JP3017240U - テレビジョン信号処理装置 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【目的】入力信号が、いずれのソースであるのか判別
し、判別結果に応じて信号処理モードを制御するできる
ようにする。 【構成】セレクタ5000は、放送信号を受信して検波
した現行方式と両立性をもったワイド画面用の映像信号
と外部機器より出力された映像信号とを選択的に導入
し、映像デコーダ6000は、セレクタからの映像信号
をデコードして表示用の信号に変換する。同期制御部7
000は判定手段を有し、この判定手段は、映像信号が
放送用の標準の映像信号であるのか非標準の映像信号で
あるのかを映像信号の特定期間の情報を用いて判定し、
前記映像デコーダに識別信号を与え、前記映像デコーダ
内部における画像圧伸処理モードを制御する。
し、判別結果に応じて信号処理モードを制御するできる
ようにする。 【構成】セレクタ5000は、放送信号を受信して検波
した現行方式と両立性をもったワイド画面用の映像信号
と外部機器より出力された映像信号とを選択的に導入
し、映像デコーダ6000は、セレクタからの映像信号
をデコードして表示用の信号に変換する。同期制御部7
000は判定手段を有し、この判定手段は、映像信号が
放送用の標準の映像信号であるのか非標準の映像信号で
あるのかを映像信号の特定期間の情報を用いて判定し、
前記映像デコーダに識別信号を与え、前記映像デコーダ
内部における画像圧伸処理モードを制御する。
Description
【0001】
この考案は、現行方式(例えばNTSC方式)と互換性のある高精細テレビ ジョン信号を処理するテレビジョン信号処理装置に関するもので、特にテレビジ ョン信号の特定期間の情報を用いて入力ソースを判別し、信号処理形態を入力に 応じた適切な状態に制御できるようにしたものである。
【0002】
現行方式と互換性のある高精細テレビジョン信号を伝送し受信するシステムが 開発されている。この伝送受信システムで扱われる信号として、サイドパネル方 式とレーターボックス方式とがある。
【0003】 サイドパネル方式は、アスペクト比16:9の高精細テレビジョン信号をセン ター部分だけ4:3のアスペクト比でカットし現行方式の信号の規格に合わせメ イン信号とし、左右のサイド部分の信号はメイン信号に多重することにより伝送 している。従って、現行方式のテレビジョン受像機で受信された場合は、画面一 杯に4:3のメイン信号が表示される。また高精細テレビジョン信号デコーダを もつ受像機で受信された場合は、サイド部分の信号が復調され、メイン信号の左 右に繋げられて16:9のワイドアスペクト比の画像信号が再現される。
【0004】 一方、レターボックス方式は、16:9のアスペクト比のテレビジョン信号を 上下に圧縮して、4:3のアスペクト比の画面に納まるように処理してメイン信 号として伝送している。また、圧縮に伴って生じた余分な高解像度用の信号は、 例えばメイン信号の上下に生じた上下マスク部に多重されて伝送される。従って この方式のテレビジョン信号を現行方式の受像機で受信し再現した場合、画面の 上下にマスク(黒)部(上下無画部)が生じ、画面は横長の映像画面となる。ま た高精細テレビジョン信号デコーダを持つ受像機で受信された場合は、上下マス ク部の高解像度用の信号が再生され、かつメイン信号が垂直方向へ伸張され、こ れに高解像度用の信号が加算され、16:9のワイドアスペクト比の画像信号が 得られる。
【0005】 ところで、上記サイドパネル方式では、現行テレビジョン受像機でみるとカッ トされたサイド部分をみることが出来ず、また放送側においてもサイド部がカッ トされることを前提として番組を制作をしなければならない。またサイド部がカ ットされることは、番組制作側の著作権上で問題がある。これに対して、レター ボックス方式は、ワイド画面のすべてを現行方式でみることはできるが、現行テ レビジョン受像機でみた場合、上下マスク部の割合が大きくスクリーン全体の有 効利用に欠けるという不満がある。
【0006】 そこで最近では、ワイド画面のテレビジョン信号を上下圧縮率を小さくし、か つ4:3のアスペクト比にあわせるためにサイド部を少しカットして伝送すると いう中間方式が提案されている。この方式によると、現行方式のテレビジョン受 像機で見た場合上下マスク部の割合も少なく、かつカットされるサイド部の割合 も少なく、レターボックス方式とサイドパネル方式の欠点の双方を緩和して妥協 点を見出だした方式と言える。
【0007】
上述のことを考えると、これからのデコーダとしては、中間方式の信号のみな らず、現行の方式の信号を受信処理する機能や、ビデオテープレコーダ(以下V TRと記す)からの再生信号を処理する機能が望まれる。また、レターボックス 方式のみで処理された信号、サイドパネル方式のみで処理された信号が入力され ることもあるために、これらの信号の方式を判別できることが望まれる。従って 、入力信号が放送信号(標準方式)である場合の判別のほかに、VTRからの再 生信号(非標準方式の信号)であるのか、さらにまた、ワイド画面の信号である のかを識別する必要も生じる。これは現在のVTRでは、ワイド画面の信号を記 録再生することも実現可能であるからである。
【0008】 さらにまた、デコーダを上記のような各種のソースからの信号を処理するよう に設計した場合、ユーザに対しては現在処理されている信号ソースがいずれのソ ースであるのかを表示して認識させる必要がある。これは、表示形態の自由度を 持たせるうえではユーザの認識を高める必要があり、いずれのソースが受信処理 されているのかを明確化する必要があるからである。さらにまた、上下マスク部 を生じるような表示形態としては、映画をVTRにて収録して再生した場合、映 画自体が横長のアスペクト比であるため、上下マスク部(実際には黒レベル部) が表示され、中間方式を受信表示した場合と同様な画面になるおそれがあるから である。
【0009】 この考案は、上記のような各種の事情に対処すべくなされたもので、入力信号 が、いずれのソースであるのか判別し、判別結果に応じて信号処理モードを制御 することができるテレビジョン信号処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
この考案は、入力テレビジョン信号を処理する他に、各種のソースからの信号 にも対応できるように入力信号識別機能とその表示機能を備えるものである。
【0011】 つまり、放送信号を受信して検波した現行方式と両立性をもったワイド画面用 の映像信号と外部機器より出力された映像信号とを選択的に導入する選択手段と 、この選択手段からの映像信号が供給され、この映像信号をデコードして表示用 の信号に変換する映像デコード手段と、前記選択手段からの前記映像信号が供給 され、この映像信号が放送用の標準の映像信号であるのか非標準の映像信号であ るのかを映像信号の特定期間の情報を用いて判定し、前記映像デコード手段に識 別信号を与え、前記映像デコード手段内部における画像圧伸処理モードを制御す る判定手段とを具備したことを特徴とする。
【0012】
上記の手段により、入力の種類に応じて信号処理モードが適切な状態に自動的 に切換えられる。
【0013】
以下、この考案の実施例を図面を参照して説明する。
【0014】 (全体システム) 図1はこの考案の一実施例における受信部における全体ブロック図である。入 力端子100にはアンテナからの高周波(RF)信号が導入され、RF入力処理 部1000に供給される。RF入力処理部1000で得られた音声信号は、セレ クタ2000に供給される。このセレクタ2000は、外部からの音声信号も選 択することができる。セレクタ2000からの出力音声信号は、音声増幅器30 00で増幅されて、スピーカ4000に供給される。RF入力処理部1000か ら得られた映像信号は、セレクタ5000に入力される。セレクタ5000は、 外部からの映像信号も選択することができる。セレクタ5000で選択された映 像信号は、再度RF入力処理部1000に入力されて受信信号補正(例えばゴー ストキャンセル処理)され、映像デコーダ6000及び同期制御部7000に入 力される。映像デコーダ6000では、入力映像信号の方式(中間方式、現行方 式)と、ユーザによる制御に応じた処理が行われ、入力映像信号が復号される。 復号の結果得られたR,G,B信号、同期信号、輝度補正信号等は、ディスプレ イ8000に供給される。
【0015】 同期制御部7000は、映像信号に含まれる制御信号を用いて所定の同期信号 や、映像信号の方式や種類を示す識別信号を発生する。この発生された同期信号 は映像デコーダ6000に入力されて映像信号のデコード処理のためのモード切 換え等に用いられる。
【0016】 ユーザ制御部9000は、ユーザの操作に応じてシステムの動作モードを制御 するもので、セレクタ2000、5000で選択される信号を切換えることがで きる。また同期制御部7000からの映像信号の種類を示す識別信号やRF入力 処理部1000からの音声信号の種類を示す音声識別信号を受けて、映像デコー ダ6000に対して処理モード切換え信号を与えたり、インジケータ200に対 して映像及び音声のモード表示を行う。また、ユーザがRF信号以外の外部入力 の選択操作を行った場合は、ユーザ制御部9000は、RF入力処理部1000 の映像用ゴーストキャンセラーをスルー状態に制御する信号を送出する。
【0017】 図2はRF入力処理部1000の具体的構成例を示している。
【0018】 入力端子100からの高周波信号は、チューナ1001に入力されて、ユーザ により指定されたチャンネルが選択される。チューナ1001の出力中間周波は 映像中間周波増幅器(PIF回路)1002に入力されて増幅され、同相/直交 検波部1003に入力される。同相検波により得られた映像信号は、セレクタ5 000に入力されるとともに音声中間周波増幅器(SIF回路)1005に入力 される。セレクタ5000で選択された映像信号は、受信信号補正部1004に 入力されてゴーストキャンセルされ映像デコーダ6000、同期制御部7000 に入力される。ただしセレクタ5000において外部映像信号(例えばVTR出 力)が選択されているときは、受信信号補正部1004はスルー状態に制御され る。一方、SIF回路1005から得られた音声信号は、FM検波器1006に おいてFM復調され、音声デコーダ1007に入力される。音声デコーダ100 7においては、音声多重信号等のデコード処理やユーザ制御部からの音声選択制 御信号に応じた選択処理を行い、その出力をスイッチ1010の一方に供給する とともに、ロジック回路1009にも供給している。スイッチ1010の選択出 力は、セレクタ2000に入力される。
【0019】 ところで、このシステムでは、中間方式映像信号と共に、デジタル音声信号が 直交変調されて伝送されてくる。このデジタル音声信号は、ステレオ、4チャン ネル、音声多重、モノラルなどの種類がある。直交変調されたデジタル音声信号 は、同相/直交検波部1003において直交検波により復調され、受信信号補正 部1004に入力されて補正される。そして補正されたデジタル音声信号は、デ ジタルデコーダ1008にてデコードされ音声信号としてスイッチ1010の他 方の入力端子に供給されるとともに、ロジック回路1009に入力される。ロジ ック回路1009は、通常はスイッチ1010をデジタル音声信号側に設定して いるが、デジタル音声信号のデコーディング状態を監視し、誤りが多い場合は、 スイッチ1010をアナログ側の選択状態に切換えるように設定されている。
【0020】 図3は同期制御部7000の具体的構成例を示している。
【0021】 RF入力処理部1000からの映像信号は、色副搬送波再生部7001、同期 分離部7002、制御信号再生及び標準ワイド判定部7005に入力される。同 期分離部7002で分離された水平及び垂直同期信号H,Vは、バーストゲート 発生部7003に入力され、バーストゲート信号を作成するのに供される。バー ストゲート信号は、色副搬送波再生部7001に入力されてバースト信号の抜き 取りタイミング信号として利用される。色副搬送波再生部7001では、色副搬 送波の周波数fscの4倍の連続信号4fscと、8倍の連続信号8fscを発生する 。これらはデジタル処理部のクロックとして用いられる。4fscの信号と水平及 び垂直同期信号は、標準/非標準判定部7004に入力されている。標準/非標 準判定部7004は、これら入力信号の周波数及び位相関係から映像信号が放送 規格に準拠した標準形式のものであるか、あるいはVTR等で再生された非標準 形式のものであるかを判定する。この標準/非標準判定信号は、標準ワイド判定 部7005と非標準ワイド判定部7006に入力されている。標準ワイド判定部 7005は、放送による標準信号が入力されたときに、入力映像信号が中間方式 の信号(ワイド信号)であるのか現行方式の信号であるのかの判定を行う部分で ある。またワイド画面用の映像信号であったとしても、それがどの様な処理モー ド(例えばレターボックス処理のみ)で処理されているのかを判定することもで きる。これは例えば後述するように、垂直ブランキング期間の特定のラインに、 その識別情報を付加しておくことにより可能である。非標準ワイド判定部700 6は、非標準信号が入力されたときに、入力映像信号が中間方式の信号であるの か現行方式の信号であるのか、さらにはワイド信号そのものであるのかの判定を 行う部分である。VTRにおいてもワイド画面(16:9)の信号を直接記録再 生できるからである。ワイド信号であるか否かの判定は、例えば垂直ブランキン グ期間の特定のラインにワイド識別信号としてデジタル多重されている信号を利 用して行われる。
【0022】 またワイド識別信号の中にも複数種類がある。これは中間方式はレターボック ス処理とサイドパネル処理の2種類の処理を施す方式であるが、いずれか一方の 処理、例えばサイドパネル処理だけで伝送することが考えられるからである。
【0023】 標準ワイド判定部7005と非標準ワイド判定部7006の判定出力はそれぞ れインジケータ200に入力され、現在どのような信号を受信処理しているのか をユーザに知らせることができる。図では直接インジケータ200に判定信号を 入力しているが、ユーザ制御部9000を介して供給してもよい。
【0024】 標準ワイド判定部7005が、標準ワイド信号の判定を得たときには、標準同 期再生部7007をリセットする。標準同期再生部7007は、4fscの信号を クロックとして用いて、分周カウンタで分周し水平同期信号及び垂直同期信号を 作成している。これに対して非標準同期再生部7008は、同期分離部7002 からの水平及び垂直同期信号を直接用いて、非標準信号用の水平及び垂直同期信 号を作成している。標準同期再生部7007と非標準同期再生部7008からの 水平同期信号はスイッチ7009の一方と他方の入力端子に供給され、先の標準 /非標準判定信号により判定内容に応じた同期信号が選択され、システムの水平 同期信号として利用される。また同様に標準同期再生部7007と非標準同期再 生部7008からの垂直同期信号はスイッチ7010の一方と他方の入力端子に 供給され、標準/非標準判定信号により判定内容に応じた同期信号が選択され、 システムの垂直同期信号として利用される。さらにまた、標準同期再生部700 7と非標準同期再生部7008からは2H(H:水平周期)の信号も取り出され この信号はスイッチ7011の一方と他方の入力端子に供給され、標準/非標準 判定信号により判定内容に応じて選択され、システムに利用される。
【0025】 さらにまた、標準ワイド判定部7005からのワイドと規格サイズを現すワイ ド/規格サイズ判定信号は、映像デコーダ6000の水平圧縮部、垂直伸張部6 012にもそれぞれ供給されている。これは、例えば、現行方式の信号を受信処 理しているときに、ワイド画面では領域に余裕ができるので、現行方式の信号を ワイド化する場合、判定信号により水平及び垂直方向の圧縮伸張処理が自動的に 切換わるようにするためである。また、中間方式映像信号を受信した場合は、そ の水平垂直同期が正確に得られるので、従来ディスプレイにてオーバースキャン 部を確保しているが、このオーバースキャン部の率が少なくてすむから、オーバ ースキャン率を切換えるのに用いられる。
【0026】 (ワイド画面記録VTR信号識別システム) 図4は上記した非標準ワイド判定部7006の具体的構成例である。
【0027】 非標準ワイド判定部7006は、例えばVTRより記録されている信号が再生 された場合にVTRからの再生信号が現行方式のものであるか、ワイド画面のも のであるかを判定する部分である。16:9のワイド画面を4:3の画面で表示 すると画像の内容が縦長に表示されてしまい、16:9の表示画面で通常の4: 3画面の信号を表示すると横長になってしまう。従って、VTRに記録されてい る画像信号が16:9のものであるか4:3のものであるかを判別する必要があ る。VTRにはコントロール信号が利用されているので、このコントロール信号 を変調して識別信号とする方法もあるがこのようにすると、デコーダとの間で映 像信号の接続ケーブルとは別にコントロール信号の接続ケーブルが必要となる。
【0028】 そこで、このシステムでは、上記非標準判定部7006を設けている。非標準 同期再生部7008からの水平及び垂直同期信号は、ゲート信号発生器7601 に入力される。ゲート信号発生器7601は、水平及び垂直同期信号を基準とし て、所定の水平ライン、例えば263ライン目のバースト位置でゲートパルスを 発生する。ゲート回路7602は、この期間のみ映像信号を通過させる。ゲート 回路7602の出力は、乗算器7605に入力されてカラーバースト発生器76 04からのバースト信号と乗算される。この乗算出力は、積分器7606に入力 されて積分され、その積分値は判定回路7607に入力される。判定回路760 7は積分値が所定レベル以下の場合は、ワイド信号としての判定出力を得、所定 レベル以上の場合は通常の4:3の画像信号であることの判定信号を出力する。
