期信号を計数して、所定のライン(26
3ライン目)の所定のタイミング(バースト信号位置)
で色信号Cの経路のスイッチ304をオフする。つまり
バースト信号を削除してしまう。このように再生信号を
加工しておくと、図4で示した積分器7606の積分出
力は、ワイド画面の信号が入力したときは所定レベル以
下となり、ワイド/規格サイズ判定信号を得ることがで
きる。
【0033】(ワイド画面EDTV信号識別表示)上記
したシステムは、ワイド画面(16:9)の信号を受信
し処理し表示することができ、また規格サイズ(4:
3)の画面の信号も受信して処理(具体的手段は後述す
る)し表示できる。4:3の画面の信号を表示する場合
は、せっかく備わっている16:9の表示画面を有効に
利用したほうが好ましい。そこで、ワイド画面の信号が
入力しているのか4:3の画面の信号が入力しているの
かを判定し、4:3の画面の信号が入力しているとき
は、図6に示すように垂直方向に伸張し、画面一杯の表
示を得る機能が映像デコーダ6000に設けられてい
る。この機能は、映画等を4:3の画面にすべて映出さ
せるために上下マスク部を設けた信号が伝送されている
場合、あるいはVTRから上下マスク部を有する映画素
材の信号を再生した場合にも利用できる。
【0034】しかし、通常の4:3の放送信号やVTR
再生信号が入力したときに、常に拡大するようにする
と、重要な情報が図6の破線領域に隠れる可能性があ
る。またこのことにユーザは気付かない場合がある。な
お映画素材からの再生信号の場合、もともと破線の領域
はマスク部であるから問題はない。
【0035】そこでこのシステムでは、入力映像信号
が、4:3の画像信号であるのか、16:9の画像信号
であるのかを自動的にインジケータ200で表示できる
ようにするものである。表示制御としては、図3で示し
た標準ワイド判定部7005と非標準ワイド判定部70
06からのワイド/規格サイズ判定信号、サイズ判定信
号が利用される。また標準/非標準判定信号も利用され
る。インジケータ200における表示内容としては、自
己の論理回路あるいはユーザ制御部900の論理判定出
力により、図7に示すようにワイド画面表示、4:3画
面表示、標準信号、非標準信号を区別する表示部を有す
る。
【0036】(音声受信識別表示)上記のシステムは、
従来と同様な方法によるアナログ音声信号と、直交変調
によるデジタル音声信号を受信処理することができる。
デジタル音声信号に伝送においては、帯域圧縮技術を併
用することにより、2チャンネル以上の例えば4チャン
ネルあるいはステレオの2チャンネル同時放送も可能と
なる。
【0037】図8はデジタルデコーダ1008の構成例
を示している。受信信号補正部1004から入力された
音声パケットは、誤り検出訂正部1801で誤り検出及
び訂正処理が施され、帯域圧縮デコーダ1802に入力
されデコードされる。ここでデコードされた音声デ−タ
のうちユーザの希望するチャンネルあるいは方式の音声
デ−タは、D/A変換器1803にてアナログ信号とな
り、スイッチ1010に入力される。
【0038】判定回路1804は、誤り検出訂正部18
01にて誤りが予め決めている以上のノイズが存在する
ような場合、あるいは誤り訂正能力を越えている場合
は、これを判定してロジック回路1009に指令を与え
る回路である。従って、誤りが非常に多い場合は、スイ
ッチ1010は、アナログ系からの音声信号を選択す
る。しかし通常は、スイッチ1010はデジタル系の音
声信号を選択している。誤り訂正された音声デ−タは、
内容識別部1805にも入力されている。内容識別部1
805は、図9に示すように音声デ−タパケットからモ
ード識別符号を読取り、放送内容がどのようなものであ
るのかを判定する。この判定信号はユーザ制御部900
0に入力され、インジケータ200にて表示される。
【0039】音声パケットは、図9のようなフォーマッ
トであり、クロック同期符号、パケット同期符号、モー
ド識別符号、音声デ−タ、誤り訂正デ−タ、直交信号用
GCRを含み、1パケットが約1/60秒のデ−タである。
放送されている音声内容がどのようなものであるかは、
モード識別符号により表されている。直交信号用GCR
は、直交変調信号を復調する際に利用されるもので、ゴ
ーストを検出し、キャンセルするための基準信号であ
る。
【0040】図10は、内容識別部1805により識別
された音声モードを表示するインジケータ200の例で
ある。インジケータ200には、現在デジタル系の音声
信号が出力されているのか、アナログ系の音声信号が出
力されいるのかを示す表示部221、222がある。こ
の表示は、スイッチ1010の選択状態により決まる。
次の段には、現在受信されている音声信号が、モノラル
放送、ステレオ放送、4チャンネルステレオ放送、2重
放送(2か国語放送、2音声放送)、ステレオであって
ステレオが2チャンネル放送されているのかを示すイン
ジケータ223、224、225、226、227の表
示部がある。さらに、また上記放送内容のうちユーザは
いずれのモードを指定しているかを示す表示部228、
229、230、231、232がある。ステレオが2
チャンネル放送されているときは、4チャンネルステレ
オ選択と、主音声の組合わせ、4チャンネルステレオと
副音声の組合わせにより選択切換えが可能である。
【0041】(ワイド画面オーバースキャン設定)従
来、ブラウン管を使用したテレビジョン受像機の高圧回
路では電圧変動があるために、実際に伝送されてくる画
像信号の上下左右を一部欠落させて表示させるいわゆる
オーバースキャンを行っている。しかし、液晶を用いた
ディスプレイでは、ブラウン管のような高圧を用いた表
示方式とは異なるので、高圧変動によるラスタサイズの
変動を考慮しなくてよい。しかし実際には、水平及び垂
直同期信号の再生精度をみると微小な誤差があるために
若干のオーバースキャンを考慮する必要がある。例えば
ゴースト障害があれば同期波形が歪むので再生精度が劣
化する。通常、±2μsの変動が生じる。従って有効水
平期間は52μsであるので±4%程度のオーバースキ
ャンをしなくてはならない。このように送られてくる情
報をすべて画面表示するわけにはいかない。
【0042】ところでワイド画面のEDTV信号では垂
直ブランキング期間に補助同期信号をデジタル信号とし
て多重伝送することにより正確に水平及び垂直同期信号
を再生することが可能である。
【0043】このシステムでは、標準ワイド判定部70
05の判定信号を用いて映像デコーダ6000内部にあ
る水平方向の圧縮、垂直方向の伸張処理を制御して標準
ワイド信号と判定されたときに限り、オーバースキャン
のない伸張圧縮を実現するものである。しかしこれ以外
の場合は、±4%程度のオーバースキャンを行うように
設定する。このオーバースヤンを実現するには、映像デ
コーダにおける水平、垂直圧伸処理におけるメモリ制御
を切換えることで実現できるが、液晶ディスプレイを用
いた場合は、液晶デイィプレイにおけるドライバーの映
像サンプリング期間とクロックを切換えることにより可
能である。
【0044】(S/N改善、DCオフセット改善デジタ
ル伝送システム)図11は、同相/直交検波部1003
の具体的構成例を示している。PIF回路1002から
の映像信号は、乗算器1301、1302、搬送波再生
部1303に入力される。搬送波再生部1303は、位
相ロックループを用いた狭帯域通過フィルタとして動作
し、搬送波を抽出して映像搬送波と同相の再生キャリア
を出力する。再生キャリアは乗算器1302に入力され
ることにより映像検波を行い、また90°移相器130
4を介して乗算器1301に入力されることにより、デ
ジタル音声検波を行う。
【0045】ところで同相/直交検波部1003におい
て、搬送波再生部1303で再生される再生搬送波で
は、搬送波周波数近傍の雑音成分を除去できない。従っ
て、復調出力の低域のS/Nは高域に比べて幾分劣って
いる。また再生部における回路が直流成分まで通過させ
るような場合直流オフセットが発生する。直流オフセッ
トは、自動等化動作の安定性を著しく低下させることが
知られている。
【0046】そこでこのシステムでは、同相/直交検波
部1003の搬送波再生部1303の上記不具合点に影
響を受けないような、受信信号補正部1004を実現し
ている。
【0047】図12は、受信信号補正部1004の具体
的構成例を示している。
【0048】この受信信号補正部1004は、上記低域
(直流)付近のS/N改善と、直流オフセットによる問
題点を改善している。まず、受信信号補正部1004を
説明する前に図13、図14を参照して、映像信号とデ
ジタル音声信号の同相直交変調側と、音声デ−タのスペ
クトルについて説明する。
【0049】図13において、映像信号は、映像搬送波
発生器103からの映像搬送波により乗算器101と加
算器102で、AM変調される。デジタル音声信号は、
音声帯域圧縮エンコーダ105にて帯域圧縮処理が施さ
れ、直流抑圧コード変換部106にて直流成分の抑圧が
なされる。このコード変換はコンパクトディスクの信号
処理において実用化されている技術であり、この変換を
うけると図14の一点鎖線でに示すようなスペクトルと
なる。直流抑圧コード変換部106の出力は、基準GC
R0信号発生器107からのGCR0信号が適宜期間で
多重され、モジュロ2の加算器109と遅延器110に
より構成される巡回形フィルタでプリコードされる。デ
−タのクロック周波数をfckとするとき、遅延器110
の遅延量Tckを2×Tck=2×(1/fck) としてい
る。このフィルタ出力は、図14の破線で示すような特
性(コサイン(cos )特性)を持つスペクトル整形フィ
ルタ111で整形さる。従って、このフィルタ出力は、
図14の実線で示すようなスペクトルとなる。スペクト
ル整形フィルタ111の出力は、乗算器112にて直交
変調され、搬送波抑圧AM信号となり、加算器104に
入力される。ここで使用される変調キャリアは、映像搬
送波発生器103の出力を90°移相器113により9
0°移相したものである。加算器104では、AM変調
された音声信号とAM変調された映像信号とが加算され
VSBフィルタ114に供給され、さらにスペクトル整
形され送信される。
【0050】図12に戻って説明する。
【0051】上記のように伝送されてきた直交多重信号
は、同相及び直交検波されたのち受信信号補正部100
4に入力される。図11に示す同相/直交検波部100
3内の乗算器1302から供給された、同期検波された
映像信号は、A/D変換器1401にてデジタル化され
映像信号用ゴーストキャンセル部1402に入力されゴ
ースト除去される。ゴースト除去された映像信号は映像
デコーダ6000に入力される。さらに同相検波後の入
力映像信号は、遅延器1404と減算器1405で構成
される差分器1403において直流成分が除去される。
この差分器1403の出力は、低域通過フィルタ(LP
F)1406で所要帯域外の雑音を除去されたのちA/
D変換器1407にてデジタル化される。このデジタル
化信号は、トランスバーサルフィルタ1408と制御部
1409に入力される。制御部1409には、映像ゴー
ストキャンセル用の基準GCR1と音声系の加算器14
28の出力との差を減算器1410で求めた信号も供給
されている。基準GCR1信号は、メモリ1411に格
納されている。これにより、音声系に洩れ込んでいる映
像系からの成分を検出し、トランスバーサルフィルタ1
408のタップ位置及び係数を制御してゴーストキャン
セル用信号をトランスバーサルフィルタ1408から出
力させる。
【0052】一方、図11に示す同相/直交検波部10
03内の乗算器1301から供給された、直交検波され
たデジタル音声信号は、遅延器1421と減算器142
3からなる差分器1420にて直流成分が除去され、低
域通過フィルタ(LPF)1424で所要帯域外の雑音
を除去されたのちA/D変換器1425に入力され波形
整形されたデジタル信号となる。このデジタル音声信号
は、トランスバーサルフィルタ1426と制御部142
7に入力される。制御部1427には、音声信号のゴー
ストキャンセル用の基準GCR0信号と加算器1428
の出力との差を減算器1429で求めた信号も入力され
ている。基準GCR0信号は、メモリ1430に格納さ
れている。これにより、制御部1427は、加算器14
28の出力に残存しているゴースト信号を検出し、トラ
ンスバーサルフィルタ1426を制御して波形等化を行
わせる。基準GCR0信号は、伝送側の基準GCR0信
号と全く同じパターンである。そして減算器1429の
出力が最小となるようにトランスバーサルフィルタ14
26が制御される。トランスバーサルフィルタ1426
の出力は、加算器1428により、映像系から洩れ込ん
でいる映像成分が除去されてデジタルデコーダ1008
に入力される。
【0053】上記したデジタル処理方法によると、A/
D変換器1407、1425へ入力する信号は、それぞ
れの前段で差分器により直流成分が除去されている。よ
って直流(低域)近傍の周波数成分の雑音を除去するこ
とができ出力のS/N向上を得ることができる。また、
この直流除去を行うことから、トランスバーサルフィル
タ1408、1426における等化処理が極めて安定し
た正確な動作で実現される。
【0054】(2次元波形等化システム)映像信号は、
帯域が4.2MHz 必要であり現在の放送に用いられてい
る基準信号も4fsc(fsc:色副搬送波周波数)のサン
プリングで定義されており、映像信号用のデジタル変換
には4fscが用いられる。一方、直交検波信号は、1MH
z 以下の低域に限定されており、しかもデ−タクロック
周波数fckでデジタル処理される。このために上述した
受信信号補正部1004においては、各トランスバーサ
ルフィルタ部で規定のレートで信号をデジタル処理する
ために映像信号用のA/D変換器1401、直交検波信
号用のA/D変換器1407、1425の3つが必要で
ある。
【0055】図15は、受信信号補正部1004の他の
実施例である。この回路は、使用するA/D変換器の数
を低減している。図12と同じ回路部には図12と同一
符号を付している。図12の回路と異なる部分を中心に
説明すると以下の通りである。同相検波された映像信号
は、低域通過フィルタ(LPF)1440で帯域制限さ
れA/D変換器1441でデジタル化される。また直交
検波されたデジタル音声信号は、低域通過フィルタ(L
PF)1443で帯域制限されてA/D変換器1444
でデジタル化される。A/D変換器1441の出力は、
クロック再生部1442に入力される。クロック再生部
1442は、バースト信号に位相同期した連続クロック
4fscを発生し、A/D変換器1441に供給してい
る。またこのクロック4fscは、分周器1445で分周
されて(2/5)fscのクロックfckとなりA/D変換器1
444に供給される。
【0056】A/D変換器1441の出力は、映像信号
処理系のトランスバーサルフィルタ1446と制御部1
447に入力されるとともに、クロストークキャンセル
系の低域通過フィルタ1451に入力される。映像信号
処理系の制御部1447には、基準GCR1´信号を差
分回路1448の出力から減算した信号が、減算器14
49から入力されている。差分回路1448は、トラン
スバーサルフィルタ1446の出力の差分演算を行い直
流成分を除去して出力している。制御部1447は直流
成分が除去された映像信号を用いているので、安定して
残留ゴーストを検出し、トランスバーサルフィルタ14
46のタップ位置及び係数を制御している。これにより
トランスバーサルフィルタ1446からは、波形等化さ
れゴーストの除去された映像信号が出力され映像デコー
ダ6000に入力される。基準GCR1´信号はメモリ
1450に格納されている。
【0057】A/D変換器1441の出力は、低域通過
フィルタ1451を介してサンプル変換器1452に入
力される。このサンプル変換器1452は、サンプルレ
ートを変換して、A/D変換器1444側のサンプルレ
ートと同じレートの出力信号を得る。サンプル変換器1
452の出力は、遅延器1454と減算器1455で構
成される差分器1453にて直流成分が除去される。従
って、直流近傍の雑音の抑圧された信号としてトランス
バーサルフィルタ1408と制御部1409に入力され
る。この後の処理は、図12で説明した通りである。
【0058】A/D変換器1444の出力は、遅延器1
461と減算器1462により構成される差分器146
0にて直流成分が除去される。従って、この差分器14
60の出力も直流近傍の雑音の抑圧された信号としてS
/Nが向上しており、トランスバーサルフィルタ142
6と制御部1427に入力される。この後の処理は図1
2で説明した通りである。
【0059】上記したように図15の受信信号補正部1
004によると、サンプル変換器1452をクロストー
クキャンセル信号作成経路に挿入しているために、映像
信号処理系のA/D変換器1441の出力を用いること
ができる。従って図12の回路に比べてA/D変換器は
2つで足りる。また、差分器1453、1460、差分
回路1448を設けているので、図12の回路と同様
に、直流近傍のS/Nを向上でき、かつ直流オフセット
に影響を受けないゴースト除去処理が可能となる。また
全デジタル処理であり極めて安定した動作が得られる。
【0060】(音声自動切換えシステム)上記のシステ
ムにおいて、図13に示した音声信号のデジタル直交多
重伝送方式では、現行受像機への妨害をなくすために加
算器104に入力される音声側のAM信号の振幅レベル
を低く抑える必要がある。例えば映像信号に比べて約1/
10以下に抑える必要がある。このために、弱電界地域で
の受信では、映像信号は再生できてもデジタル音声は再
生できなくなることがある。
【0061】従って、上記システムでは、図8で説明し
たようにスイッチ1010を設けてデジタル音声信号に
誤り率が多いような場合は、スイッチ1010によりア
ナログ系の音声信号を自動的に選択できるようになって
いる。
【0062】(現行方式信号の水平圧縮表示処理システ
ム)上述した図1のシステムを用いて現行方式(NTS
C方式)の信号(アスペクト比4:3)を受信処理して
表示する場合、できるだけ16:9のアスペクト比の画
面に一杯に表示したほうがよい。すなわち、図16に示
すように、16:9の画面の中央部に上下が切れること
なく4:3の画面を表示したほうが、ワイドスクリーン
を有効に活用できる。そこでこのシステムでは、映像デ
コーダ6000の内部に図17に示すような回路を設け
るものである。
【0063】図17において、入力端子6001に入力
された映像信号は、輝度色(Y/C)分離部6002と
中間方式デコーダ6010に入力される。Y/C分離部
6002で分離された輝度信号は、中間方式デコーダ6
010及びNTSC順次走査変換部6004を構成する
水平圧縮部6005に入力されると共に、分離された色
信号は色復調部6003へ出力される。また、Y/C分
離部6002で分離され、色復調部6003により復調
された色信号も、中間方式デコーダ6010とNTSC
順次走査変換部6004の水平圧縮部6005に入力さ
れる。
【0064】入力映像信号が中間方式のものであった場
合、中間方式デコーダ6010では、ワイド画面の信号
に変換する処理が行われ、ワイド画面の信号(輝度Y
と、色差信号(R−Y)、(B−Y)またはI、Q信
号)がセレクタ6008により選択されて導出されディ
スプレイ補正部6009に入力される。このディスプレ
イ補正部6009の出力がディスプレイ8000に供給
される。入力映像信号がNTSC方式である場合、セレ
クタ6008はNTSC順次走査変換部6004の出力
を選択導出する。NTSC順次走査変換部6004は、
水平圧縮部6005とこの水平圧縮部6005の出力を
動き適応走査線変換して高品位テレビジョン信号の走査
線数と同数にする動き適応走査線変換部6007からな
る。セレクタ6008の制御は、入力映像信号の種類を
識別している同期制御部7000からの制御信号により
実行されている。
【0065】図18は、水平圧縮部6005の具体的構
成例である。この例は輝度信号の系統のみを示してい
る。輝度信号は水平方向の帯域制限を行う低域通過フィ
ルタ6501を介してサンプル間引き部6502に入力
される。ここで圧縮率に応じてサンプルが間引きされバ
ッファメモリ6503に入力される。バッファメモリ6
503には、入力に同期した書込みクロックにより書込
みが行われるが、読出しは、図16に示した水平方向の
割合が4となる期間で、ワイド画面表示に従った読出し
クロックで読み出される。図19は間引きサンプルの例
であり丸印はサンプリングデ−タである。
【0066】図20は、動き適応走査線変換部6007
の具体的構成例である。
【0067】水平圧縮された輝度信号Yは動き検出部6
701に入力されると共に、フィールド内補間部670
2、フィールド間補間部6703、倍速変換部6705
に入力される。フィールド内補間部6702とフィール
ド間補間部6703で得られた補間信号は、動き検出部
6701からの動き検出信号に応じて混合部6704で
混合され、動き適応補間信号として倍速変換部6705
に入力される。混合部6704は、動き検出部6701
からの動き検出信号が静画を示す場合はフィールド間補
間部6703の出力の割合を多くし、動画を示す場合は
フィールド内補間部6702の出力の割合を多くしてい
る。倍速変換部6705は、補間により作成された補間
信号と直接入力した信号とを水平方向に倍速に変換し、
交互に選択導出する。これにより順次走査に変換された
輝度信号が得られワイド画面のディスプレイにおいて表
示可能となる。色信号側においても同様な混合により補
間信号が作られる。水平圧縮された色信号I,Qは動き
検出部6701に入力されると共に、フィールド内補間
部6706、フィールド間補間部6707、倍速変換部
6709に入力される。フィールド内補間部6706と
フィールド間補間部6707で得られた補間信号は、動
き検出部6701からの動き検出信号に応じて混合部6
708で混合され、動き適応補間信号として倍速変換部
6709に入力される。
【0068】図21と図22は、フィールド内補間処理
と、フィールド間補間処理の原理説明図である。フィー
ルド内処理では、補間走査線Xは、同一フィールドの上
下の走査線A,Bを用いて生成される。フィールド間処
理では、補間走査線Xは、前フィールドの走査線Cを用
いて補間される。
【0069】図23は図20に示す動き検出部6701
の具体的構成例である。
【0070】輝度信号はフレーム遅延器6720と減算
器6721に入力される。減算器6721は、フレーム
遅延器6720の入力側と出力側の信号の減算処理を行
い、1フレーム間の差分信号を得る。差分信号は低域通
過フィルタ6722に入力されて水平低域成分を抽出さ
れ、絶対値回路6723に入力されて絶対値がとられ、
その絶対値は最大値回路6724に入力される。一方、
色信号は、フレーム遅延器6725、6726により2
フレーム遅延され減算器6728に入力される。減算器
6728では2フレーム遅延信号と直接入力信号との差
分がとられ、その2フレーム間差分信号は、低域通過フ
ィルタ6729を介して絶対値回路6730に入力され
絶対値がとられる。この絶対値は先の最大値回路672
4に入力される。よって最大値回路6724には、輝度
信号の動きを示す信号と色信号の動きを示す信号が入力
されることになる。この動き信号の最大値を得ることに
より、輝度信号あるいは色信号のいずれかに動きがある
ときは動画としての判定信号が得られる。時空間伸張部
6731は、動き信号を時間方向および空間方向に広げ
て動きの検出もれを防ぐ回路である。この時空間伸張の
例としては、図24に示すように動き信号Xをa〜fに
広げるものがある。つまり図24は縦方向にフィール
ド、横方向に時間方向を示しており丸印が走査線であ
る。そして各丸印の間のa〜fの期間では動画を示す動
き信号Xが伸張されて出力されていることを示してい
る。
【0071】図25は図20に示す倍速変換部6705
の具体的構成例である。
【0072】直接輝度信号と、補間輝度信号とは、切替
え回路6741に入力される、ライン毎にラインメモリ
6742と6743に振り分けられる。ラインメモリ6
742と6743のデ−タは書込み時の2倍のクロック
レートで読み出され、切替え回路6744により交互に
選択されて導出される。
【0073】上記した映像デコーダの実施例によると、
受信した信号に応じて表示アスペクト比を切換えて表示
することができる。現行のNTSC方式の信号もワイド
画面の中央部に上下が切れることなく大きく表示するこ
とができる。また、現行方式の水平走査周波数をワイド
画面の信号と同じになるように走査線数変換しているの
で中間方式の信号を表示するときと水平周波数が同じで
あり水平ドライブ回路を共通に利用できる。
【0074】(現行方式信号の垂直伸張表示処理システ
ム)上述した図1のシステムを用いて現行方式(NTS
C方式)の信号(アスペクト比4:3)を受信処理して
表示する場合、できるだけ16:9のアスペクト比の画
面に一杯に表示したほうがよい。そこで図26に示すよ
うに16:9の画面に4:3の画面の上下をカットして
表示したほうが、ワイドスクリーンを有効に活用でき
る。この場合は、4:3の画面を垂直方向に伸張するの
で上下部分は見えなくなる。そこでこのシステムでは、
画像デコーダ6000の内部に図27に示すような回路
を設けるものである。
【0075】この実施例が図17の実施例と異なる部分
は、NTSC順次走査変換部6004の構成である。従
って、NTSC順次走査変換部6004の構成を説明す
る。このNTSC順次走査変換部6004は、まずY/
C分離部6002と色復調部6003からの輝度信号及
び色信号が動き適応走査線変換部6007に入力され、
動き適応走査線変換された信号が垂直伸張部6012に
入力されるようになっている。動き適応走査線変換部6
007は、図20で説明した構成と同じである。
【0076】図28は垂直伸張の原理を示している。
4:3のアスペクト比の画面の信号をを16:9のアス
ペクト比の画面に表示するには、4:3の画面の信号の
上下の不要不分のラインを捨てて(図28の斜線部
分)、残りの525本×(3/4) の走査線から525本の
走査線を生成している。このため走査線3本から4本を
生成する必要がある。図28のA1〜A4は元の走査線
でありB1〜B5は新しい走査線であり、矢印に付記し
ている値は倍率である。例えばB2の走査線を作るとき
は走査線A1を(1/4) 倍、走査線A2を(3/4) して加算
している。
【0077】図29は、図27に示す垂直伸張部601
2の具体的構成例であり、映像信号はフィールドメモリ
6013に入力される。メモリ制御部6014は、水平
同期信号及び垂直同期信号に同期したクロックによりフ
ィールドメモリ6013の書込み読出し動作を制御する
もので、図28に示した斜線の部分を除いた信号がフィ
ールドメモリ6013に書込まれるように制御する。フ
ィールドメモリ6013の出力は、ラインメモリ601
5を介して係数器6016に入力されるとともに、直接
係数器6017に入力される。係数器6016と601
7には、係数発生器6019から、図28に示したよう
な係数が各出力走査線に対して与えられる。係数期60
16と6017の出力は加算器6018に入力されて加
算され、変換された走査線Bを得ることができる。図3
0は、上記の垂直伸張部6012の動作タイミングチャ
ートである。フィールドメモリ6013の読出しは、走
査線3本分を読出した後、走査線1本分出力を停止する
という動作であり、このとき係数発生器6019は、ラ
インメモリ6015の書込みを停止し、前ラインをもう
一度読み出すというような制御である。この読出しに同
期して係数器6016と6017の各係数が係数発生器
6019により切換えられる。この垂直伸張部6012
は図27では、動き適応走査線変換部6007の後段に
設けられたが、この順序は逆であっても何等問題はな
い。
【0078】上記したように、この実施例によると、現
行方式の信号を受信処理したときに、ワイド画面の広さ
を有効に活用できる。また、現行方式の水平走査周波数
をワイド画面の信号と同じになるように走査線数変換し
ているので中間方式の信号を表示するときと水平周波数
が同じであり水平ドライブ回路を共通に利用できる。ま
た、入力映像信号がフィルム映画を録画しており最初か
ら上下に不要な黒マスク部が生じているような信号の場
合、上記の実施例であると、画面一杯に映像を表示する
ことができる。
【0079】(ワイド画面ディスプレイのPOP表示シ
ステム1)上述した図1のシステムを用いて現行方式
(NTSC方式)の信号(アスペクト比4:3)を受信
処理して表示する場合、できるだけ16:9のアスペク
ト比の画面に一杯に表示したほうがよい。ところが、ア
スペクト比16:9の画面に4:3のアスペクト比の信
号の画面を表示すると、元の画面上下の情報が欠けた
り、あるいはワイド画面左右に余白部が生じる。つま
り、4:3のアスペクト比の信号を、ワイド画面(1
6:9)の垂直方向の高さに合わせて変換した場合、ワ
イド画面の左右には映像情報のない余白部が生じる。ま
た、ワイド画面の水平方向の長さに合わせて表示しよう
とすると、もとの信号の上下の情報が欠けてしまう。
【0080】そこで、この実施例では、ワイド画面のデ
ィスプレイの表示領域を有効に活用できるようにしてい
る。
【0081】図31は映像デコーダのさらに他の実施例
である。入力端子61001には副画面信号が供給さ
れ、入力端子62001には主画面信号が供給される。
主画面信号処理部から説明する。主画面信号処理部は、
図17で説明したデコーダと同様な構成であり、Y/C
分離部62002、色復調部62003、中間方式デコ
ーダ62010、水平圧縮部62005、順次走査変換
部62007、セレクタ62008、同期制御部703
1などから構成されている。同期制御部7031は、N
TSC方式の信号が入力したときは、水平圧縮して順次