【0029】 従って、当然のことながらVTRの再生出力がワイド画面の信号であるときは 、263ライン目のバースト信号位置で積分出力が低下し、通常の4:3の画面 の信号であるときは積分出力が高くなるように処理されている。このように得ら れるワイド/規格サイズ判定信号は映像デコーダの処理モード切換えとして利用 される。
【0030】 図5は上記のような263ラインの信号を処理できるVTRの構成を示してい る。映像デコーダ6000にてワイド化された映像信号は、記録処理部300に て処理され磁気テープ301に記録される。このとき、同期制御部7000から は、ワイド画面の信号であることの判定信号が得られる。そこでこの判定信号を 利用して記録処理部300にてコントロール信号を変調する。これによりワイド 画面の信号が記録されたことが識別信号としてコントロール信号に多重されるこ とになる。コントロール信号は、同期用としてはその前縁のタイミングのみが利 用され、後縁は利用されない。そこでこの前縁から後縁までのデューティーを制 御することにより、コントロール信号にデジタルの情報を多重することができる 。なお、通常の4:3の画面の信号が記録されるときは、上記のような処理は行 わない。再生処理部302は、コントロール信号を管理し、コントロール信号が 所定の変調を受けているときは、ワイド画面の信号であるものと判定し、ゲート 信号発生器303にアクティブ制御信号を与える。ゲート信号発生器303は、 アクティブ状態になると、再生処理部302から得られた輝度信号Yの同期信号 を計数して、所定のライン(263ライン目)の所定のタイミング(バースト信 号位置)で色信号Cの経路のスイッチ304をオフする。つまりバースト信号を 削除してしまう。このように再生信号を加工しておくと、図4で示した積分器7 606の積分出力は、ワイド画面の信号が入力したときは所定レベル以下となり 、ワイド/規格サイズ判定信号を得ることができる。
【0031】 (ワイド画面EDTV信号識別表示) 上記したシステムは、ワイド画面(16:9)の信号を受信し処理し表示す ることができ、また規格サイズ(4:3)の画面の信号も受信して処理(具体的 手段は後述する)し表示できる。4:3の画面の信号を表示する場合は、せっか く備わっている16:9の表示画面を有効に利用したほうが好ましい。そこで、 ワイド画面の信号が入力しているのか4:3の画面の信号が入力しているのかを 判定し、4:3の画面の信号が入力しているときは、図6に示すように垂直方向 に伸張し、画面一杯の表示を得る機能が映像デコーダ6000に設けられている 。この機能は、映画等を4:3の画面にすべて映出させるために上下マスク部を 設けた信号が伝送されている場合、あるいはVTRから上下マスク部を有する映 画素材の信号を再生した場合にも利用できる。
【0032】 しかし、通常の4:3の放送信号やVTR再生信号が入力したときに、常に拡 大するようにすると、重要な情報が図6の破線領域に隠れる可能性がある。また このことにユーザは気付かない場合がある。なお映画素材からの再生信号の場合 、もともと破線の領域はマスク部であるから問題はない。
【0033】 そこでこのシステムでは、入力映像信号が、4:3の画像信号であるのか、1 6:9の画像信号であるのかを自動的にインジケータ200で表示できるように するものである。表示制御としては、図3で示した標準ワイド判定部7005と 非標準ワイド判定部7006からのワイド/規格サイズ判定信号、サイズ判定信 号が利用される。また標準/非標準判定信号も利用される。インジケータ200 における表示内容としては、自己の論理回路あるいはユーザ制御部900の論理 判定出力により、図7に示すようにワイド画面表示、4:3画面表示、標準信号 、非標準信号を区別する表示部を有する。
【0034】 (音声受信識別表示) 上記のシステムは、従来と同様な方法によるアナログ音声信号と、直交変調 によるデジタル音声信号を受信処理することができる。デジタル音声信号に伝送 においては、帯域圧縮技術を併用することにより、2チャンネル以上の例えば4 チャンネルあるいはステレオの2チャンネル同時放送も可能となる。
【0035】 図8はデジタルデコーダ1008の構成例を示している。受信信号補正部10 04から入力された音声パケットは、誤り検出訂正部1801で誤り検出及び訂 正処理が施され、帯域圧縮デコーダ1802に入力されデコードされる。ここで デコードされた音声デ−タのうちユーザの希望するチャンネルあるいは方式の音 声デ−タは、D/A変換器1803にてアナログ信号となり、スイッチ1010 に入力される。
【0036】 判定回路1804は、誤り検出訂正部1801にて誤りが予め決めている以上 のノイズが存在するような場合、あるいは誤り訂正能力を越えている場合は、こ れを判定してロジック回路1009に指令を与える回路である。従って、誤りが 非常に多い場合は、スイッチ1010は、アナログ系からの音声信号を選択する 。しかし通常は、スイッチ1010はデジタル系の音声信号を選択している。誤 り訂正された音声デ−タは、内容識別部1805にも入力されている。内容識別 部1805は、図9に示すように音声デ−タパケットからモード識別符号を読取 り、放送内容がどのようなものであるのかを判定する。この判定信号はユーザ制 御部9000に入力され、インジケータ200にて表示される。
【0037】 音声パケットは、図9のようなフォーマットであり、クロック同期符号、パケ ット同期符号、モード識別符号、音声デ−タ、誤り訂正デ−タ、直交信号用GC Rを含み、1パケットが約1/60秒のデ−タである。放送されている音声内容がど のようなものであるかは、モード識別符号により表されている。直交信号用GC Rは、直交変調信号を復調する際に利用されるもので、ゴーストを検出し、キャ ンセルするための基準信号である。
【0038】 図10は、内容識別部1805により識別された音声モードを表示するインジ ケータ200の例である。インジケータ200には、現在デジタル系の音声信号 が出力されているのか、アナログ系の音声信号が出力されいるのかを示す表示部 221、222がある。この表示は、スイッチ1010の選択状態により決まる 。次の段には、現在受信されている音声信号が、モノラル放送、ステレオ放送、 4チャンネルステレオ放送、2重放送(2か国語放送、2音声放送)、ステレオ であってステレオが2チャンネル放送されているのかを示すインジケータ223 、224、225、226、227の表示部がある。さらに、また上記放送内容 のうちユーザはいずれのモードを指定しているかを示す表示部228、229、 230、231、232がある。ステレオが2チャンネル放送されているときは 、4チャンネルステレオ選択と、主音声の組合わせ、4チャンネルステレオと副 音声の組合わせにより選択切換えが可能である。
【0039】 (ワイド画面オーバースキャン設定) 従来、ブラウン管を使用したテレビジョン受像機の高圧回路では電圧変動が あるために、実際に伝送されてくる画像信号の上下左右を一部欠落させて表示さ せるいわゆるオーバースキャンを行っている。しかし、液晶を用いたディスプレ イでは、ブラウン管のような高圧を用いた表示方式とは異なるので、高圧変動に よるラスタサイズの変動を考慮しなくてよい。しかし実際には、水平及び垂直同 期信号の再生精度をみると微小な誤差があるために若干のオーバースキャンを考 慮する必要がある。例えばゴースト障害があれば同期波形が歪むので再生精度が 劣化する。通常、±2μsの変動が生じる。従って有効水平期間は52μsであ るので±4%程度のオーバースキャンをしなくてはならない。このように送られ てくる情報をすべて画面表示するわけにはいかない。
【0040】 ところでワイド画面のEDTV信号では垂直ブランキング期間に補助同期信号 をデジタル信号として多重伝送することにより正確に水平及び垂直同期信号を再 生することが可能である。
【0041】 このシステムでは、標準ワイド判定部7005の判定信号を用いて映像デコー ダ6000内部にある水平方向の圧縮、垂直方向の伸張処理を制御して標準ワイ ド信号と判定されたときに限り、オーバースキャンのない伸張圧縮を実現するも のである。しかしこれ以外の場合は、±4%程度のオーバースキャンを行うよう に設定する。このオーバースヤンを実現するには、映像デコーダにおける水平、 垂直圧伸処理におけるメモリ制御を切換えることで実現できるが、液晶ディスプ レイを用いた場合は、液晶デイィプレイにおけるドライバーの映像サンプリング 期間とクロックを切換えることにより可能である。
【0042】 (S/N改善、DCオフセット改善デジタル伝送システム) 図11は、同相/直交検波部1003の具体的構成例を示している。PIF 回路1002からの映像信号は、乗算器1301、1302、搬送波再生部13 03に入力される。搬送波再生部1303は、位相ロックループを用いた狭帯域 通過フィルタとして動作し、搬送波を抽出して映像搬送波と同相の再生キャリア を出力する。再生キャリアは乗算器1302に入力されることにより映像検波を 行い、また90°移相器1304を介して乗算器1301に入力されることによ り、デジタル音声検波を行う。
【0043】 ところで同相/直交検波部1003において、搬送波再生部1303で再生さ れる再生搬送波では、搬送波周波数近傍の雑音成分を除去できない。従って、復 調出力の低域のS/Nは高域に比べて幾分劣っている。また再生部における回路 が直流成分まで通過させるような場合直流オフセットが発生する。直流オフセッ トは、自動等化動作の安定性を著しく低下させることが知られている。
【0044】 そこでこのシステムでは、同相/直交検波部1003の搬送波再生部1303 の上記不具合点に影響を受けないような、受信信号補正部1004を実現してい る。
【0045】 図12は、受信信号補正部1004の具体的構成例を示している。
【0046】 この受信信号補正部1004は、上記低域(直流)付近のS/N改善と、直流 オフセットによる問題点を改善している。まず、受信信号補正部1004を説明 する前に図13、図14を参照して、映像信号とデジタル音声信号の同相直交変 調側と、音声デ−タのスペクトルについて説明する。
【0047】 図13において、映像信号は、映像搬送波発生器103からの映像搬送波によ り乗算器101と加算器102で、AM変調される。デジタル音声信号は、音声 帯域圧縮エンコーダ105にて帯域圧縮処理が施され、直流抑圧コード変換部1 06にて直流成分の抑圧がなされる。このコード変換はコンパクトディスクの信 号処理において実用化されている技術であり、この変換をうけると図14の一点 鎖線でに示すようなスペクトルとなる。直流抑圧コード変換部106の出力は、 基準GCR0信号発生器107からのGCR0信号が適宜期間で多重され、モジ ュロ2の加算器109と遅延器110により構成される巡回形フィルタでプリコ ードされる。デ−タのクロック周波数をfckとするとき、遅延器110の遅延量 Tckを2×Tck=2×(1/fck) としている。このフィルタ出力は、図14の 破線で示すような特性(コサイン(cos )特性)を持つスペクトル整形フィルタ 111で整形さる。従って、このフィルタ出力は、図14の実線で示すようなス ペクトルとなる。スペクトル整形フィルタ111の出力は、乗算器112にて直 交変調され、搬送波抑圧AM信号となり、加算器104に入力される。ここで使 用される変調キャリアは、映像搬送波発生器103の出力を90°移相器113 により90°移相したものである。加算器104では、AM変調された音声信号 とAM変調された映像信号とが加算されVSBフィルタ114に供給され、さら にスペクトル整形され送信される。
【0048】 図12に戻って説明する。
【0049】 上記のように伝送されてきた直交多重信号は、同相及び直交検波されたのち受 信信号補正部1004に入力される。図11に示す同相/直交検波部1003内 の乗算器1302から供給された、同期検波された映像信号は、A/D変換器1 401にてデジタル化され映像信号用ゴーストキャンセル部1402に入力され ゴースト除去される。ゴースト除去された映像信号は映像デコーダ6000に入 力される。さらに同相検波後の入力映像信号は、遅延器1404と減算器140 5で構成される差分器1403において直流成分が除去される。この差分器14 03の出力は、低域通過フィルタ(LPF)1406で所要帯域外の雑音を除去 されたのちA/D変換器1407にてデジタル化される。このデジタル化信号は 、トランスバーサルフィルタ1408と制御部1409に入力される。制御部1 409には、映像ゴーストキャンセル用の基準GCR1と音声系の加算器142 8の出力との差を減算器1410で求めた信号も供給されている。基準GCR1 信号は、メモリ1411に格納されている。これにより、音声系に洩れ込んでい る映像系からの成分を検出し、トランスバーサルフィルタ1408のタップ位置 及び係数を制御してゴーストキャンセル用信号をトランスバーサルフィルタ14 08から出力させる。
【0050】 一方、図11に示す同相/直交検波部1003内の乗算器1301から供給さ れた、直交検波されたデジタル音声信号は、遅延器1421と減算器1423か らなる差分器1420にて直流成分が除去され、低域通過フィルタ(LPF)1 424で所要帯域外の雑音を除去されたのちA/D変換器1425に入力され波 形整形されたデジタル信号となる。このデジタル音声信号は、トランスバーサル フィルタ1426と制御部1427に入力される。制御部1427には、音声信 号のゴーストキャンセル用の基準GCR0信号と加算器1428の出力との差を 減算器1429で求めた信号も入力されている。基準GCR0信号は、メモリ1 430に格納されている。これにより、制御部1427は、加算器1428の出 力に残存しているゴースト信号を検出し、トランスバーサルフィルタ1426を 制御して波形等化を行わせる。基準GCR0信号は、伝送側の基準GCR0信号 と全く同じパターンである。そして減算器1429の出力が最小となるようにト ランスバーサルフィルタ1426が制御される。トランスバーサルフィルタ14 26の出力は、加算器1428により、映像系から洩れ込んでいる映像成分が除 去されてデジタルデコーダ1008に入力される。
【0051】 上記したデジタル処理方法によると、A/D変換器1407、1425へ入力 する信号は、それぞれの前段で差分器により直流成分が除去されている。よって 直流(低域)近傍の周波数成分の雑音を除去することができ出力のS/N向上を 得ることができる。また、この直流除去を行うことから、トランスバーサルフィ ルタ1408、1426における等化処理が極めて安定した正確な動作で実現さ れる。
【0052】 (2次元波形等化システム) 映像信号は、帯域が4.2MHz 必要であり現在の放送に用いられている基準 信号も4fsc(fsc:色副搬送波周波数)のサンプリングで定義されており、映 像信号用のデジタル変換には4fscが用いられる。一方、直交検波信号は、1MH z 以下の低域に限定されており、しかもデ−タクロック周波数fckでデジタル処 理される。このために上述した受信信号補正部1004においては、各トランス バーサルフィルタ部で規定のレートで信号をデジタル処理するために映像信号用 のA/D変換器1401、直交検波信号用のA/D変換器1407、1425の 3つが必要である。
【0053】 図15は、受信信号補正部1004の他の実施例である。この回路は、使用す るA/D変換器の数を低減している。図12と同じ回路部には図12と同一符号 を付している。図12の回路と異なる部分を中心に説明すると以下の通りである 。同相検波された映像信号は、低域通過フィルタ(LPF)1440で帯域制限 されA/D変換器1441でデジタル化される。また直交検波されたデジタル音 声信号は、低域通過フィルタ(LPF)1443で帯域制限されてA/D変換器 1444でデジタル化される。A/D変換器1441の出力は、クロック再生部 1442に入力される。クロック再生部1442は、バースト信号に位相同期し た連続クロック4fscを発生し、A/D変換器1441に供給している。またこ のクロック4fscは、分周器1445で分周されて(2/5)fscのクロックfckと なりA/D変換器1444に供給される。
【0054】 A/D変換器1441の出力は、映像信号処理系のトランスバーサルフィルタ 1446と制御部1447に入力されるとともに、クロストークキャンセル系の 低域通過フィルタ1451に入力される。映像信号処理系の制御部1447には 、基準GCR1´信号を差分回路1448の出力から減算した信号が、減算器1 449から入力されている。差分回路1448は、トランスバーサルフィルタ1 446の出力の差分演算を行い直流成分を除去して出力している。制御部144 7は直流成分が除去された映像信号を用いているので、安定して残留ゴーストを 検出し、トランスバーサルフィルタ1446のタップ位置及び係数を制御してい る。これによりトランスバーサルフィルタ1446からは、波形等化されゴース トの除去された映像信号が出力され映像デコーダ6000に入力される。基準G CR1´信号はメモリ1450に格納されている。
【0055】 A/D変換器1441の出力は、低域通過フィルタ1451を介してサンプル 変換器1452に入力される。このサンプル変換器1452は、サンプルレート を変換して、A/D変換器1444側のサンプルレートと同じレートの出力信号 を得る。サンプル変換器1452の出力は、遅延器1454と減算器1455で 構成される差分器1453にて直流成分が除去される。従って、直流近傍の雑音 の抑圧された信号としてトランスバーサルフィルタ1408と制御部1409に 入力される。この後の処理は、図12で説明した通りである。
【0056】 A/D変換器1444の出力は、遅延器1461と減算器1462により構成 される差分器1460にて直流成分が除去される。従って、この差分器1460 の出力も直流近傍の雑音の抑圧された信号としてS/Nが向上しており、トラン スバーサルフィルタ1426と制御部1427に入力される。この後の処理は図 12で説明した通りである。
【0057】 上記したように図15の受信信号補正部1004によると、サンプル変換器1 452をクロストークキャンセル信号作成経路に挿入しているために、映像信号 処理系のA/D変換器1441の出力を用いることができる。従って図12の回 路に比べてA/D変換器は2つで足りる。また、差分器1453、1460、差 分回路1448を設けているので、図12の回路と同様に、直流近傍のS/Nを 向上でき、かつ直流オフセットに影響を受けないゴースト除去処理が可能となる 。また全デジタル処理であり極めて安定した動作が得られる。
【0058】 (音声自動切換えシステム) 上記のシステムにおいて、図13に示した音声信号のデジタル直交多重伝送 方式では、現行受像機への妨害をなくすために加算器104に入力される音声側 のAM信号の振幅レベルを低く抑える必要がある。例えば映像信号に比べて約1/ 10以下に抑える必要がある。このために、弱電界地域での受信では、映像信号は 再生できてもデジタル音声は再生できなくなることがある。
【0059】 従って、上記システムでは、図8で説明したようにスイッチ1010を設けて デジタル音声信号に誤り率が多いような場合は、スイッチ1010によりアナロ グ系の音声信号を自動的に選択できるようになっている。
【0060】 (現行方式信号の水平圧縮表示処理システム) 上述した図1のシステムを用いて現行方式(NTSC方式)の信号(アスペ クト比4:3)を受信処理して表示する場合、できるだけ16:9のアスペクト 比の画面に一杯に表示したほうがよい。すなわち、図16に示すように、16: 9の画面の中央部に上下が切れることなく4:3の画面を表示したほうが、ワイ ドスクリーンを有効に活用できる。そこでこのシステムでは、映像デコーダ60 00の内部に図17に示すような回路を設けるものである。
【0061】 図17において、入力端子6001に入力された映像信号は、輝度色(Y/C )分離部6002と中間方式デコーダ6010に入力される。Y/C分離部60 02で分離された輝度信号は、中間方式デコーダ6010及びNTSC順次走査 変換部6004を構成する水平圧縮部6005に入力されると共に、分離された 色信号は色復調部6003へ出力される。また、Y/C分離部6002で分離さ れ、色復調部6003により復調された色信号も、中間方式デコーダ6010と NTSC順次走査変換部6004の水平圧縮部6005に入力される。
【0062】 入力映像信号が中間方式のものであった場合、中間方式デコーダ6010では 、ワイド画面の信号に変換する処理が行われ、ワイド画面の信号(輝度Yと、色 差信号(R−Y)、(B−Y)またはI、Q信号)がセレクタ6008により選 択されて導出されディスプレイ補正部6009に入力される。このディスプレイ 補正部6009の出力がディスプレイ8000に供給される。入力映像信号がN TSC方式である場合、セレクタ6008はNTSC順次走査変換部6004の 出力を選択導出する。NTSC順次走査変換部6004は、水平圧縮部6005 とこの水平圧縮部6005の出力を動き適応走査線変換して高品位テレビジョン 信号の走査線数と同数にする動き適応走査線変換部6007からなる。セレクタ 6008の制御は、入力映像信号の種類を識別している同期制御部7000から の制御信号により実行されている。
【0063】 図18は、水平圧縮部6005の具体的構成例である。この例は輝度信号の系 統のみを示している。輝度信号は水平方向の帯域制限を行う低域通過フィルタ6 501を介してサンプル間引き部6502に入力される。ここで圧縮率に応じて サンプルが間引きされバッファメモリ6503に入力される。バッファメモリ6 503には、入力に同期した書込みクロックにより書込みが行われるが、読出し は、図16に示した水平方向の割合が4となる期間で、ワイド画面表示に従った 読出しクロックで読み出される。図19は間引きサンプルの例であり丸印はサン プリングデ−タである。
【0064】 図20は、動き適応走査線変換部6007の具体的構成例である。
【0065】 水平圧縮された輝度信号Yは動き検出部6701に入力されると共に、フィー ルド内補間部6702、フィールド間補間部6703、倍速変換部6705に入 力される。フィールド内補間部6702とフィールド間補間部6703で得られ た補間信号は、動き検出部6701からの動き検出信号に応じて混合部6704 で混合され、動き適応補間信号として倍速変換部6705に入力される。混合部 6704は、動き検出部6701からの動き検出信号が静画を示す場合はフィー ルド間補間部6703の出力の割合を多くし、動画を示す場合はフィールド内補 間部6702の出力の割合を多くしている。倍速変換部6705は、補間により 作成された補間信号と直接入力した信号とを水平方向に倍速に変換し、交互に選 択導出する。これにより順次走査に変換された輝度信号が得られワイド画面のデ ィスプレイにおいて表示可能となる。色信号側においても同様な混合により補間 信号が作られる。水平圧縮された色信号I,Qは動き検出部6701に入力され ると共に、フィールド内補間部6706、フィールド間補間部6707、倍速変 換部6709に入力される。フィールド内補間部6706とフィールド間補間部 6707で得られた補間信号は、動き検出部6701からの動き検出信号に応じ て混合部6708で混合され、動き適応補間信号として倍速変換部6709に入 力される。
【0066】 図21と図22は、フィールド内補間処理と、フィールド間補間処理の原理説 明図である。フィールド内処理では、補間走査線Xは、同一フィールドの上下の 走査線A,Bを用いて生成される。フィールド間処理では、補間走査線Xは、前 フィールドの走査線Cを用いて補間される。
【0067】 図23は図20に示す動き検出部6701の具体的構成例である。
【0068】 輝度信号はフレーム遅延器6720と減算器6721に入力される。減算器6 721は、フレーム遅延器6720の入力側と出力側の信号の減算処理を行い、 1フレーム間の差分信号を得る。差分信号は低域通過フィルタ6722に入力さ れて水平低域成分を抽出され、絶対値回路6723に入力されて絶対値がとられ 、その絶対値は最大値回路6724に入力される。一方、色信号は、フレーム遅 延器6725、6726により2フレーム遅延され減算器6728に入力される 。減算器6728では2フレーム遅延信号と直接入力信号との差分がとられ、そ の2フレーム間差分信号は、低域通過フィルタ6729を介して絶対値回路67 30に入力され絶対値がとられる。この絶対値は先の最大値回路6724に入力 される。よって最大値回路6724には、輝度信号の動きを示す信号と色信号の 動きを示す信号が入力されることになる。この動き信号の最大値を得ることによ り、輝度信号あるいは色信号のいずれかに動きがあるときは動画としての判定信 号が得られる。時空間伸張部6731は、動き信号を時間方向および空間方向に 広げて動きの検出もれを防ぐ回路である。この時空間伸張の例としては、図24 に示すように動き信号Xをa〜fに広げるものがある。つまり図24は縦方向に フィールド、横方向に時間方向を示しており丸印が走査線である。そして各丸印 の間のa〜fの期間では動画を示す動き信号Xが伸張されて出力されていること を示している。
【0069】 図25は図20に示す倍速変換部6705の具体的構成例である。
【0070】 直接輝度信号と、補間輝度信号とは、切替え回路6741に入力される、ライ ン毎にラインメモリ6742と6743に振り分けられる。ラインメモリ674 2と6743のデ−タは書込み時の2倍のクロックレートで読み出され、切替え 回路6744により交互に選択されて導出される。
【0071】 上記した映像デコーダの実施例によると、受信した信号に応じて表示アスペク ト比を切換えて表示することができる。現行のNTSC方式の信号もワイド画面 の中央部に上下が切れることなく大きく表示することができる。また、現行方式 の水平走査周波数をワイド画面の信号と同じになるように走査線数変換している ので中間方式の信号を表示するときと水平周波数が同じであり水平ドライブ回路 を共通に利用できる。
【0072】 (現行方式信号の垂直伸張表示処理システム) 上述した図1のシステムを用いて現行方式(NTSC方式)の信号(アスペ クト比4:3)を受信処理して表示する場合、できるだけ16:9のアスペクト 比の画面に一杯に表示したほうがよい。そこで図26に示すように16:9の画 面に4:3の画面の上下をカットして表示したほうが、ワイドスクリーンを有効 に活用できる。この場合は、4:3の画面を垂直方向に伸張するので上下部分は 見えなくなる。そこでこのシステムでは、画像デコーダ6000の内部に図27 に示すような回路を設けるものである。
【0073】 この実施例が図17の実施例と異なる部分は、NTSC順次走査変換部600 4の構成である。従って、NTSC順次走査変換部6004の構成を説明する。 このNTSC順次走査変換部6004は、まずY/C分離部6002と色復調部 6003からの輝度信号及び色信号が動き適応走査線変換部6007に入力され 、動き適応走査線変換された信号が垂直伸張部6012に入力されるようになっ ている。動き適応走査線変換部6007は、図20で説明した構成と同じである 。
【0074】 図28は垂直伸張の原理を示している。4:3のアスペクト比の画面の信号を を16:9のアスペクト比の画面に表示するには、4:3の画面の信号の上下の 不要不分のラインを捨てて(図28の斜線部分)、残りの525本×(3/4) の走 査線から525本の走査線を生成している。このため走査線3本から4本を生成 する必要がある。図28のA1〜A4は元の走査線でありB1〜B5は新しい走 査線であり、矢印に付記している値は倍率である。例えばB2の走査線を作ると きは走査線A1を(1/4) 倍、走査線A2を(3/4) して加算している。
【0075】 図29は、図27に示す垂直伸張部6012の具体的構成例であり、映像信号 はフィールドメモリ6013に入力される。メモリ制御部6014は、水平同期 信号及び垂直同期信号に同期したクロックによりフィールドメモリ6013の書 込み読出し動作を制御するもので、図28に示した斜線の部分を除いた信号がフ ィールドメモリ6013に書込まれるように制御する。フィールドメモリ601 3の出力は、ラインメモリ6015を介して係数器6016に入力されるととも に、直接係数器6017に入力される。係数器6016と6017には、係数発 生器6019から、図28に示したような係数が各出力走査線に対して与えられ る。係数器6016と6017の出力は加算器6018に入力されて加算され、 変換された走査線Bを得ることができる。図30は、上記の垂直伸張部6012 の動作タイミングチャートである。フィールドメモリ6013の読出しは、走査 線3本分を読出した後、走査線1本分出力を停止するという動作であり、このと き係数発生器6019は、ラインメモリ6015の書込みを停止し、前ラインを もう一度読み出すというような制御である。この読出しに同期して係数器601 6と6017の各係数が係数発生器6019により切換えられる。この垂直伸張 部6012は図27では、動き適応走査線変換部6007の後段に設けられたが 、この順序は逆であっても何等問題はない。
【0076】 上記したように、この実施例によると、現行方式の信号を受信処理したときに 、ワイド画面の広さを有効に活用できる。また、現行方式の水平走査周波数をワ イド画面の信号と同じになるように走査線数変換しているので中間方式の信号を 表示するときと水平周波数が同じであり水平ドライブ回路を共通に利用できる。 また、入力映像信号がフィルム映画を録画しており最初から上下に不要な黒マス ク部が生じているような信号の場合、上記の実施例であると、画面一杯に映像を 表示することができる。
【0077】 (ワイド画面ディスプレイのPOP表示システム1) 上述した図1のシステムを用いて現行方式(NTSC方式)の信号(アスペ クト比4:3)を受信処理して表示する場合、できるだけ16:9のアスペクト 比の画面に一杯に表示したほうがよい。ところが、アスペクト比16:9の画面 に4:3のアスペクト比の信号の画面を表示すると、元の画面上下の情報が欠け たり、あるいはワイド画面左右に余白部が生じる。つまり、4:3のアスペクト 比の信号を、ワイド画面(16:9)の垂直方向の高さに合わせて変換した場合 、ワイド画面の左右には映像情報のない余白部が生じる。また、ワイド画面の水 平方向の長さに合わせて表示しようとすると、もとの信号の上下の情報が欠けて しまう。
【0078】 そこで、この実施例では、ワイド画面のディスプレイの表示領域を有効に活用 できるようにしている。
【0079】 図31は映像デコーダのさらに他の実施例である。入力端子61001には副 画面信号が供給され、入力端子62001には主画面信号が供給される。主画面 信号処理部から説明する。主画面信号処理部は、図17で説明したデコーダと同 様な構成であり、Y/C分離部62002、色復調部62003、中間方式デコ ーダ62010、水平圧縮部62005、順次走査変換部62007、セレクタ 62008、同期制御部7031などから構成されている。同期制御部7031 は、NTSC方式の信号が入力したときは、水平圧縮して順次走査に変換された 信号をセレクタ62008により選択させ、中間方式の信号が入力されていると きは中間方式デコーダ62010の出力であるワイド画面の信号をセレクタ62 008に選択させる。このセレクタ62008の出力は合成部62020に入力 される。
【0080】 副画面信号処理部は、Y/C分離部61002、色復調部61003、中間方 式デコーダ61010、セレクタ61008、水平垂直圧縮部61011、同期 制御部7021などにより構成されている。副画面信号処理部は、主画面信号処 理部に比べて、Y/C分離部61002、色復調部61003からの出力が、直 接セレクタ61008に入力されている。またセレクタ61008の出力は、水 平垂直圧縮部61011により水平垂直圧縮処理を受けて合成部62020に入 力される。図面では、副画面信号処理部は、1つを示しているが、複数の副画面 処理部が並列に設けられ、各処理部で処理され副画面信号が合成部62020に 入力される。合成部62020の出力は、ディスプレイ補正部6009に入力さ れる。
【0081】 今、主画面信号処理部の入力端子62001に中間方式の信号が入力されてい るものとする。この場合は、中間方式デコーダ62010から得られたワイド画 面の信号がセレクタ62008により選択される。このときは、ディスプレイの 画面には本来の中間方式信号をデコードした16:9のアスペクト比の映像が表 示されるので、副画面側の信号は選択されない。この制御は、同期制御部703 1による判定信号により行われる。
【0082】 次に、主画面信号としてNTSC方式の信号が入力したとする。すると、Y/ C分離部62002と色復調部62003の出力は、水平圧縮部62005にて 水平圧縮され、次に、順次走査線変換部62007にて走査線変換を受けてセレ クタ62008から取り出される。このときの信号をそのまま表示すれば、16 :9のワイド画面には余白部が生じる。ここで、副画面信号としてNTSC方式 の信号が入力されたとする。すると、このことは、同期制御部7021により判 定され、セレクタ61008は、Y/C分離部61002と色復調部61003 からの信号を選択導出する。この導出された信号は、水平垂直圧縮部61011 において、水平方向及び垂直方向の圧縮処理をうけてワイド画面の余白部に納ま る画面の信号となり合成部62020に入力される。主画面と副画面が表示され たワイド画面は、図32(a)、または(b)に示すようになる。図32(a) は、副画面の信号を水平垂直圧縮する場合に、9:16のアスペクト比になるよ うに圧縮した例であり、4つの副画面処理部の信号を表示した例である。また同 図(b)は、副画面の信号を水平垂直方向に圧縮する場合4:3のアスペクト比 になるように圧縮した例であり、この場合は3つの副画面処理部の信号を表示で きる。副画面のアスペクト比を16:9、あるい4:3のいずれに設定するかは 、ユーザ制御部からの指示で水平垂直の圧縮率の切り替えにより実現されている 。また、副画面信号処理部に中間方式の信号が入力した場合にも、中間方式デコ ーダ61010にてデコードされたワイド画面の信号が、水平垂直圧縮部610 11にて圧縮され、図32のような表示を得ることができる。
【0083】 中間方式の信号、NTSC方式の信号が副画面信号として処理される場合、い ずれの方式であっても水平方向の圧縮比は同じであるが、垂直方向の圧縮比は異 なる。水平方向の圧縮比は1/4 であるが、中間方式信号の場合には垂直方向に1/ 4 圧縮するが、NTSC方式信号の場合には1/3 に圧縮される。ただし、順次走 査線変換によりフィールド当たりの走査線数は倍となるので、走査線数の変換比 は中間方式信号の場合1/2 、NTSC方式信号の場合2/3 である。
【0084】 図33は、図31に示す水平垂直圧縮部61011の具体例である。
【0085】 セレクタ61008からの信号は、水平圧縮回路61012に入力される。こ の水平圧縮回路61012は、図18、図19で説明したものと同じである。入 力信号を低域通過フィルタで帯域制限したのちサンプル間引き回路で水平方向の サンプル点を間引きしている。中間方式の信号を図32(a)のように表示する 場合、水平方向のサンプル点を1/4 として1/4 倍に圧縮している。よってサンプ ル周波数は1/4 となり原信号の1/4 の周波数帯域以上の成分は折り返し成分とな る。この折り返し成分による歪みを抑えるために、予め間引きの前に低域通過フ ィルタにより帯域制限を施している。このサンプル間引き回路は、サンプル点を 4つに1つ取り込むことでサンプル数を1/4 にしている。
【0086】 水平圧縮処理を受けた信号は、垂直圧縮回路61013に入力される。図34 は、垂直圧縮回路61013の具体的構成例である。水平圧縮処理を受けた信号 は、入力端子61031を介して、ラインメモリ61032、係数器61034 、セレクタ61036に入力される。ラインメモリ61032の出力は、係数器 61033で1/2 倍されて加算器61035に入力され、1/2 倍の係数器610 34の出力と加算される。加算器61035の出力はセレクタ61036に入力 される。セレクタ61036は、水平及び垂直同期信号に同期したラインカウン タ61037からの切換え信号により入力端子61031と加算器61035の 出力を交互に選択導出している。