走査に変換された信号をセレクタ62008により選択
させ、中間方式の信号が入力されているときは中間方式
デコーダ62010の出力であるワイド画面の信号をセ
レクタ62008に選択させる。このセレクタ6200
8の出力は合成部62020に入力される。
【0082】副画面信号処理部は、Y/C分離部610
02、色復調部61003、中間方式デコーダ6101
0、セレクタ61008、水平垂直圧縮部61011、
同期制御部7021などにより構成されている。副画面
信号処理部は、主画面信号処理部に比べて、Y/C分離
部61002、色復調部61003からの出力が、直接
セレクタ61008に入力されている。またセレクタ6
1008の出力は、水平垂直圧縮部61011により水
平垂直圧縮処理を受けて合成部62020に入力され
る。図面では、副画面信号処理部は、1つを示している
が、複数の副画面処理部が並列に設けられ、各処理部で
処理され副画面信号が合成部62020に入力される。
合成部62020の出力は、ディスプレイ補正部600
9に入力される。
【0083】今、主画面信号処理部の入力端子6200
1に中間方式の信号が入力されているものとする。この
場合は、中間方式デコーダ62010から得られたワイ
ド画面の信号がセレクタ62008により選択される。
このときは、ディスプレイの画面には本来の中間方式信
号をデコードした16:9のアスペクト比の映像が表示
されるので、副画面側の信号は選択されない。この制御
は、同期制御部7031による判定信号により行われ
る。
【0084】次に、主画面信号としてNTSC方式の信
号が入力したとする。すると、Y/C分離部62002
と色復調部62003の出力は、水平圧縮部62005
にて水平圧縮され、次に、順次走査線変換部62007
にて走査線変換を受けてセレクタ62008から取り出
される。このときの信号をそのまま表示すれば、16:
9のワイド画面には余白部が生じる。ここで、副画面信
号としてNTSC方式の信号が入力されたとする。する
と、このことは、同期制御部7021により判定され、
セレクタ61008は、Y/C分離部61002と色復
調部61003からの信号を選択導出する。この導出さ
れた信号は、水平垂直圧縮部61011において、水平
方向及び垂直方向の圧縮処理をうけてワイド画面の余白
部に納まる画面の信号となり合成部62020に入力さ
れる。主画面と副画面が表示されたワイド画面は、図3
2(a)、または(b)に示すようになる。図32
(a)は、副画面の信号を水平垂直圧縮する場合に、
9:16のアスペクト比になるように圧縮した例であ
り、4つの副画面処理部の信号を表示した例である。ま
た同図(b)は、副画面の信号を水平垂直方向に圧縮す
る場合4:3のアスペクト比になるように圧縮した例で
あり、この場合は3つの副画面処理部の信号を表示でき
る。副画面のアスペクト比を16:9、あるい4:3の
いずれに設定するかは、ユーザ制御部からの指示で水平
垂直の圧縮率の切り替えにより実現されている。また、
副画面信号処理部に中間方式の信号が入力した場合に
も、中間方式デコーダ61010にてデコードされたワ
イド画面の信号が、水平垂直圧縮部61011にて圧縮
され、図32のような表示を得ることができる。
【0085】中間方式の信号、NTSC方式の信号が副
画面信号として処理される場合、いずれの方式であって
も水平方向の圧縮比は同じであるが、垂直方向の圧縮比
は異なる。水平方向の圧縮比は1/4 であるが、中間方式
信号の場合には垂直方向に1/4 圧縮するが、NTSC方
式信号の場合には1/3 に圧縮される。ただし、順次走査
線変換によりフィールド当たりの走査線数は倍となるの
で、走査線数の変換比は中間方式信号の場合1/2 、NT
SC方式信号の場合2/3 である。
【0086】図33は、図31に示す水平垂直圧縮部6
1011の具体例である。
【0087】セレクタ61008からの信号は、水平圧
縮回路61012に入力される。この水平圧縮回路61
012は、図18、図19で説明したものと同じであ
る。入力信号を低域通過フィルタで帯域制限したのちサ
ンプル間引き回路で水平方向のサンプル点を間引きして
いる。中間方式の信号を図32(a)のように表示する
場合、水平方向のサンプル点を1/4 として1/4 倍に圧縮
している。よってサンプル周波数は1/4 となり原信号の
1/4 の周波数帯域以上の成分は折り返し成分となる。こ
の折り返し成分による歪みを抑えるために、予め間引き
の前に低域通過フィルタにより帯域制限を施している。
このサンプル間引き回路は、サンプル点を4つに1つ取
り込むことでサンプル数を1/4 にしている。
【0088】水平圧縮処理を受けた信号は、垂直圧縮回
路61013に入力される。図34は、垂直圧縮回路6
1013の具体的構成例である。水平圧縮処理を受けた
信号は、入力端子61031を介して、ラインメモリ6
1032、係数器61034、セレクタ61036に入
力される。ラインメモリ61032の出力は、係数器6
1033で1/2 倍されて加算器61035に入力され、
1/2 倍の係数器61034の出力と加算される。加算器
61035の出力はセレクタ61036に入力される。
セレクタ61036は、水平及び垂直同期信号に同期し
たラインカウンタ61037からの切換え信号により入
力端子61031と加算器61035の出力を交互に選
択導出している。
【0089】図35(a)は、NTSC方式の信号が副
画面信号として処理されるときの垂直圧縮原理を示して
いる。垂直圧縮は、水平走査線数を垂直方向の圧縮比に
合わせて減らすもので、原理は水平圧縮と同じであるが
垂直のフィルタリングにはライメモリを必要とする。よ
って回路規模が大きくなるので簡易な方法が良い。副画
面信号処理の場合は、画面サイズが小さいので簡易な方
法であっても問題はない。NTSC方式の信号が処理さ
れるときは、3本から2本への変換が行われる。図35
(a)の例では走査線a,bのそれぞれ1/2 係数を乗じ
て走査線a´を生成し、走査線cはそのまま出力し走査
線b´となす変換を繰り返して行っている。中間方式信
号を垂直圧縮する場合には、図35(b)に示すよう
に、各走査線に1/2 係数を乗じ、走査線a,bから走査
線a´を生成し、走査線c,dから走査線b´を生成す
るようにしている。図34のラインカウンタ61037
は、同期制御部からの識別信号によりカウント動作を切
換える。このカウント値によりセレクタ61036の選
択が切替わる。
【0090】図33に戻って説明する。垂直圧縮回路6
1013の出力は、セレクタ61014に入力される。
セレクタ61014は、タイミング制御部61018の
制御に基き入力信号をフィールドメモリ61015と6
1016に供給する。フィールドメモリ61015と6
1016及びその出力を選択するセレクタ61017も
タイミング制御部61018からのタイミング信号によ
り制御されている。書込み処理は副画面信号に同期して
行われ、読出し処理は主画面と合成して表示するために
主画面信号に同期して行われる。
【0091】図36は上記フィールドメモリ61015
と61016の書込み読出しタイミングを示しており、
Wが書込みタイミングチャート、Rが読出しタイミング
チャートである。セレクタ61014は、書込み状態に
あるメモリに対して入力信号を導入し、セレクタ610
17は読出し状態にあるメモリの出力を導出する。
【0092】図31に示す水平垂直圧縮部61011の
圧縮動作は、中間方式とNTSC方式のいずれの信号を
副画面として図32に示したように表示するのにも同じ
動作である。図34の垂直圧縮回路61013は、常に
図35(a)に示した変換動作を行うことになる。この
ときは、中間方式とNTSC方式の識別信号によりライ
ンカウンタ61037のカウント動作を切換える必要が
ないので、ラインカウンタの構成は簡単になる。
【0093】図37は、やはり図32(b)に示すよう
に副画面の表示を4:3で表示させる場合の水平垂直圧
縮部の他の実施例である。図33の回路と共通する部分
には図33と同一符号を付している。図33の回路と異
なる部分は、水平圧縮回路61012の前段にエリア切
出し回路61041が設けられていることと、このエリ
ア切出し回路61041を制御する表示エリア発生回路
61042が設けられている点である。表示エリア発生
回路61042には、副画面に同期している同期信号が
入力されており、16:9のアスペクト比の画面の信号
が入力した場合、4:3のアスペクト比の画面の信号と
なるように、エリア切出し回路61041の導通期間を
制御している。4:3の画面の信号(NTSC方式)が
入力した場合はエリア切出し回路61041はそのまま
取込めばよい。この実施例では、水平圧縮回路6101
2,垂直圧縮回路61013はいずれの方式の信号が入
力されても常に同じ圧縮処理を行えばよく、垂直圧縮回
路61013の構成は、簡単になる。また、中間方式の
信号が副画面に変換処理された場合、横方向に圧縮され
た縦長の画像とならないので視覚上都合がよい。
【0094】上記したように、この映像デコーダによる
と、中間方式の受像システムに現行方式の信号による画
像を表示させる場合、表示画面の余白部に中間方式ある
いは現行方式の信号を副画面として映出することがで
き、ワイド画面を有効に活用できる。また、図32
(b)に示すような副画面の表示形態にすると図34、
図37で説明したように垂直圧縮回路61013の構成
を簡単に実現できる。また特に、図37の回路構成であ
ると、垂直圧縮回路61013の構成は各方式で共通化
でき表示画面が縦長とならないという利点がある。
【0095】(ワイド画面ディスプレイのPOP表示シ
ステム2)上述したように現行方式の4:3のアスペク
ト比の信号を水平方向に圧縮して、ワイド画面対応のデ
ィスプレイに表示し、余った余白部に副画面を表示させ
る場合、上記した実施例では、主画面信号処理部と副画
面信号処理部のそれぞれに中間方式デコーダを設けてい
る。中間方式デコーダを複数用意すると、高価な回路と
なってしまう。
【0096】ここで副画面の映像に着目すると、副画面
は図32(b)に示した表示であるとワイド画面対応デ
ィスプレイの表示面に対して1/12の大きさである。従っ
て中間方式信号を副画面として表示する場合であって
も、左右あるいは上下の情報が欠落しても実用上はさほ
ど問題とならい。
【0097】そこで次の実施例では、ワイド画面を有効
に活用する場合、中間方式デコーダの使用数を最小限で
実現できるようにしたものである。
【0098】図38は、中間方式デコーダの使用数を最
小とし、主画面信号処理と副画面信号処理部を備えた映
像デコーダである。この実施例の主画面信号処理部は図
31に示した実施例と同じであるから、図31と同一符
号を各部に付している。この実施例では、副画面信号処
理部が先の実施例と異なるので、この部分を説明する。
入力端子63001には副画面信号(NTSC方式信号
あるいは中間方式信号)が入力される。この副画面信号
は、Y/C分離部63002と同期制御部63012に
入力される。Y/C分離部63002で分離された色信
号は、色復調部63003に入力され、輝度信号は水平
垂直圧縮部63011に入力される。またこの水平垂直
圧縮部63011には、復調された色信号もY/C分離
部63002から入力されている。水平垂直圧縮部63
011で圧縮された(4:3のアスペクト比)信号は、
合成部62020に入力される。この回路の各ブロック
の具体例は、前述した通りである。主画面信号処理部の
水平圧縮部62005は、図18で説明され、動き適応
走査線変換部62007は図20において説明されてい
る。この実施例では、副画面信号処理部の水平垂直圧縮
部63011の構成としては、図37で説明した回路が
採用されている。なお図面では1つの副画面信号処理部
を示しているが実際には並列に複数の副画面信号処理部
が設けられる。図37に示した水平垂直圧縮部6301
1の特徴は、表示エリア発生部61042とエリア切出
し回路61041を設けており、予め水平垂直圧縮領域
を取出している点である。
【0099】この回路を用いて、図32(b)に示す表
示形態をとるものとすると、水平垂直圧縮部63011
における水平方向の圧縮比は1/4 とすればよい。また垂
直方向の圧縮比は、走査線数を3本から2本に変換する
圧縮であり図35(a)に示したような圧縮が行われ
る。
【0100】この実施例によると、ワイド画面に現行方
式による画面の信号を表示したときに生じる余白部に副
画面を表示するのであるが、余白部には現行方式の信号
画面あるいは中間方式の信号画面を副画面として表示さ
せることができる。この場合、副画面処理部は、中間方
式デコーダを備えなくてもよく、システムの経費節減を
得ることができる。
【0101】(ワイド画面に生じる余白部への文字図形
情報表示)上述したように現行方式の4:3のアスペク
ト比の信号を水平方向に圧縮して、ワイド画面対応のデ
ィスプレイに表示した場合、ワイド画面には余白部が生
じる。上記の実施例ではこの余白部に副画面を表示する
例を示した。しかし、余白部の利用方法には、各種の利
用形態が可能である。
【0102】そこで次の実施例では、余白部に文字図形
などの情報を表示できるようにしたものである。
【0103】図39はさらに他の実施例を示している。
図において図31の回路と同一部分に同一符号を付して
説明する。主画面処理部は、変わりはないために図31
の主画面処理部を1つのブロックで示している。従っ
て、図31の回路の構成にさらに追加されている部分を
説明する。主画面信号の入力端子62001は、文字多
重デコーダ64001に接続されている。文字多重デコ
ーダ64001は、主画面信号に多重されている文字多
重信号をデコードしてデコードしたR,G,B信号をセ
レクタ64002に入力する。このセレクタ64002
にはさらに、パーソナルコンピュータなどから外部接続
端子を介して文字図形などのR,G,B信号を入力する
こともできる。セレクタ64002は、ユーザ制御部か
らの指令信号により入力を選択し、マトリックス回路6
4003に入力する。マトリックス回路64003は、
入力したR,G,B信号をマトリックス演算して、輝度
信号Y、色信号I,Qを作成してセレクタ61008に
入力する。このセレクタ61008には、中間方式デコ
ーダ61010の出力、Y/C分離部61002、色復
調部61003の出力も入力されている。セレクタ61
008は、同期制御部7021により副画面信号が中間
方式の信号の場合と現行NTSC方式の信号の場合とで
中間方式デコーダの出力とY/C分離部61002、色
復調部61003の出力との切換えを行うが、ユーザ制
御部からの指令によりマトリックス回路64003の出
力選択状態に切替わることができる。セレクタ6100
8の出力は、図33あるいは図37に示したような水平
垂直圧縮部61011に入力されて、4:3の副画面の
信号に変換され、合成部62020に入力される。この
合成部62020には、さらに文字図形発生部6400
4からの信号も入力されている。この文字図形発生部6
4004は、例えばチャンネル選択動作に応答し、チャ
ンネル番号表示データを発生する。チャンネル番号とし
ては、主画面の選択状況、副画面の選択状況などがあ
り、副画面ではさらに第1副画面、第2副画面などのチ
ャンネル番号表示がある。また、ユーザ制御部からの情
報を受けて、図形情報としてはコントラスト、明るさ、
色の濃さ、色あい、シャープネス、音量、温室、バラン
スなどの映像回路あるいは音声回路設定を示す情報があ
り、また映像端子番号などを表示してもよい。
【0104】上記の実施例によると、ワイド画面に生じ
た余白部に、文字、図形情報などを映出し、有効に利用
することができる。また文字、図形情報の表示によりシ
ステムの操作や取扱いを便利にすることができる。これ
は、ユーザが操作に困ったような場合に、文字図形発生
部を利用して、操作の手順などを表示できるようにする
からである。さらにまた、操作のヒストリーチェックを
行う場合にも、システムの制御マイコンにより過去の操
作内容を文字コードデータとして格納しておき、チック
を行う場合に読み出すようにすることで用意にチェック
が可能である。副画面の表示形態としては図32に示し
たような形態がある。
【0105】(ワイド画面の余白部への音量表示システ
ム)上述したように現行方式の4:3のアスペクト比の
信号を水平方向に圧縮して垂直方向にアスペクト比を合
わせ、ワイド画面対応のディスプレイに表示した場合、
ワイド画面には水平方向に余白部が生じる。上記の実施
例ではこの余白部に副画面を表示する例を示した。しか
し、余白部の利用方法には、各種の利用形態が可能であ
る。
【0106】この実施例は、余白部を利用して音量を表
示しようとするものである。
【0107】図40は、音量表示を実現すための映像デ
コーダの実施例である。主画面処理部は、変わりはない
ために図31の主画面処理部を1つのブロックで示して
いる。セレクタ2000は、外部からの音声信号入力若
しくは、RF入力処理部1000からの受信音声信号入
力をユーザ選択に応じて選択導出して、音声増幅器30
00に入力している(図1参照)。音声増幅器3000
の出力は、スピーカ4000に供給される。ところでセ
レクタ2000の出力は、さらに音量表示発生部640
10にも入力されるようになっている。ここで、音量表
示発生部64010は、入力音声信号の音量に対応した
映像信号(Y、I,Q信号)を発生して合成部6202
0に供給することができる。音量表示発生部64010
は、主画面処理部の同期制御部からのタイミング信号を
受けている。これは、主画面処理部はNTSC方式の信
号(アスペクト比4:3)を処理して、例えば水平方向
圧縮処理を行い、ワイド画面に余白部が生じるような処
理を行っているような場合に、余白部に音量表示を行う
ためのタイミングを得るためである。
【0108】図41は、音量表示発生部64010の具
体的構成例である。入力端子64011にはセレクタ2
000からの音声信号が入力される。この音声信号は、
一定の周期でサンプルホールド回路64012によりサ
ンプルされ、次の周期までホールドされる。このホール
ドレベルに応じて、次段の垂直アドレス発生部6401
3は、垂直アドレス値が変わる。垂直アドレス発生部6
4013の出力した垂直アドレスは、キャラクター発生
部64016に入力される。キャラクター発生部640
16は、垂直アドレスに応じて予めキャラクターの色飽
和度、色あいを変化できるデ−タを格納しており、例え
ばROMに予めそのデ−タが格納されている。一方、入
力端子64014には、主画面処理部から主画面の水平
表示位置を示す水平タイミング信号が供給されている。
従って、この水平タイミング信号に基づいて、水平アド
レス発生部64015は、余白部の水平表示位置を示す
アドレスを出力する。この水平アドレスは、キャラクタ
ー発生部64016の水平アドレス入力部に供給され、
キャラクターの出力タイミングが決定される。キャラク
ター発生部64016から出力される輝度信号及び色信
号は、それぞれD/A変換器64017、64018に
てアナログ信号に変換されて先の合成部62020に入
力される。音量の表示形態としては、例えば図42
(a)、(b)、(c)に示すように、右余白部、左余
白部、左右のいずれかの余白部に表示することが可能で
ある。
【0109】上記の実施例によると、比較的簡単な手段
によりワイド画面に生じる余白部に音量表示を得ること
ができワイド画面を有効に活用できる。また音量を表示
することにより表示装置としての演出効果を高めること
ができる。
【0110】(現行NTSC方式受信時における垂直伸
張自動設定処理)現行方式の4:3のアスペクト比の信
号を水平方向に圧縮して垂直方向にアスペクト比を合わ
せ、ワイド画面対応のディスプレイに表示した場合、ワ
イド画面には水平方向に余白部が生じる。また、現行方
式の4:3のアスペクト比の信号を垂直方向に伸張して
水平方向にアスペクト比を合わせ、ワイド画面対応のデ
ィスプレイに表示した場合、ワイド画面に表示される映
像は垂直方向の上下の情報が欠落することになる。いず
れの場合にも一長一短がある。垂直方向の大きさを基準
に変換した場合、左右に余白部が生じ、ワイド画面が有
効に活用されない。また水平方向の大きさを基準に変換
した場合、送られてくる情報の上下部分が切り捨てられ
ることになる。後者の場合、放送内容によっては切り捨
てられる部分が重要な情報を含むような場合視聴者にと
っては不都合である。前者の場合、シネマスコープのよ
うな横長の映像が現行テレビジョン方式に準じて伝送さ
れてきた場合、表示画面はさらに小さくなってしまう。
【0111】そこでこの実施例では、現行の標準信号を
デイスプレイの画面に表示する場合、水平方向を基準し
て垂直方向に伸張する手段と、垂直方向に伸張した信号
の表示位置を制御する手段と、受信信号の性質を検出す
る手段と、放送内容に応じて垂直伸張する比率や表示領
域、あるいは変換処理を適切なものに切換える手段とを
設けて、ワイド画面の有効活用に伴う、不具合点を解決
するものである。
【0112】図43は、図27に示した実施例に対し
て、さらに信号検出部64020が追加されている。Y
/C分離部6002、中間方式デコーダ6010、色復
調部6003、動き適応走査線変換部6007、垂直伸
張部6012、セレクタ6008、同期制御部7000
の基本的構成及び動作は、図27で説明した通りであ
り、本質的には図26で示したような表示形態となる。
しかし、この実施例では、Y/C分離部6002で分離
された輝度信号が、信号検出部64020に導かれ、こ
こでテレビジョン信号の内容判定が行われる。またこの
信号検出部64020には、同期制御部7000から、
入力信号が中間方式のものであるのか現行方式のもので
あるのかを示す判別信号が入力されている。ここで、現
行のNTSC方式の信号が入力されているときは、信号
検出部64020は、信号内容を検出する。信号内容と
しては、映像信号の上下が黒レベルでマスクされている
シネマスコープのような映像、テロップが含まれている
映像等である。テロップが含まれているときは、垂直伸
張率を下げて、テロップが画面に現れるようにし、シネ
マスコープのような映像の場合、垂直伸張率を上げて画
面を有効に活用するものである。
【0113】図44は、信号検出部64020の具体的
構成例である。輝度信号は、入力端子64021を介し
てテロップ検出器64022と上下マスク検出器640
23に入力される。テロップ検出器64022は、映像
信号にテロップが含まれているか否かを検出し、テロッ
プが含まれている場合は、出力端子64024を介して
インジケータにその表示信号を与える。また論理和回路
64025にもテロップ検出信号(例えばハイレベル)
を与える。論理和回路64025の出力がハイレベルと
なると、垂直伸張部6012は垂直伸張率を下げるよう
に設定されている。上下マスク検出器64023は、映
像信号の画面上下部が黒レベルでマスクされているかど
うかを判定している。マスク部が検出された場合は、ロ
ーレベルのマスク検出信号を出力し、ゲート回路640
26を介して論理和回路64025に供給する。ゲート
回路64026は、同期制御部7000から端子640
27に与えられるゲート信号が現行方式処理モードを示
す判別信号であるときのみマスク検出信号を導通させる
回路である。これは中間方式信号(デコード前)が上下
マスク検出器64023に入力したときに誤ってマスク
検出信号が論理和回路64025に導かれるのを防止す
るためである。マスク検出信号とテロップ検出信号を論
理和回路64025に与えているのは、テロップ検出結
果をマスク検出結果に優先させるためであり、それぞれ
の検出信号の正負論理により適宜論理出力が切替わる。
両者が同時に検出された場合は、テロップ検出が優先し
垂直伸張率が下がる。
【0114】図45は、テロップ検出器64022の具
体的構成例である。輝度信号は、入力端子64030を
介して水平高域通過フィルタ(H−HPF)64031
と垂直高域通過フィルタ(V−HPF)64032に入
力される。水平高域通過フィルタ64031と垂直高域
通過フィルタ64032の出力は、それぞれスライス回
路64033と64034に入力される。スライス回路
64033と64034は、それぞれ輝度レベルが予め
設定したレベルを越える場合、計数回路64035に被
計数信号を与える。文字信号等は、輝度レベルの高い低
いで現され、しかも高域成分であるから、この成分をス
ライスすることにより文字信号の有無を検出可能であ
る。計数回路64035は、所定の画像領域において被
計数信号を計数し、計数値が所定値を越えるとテロップ
検出信号を出力する。計数回路64035の計数する領
域は、計数領域発生器64036により指定される。計
数領域発生器64036は、入力映像信号の水平同期信
号H及び垂直同期信号Vに基づいて計数領域を指定して
いる。
【0115】計数領域としては、例えば図46(a)に
示すように画面を複数のブロックに分割して各ブロック
単位で文字信号があるか否かを判定するか、若しくは、
テロップは上部あるいは下部の領域を複数に分割して各
ブロックの文字信号を検出するようにしている。上下部
で検出する場合は、画面中央部では計数回路64035
の動作は停止される。
【0116】上記のようにテロップが検出された場合
は、垂直伸張率を下げて、テロップがマスクされないよ
うにし、またシネマスコープのような映像の場合は、垂
直伸張率を上げてワイド画面の有効利用を計ることがで
きる。動き適応走査線変換部6007は、図20で示し
た通りであり、垂直伸張部6012は、図27、図29
に示した通りである。伸張率を切換え可能とする場合に
は、図29に示すような垂直伸張部を予め幾つか用意し
ておき論理和回路64025の出力に応じて切換えるよ
うに構成される。そして、図29に示すメモリ制御部6
04の制御タイミング、係数発生器6019の係数切り
替えタイミングを変えることにより容易に垂直伸張率を
変更することができる。この例として図47に入力走査
線の4本を5本に変換するタイミングチャートを示す。
A1、A2、…はそれぞれ走査線を示し、フィールドメ
モリから4本の走査線が出力されると1水平期間の出力
停止期間があり、このような読出しが繰り返し行われ
る。そしてラインメモリの出力は、5ラインに一回は4
番目に入力した走査線が2回読み出される。係数器の係
数は、図47に示すように各読み出し走査線に対して
1、1/5 、4/5 、2/5 、3/5 などの係数が与えられ、垂
直伸張を実現している。この4本から5本の変換により
垂直方向の5/4倍伸張が得られる。同様に5本から6
本に伸張する場合も、メモリ制御と係数の発生タイミン
グを変えることにより垂直伸張率を設定できる。
【0117】テロップ検出結果に応じて、映像表示の表
示位置を制御してもよい。
【0118】例えば、画面の下部にテロップがある場合
は、図48(a)に示すように、垂直伸張された画面の
上部を切り捨てて表示し、画面の上部にテロップがある
場合は、図48(b)に示すように画面の下部を切り捨
てて表示してもよい。垂直表示位置を変更するには、図
29に示したフィールドメモリ6013への書き込みタ
イミングを制御すればよく、この場合は、テロップ検出
に応じてメモリ制御部6014の出力アドレスの初期値
が切り替え制御される。テロップが画面の上部にあるか
下部にあるかは、先の図46に示したブロックのいずれ
のブロックでテロップが検出されたかを監視しておれば
よい。
【0119】なおこの実施例において、図43に示した
動き適応走査線変換部6007と垂直伸張部6012の
配置は逆であっても構わない。垂直伸張制御をおこなっ
た後で補間走査線を作成して走査線数を変換しても何等
問題はない。
【0120】上記したようにこの実施例によれば、受信
した信号に応じて表示アスペクト比を切換えることがで
き、中間方式の信号、現行方式の信号に対して本来のア
スペクト比で表示できる他、放送内容によって変換方法
あるいは表示する領域を変えることができ、横長のワイ
ド画面を有効に使うことができる。そして画面の一部が
欠けることの不都合を変換方法を切換えることにより救
済できるものである。(中間方式信号処理におけるレタ
ーボックス処理)(補助信号多重処理システム)上記し
たシステムにおいて、映像デコーダ6000の内部に
は、順次走査線の変換部や中間方式デコーダが内蔵され
ている(図1、図17等参照)。
【0121】ところで、中間方式により現行方式と両立
性をもたせて16:9のアスペクト比のワイド画像を伝
送する場合、レターボックス処理により垂直方向に圧縮
することが必要である。この垂直圧縮処理を施すと、垂
直解像度の低下を招き、また、サイドパネル処理を施す
のでサイドパネルの解像度低下を招く。
【0122】従来のレターボックス方式のみの専用のシ
ステムにおいては上下マスク部に十分な多重伝送領域を
確保することができ、垂直高域成分をこの領域に多重し
て伝送できた。しかし中間方式では、レータボックス処
理を行っているとは言え、従来のレターボックス処理に
おける上下マスク部に比べて上下マスク部の領域は著し
く狭い。また従来の専用のサイドパネル処理では、セン
ターパネル部の一部を取除き、サイドパネルの高域成分
を周波数多重等の手法で伝送しているが、中間方式では
表示領域が狭いために、画像の一部の成分を取除くと現
行方式の受像機で映出した場合画質が劣化する。
【0123】以上のように従来提案されている中間方式
によりワイド画面の信号を伝送した場合、デコード時の
画像の垂直解像度の低下、サイドパネルの解像度の低下
が見られる。
【0124】そこでこの実施例では、中間方式レターボ
ックス処理による垂直圧縮のために生じる垂直解像の低
下を防止し、かつ、中間方式サイドパネル処理によるサ
イドパネルの解像度低下を防止することができる中間方
式デコード処理装置を提供するものである。
【0125】この実施例では、上下マスク部の20本づ
つのの走査線をレターボックス処理による垂直高域成分
の補助信号多重領域として利用し、さらに上下マスク部