【0087】 図35(a)は、NTSC方式の信号が副画面信号として処理されるときの垂 直圧縮原理を示している。垂直圧縮は、水平走査線数を垂直方向の圧縮比に合わ せて減らすもので、原理は水平圧縮と同じであるが垂直のフィルタリングにはラ イメモリを必要とする。よって回路規模が大きくなるので簡易な方法が良い。副 画面信号処理の場合は、画面サイズが小さいので簡易な方法であっても問題はな い。NTSC方式の信号が処理されるときは、3本から2本への変換が行われる 。図35(a)の例では走査線a,bのそれぞれ1/2 係数を乗じて走査線a´を 生成し、走査線cはそのまま出力し走査線b´となす変換を繰り返して行ってい る。中間方式信号を垂直圧縮する場合には、図35(b)に示すように、各走査 線に1/2 係数を乗じ、走査線a,bから走査線a´を生成し、走査線c,dから 走査線b´を生成するようにしている。図34のラインカウンタ61037は、 同期制御部からの識別信号によりカウント動作を切換える。このカウント値によ りセレクタ61036の選択が切替わる。
【0088】 図33に戻って説明する。垂直圧縮回路61013の出力は、セレクタ610 14に入力される。セレクタ61014は、タイミング制御部61018の制御 に基き入力信号をフィールドメモリ61015と61016に供給する。フィー ルドメモリ61015と61016及びその出力を選択するセレクタ61017 もタイミング制御部61018からのタイミング信号により制御されている。書 込み処理は副画面信号に同期して行われ、読出し処理は主画面と合成して表示す るために主画面信号に同期して行われる。
【0089】 図36は上記フィールドメモリ61015と61016の書込み読出しタイミ ングを示しており、Wが書込みタイミングチャート、Rが読出しタイミングチャ ートである。セレクタ61014は、書込み状態にあるメモリに対して入力信号 を導入し、セレクタ61017は読出し状態にあるメモリの出力を導出する。
【0090】 図31に示す水平垂直圧縮部61011の圧縮動作は、中間方式とNTSC方 式のいずれの信号を副画面として図32に示したように表示するのにも同じ動作 である。図34の垂直圧縮回路61013は、常に図35(a)に示した変換動 作を行うことになる。このときは、中間方式とNTSC方式の識別信号によりラ インカウンタ61037のカウント動作を切換える必要がないので、ラインカウ ンタの構成は簡単になる。
【0091】 図37は、やはり図32(b)に示すように副画面の表示を4:3で表示させ る場合の水平垂直圧縮部の他の実施例である。図33の回路と共通する部分には 図33と同一符号を付している。図33の回路と異なる部分は、水平圧縮回路6 1012の前段にエリア切出し回路61041が設けられていることと、このエ リア切出し回路61041を制御する表示エリア発生回路61042が設けられ ている点である。表示エリア発生回路61042には、副画面に同期している同 期信号が入力されており、16:9のアスペクト比の画面の信号が入力した場合 、4:3のアスペクト比の画面の信号となるように、エリア切出し回路6104 1の導通期間を制御している。4:3の画面の信号(NTSC方式)が入力した 場合はエリア切出し回路61041はそのまま取込めばよい。この実施例では、 水平圧縮回路61012,垂直圧縮回路61013はいずれの方式の信号が入力 されても常に同じ圧縮処理を行えばよく、垂直圧縮回路61013の構成は、簡 単になる。また、中間方式の信号が副画面に変換処理された場合、横方向に圧縮 された縦長の画像とならないので視覚上都合がよい。
【0092】 上記したように、この映像デコーダによると、中間方式の受像システムに現行 方式の信号による画像を表示させる場合、表示画面の余白部に中間方式あるいは 現行方式の信号を副画面として映出することができ、ワイド画面を有効に活用で きる。また、図32(b)に示すような副画面の表示形態にすると図34、図3 7で説明したように垂直圧縮回路61013の構成を簡単に実現できる。また特 に、図37の回路構成であると、垂直圧縮回路61013の構成は各方式で共通 化でき表示画面が縦長とならないという利点がある。
【0093】 (ワイド画面ディスプレイのPOP表示システム2) 上述したように現行方式の4:3のアスペクト比の信号を水平方向に圧縮し て、ワイド画面対応のディスプレイに表示し、余った余白部に副画面を表示させ る場合、上記した実施例では、主画面信号処理部と副画面信号処理部のそれぞれ に中間方式デコーダを設けている。中間方式デコーダを複数用意すると、高価な 回路となってしまう。
【0094】 ここで副画面の映像に着目すると、副画面は図32(b)に示した表示である とワイド画面対応ディスプレイの表示面に対して1/12の大きさである。従って中 間方式信号を副画面として表示する場合であっても、左右あるいは上下の情報が 欠落しても実用上はさほど問題とならい。
【0095】 そこで次の実施例では、ワイド画面を有効に活用する場合、中間方式デコーダ の使用数を最小限で実現できるようにしたものである。
【0096】 図38は、中間方式デコーダの使用数を最小とし、主画面信号処理と副画面信 号処理部を備えた映像デコーダである。この実施例の主画面信号処理部は図31 に示した実施例と同じであるから、図31と同一符号を各部に付している。この 実施例では、副画面信号処理部が先の実施例と異なるので、この部分を説明する 。入力端子63001には副画面信号(NTSC方式信号あるいは中間方式信号 )が入力される。この副画面信号は、Y/C分離部63002と同期制御部63 012に入力される。Y/C分離部63002で分離された色信号は、色復調部 63003に入力され、輝度信号は水平垂直圧縮部63011に入力される。ま たこの水平垂直圧縮部63011には、復調された色信号もY/C分離部630 02から入力されている。水平垂直圧縮部63011で圧縮された(4:3のア スペクト比)信号は、合成部62020に入力される。この回路の各ブロックの 具体例は、前述した通りである。主画面信号処理部の水平圧縮部62005は、 図18で説明され、動き適応走査線変換部62007は図20において説明され ている。この実施例では、副画面信号処理部の水平垂直圧縮部63011の構成 としては、図37で説明した回路が採用されている。なお図面では1つの副画面 信号処理部を示しているが実際には並列に複数の副画面信号処理部が設けられる 。図37に示した水平垂直圧縮部63011の特徴は、表示エリア発生部610 42とエリア切出し回路61041を設けており、予め水平垂直圧縮領域を取出 している点である。
【0097】 この回路を用いて、図32(b)に示す表示形態をとるものとすると、水平垂 直圧縮部63011における水平方向の圧縮比は1/4 とすればよい。また垂直方 向の圧縮比は、走査線数を3本から2本に変換する圧縮であり図35(a)に示 したような圧縮が行われる。
【0098】 この実施例によると、ワイド画面に現行方式による画面の信号を表示したとき に生じる余白部に副画面を表示するのであるが、余白部には現行方式の信号画面 あるいは中間方式の信号画面を副画面として表示させることができる。この場合 、副画面処理部は、中間方式デコーダを備えなくてもよく、システムの経費節減 を得ることができる。
【0099】 (ワイド画面に生じる余白部への文字図形情報表示) 上述したように現行方式の4:3のアスペクト比の信号を水平方向に圧縮し て、ワイド画面対応のディスプレイに表示した場合、ワイド画面には余白部が生 じる。上記の実施例ではこの余白部に副画面を表示する例を示した。しかし、余 白部の利用方法には、各種の利用形態が可能である。
【0100】 そこで次の実施例では、余白部に文字図形などの情報を表示できるようにした ものである。
【0101】 図39はさらに他の実施例を示している。図において図31の回路と同一部分 に同一符号を付して説明する。主画面処理部は、変わりはないために図31の主 画面処理部を1つのブロックで示している。従って、図31の回路の構成にさら に追加されている部分を説明する。主画面信号の入力端子62001は、文字多 重デコーダ64001に接続されている。文字多重デコーダ64001は、主画 面信号に多重されている文字多重信号をデコードしてデコードしたR,G,B信 号をセレクタ64002に入力する。このセレクタ64002にはさらに、パー ソナルコンピュータなどから外部接続端子を介して文字図形などのR,G,B信 号を入力することもできる。セレクタ64002は、ユーザ制御部からの指令信 号により入力を選択し、マトリックス回路64003に入力する。マトリックス 回路64003は、入力したR,G,B信号をマトリックス演算して、輝度信号 Y、色信号I,Qを作成してセレクタ61008に入力する。このセレクタ61 008には、中間方式デコーダ61010の出力、Y/C分離部61002、色 復調部61003の出力も入力されている。セレクタ61008は、同期制御部 7021により副画面信号が中間方式の信号の場合と現行NTSC方式の信号の 場合とで中間方式デコーダの出力とY/C分離部61002、色復調部6100 3の出力との切換えを行うが、ユーザ制御部からの指令によりマトリックス回路 64003の出力選択状態に切替わることができる。セレクタ61008の出力 は、図33あるいは図37に示したような水平垂直圧縮部61011に入力され て、4:3の副画面の信号に変換され、合成部62020に入力される。この合 成部62020には、さらに文字図形発生部64004からの信号も入力されて いる。この文字図形発生部64004は、例えばチャンネル選択動作に応答し、 チャンネル番号表示データを発生する。チャンネル番号としては、主画面の選択 状況、副画面の選択状況などがあり、副画面ではさらに第1副画面、第2副画面 などのチャンネル番号表示がある。また、ユーザ制御部からの情報を受けて、図 形情報としてはコントラスト、明るさ、色の濃さ、色あい、シャープネス、音量 、温室、バランスなどの映像回路あるいは音声回路設定を示す情報があり、また 映像端子番号などを表示してもよい。
【0102】 上記の実施例によると、ワイド画面に生じた余白部に、文字、図形情報などを 映出し、有効に利用することができる。また文字、図形情報の表示によりシステ ムの操作や取扱いを便利にすることができる。これは、ユーザが操作に困ったよ うな場合に、文字図形発生部を利用して、操作の手順などを表示できるようにす るからである。さらにまた、操作のヒストリーチェックを行う場合にも、システ ムの制御マイコンにより過去の操作内容を文字コードデータとして格納しておき 、チックを行う場合に読み出すようにすることで用意にチェックが可能である。 副画面の表示形態としては図32に示したような形態がある。
【0103】 (ワイド画面の余白部への音量表示システム) 上述したように現行方式の4:3のアスペクト比の信号を水平方向に圧縮し て垂直方向にアスペクト比を合わせ、ワイド画面対応のディスプレイに表示した 場合、ワイド画面には水平方向に余白部が生じる。上記の実施例ではこの余白部 に副画面を表示する例を示した。しかし、余白部の利用方法には、各種の利用形 態が可能である。
【0104】 この実施例は、余白部を利用して音量を表示しようとするものである。
【0105】 図40は、音量表示を実現すための映像デコーダの実施例である。主画面処理 部は、変わりはないために図31の主画面処理部を1つのブロックで示している 。セレクタ2000は、外部からの音声信号入力若しくは、RF入力処理部10 00からの受信音声信号入力をユーザ選択に応じて選択導出して、音声増幅器3 000に入力している(図1参照)。音声増幅器3000の出力は、スピーカ4 000に供給される。ところでセレクタ2000の出力は、さらに音量表示発生 部64010にも入力されるようになっている。ここで、音量表示発生部640 10は、入力音声信号の音量に対応した映像信号(Y、I,Q信号)を発生して 合成部62020に供給することができる。音量表示発生部64010は、主画 面処理部の同期制御部からのタイミング信号を受けている。これは、主画面処理 部はNTSC方式の信号(アスペクト比4:3)を処理して、例えば水平方向圧 縮処理を行い、ワイド画面に余白部が生じるような処理を行っているような場合 に、余白部に音量表示を行うためのタイミングを得るためである。
【0106】 図41は、音量表示発生部64010の具体的構成例である。入力端子640 11にはセレクタ2000からの音声信号が入力される。この音声信号は、一定 の周期でサンプルホールド回路64012によりサンプルされ、次の周期までホ ールドされる。このホールドレベルに応じて、次段の垂直アドレス発生部640 13は、垂直アドレス値が変わる。垂直アドレス発生部64013の出力した垂 直アドレスは、キャラクター発生部64016に入力される。キャラクター発生 部64016は、垂直アドレスに応じて予めキャラクターの色飽和度、色あいを 変化できるデ−タを格納しており、例えばROMに予めそのデ−タが格納されて いる。一方、入力端子64014には、主画面処理部から主画面の水平表示位置 を示す水平タイミング信号が供給されている。従って、この水平タイミング信号 に基づいて、水平アドレス発生部64015は、余白部の水平表示位置を示すア ドレスを出力する。この水平アドレスは、キャラクター発生部64016の水平 アドレス入力部に供給され、キャラクターの出力タイミングが決定される。キャ ラクター発生部64016から出力される輝度信号及び色信号は、それぞれD/ A変換器64017、64018にてアナログ信号に変換されて先の合成部62 020に入力される。音量の表示形態としては、例えば図42(a)、(b)、 (c)に示すように、右余白部、左余白部、左右のいずれかの余白部に表示する ことが可能である。
【0107】 上記の実施例によると、比較的簡単な手段によりワイド画面に生じる余白部に 音量表示を得ることができワイド画面を有効に活用できる。また音量を表示する ことにより表示装置としての演出効果を高めることができる。
【0108】 (現行NTSC方式受信時における垂直伸張自動設定処理) 現行方式の4:3のアスペクト比の信号を水平方向に圧縮して垂直方向にア スペクト比を合わせ、ワイド画面対応のディスプレイに表示した場合、ワイド画 面には水平方向に余白部が生じる。また、現行方式の4:3のアスペクト比の信 号を垂直方向に伸張して水平方向にアスペクト比を合わせ、ワイド画面対応のデ ィスプレイに表示した場合、ワイド画面に表示される映像は垂直方向の上下の情 報が欠落することになる。いずれの場合にも一長一短がある。垂直方向の大きさ を基準に変換した場合、左右に余白部が生じ、ワイド画面が有効に活用されない 。また水平方向の大きさを基準に変換した場合、送られてくる情報の上下部分が 切り捨てられることになる。後者の場合、放送内容によっては切り捨てられる部 分が重要な情報を含むような場合視聴者にとっては不都合である。前者の場合、 シネマスコープのような横長の映像が現行テレビジョン方式に準じて伝送されて きた場合、表示画面はさらに小さくなってしまう。
【0109】 そこでこの実施例では、現行の標準信号をデイスプレイの画面に表示する場合 、水平方向を基準して垂直方向に伸張する手段と、垂直方向に伸張した信号の表 示位置を制御する手段と、受信信号の性質を検出する手段と、放送内容に応じて 垂直伸張する比率や表示領域、あるいは変換処理を適切なものに切換える手段と を設けて、ワイド画面の有効活用に伴う、不具合点を解決するものである。
【0110】 図43は、図27に示した実施例に対して、さらに信号検出部64020が追 加されている。Y/C分離部6002、中間方式デコーダ6010、色復調部6 003、動き適応走査線変換部6007、垂直伸張部6012、セレクタ600 8、同期制御部7000の基本的構成及び動作は、図27で説明した通りであり 、本質的には図26で示したような表示形態となる。しかし、この実施例では、 Y/C分離部6002で分離された輝度信号が、信号検出部64020に導かれ 、ここでテレビジョン信号の内容判定が行われる。またこの信号検出部6402 0には、同期制御部7000から、入力信号が中間方式のものであるのか現行方 式のものであるのかを示す判別信号が入力されている。ここで、現行のNTSC 方式の信号が入力されているときは、信号検出部64020は、信号内容を検出 する。信号内容としては、映像信号の上下が黒レベルでマスクされているシネマ スコープのような映像、テロップが含まれている映像等である。テロップが含ま れているときは、垂直伸張率を下げて、テロップが画面に現れるようにし、シネ マスコープのような映像の場合、垂直伸張率を上げて画面を有効に活用するもの である。
【0111】 図44は、信号検出部64020の具体的構成例である。輝度信号は、入力端 子64021を介してテロップ検出器64022と上下マスク検出器64023 に入力される。テロップ検出器64022は、映像信号にテロップが含まれてい るか否かを検出し、テロップが含まれている場合は、出力端子64024を介し てインジケータにその表示信号を与える。また論理和回路64025にもテロッ プ検出信号(例えばハイレベル)を与える。論理和回路64025の出力がハイ レベルとなると、垂直伸張部6012は垂直伸張率を下げるように設定されてい る。上下マスク検出器64023は、映像信号の画面上下部が黒レベルでマスク されているかどうかを判定している。マスク部が検出された場合は、ローレベル のマスク検出信号を出力し、ゲート回路64026を介して論理和回路6402 5に供給する。ゲート回路64026は、同期制御部7000から端子6402 7に与えられるゲート信号が現行方式処理モードを示す判別信号であるときのみ マスク検出信号を導通させる回路である。これは中間方式信号(デコード前)が 上下マスク検出器64023に入力したときに誤ってマスク検出信号が論理和回 路64025に導かれるのを防止するためである。マスク検出信号とテロップ検 出信号を論理和回路64025に与えているのは、テロップ検出結果をマスク検 出結果に優先させるためであり、それぞれの検出信号の正負論理により適宜論理 出力が切替わる。両者が同時に検出された場合は、テロップ検出が優先し垂直伸 張率が下がる。