の20本づつの走査線をサイドパネル処理によるサイド
パネル高域成分多重領域として利用するものである。こ
れによりデコード画像の垂直解像度低下を招くことな
く、高画質のワイド画面信号(16:9)の再生を可能
としている。
【0126】図49は中間方式エンコーダの具体的構成
例であり、図50は中間方式デコーダ62010の具体
的構成例である。
【0127】図49のエンコーダにおいて、5001
は、レターボックス処理部であり、5002はサイドパ
ネル処理部である。レターボックス処理部5001は、
ワイド画面信号を垂直方向に圧縮し、サイドパネル処理
部5002はサイドパネルとセンターパネルを分割し
て、サイドパネルの信号を上下マスク部に多重する部分
である。レターボックス処理部5001の入力端子50
03には、525本、1:1の順次走査信号でアスペク
ト比16:9の輝度信号Yが入力される。また、入力端
子5004には、525本、1:1の順次走査信号でア
スペクト比16:9の色信号(I,Q)が入力される。
輝度信号Yは、垂直方向圧縮部5005に入力され、垂
直方向が5/6 倍に圧縮される。垂直方向に圧縮された輝
度信号は、動き適応センター信号エンコーダ5006
と、上下マスク部Vh /VT エンコーダ5007に入力
される。また上下マスク部Vh /VT エンコーダ500
7の出力は、VT 再生部5008と非線形変換部500
9に入力される。動き適応センター信号エンコーダ50
06は、走査線を飛び越し走査信号に変換する場合動き
検出部5010からの動き検出信号に応じて適応的に変
換している。また上下マスク部Vh /VT エンコーダ5
007においては、センター信号の上下の各40本の走
査線を利用して上下マスク部に多重する信号を作成して
いる。レターボックス処理においては、上下の各40本
の走査線のうち、上下の各20本づつを利用し、残りの
各上下20本は、サイドパネル処理部で利用される。V
h 信号は、静止画における400〜480[テレビ/
本]の垂直高域成分のことを言い、VT信号は動画にお
ける200〜400[テレビ/本]の成分のことを言
う。上下マスク部Vh /VT エンコーダ5007には、
動き検出部5010からの動き検出信号も供給され、動
画の場合はVT 信号、静画の場合はVh 信号を作成して
いる。VT 再生部5008は、動画におけるVT 信号
を、動き適応センター信号エンコーダ5006で得られ
る信号の上下マスク部に多重するためにそのタイミング
と信号変換を行っている。非線形変換部5009は、上
下マスク部に多重される信号のレベルを制御するための
もので、中間方式の信号を現行方式の受像機で再生した
場合に、上下マスク部で多重信号が目立つのを抑えるた
めのものである。動き適応センター信号エンコーダ50
06の出力は正規化エンコーダ5011に入力される。
また正規化エンコーダ5011には非線形変換部500
9からの出力も供給されている。レターボックス処理さ
れた輝度信号は、サイドパネル処理部5002のサイド
パネル高域低域分割部5013に入力される。このサイ
ドパネル高域低域分割部5013には、色信号処理部5
012において、輝度信号と同様な処理を受けた色信号
も供給されている。
【0128】サイドパネル高域低域分割部5013にて
分割された輝度及び色信号の低域成分は、センターパネ
ル処理部5014に入力され、水平方向の圧伸処理を受
ける。そしてエンファシス回路5015に入力されて強
調され合成部5016に入力される。一方、サイドパネ
ルの高域成分は、並べ換え部5017に入力され、上下
マスク部の各走査線に多重できる位置に配置され、上下
マスク部プリ処理部5018に入力されスペクトル成形
される。これはマスク部における信号が現行方式の受像
機で受信して再生したときに目立つのを抑えるためであ
る。上下マスク部プリ処理部5018の出力も合成部5
016に入力され、この合成部5016から出力される
輝度信号及び色信号は、NTSCエンコーダ5019に
入力され、現行方式と両立性のある中間方式テレビジョ
ン信号として出力端5020に出力される。
【0129】以上が中間方式の信号を作成するエンコー
ダであるが、さらにその信号処理について説明する。
【0130】図51は、エンコード処理の経過を示して
いる。同図(a)は16:9のワイド画面の信号であ
り、525本/1:1の信号である。この信号画像を現
行受像機でそのまま表示させると、同図(b)に示すよ
うに縦長の画像となる。そこでレターボックス処理部5
001では、垂直方向に5/6 倍に圧縮し、480本の走
査線を400本の走査線の画像に変換し、同図(c)に
示すような画像にしている。次に、サイドパネル処理部
5002では、センターパネルを10/9倍に伸張し現行方
式の横の長さに合わせられ、サイドパネルを1/5 倍に圧
縮している。圧縮されたサイドパネルの一部の高域信号
は、上下マスク部として存在している各40本の走査線
に多重されて伝送される。
【0131】図52はこのようにエンコードされる信号
形式を示している。サイドパネルの高域成分は、22〜
31番目の走査線、252〜261番目の走査線、28
5〜294番目の走査線、515〜524番目の走査線
に多重される。またレターボックス処理において利用さ
れる補助信号であるVh 信号及びVT 信号は、32〜4
1番目の走査線、242〜251番面の走査線、295
〜304番目の走査線、505〜514番目の走査線に
多重される。従って、サイドパネル処理とレターボック
ス処理により、付加信号領域として上下20本づつの走
査線を使用して多重伝送を行っている。サイドパネルの
低域成分は、圧縮されて現行方式の有効画面には現れな
いようにされセンターパネルは水平方向に伸張される。
【0132】図53は、水平方向圧伸のフォーマットを
示す。同図(a)は16:9のワイド画面の信号の水平
期間と各パネルの分割位置を示している。原画の有効走
査期間は、4fscのサンプリングクロックによる747
サンプル分ををセンターパネルとし、左右の41サンプ
ル分をサイドパネルとしている。サイドパネル部とセン
ターパネル部の境界付近で例えば17クロック分は、圧
伸を行わないようにしている。センターパネル部の63
1クロック分は伸張されて同図(b)に示すように70
1クロック分になる(10/9倍)。またサイドパネル部の
41クロック分は圧縮されて9クロック分になる(1/5
倍)。この処理はセンターパネル処理部5014にて行
われている。
【0133】次にサイドパネルの高域成分は、同図
(c)に示すように、センターパネルとサイドパネルと
がクロスするように分割されて取出される。そして取出
されたサイドパネルの高域成分のみが集められ、同図
(d)に示すように1本の走査線に20本の走査線から
取出した高域成分が時間多重される。この処理は並べ換
え部5017にて行われている。このサイドパネルの高
域成分が多重されている走査線は上述した上下マスク部
が位置する走査線である。1走査線に20本のサイドパ
ネルの情報が多重されるのであるから、上側のマスク部
の20本の走査線には例えば左側パネルの高域成分を多
重することができ、下側のマスク部の20本の走査線に
は右側のパネルの高域成分を多重できることになる(図
52参照)。
【0134】図50は、上記のように伝送されてくる中
間方式の信号をデコードするデコーダの具体的構成例で
ある。このデコーダは、サイドパネル処理部65001
とレターボックス処理65002により構成されてい
る。
【0135】NTSCのデコード処理により生成された
輝度信号Yと色信号I,Qとは、入力端子65003と
65004をそれぞれ介してディエンファシス回路65
005に入力される。また、上下マスク部の信号は、入
力端子65008を介して上下マスク部Y/C分離部6
5009に入力される。ディエンファシス回路6500
5の出力は、センターパネル処理部65006に入力さ
れて、水平方向へ圧伸処理される。つまりサイドパネル
は、センターパネル処理部65006により5倍に伸張
され、センターパネルは9/10倍に圧縮される。センター
パネル処理部65006の出力は合成部65007に入
力される。上下マスク部Y/C分離部65009で分離
されたサイドパネルの高域成分である輝度信号と色信号
とは並べ換え部65010に入力される。並べ換え部6
5010では、図53(d)で説明したサイドパネル高
域成分を元の走査線の位置へ分割して並べ換え、合成部
65007に入力する。
【0136】この状態では、図51(d)の応対から図
51(c)の状態の画面に戻った信号となっている。次
にレターボックス処理の逆変換が行われる。輝度信号の
経路について説明する。輝度信号は、正規化デコーダ6
5011と表示切換え部65017に入力される。正規
化デコーダ65011の出力は、動き適応センター信号
デコーダ65012と非線形変換部65013に入力さ
れる。動き適応センター信号デコーダ65012では、
飛び越し走査信号を動き検出部65014からの動き検
出信号に応じて適応的に順次走査信号に変換すする処理
が行われる。非線形変換部65013では、上下マスク
部に多重されている補助信号(Vh 信号、VT 信号)を
レベル制御して出力し、上下マスク部Vh /VT デコー
ダ65015に供給する。上下マスク部Vh /VT デコ
ーダ65015では、動き検出部65014からの動き
検出信号に応じて上下マスク部に多重されているVh 信
号、VT 信号を再生し、動き適応センター信号デコーダ
65012および垂直方向伸張部65016に供給す
る。垂直方向伸張部65016には、動き適応センター
信号デコーダ65012からの出力も供給されている。
これにより垂直方向伸張部65016で、垂直方向の伸
張(6/5 倍)が行われると、16:9のアスペクト比の
画像信号が得られる。垂直方向伸張部65016の出力
は、表示切換え部65017に入力されている。表示切
換え部65017は、サイドパネル処理部65001の
出力をそのままスルーで出力端子65018へ取り出す
場合に使用される回路である。これは、放送側でサイド
パネル処理のみを施して信号を伝送してきた場合に活用
される。あるいは、ディスプレイ自体に垂直方向の引き
伸し機能が備わっている場合に利用される。
【0137】合成部65007から出力される色信号
は、色信号処理部65019及び表示切換え部6502
0に入力されている。色信号処理部65019において
も順次走査への変換処理が行われ、その出力は表示切換
え部65020に入力されている。これにより、出力端
子65021には、ワイド画面対応のアスペクト比の色
信号を得ることができる。
【0138】上記した実施例によると、中間方式の信号
を伝送する場合、レーターボックス処理において480
[テレビ/本]を400[テレビ/本]の信号とし、上
下マスク部を作った場合、上下マスク部の20本づつを
垂直高域成分の補助信号(Vh 、VT 信号)領域とし、
さらにサイドパネル処理を行う場合、上下マスク部の2
0本づつをサイドパネルの高域成分多重領域として利用
している。これにより、デコード画像の垂直解像度の低
下を招くことがなく、サイドパネルの解像度の低下も招
くことがない。よって高画質の16:9のワイド画面の
画像再生が可能となる。
【0139】(走査線数変換垂直伸張処理システム)テ
レビジョン信号をレターボックス処理を行って伝送する
場合、走査線数480本の信号を垂直方向に5/6 倍に圧
縮し、走査線数400本への信号としている。走査線数
480本の信号をそのまま6本から5本の割合で変換す
ると折り返し歪みが発生するため、デコーダで5本から
6本に変換して元の480本の信号にしても良好な画像
再現は得られない。そこで、まず、走査線数480本の
信号を垂直低域通過フィルタにより垂直周波数400
[テレビ/本]以下の信号と400〜480[テレビ/
本]の信号に分離し、400[テレビ/本]以下の信号
を6本から5本の割合に変換して走査線数400本の信
号とし、400〜480[テレビ/本]の信号は上下マ
スク部に多重して伝送している。
【0140】このようにすれば6本から5本の割合に変
換して走査線数400本の信号とした場合に折り返し歪
みの発生を防げる。よってデコーダにおいては、400
本の信号を5本から6本の割合に変換して走査線数48
0本の信号に戻し、正しい400[テレビ/本]の信号
を得て、これに上下マスク部に多重されて伝送されてき
た400〜480[テレビ/本]の信号を加えることに
より元の480[テレビ/本]の画像を正しく再生でき
る。
【0141】しかしながら実際には、400[テレビ/
本]に帯域制限する垂直低域通過フィルタは、必ずしも
理想的な特性とはならない。このため垂直低域通過フィ
ルタで帯域制限した400[テレビ/本]の信号を5/6
倍の走査線に変換して400本の信号としても折り返し
歪みが発生し、デコーダにおいて良好な再現が得られな
い。この折り返し歪みを発生させないためには、垂直低
域通過フィルタのカットオフ周波数を下げてやればよい
が、そうすると、上下マスク部で伝送しなければならな
い帯域が増えてしまう。上下マスク部で伝送できる帯域
は、決まっているために上下マスク部の情報を完全に伝
送できなくなり、結果としてデコーダにおいて元の画像
を良好に再生できないという解決すべき課題がある。
【0142】そこでこの実施例では、垂直方向に圧縮し
たときに生じる折り返し歪みを打ち消すことができる折
り返しキャンセル信号を別途伝送するようにし、デコー
ダ側で垂直方向に伸張した際に別途伝送されてきた折り
返しキャンセル信号を伸張信号に加算することで、正し
い画像再生を得られるようにしている。
【0143】図54は、図49に示す垂直方向圧縮部5
005の具体的構成例を示している。
【0144】入力端子55001から入力した走査線数
480本の信号は、垂直低域通過フィルタ55002と
減算器55003に供給される。垂直低域通過フィルタ
55002では、垂直周波数480[テレビ/本]の信
号が400[テレビ/本]の信号に帯域制限され、その
出力は、減算器55003と走査線変換部55004に
入力される。走査線変換部55004は、6本から5本
の割合に走査線数を変換し、400本の走査線信号を出
力する。この400本の信号は、出力端子55008と
走査線変換部55005に入力される。走査線変換部5
5005は、逆変換を行うもので5本から6本の割合の
走査線に変換する。もとに戻された信号は、減算器55
006に入力され、垂直低域通過フィルタ55002の
出力から減算される。これにより減算器55006から
は、走査線数の変換により(垂直圧縮、垂直伸張)生じ
る誤差に対応した成分が得られることになる。
【0145】一方減算器55003からは、400〜4
80[テレビ/本]の信号が得られ、この信号は加算器
55007に入力される。加算器55007では、垂直
の高域成分400〜480[テレビ/本]の信号と減算
器55006から得られるデコード時の誤差成分(以下
これをキャンセル信号という)が加算され出力端子55
009に出力される。
【0146】出力端子55008の信号は動き適応セン
ター信号エンコーダ5006に入力されセンター信号と
して伝送され、出力端子55009の信号は上下マスク
部Vh /VT エンコーダ5007に入力され、上下マス
ク部に多重されて伝送されることになる。
【0147】走査線変換部55005と減算器5500
6を利用して、誤差信号を得ることの意義についてさら
に図56を参照して説明する。即ち、この実施例では、
480[テレビ/本]の信号(図56(a))を垂直低
域通過フィルタに通して400[テレビ/本]に変換
し、これを5/6 倍に垂直圧縮した場合、折り返し成分が
生じる(図56(b))。そこで再度この信号をデコー
ダ側とまったく同じように6/5 倍に垂直伸張すると同図
(c)のように折り返し成分が残っている。そこでこれ
をキャンセルできるように、同図(a)と(c)の信号
を用いて同図(d)に示すようなキャンセル信号を作成
し、これを上下マスク部にVh 信号に加算して伝送する
ものである。
【0148】図55は、垂直方向伸張部65016の具
体的構成例を示す。入力端子65031にはセンター信
号として伝送されてきた走査線数400本、垂直帯域4
00[テレビ/本]の信号が入力される。この信号は走
査線変換部65032において、5本から6本の割合で
変換され6/5 倍に垂直伸張され、走査線数480本、垂
直帯域400[テレビ/本]の信号となる。この信号は
加算器65033に入力される。一方、入力端子650
34には、上下マスク部Vh /VT デコーダ65015
でデコードされたVh 信号が入力される。Vh 信号は4
00〜480[テレビ/本]の信号であり、図56で説
明した折り返しキャンセル信号が含まれている。従っ
て、走査線変換部65032の出力信号に含まれている
折り返し成分(図56(c)斜線部)は、キャンセル信
号により除去され、出力端子65035には折り返し成
分が除去された480[テレビ/本]の信号が得られ
る。
【0149】ここで5/6 倍の圧縮処理について説明して
おく。
【0150】図57(a)は6本の走査線から5本の走
査線を作成する関係を示す。同図(b)は、5本の走査
線を得るための演算式の例を示している。xが演算に使
用する走査線の画素の値であり、yが作成された走査線
の画素の値である。そしてhは係数である。また図58
のc1〜c4は、圧縮処理を受ける過程での周波数特性
を示しており、図59のd1〜d5はインパルス応答を
示している。
【0151】図60(a)は、図54に示す走査線変換
部55004の具体的構成例である。入力端子5501
0から入力した信号は、ラインメモリ55011、55
012、55013の直列回路に入力される。入力端子
の信号及び各ラインメモリの出力信号は、係数器群55
014に入力されると共に、係数器群55015、55
016、55017にも同様に入力されている。係数器
群55014の出力は加算器55018で加算されてセ
レクタ55022に入力され、係数器群55015の出
力は加算器55019で加算されてセレクタ55022
に入力され、係数器群55016の出力は加算器550
20で加算されてセレクタ55022に入力され、係数
器群55017の出力は加算器55021により加算さ
れてセレクタ55022に入力される。これにより図5
7(b)で示した演算が施される。セレクタ55022
は、タイミング発生器55023からの制御のもとに適
切な演算出力を選択してフィールドメモリ55024に
導入する。この場合アドレス発生器55025のアドレ
ス発生タイミングもタイミング発生器55023のタイ
ミング信号により制御されている。フィールドメモリ5
5024から読み出される場合は、時間軸の圧縮が行わ
れ出力端子55026に出力される。
【0152】図60(b)は、ラインメモリ55011
〜55013の出力及びラインメモリ55011の入力
信号xと、新しく生成される信号yとの関係を示し、セ
レクタ55022は、加算器55018〜55021の
出力をy0から順次y4まで選択し、一回分選択を停止
し、再度加算器55018の出力をy5として選択する
ように制御されている。
【0153】上記した実施例によれば、垂直低域通過フ
ィルタの特性を理想的な特性に出来ないがために発生し
ていた折り返し成分を、デコーダ側で打ち消すことがで
きるキャンセル信号を別途、上下マスク部の信号ととも
に伝送している。そしてデコーダ側では上記キャンセル
信号を抽出してセンターパネルの信号に加算すること
で、走査線変換を行った場合に残留している折り返し成
分をキャンセルし、良好な再生画像を得ることができ
る。
【0154】(動き適応3次元帯域制限処理システム)
従来エンコーダ側において、順次走査信号を飛び越し走
査信号に変換する場合、静画部ではフレーム間処理を行
い、動画部ではフレーム内処理を行っている。従って、
原理的には静画ではS/N改善効果が得られるが、動画
ではS/N改善効果が得られない。このため動き適応処
理を行って伝送した画像では、静画部ではクリアな画像
が得られるが動画部ではノイズが目立ち動いた部分の画
質劣化が一層目立ち不自然な画像になるという問題があ
る。
【0155】そこで次の実施例では、動き適応センター
信号エンコーダ5006、動き適応センター信号デコー
ダ65012において、とくに動画部のS/N改善を視
覚特性に適合した3次元処理を行うようにして、画質劣
化を生じないようにした、中間方式エンコーダおよびデ
コーダを得るものである。
【0156】図61は動き適応センター信号エンコーダ
5006の具体的構成例を示している。図62はこのエ
ンコーダ部で作成される伝送用信号の3次元スペクトル
であり、図63は、補助信号、つまりVh 、VT 信号を
処理するVh /VT エンコーダ5007とVT 再生部5
008の具体的構成例を示している。
【0157】まず、この実施例は、動画時においてもあ
る程度の3次元の帯域制限を行ったとしても画質上は元
の画質と大差がないことを利用している。そこで動画時
には3次元の帯域制限を行い、受信側でも同じ3次元の
帯域制限を行うことで動画時の伝送系のノイズ軽減を得
られ、また、送信側で3次元の帯域制限を行うのでソー
スのS/N改善を得るとともに、静画時もフレーム間処
理によりS/N改善を得ており、視覚上での画質劣化が
無い。
【0158】まず、伝送信号の3次元スペクトルを図6
2に示しその利点について説明する。同図(a)は動画
モードにおけるスペクトルであり、同図(b)は静画モ
ードにおけるスペクトルである。静画モードでは、テン
ポラル高域(15Hz以上)がカットされるので、ランダ
ムノイズをかなり低減できる。これに対して動画モード
では、同図(a)に示すようにテンポラル成分は30Hz
以上が存在するが、この成分は垂直低域であり200
[テレビ/本]までである。そして200〜400[テ
レビ/本]の垂直高域成分(VT 信号)は、テンポラル
成分は15Hzまでである。インパルス状のノイズ成分
は、3次元の高域成分と考えられるために、このように
高域成分を制限すればかなりの視覚上でのS/N対策と
なる。またこのように制限したからと言って、動き画像
に不自然さを与えることはないことが実験により確認さ
れている。このようにソース側で静画動画ともに3次元
処理を行うことにより現行方式受像機でみた場合もS/
N改善が得られ良好な画質を得ることができる。
【0159】上記のような着想のもとに実現されたエン
コーダが図61に示す回路である。入力された順次走査
信号は、垂直方向圧縮部5005で垂直方向に圧縮され
ており、静画処理系と動画処理系に導入される。
【0160】静画処理系は、入力信号を1/60秒遅延する
1/60遅延器55031と加算器55032に入力され
る。加算器55032では前後のフレーム間の和信号を
得ている。この信号は、1/2 係数器55033で1/2 倍
され垂直周期でオンオフされるスイッチ55034に入
力され、一方のフィールドが取出される。これによりテ
ンポラル方向が15Hzに制限された信号となる。このス
イッチ55034の出力信号は、フィールド周波数30
Hzとなり、水平周期で入力信号を振り分けるスイッチ5
5035に入力される。振り分けられた一方の走査線の
信号は、時間伸張部55036に入力されて水平方向が
2倍に時間伸張され、スイッチ55039の一方の入力
端子に供給される。また振り分けられた他方の走査線の
信号は、1/60遅延器55037で遅延され時間伸張部5
5038に入力され水平方向が2倍の時間に伸張され、
スイッチ55039の他方の入力端子に供給される。ス
イッチ55039は、垂直周期で交互に一方と他方の入
力端子の信号を選択導出することにより、飛び越し走査
信号を得て、これを混合部55040に入力している。
この混合部55040に入力される信号は、図62
(b)に示した400[テレビ/本]以下の静画成分で
ある。
【0161】動画処理系は、入力信号を垂直低域通過フ
ィルタ55041と垂直高域通過フィルタ55042に
供給して、垂直低域通過フィルタ55041からは図6
2で示した200[テレビ/本]以下の垂直低域成分を
導出している。この垂直低域通過フィルタ55041の
出力は1/60遅延器55043で遅延され、タイミング発
生器55048からの制御信号により垂直周期でオンオ
フするスイッチ55045でライン間引きされ時間伸張
部55046に入力される。ここで水平方向の時間伸張
が行われ、加算器55047に入力される。加算器55
047では、上下マスク部に多重すべきVT 信号が加算
され、図62(a)のスペクトルとなり混合部5504
0に入力される。混合部55040では、動き検出部5
010からの動き検出信号に応じて動画に適した信号と
静画に適した信号との混合比を制御し、出力を正規化エ
ンコーダ5011に入力している。各スイッチ5503
4、55035、55039、55045は、同期制御
部55049からのクロックに同期してタイミング信号
を出力しているタイミング発生器55048から与えら
れている。
【0162】図63は、先の垂直高域通過フィルタ55
042からの出力と、垂直方向圧縮部5005からのV
h 信号が供給されるVh /VT エンコーダ5007の具
体的構成例を示している。
【0163】入力端子55051にはVT 信号が供給さ
れ、入力端子55052にはVh 信号が入力される。V
h 信号は、図61に示したように400〜480[テレ
ビ/本]の信号である。また折り返し成分を除去するた
めのキャンセル信号も含んでいる。VT 信号は、水平低
域通過フィルタ55053により0.8MHz 以下の水平
周波数成分に制限され、1/60遅延器55054、加算器
55055、1/2 係数器55056で構成される帯域制
限部で図62(a)に示した領域に制限されスイッチ5
5056Aに入力される。つまり3次元処理によりテン
ポラル高域成分が削除されている。スイッチ55056
Aは、1/fV 周期のタイミング信号でフィールド間引
きを行い、その出力をスイッチ55057に入力する。
このスイッチ55057は1/2fH 周期のタイミング
信号でライン間引きを行いその出力を混合部55058
に入力するとともに、出力端子55059を介してVT
再生部5008に入力する。VT 再生部5008では入
力信号を飛び越し走査信号に変換して、先の加算器55
047に入力する。これにより、加算器55047から
は図62(a)に示すスペクトルの信号が得られる。
【0164】一方、Vh 信号は、入力端子55052を
介して水平低域通過フィルタ55060に入力されてこ
れも0.8MHz 以下に帯域制限される。この低域通過フ
ィルタ55060の出力は、垂直シフト部55061に
入力されて400〜480[テレビ/本]の信号が0〜
80[テレビ/本]の垂直周波数領域にシフトされる。
この垂直シフト部55061の出力信号は、走査線変換
部55062に入力され、走査線数が6本から5本の割
合に変換され、垂直方向に圧縮された400本の画像信
号となる。この信号は、1/60遅延器55063、加算器
55064、1/2 係数器55065で構成される帯域制
限部において、テンポラル方向の帯域制限を受けて、ス
イッチ55066に入力されフィールド間引きされ、さ
らにスイッチ55067に入力されライン間引きされ
て、混合部55058に入力される。
【0165】混合部55058では、動き検出部501
0からの動き検出信号に基づき両入力信号の混合割合を
調整して、その出力を1/5 時間圧縮部55068に入力
する。この時間圧縮部55068では、混合部5505
8の出力信号を水平方向に1/5 に圧縮処理し、1/5 の画
像信号に変換する。この画像信号は、上下マスク部の走
査線に多重されるのであるが、並べ換え部55069に
入力されて、伝送する1本の走査線につき5ライン分の
Vh /VT 信号として多重できるように処理され、端子
55070に出力される。従ってマスク部の上下の20
本で、20×5×2=200本分の補助信号が伝送でき
ることになる。タイミング発生器55071は、各部の
タイミング信号を出力するとともにスイッチ55056
A、55057、55066、55067の制御用タイ
ミング信号を出力している。
【0166】上記した実施例によると、動画モードの信
号に対して、垂直低域通過フィルタ55041に続く経
路の処理と、垂直高域通過フィルタ55042に続く経
路の処理を行い、加算器55047においては、図62
(a)に示すようなスペクトルの成分を伝送するように
している。これにより、従来実現できなかった動画像の
S/N改善を視覚特性に適合した3次元処理により実現
し、画質劣化を生じることなしに現行方式の受像機で再
生できるようにしている。
【0167】(動画モード順次走査信号伝送処理システ
ム)従来は、飛び越し走査信号から順次走査信号を作成
する場合、動画時にはフィールド内処理を行い垂直補間
走査線を作成している。このために原理的には200
[テレビ/本]までの垂直方向解像度しか得られず、さ
らに飛び越し走査による折り返し成分も除去することが
できない。飛び越し走査信号の折り返し成分を無くすた
めには、あらかじめエンコーダにおいてテンポラル方向
の高域成分と低域成分にそれぞれ垂直方向の帯域制限を
施し、折り返しが生じないようにする必要がある。しか
し、このような帯域制限を施した中間方式の信号を現行
方式の受像機で受信し再生した場合、今度は十分な垂直
解像度が得られないという問題を生じる。
【0168】そこでこの実施例では、垂直方向高域成分
の帯域制限を施さず、現行方式の受像機で受信した場合
でも良好な垂直解像度を得られ、かつ中間方式デコーダ
で再生するために順次走査変換を行った場合にも折り返
し成分を残すことなく再生できるようにした中間方式エ
ンコーダおよびデコーダを得るものである。そこでこの
システムでは、動画処理部に特徴を持たせている。
【0169】図64は、本システムで伝送される動画モ
ードにおける3次元スペクトルを示しており、垂直高域
にVT 信号を多重して伝送するようにしている。即ち、
テンポラル方向低域成分VLについては、水平方向0.
8MHz 以下までは400[テレビ/本]、0.8MHz 以
上は200[テレビ/本]に帯域制限し、テンポラル方
向高域成分は200[テレビ/本]以下に帯域制限して
伝送する。このようなスペクトルの信号であると、現行
方式の受像機で再生しても垂直解像度の劣化の無い動画
を得ることができる。またテンポラル方向低域の水平方
向0.8MHz 以下、垂直方向200〜400[テレビ/
本]の成分VT は、センター信号処理とは別経路で上下
マスク部に多重して伝送している。これにより、上下マ
スク部から再生されたVT 信号を用いて、センター信号
に含まれているテンポラル高域成分(VT 信号に対応)
をキャンセルし、この領域に発生(飛び越し走査変換の
ときに発生)している折り返し成分を除去し、再度、上
下マスク部から再生された良質のVT 信号をセンター信
号に加えることで折り返しの無い順次走査の画像を得る
ものである。
【0170】図65は、図61に示すVT 再生部500
8の具体的構成例を示している。Vh /VT エンコーダ
から取出されたVT 信号(400[テレビ/本])は、
入力端子55081を介して垂直補間回路55082に
入力され、垂直補間され0〜200[テレビ/本]の成
分にされる。垂直補間回路55082の出力は、ライン
反転器55083に入力されて、200〜400[テレ
ビ/本]の垂直高域信号に変換される。ライン反転器5
5083は、入力を反転する反転器55084と、この
出力と直接入力を交互に選択するスイッチ55085に
より構成されている。ライン反転器55083の出力
は、スイッチ55086によりライン毎に振り分けられ
る。奇数ラインは、時間伸張部55087に入力され水
平方向が2倍に時間伸張され、偶数ラインは、1/60遅延
器55088により1/60秒遅延されたのち時間伸張部5
5089に入力され水平方向が2倍に時間伸張される。
時間伸張部55087と55089の出力は、フィール
ド毎に切替わるスイッチ55090の一方と他方の入力
端子に供給される。これによりスイッチ55090の出
力には飛び越し走査のVT 信号(200〜400[テレ
ビ/本])が得られる。この信号は補償フィルタ550
91により、落ち込んでいる200[テレビ/本]/3
0Hzの成分が利得を上げられて、図61で説明したよう
に加算器55047に入力される。
【0171】なお、入力端子55081に供給されてい
る入力VT 信号は、中間方式デコードのために、上下マ
スク部に多重されて別経路でも伝送されることは先に説
明した通りである。VT 再生部5008で処理されて伝
送されるVT 信号は、現行受像機の動き画像の垂直解像
度を低下させないためである。また、各部の回路のタイ
ミング信号は、タイミング発生器55092から出力さ
れている。
【0172】図66は、上述したVT 信号を扱うデコー
ダ側の具体的構成例であり、動き適応センターパネル信
号デコーダ65012を一層詳しく示している。正規化
デコーダ65011から出力された信号は、倍速変換部
65041及び非線形変換部65013に入力される。
倍速変換部65041で水平方向が倍速にされた飛び越
し走査信号は、静画処理部と動画処理部に入力される。
【0173】静画処理部から説明するに、倍速変換部6
5041から出力された信号は、1/60遅延器65042
を介してスイッチ65043の一方の入力端子に供給さ
れるとともに直接スイッチ65043の他方の入力端子
に供給される。スイッチ65043は、1/2fH の周
期で一方と他方に入力端子の信号を交互に選択してS/
N改善された信号を導出し、フィールドスイッチ650
44に供給する。フィールドスイッチ65044は、1
/fV の周期でオンオフしてその出力を1/60遅延器65
045を介してスイッチ65046の一方の入力端子に
供給するとともに直接スイッチ65046の他方の入力
端子に供給する。スイッチ65046は1/fV の周期
で一方と他方の入力端子の信号を交互に選択導出し、静
画に適応した順次走査信号を得、混合部65047に供
給する。
【0174】動画処理部は、倍速変換部65041から
出力された400[テレビ/本]60Hzの順次信号は、
1/60遅延器65048でフィールド遅延され減算器65
049に入力される。この減算器65049には、上下
マスク部Vh /VT デコーダ65015で再生されたV
T 信号がスイッチ65050、補償フィルタ65051
を介して供給されている。従って、減算器65049か
らは、折り返し成分が重なっているVT 信号を除去した
信号が得られる。減算器65049の出力信号は、垂直
補間回路65052に入力され垂直補間され、加算器6
5053及び動き検出部65014に入力される。加算
器65053には、上下マスク部Vh /VT デコーダ6
5015で再生されたVT 信号が遅延器65054で時
間調整されて供給されている。従って、加算器6505
3からは、再度、VT 信号を加えた動画モードの信号が
得られ、この信号は混合部65047に入力される。混
合部65047は、動き検出部65014からの動き検
出信号に応じて、静画モードと動画モードの信号の混合
比を制御して出力し、これを垂直方向伸張部65016
に供給する。その他の回路は、図50のレターボックス
処理部65002で説明した通りである。
【0175】上記した実施例によると、エンコーダ側に
おいて垂直高域成分の帯域制限を行うことなくセンター
側の信号を伝送できるので、現行方式受信機で再生した
場合も垂直解像度が劣化することはない。デコーダ側に
おいては、上下マスク部に多重しているVT 信号を用い
て、一旦センター側のVT 信号を除去するので、減算器
65049の出力は、折り返しのない200[テレビ/
本]以下の成分に戻され、その後、加算器65053に
て200〜400[テレビ/本]、0.8MHzのVT 信
号が加算される。よって、ワイド画面側では垂直解像度
の劣化がなく、クロストークの妨害もない。よって、静
画モードにおける画質と動画モードにおける画質の差も
少なく動き適応動作による画像の不自然さも改善され
る。
【0176】(垂直高域成分のサブバンド伝送システ
ム)レターボックス処理を行った信号をインターレース
で伝送すると、垂直解像度が不足する。例えば480
[テレビ/本]の画像を5/6 倍に圧縮すると400本の
画像となる。ところが動画モードにおいて折り返しが生
じないようにインターレースで伝送するためには、40
0本の半分の200[テレビ/本]の伝送しかできな
い。これはフィールド内処理を行うからである。
【0177】この実施例では、動画モードにおける垂直
高域成分の伝送及び受信処理方法に特徴を有し、送り側
の順次走査信号が伝送途中で中間方式の信号の変換され
ても、受信側では中間方式の信号をデコードすることに
より送り側と同じ順次走査信号を再現できるように改善
したものである。この実施例では、エンコーダ側で動画
モードにおける順次走査信号を200[テレビ/本]で
−3dBとなるフィルタで低域と高域とに分割し、低域成
分はセンター信号に多重して伝送し、高域成分は上下マ
スク部でインターレース信号として伝送し、受信側では
センター信号に多重されている信号と上下マスク部に多
重された高域成分とを送信側と同じ特性の補間フィルタ
で補間するものである。
【0178】図67は、この実施例におけるエンコーダ
部を示し、特に動き適応センター信号エンコーダと、V
T 再生部5008の構成を詳しく示している。この図の
各部は、図61、図65に示したものと同じである。即
ち、入力された順次走査信号は、垂直方向圧縮部500
5で垂直方向に圧縮されており、静画処理系と動画処理
系に導入される。
【0179】静画処理系は、静画処理部55100とし
てまとめて示している。静画処理部55100は、飛び
越し走査信号を得て、これを混合部55040に入力し
ている。動画処理系は、入力信号を垂直低域通過フィル
タ55041と垂直高域通過フィルタ55042に供給
して、垂直低域通過フィルタ55041からは図62で
示した200[テレビ/本]以下の垂直低域成分を導出
している。この垂直低域通過フィルタ55041の出力
は1/60遅延器55043で遅延され、垂直周期でオンオ
フするスイッチ55045でライン間引きされ時間伸張
部55046に入力される。ここで水平方向の時間伸張
が行われ、加算器55047に入力される。加算器55
047では、上下マスク部に多重すべきVT 信号が加算
され、図62(a)のスペクトルとなり混合部5504
0に入力される。混合部55040では、動き検出部5
010からの動き検出信号に応じて動画に適した信号と
静画に適した信号との混合比を制御し、出力を正規化エ
ンコーダ5011に入力している。
【0180】上下マスク部Vh /VT エンコーダ500
7から出力されたVT 信号(400[テレビ/本])
は、垂直補間回路55082に入力され、垂直補間され
0〜200[テレビ/本]の成分にされる。垂直補間回
路55082の出力は、反転器55084とスイッチ5
5085から構成されたライン反転器に入力されて、2
00〜400[テレビ/本]の垂直高域信号に変換され
る。ライン反転器の出力は、スイッチ55086により
ライン毎に振り分けられる。奇数ラインは、時間伸張部
55087に入力され水平方向が2倍に時間伸張され、
偶数ラインは、1/60遅延器55088により1/60秒遅延
されたのち時間伸張部55089に入力され水平方向が
2倍に時間伸張される。時間伸張部55087と550
89の出力は、フィールド毎に切替わるスイッチ550
90の一方と他方の入力端子に供給される。これにより
スイッチ55090の出力には飛び越し走査のVT 信号
(200〜400[テレビ/本])が得られる。この信
号は補償フィルタ55091により、落ち込んでいる2
00[テレビ/本]/30Hzの成分が利得を上げられ
て、図61で説明したように加算器55047に入力さ
れる。
【0181】図68は、上記エンコーダからの信号を対
応して処理するデコーダを示し、動き適応センター信号
デコーダ65012、上下マスク部Vh /VT デコーダ
65015を詳しく示している。
【0182】動き適応センター信号デコーダ65012
における構成は、図66で示したものと同じであるが、
静画処理系はまとめて1つのブロック65060で示し
ている。動画処理系では、垂直低域成分に対して、減算
器65049において、センター信号に多重されてきた
VT 信号が上下マスク部に多重されてきたVT 信号によ
り一旦キャンセルされたのち垂直補間され、再度加算器
65053において上下マスク部に多重されてきたVT
信号を加算される。
【0183】次に、上下マスク部Vh /VT デコーダ6
5015は、非線形変換部65013からの信号をまず
並べ換え部65061において、並べ換える。これは、
図63で説明した並べ換え部55069の並べ換えとま
ったく逆の処理を行うもので、上下マスク部の各走査線
にそれぞれ5本の走査線分の高域成分が多重されている
のを元の配列(垂直方向)に並べ換えるものである。上
下20本づつの走査線に多重されている信号は、20×
5×2=200本/1/60秒 である。これにより200
本の画像信号が生成され、5倍時間伸張部65062に
入力されて、水平方向に5倍に時間伸張される。この伸
張された信号は、倍速変換部65063に入力されて順
次走査信号に変換される。この時点では、200本/1/
30秒の信号であるために、垂直補間回路65064にお
いて400本/1/30秒の信号に変換される。次に、1/60
遅延器65065とスイッチ65066を用いて、2度
振り走査が行われ、400本/1/60秒の信号に変化され
る。スイッチ65066は、1/60秒毎に切替わり、その
タイミングはタイミング発生器65070からのタイミ
ング信号により制御されている。タイミング発生器65
070は同期制御部7000からの垂直同期信号を利用
してタイミング信号を作成している。スイッチ6506
6の出力信号は、図66でも示したように、センター信
号の補償のために用いられる。またスイッチ65066
の出力は、静画モードのときのみ通過する係数器650
67に入力され、係数器65067の出力は、垂直方向
伸張部65016の走査線変換部にて走査線数480本
/1/60秒の信号に変換され、次に垂直シフト回路に入力
されて400〜480[テレビ/本]の垂直周波数領域
にシフトされる。
【0184】上記したVT デコードの動作をさらに図6
9を参照して説明する。図69(a)は、上下マスク部
に多重されているVh /VT 信号のイメージを示してい
る。このVh /VT 信号は、並び換え部65061にお
いて同図(b)に示すように並べ換えられ、次に5倍に
時間伸張されて、同図(c)に示すようにセンターパネ
ルに対応した信号に変換される。次に、倍速変換により
順次走査の(同図(d))200本/1/30秒の信号とな
り、垂直補間により同図(e)に示すように400本/
1/30秒の信号となる。次に、2度振り走査により同図
(f)に示すように400本/30秒の信号となる。
【0185】図68に戻って説明を続ける。
【0186】一方センターパネルのセンター信号は、倍
速変換部65041で倍速変換され、静画処理部650
60と動画処理部である1/60遅延器65048に入力さ
れる。遅延器65048の出力信号は、減算器6504
9において、折り返し成分が存在するVT 信号領域を一
旦キャンセルされて、折り返し成分を除去した200本
/1/30秒の信号となり、垂直補間回路65052におい
て400本/1/60秒の信号となり、加算器65053に
入力される。そしてこの加算器65053では、垂直高
域成分の再生が行われ混合部65047に入力される。
【0187】図70(a)は、エンコーダ側の垂直低域
通過フィルタ55041、垂直高域通過フィルタ550
42とデコーダ側の垂直補間回路65052、6506
4、加算器65053の関係を取り出して示している。
また同図(b)は各信号処理過程での信号イメージを示
している。
【0188】入力した順次走査信号は、垂直低域通過フ
ィルタ55041で帯域制限され、インターレース変換
されることによりサブサンプルされて伝送される。また
垂直高域通過フィルタ55042の出力もサブサンプル
されて、上下マスク部に多重されて伝送される。垂直補
間回路65052、65064では、サブサンプルされ
ている信号を補間により埋めて再度順次走査信号に再生
し、低域成分と高域成分とが加算器65053で加算さ
れる。上記飛び越し走査によるサブサンプルは、同図
(c)に示すように垂直方向を横軸にとると、 f(t) =(1/2)(1+cos2π(2fs)t) …(1) により変調をかけたことと等化である。 但しfs/2は4
00[テレビ/本]とする。(1)式の信号をfsでサブ
サンプリングすると、 f(n) = Σ{(t-n(1/fS)) ・(1/2)(1+cos2π(2fs)t)} =(1/2){1+(-1) } …(2) となる。またπだけずれた位置でオフセットサブサンプ
ルすると f´(n)=(1/2){1-(-1)} …(3) となる。従って、センターパネルでの伝送と上下マスク
部での伝送を上記(2)、(3)式でサンプリングして
伝送すると受信側で得られる信号y(n) は、 y(n) =[hl(n)*x(n)×(1/2){1+(-1)n}]*gl(n) +[hh(n)*x(n) ×(1/2){1-(-1)n}]*gh(n) …(4) 但しhl(n) 、hh(n) は垂直低域通過フィルタ5504
1、垂直高域通過フィルタ55042のインパルス応答
で、gl(n) 、gh(n) は垂直補間回路65052、650
64のインパルス応答を示す。(4)式をZ変換すると Y(z)= (1/2)[Hl(z) X(z)+Hl(-z)X(-z)]Gl(z) +(1/2)[Hl(z)X(z)-Hh(-z)X(-z)]Gh(z) …(5) 但し、X(z)= Σx(n)Z (n=0 〜∞) で、Σ(-1)x(n)Z −n =Σx(n)(-Z)−n=X(-z) である。 ここで、Gl(z)=Hl(z)=H(z) Gh(z)=Hh(z)=H(-z) とすると、 Y(z)= (1/2)[H(z)X(z)+H(-z)X(-z)]H(z) +(1/2)[H(-z)X(z)-H(z)X(-z)]H(-z) =(H(z) +H(-z) )X(z) …(6)となる。
【0189】従って、加算器65053から出力される
信号y(n)が伝送側の原信号X (n) と一致するためには、
H(z)+H(-z) =1 …(7) でなければならない。H(z) は、H(z)(fs/2) =24
0[テレビ/本]シフトしたものであるために、それぞ
れのフィルタ特性を、図71に示すように200[テレ
ビ/本]付近で−3dB減衰させるように設定しなければ
ならい。
【0190】上記したようにこの実施例では、動画モー
ドにおける垂直高域成分の伝送及び受信処理方法に特徴
を有し、送り側の順次走査信号が伝送途中で中間方式の
信号に変換されても、受信側では中間方式の信号をデコ
ードすることにより送り側と同じ順次走査信号を再現で
きるように改善したものである。エンコーダ側で動画モ
ードにおける順次走査信号を200[テレビ/本]で−
3dBとなるフィルタで低域と高域とに分割し、低域成分
はセンター信号に多重して伝送し、高域成分は上下マス
ク部でインターレース信号として伝送し、受信側ではセ
ンター信号に多重されている信号と上下マスク部に多重
された高域成分とをそれぞれ送信側と同じ特性の補間フ
ィルタで補間するものである。
【0191】(垂直低域成分に限定した動き検出システ
ム)上記したようにこのシステムのエンコーダ部及びデ
コーダ部では動き適応処理により各部の信号を処理して
いる。ここで、このシステムのデコーダでは、動き検出
用に用いる信号としては、垂直低域成分に限定してい
る。これは高域から低域にかけてすべての成分の動きを
検出することは非常に困難であり誤り検出により画質劣
化を生じさせることと、伝送されてくる信号がインター
レースであるためにインターレースによる折り返し成分
により動きの誤検出が生じるからである。
【0192】図72は、この実施例における中間方式デ
コーダを示し特に動き検出部65014とこれに関連す
る部分を詳しく示している。図66、図68に共通する
部分は、同一符号を付している。動画モードにおける垂
直低域成分は、減算器65049において、センター信
号に多重されてきたVT 信号が上下マスク部に多重され
てきたVT 信号により一旦キャンセルされたのち垂直補
間回路65052にて垂直補間され、再度加算器650
53において上下マスク部に多重されてきたVT 信号を
加算される。垂直補間回路65052の出力は、動き検
出部65014の1/30遅延器65081と減算器650
82に入力される。減算器65082は、1/30遅延器6
5081の入力側と出力側の信号の差(フレーム間差)
をとり、その出力を絶対値回路(ABS)65083に
供給する。絶対値回路65083の出力は、非線形変換
を行う非線形回路65084に入力され、非線形処理を
受けて最大値回路65086に直接入力されるととも
に、1/60遅延器65085を介して最大値回路6508
6に入力される。最大値回路65086の出力は、動き
検出信号として利用される。図では混合部65047に
供給される例を示している。
【0193】図73は、倍速変換部65041に入力さ
れる信号の3次元スペクトルを示している。動画の場合
は、200[テレビ/本]以下の成分のみが時間方向に
30Hzまでの成分を有する。また静画の場合は時間方向
には15Hz以下にすべてが制限されている。
【0194】動画の場合は、VT 信号(200[テレビ
/本]以上の成分)が上下マスク部に多重されている。
従って上下マスク部Vh /VT デコーダ65015の出
力信号は、上述のVT 信号である。ここでVT 信号は、
スイッチ65050で1ラインごとにオンオフされ、補
償フィルタ65051を介して減算器65049に入力
される。従って、減算器65049の出力は、VT 信号
がキャンセルされた信号となる。よって、図73に示す
動画モードのスペクトルでVT 信号が削除された信号が
垂直補間回路65052に入力されることになる。ここ
で、垂直補間回路65052のフィルタ特性としてカッ
トオフ特性をあらかじめ200[テレビ/本]に設定し
ておけば、出力は折り返し成分のないスペクトルとな
る。
【0195】よってこの成分を用いて、動き検出を行う
ことにより折り返し歪みの無い信号を用いた動き検出が
得られ、誤り検出がなくなる。
【0196】(マスキング部多重伝送システム)レター
ボックス処理においては、通常は垂直方向の時間圧縮を
行い、走査線数を減少させて伝送するため、垂直高域成
分の伝送が難しい。そこで上述したように上下マスク部
に垂直高域成分を多重して伝送している。
【0197】一方、順次走査変換については、送信側で
インターレースに変換し伝送するために受信側で完全な
順次走査の画像を得ることができず画質劣化を伴う。そ
こで、やはり上下マスク部に順次走査の補助信号を多重
して伝送を行っている。
【0198】しかし、上記2つの信号を上下マスク部に
同時に多重することは、それぞれの信号の性質が異な
り、また上下マスク部の領域が狭いので十分な伝送量を
確保できない。
【0199】そこでこの実施例では、動画モードの信号
と静画モードの信号に着目し、400[テレビ/本]以
上の垂直高域信号を垂直方向の圧縮により順次走査信号
の補助信号であるVT 信号と位相を合わせした後、動き
適応処理を導入し、静画のときは垂直高域信号を伝送し
て480本までの高解像度の画像再生に供し、動画のと
きは順次走査のための補助信号であるVT 信号を伝送し
て画質劣化の順次の動画像を生成するようにしている。
【0200】図74は、垂直高域成分(Vh 信号)と、
順次走査変換のために必要な補助信号(Vt 信号)とを
同時に上下マスク部に多重する上下マスク部Vh /VT
エンコーダ5007の詳細を示している。この図は、図
63に示した内容と同じである。垂直の高域成分である
Vh 信号は、垂直方向の圧縮時に生成される400[テ
レビ/本]〜480[テレビ/本]の信号である。VT
信号は、200〜400[テレビ/本]の帯域をもつ信
号である。従って、VT 信号は400本の画像であるが
Vh 信号は480本の画像である。VT 信号は、水平低
域通過フィルタ55053で、例えば0.8MHz に帯域
制限される。さらに1/60遅延器55054と加算器55
055、係数器55056で構成される帯域制限部によ
り時間方向の帯域制限を受ける。
【0201】一方、Vh 信号は、水平帯域通過フィルタ
55060により例えば0.8MHzに帯域制限される。
さらに垂直シフト部55061により400〜480
[テレビ/本]の垂直周波数領域から0〜80[テレビ
/本]の領域にシフトされる。この垂直シフト部550
61の出力信号は、次の走査線変換部55062により
垂直方向に5/6 倍され、400本で構成される画像とな
る。次に、1/60遅延器66063、加算器55064、
係数器55065で構成される帯域制限部により時間方
向へ帯域制限を受ける。
【0202】ここで、係数器55056と55065の
出力は、それぞれタイミング発生器55071から出力
されるタイミング信号によりサブサンプルされる。つま
り、1/60秒毎に開閉されるスイッチ55056A、55
066により時間方向にサブサンプルされる。さらにス
イッチ55057、55067により垂直方向のサブサ
ンプルを受ける。ただしこの時の開閉は、順次走査の1
走査周期期間となっている。以上のサブサンプルでそれ
ぞれの信号は200本/1/30秒の信号となっている。こ
れらの信号は、混合部55058に入力されて動き検出
部5010からの動き検出信号に応じて混合、動画の場
合はVT 信号を導出し、静画の場合はVh 信号を導出す
る。またスイッチ55057の出力信号は、出力端子5
5059を介して次段のVT 再生部へ入力される。
【0203】混合部55058の出力信号は、1/5 時間
圧縮部55068に入力され時間圧縮されるとともに、
並べ変え部55069において上下マスク部へ多重でき
るように時間移相を整合され、出力端子55070に出
力される。圧縮された信号は、水平周期が1/5 となるた
めに、上下マスク部の20ラインに200本分の信号を
多重できる。
【0204】図75は、以上のエンコード処理をイメー
ジ的に示す説明図である。Vh 信号は、同図(a)で示
すように480本の走査線により構成された画像である
ために、5/6 倍に圧縮すると同図(b)に示すように4
00本で構成される画像となる。一方VT 信号は、同図
(c)に示すように400本で構成される画像である。
それぞれの信号はサブサンプルされた後、同図(d)の
混合部55058内部の係数器55101、55102
と加算器55103で混合され、水平方向の圧縮を行う
1/5 圧縮部55068に入力される。これにより同図
(e)に示すように1/5 の画像となる。この画像は、同
図(f)に示すようにセンター信号の上下マスク分に1
水平走査期間に5ライン分づつ多重される。よって、上
下マスク分の20本づつで、20×5×2=200本分
の多重信号を得ることができる。
【0205】図76は、上記のように伝送されてきたV
h /VT 信号をデコードする部分を示している。このデ
コード部は、図68においても示している。上下マスク
部の信号は、並べ変え部65061においてエンコーダ
側と全く逆の処理を行い、上下マスク部に並んでいる5
ライン分の信号を垂直方向に並べる。従って、上下20
本づつの1走査期間に5ライン分多重されている信号
は、20×5×2=200本/1/30秒の信号となり、2
00本の画像を生成する。この信号は、5倍時間伸張部
65062に入力され水平方向へ5倍に時間伸張され、
倍速変換部65056に入力され、順次走査に変換され
る。この時点では200本/1/30秒の信号であるから、
垂直補間回路65064により400本/1/30秒の信号
に変換され、1/60遅延器65065とスイッチ6506
6に入力される。スイッチ65066は、2度振り走査
を行い直接信号と1/60遅延器65065からの信号を選
択導出し、400本/1/60秒の信号を得る。スイッチ6
5066は、タイミング発生器65070からのタイミ
ング信号により1/60秒毎に交互に選択導出する。タイミ
ング発生器65070からのタイミング信号は、同期制
御部7000からの垂直同期信号に基づいて発生されて
いる。
【0206】スイッチ65066からの出力信号は、係
数器65067に入力されるとともに、図68で示した
遅延器65054などに供給される。係数器65067
は、動き検出部65014からの動き検出信号により制
御され、静画のときのみ出力を得る。係数器65067
の出力は図68に示す、垂直方向伸張部65016の内
部の走査線変換部(6/5 倍)65091に入力されて、
480本/1/60秒の信号に変換され、垂直シフト回路6
5092において400〜48[テレビ/本]の垂直周
波数領域にシフトされ、低域側の信号と加算される。
【0207】図77は、上記のデコーダにおける信号処
理経過をイメージ的に示している。図77(a)は、上
下マスク部に多重されているVh /VT 信号のイメージ
を示している。このVh /VT 信号は、並び換え部65