【0112】 図45は、テロップ検出器64022の具体的構成例である。輝度信号は、入 力端子64030を介して水平高域通過フィルタ(H−HPF)64031と垂 直高域通過フィルタ(V−HPF)64032に入力される。水平高域通過フィ ルタ64031と垂直高域通過フィルタ64032の出力は、それぞれスライス 回路64033と64034に入力される。スライス回路64033と6403 4は、それぞれ輝度レベルが予め設定したレベルを越える場合、計数回路640 35に被計数信号を与える。文字信号等は、輝度レベルの高い低いで現され、し かも高域成分であるから、この成分をスライスすることにより文字信号の有無を 検出可能である。計数回路64035は、所定の画像領域において被計数信号を 計数し、計数値が所定値を越えるとテロップ検出信号を出力する。計数回路64 035の計数する領域は、計数領域発生器64036により指定される。計数領 域発生器64036は、入力映像信号の水平同期信号H及び垂直同期信号Vに基 づいて計数領域を指定している。
【0113】 計数領域としては、例えば図46(a)に示すように画面を複数のブロックに 分割して各ブロック単位で文字信号があるか否かを判定するか、若しくは、テロ ップは上部あるいは下部の領域を複数に分割して各ブロックの文字信号を検出す るようにしている。上下部で検出する場合は、画面中央部では計数回路6403 5の動作は停止される。
【0114】 上記のようにテロップが検出された場合は、垂直伸張率を下げて、テロップが マスクされないようにし、またシネマスコープのような映像の場合は、垂直伸張 率を上げてワイド画面の有効利用を計ることができる。動き適応走査線変換部6 007は、図20で示した通りであり、垂直伸張部6012は、図27、図29 に示した通りである。伸張率を切換え可能とする場合には、図29に示すような 垂直伸張部を予め幾つか用意しておき論理和回路64025の出力に応じて切換 えるように構成される。そして、図29に示すメモリ制御部604の制御タイミ ング、係数発生器6019の係数切り替えタイミングを変えることにより容易に 垂直伸張率を変更することができる。この例として図47に入力走査線の4本を 5本に変換するタイミングチャートを示す。A1、A2、…はそれぞれ走査線を 示し、フィールドメモリから4本の走査線が出力されると1水平期間の出力停止 期間があり、このような読出しが繰り返し行われる。そしてラインメモリの出力 は、5ラインに一回は4番目に入力した走査線が2回読み出される。係数器の係 数は、図47に示すように各読み出し走査線に対して1、1/5 、4/5 、2/5 、3/ 5 などの係数が与えられ、垂直伸張を実現している。この4本から5本の変換に より垂直方向の5/4倍伸張が得られる。同様に5本から6本に伸張する場合も 、メモリ制御と係数の発生タイミングを変えることにより垂直伸張率を設定でき る。
【0115】 テロップ検出結果に応じて、映像表示の表示位置を制御してもよい。
【0116】 例えば、画面の下部にテロップがある場合は、図48(a)に示すように、垂 直伸張された画面の上部を切り捨てて表示し、画面の上部にテロップがある場合 は、図48(b)に示すように画面の下部を切り捨てて表示してもよい。垂直表 示位置を変更するには、図29に示したフィールドメモリ6013への書き込み タイミングを制御すればよく、この場合は、テロップ検出に応じてメモリ制御部 6014の出力アドレスの初期値が切り替え制御される。テロップが画面の上部 にあるか下部にあるかは、先の図46に示したブロックのいずれのブロックでテ ロップが検出されたかを監視しておればよい。
【0117】 なおこの実施例において、図43に示した動き適応走査線変換部6007と垂 直伸張部6012の配置は逆であっても構わない。垂直伸張制御をおこなった後 で補間走査線を作成して走査線数を変換しても何等問題はない。
【0118】 上記したようにこの実施例によれば、受信した信号に応じて表示アスペクト比 を切換えることができ、中間方式の信号、現行方式の信号に対して本来のアスペ クト比で表示できる他、放送内容によって変換方法あるいは表示する領域を変え ることができ、横長のワイド画面を有効に使うことができる。そして画面の一部 が欠けることの不都合を変換方法を切換えることにより救済できるものである。 (中間方式信号処理におけるレターボックス処理) (補助信号多重処理システム) 上記したシステムにおいて、映像デコーダ6000の内部には、順次走査線の 変換部や中間方式デコーダが内蔵されている(図1、図17等参照)。
【0119】 ところで、中間方式により現行方式と両立性をもたせて16:9のアスペクト 比のワイド画像を伝送する場合、レターボックス処理により垂直方向に圧縮する ことが必要である。この垂直圧縮処理を施すと、垂直解像度の低下を招き、また 、サイドパネル処理を施すのでサイドパネルの解像度低下を招く。
【0120】 従来のレターボックス方式のみの専用のシステムにおいては上下マスク部に十 分な多重伝送領域を確保することができ、垂直高域成分をこの領域に多重して伝 送できた。しかし中間方式では、レータボックス処理を行っているとは言え、従 来のレターボックス処理における上下マスク部に比べて上下マスク部の領域は著 しく狭い。また従来の専用のサイドパネル処理では、センターパネル部の一部を 取除き、サイドパネルの高域成分を周波数多重等の手法で伝送しているが、中間 方式では表示領域が狭いために、画像の一部の成分を取除くと現行方式の受像機 で映出した場合画質が劣化する。
【0121】 以上のように従来提案されている中間方式によりワイド画面の信号を伝送した 場合、デコード時の画像の垂直解像度の低下、サイドパネルの解像度の低下が見 られる。
【0122】 そこでこの実施例では、中間方式レターボックス処理による垂直圧縮のために 生じる垂直解像の低下を防止し、かつ、中間方式サイドパネル処理によるサイド パネルの解像度低下を防止することができる中間方式デコード処理装置を提供す るものである。
【0123】 この実施例では、上下マスク部の20本づつのの走査線をレターボックス処理 による垂直高域成分の補助信号多重領域として利用し、さらに上下マスク部の2 0本づつの走査線をサイドパネル処理によるサイドパネル高域成分多重領域とし て利用するものである。これによりデコード画像の垂直解像度低下を招くことな く、高画質のワイド画面信号(16:9)の再生を可能としている。
【0124】 図49は中間方式エンコーダの具体的構成例であり、図50は中間方式デコー ダ62010の具体的構成例である。
【0125】 図49のエンコーダにおいて、5001は、レターボックス処理部であり、5 002はサイドパネル処理部である。レターボックス処理部5001は、ワイド 画面信号を垂直方向に圧縮し、サイドパネル処理部5002はサイドパネルとセ ンターパネルを分割して、サイドパネルの信号を上下マスク部に多重する部分で ある。レターボックス処理部5001の入力端子5003には、525本、1: 1の順次走査信号でアスペクト比16:9の輝度信号Yが入力される。また、入 力端子5004には、525本、1:1の順次走査信号でアスペクト比16:9 の色信号(I,Q)が入力される。輝度信号Yは、垂直方向圧縮部5005に入 力され、垂直方向が5/6 倍に圧縮される。垂直方向に圧縮された輝度信号は、動 き適応センター信号エンコーダ5006と、上下マスク部Vh /VT エンコーダ 5007に入力される。また上下マスク部Vh /VT エンコーダ5007の出力 は、VT 再生部5008と非線形変換部5009に入力される。動き適応センタ ー信号エンコーダ5006は、走査線を飛び越し走査信号に変換する場合動き検 出部5010からの動き検出信号に応じて適応的に変換している。また上下マス ク部Vh /VT エンコーダ5007においては、センター信号の上下の各40本 の走査線を利用して上下マスク部に多重する信号を作成している。レターボック ス処理においては、上下の各40本の走査線のうち、上下の各20本づつを利用 し、残りの各上下20本は、サイドパネル処理部で利用される。Vh 信号は、静 止画における400〜480[テレビ/本]の垂直高域成分のことを言い、VT 信号は動画における200〜400[テレビ/本]の成分のことを言う。上下マ スク部Vh /VT エンコーダ5007には、動き検出部5010からの動き検出 信号も供給され、動画の場合はVT 信号、静画の場合はVh 信号を作成している 。VT 再生部5008は、動画におけるVT 信号を、動き適応センター信号エン コーダ5006で得られる信号の上下マスク部に多重するためにそのタイミング と信号変換を行っている。非線形変換部5009は、上下マスク部に多重される 信号のレベルを制御するためのもので、中間方式の信号を現行方式の受像機で再 生した場合に、上下マスク部で多重信号が目立つのを抑えるためのものである。 動き適応センター信号エンコーダ5006の出力は正規化エンコーダ5011 に入力される。また正規化エンコーダ5011には非線形変換部5009からの 出力も供給されている。レターボックス処理された輝度信号は、サイドパネル処 理部5002のサイドパネル高域低域分割部5013に入力される。このサイド パネル高域低域分割部5013には、色信号処理部5012において、輝度信号 と同様な処理を受けた色信号も供給されている。
【0126】 サイドパネル高域低域分割部5013にて分割された輝度及び色信号の低域成 分は、センターパネル処理部5014に入力され、水平方向の圧伸処理を受ける 。そしてエンファシス回路5015に入力されて強調され合成部5016に入力 される。一方、サイドパネルの高域成分は、並べ換え部5017に入力され、上 下マスク部の各走査線に多重できる位置に配置され、上下マスク部プリ処理部5 018に入力されスペクトル成形される。これはマスク部における信号が現行方 式の受像機で受信して再生したときに目立つのを抑えるためである。上下マスク 部プリ処理部5018の出力も合成部5016に入力され、この合成部5016 から出力される輝度信号及び色信号は、NTSCエンコーダ5019に入力され 、現行方式と両立性のある中間方式テレビジョン信号として出力端5020に出 力される。
【0127】 以上が中間方式の信号を作成するエンコーダであるが、さらにその信号処理に ついて説明する。
【0128】 図51は、エンコード処理の経過を示している。同図(a)は16:9のワイ ド画面の信号であり、525本/1:1の信号である。この信号画像を現行受像 機でそのまま表示させると、同図(b)に示すように縦長の画像となる。そこで レターボックス処理部5001では、垂直方向に5/6 倍に圧縮し、480本の走 査線を400本の走査線の画像に変換し、同図(c)に示すような画像にしてい る。次に、サイドパネル処理部5002では、センターパネルを10/9倍に伸張し 現行方式の横の長さに合わせられ、サイドパネルを1/5 倍に圧縮している。圧縮 されたサイドパネルの一部の高域信号は、上下マスク部として存在している各4 0本の走査線に多重されて伝送される。
【0129】 図52はこのようにエンコードされる信号形式を示している。サイドパネルの 高域成分は、22〜31番目の走査線、252〜261番目の走査線、285〜 294番目の走査線、515〜524番目の走査線に多重される。またレターボ ックス処理において利用される補助信号であるVh 信号及びVT 信号は、32〜 41番目の走査線、242〜251番面の走査線、295〜304番目の走査線 、505〜514番目の走査線に多重される。従って、サイドパネル処理とレタ ーボックス処理により、付加信号領域として上下20本づつの走査線を使用して 多重伝送を行っている。サイドパネルの低域成分は、圧縮されて現行方式の有効 画面には現れないようにされセンターパネルは水平方向に伸張される。
【0130】 図53は、水平方向圧伸のフォーマットを示す。同図(a)は16:9のワイ ド画面の信号の水平期間と各パネルの分割位置を示している。原画の有効走査期 間は、4fscのサンプリングクロックによる747サンプル分ををセンターパネ ルとし、左右の41サンプル分をサイドパネルとしている。サイドパネル部とセ ンターパネル部の境界付近で例えば17クロック分は、圧伸を行わないようにし ている。センターパネル部の631クロック分は伸張されて同図(b)に示すよ うに701クロック分になる(10/9倍)。またサイドパネル部の41クロック分 は圧縮されて9クロック分になる(1/5 倍)。この処理はセンターパネル処理部 5014にて行われている。
【0131】 次にサイドパネルの高域成分は、同図(c)に示すように、センターパネルと サイドパネルとがクロスするように分割されて取出される。そして取出されたサ イドパネルの高域成分のみが集められ、同図(d)に示すように1本の走査線に 20本の走査線から取出した高域成分が時間多重される。この処理は並べ換え部 5017にて行われている。このサイドパネルの高域成分が多重されている走査 線は上述した上下マスク部が位置する走査線である。1走査線に20本のサイド パネルの情報が多重されるのであるから、上側のマスク部の20本の走査線には 例えば左側パネルの高域成分を多重することができ、下側のマスク部の20本の 走査線には右側のパネルの高域成分を多重できることになる(図52参照)。
【0132】 図50は、上記のように伝送されてくる中間方式の信号をデコードするデコー ダの具体的構成例である。このデコーダは、サイドパネル処理部65001とレ ターボックス処理65002により構成されている。
【0133】 NTSCのデコード処理により生成された輝度信号Yと色信号I,Qとは、入 力端子65003と65004をそれぞれ介してディエンファシス回路6500 5に入力される。また、上下マスク部の信号は、入力端子65008を介して上 下マスク部Y/C分離部65009に入力される。ディエンファシス回路650 05の出力は、センターパネル処理部65006に入力されて、水平方向へ圧伸 処理される。つまりサイドパネルは、センターパネル処理部65006により5 倍に伸張され、センターパネルは9/10倍に圧縮される。センターパネル処理部6 5006の出力は合成部65007に入力される。上下マスク部Y/C分離部6 5009で分離されたサイドパネルの高域成分である輝度信号と色信号とは並べ 換え部65010に入力される。並べ換え部65010では、図53(d)で説 明したサイドパネル高域成分を元の走査線の位置へ分割して並べ換え、合成部6 5007に入力する。
【0134】 この状態では、図51(d)の応対から図51(c)の状態の画面に戻った信 号となっている。次にレターボックス処理の逆変換が行われる。輝度信号の経路 について説明する。輝度信号は、正規化デコーダ65011と表示切換え部65 017に入力される。正規化デコーダ65011の出力は、動き適応センター信 号デコーダ65012と非線形変換部65013に入力される。動き適応センタ ー信号デコーダ65012では、飛び越し走査信号を動き検出部65014から の動き検出信号に応じて適応的に順次走査信号に変換すする処理が行われる。非 線形変換部65013では、上下マスク部に多重されている補助信号(Vh 信号 、VT 信号)をレベル制御して出力し、上下マスク部Vh /VT デコーダ650 15に供給する。上下マスク部Vh /VT デコーダ65015では、動き検出部 65014からの動き検出信号に応じて上下マスク部に多重されているVh 信号 、VT 信号を再生し、動き適応センター信号デコーダ65012および垂直方向 伸張部65016に供給する。垂直方向伸張部65016には、動き適応センタ ー信号デコーダ65012からの出力も供給されている。これにより垂直方向伸 張部65016で、垂直方向の伸張(6/5 倍)が行われると、16:9のアスペ クト比の画像信号が得られる。垂直方向伸張部65016の出力は、表示切換え 部65017に入力されている。表示切換え部65017は、サイドパネル処理 部65001の出力をそのままスルーで出力端子65018へ取り出す場合に使 用される回路である。これは、放送側でサイドパネル処理のみを施して信号を伝 送してきた場合に活用される。あるいは、ディスプレイ自体に垂直方向の引き伸 し機能が備わっている場合に利用される。
【0135】 合成部65007から出力される色信号は、色信号処理部65019及び表示 切換え部65020に入力されている。色信号処理部65019においても順次 走査への変換処理が行われ、その出力は表示切換え部65020に入力されてい る。これにより、出力端子65021には、ワイド画面対応のアスペクト比の色 信号を得ることができる。
【0136】 上記した実施例によると、中間方式の信号を伝送する場合、レーターボックス 処理において480[テレビ/本]を400[テレビ/本]の信号とし、上下マ スク部を作った場合、上下マスク部の20本づつを垂直高域成分の補助信号(V h 、VT 信号)領域とし、さらにサイドパネル処理を行う場合、上下マスク部の 20本づつをサイドパネルの高域成分多重領域として利用している。これにより 、デコード画像の垂直解像度の低下を招くことがなく、サイドパネルの解像度の 低下も招くことがない。よって高画質の16:9のワイド画面の画像再生が可能 となる。
【0137】 (走査線数変換垂直伸張処理システム) テレビジョン信号をレターボックス処理を行って伝送する場合、走査線数4 80本の信号を垂直方向に5/6 倍に圧縮し、走査線数400本への信号としてい る。走査線数480本の信号をそのまま6本から5本の割合で変換すると折り返 し歪みが発生するため、デコーダで5本から6本に変換して元の480本の信号 にしても良好な画像再現は得られない。そこで、まず、走査線数480本の信号 を垂直低域通過フィルタにより垂直周波数400[テレビ/本]以下の信号と4 00〜480[テレビ/本]の信号に分離し、400[テレビ/本]以下の信号 を6本から5本の割合に変換して走査線数400本の信号とし、400〜480 [テレビ/本]の信号は上下マスク部に多重して伝送している。