061において同図(b)に示すように並べ換えられ、
次に5倍に時間伸張されて、同図(c)に示すようにセ
ンターパネルに対応した信号に変換される。次に、倍速
変換により順次走査の(同図(d))200本/1/30秒
の信号となり、垂直補間により同図(e)に示すように
400本/1/30秒の信号となる。次に、2度振り走査に
より同図(f)に示すように400本/30秒の信号とな
る。
【0208】上記したようにこの実施例においては、レ
ターボックス処理により垂直方向に圧縮して伸張する場
合に必要で特に静画に重要である垂直高域信号(400
〜480[テレビ/本])と、動画において必要な動き
適応処理を行うことにより順次走査変換のための補助信
号(200[テレビ/本])を多重伝送することができ
る。これは、垂直高域信号VH とVT 信号とをサブサン
プルにより位相合わせし同様な形態とし、動き適応処理
により、上下マスク部に多重することにより実現してい
る。このように性質の異なる信号を容量の少ない上下マ
スク部に多重できるのは、同様な形態となるようにサブ
サンプルしていること、および動き適応処理により混合
しているからである。
【0209】(ワイド画面EDTV/NTSC信号処理
切換えシステム)上記したシステムでは、通常は送信側
で、アスペクト比16:9、525本の順次走査信号を
信号源として伝送することを前提としている。しかし現
行の放送設備との互換性を考慮すると、サイドパネル処
理(ワイドデコーダ向けの処理)が施されたアスペクト
比4:3、525本/2:1の飛び越し走査信号を信号
源とする場合にも対処する必要がある。これは、送信側
ではシリンドリカル・レンズ等光学系や垂直偏向部の調
整で比較的容易に実現できる。ところがこの際、垂直上
下マスク部にはVh /VT 信号が多重されないために受
信側でVh /VT信号デコード処理等を行うと画像を正
しく再生できない。
【0210】そこでこの実施例では、Vh /VT 信号が
多重されているか否かを判定して、Vh /VT 信号が多
重されている場合は上述した中間方式のレターボックス
処理を行い、多重されていない場合はレターボックス処
理部をスルー状態にするものである。
【0211】図78はこの実施例を示すもので中間方式
デコーダ内部のレターボックス処理部65002を示
し、特に表示切換え部65017の構成を詳しく示して
る。レターボックス処理部65002の全体構成は図5
0において示した通りである。表示切換え部65017
には、垂直方向伸張部65016からのレターボックス
デコード済み信号と、正規化デコーダ65011の入力
側の信号(直接信号)とが供給される。直接信号は、遅
延器65101を介して選択器65102の一方に入力
され、デコード済み信号は選択器65102の他方に入
力される。選択器65102の制御端子には同期制御部
7000からVh /VT 信号の有無を示す識別信号であ
るワイド/規格サイズ判定信号が供給されている。選択
器65012は、Vh /VT 信号が多重されている場合
はデコード済み信号を選択導出し、多重されていない場
合は直接信号を選択導出する。同期制御部7000は、
標準/非標準判定部7004と、標準ワイド判定部(標
準ワイド判定部7005及び非標準ワイド判定部700
6)があるのでこの判定部の出力を利用することができ
る。4:3の信号が入力した場合は標準判定を示す識別
信号となる。この種の4:3の信号が入力した場合、同
期制御部7000では、標準であってワイドの規格、か
つサイドパネル処理のみが施されたことを示す識別信号
を得ることができる。この識別信号は、垂直ブランキン
グ期間の特定のラインにデジタル信号として多重されて
伝送されている。
【0212】上記のようにこの実施例においては、サイ
ドパネル処理のみが施された信号が、レターボックス処
理を受けずにスルーで出力されることになる。しかしこ
の信号は、もともとサイドパネル処理のみにより現行方
式の受像機で正常な画面を得られるように処理されてい
るので、中間方式のサイドパネル方式エンコーダで処理
された分を補償して元に戻すように圧伸処理してやる必
要がある。また順次走査信号に変換してやる必要があ
る。
【0213】そこでこの実施例では、表示切換え部65
017を通過した信号に対して、NTSC順次走査変換
処理を施して順次走査に変換し、かつ垂直方向の伸張
(6/5倍)は、液晶を用いたディスプレイにおけるドラ
イブ周波数を可変することにより可能としている。
【0214】図79は上記したレターボックス処理部6
5002を含む中間方式デコーダ6010を有した受像
機のブロックを示している。中間方式デコーダ6010
の出力(輝度信号及び色信号)は、NTSC順次走査変
換部65105に入力される。NTSC順次走査変換部
65105は、上記したレターボックス処理部をスルー
した信号が入力された場合に、NTSC順次走査変換を
行い、その出力をディスプレイ補正部6009に入力す
る。しかし、レターボックス処理が行われた信号が入力
した場合には、このNTSC順次走査変換部65105
はスルーとなり、中間方式デコーダ6010の出力が直
接ディスプレイ補正部6009に入力される。ディスプ
レイ補正部6009では、ドライブ周波数の制御によ
り、時間圧縮伸張を行って入力信号を表示することがで
きる。従って、NTSC順次走査変換部65105及び
ディスプレイ補正部6009にも識別信号が供給されて
いる。ディスプレイ補正部6009は、液晶によるディ
スプレイのドライブ回路を含んでおり、表示位置制御、
画像信号の時間圧伸処理、応答速度の制御等を行う回路
である。
【0215】上記したようにこの実施例によると、Vh
/VT 信号の有無に応じて上下マスク部の処理を行うか
否かを選択することができ、送信側の信号源に対応して
画像を正しく再生することができる。また現行の放送設
備との互換性を保つこともできる。さらにディスプレイ
補正部を活用することにより、時間圧伸処理などのハー
ドウエアの低減も可能である。
【0216】(多重信号適応レベル変換システム)レタ
ーボックス処理において上下パネル部に付加信号を多重
して伝送した場合、現行受像機で映出すると上下マスク
部が画面の上部と下部に黒いバンドとして現れる。とこ
ろが、この上下マスク部には、センター部の信号と相関
性の高い高域成分が多重されているのであるから、動画
の場合は、メイン画像とは別に動き成分が若干影のよう
に現れ動くことがある。この動きは視聴者にとって違和
感となる。そこで、このような不具合を改善するために
付加信号のレベルを下げて伝送すると、小振幅の高域成
分がのきなみカットされたものとなる。本来上下マスク
部の付加信号は、高域成分を多重して伝送し解像度の劣
化を補償するためのものであるのに、付加信号のレベル
を下げると本来の目的を達成できない。また、付加信号
のレベルが低いことに関連して、受信側で付加信号を抽
出した際に大きく増幅すると、今度はノイズ成分までも
増幅してしまい、S/Nが劣化し、全体としての画質劣
化につながる。
【0217】そこでこの実施例では、上下マスク部に多
重する付加信号の伝送及び再生方法に特徴を持たせ、上
下マスク部に現れる不可解な影を低減し、かつ付加信号
の再生が正確に得られるようにしている。
【0218】図80はこの実施例における中間方式エン
コーダのレターボックス処理部5001(図49)の構
成であり、特に正規化エンコーダ5011を詳しく示し
ている。また図81は中間方式デコーダのレターボック
ス処理部65002(図50)の構成であり、特に正規
化デコーダ65011を詳しく示している。また、図8
2はエンコーダにおける正規化特性、図83はデコーダ
における正規化特性を示している。
【0219】この実施例では、Vh /VT 信号とセンタ
ー信号の0.8MHz 以下の成分との相関性に着目してい
る。0.8MHz 以下の成分のレベルに応じてVh /VT
信号のレベルを制御する適応処理を行うもので、0.8
MHz 以下の成分のレベルが低いときはVh /VT 信号の
レベルをあまり下げず、逆に0.8MHz 以下の成分のレ
ベルが高いときはVh /VT 信号のレベルを下げて伝送
している。これは0.8MHz 以下の成分のレベルが低い
ときは視覚上でディテールが目立つからであり、逆に
0.8MHz 以下の成分のレベルが高いときは復調後に誤
差が生じても目につきやすいからである。
【0220】図82は、エンコーダ部におけるVh /V
T 信号の正規化特性を示す。横軸はVh /VT 信号の入
力レベルを表し、縦軸は正規化したVh /VT 信号のレ
ベルを表している。YL は0.8MHz 以下の成分を表し
ている。OUT は係数を表す式の一例である。ここでは、
0.8MHz 以下の成分の前後3サンプルづつをとってき
て合計7サンプルの累積加算した値を元に係数を算出し
ている。YL のレベルが小さいと係数は“1”に近付
き、YL のレベルが大きいと“0”に近付くように係数
が変化する。
【0221】図83はデコーダ部におけるVh /VT 信
号の正規化特性を示す。エンコーダ側とは逆の係数をか
けることにより元のレベルのVh /VT 信号を得るよう
に設定されている。
【0222】図80を参照して、正規化エンコーダ50
11を説明する。動き適応センター信号エンコーダ50
06からのセンター信号の一部は、水平低域通過フィル
タ55110に入力され0.8MHz 以下の成分が抽出さ
れ、絶対値回路55111に入力されて絶対値信号に変
換される。絶対値回路55111の出力は、加算器55
112に入力され数サンプルづつの加算が行われ、この
出力はオフセット生成部55113に入力され、ここで
係数を算出される。ここで、上下マスク部に多重するV
h /VT 信号はセンター部の400本の信号に対して上
下40本しか使用しないために、オフセット生成部55
113で算出された係数は、時間整合回路55114に
て時間合わせされ上下マスク部と同一の信号フォーマッ
トにされて、除算器55116に入力されている。除算
器55116には、上下マスク部Vh /VT エンコーダ
5007で動き適応処理されたVh /VT 信号が非線形
変換部5009を介して入力されている。これによりV
h /VT 信号は、図82で示した正規化特性に応じてデ
コードされ、合成部55115に入力され、センター部
の信号と合成されて出力される。これにより、0.8MH
z 以下の成分のレベルが大きいときは上下マスク部に付
加されるVh /VT 信号のレベルを下げることができ視
覚上の妨害をかなり低減することができる。
【0223】図81は上記エンコーダに対応するデコー
ダを示している。サイドパネル処理部からの輝度信号
は、上下マスク部とセンター部とを分離する分離部65
111に入力され、上下マスク部の信号は乗算器651
17に入力される。一方センター部の信号は、動き適応
センター信号デコーダ65012に入力される他、水平
低域通過フィルタ65112に入力される。この水平低
域通過フィルタ65112で抽出された0.8MHz 以下
の成分は、絶対値回路65113で絶対値信号に変換さ
れ、加算器65114に入力される。加算器65114
では、数サンプルづつの加算が行われ、その出力はオフ
セット生成部65115でエンコーダ部とは逆特性の係
数を算出される。ここで算出された係数は、上下マスク
部の時間に対応したフォーマットにするために時間整合
回路65116に入力され、この時間整合された係数が
乗算器65117に入力される。これにより乗算器65
117からは元の振幅にVh /VT 信号が得られる。こ
の信号は、非線形変換部65013を介して上下マスク
部Vh /VT デコーダ65015に入力される。
【0224】上記のシステムを用いることにより、伝送
途中ではVh /VT 信号のレベルをかなり小さくするこ
とができ、現行方式の受像機で現われる上下マスク部で
不要な影等があらわれない。また暗い画像では、Vh /
VT 信号のレベルをあまり制限しないのでデコーダ部で
S/Nが劣化することも無い。
【0225】(多重信号の非線形レベル変換システム)
上記した中間方式のエンコード・デコードシステムで使
用される信号フォーマットは、図86に示すように設定
されている。これは図52に示したものと同じである。
上下マスク部にはVh /VT 信号による補強信号が多重
され、またサイドパネル部の水平周波数0.8MHz 以上
の高域成分が多重されている。
【0226】従って、これらの多重信号のレベルが高い
と上下マスク部を現行方式の受像機で映出した場合、妨
害として目立つことになる。そこで多重信号レベルが高
いときは送信側でレベルを抑圧して伝送し、逆に受信側
では伸張し、この妨害を軽減することができる。
【0227】ところが、従来の非線形処理では受信側の
入力信号レベルの大きさに応じて乗算係数を決定するの
で、伝送系でゲイン変化があったような場合は、送信受
信側の双方の合成特性がフラットにならず元の波形を再
現することができないという問題がある。
【0228】そこでこの実施例では、伝送フォーマット
の信号の空ラインに非線形処理のリファレンス信号を多
重して伝送することにより、伝送系での信号のゲン変化
の影響を受けずに、受信側で正しい再生(送受双方の合
成特性がフラットな)信号を得られるようにしている。
【0229】図84はこの実施例の構成を示す図であ
り、エンコーダ側の非線形変換部5009を詳しく示し
ており、図85はデコーダ側の非線形変換部65013
を詳しく示している。まずこのシステムの原理について
説明する。
【0230】図87は送受双方での非線形特性の一例を
示したもので、同図(a1)は送信側、同図(b1)は
受信側の特性を表している。なおx軸は入力信号の振幅
の大きさ、y軸は出力信号の振幅の大きさを表してい
る。送信側では、同図(a2)のテーブルに示されるよ
うに入力信号xの大きさに応じて −x1≦x≦x1,x1<x<x2、x≧x2、 −x2<x<−x1、x≦−x2の5つの区間を設定
し、各区間内では入出力の関係は線形を持つものとす
る。そして入力振幅の大きさの絶対値xが大きくなるに
つれ、その出力を1/2 、1/4 と抑制させるようにしてい
る。このとき非線形特性はx1,x2,y1,y2と乗
算係数、1/2 、1/4 で決定される。
【0231】受信側では逆に同図(b2)のテーブルに
示す関係を満たせば送受双方で総合的にフラットな特性
を持たせることができる。但しこのとき、 x1´=y1、x2´=y2 を満足しなければならない。従って、従来の非線形処理
では、同図(b2)のテーブルを前提として受信側で入
力信号の振幅の大きさx´に応じて乗算係数を決定して
いる。そのため、伝送系で信号のゲインが変化すると、
上記の式を満足しなくなり、送受双方の総合特性がフラ
ットにならず元の波形を再現できない。
【0232】そこで、同図(c1)に示すようなリファ
レンス信号を送信側で作成して特定のライン(例えば2
62ライン、525ライン)に多重して伝送するように
している。即ち、受信側の入力信号振幅の大きさの判定
に用いられるx1´、x2´、と絶対値y1´−2x
´、絶対値y2´−4x´とを信号とともに伝送し、こ
れを元に入力信号を判定すれば、判定の際には伝送系の
ゲイン変化の影響を無くすことができる。
【0233】図84は、エンコーダ側の非線形変換部5
009の具体的構成例である。Vh/VT 信号は、非線
形テーブル55120に入力され、図87(a1)(a
2)に示したように入力信号レベルに応じた変換処理が
行われ、その出力は選択回路55121に入力される。
選択回路55121は制御回路55130からのタイミ
ング信号により制御されており、上下マスク部に対応し
た期間でVh /VT 信号を出力し、また特定のラインで
はリファレンス信号発生器55129からのリファレン
ス信号を選択導出する。リファレンス信号は、次のよう
に作られている。レベル発生器55122からは、x1
´,x2´,y1´,y2´,50IREの各レベル信
号が出力されており、x1´,x2´は遅延器5512
5、55126に入力されるとともに切片発生器551
23、55124に入力される。切片発生器5512
3、55124には、y1´,y2´も入力されてお
り、この切片発生器55123、55124はy1´−
2x´、y2´−4x2´を作成して、それぞれ遅延器
55127、55128に入力している。遅延器551
25、55126、55127、55128の出力及び
50IREは、リファレンス信号発生器55129に入
力され、図87(c1)に示した形で出力される。この
場合50IREのレベルを基準レベルにしてオフセット
され、正負1/2 振幅で振れるように出力される。なお、
x1´、x2´、絶対値y1´−2x´、y2´−4x
2´の順は任意である。
【0234】図88(a)は、上記リファレンス信号発
生器55129の具体的構成例である。x1´,x2
´,y1´,y2´の各レベル信号は、係数器5513
1、55132、55133、55134を介したの
ち、選択回路55139に入力されるとともに、反転器
55135、55136、55137、55138を介
して選択回路55139に入力されている。選択回路5
5139は、図88に示すタイミングチャートに従って
制御回路55130の制御デ−タで入力を選択する。選
択回路55139の出力と50IREとは加算器551
40により加算され出力される。3制御回路55130
は同期制御部55049からのタイミング信号に基づい
て制御されている。リファレンス信号は、262ライン
と525ライン目で選択導出され、Vh /VT 信号は、
第32〜41ライン及び第295〜304ライン目で出
力される。
【0235】図85は上記の非線形変換部5009に対
応したデコーダ側における非線形変換部65013を示
している。
【0236】正規化デコーダ65011から出力された
Vh /VT 信号は、係数決定回路65120、比較器6
5121、係数器65122、65123、選択回路6
5127に入力される。係数決定回路65120では、
第262、第525ライン目に多重されているリファレ
ンス信号を検出し、x1´、x2´、絶対値y1´−2
x´、y2´−4x2´の各レベル信号を検出し、その
うちx1´、x2´は入力信号との大小比較を行う比較
器65121に入力する。比較器65121の出力は、
選択回路65127の制御端子に供給され、選択制御信
号として利用される。選択回路65127には、5系統
の信号が入力される。x´、x2´±(y1´−2x1
´)、4x´±(y2´−4x2´)である。x2´±
(y1´−2x1´)は、係数器65122で2倍に振
幅伸張された信号を加算器65123及び減算器651
24で、係数決定回路65120からのy1´−2x1
´を加減算して作成されている。4x´±(y2´−4
x2´)についても、同様に加算器65125、及び減
算器65126により作成されている。選択回路651
27では、比較器65121からの出力を元に入力信号
x´のレベルの大きさに応じて入力信号のうち1つを選
択導出する。
【0237】図89は、係数決定回路65120の具体
的構成例である。リファレンス信号のタイミングが図8
8(b)のように伝送されるものとすると、入力端子に
入力した信号x´は、直接同期加算器65131に入力
するとともに、遅延器65130を介して同期加算器6
5132に入力する。遅延器65130は遅延時間τを
有する。同期加算器65131、65132では、それ
ぞれnクロック分の加算が行われ、減算器65133で
それらの差が取られる。この出力は、係数器65134
で1/n倍されて、出力端子65138に出力されると
ともに、遅延器65135に入力される。遅延器651
35、65136、65137は直列接続され、各遅延
器の出力は、出力端子65139、65140、651
41に導出されている。これにより各出力端子6513
8〜65141には、それぞれx1´、x2´、y1´
−2x1´、y2´−4x2´の各レベル信号を得るこ
とができる。
【0238】上述した実施例によると、信号伝送フォー
マットの空のラインに補強信号のレベル適性化用のリフ
ァレンス信号を多重して伝送することにより、伝送系で
のゲイン変化の影響を受けることなく、受信側で正しい
補強信号を再生することができ、送受双方で総合的にフ
ラットな特性を実現できる。
【0239】[サイドパネル処理] (S/N改善システム)本システムのフォーマットで
は、サイドパネル部の水平0.8[MHz]以下の低域
成分は水平オーバースキャン部に時間圧縮して伝送し、
受信側で時間伸長を行うことで再生を図っている。
【0240】ところが、この時間圧伸処理により伝送ノ
イズが低域にシフトするためセンタパネルに比べサイド
パネルの視覚S/Nが劣化してしまう。その結果、セン
タ−とサイドパネル間のつなぎ目が目立ってしまう。
【0241】この対策としては動き適応ノイズリデュー
サの適用が考えられる。しかし、動き部分での画質劣化
や低S/N信号には使えないなどの問題がある。また、
黒レベル近傍の小振幅レベル信号も伝送ノイズにつぶれ
てしまう。
【0242】そこでこの実施例では、サイドパネル部の
信号を時間圧縮して伝送するに際して、デコード時の視
覚S/N劣化を防止するためにサイド信号に対して3次
元エンファシス処理を施すようにしている。また、黒レ
ベル付近の小振幅レベルの信号に対してもエンファシス
処理を施すことにより、伝送ノイズにつぶれず暗い画像
での精細感を保つことができる。
【0243】図90、図91に、送信側及び受信側のエ
ンファシス回路の構成例を示している。
【0244】サイドパネル部の視覚S/N劣化に対して
は、時間・垂直・水平の3方向にエンファアシス回路を
施し改善を図る。
【0245】図92はエンファアシス回路の基本構成を
示している。
【0246】同図(a)は送信側のプリエンファシス回
路で巡回型の構成になっている。入力端子55141に
導入された信号は、減算器55142を介し係数器55
143でk倍され遅延回路55144に入力される。遅
延回路55144は、時間方向の場合に1フレーム、垂
直方向の場合に2ライン、水平方向の場合に2クロック
遅延して減算器55142に供給する。
【0247】減算器55142は、入力信号と遅延信号
との差分信号を得、この差分信号は係数器55146で
(1+k)倍されて出力される。
【0248】その結果、送信側の伝達関数は、 He(z)=(Hk)/(Hkz-2) …(8)とな
る。ただしkはプリエンファシス量を決定する係数であ
る。
【0249】図93(a)は、この周波数特性を表して
いる。
【0250】図92(b)は、受信側の非巡回型構成の
ディエンファシス回路を示している。入力端子6515
1に導入された信号は加算器65154に入力されると
共に係数器65152に入力される。係数器65152
でk倍された信号は、遅延回路65153で上記プリエ
ンファシス回路の遅延回路55144と同じ遅延量で遅
延され、加算器65154で先の入力信号と加算され係
数器65155で1/(1+k)倍され出力される。
【0251】 その結果、受信側の伝達関数は Hd(z)=(1+kz-2)/(1+k) …(9)と
なる。
【0252】図93(b)はこの周波数特性を示してい
る。
【0253】尚、(8),(9)式より送受双方の総合
特性ではHe(z)Hd(z)=1 となり、フラット
となる。
【0254】図90は、図92(a)のプリエンファシ
ス回路を適用した送信側のエンファシス回路の構成例を
示している。入力端子には、図49のセンタパネル処理
部5014からの輝度信号Y及び色信号C(I,Q)信
号が入力される。
【0255】先ず、輝度信号Yについて説明する。
【0256】入力端子に入力された信号は、時間方向プ
リエンファシス回路55152、垂直方向プリエンファ
シス回路55153、及び水平方向プリエンファシス回
路55154を直列に介して、上記のような3次元プリ
エンファシス処理が行われる。この出力は、直接減算器
55156に入力されると共に、水平低域通過フィルタ
(水平LPF)55155で帯域制限され減算器551
56に入力される。減算器55156は両信号の差分を
とり、水平高域成分を加算器55160に入力する。更
に、水平LPF55155の出力信号xは減算器551
57に入力され、DC入力信号P(ペデスタルレベル)
が減算され係数器55158に入力される。
【0257】係数器55158は、アップダウン(UP
/DOWN)カウンタ55161を用い、例えば図94
(a)のように両サイドパネル部の時間圧縮期間の黒レ
ベル付近の信号をプリエンファシスするように、k=k
(t)で制御された係数を掛け加算器55159に出力
する。加算器55159は、この信号と上記DC入力信
号Pとの加算信号を加算器55160に出力し、加算器
55160は、この加算信号に減算器55156からの
水平低域信号を加算して合成部5016へ出力する。
【0258】その結果エンファシス出力yは、 y=k(t)(x−p)+p となる。
【0259】入力端子55171に入力される色信号
(I,Q)についても輝度信号Yと同様のエンファシス
処理が行われ出力される。即ち、色信号エンファシス部
は、時間方向プリエンファシス回路55172、垂直方
向プリエンファシス回路55173、水平方向プリエン
ファシス回路55174、水平LPF55175、減算
器55176、55177、係数器55178、加算器
55179、55180、UP/DOWNカウンタ55
181により構成されている。
【0260】図91は、受信側のディエンファシス回路
を示している。
【0261】入力端子65161に導入された輝度信号
Yは、減算器65163に入力されると共に水平方向L
PF6512に入力され、水平低域が抽出され減算器6
5163に入力される。減算器65163は、両信号の
差分をとり加算器65167に出力する。水平方向LP
F65162の水平低域出力は、更に減算器65164
に入力されDC入力信号P´(ペデスタルレベル)が減
算され係数器65165に入力される。
【0262】図95はDC入力信号P´発生回路を示し
ている。
【0263】このシステムであるエンコードフォーマッ
トは、空領域となる第525ラインにペデスタル信号の
みを付加して伝送する。
【0264】受信側において、入力端子65201に導
入された上記伝送信号は、アンド回路65203の一方
端に入力される。アンド回路65203の他方端にはゲ
ート発生回路65202からのゲートパルスが入力さ
れ、アンド回路65203は第525ラインのペデスタ
ル信号付加領域を選択する。アンド回路65203の出
力は、加算器65204を介し選択回路65205に入
力される。選択回路65205はカウンタ65207の
値を用いて出力が制御され、入力がN回(この場合N=
256)になるまで1クロック遅延回路65206への
出力を続ける。1クロック遅延回路65206の出力は
加算器65204に入力され、アンド回路65203の
出力と同期加算される。
【0265】この動作が、N回繰り返されると選択回路
65205の出力は係数器65208に入力され、1/
K倍されDC入力信号P´が得られる。
【0266】図91の係数器65165は、UP/DO
WNカウンタ65168を用い、例えば図94(b)の
ように両サイドパネル部の時間圧縮期間の黒レベル付近
の信号をディエンファシスするように、1/k=1/k