【0138】 このようにすれば6本から5本の割合に変換して走査線数400本の信号とし た場合に折り返し歪みの発生を防げる。よってデコーダにおいては、400本の 信号を5本から6本の割合に変換して走査線数480本の信号に戻し、正しい4 00[テレビ/本]の信号を得て、これに上下マスク部に多重されて伝送されて きた400〜480[テレビ/本]の信号を加えることにより元の480[テレ ビ/本]の画像を正しく再生できる。
【0139】 しかしながら実際には、400[テレビ/本]に帯域制限する垂直低域通過フ ィルタは、必ずしも理想的な特性とはならない。このため垂直低域通過フィルタ で帯域制限した400[テレビ/本]の信号を5/6 倍の走査線に変換して400 本の信号としても折り返し歪みが発生し、デコーダにおいて良好な再現が得られ ない。この折り返し歪みを発生させないためには、垂直低域通過フィルタのカッ トオフ周波数を下げてやればよいが、そうすると、上下マスク部で伝送しなけれ ばならない帯域が増えてしまう。上下マスク部で伝送できる帯域は、決まってい るために上下マスク部の情報を完全に伝送できなくなり、結果としてデコーダに おいて元の画像を良好に再生できないという解決すべき課題がある。
【0140】 そこでこの実施例では、垂直方向に圧縮したときに生じる折り返し歪みを打ち 消すことができる折り返しキャンセル信号を別途伝送するようにし、デコーダ側 で垂直方向に伸張した際に別途伝送されてきた折り返しキャンセル信号を伸張信 号に加算することで、正しい画像再生を得られるようにしている。
【0141】 図54は、図49に示す垂直方向圧縮部5005の具体的構成例を示している 。
【0142】 入力端子55001から入力した走査線数480本の信号は、垂直低域通過フ ィルタ55002と減算器55003に供給される。垂直低域通過フィルタ55 002では、垂直周波数480[テレビ/本]の信号が400[テレビ/本]の 信号に帯域制限され、その出力は、減算器55003と走査線変換部55004 に入力される。走査線変換部55004は、6本から5本の割合に走査線数を変 換し、400本の走査線信号を出力する。この400本の信号は、出力端子55 008と走査線変換部55005に入力される。走査線変換部55005は、逆 変換を行うもので5本から6本の割合の走査線に変換する。もとに戻された信号 は、減算器55006に入力され、垂直低域通過フィルタ55002の出力から 減算される。これにより減算器55006からは、走査線数の変換により(垂直 圧縮、垂直伸張)生じる誤差に対応した成分が得られることになる。
【0143】 一方減算器55003からは、400〜480[テレビ/本]の信号が得られ 、この信号は加算器55007に入力される。加算器55007では、垂直の高 域成分400〜480[テレビ/本]の信号と減算器55006から得られるデ コード時の誤差成分(以下これをキャンセル信号という)が加算され出力端子5 5009に出力される。
【0144】 出力端子55008の信号は動き適応センター信号エンコーダ5006に入力 されセンター信号として伝送され、出力端子55009の信号は上下マスク部V h /VT エンコーダ5007に入力され、上下マスク部に多重されて伝送される ことになる。
【0145】 走査線変換部55005と減算器55006を利用して、誤差信号を得ること の意義についてさらに図56を参照して説明する。即ち、この実施例では、48 0[テレビ/本]の信号(図56(a))を垂直低域通過フィルタに通して40 0[テレビ/本]に変換し、これを5/6 倍に垂直圧縮した場合、折り返し成分が 生じる(図56(b))。そこで再度この信号をデコーダ側とまったく同じよう に6/5 倍に垂直伸張すると同図(c)のように折り返し成分が残っている。そこ でこれをキャンセルできるように、同図(a)と(c)の信号を用いて同図(d )に示すようなキャンセル信号を作成し、これを上下マスク部にVh 信号に加算 して伝送するものである。
【0146】 図55は、垂直方向伸張部65016の具体的構成例を示す。入力端子650 31にはセンター信号として伝送されてきた走査線数400本、垂直帯域400 [テレビ/本]の信号が入力される。この信号は走査線変換部65032におい て、5本から6本の割合で変換され6/5 倍に垂直伸張され、走査線数480本、 垂直帯域400[テレビ/本]の信号となる。この信号は加算器65033に入 力される。一方、入力端子65034には、上下マスク部Vh /VT デコーダ6 5015でデコードされたVh 信号が入力される。Vh 信号は400〜480[ テレビ/本]の信号であり、図56で説明した折り返しキャンセル信号が含まれ ている。従って、走査線変換部65032の出力信号に含まれている折り返し成 分(図56(c)斜線部)は、キャンセル信号により除去され、出力端子650 35には折り返し成分が除去された480[テレビ/本]の信号が得られる。
【0147】 ここで5/6 倍の圧縮処理について説明しておく。
【0148】 図57(a)は6本の走査線から5本の走査線を作成する関係を示す。同図( b)は、5本の走査線を得るための演算式の例を示している。xが演算に使用す る走査線の画素の値であり、yが作成された走査線の画素の値である。そしてh は係数である。また図58のc1〜c4は、圧縮処理を受ける過程での周波数特 性を示しており、図59のd1〜d5はインパルス応答を示している。
【0149】 図60(a)は、図54に示す走査線変換部55004の具体的構成例である 。入力端子55010から入力した信号は、ラインメモリ55011、5501 2、55013の直列回路に入力される。入力端子の信号及び各ラインメモリの 出力信号は、係数器群55014に入力されると共に、係数器群55015、5 5016、55017にも同様に入力されている。係数器群55014の出力は 加算器55018で加算されてセレクタ55022に入力され、係数器群550 15の出力は加算器55019で加算されてセレクタ55022に入力され、係 数器群55016の出力は加算器55020で加算されてセレクタ55022に 入力され、係数器群55017の出力は加算器55021により加算されてセレ クタ55022に入力される。これにより図57(b)で示した演算が施される 。セレクタ55022は、タイミング発生器55023からの制御のもとに適切 な演算出力を選択してフィールドメモリ55024に導入する。この場合アドレ ス発生器55025のアドレス発生タイミングもタイミング発生器55023の タイミング信号により制御されている。フィールドメモリ55024から読み出 される場合は、時間軸の圧縮が行われ出力端子55026に出力される。
【0150】 図60(b)は、ラインメモリ55011〜55013の出力及びラインメモ リ55011の入力信号xと、新しく生成される信号yとの関係を示し、セレク タ55022は、加算器55018〜55021の出力をy0から順次y4まで 選択し、一回分選択を停止し、再度加算器55018の出力をy5として選択す るように制御されている。
【0151】 上記した実施例によれば、垂直低域通過フィルタの特性を理想的な特性に出来 ないがために発生していた折り返し成分を、デコーダ側で打ち消すことができる キャンセル信号を別途、上下マスク部の信号とともに伝送している。そしてデコ ーダ側では上記キャンセル信号を抽出してセンターパネルの信号に加算すること で、走査線変換を行った場合に残留している折り返し成分をキャンセルし、良好 な再生画像を得ることができる。
【0152】 (動き適応3次元帯域制限処理システム) 従来エンコーダ側において、順次走査信号を飛び越し走査信号に変換する場 合、静画部ではフレーム間処理を行い、動画部ではフレーム内処理を行っている 。従って、原理的には静画ではS/N改善効果が得られるが、動画ではS/N改 善効果が得られない。このため動き適応処理を行って伝送した画像では、静画部 ではクリアな画像が得られるが動画部ではノイズが目立ち動いた部分の画質劣化 が一層目立ち不自然な画像になるという問題がある。
【0153】 そこで次の実施例では、動き適応センター信号エンコーダ5006、動き適応 センター信号デコーダ65012において、とくに動画部のS/N改善を視覚特 性に適合した3次元処理を行うようにして、画質劣化を生じないようにした、中 間方式エンコーダおよびデコーダを得るものである。
【0154】 図61は動き適応センター信号エンコーダ5006の具体的構成例を示してい る。図62はこのエンコーダ部で作成される伝送用信号の3次元スペクトルであ り、図63は、補助信号、つまりVh 、VT 信号を処理するVh /VT エンコー ダ5007とVT 再生部5008の具体的構成例を示している。
【0155】 まず、この実施例は、動画時においてもある程度の3次元の帯域制限を行った としても画質上は元の画質と大差がないことを利用している。そこで動画時には 3次元の帯域制限を行い、受信側でも同じ3次元の帯域制限を行うことで動画時 の伝送系のノイズ軽減を得られ、また、送信側で3次元の帯域制限を行うのでソ ースのS/N改善を得るとともに、静画時もフレーム間処理によりS/N改善を 得ており、視覚上での画質劣化が無い。
【0156】 まず、伝送信号の3次元スペクトルを図62に示しその利点について説明する 。同図(a)は動画モードにおけるスペクトルであり、同図(b)は静画モード におけるスペクトルである。静画モードでは、テンポラル高域(15Hz以上)が カットされるので、ランダムノイズをかなり低減できる。これに対して動画モー ドでは、同図(a)に示すようにテンポラル成分は30Hz以上が存在するが、こ の成分は垂直低域であり200[テレビ/本]までである。そして200〜40 0[テレビ/本]の垂直高域成分(VT 信号)は、テンポラル成分は15Hzまで である。インパルス状のノイズ成分は、3次元の高域成分と考えられるために、 このように高域成分を制限すればかなりの視覚上でのS/N対策となる。またこ のように制限したからと言って、動き画像に不自然さを与えることはないことが 実験により確認されている。このようにソース側で静画動画ともに3次元処理を 行うことにより現行方式受像機でみた場合もS/N改善が得られ良好な画質を得 ることができる。
【0157】 上記のような着想のもとに実現されたエンコーダが図61に示す回路である。 入力された順次走査信号は、垂直方向圧縮部5005で垂直方向に圧縮されてお り、静画処理系と動画処理系に導入される。
【0158】 静画処理系は、入力信号を1/60秒遅延する1/60遅延器55031と加算器55 032に入力される。加算器55032では前後のフレーム間の和信号を得てい る。この信号は、1/2 係数器55033で1/2 倍され垂直周期でオンオフされる スイッチ55034に入力され、一方のフィールドが取出される。これによりテ ンポラル方向が15Hzに制限された信号となる。このスイッチ55034の出力 信号は、フィールド周波数30Hzとなり、水平周期で入力信号を振り分けるスイ ッチ55035に入力される。振り分けられた一方の走査線の信号は、時間伸張 部55036に入力されて水平方向が2倍に時間伸張され、スイッチ55039 の一方の入力端子に供給される。また振り分けられた他方の走査線の信号は、1/ 60遅延器55037で遅延され時間伸張部55038に入力され水平方向が2倍 の時間に伸張され、スイッチ55039の他方の入力端子に供給される。スイッ チ55039は、垂直周期で交互に一方と他方の入力端子の信号を選択導出する ことにより、飛び越し走査信号を得て、これを混合部55040に入力している 。この混合部55040に入力される信号は、図62(b)に示した400[テ レビ/本]以下の静画成分である。
【0159】 動画処理系は、入力信号を垂直低域通過フィルタ55041と垂直高域通過フ ィルタ55042に供給して、垂直低域通過フィルタ55041からは図62で 示した200[テレビ/本]以下の垂直低域成分を導出している。この垂直低域 通過フィルタ55041の出力は1/60遅延器55043で遅延され、タイミング 発生器55048からの制御信号により垂直周期でオンオフするスイッチ550 45でライン間引きされ時間伸張部55046に入力される。ここで水平方向の 時間伸張が行われ、加算器55047に入力される。加算器55047では、上 下マスク部に多重すべきVT 信号が加算され、図62(a)のスペクトルとなり 混合部55040に入力される。混合部55040では、動き検出部5010か らの動き検出信号に応じて動画に適した信号と静画に適した信号との混合比を制 御し、出力を正規化エンコーダ5011に入力している。各スイッチ55034 、55035、55039、55045は、同期制御部55049からのクロッ クに同期してタイミング信号を出力しているタイミング発生器55048から与 えられている。
【0160】 図63は、先の垂直高域通過フィルタ55042からの出力と、垂直方向圧縮 部5005からのVh 信号が供給されるVh /VT エンコーダ5007の具体的 構成例を示している。
【0161】 入力端子55051にはVT 信号が供給され、入力端子55052にはVh 信 号が入力される。Vh 信号は、図61に示したように400〜480[テレビ/ 本]の信号である。また折り返し成分を除去するためのキャンセル信号も含んで いる。VT 信号は、水平低域通過フィルタ55053により0.8MHz 以下の水 平周波数成分に制限され、1/60遅延器55054、加算器55055、1/2 係数 器55056で構成される帯域制限部で図62(a)に示した領域に制限されス イッチ55056Aに入力される。つまり3次元処理によりテンポラル高域成分 が削除されている。スイッチ55056Aは、1/fV 周期のタイミング信号で フィールド間引きを行い、その出力をスイッチ55057に入力する。このスイ ッチ55057は1/2fH 周期のタイミング信号でライン間引きを行いその出 力を混合部55058に入力するとともに、出力端子55059を介してVT 再 生部5008に入力する。VT 再生部5008では入力信号を飛び越し走査信号 に変換して、先の加算器55047に入力する。これにより、加算器55047 からは図62(a)に示すスペクトルの信号が得られる。
【0162】 一方、Vh 信号は、入力端子55052を介して水平低域通過フィルタ550 60に入力されてこれも0.8MHz 以下に帯域制限される。この低域通過フィル タ55060の出力は、垂直シフト部55061に入力されて400〜480[ テレビ/本]の信号が0〜80[テレビ/本]の垂直周波数領域にシフトされる 。この垂直シフト部55061の出力信号は、走査線変換部55062に入力さ れ、走査線数が6本から5本の割合に変換され、垂直方向に圧縮された400本 の画像信号となる。この信号は、1/60遅延器55063、加算器55064、1/ 2 係数器55065で構成される帯域制限部において、テンポラル方向の帯域制 限を受けて、スイッチ55066に入力されフィールド間引きされ、さらにスイ ッチ55067に入力されライン間引きされて、混合部55058に入力される 。
【0163】 混合部55058では、動き検出部5010からの動き検出信号に基づき両入 力信号の混合割合を調整して、その出力を1/5 時間圧縮部55068に入力する 。この時間圧縮部55068では、混合部55058の出力信号を水平方向に1/ 5 に圧縮処理し、1/5 の画像信号に変換する。この画像信号は、上下マスク部の 走査線に多重されるのであるが、並べ換え部55069に入力されて、伝送する 1本の走査線につき5ライン分のVh /VT 信号として多重できるように処理さ れ、端子55070に出力される。従ってマスク部の上下の20本で、20×5 ×2=200本分の補助信号が伝送できることになる。タイミング発生器550 71は、各部のタイミング信号を出力するとともにスイッチ55056A、55 057、55066、55067の制御用タイミング信号を出力している。
【0164】 上記した実施例によると、動画モードの信号に対して、垂直低域通過フィルタ 55041に続く経路の処理と、垂直高域通過フィルタ55042に続く経路の 処理を行い、加算器55047においては、図62(a)に示すようなスペクト ルの成分を伝送するようにしている。これにより、従来実現できなかった動画像 のS/N改善を視覚特性に適合した3次元処理により実現し、画質劣化を生じる ことなしに現行方式の受像機で再生できるようにしている。
【0165】 (動画モード順次走査信号伝送処理システム) 従来は、飛び越し走査信号から順次走査信号を作成する場合、動画時にはフ ィールド内処理を行い垂直補間走査線を作成している。このために原理的には2 00[テレビ/本]までの垂直方向解像度しか得られず、さらに飛び越し走査に よる折り返し成分も除去することができない。飛び越し走査信号の折り返し成分 を無くすためには、あらかじめエンコーダにおいてテンポラル方向の高域成分と 低域成分にそれぞれ垂直方向の帯域制限を施し、折り返しが生じないようにする 必要がある。しかし、このような帯域制限を施した中間方式の信号を現行方式の 受像機で受信し再生した場合、今度は十分な垂直解像度が得られないという問題 を生じる。
【0166】 そこでこの実施例では、垂直方向高域成分の帯域制限を施さず、現行方式の受 像機で受信した場合でも良好な垂直解像度を得られ、かつ中間方式デコーダで再 生するために順次走査変換を行った場合にも折り返し成分を残すことなく再生で きるようにした中間方式エンコーダおよびデコーダを得るものである。そこでこ のシステムでは、動画処理部に特徴を持たせている。
【0167】 図64は、本システムで伝送される動画モードにおける3次元スペクトルを示 しており、垂直高域にVT 信号を多重して伝送するようにしている。即ち、テン ポラル方向低域成分VLについては、水平方向0.8MHz 以下までは400[テ レビ/本]、0.8MHz 以上は200[テレビ/本]に帯域制限し、テンポラル 方向高域成分は200[テレビ/本]以下に帯域制限して伝送する。このような スペクトルの信号であると、現行方式の受像機で再生しても垂直解像度の劣化の 無い動画を得ることができる。またテンポラル方向低域の水平方向0.8MHz 以 下、垂直方向200〜400[テレビ/本]の成分VT は、センター信号処理と は別経路で上下マスク部に多重して伝送している。これにより、上下マスク部か ら再生されたVT 信号を用いて、センター信号に含まれているテンポラル高域成 分(VT 信号に対応)をキャンセルし、この領域に発生(飛び越し走査変換のと きに発生)している折り返し成分を除去し、再度、上下マスク部から再生された 良質のVT 信号をセンター信号に加えることで折り返しの無い順次走査の画像を 得るものである。
【0168】 図65は、図61に示すVT 再生部5008の具体的構成例を示している。V h /VT エンコーダから取出されたVT 信号(400[テレビ/本])は、入力 端子55081を介して垂直補間回路55082に入力され、垂直補間され0〜 200[テレビ/本]の成分にされる。垂直補間回路55082の出力は、ライ ン反転器55083に入力されて、200〜400[テレビ/本]の垂直高域信 号に変換される。ライン反転器55083は、入力を反転する反転器55084 と、この出力と直接入力を交互に選択するスイッチ55085により構成されて いる。ライン反転器55083の出力は、スイッチ55086によりライン毎に 振り分けられる。奇数ラインは、時間伸張部55087に入力され水平方向が2 倍に時間伸張され、偶数ラインは、1/60遅延器55088により1/60秒遅延され たのち時間伸張部55089に入力され水平方向が2倍に時間伸張される。時間 伸張部55087と55089の出力は、フィールド毎に切替わるスイッチ55 090の一方と他方の入力端子に供給される。これによりスイッチ55090の 出力には飛び越し走査のVT 信号(200〜400[テレビ/本])が得られる 。この信号は補償フィルタ55091により、落ち込んでいる200[テレビ/ 本]/30Hzの成分が利得を上げられて、図61で説明したように加算器550 47に入力される。
【0169】 なお、入力端子55081に供給されている入力VT 信号は、中間方式デコー ドのために、上下マスク部に多重されて別経路でも伝送されることは先に説明し た通りである。VT 再生部5008で処理されて伝送されるVT 信号は、現行受 像機の動き画像の垂直解像度を低下させないためである。また、各部の回路のタ イミング信号は、タイミング発生器55092から出力されている。
【0170】 図66は、上述したVT 信号を扱うデコーダ側の具体的構成例であり、動き適 応センターパネル信号デコーダ65012を一層詳しく示している。正規化デコ ーダ65011から出力された信号は、倍速変換部65041及び非線形変換部 65013に入力される。倍速変換部65041で水平方向が倍速にされた飛び 越し走査信号は、静画処理部と動画処理部に入力される。
【0171】 静画処理部から説明するに、倍速変換部65041から出力された信号は、1/ 60遅延器65042を介してスイッチ65043の一方の入力端子に供給される とともに直接スイッチ65043の他方の入力端子に供給される。スイッチ65 043は、1/2fH の周期で一方と他方に入力端子の信号を交互に選択してS /N改善された信号を導出し、フィールドスイッチ65044に供給する。フィ ールドスイッチ65044は、1/fV の周期でオンオフしてその出力を1/60遅 延器65045を介してスイッチ65046の一方の入力端子に供給するととも に直接スイッチ65046の他方の入力端子に供給する。スイッチ65046は 1/fV の周期で一方と他方の入力端子の信号を交互に選択導出し、静画に適応 した順次走査信号を得、混合部65047に供給する。
【0172】 動画処理部は、倍速変換部65041から出力された400[テレビ/本]6 0Hzの順次信号は、1/60遅延器65048でフィールド遅延され減算器6504 9に入力される。この減算器65049には、上下マスク部Vh /VT デコーダ 65015で再生されたVT 信号がスイッチ65050、補償フィルタ6505 1を介して供給されている。従って、減算器65049からは、折り返し成分が 重なっているVT 信号を除去した信号が得られる。減算器65049の出力信号 は、垂直補間回路65052に入力され垂直補間され、加算器65053及び動 き検出部65014に入力される。加算器65053には、上下マスク部Vh / VT デコーダ65015で再生されたVT 信号が遅延器65054で時間調整さ れて供給されている。従って、加算器65053からは、再度、VT 信号を加え た動画モードの信号が得られ、この信号は混合部65047に入力される。混合 部65047は、動き検出部65014からの動き検出信号に応じて、静画モー ドと動画モードの信号の混合比を制御して出力し、これを垂直方向伸張部650 16に供給する。その他の回路は、図50のレターボックス処理部65002で 説明した通りである。
【0173】 上記した実施例によると、エンコーダ側において垂直高域成分の帯域制限を行 うことなくセンター側の信号を伝送できるので、現行方式受信機で再生した場合 も垂直解像度が劣化することはない。デコーダ側においては、上下マスク部に多 重しているVT 信号を用いて、一旦センター側のVT 信号を除去するので、減算 器65049の出力は、折り返しのない200[テレビ/本]以下の成分に戻さ れ、その後、加算器65053にて200〜400[テレビ/本]、0.8MHz のVT 信号が加算される。よって、ワイド画面側では垂直解像度の劣化がなく、 クロストークの妨害もない。よって、静画モードにおける画質と動画モードにお ける画質の差も少なく動き適応動作による画像の不自然さも改善される。
【0174】 (垂直高域成分のサブバンド伝送システム) レターボックス処理を行った信号をインターレースで伝送すると、垂直解像 度が不足する。例えば480[テレビ/本]の画像を5/6 倍に圧縮すると400 本の画像となる。ところが動画モードにおいて折り返しが生じないようにインタ ーレースで伝送するためには、400本の半分の200[テレビ/本]の伝送し かできない。これはフィールド内処理を行うからである。
【0175】 この実施例では、動画モードにおける垂直高域成分の伝送及び受信処理方法に 特徴を有し、送り側の順次走査信号が伝送途中で中間方式の信号の変換されても 、受信側では中間方式の信号をデコードすることにより送り側と同じ順次走査信 号を再現できるように改善したものである。この実施例では、エンコーダ側で動 画モードにおける順次走査信号を200[テレビ/本]で−3dBとなるフィルタ で低域と高域とに分割し、低域成分はセンター信号に多重して伝送し、高域成分 は上下マスク部でインターレース信号として伝送し、受信側ではセンター信号に 多重されている信号と上下マスク部に多重された高域成分とを送信側と同じ特性 の補間フィルタで補間するものである。
【0176】 図67は、この実施例におけるエンコーダ部を示し、特に動き適応センター信 号エンコーダと、VT 再生部5008の構成を詳しく示している。この図の各部 は、図61、図65に示したものと同じである。即ち、入力された順次走査信号 は、垂直方向圧縮部5005で垂直方向に圧縮されており、静画処理系と動画処 理系に導入される。
【0177】 静画処理系は、静画処理部55100としてまとめて示している。静画処理部 55100は、飛び越し走査信号を得て、これを混合部55040に入力してい る。動画処理系は、入力信号を垂直低域通過フィルタ55041と垂直高域通過 フィルタ55042に供給して、垂直低域通過フィルタ55041からは図62 で示した200[テレビ/本]以下の垂直低域成分を導出している。この垂直低 域通過フィルタ55041の出力は1/60遅延器55043で遅延され、垂直周期 でオンオフするスイッチ55045でライン間引きされ時間伸張部55046に 入力される。ここで水平方向の時間伸張が行われ、加算器55047に入力され る。加算器55047では、上下マスク部に多重すべきVT 信号が加算され、図 62(a)のスペクトルとなり混合部55040に入力される。混合部5504 0では、動き検出部5010からの動き検出信号に応じて動画に適した信号と静 画に適した信号との混合比を制御し、出力を正規化エンコーダ5011に入力し ている。
【0178】 上下マスク部Vh /VT エンコーダ5007から出力されたVT 信号(400 [テレビ/本])は、垂直補間回路55082に入力され、垂直補間され0〜2 00[テレビ/本]の成分にされる。垂直補間回路55082の出力は、反転器 55084とスイッチ55085から構成されたライン反転器に入力されて、2 00〜400[テレビ/本]の垂直高域信号に変換される。ライン反転器の出力 は、スイッチ55086によりライン毎に振り分けられる。奇数ラインは、時間 伸張部55087に入力され水平方向が2倍に時間伸張され、偶数ラインは、1/ 60遅延器55088により1/60秒遅延されたのち時間伸張部55089に入力さ れ水平方向が2倍に時間伸張される。時間伸張部55087と55089の出力 は、フィールド毎に切替わるスイッチ55090の一方と他方の入力端子に供給 される。これによりスイッチ55090の出力には飛び越し走査のVT 信号(2 00〜400[テレビ/本])が得られる。この信号は補償フィルタ55091 により、落ち込んでいる200[テレビ/本]/30Hzの成分が利得を上げられ て、図61で説明したように加算器55047に入力される。
【0179】 図68は、上記エンコーダからの信号を対応して処理するデコーダを示し、動 き適応センター信号デコーダ65012、上下マスク部Vh /VT デコーダ65 015を詳しく示している。
【0180】 動き適応センター信号デコーダ65012における構成は、図66で示したも のと同じであるが、静画処理系はまとめて1つのブロック65060で示してい る。動画処理系では、垂直低域成分に対して、減算器65049において、セン ター信号に多重されてきたVT 信号が上下マスク部に多重されてきたVT 信号に より一旦キャンセルされたのち垂直補間され、再度加算器65053において上 下マスク部に多重されてきたVT 信号を加算される。
【0181】 次に、上下マスク部Vh /VT デコーダ65015は、非線形変換部6501 3からの信号をまず並べ換え部65061において、並べ換える。これは、図6 3で説明した並べ換え部55069の並べ換えとまったく逆の処理を行うもので 、上下マスク部の各走査線にそれぞれ5本の走査線分の高域成分が多重されてい るのを元の配列(垂直方向)に並べ換えるものである。上下20本づつの走査線 に多重されている信号は、 20×5×2=200本/1/60秒 である。これにより200本の画像信号が生 成され、5倍時間伸張部65062に入力されて、水平方向に5倍に時間伸張さ れる。この伸張された信号は、倍速変換部65063に入力されて順次走査信号 に変換される。この時点では、200本/1/30秒の信号であるために、垂直補間 回路65064において400本/1/30秒の信号に変換される。次に、1/60遅延 器65065とスイッチ65066を用いて、2度振り走査が行われ、400本 /1/60秒の信号に変化される。スイッチ65066は、1/60秒毎に切替わり、そ のタイミングはタイミング発生器65070からのタイミング信号により制御さ れている。タイミング発生器65070は同期制御部7000からの垂直同期信 号を利用してタイミング信号を作成している。スイッチ65066の出力信号は 、図66でも示したように、センター信号の補償のために用いられる。またスイ ッチ65066の出力は、静画モードのときのみ通過する係数器65067に入 力され、係数器65067の出力は、垂直方向伸張部65016の走査線変換部 にて走査線数480本/1/60秒の信号に変換され、次に垂直シフト回路に入力さ れて400〜480[テレビ/本]の垂直周波数領域にシフトされる。
【0182】 上記したVT デコードの動作をさらに図69を参照して説明する。図69(a )は、上下マスク部に多重されているVh /VT 信号のイメージを示している。 このVh /VT 信号は、並び換え部65061において同図(b)に示すように 並べ換えられ、次に5倍に時間伸張されて、同図(c)に示すようにセンターパ ネルに対応した信号に変換される。次に、倍速変換により順次走査の(同図(d ))200本/1/30秒の信号となり、垂直補間により同図(e)に示すように4 00本/1/30秒の信号となる。次に、2度振り走査により同図(f)に示すよう に400本/30秒の信号となる。
【0183】 図68に戻って説明を続ける。
【0184】 一方センターパネルのセンター信号は、倍速変換部65041で倍速変換され 、静画処理部65060と動画処理部である1/60遅延器65048に入力される 。遅延器65048の出力信号は、減算器65049において、折り返し成分が 存在するVT 信号領域を一旦キャンセルされて、折り返し成分を除去した200 本/1/30秒の信号となり、垂直補間回路65052において400本/1/60秒の 信号となり、加算器65053に入力される。そしてこの加算器65053では 、垂直高域成分の再生が行われ混合部65047に入力される。
【0185】 図70(a)は、エンコーダ側の垂直低域通過フィルタ55041、垂直高域 通過フィルタ55042とデコーダ側の垂直補間回路65052、65064、 加算器65053の関係を取り出して示している。また同図(b)は各信号処理 過程での信号イメージを示している。
【0186】 入力した順次走査信号は、垂直低域通過フィルタ55041で帯域制限され、 インターレース変換されることによりサブサンプルされて伝送される。また垂直 高域通過フィルタ55042の出力もサブサンプルされて、上下マスク部に多重 されて伝送される。垂直補間回路65052、65064では、サブサンプルさ れている信号を補間により埋めて再度順次走査信号に再生し、低域成分と高域成 分とが加算器65053で加算される。上記飛び越し走査によるサブサンプルは 、同図(c)に示すように垂直方向を横軸にとると、 f(t) =(1/2)(1+cos2π(2fs)t) …(1) により変調をかけたことと等化である。 但しfs/2は400[テレビ/本]とす る。(1)式の信号をfsでサブサンプリングすると、 f(n) = Σ{(t-n(1/fS)) ・(1/2)(1+cos2π(2fs)t)} =(1/2){1+(-1) n} …(2) となる。またπだけずれた位置でオフセットサブサンプルすると f´(n)=(1/2){1-(-1)n} …(3) となる。従って、センターパネルでの伝送と上下マスク部での伝送を上記(2) 、(3)式でサンプリングして伝送すると受信側で得られる信号 y(n) は、 y(n) =[hl(n)*x(n)×(1/2){1+(-1)n}]*gl(n) +[hh(n)*x(n) ×(1/2){1-(-1)n}]*gh(n) …(4) 但しhl(n) 、hh(n) は垂直低域通過フィルタ55041、垂直高域通過フィルタ 55042のインパルス応答で、gl(n) 、gh(n) は垂直補間回路65052、6 5064のインパルス応答を示す。(4)式をZ変換すると Y(z)= (1/2)[Hl(z) X(z)+Hl(-z)X(-z)]Gl(z) +(1/2)[Hl(z)X(z)-Hh(-z)X(-z)]Gh(z) …(5) 但し、X(z)= Σx(n)Z n (n=0 〜∞) で、Σ(-1)nx(n)Z −n =Σx(n)(-Z)−n=X(-z) である。 ここで、Gl(z)=Hl(z)=H(z) Gh(z)=Hh(z)=H(-z) とすると、 Y(z)= (1/2)[H(z)X(z)+H(-z)X(-z)]H(z) +(1/2)[H(-z)X(z)-H(z)X(-z)]H(-z) =(H(z) 2+H(-z) 2)X(z) …(6)となる。
【0187】 従って、加算器65053から出力される信号y(n)が伝送側の原信号X (n) と 一致するためには、H(z)2+H(-z) 2 =1 …(7) でなければならない。H(z)2 は、 H(z)(fs/2) =240[テレビ/本]シフトしたものであるために、それぞれの フィルタ特性を、図71に示すように200[テレビ/本]付近で−3dB減衰さ せるように設定しなければならい。
【0188】 上記したようにこの実施例では、動画モードにおける垂直高域成分の伝送及び 受信処理方法に特徴を有し、送り側の順次走査信号が伝送途中で中間方式の信号 に変換されても、受信側では中間方式の信号をデコードすることにより送り側と 同じ順次走査信号を再現できるように改善したものである。エンコーダ側で動画 モードにおける順次走査信号を200[テレビ/本]で−3dBとなるフィルタで 低域と高域とに分割し、低域成分はセンター信号に多重して伝送し、高域成分は 上下マスク部でインターレース信号として伝送し、受信側ではセンター信号に多 重されている信号と上下マスク部に多重された高域成分とをそれぞれ送信側と同 じ特性の補間フィルタで補間するものである。
【0189】 (垂直低域成分に限定した動き検出システム) 上記したようにこのシステムのエンコーダ部及びデコーダ部では動き適応処 理により各部の信号を処理している。ここで、このシステムのデコーダでは、動 き検出用に用いる信号としては、垂直低域成分に限定している。これは高域から 低域にかけてすべての成分の動きを検出することは非常に困難であり誤り検出に より画質劣化を生じさせることと、伝送されてくる信号がインターレースである ためにインターレースによる折り返し成分により動きの誤検出が生じるからであ る。