(t)で制御された係数を掛け加算器65166に出力
する。加算器65166は、この入力信号と上記DC入
力信号P´との加算信号を加算器65167に出力し、
加算器65167は、この加算信号に減算器65163
からの水平低域信号を加算して水平方向ディエンファシ
ス回路65169に出力する。
【0267】その結果エンファシス出力yは、 y=1/k(t)・(x−p´)+p´ となる。
【0268】以下、水平方向ディエンファシス回路65
169、垂直方向ディエンファシス回路65170及び
時間方向ディエンファシス回路65171は、図92
(b)のディエンファシス回路を適用しており、この時
間方向ディエンファシス65171からの出力は図50
で示したセンタ−パネル処理部65006に供給され
る。
【0269】入力端子65181に導入される色信号C
(I,Q)についても同様のディエンファシス処理が行
われ、図50のセンターパネル処理部65006に出力
される。色信号ディエンファシス系統は、水平LPF6
5182、減算器65183、65184、係数器65
185、加算器65186、65187、UP/DOW
Nカウンタ65188、水平方向ディエンファシス回路
65189、垂直方向ディエンファシス回路6519
0、時間方向ディエンファシス回路65191で構成さ
れている。
【0270】以上説明したようにこの実施例において
は、サイドパネル処理において、サイド信号の時間圧縮
処理に伴うサイドパネル部の視覚S/N劣化に対して
は、3次元エンファシス処理を適用することにより改善
を得ることができ、また黒レベル付近の小振幅レベル信
号に対してもエンファシス処理を行うことにより伝送ノ
イズにつぶされず暗い画像での精細感を保つことができ
る。
【0271】(マスキング部色多重/分離システム)サ
イドパネル部の輝度信号Yと色信号Cとを同時に上下マ
スク部に多重して伝送する場合、例えば時分割で多重を
行うと、十分な伝送容量を確保できないため、信号帯域
を制限しなければならず、サイドパネル部のボケ感が大
きくなる。また、通常のNTSCと同様に周波数多重を
行った場合は上下マスク部でクロストークが発生すると
並び換え等の処理によりクロストーク成分がサイドパネ
ルで伸長され目立ちやすくなり、著しく画質劣化を生じ
る。
【0272】そこでこの実施例では、サイドパネル処理
部においてサイド信号の高域成分を伝送するに際してそ
の帯域制限に工夫を凝らし、サイドパネル部を再生した
ときの画質向上を図り、かつ、現行受像器で中間方式の
信号を再生した場合に、サイドパネル部の信号が目立つ
のを押さえることができるシステムを実現するものであ
る。
【0273】図96にエンコーダ側の実施例を示し、図
49に示す並べ換え部5017、上下マスク部プリ処理
部5018、合成部5016、NTSCエンコーダ50
19の構成を詳しく示している。
【0274】入力端子5013a、5013bには、輝
度信号及び色信号が入力される。
【0275】各信号は、サイドパネルの高域と低域とを
分割するサイドパネル高域低域分割部5013に入力さ
れる。各信号の低域成分は更にセンタパネル処理回路5
014を介してエンファシス回路5015で処理され合
成部5016を構成する選択回路55191、5519
2の各一方端に入力される。
【0276】各信号のサイドパネルの高域成分(Y、
C)は、並べ換え部5017のフィールドメモリ551
93、55194にそれぞれ入力される。フィールドメ
モリ55193,55194は、タイミング発生器55
195からの制御信号を用いて各信号を並び変えて出力
する。フィールドメモリ55193の輝度信号出力は、
遮断周波数が3MHzに設定された低域通過フィルタ
(LPF)55196と遅延器55197に入力され
る。選択回路55198は、LPF55196の信号と
遅延器55197を介した信号とを選択して、合成部5
016の選択回路55191の他方端に供給する。
【0277】フィールドメモリ55194の出力色信号
は、遮断周波数が0.5MHzに設定されたLPF55
199に入力される。選択回路55200は、LPF5
5199の信号と0レベル信号とを選択して、選択回路
55192の他方端に入力する。
【0278】合成部5016を構成する選択回路551
9,55192は、エンファシス回路5015のセンタ
部信号と選択回路55198,55200の上下パネル
部の信号とを切り替えて出力する。選択回路55192
の出力色信号は、乗算器55201で色搬送波であるf
scで変調され加算器55202に入力される。加算器
55202は、変調された色信号と選択回路55191
からの輝度信号とを周波数多重し出力端子5020に複
合映像信号として導出する。
【0279】以上のエンコード処理を図98(a)と図
99を参照してイメージ的に更に説明する。
【0280】輝度信号及び色信号のサイドパネルSPY
1,SPC1をそれぞれ並び変え、SPY2,SPC2
に示す様に配列する。輝度信号のサイドパネルは、並び
変えられた配列の輝度信号と同じ1ライン毎に、遮断周
波数が3MHzに設定されたLPFを用いて帯域が制限
される。色信号のサイドパネルは、並び変えられた配列
の1ライン毎に、遮断周波数が0.5MHzに設定され
たLPFを用いて帯域が制限され、その他のラインは0
にされる。帯域制限された色信号はfscで変調された
後、帯域制限された輝度信号と周波数多重される。つま
り、SPYCに示すように、1ライン毎に輝度信号のみ
のラインと輝度信号と色信号とが多重されたラインとが
得られる。
【0281】ここで、輝度信号だけのライン(20本の
うち10本)は、帯域制限が行われないため、図99
(b)に示す様に4.2MHzまで伝送され、一方、輝
度信号と色信号とが多重されたライン(残り10本)
は、図99(a)に示すスペクトルになる。
【0282】従って、3MHz以下の輝度信号成分は、
全ラインが伝送されるが、3MHz以上の輝度信号成分
は、半分のラインしか伝送されないため、図99(c)
に示す帯域となる。よって半分のラインでは斜め成分が
欠如することになる。また、色信号は、通常の半分のラ
インしか伝送しないため図99(d)に示す帯域とな
る。
【0283】図97はデコーダ側のサイドパネル処理部
65001における実施例を示している。入力端子65
008に導入された上下マスク部の信号は、選択回路6
5211の一方端、LPF65212及び減算器652
13に入力される。LPF65212は、輝度信号と色
信号とが多重されたラインから輝度信号を抽出し、選択
回路65211の他方端と減算器65213に供給す
る。減算器65213は、上下マスク部の信号から輝度
信号を減じて色信号を得る。
【0284】選択回路65211は、入力上下マスク部
信号が輝度信号だけのラインの場合は入力端子6500
8からの信号を選択し、輝度信号と色信号とが多重され
たラインの場合はLPF65212の出力を選択する。
【0285】選択回路65211の輝度信号出力は、タ
イミング発生回路65216の制御信号を用いてフィー
ルドメモリ65215で並び換えられ、もとのサイド信
号の位置に配置される。
【0286】フィールドメモリ65215の出力は、加
算器65219に入力されると共にラインメモリ(1
H)65217,65218を直列に介して加算器65
219に入力される。
【0287】加算器65219は、フィールドメモリ6
5215の出力と2H分の遅延信号とを加算し係数器6
5220に供給する。係数器65220は、加算器65
219の出力に1/2の係数を乗じてライン間の平均値
を算出し、遮断周波数3MHzの高域通過フィルタ(H
PF)65221に供給する。
【0288】HPF65221は、3MHz以上の高域
成分を抽出し、加算器65222に供給する。加算器6
5222は、HPF65221からの高域成分とライン
メモリ65217からの1H遅延信号とを加算し選択回
路65223の一方端に出力する。選択回路65223
の他方端にはラインメモリ65217の1H遅延信号が
入力される。選択回路65223は、輝度信号のみ多重
された信号が入力されたときはラインメモリ65217
の出力を選択し、輝度信号と色信号とが多重された信号
がLPF65212で帯域制限された信号が入力された
ときは、高域成分が加算された加算器6522の出力を
選択する。
【0289】一方、減算器65213の色信号出力は、
乗算器65214で復調されフィールドメモリ6522
5で並び変えられた後、ラインメモリ65226,65
227,加算器65228及び係数器65229を用い
てライン間平均信号を得る。
【0290】選択回路65230の一方端には係数器6
5229の出力が入力され、他方端にはラインメモリ6
5226の出力が入力されている。色信号が伝送されて
いる時はラインメモリ65226の出力を選択し、伝送
されていない時は係数器65229の出力を選択する。
【0291】輝度信号を得る選択回路65223,色信
号を得る選択回路65230からの輝度信号及び色信号
出力は、それぞれ加算器65231,65232でサイ
ドパネルの低域成分に加算されサイドパネルが再生され
る。
【0292】以上のデコード処理を図98(b)を用い
て更に説明する。
【0293】輝度信号と色信号が多重されているライン
は、遮断周波数3MHzのLPFを用いて輝度信号と色
信号とに分離される。分離された輝度信号SPY2´と
SPC2´は、SPY1´とSPC1´で示すように並
び変えられる。
【0294】輝度信号においては、遮断周波数3MHz
のLPFで帯域制限されたラインに、帯域制限されない
ラインの高域成分を上下ラインから抽出して加算する。
この加算が加算器65222において行われている。
【0295】色信号においては、もともと半分のライン
しか伝送されていないので、上下ラインから補間して再
生する。直接信号が1Hラインメモリ65226から得
られ、補間信号が係数器65229から得られ、これら
の信号は選択回路65230により交互に選択導出され
る。これにより、ほとんど元の信号と変りのないサイド
パネル信号が再生される。
【0296】さらにまた特に、エンコード信号を上下マ
スク部に多重する場合、輝度信号と色信号が多重された
ラインを垂直の同期信号付近に時間調整して配置すれ
ば、現行受像機で見た場合、垂直オーバースキャン部に
隠れるためより見えにくくすることができ、クロストー
クが発生した場合など目立つことがない。
【0297】上記したようにこの実施例では、輝度信号
の斜め成分の一部を制限し、輝度信号と色信号とを周波
数多重し上下マスク部で伝送する。輝度信号と色信号は
完全に分離できるように予め帯域制限されているためク
ロストークは生じない。また、輝度信号の斜め成分は視
覚上寄与度が低いため解像度の劣化も生じない。
【0298】(多重信号適応レベル変換システム)サイ
ドパネル部の高域成分は、垂直の上下マスク部に多重さ
れるため、振幅レベルが大きいと妨害として目立ってし
まう。
【0299】これに対して、信号を一定値で割ることで
全体の振幅レベルを抑制して伝送し、受信側でその数を
掛けて信号レベルを復元する方法が考えられる。 しか
し、この方法では、送信側の除数に比べ信号レベルが著
しく小さいと伝送ノイズ等により潰れてしまい、受信側
で復元ができない。また、逆に信号レベルが著しく大き
いと、妨害がより目立ちその値の設定は困難である。
【0300】そこでこの実施例では、上下マスク部に多
重されるサイドパネルの高域成分を正規化することによ
り、振幅レベルを制御し、妨害が目立つのを抑えるもの
である。また正規化にあたっては、センターパネル部の
高域信号にオフセットをかけた信号を用いることにより
サイドパネル信号の微小信号成分のノイズがつぶれるの
を防止している。このことを実現する手段として図49
及び図50の合成部5016及び65007に特徴を持
たせている。
【0301】図100及び図101はサイドパネル高域
信号を正規化する回路の構成例を示している。
【0302】図100はエンコーダ側の合成部5061
を示している。
【0303】入力端子55211,55212には輝度
信号センタパネル部及び輝度信号上下マスク部の信号が
入力される。センタパネル部の信号は、選択回路552
22の一方端に入力されると共にディエンファシス回路
55213に入力される。ディエンファシス回路552
13の特性は、図50のディエンファシス回路6500
5と同じ特性を有し、図49のエンファシス回路501
5による信号レベル変化を元に戻すものである。
【0304】ディエンファシス回路55213の出力
は、HPF55214で水平周波数0.8[MHz]以
上に帯域制限され、5倍伸長回路55215で5倍に時
間伸長される。これは、図49のセンターパネル処理部
5014における1/5時間圧縮の逆操作である。
【0305】5倍伸長回路55215の出力は、絶対値
回路55216で絶対値化され、総和回路55217で
n個の信号値の総和が得られる。
【0306】総和回路55217の出力は、オフセット
回路55218でオフセット値Cyが掛けられ Σ|xi |+Cy (xi は信号レベル) となる。
【0307】オフセット回路55218の出力は、並べ
換え回路55219で図49の並べ換え部5017と同
様の動作が行われ、除算回路55221に入力される。
【0308】上下マスク部の信号は、係数器55220
でオフセット値Cy の係数が掛けられ、除算回路552
21で並べ換え回路55219の出力で除せられ正規化
された後、選択回路55222の他方端に入力される。
選択回路55222は、制御回路55223で制御さ
れ、第42〜241ライン及び第305〜504ライン
が入力された時はセンタパネル部の信号(入力端552
11からの信号)を選択し、第22〜31ライン及び第
515〜524ラインが入力された時は正規化された上
下パネル部の信号(除算回路55221からの信号)を
選択する。選択回路55222の出力は、図49のNT
SCエンコーダ5019に入力される。
【0309】入力端子55311,55312に導入さ
れた色信号センターパネル部及び色信号上下マスク部信
号は、輝度信号と同様の処理が施され、センターパネル
部の信号と正規化された上下マスク部の信号が選択回路
55322から選択出力される。従って、色信号処理系
は、ディエンファシス回路55313、HPF5531
4、5倍伸張回路55315、絶対値回路55316、
総和回路55317、オフセット回路55318、並べ
換え回路55319、除算回路55321、係数器55
320、選択回路55322などで構成される。
【0310】但し、HPF55314で、水平周波数
0.1[MHz]以上に帯域制限されるものとする。
【0311】図101は、図50に示すデコーダ側の合
成部65007における正規化処理回路を示している。
【0312】入力端子65241,65242には輝度
信号センターパネル部及び輝度信号上下マスク部の信号
が入力される。センターパネル部の信号は、加算器65
249に入力されると共に水平HPF65243に入力
される。
【0313】センターパネル部の信号は、水平HPF6
5243で水平周波数0.8[MHz]以上に帯域制限
され、絶対値回路65244で絶対値化され、総和回路
65245でn個の信号値の総和がとられる。
【0314】総和回路65245の出力は、オフセット
回路65246でオフセット値Cyが掛けられ Σ|xi |+Cy (xi は信号レベル) となる。
【0315】オフセット回路65246の出力は、乗算
回路65247で上下マスク部の信号に乗ぜられ、係数
器65248で1/Cy の係数が掛けられ加算器652
49に入力される。加算器65249は、係数器652
48の出力と上記センターパネル部信号とを加算し、 ((Σ|xi |+Cy )/Cy )・YM (YM は輝度信号上下マスク部)を得、元の上下マスク
部信号を再生することができる。
【0316】入力端子65251,65252に導入さ
れた色信号センタパネル部信号及び色信号上下マスク部
信号についても同様の処理が施される。従って、色信号
処理系は、HPF65253、絶対値回路65254、
総和回路65255、オフセット回路65256、乗算
回路65257、係数器65258、加算器65259
等により構成される。
【0317】但し水平HPF65253では、水平周波
数0.1[MHz]以上に帯域制限されるものとする。
【0318】上記した実施例によると、垂直の上下マス
ク部に多重伝送されるサイドパネル部高域信号を正規化
することで、振幅レベルを抑制し、妨害が目立たなくな
る。
【0319】正規化にあたっては、センタパネル部高域
信号にオフセット値を掛けた信号を用いることでサイド
パネルの微小信号成分のノイズつぶれ等を防ぐことがで
きる。
【0320】(多重信号差分処理システム)上記したよ
うにこのシステムでは、サイドパネル信号の高域成分
は、上下マスク部に多重して伝送する。この上下マスク
部は、現行受像機で受信した場合には画面上に現れる。
そのため、上下マスク部に多重している信号のレベルが
大きくなると、上下マスク部に多重した信号が目立って
しまい、現行ユーザーに非常に邪魔になる。
【0321】そこでこの実施例では、上下マスク部に多
重する信号のレベルを極めて小さくすることができ、現
行の受像機で中間方式の信号を再生した場合に上下マス
ク部の多重信号が目立つのを抑圧するようにしている。
このためにこの実施例では、図49及び図50に示すサ
イドパネル処理部における並べ換え部5017、650
10の処理方法及び構成にに特徴を有している。
【0322】図102は並べ変え処理部5017(エン
コーダ側)のブロック図を示している。
【0323】入力端子55321に導入されたサイドパ
ネル輝度信号の高域成分は、ラインメモリ55322で
1ライン遅延され加減算処理器55323の一方端に入
力されると共に加減算処理器55323の他方端に直接
入力される。
【0324】従って、加減算処理器55323には隣合
った2ラインの信号が同時に入力されていることにな
る。加減算処理器55323については、後に詳述する
が、2ライン分の信号が同時に出力される。加減算処理
器55323の一方の出力は選択回路55325の一方
端に直接入力され、他方の出力はラインメモリ5532
4で1ライン遅延され選択回路55325の他方端に入
力される。
【0325】選択回路55325は、両入力を1ライン
毎に切り替えて出力する。従って、加減算処理器553
23から同時に出力される2ライン分の信号が1ライン
づつ交互に出力される。選択回路55325の出力は、
フィールドメモリ55326に入力される。
【0326】フィールドメモリ55326は、サイドパ
ネル輝度信号を上下マスク部に並べ変えている。この動
作は、アドレス制御回路55327を用いてフィールド
メモリ55326の読み出し書き込みアドレスを制御し
て行っている。
【0327】フィールドメモリ55326の出力は、サ
イドパネル輝度信号が上下マスク部に並べ変えられた信
号で、出力端子に導出される。
【0328】入力端子55328に導入されたサイドパ
ネル色信号の高域成分は、遅延器55329を介してフ
ィールドメモリ55330に入力される。遅延器553
29は、サイドパネル輝度信号の処理に必要な時間だけ
遅延している。これはフィールドメモリ55326に入
力されるサイドパネル輝度信号とフィールドメモリ55
330に入力されるサイドパネル色信号とのタイミング
を同じにするためである。このようにすると、フィール
ドメモリ55326のアドレス制御とフィールドメモリ
55330のアドレス制御とを全く同じにすることがで
きるのでアドレス制御回路55327を共用することが
できる。
【0329】フィールドメモリ55330は、サイドパ
ネル色信号を上下マスク部に並び変えて出力端子に導出
する。
【0330】図104(a)は、図102に示す加減算
処理器55323を示している。入力端子55331に
は、図102のラインメモリ55322の出力が入力さ
れ、入力端子55332には入力端子55321に入力
された信号が直接入力される。以下、入力端子5533
1に入力される信号をa、入力端子55332に入力さ
れる信号をbとし、添字lで示されるa1 ,b1 は信号
a、bのうち3MHz以下の成分を表し、添字hで示さ
れるah ,bh は3MHz以上の成分を表す。すなわち
入力端子55331には信号(a1 +ah )が入力さ
れ、入力端子55332には信号(b1 +bh )が入力
される。
【0331】信号(a1 +ah )は、LPF55333
に入力され水平周波数を3MHz以下に帯域制限され
る。LPF55333からの3MHz以下の信号a
1 は、加算器55334と減算器55340に入力され
る。
【0332】信号(b1 +bh )は、LPF55336
と減算器55337に入力される。LPF55336は
水平周波数を3MHz以下に帯域制限し、信号b1 を加
算器55339,55334と減算器55337に供給
する。加算器55334は、LPF55333の出力信
号a1 とLPF55336の出力信号b1 とを加算し、
信号(a1 +bh )を係数器55335に供給する。係
数器55335は、信号(a1 +b1 )を1/2倍し出
力端子55342に信号((a1 +b1 )/2)(以下
信号Aと記す)として導出する。
【0333】減算器55337は、信号(b1 +bh
から信号b1 を減算し信号bh を係数器55338に供
給する。信号bh は、係数器55338で2倍され加算
器55339で信号b1 と加算され信号(b1 +2
h )となる。信号(b1 +2bh )は、減算器553
40で信号a1 から減算され、信号(a1 −b1 −2b
h)となり、係数器55341で1/2倍され信号
((a1 −b1 )/2−bh ))(以下Bと記す)とし
て出力端子55343に導出される。
【0334】信号Bの帯域は4.2MHzまであるが、
信号Aの帯域は3MHzまでしかない。これは、上下マ
スク部に信号を多重する際に信号Aの3MHz以上の領
域に色信号を多重するためである。
【0335】3MHz以下の成分についてみると、信号
Aの場合は上下ライン間の和になっているが、信号Bの
場合は上下ライン間の差になっている。上下ライン間の
差をとることにより、垂直方向の高域成分となるため、
信号のエネルギーは小さくなる。そのため、元の信号を
そのまま上下マスク部に多重するよりも、現行受像機で
映出した場合は上下マスク部では見えにくくなる。
【0336】信号Aは、図102に示す選択回路553
25の一方端に入力され、信号Bはラインメモリ553
24を介して他方端に入力され、1ライン毎に交互にフ
ィールドメモリ55326に入力され上下マスク部への
並べ換えが行われる。
【0337】図105は上下マスク部の信号の配置を示
している。
【0338】映像信号の上下両端部、すなわち同期信号
に近い部分に信号Aを配置する。そしてその内側、すな
わちセンタ信号に近い部分に信号Bを配置する。信号A
が配置された上下マスク部の領域は、現行受像機で受信
した場合、垂直オーバースキャン部となるため画面上に
は表われない。上下マスク部のうち画面上に表われるの
は、信号Bが配置された部分のみとなり、信号Bはライ
ン間差信号なのでエネルギーが小さく見えにくい。
【0339】従って、上下マスク部に多重した信号を現
行受像機で再生しても、ほとんど邪魔にならない。
【0340】図103は、図50に示すデコーダ側の並
べ換え処理部65010を示している。入力端子652
61には、上下マスク部に多重された輝度(Y)信号が
導入されフィールドメモリ65262に供給される。入
力端子65272には上下マスク部に多重された色信号
が導入され、フィールドメモリ65273に供給され
る。
【0341】フィールドメモリ65262に供給された
輝度信号は、もとのサイドパネル部に並べ換えられる。
この並べ換えはフィールドメモリ65262の書込みと
読み出しアドレスを制御するアドレス制御器65274
により実現されている。フィールドメモリ65273で
も同様な処理により並べ換えが行われる。これによりフ
ィールドメモリ65262からはサイドパネル部に並べ
換えられた輝度信号が得られ、フィールドメモリ652
73からはサイドパネル部に並べ換えられた色信号が得
られる。フィールドメモリ65262の出力は、ライン
メモリ65263と加減算処理器65264に入力され
る。ラインメモリ65263では1ライン分の遅延が行
われ、その出力は加減算処理器65264に入力され
る。加減算処理器65264には、2ライン分の信号が
同時に入力されることになる。つまり、エンコーダの加
減算処理器55323から出力された信号A、Bが入力
されることになる。
【0342】図104(b)は加減算処理器65264
を具体的に示している。端子65281から入力された
信号Aと端子65282から入力された信号Bは、共に
加算器65283に入力される。従って、加算器652
83からは A+B= (1/2)(a1 +b1 )+{(1/2)(a1 - b1 )-bh } =a1
−bh が出力される。加算器65283から出力されるa1
h は加算器65284に入力される。一方、減算器6
5286では、信号Aから信号Bが引き算される。よっ
て A−B= (1/2)(a1 +b1 )-{(1/2)( a1 −b1 )-bh }=b1
+bh が得られる。減算器65286の出力は、HPF
65287に供給されるとともに端子65289に導出
される。端子65289は、加減算処理器65264の
出力端子となっており、b1 +bh を得ることができ
る。
【0343】HPF65287では、3MHz 以上の帯域
制限が行われるので、b1 +bh の信号のうち3MHz 以
上の成分bh が加算器65284に入力される。これに
より加算器65284では、bh がキャンセルされ、信
号a1 のみが導出される。この信号a1 は加減算処理器
65264の出力として出力端子65288に導出され
る。
【0344】よって加減算処理器65264の一方の端
子65288からは、信号a1 (信号aのうち3MHz 以
下の成分)が出力され、他方の端子65289からは信
号b1 +bh (信号bの全帯域)が出力されることにな
る。
【0345】図103に戻ると、信号al は、加算器6
5270に入力され、信号Bはラインメモリ65265
と加算器65267に入力される。ラインメモリ652
65で1ライン分の遅延を受けた信号は、ラインメモリ
65266とセレクタ65271に入力される。ライン
メモリ65266では、1ライン分の遅延が施され、そ
の出力は加算器65267に入力される。従って加算器
65267では、2ライン分離れた信号Bの和が求めら
れる。加算器65267の出力は、係数器65268に
入力され1/2 倍される。従って、係数器65268の出
力は、2ライン離れた信号Bの平均値となっている。係
数器65268の出力は、HPF65269に入力され
る。HPF65269では、3MHz 以上の信号のみが出
力され、その出力は加算器65270に入力される。従
ってHPF65269から出力された信号は、2ライン
離れた信号Bの3MHz 以上の成分であるbh の平均値b
h´であり、これが加算器65270に入力され、加減
算処理器65264から出力される信号al と加算され
ることになる。加減算処理器65264からの信号al
HPF65269からの信号bh ´とは同時に出力され
るが、信号al は信号bh ´よりも1ライン前の信号で
ある。従って、加算器65270では、3MHz 以下の帯
域である信号al に対して、その上下ラインの信号bの
3MHz 以上の平均値である信号bh ´が加算されること
になる。加算器65270の出力は、4.2MHz までの
帯域の成分を持つ信号aとして、これがセレクタ652
71に入力される。
【0346】セレクタ65271には、この信号aとラ
インメモリ65265により1ライン遅延された信号B
が入力されている。これらが1ライン毎に交互に選択導
出され、ワイドパネルの輝度信号が得られる。セレクタ
65271の出力は端子65276に導出され、これが
並べ換え処理部65010の出力となる。
【0347】フィールドメモリ65273から出力され
ているサイドパネル部の色信号は、遅延器65275に
より遅延され、サイドパネルの輝度信号のデコードに必
要な時間遅延され時間合わせが行われる。そして、並べ
換え処理部65010の色信号出力端子である6527
7に出力される。
【0348】上述した実施例によれば、現行受像機にお
いて中間方式による信号を受信し映出した場合に、顔面
上に表れる上下マスク部に多重される信号のレベルを非
常に小さくすることができる。現行受像機の画面上でも
めざわりが無く、他の信号に妨害となることもない。
【0349】(サイドパネル継ぎ目処理システム(継ぎ
目の垂直相関性低減処理))サイドパネル方式では、サ
イドパネル部とセンタパネル部とを別々に処理して伝送
し受信側で再合成する。このときサイドパネルとセンタ
パネルとは異なった処理が施されて伝送されるため繋ぎ
目が目だってしまう。特に、センタパネルとサイドパネ
ルとの分割点では、伝送系で生じるリンキングの影響及
びそれぞれのパネルの解像度の差があるため縦に筋状の
歪みが生じ、繋ぎ目が目だってしまう。
【0350】そこで、この実施例では、センターパネル
とサイドパネルの繋ぎ目の位置を、ライン毎にずらすこ
とにより、繋ぎ目で生じる歪みの垂直相関性を低くし、
繋ぎ目を目立ちにくくするようにしたものである。
【0351】図106は図49に示すエンコーダ側のサ
イドパネル処理部5002におけるセンターパネル処理
部5014の一実施例を示している。入力端子5535
1に導入された輝度信号は、遅延回路55352、10
/9倍伸張回路55353及び1/5倍圧縮回路553
54にれぞれ入力され、各出力は選択回路55355に
入力される。
【0352】入力端子55361に導入された色信号
は、遅延回路55356、10/9倍伸張回路5535
7及び1/5倍圧縮回路55358にそれぞれ入力さ
れ、各出力は選択回路55359に入力される。
【0353】選択回路55355,55359は、タイ
ミング発生回路55360により制御され、サイドパネ
ル部では1/5倍圧縮回路55354,55358の出
力を選択し、センタパネル部では10/9倍伸張回路5
5353,55357の出力を選択し、サイドパネルと
センタパネルの間の部分では遅延回路55352,55
356の出力を選択して出力端子55362,5536
3に導出する。この場合、タイミング発生回路5536
0の制御信号は1ライン毎に切り換えられている。
【0354】図107は、図50に示すデコーダ側のサ
イドパネル処理部65001におけるセンターパネル処
理部65006の一実施例を示している。
【0355】入力端子65291にはエンコードされた
輝度信号が入力される。入力輝度信号は、遅延回路65
292、9/10倍圧縮回路65293及び5倍伸張回
路65294にそれぞれ入力され、各出力は選択回路6
5295に入力される。
【0356】入力端子65296にはエンコードされた
色信号が入力される。入力色信号は、遅延回路6529
7、9/10倍圧縮回路65298及び5倍伸張回路6
5299にそれぞれ入力され、各出力は選択回路653
00に入力される。
【0357】選択回路65295,65300は、タイ
ミング発生回路65301を用いて制御され、サイドパ
ネル部では5倍伸張回路65294,65299の出力
を選択し、センタパネル部では9/10倍圧縮回路65
6293,65298の出力を選択し、サイドパネルと
センタパネルの間の部分では遅延回路65292,65
297の出力を選択して出力端子65302,6530
3に導出する。この場合、タイミング発生回路6530
1の制御信号は1ライン毎に切り換えられている。
【0358】図108を参照して圧縮伸長フォーマット
について説明する。
【0359】4fscでサンプリングした場合、1水平
走査期間は910サンプルとなる。このうち、水平同期
期間を除く747サンプルを画像信号として取り扱う。
【0360】例えば、左右41サンプルをサイドパネル
部とし、その内側17サンプルづつを圧縮処理を行わな
い部分とし、その内側631サンプルづつをセンタパネ
ルとして伸長する部分とする。エンコード後は全体が7
53サンプルでサイドパネル部左右9サンプルとなる。
【0361】また、図109に示すように、左右42サ
ンプルをサイドパネル部とし、その内側16サンプルづ
つを圧縮処理を行わない部分とし、センタ部は図108
と同様とすると、全体は747サンプルとなり図108
と同様となる。エンコード後は全体が753サンプルで
サイドパネル部左右10サンプルとなる。
【0362】図108と図109のフォーマットは、サ
イドパネルのサンプル数が1サンプル異なるだけで全体
のサンプル数及びセンタ位置は同じである。
【0363】エンコーダ側のタイミング発生回路553
60は、1ライン毎に図108に示すフォーマットと図
109に示すフォーマットとを切り替える。
【0364】上記の様にライン毎にフォーマットを切換
えることで、図110に示すようにサイドパネルとセン
タパネルの繋ぎ目の位置をライン毎にずらすことができ
る。従って、つなぎめの歪みの垂直相関を低く押さえる
ことができ目立たなくすることができる。
【0365】尚、この発明ではライン毎にフォーマット
切換え行ったが、例えばフィールド単位及びフレーム単
位で切換えを行っても良い。
【0366】上記したようにこの実施例では、ライン単
位にサイドパネルとセンタパネルの繋ぎ目の位置をずら
すことにより、繋ぎ目で生じる歪みの垂直相関を低くし
てより目立たなくすることができ、サイドパネルとセン
タパネルを滑らかに合成することができる。
【0367】(サイドパネル継ぎ目処理(解像度の滑ら
か処理))システム)サイドパネル部の信号は、低域成
分は水平オーバースキャン部に多重して伝送し、高域成
分は上下マスク部に時分割多重して伝送する。しかし上
下マスク部で伝送できる信号量は決まっているため、サ
イドパネル部の高域成分全部を伝送することはできな
い。そこで、サイドパネル部の信号は、視覚上目立たな
い斜め高域成分が削除されて伝送される。このため、セ
ンターパネル部とサイドパネル部とでは信号帯域に差が
あるため、デコーダでサイドパネル部を再生したとき
に、帯域差によってセンターパネル部とサイドパネル部
との繋ぎ目が目だってしまう。
【0368】そこでこの実施例では、センターパネル部
とサイドパネル部の繋ぎ目付近の信号が極端に帯域差を
持たず、滑らかな帯域差となるように、センターパネル
部の左右両端側の帯域を少し制限して伝送するようにし
ている。
【0369】図111は、図49に示すサイドパネル高
域低域分割部5013のブロック図を示している。
【0370】レターボックス処理側から入力端子553
71に導入された輝度信号は、選択回路55373の一
方端に入力されると共にプリフィルタ55372で斜め
成分が削除されて選択回路55373の他方端に入力さ
れる。
【0371】選択回路55373は、タイミング発生回
路55390で制御され、センターパネル部のサイドパ
ネル部に接した部分とサイドパネル部では、プリフィル
タ55372の出力が選択され、センターパネル部のサ
イドパネル部に接した部分を除いたセンターパネル部の
ほとんどの部分では入力端子55371からの入力輝度
信号が選択される。従って、選択回路55373の出力
は、センターパネル部とサイドパネル部との境界線より
も少し内側を境にして、その境よりも外側の部分がプリ
フィルタ55372によって斜め高域成分が削除された
ものとなっている。
【0372】選択回路55373の出力は、LPF55
374と減算器55375に入力される。LPF553
74は、信号の低域成分のみを抽出し減算器55375
に供給する。
【0373】減算器55375は、選択回路55373
の出力からLPF55374の低域成分出力を減算し、
高域成分を分割回路55376に供給する。
【0374】分割回路55376は、入力信号をセンタ
ーパネル部の信号とサイドパネル部の信号とに分割し、
センターパネル部の信号を加算器55377に供給し、
サイドパネル部の信号を出力端子55379に出力す
る。加算器55377は、センターパネル部の高域信号
とLPF55374からの低域成分とを加算し出力端子
55378に出力する。従って出力端子55378に
は、センターパネル信号の全帯域信号とサイドパネル部
の低域成分が導出される。出力端子55379にはサイ
ドパネル部の高域成分が導出される。
【0375】出力端子55378の信号は、センターパ
ネル処理部5014においてセンターパネル部が10/
9倍伸張され、サイドパネル部(低域成分)が1/5倍
圧縮されることになる。圧縮されたサイドパネル部は水
平オーバースキャン部に対応する。また出力端子553
79のサイドパネル部の高域成分は、並べ換え処理を施
され上下マスク部に多重されることになる。
【0376】入力端子55381に導入された色信号
は、プリフィルタ55382,選択回路55383,L
PF55384,減算器55385,分割回路5538
6及び加算器55387を用いて、上記輝度信号と同様
の処理が施される。
【0377】出力端子55388には、センターパネル
部の信号の全帯域の色信号とサイドパネル部の低域成分
の色信号が導出され、サイドパネル部の低域成分は時間
圧縮され水平オーバースキャン部に多重されて伝送され
る。出力端子55389には、サイドパネル部の高域成
分の色信号が出力され、上下マスク部に時分割多重され
て伝送される。
【0378】以上述べたように、サイドパネル高域低域
分割部5013を構成すれば、受信機側でサイドパネル
をデコードし、元の16:9の画面とした時に、センタ
ーパネル部とサイドパネル部との帯域差を目立たなくす
ることができる。これは、センターパネル部の信号の斜
め高域成分をエンコーダで削除しているために、センタ
ーパネル部の中央部と左右両端部、センターパネル部の
左右両端部とサイドパネル部は、帯域差があるがその帯
域差は次第に変化してつながる形となり、急激な変化が
ないからである。
【0379】(多重信号のスクランブルシステム)サイ
ドパネル部の高域成分は、上下マスク部に時分割多重し
て伝送する。
【0380】例えば、サイドパネル部の一部分にのみ、
高域成分が存在した場合、上下マスク部の中でその部分
を多重した場所にのみ高域信号がある様になる。また、
サイドパネルの一部分のみが動いていたとすると、その
信号を多重した上下マスク部の一部分のみの信号が動く
ことになる。
【0381】これらのような場合、上下マスク部の信号
のみが動いていたりするため、上下マスク部の中でその
部分のみが非常に目障りになる。
【0382】そこでこの実施例では、図49に示す並べ
換え部5017の処理方法を工夫し、サイドパネル部の
高域成分を上下マスク部に多重する場合、上下マスク部
への高域信号の配置をランダムにすることにより、多重
信号を均一化して、目立たなくするものである。
【0383】図112は、図49に示すエンコーダ側の
並べ換え部5017の構成例を示している。
【0384】入力端子55401には上下マスク部に多
重するサイドパネルの輝度信号の高域成分が入力され、
入力端子55405には上下マスク部に多重するサイド
パネルの色信号の高域成分が入力される。
【0385】入力端子55401に導入された輝度信号
は、ライン間処理回路55402に入力される。ライン
間処理回路55402は、ライン間和信号とライン間差
信号とを作成し、フィールドメモリ55403に供給す
る。ライン間和信号とライン間差信号は、図52に示す
ように上下マスク部に多重されて伝送される。
【0386】入力端子55405に導入された色信号
は、遅延回路55406に入力される。遅延回路554
06は、上記輝度信号がライン間処理回路55402で
処理されている時間だけ色信号を遅延する。遅延回路5
5406の出力は、フィールドメモリ55407に入力
される。
【0387】フィールドメモリ55403,55407
は、スクランブルアドレス制御回路55409で制御さ
れ、輝度信号及び色信号をそれぞれ上下マスク部に並べ
換えている。この動作は、フィールドメモリ5540
3,55407の書込み及び読出しアドレスを制御し
て、サイドパネル部の連続したラインの信号が並ばない
ように、ランダムに配置している。
【0388】フィールドメモリ55403は、上下マス
ク部に並べ換えられたサイドパネルの輝度信号(高域成
分)を出力端子55404に導出し、フィールドメモリ
55407は、上下マスク部に並べ変えられたサイドパ
ネルの色信号(高域成分)を出力端子55408に導出
する。
【0389】図113は、50図に示すデコーダ側の並
べ換え部65010のブロック図を示している。
【0390】入力端子65311には上下マスク部に多
重された輝度信号(高域成分)が入力され、入力端子6
5315には上下マスク部に多重された色信号(高域成
分)が入力される。
【0391】入力端子65311に導入された輝度信号
はフィールドメモリ65312に入力され、入力端子6
5315に導入された色信号はフィールドメモリ653
16に入力される。フィールドメモリ65312,65
316は、スクランブルアドレス制御回路65319を
用いてフィールドメモリ65312,65316の書込
み及び読出しアドレスを制御して、上下マスク部にラン
ダムに配置されたサイドパネルの信号を元のサイドパネ
ルの信号に並べ換えている。
【0392】フィールドメモリ65312の出力は、ラ
イン間処理回路65313に入力される。
【0393】サイドパネル部の輝度信号の高域成分は、
エンコーダでライン間和信号とライン間差信号に処理さ
れ、上下マスク部に多重されている。従って、フィール
ドメモリ65312から出力されるサイドパネル部に並
べ換えられたサイドパネルの輝度信号は、ライン間和信
号とライン間差信号のままになっている。ライン間処理
回路65313は、ライン間和信号とライン間差信号か
ら元の信号を得るための処理を行い、サイドパネルの輝
度信号の高域成分を出力端子65314に導出してい
る。
【0394】フィールドメモリ65316は、サイドパ
ネル部の色信号の高域成分を遅延回路65317に出力
する。遅延回路65317は、上記輝度信号がライン間
処理回路65313で処理されている時間だけ色信号を
遅延し、出力端子65318に導出している。
【0395】なおスクランブルとディスクランブルの関
係は、各種の方法があり、アドレス制御回路55409
と65319との同期関係を維持し、メモリ等を用いて
デコーダとエンコーダのスクランブル情報とディスクラ
ンブル情報の共通化を図ればよい。
【0396】上記した実施例によれば、サイドパネル部
の高域信号を上下マスク部に多重する場合、上下マスク
部の高域信号をランダムに配置することにより、上下マ
スク部に多重した信号を偏りなく均一化することができ
る。従って、上下マスク部に多重した信号を目立たなく
することができる。
【0397】なおスクランブルを解除するためのキー情
報は、送信側から特定のラインに重畳して伝送してもよ
く、あらかじめ取決められたタイミングからスクランブ
ル解除デ−タ(キー情報)が格納されたメモリを駆動す
るようにしてもよい。また、メモリのキー情報を放送セ
ンター側から送られるキー情報で書き替え可能にすれ
ば、有料放送を行う場合にも活用できる。
【0398】(色信号多重伝送システム)通常テレビジ
ョン信号は、輝度信号に色信号が周波数多重された複合
信号であり、受像機で複合信号を輝度信号と色信号とに
分離しなければならない。周波数多重された色信号を抽
出するためには、従来、帯域通過フィルタ(BPF)が
使われていたが水平解像度が劣化するためコムフィルタ
を用いて分離している。しかし、これらの分離用フィル
タで輝度信号と色信号とを分離すると完全な分離ができ
ないため、輝度信号が色信号へ漏れ込みクロスカラーが
発生し、色信号が輝度信号へ漏れ込みドット妨害とな
る。従って、特に輝度信号と色信号のクロストークが発
生しやすい斜め成分の多い領域で妨害が生じ、画質劣化
が生じていた。
【0399】そこでこの実施例では、輝度信号と色信号
との多重方法及び分離方法を工夫することにより、受信
側ではマトリックス演算により、ほとんど完全なY/C
分離を可能し、クロストークよる画質劣化を生じること
なく高精細な画像を得られるようにしている。
【0400】図114は輝度信号に色信号が多重された
信号を示している。
【0401】図において丸数字1,1,…は走査線を示
し、Y1 ,Y2 ,…は輝度信号を示し、C1 ,C2 ,…
は色信号を示している。
【0402】以下エンコードの原理動作を説明する。
【0403】第1の走査線は、Y2 +C2 で多重され、
色信号をライン2度振りし、第2の走査線はY1 −C1
で多重する。以上の方法により第1フィールドでの多重
を完了する。
【0404】第2フィールドにおいて、例えば第264
番目の走査線は、第1フィールドから(Y1 +Y2 )/
2で輝度信号を作り、−C2 信号と多重する。また、第
265番目の走査線は、第1フィールドから(2/3)
2 +(1/3)(Y3 +Y4 )で輝度信号を作り、+
2 信号を多重する。第2フィールドにおいても色信号
はフィールド2度振りとなっている。
【0405】以上の処理はエンコーダ側で行われ、色信
号と多重される領域、つまり、輝度信号の高域成分にお
いてのみ行われる。従って、輝度信号の低域成分につい
ては何等処理は行わない。
【0406】以下、前述のようにエンコードされた信号
を受信し、もとの輝度信号及び色信号を得る手段を説明
する。
【0407】図114で第1フィールドの走査線を
1 ,n2 ,…とし第2フィールドの走査線をm1 ,m
2 ,…とする。これらの信号を受信し、元の輝度信号及
び色信号を次式により得る。 C2 =(Y1 +Y2 )/2−m1 =(n1 +n2 )/2−m1 =n1 /2+n2 /2−m1 …(10) Y2 =3/2(m2 −(n3 +n4 )/6 −(n1 +n2 )/2−m1 ) =−(3/4)n1 −(3/4)n2 −(1/4)n3 −(1/4)n4 + (3/2)m1 +(3/3)m2 …(11) C1 =Y2 −n2 =−(3/4)n1 −(7/4)n2 −(1/4)n3 −(1/4)n4 + (3/2)m1 +(3/2)m2 …(12) Y1 =n1 −C1 =(7/4)n1 +(7/4)n2 +(1/4)n3 +(1/4)n4 − (3/2)m1 −(3/2)m2 …(13) 従って、式(10)〜(13)をマトリックスで表す
と、
【0408】
【数1】 となる。
【0409】図115を用いて受信側の動作を説明す
る。入力端子65321に導入される複合信号は、図1
14のような形式でY/C多重された信号である。この
信号は、1ライン遅延器(1H)65322〜6532
4、260ライン遅延器65325及び1ライン遅延器
65326を直列に介してマトリクス回路65327の
第1の入力端に入力されると共にマトリクス回路653
27の第6の入力端に入力される。また、各遅延器65
322〜65325の出力は、マトリクス回路6532
7の第5〜第2の入力端にそれぞれ入力される。
【0410】これによりマトリックス回路65327に
は、図114で示したn1 〜n4 、m1 ,m2 が入力さ
れ、式(14)における係数を用いたマトリックス演算
が可能となり、信号Y1 ,Y2 ,C1 ,C2 を得ること
ができる。
【0411】図116は上記マトリックス回路6532
7からの出力を処理して輝度信号と色信号を作成する回
路である。
【0412】入力端子65331に導入された輝度信号
2 はラインメモリ65333で1H遅延され選択回路
65334の一方端に入力され、入力端子65332に
導入された輝度信号Y1 は選択回路65334の他方端
に入力される。
【0413】選択回路65334は、ライン毎に切り替
わり輝度信号Y1 とY2 とを交互に出力する。選択回路
65334の出力は、ラインメモリ65335で1H遅
延され加算器65336に入力され選択回路65334
の出力と加算され係数器65337に入力される。係数
器65337で1/2倍して得られるライン間の平均値
は、フィールドメモリ65338で263H遅延され選
択回路65339の一方端に入力される。選択回路65
339の他方端には選択回路65334の出力が入力さ
れており、この選択回路65334はフィールド毎に切
り替えられる。すなわち、第1フィールドでは選択回路
65334の出力が選択され、第2フィールドではフィ
ールドメモリ65338の出力が選択され出力端子65
340に導出される。
【0414】入力端子65341に導入された色信号C
1 は、ライン遅延器65343を介して選択回路653
44の一方に入力されるとともに選択回路65344の
他方に直接入力される。選択回路65344は、ライン
毎に入力色信号と遅延色信号とを交互に切り替えライン
2度振りを行う。
【0415】入力端子65342に導入された色信号C
2 も同様にして、遅延器65345を介して選択回路6
5346の一方に入力されるとともに、他方に直接入力
される。そして選択回路65346で2度振りが行われ
る。
【0416】選択回路65344の出力は選択回路65
348の一方端に入力され、選択回路65346の出力
はフィールド遅延器65347を介して選択回路653
48の他方端に入力されフィールド毎に切り替えられ
る。つまり、第1フィールドでは色信号C1 が出力さ
れ、第2フィールドでは色信号C2 が出力端子6534
9に出力される。
【0417】図117は、上記した出力端子65340
と65349に得られる輝度信号Yと色信号Cとを示し
ている。第1のフィールドでは、Y1 ,Y2 信号が順次
得られ、マトリックスの次の出力であるY1 ´,Y2 ´
が次に得られる。第2フィールドでは、第1のフィール
ドにおける上下のラインの平均値が得られる。色信号に
ついてはライン2度振りとなり、C1,C1と出力され
たのちマトリックスの次の出力C1´,C1´が出力さ
れる。
【0418】図118は、上記のようにマトリックス処
理と、分離処理を行えるように図114に示した多重信
号を作成するエンコーダ側の回路である。入力端子65
351に供給された輝度信号Yは、高域通過フィルタ
(HPF)65352に入力されるとともに減算器65
353に入力される。減算器65353では、入力輝度
信号YからHPF65352の出力を引き算する処理が
行われ、低域成分が導出される。この低域成分は、3ラ
イン分の遅延量を有する3ライン遅延器65354を介
して加算器65369に入力される。
【0419】HPF65352の出力は、直列接続され
た1ライン遅延器65355、65356、65357
を介して加算器65360に入力される。1ライン遅延
器65360の入力と出力とは、加算器65357で加
算され、加算出力は係数器65358で1/2倍される
ので平均化される((Y1 +Y2 )/2))。また、1
ライン遅延器65356の出力は、係数器65361で
2/3倍され加算器65365に入力される。加算器6
5362では、1ライン遅延器65355の入力と出力
が加算され、その加算出力は係数器65363で1/2
倍され平均化される((Y3 +Y4 )/2))。この信
号は、係数器65364で1/3倍され加算器6536
5に入力される。従って、加算器65365からは、
(2/3)Y2+(1/3)((Y3 +Y4 )/2))
が得られる。この信号は、1ライン遅延器65366で
遅延されて選択回路65359の一方に供給される。選
択回路65359の他方には前記係数器65358の出
力が供給されており、選択回路65359はライン周期
で交互に一方と他方の入力信号を選択導出する。従っ
て、ここでは図114に示した第2フィールドのm1
2 、m1 ´、m2 ´に対応する輝度信号が導出される
ことになる。この選択回路65359の出力は、フィー
ルド遅延器65367を介して選択回路65368の一
方に入力される。この選択回路65368の他方には1
ライン遅延器65357の出力が供給されている。選択
回路65368はフィールド毎に交互に一方と他方の入
力を選択導出する。従って、ここでは、図114に示し
た第1フィールドの出力と第2フィールドの輝度信号に
対応する信号を得ることになる。選択回路65368の
出力は、加算器65369に入力され、輝度信号の低域
成分と加算され出力端子65370に出力される。
【0420】上記のように得られた輝度信号に対して多
重される色信号は、入力端子65371に導入され、3
ライン遅延器65372を介した後、1ライン遅延器6
5373及び選択回路65374の一方の入力端子に供
給される。選択回路65374の他方の入力端子には、
1ライン遅延器65373の出力が供給されており、こ
の選択回路65374は、ライン毎に一方と他方の入力
端子の信号を交互に選択して導出する。つまり、色信号
は、輝度信号との位相合わせのための時間調整と、2度
振り操作を受けて出力端子65375に導出されてい
る。
【0421】これにより出力端子65370の輝度信号
と出力端子65375の色信号を合成すれば、輝度信号
の高域成分(HPF65352に設定されたカットオフ
周波数特性による)については、図114で示したよう
なフォーマットの信号となり、マトリックス演算による
単純な分離が可能となる。HPF65352は、例えば
1.5MHz 以上の成分を通過するように設定されてい
る。これにより、輝度信号の高域成分だけがフィールド
で2度振りされ現行の受像機で動画の動きの不自然が生
じることはない。また色信号の垂直解像度は、視覚特性
上ではあまり感度が高くないので、ライン2度振りを行
っても垂直解像度低下による画質への影響は少ない。
【0422】上記したようにこの実施例では、輝度信号
と色信号との多重方法及び分離方法を工夫することによ
り、受信側ではマトリックス演算により、ほとんど完全
なY/C分離を可能し、クロストークよる画質劣化を生
じることなく高精細な画像を得られるようにしている。
【0423】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
現在処理中の信号がいずれのタイプの信号であるのかを
識別し、信号に応じた表示を行い、また受信信号として
いずれのタイプの信号があるのを容易に分かりやすく表
示し、また表示器を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例におけるデコーダの構成を
示す図。
【図2】図1の高周波入力処理部を示す図。
【図3】図1の同期制御部の構成例を示す図。
【図4】図3の非標準ワイド判定部の構成例を示す図。
【図5】中間方式映像信号を記録再生する磁気記録再生
装置を示す図。
【図6】アスペクト比の説明図。
【図7】図1のインジケータの例を示す図。
【図8】図2のデジタルデコーダの構成例を示す図。
【図9】音声デジタルデ−タのフォーマットの例を示す
図。
【図10】図1のインジケータの他の例を示す図。
【図11】図2の同相/直交検波部の構成例を示す図。
【図12】図2の受信信号補正部の構成例を示す図。
【図13】同相直交変調部の例を示す図。
【図14】直交変調された音声デ−タのスペクトラムを
示す説明図。
【図15】図2の受信信号補正部の他の例を示す図。
【図16】ワイド画面と標準画面の説明図。
【図17】図1の映像デコーダの内部の例を示す図。
【図18】図17の水平圧縮部の例を示す図。
【図19】図18の回路の動作を説明するために示した
説明図。
【図20】図17の走査線変換部の構成例を示す図。
【図21】走査線変換処理を説明するために示した説明
図。
【図22】同じく走査線変換処理を説明するために示し
た説明図。
【図23】動き検出部の構成例を示す図。
【図24】図23の動き検出部の動作を説明するために
示した図。
【図25】図20の倍速変換部の構成例を示す図。
【図26】映像デコーダの動作説明のために示した画面
の説明図。
【図27】図1の映像デコーダの他の例を示す図。
【図28】映像デコーダの動作説明のために示した走査
線の説明図。
【図29】図26の垂直伸張部の構成例を示す図。
【図30】図29の回路の動作を説明するために示した
図。
【図31】映像デコーダのさらに他の実施例を示す図。
【図32】図31のデコーダを説明するために示した画
面の説明図。
【図33】水平垂直圧縮部の構成例を示す図。
【図34】図33の垂直圧縮回路の構成例を示す図。
【図35】図34の回路の垂直圧縮動作を説明するため
に示した図。
【図36】図33の回路の動作を説明するために示した
タイミング図。
【図37】水平垂直圧縮部の他の例を示す図。
【図38】映像デコーダのさらに他の実施例を示す図。
【図39】映像デコーダのまた他の実施例を示す図。
【図40】音量表示発生部を有したデコーダの構成例を
示す図。
【図41】映像デコーダの音量表示発生部の構成例を示
す図。
【図42】映像デコーダの画面の表示例を示す図。
【図43】映像デコーダのさらにまた他の実施例を示す
図。
【図44】図43のデコーダの信号検出部の構成例を示
す図。
【図45】図44のテロップ検出部の構成例を示す図。
【図46】図45の回路の動作を説明するために示した
説明図。
【図47】図43の映像デコーダの動作を説明するため
に示したタイミング図。
【図48】図43の映像デコーダによる表示例を示す説
明図。
【図49】この発明に関わるエンコーダの中間方式エン
コーダの構成例を示す図。
【図50】この発明に関わるデコーダの中間方式デコー
ダの構成例を示す図。
【図51】中間方式映像信号の処理経過を示す説明図。
【図52】中間方式映像信号のフォーマットを示す説明
図。
【図53】中間方式映像信号の処理方法の例を説明する
ために示した図。
【図54】中間方式エンコーダの垂直圧縮部の構成例を
示す図。
【図55】中間方式デコーダの垂直伸張部の構成例を示
す図。
【図56】垂直成分伝送上の折り返し成分とそのキャン
セル成分の説明図。
【図57】走査線変換例を説明するために示した図。
【図58】縮処理を受ける過程での周波数特性を示す
図。
【図59】水平圧縮処理におけるインパルス応答の説明
図。
【図60】走査線変換部の構成例とその動作説明のため
の図。
【図61】センター信号のエンコーダを示す図。
【図62】中間方式映像信号のスペクトラム説明図。
【図63】中間方式エンコーダにおけるVh /VT エン
コーダの構成例を示す図。
【図64】中間方式映像信号の動画モードにおける信号
のスペクトラムを示す図。
【図65】中間方式エンコーダにおけるVT 再生部の構
成例を示す図。
【図66】中間方式デコーダにおける動き適応センター
信号デコーダの構成例を示す図。
【図67】中間方式エンコーダにおけるVT 再生部の具
体的配置例を示す図。
【図68】中間方式デコーダにおけるVh /VT デコー
ダの具体的配置例を示す図。
【図69】図68の回路の動作を説明するために示した
動作説明図。
【図70】図67と図68の回路の関連とその動作を説
明するために示した図。
【図71】図67と図68の回路の関連とその動作を説
明するために示した図。
【図72】中間方式デコーダにおける動き検出部の具体
的配置を示す図。
【図73】中間方式映像信号のスペクトラムを示す説明
図。
【図74】中間方式エンコーダのVh /VT エンコーダ
の構成例を示す図。
【図75】上下マスク部で伝送される信号の伝送処理経
過を示す説明図。
【図76】中間方式デコーダにおけるVh /VT デコー
ダの構成例を示す図。
【図77】上下マスク部で伝送されてきた信号の再生処
理経過を示す説明図。
【図78】デコーダにおける表示切換え部の具体的配置
例を示す図。
【図79】映像デコーダのさらに他の実施例を示す図。
【図80】正規化エンコーダの具体的配置例を示す図。
【図81】正規化デコーダの具体的配置例を示す図。
【図82】エンコーダ側における正規化特性を示す図。
【図83】デコーダ側における正規化特性を示す図。
【図84】中間方式エンコーダにおける非線形変換部の
具体例を示す図。
【図85】中間方式デコーダにおける非線形変換部の具
体例を示す図。
【図86】中間方式映像信号のフォーマツトの他の例を
示す図。
【図87】非線形変換部の動作原理を説明するために示
した説明図。
【図88】図84のリファレンス信号発生器の具体例を
示す図。
【図89】図85の係数決定回路の具体例を示す図。
【図90】エンコーダにおけるエンファシス回路の具体
例を示す図。
【図91】デコーダにおけるディエンファシス回路の具
体例を示す図。
【図92】プリ及びディエンファシス回路の特性を説明
するために示した説明図。
【図93】プリ及びディエンファシス回路の特性を説明
するために示した説明図。
【図94】エンファシス回路により処理された信号の例
を示す説明図。
【図95】エンファシス回路の直流発生回路の例を示す
図。
【図96】エンコーダ側のサイドパネル処理部を具体的
に示す図。
【図97】デコーダ側のサイドパネル処理部を具体的に
示す図。
【図98】サイドパネル処理経過を示す説明図。
【図99】サイドパネル成分の周波数特性説明図。
【図100】中間方式エンコーダにおける合成部の構成
例を示す図。
【図101】中間方式デコーダにおける合成部の構成例
を示す図。
【図102】中間方式エンコーダにおける並べ換え処理
部の構成例を示す図。
【図103】中間方式デコーダにおける並べ換え処理部
の構成例を示す図。
【図104】図102と図103の各加減算処理部を示
す回路図。
【図105】上下マスク部の多重信号のフォーマットを
示す説明図。
【図106】中間方式エンコーダにおけるサイドパネル
処理部の例を示す図。
【図107】中間方式デコーダにおけるサイドパネル処
理部の例を示す図。
【図108】センターパネル処理部の動作説明のために
示した図。
【図109】同じくセンターパネル処理部の動作説明の
ために示した図。
【図110】同じくセンターパネル処理部の動作説明の
ために示した図。
【図111】中間方式エンコーダにおけるサイドパネル
高域低域分割部の具体的構成例を示す図。
【図112】中間方式エンコーダにおける並べ換え部を
示す図。
【図113】中間方式デコーダにおける並べ換え部を示
す図。
【図114】映像信号の伝送形態の原理を示す説明図。
【図115】図114の形態で伝送された映像信号から
輝度信号と色信号を分離するための回路例を示す図。
【図116】図115の回路で分離された輝度信号と色
信号を処理する回路例を示す図。
【図117】図116の回路の動作を説明するために示
した説明図。
【図118】伝送側で輝度信号と色信号を多重する回路
を示す図。
【符号の説明】
1000…高周波入力処理部、2000…セレクタ、3
000…音声増幅器、4000…スピーカ、5000…
セレクタ、6000…映像デコーダ、7000…同期制
御部、8000…ディスプレイ、9000…ユーザ制御
部、200…インジケータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 聡之 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)発明者 安木 成次郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)発明者 坂本 典哉 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)発明者 小川 佳彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)発明者 廣田 敦志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)発明者 野口 幸一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)発明者 佐藤 耕一 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放送信号を受信して検波することにより得
    られた現行方式と両立性をもったワイド画面用の映像信
    号または現行方式の映像信号を導出する高周波入力処理
    手段と、 前記高周波入力処理手段から出力された映像信号が供給
    され、この映像信号をデコードして表示用の信号に変換
    する映像デコード手段と、 前記高周波入力処理手段から出力された前記映像信号が
    供給され、この映像信号がワイド画面用のものか現行方
    式のものであるかを判定し、その識別信号を得る判定手
    段と、 前記判定手段からの識別信号に応じてワイド画面信号と
    現行方式画面信号とをそれぞれ識別表示せしめる表示手
    段とを具備したことを特徴とするテレビジョン信号処理
    装置。
  2. 【請求項2】放送信号を受信して検波することにより得
    られた現行方式と両立性をもったワイド画面用の映像信
    号または現行方式の映像信号出力する高周波入力処理手
    段と、 この高周波入力処理手段から出力された映像信号が供給
    され、この映像信号をデコードして表示用の信号に変換
    する場合、水平圧縮および垂直伸張処理部を有した映像
    デコード手段と、 前記映像デコード手段からの出力映像信号が供給される
    ディスプレイと、 前記高周波入力処理手段から出力された前記映像信号が
    供給され、この映像信号がワイド画面用のものか現行方
    式のものであるかを判定し、この識別信号がワイド画面
    信号であることを示すときに、前記水平圧縮および垂直
    伸張部の圧伸率を制御して前記ディスプレイにおけるオ
    ーバースキャン率を現行方式の信号の受信処理時よりも
    小さくする手段とを具備したことを特徴とするテレビジ
    ョン信号処理装置。
  3. 【請求項3】放送信号を受信することにより、映像信号
    とデジタル音声信号が直交変調多重されている信号が導
    入され、前記映像信号と前記デジタル信号とをそれぞれ
    同相直交検波により検波して検波後の映像信号とデジタ
    ル音声信号を得る手段と、 前記デジタル音声信号のパケットに特定区間に挿入され
    ているモード識別信号を判定し、デジタル音声信号がモ
    ノラル、2チャンネル、4チャンネル、2重チャンネル
    の少なくとも2つの内、いずれのモードで伝送されてい
    るかをインジケータに表示させる手段とを具備したこと
    を特徴とするテレビジョン信号処理装置。
  4. 【請求項4】現行方式と両立性をもったワイド画面用の
    第1の映像信号または現行方式の第2の映像信号のいず
    れをも出力する入力処理手段と、 前記第1の映像信号を現行方式のアスペクト比よりも横
    長のワイド画面のディスプレイに表示するための表示用
    の信号に変換するデコード手段と、 前記第2の映像信号のアスペクト比が維持されるよう
    に、水平方向に時間圧縮するとともに、前記ワイド画面
    のディスプレイの水平走査周波数で表示できるように走
    査線数を変換して表示用の信号を得る変換手段と、 前記デコード手段と変換手段の出力信号のいずれか一方
    を選択して前記ディスプレイに供給する手段とを具備し
    たことを特徴とするテレビジョン信号処理装置。
  5. 【請求項5】現行方式と両立性をもったワイド画面用の
    第1の映像信号または現行方式の第2の映像信号のいず
    れをも出力する入力処理手段と、 前記第1の映像信号を現行方式のアスペクト比よりも横
    長のワイド画面のディスプレイに表示するための表示用
    の信号に変換するデコード手段と、 前記第2の映像信号を前記ワイド画面のディスプレイの
    全体領域に表示するために、水平走査時間をディスプレ
    イの水平走査時間に合わせて、垂直方向へは走査線を倍
    加するとともにさらに伸張した信号に変換する変換手段
    と、 前記デコード手段と変換手段の出力信号のいずれか一方
    を選択して前記ディスプレイに供給する手段とを具備し
    たことを特徴とするテレビジョン信号処理装置。
  6. 【請求項6】現行方式と両立性をもった第1のワイド画
    面用映像信号または第1の現行方式映像信号のいずれを
    も出力する第1の高周波入力処理手段と、 前記第1のワイド画面用映像信号を現行方式のアスペク
    ト比よりも横長のワイド画面のディスプレイに表示する
    ための表示用の信号に変換する第1のデコード手段と、 前記第1の現行方式映像信号のアスペクト比が維持され
    るように、水平方向に時間圧縮するとともに前記ワイド
    画面のディスプレイの水平走査周波数で表示できるよう
    に走査線数を変換して表示用の信号を得る第1の変換手
    段と、 前記第1のデコード手段と第1の変換手段の出力信号の
    いずれか一方を選択導出する第1の選択手段と、 現行方式と両立性をもった第2のワイド画面用映像信号
    または第2の現行方式映像信号のいずれをも出力する第
    2の高周波入力処理手段と、 前記第2のワイド画面用映像信号を現行方式のアスペク
    ト比よりも横長のワイド画面のディスプレイに表示する
    ための表示用の信号に変換する第2のデコード手段と、 前記第2の現行方式映像信号と前記第2のデコード手段
    からの出力信号のいずれか一方を選択導出する第2の選
    択手段と、 前記第1の選択手段が前記変換手段の出力を選択導出し
    ているときに、前記第2の選択手段の出力信号の水平及
    び垂直方向を時間圧縮して圧縮映像信号を得る水平垂直
    圧縮手段と、 前記前記第1の選択手段の出力信号の画像を前記ディス
    プレイの画面に表示したときに生じる余白部に前記圧縮
    映像信号の画像を位置させるように、前記第2の選択手
    段と前記水平垂直圧縮手段の出力信号を合成し、前記デ
    ィスプレイに供給する手段とを具備したことを特徴とす
    るテレビジョン信号処理装置。
  7. 【請求項7】現行方式と両立性をもった第1のワイド画
    面用映像信号または第1の現行方式映像信号のいずれを
    も出力する第1の入力処理手段と、 前記第1のワイド画面用映像信号を現行方式のアスペク
    ト比よりも横長のワイド画面のディスプレイに表示する
    ための表示用の信号に変換する第1のデコード手段と、 前記第1の現行方式映像信号のアスペクト比が維持され
    るように、水平方向に時間圧縮するとともに前記ワイド
    画面のディスプレイの水平走査周波数で表示できるよう
    に走査線数を変換して表示用の信号を得る第1の変換手
    段と、 前記第1のデコード手段と第1の変換手段の出力信号の
    いずれか一方を選択導出する第1の選択手段と、 第2のワイド画面用映像信号または第2の現行方式映像
    信号のいずれをも出力する第2の入力処理手段と、 この第2の入力処理手段の出力信号を水平及び垂直方向
    に時間圧縮して圧縮映像信号を得る水平垂直圧縮手段
    と、 前記第1の選択手段が前記変換手段の出力信号選択して
    この画像を前記ディスプレイの画面に表示したときに生
    じる余白部に前記圧縮映像信号の画像を位置させるよう
    に、前記第2の選択手段と前記水平垂直圧縮手段の出力
    信号を合成し、前記ディスプレイに供給する手段とを具
    備したことを特徴とするテレビジョン信号処理装置。
  8. 【請求項8】現行方式と両立性をもった第1のワイド画
    面用映像信号または第1の現行方式映像信号のいずれを
    も出力する第1の入力処理手段と、 前記第1のワイド画面用映像信号を現行方式のアスペク
    ト比よりも横長のワイド画面のディスプレイに表示する
    ための表示用の信号に変換する第1のデコード手段と、 前記第1の現行方式映像信号のアスペクト比が維持され
    るように、水平方向に時間圧縮するとともに前記ワイド
    画面のディスプレイの水平走査周波数で表示できるよう
    に走査線数を変換して表示用の信号を得る第1の変換手
    段と、 前記第1のデコード手段と第1の変換手段の出力信号の
    いずれか一方を選択導出する第1の選択手段と、 文字図形等の映像情報の出力手段と、 前記前記第1の選択手段が前記変換手段の出力信号を選
    択してこの画像を前記ディスプレイの画面に表示したと
    きに生じる余白部に前記圧縮映像信号の画像を位置させ
    るように、前記文字図形等の映像情報を選択して前記第
    2の選択手段の出力信号に合成し、前記ディスプレイに
    供給する手段とを具備したことを特徴とするテレビジョ
    ン信号処理装置。
  9. 【請求項9】前記文字図形等の情報の出力手段は、本装
    置内部の文字図形発生部若しくは外部機器からの信号導
    入手段若しくは前記第1の現行方式映像信号に多重され
    ている文字多重信号処理手段のいずれか1つであること
    を特徴とする請求項第8記載のテレビジョン信号処理装
    置。
  10. 【請求項10】現行方式と両立性をもった第1のワイド
    画面用映像信号または第1の現行方式映像信号のいずれ
    をも出力する第1の入力処理手段と、 前記第1のワイド画面用映像信号を現行方式のアスペク
    ト比よりも横長のワイド画面のディスプレイに表示する
    ための表示用の信号に変換する第1のデコード手段と、 前記第1の現行方式映像信号のアスペクト比が維持され
    るように、水平方向に時間圧縮するとともに前記ワイド
    画面のディスプレイの水平走査周波数で表示できるよう
    に走査線数を変換して表示用の信号を得る第1の変換手
    段と、 前記第1のデコード手段と第1の変換手段の出力信号の
    いずれか一方を選択導出する第1の選択手段と、 前記第1の選択手段が前記変換手段の出力を選択導出し
    ているときに、前記第1の現行方式映像信号の音声信号
    の音量に対応した音量表示映像デ−タを発生する音量処
    理手段と、 前記前記第1の選択手段の出力信号の画像を前記ディス
    プレイの画面に表示したときに生じる余白部に前記音量
    表示映像デ−タの画像を位置させるように、前記音量処
    理手段の出力音量表示映像デ−タを選択して前記第2の
    選択手段の出力信号に合成し、前記ディスプレイに供給
    する手段とを具備したことを特徴とするテレビジョン信
    号処理装置。
  11. 【請求項11】現行方式と両立性をもったワイド画面用
    の第1の映像信号または現行方式の第2の映像信号のい
    ずれをも出力する入力処理手段と、 前記第1の映像信号を現行方式のアスペクト比よりも横
    長のワイド画面のディスプレイに表示するための表示用
    の信号に変換するデコード手段と、 前記第2の映像信号を前記ワイド画面のディスプレイの
    全体に表示するために、水平走査時間をディスプレイの
    水平走査時間に合わせて、垂直方向へは走査線を倍加す
    るとともにさらに伸張した信号に変換する変換手段と、 前記変換手段から得られる垂直伸張映像信号が前記ディ
    スプレイに表示される位置を垂直方向に移動できるよう
    に前記変換手段の伸張処理タイミングを制御する表示位
    置制御手段と、 前記デコード手段と変換手段の出力信号のいずれか一方
    を選択して前記ディスプレイに供給する手段とを具備し
    たことを特徴とするテレビジョン信号処理装置。
  12. 【請求項12】前記表示位置制御手段は、信号検出部を
    有し、この信号検出部は前記第2の映像信号に含まれて
    いるテロップが画面上側か下側かを検出し、上側のとき
    は前記伸張映像信号が前記ディプレイの下側に移動した
    位置に表示されるように前記伸張タイミングを制御し、
    下側のときは前記伸張映像信号が前記ディプレイの上側
    に移動した位置に表示されるように前記伸張タイミング
    を制御する手段を備えたことを特徴とする請求項第11
    項記載のテレビジョン信号処理装置。
  13. 【請求項13】前記表示位置制御手段は、信号検出部を
    有し、この信号検出部は前記第2の映像信号の画像の上
    側と下側に対応する信号がそれぞれ一定レベルか否かを
    検出し、一定レベルのときは前記伸張映像信号が前記デ
    ィプレイの上下均等な位置に表示されるように前記伸張
    タイミングを制御する手段を具備したことを特徴とする
    請求項第11項記載のテレビジョン信号処理装置。
  14. 【請求項14】現行方式と両立性をもった第1のワイド
    画面用映像信号または第1の現行方式映像信号のいずれ
    をも出力する第1の入力処理手段と、 前記第1のワイド画面用映像信号を現行方式のアスペク
    ト比よりも横長のワイド画面のディスプレイに表示する
    ための表示用の信号に変換する第1のデコード手段と、 前記第1の現行方式映像信号のアスペクト比が維持され
    るように、水平方向に時間圧縮するとともに前記ワイド
    画面のディスプレイの水平走査周波数で表示できるよう
    に走査線数を変換して表示用の信号を得る第1の変換手
    段と、 前記第1のデコード手段と第1の変換手段の出力信号の
    いずれか一方を選択導出する第1の選択手段と、 第2の現行方式映像信号を出力する第2の入力処理手段
    と、 この第2の入力処理手段の出力信号を水平及び垂直方向
    に時間圧縮して圧縮映像信号を得る水平垂直圧縮手段
    と、 前記第1の選択手段が前記変換手段の出力信号を選択し
    てこの画像を前記ディスプレイの画面に表示したときに
    生じる余白部に前記圧縮映像信号の画像を位置させるよ
    うに、前記第2の選択手段と前記水平垂直圧縮手段の出
    力信号を合成し、前記ディスプレイに供給する手段とを
    具備したことを特徴とするテレビジョン信号処理装置。
  15. 【請求項15】現行方式と両立性をもった第1のワイド
    画面用映像信号または第1の現行方式映像信号のいずれ
    をも出力することができる第1の入力処理手段と、 前記第1のワイド画面用映像信号を現行方式のアスペク
    ト比よりも横長のワイド画面のディスプレイに表示する
    ための表示用の信号に変換する第1のデコード手段と、 前記第1の現行方式映像信号のアスペクト比が維持され
    るように、水平方向に時間圧縮するとともに前記ワイド
    画面のディスプレイの水平走査周波数で表示できるよう
    に走査線数を変換して表示用の信号を得る第1の変換手
    段と、 前記第1のデコード手段と第1の変換手段の出力信号の
    いずれか一方を選択導出し第1の映像信号とする選択手
    段と、 第2の現行方式映像信号を出力する第2の入力処理手段
    と、 前記第2の入力処理手段から出力された信号を処理して
    第2の映像信号を得る手段と、 前記選択手段から選択導出された前記第1の映像信号と
    前記第2の映像信号とを同一画面上に表示するために互
    いの表示タイミングを切り換え制御する切り換え手段
    と、 前記切り換え手段から得られた信号が供給される前記ワ
    イド画面を有した前記ディスプレイとを具備したことを
    特徴とするテレビジョン信号処理装置。
  16. 【請求項16】第1の入力処理手段から出力された現行
    方式と両立性をもった第1のワイド画面用映像信号が得
    られた場合、この信号を、現行方式のアスペクト比より
    も横長のワイド画面のディスプレイに表示するための表
    示用の信号にデコード手段で変換し、 前記第1の入力処理手段から第1の現行方式映像信号が
    入力した場合、この信号を、そのアスペクト比が維持さ
    れるように、水平方向に時間圧縮するとともに前記ワイ
    ド画面のディスプレイの水平走査周波数で表示できるよ
    うに走査線数を変換した表示用の信号を変換手段で得、 前記デコード手段と変換手段の出力信号のいずれか一方
    を選択手段で選択導出して第1の映像信号とし、 第2の入力処理手段では第2の現行方式映像信号を得
    て、前記第2の入力処理手段から出力された信号を処理
    して第2の映像信号を得、 この第2の映像信号と、前記選択手段から選択導出され
    た前記第1の映像信号との互いの表示タイミングを切り
    換え制御し、前記ワイド画面のディスプレイの同一画面
    上に表示するようにしたことを特徴とするテレビジョン
    信号処理方法。
  17. 【請求項17】前記切り換え手段は、前記第1の映像信
    号が前記ディスプレイに表示されたときに前記ワイド画
    面に余白部を生じるように制御し、かつ前記余白部には
    前記第2の映像信号のアスペクト比の4:3の画像が表
    示されるように制御することを特徴とする請求項16記
    載のテレビジョン信号処理方法。
  18. 【請求項18】前記切り換え手段は、前記第2の映像信
    号が前記ディスプレイに表示されたときに前記ワイド画
    面に余白部を生じるように制御し、かつ前記余白部には
    前記第1の映像信号のアスペクト比の16:9の画像が
    表示されるように制御することを特徴とする請求項16
    記載のテレビジョン信号処理方法。
  19. 【請求項19】前記切り換え手段は、前記第1の映像信
    号が前記ディスプレイに表示されたときに前記ワイド画
    面に余白部を生じるように制御し、かつ前記余白部に
    は、複数の入力手段からの複数の映像信号が表示される
    ように制御することを特徴とする請求項16記載のテレ
    ビジョン信号処理方法。
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