【0190】 図72は、この実施例における中間方式デコーダを示し特に動き検出部650 14とこれに関連する部分を詳しく示している。図66、図68に共通する部分 は、同一符号を付している。動画モードにおける垂直低域成分は、減算器650 49において、センター信号に多重されてきたVT 信号が上下マスク部に多重さ れてきたVT 信号により一旦キャンセルされたのち垂直補間回路65052にて 垂直補間され、再度加算器65053において上下マスク部に多重されてきたV T 信号を加算される。垂直補間回路65052の出力は、動き検出部65014 の1/30遅延器65081と減算器65082に入力される。減算器65082は 、1/30遅延器65081の入力側と出力側の信号の差(フレーム間差)をとり、 その出力を絶対値回路(ABS)65083に供給する。絶対値回路65083 の出力は、非線形変換を行う非線形回路65084に入力され、非線形処理を受 けて最大値回路65086に直接入力されるとともに、1/60遅延器65085を 介して最大値回路65086に入力される。最大値回路65086の出力は、動 き検出信号として利用される。図では混合部65047に供給される例を示して いる。
【0191】 図73は、倍速変換部65041に入力される信号の3次元スペクトルを示し ている。動画の場合は、200[テレビ/本]以下の成分のみが時間方向に30 Hzまでの成分を有する。また静画の場合は時間方向には15Hz以下にすべてが制 限されている。
【0192】 動画の場合は、VT 信号(200[テレビ/本]以上の成分)が上下マスク部 に多重されている。従って上下マスク部Vh /VT デコーダ65015の出力信 号は、上述のVT 信号である。ここでVT 信号は、スイッチ65050で1ライ ンごとにオンオフされ、補償フィルタ65051を介して減算器65049に入 力される。従って、減算器65049の出力は、VT 信号がキャンセルされた信 号となる。よって、図73に示す動画モードのスペクトルでVT 信号が削除され た信号が垂直補間回路65052に入力されることになる。ここで、垂直補間回 路65052のフィルタ特性としてカットオフ特性をあらかじめ200[テレビ /本]に設定しておけば、出力は折り返し成分のないスペクトルとなる。
【0193】 よってこの成分を用いて、動き検出を行うことにより折り返し歪みの無い信号 を用いた動き検出が得られ、誤り検出がなくなる。
【0194】 (マスキング部多重伝送システム) レターボックス処理においては、通常は垂直方向の時間圧縮を行い、走査線 数を減少させて伝送するため、垂直高域成分の伝送が難しい。そこで上述したよ うに上下マスク部に垂直高域成分を多重して伝送している。
【0195】 一方、順次走査変換については、送信側でインターレースに変換し伝送するた めに受信側で完全な順次走査の画像を得ることができず画質劣化を伴う。そこで 、やはり上下マスク部に順次走査の補助信号を多重して伝送を行っている。
【0196】 しかし、上記2つの信号を上下マスク部に同時に多重することは、それぞれの 信号の性質が異なり、また上下マスク部の領域が狭いので十分な伝送量を確保で きない。
【0197】 そこでこの実施例では、動画モードの信号と静画モードの信号に着目し、40 0[テレビ/本]以上の垂直高域信号を垂直方向の圧縮により順次走査信号の補 助信号であるVT 信号と位相を合わせした後、動き適応処理を導入し、静画のと きは垂直高域信号を伝送して480本までの高解像度の画像再生に供し、動画の ときは順次走査のための補助信号であるVT 信号を伝送して画質劣化の順次の動 画像を生成するようにしている。
【0198】 図74は、垂直高域成分(Vh 信号)と、順次走査変換のために必要な補助信 号(Vt 信号)とを同時に上下マスク部に多重する上下マスク部Vh /VT エン コーダ5007の詳細を示している。この図は、図63に示した内容と同じであ る。垂直の高域成分であるVh 信号は、垂直方向の圧縮時に生成される400[ テレビ/本]〜480[テレビ/本]の信号である。VT 信号は、200〜40 0[テレビ/本]の帯域をもつ信号である。従って、VT 信号は400本の画像 であるがVh 信号は480本の画像である。VT 信号は、水平低域通過フィルタ 55053で、例えば0.8MHz に帯域制限される。さらに1/60遅延器5505 4と加算器55055、係数器55056で構成される帯域制限部により時間方 向の帯域制限を受ける。
【0199】 一方、Vh 信号は、水平帯域通過フィルタ55060により例えば0.8MHz に帯域制限される。さらに垂直シフト部55061により400〜480[テレ ビ/本]の垂直周波数領域から0〜80[テレビ/本]の領域にシフトされる。 この垂直シフト部55061の出力信号は、次の走査線変換部55062により 垂直方向に5/6 倍され、400本で構成される画像となる。次に、1/60遅延器6 6063、加算器55064、係数器55065で構成される帯域制限部により 時間方向へ帯域制限を受ける。
【0200】 ここで、係数器55056と55065の出力は、それぞれタイミング発生器 55071から出力されるタイミング信号によりサブサンプルされる。つまり、 1/60秒毎に開閉されるスイッチ55056A、55066により時間方向にサブ サンプルされる。さらにスイッチ55057、55067により垂直方向のサブ サンプルを受ける。ただしこの時の開閉は、順次走査の1走査周期期間となって いる。以上のサブサンプルでそれぞれの信号は200本/1/30秒の信号となって いる。これらの信号は、混合部55058に入力されて動き検出部5010から の動き検出信号に応じて混合、動画の場合はVT 信号を導出し、静画の場合はV h 信号を導出する。またスイッチ55057の出力信号は、出力端子55059 を介して次段のVT 再生部へ入力される。
【0201】 混合部55058の出力信号は、1/5 時間圧縮部55068に入力され時間圧 縮されるとともに、並べ変え部55069において上下マスク部へ多重できるよ うに時間移相を整合され、出力端子55070に出力される。圧縮された信号は 、水平周期が1/5 となるために、上下マスク部の20ラインに200本分の信号 を多重できる。
【0202】 図75は、以上のエンコード処理をイメージ的に示す説明図である。Vh 信号 は、同図(a)で示すように480本の走査線により構成された画像であるため に、5/6 倍に圧縮すると同図(b)に示すように400本で構成される画像とな る。一方VT 信号は、同図(c)に示すように400本で構成される画像である 。それぞれの信号はサブサンプルされた後、同図(d)の混合部55058内部 の係数器55101、55102と加算器55103で混合され、水平方向の圧 縮を行う1/5 圧縮部55068に入力される。これにより同図(e)に示すよう に1/5 の画像となる。この画像は、同図(f)に示すようにセンター信号の上下 マスク分に1水平走査期間に5ライン分づつ多重される。よって、上下マスク分 の20本づつで、20×5×2=200本分の多重信号を得ることができる。
【0203】 図76は、上記のように伝送されてきたVh /VT 信号をデコードする部分を 示している。このデコード部は、図68においても示している。上下マスク部の 信号は、並べ変え部65061においてエンコーダ側と全く逆の処理を行い、上 下マスク部に並んでいる5ライン分の信号を垂直方向に並べる。従って、上下2 0本づつの1走査期間に5ライン分多重されている信号は、 20×5×2=200本/1/30秒の信号となり、200本の画像を生成する。こ の信号は、5倍時間伸張部65062に入力され水平方向へ5倍に時間伸張され 、倍速変換部65056に入力され、順次走査に変換される。この時点では20 0本/1/30秒の信号であるから、垂直補間回路65064により400本/1/30 秒の信号に変換され、1/60遅延器65065とスイッチ65066に入力される 。スイッチ65066は、2度振り走査を行い直接信号と1/60遅延器65065 からの信号を選択導出し、400本/1/60秒の信号を得る。スイッチ65066 は、タイミング発生器65070からのタイミング信号により1/60秒毎に交互に 選択導出する。タイミング発生器65070からのタイミング信号は、同期制御 部7000からの垂直同期信号に基づいて発生されている。
【0204】 スイッチ65066からの出力信号は、係数器65067に入力されるととも に、図68で示した遅延器65054などに供給される。係数器65067は、 動き検出部65014からの動き検出信号により制御され、静画のときのみ出力 を得る。係数器65067の出力は図68に示す、垂直方向伸張部65016の 内部の走査線変換部(6/5 倍)65091に入力されて、480本/1/60秒の信 号に変換され、垂直シフト回路65092において400〜48[テレビ/本] の垂直周波数領域にシフトされ、低域側の信号と加算される。
【0205】 図77は、上記のデコーダにおける信号処理経過をイメージ的に示している。 図77(a)は、上下マスク部に多重されているVh /VT 信号のイメージを示 している。このVh /VT 信号は、並び換え部65061において同図(b)に 示すように並べ換えられ、次に5倍に時間伸張されて、同図(c)に示すように センターパネルに対応した信号に変換される。次に、倍速変換により順次走査の (同図(d))200本/1/30秒の信号となり、垂直補間により同図(e)に示 すように400本/1/30秒の信号となる。次に、2度振り走査により同図(f) に示すように400本/30秒の信号となる。
【0206】 上記したようにこの実施例においては、レターボックス処理により垂直方向に 圧縮して伸張する場合に必要で特に静画に重要である垂直高域信号(400〜4 80[テレビ/本])と、動画において必要な動き適応処理を行うことにより順 次走査変換のための補助信号(200[テレビ/本])を多重伝送することがで きる。これは、垂直高域信号VH とVT 信号とをサブサンプルにより位相合わせ し同様な形態とし、動き適応処理により、上下マスク部に多重することにより実 現している。このように性質の異なる信号を容量の少ない上下マスク部に多重で きるのは、同様な形態となるようにサブサンプルしていること、および動き適応 処理により混合しているからである。
【0207】 (ワイド画面EDTV/NTSC信号処理切換えシステム) 上記したシステムでは、通常は送信側で、アスペクト比16:9、525本 の順次走査信号を信号源として伝送することを前提としている。しかし現行の放 送設備との互換性を考慮すると、サイドパネル処理(ワイドデコーダ向けの処理 )が施されたアスペクト比4:3、525本/2:1の飛び越し走査信号を信号 源とする場合にも対処する必要がある。これは、送信側ではシリンドリカル・レ ンズ等光学系や垂直偏向部の調整で比較的容易に実現できる。ところがこの際、 垂直上下マスク部にはVh /VT 信号が多重されないために受信側でVh /VT 信号デコード処理等を行うと画像を正しく再生できない。
【0208】 そこでこの実施例では、Vh /VT 信号が多重されているか否かを判定して、 Vh /VT 信号が多重されている場合は上述した中間方式のレターボックス処理 を行い、多重されていない場合はレターボックス処理部をスルー状態にするもの である。
【0209】 図78はこの実施例を示すもので中間方式デコーダ内部のレターボックス処理 部65002を示し、特に表示切換え部65017の構成を詳しく示してる。レ ターボックス処理部65002の全体構成は図50において示した通りである。 表示切換え部65017には、垂直方向伸張部65016からのレターボックス デコード済み信号と、正規化デコーダ65011の入力側の信号(直接信号)と が供給される。直接信号は、遅延器65101を介して選択器65102の一方 に入力され、デコード済み信号は選択器65102の他方に入力される。選択器 65102の制御端子には同期制御部7000からVh /VT 信号の有無を示す 識別信号であるワイド/規格サイズ判定信号が供給されている。選択器6501 2は、Vh /VT 信号が多重されている場合はデコード済み信号を選択導出し、 多重されていない場合は直接信号を選択導出する。同期制御部7000は、標準 /非標準判定部7004と、標準ワイド判定部(標準ワイド判定部7005及び 非標準ワイド判定部7006)があるのでこの判定部の出力を利用することがで きる。4:3の信号が入力した場合は標準判定を示す識別信号となる。この種の 4:3の信号が入力した場合、同期制御部7000では、標準であってワイドの 規格、かつサイドパネル処理のみが施されたことを示す識別信号を得ることがで きる。この識別信号は、垂直ブランキング期間の特定のラインにデジタル信号と して多重されて伝送されている。
【0210】 上記のようにこの実施例においては、サイドパネル処理のみが施された信号が 、レターボックス処理を受けずにスルーで出力されることになる。しかしこの信 号は、もともとサイドパネル処理のみにより現行方式の受像機で正常な画面を得 られるように処理されているので、中間方式のサイドパネル方式エンコーダで処 理された分を補償して元に戻すように圧伸処理してやる必要がある。また順次走 査信号に変換してやる必要がある。
【0211】 そこでこの実施例では、表示切換え部65017を通過した信号に対して、N TSC順次走査変換処理を施して順次走査に変換し、かつ垂直方向の伸張(6/5 倍)は、液晶を用いたディスプレイにおけるドライブ周波数を可変することによ り可能としている。
【0212】 図79は上記したレターボックス処理部65002を含む中間方式デコーダ6 010を有した受像機のブロックを示している。中間方式デコーダ6010の出 力(輝度信号及び色信号)は、NTSC順次走査変換部65105に入力される 。NTSC順次走査変換部65105は、上記したレターボックス処理部をスル ーした信号が入力された場合に、NTSC順次走査変換を行い、その出力をディ スプレイ補正部6009に入力する。しかし、レターボックス処理が行われた信 号が入力した場合には、このNTSC順次走査変換部65105はスルーとなり 、中間方式デコーダ6010の出力が直接ディスプレイ補正部6009に入力さ れる。ディスプレイ補正部6009では、ドライブ周波数の制御により、時間圧 縮伸張を行って入力信号を表示することができる。従って、NTSC順次走査変 換部65105及びディスプレイ補正部6009にも識別信号が供給されている 。ディスプレイ補正部6009は、液晶によるディスプレイのドライブ回路を含 んでおり、表示位置制御、画像信号の時間圧伸処理、応答速度の制御等を行う回 路である。
【0213】 上記したようにこの実施例によると、Vh /VT 信号の有無に応じて上下マス ク部の処理を行うか否かを選択することができ、送信側の信号源に対応して画像 を正しく再生することができる。また現行の放送設備との互換性を保つこともで きる。さらにディスプレイ補正部を活用することにより、時間圧伸処理などのハ ードウエアの低減も可能である。
【0214】 (多重信号適応レベル変換システム) レターボックス処理において上下パネル部に付加信号を多重して伝送した場 合、現行受像機で映出すると上下マスク部が画面の上部と下部に黒いバンドとし て現れる。ところが、この上下マスク部には、センター部の信号と相関性の高い 高域成分が多重されているのであるから、動画の場合は、メイン画像とは別に動 き成分が若干影のように現れ動くことがある。この動きは視聴者にとって違和感 となる。そこで、このような不具合を改善するために付加信号のレベルを下げて 伝送すると、小振幅の高域成分がのきなみカットされたものとなる。本来上下マ スク部の付加信号は、高域成分を多重して伝送し解像度の劣化を補償するための ものであるのに、付加信号のレベルを下げると本来の目的を達成できない。また 、付加信号のレベルが低いことに関連して、受信側で付加信号を抽出した際に大 きく増幅すると、今度はノイズ成分までも増幅してしまい、S/Nが劣化し、全 体としての画質劣化につながる。
【0215】 そこでこの実施例では、上下マスク部に多重する付加信号の伝送及び再生方法 に特徴を持たせ、上下マスク部に現れる不可解な影を低減し、かつ付加信号の再 生が正確に得られるようにしている。
【0216】 図80はこの実施例における中間方式エンコーダのレターボックス処理部50 01(図49)の構成であり、特に正規化エンコーダ5011を詳しく示してい る。また図81は中間方式デコーダのレターボックス処理部65002(図50 )の構成であり、特に正規化デコーダ65011を詳しく示している。また、図 82はエンコーダにおける正規化特性、図83はデコーダにおける正規化特性を 示している。
【0217】 この実施例では、Vh /VT 信号とセンター信号の0.8MHz 以下の成分との 相関性に着目している。0.8MHz 以下の成分のレベルに応じてVh /VT 信号 のレベルを制御する適応処理を行うもので、0.8MHz 以下の成分のレベルが低 いときはVh /VT 信号のレベルをあまり下げず、逆に0.8MHz 以下の成分の レベルが高いときはVh /VT 信号のレベルを下げて伝送している。これは0. 8MHz 以下の成分のレベルが低いときは視覚上でディテールが目立つからであり 、逆に0.8MHz 以下の成分のレベルが高いときは復調後に誤差が生じても目に つきやすいからである。
【0218】 図82は、エンコーダ部におけるVh /VT 信号の正規化特性を示す。横軸は Vh /VT 信号の入力レベルを表し、縦軸は正規化したVh /VT 信号のレベル を表している。YL は0.8MHz 以下の成分を表している。OUT は係数を表す式 の一例である。ここでは、0.8MHz 以下の成分の前後3サンプルづつをとって きて合計7サンプルの累積加算した値を元に係数を算出している。YL のレベル が小さいと係数は“1”に近付き、YL のレベルが大きいと“0”に近付くよう に係数が変化する。
【0219】 図83はデコーダ部におけるVh /VT 信号の正規化特性を示す。エンコーダ 側とは逆の係数をかけることにより元のレベルのVh /VT 信号を得るように設 定されている。
【0220】 図80を参照して、正規化エンコーダ5011を説明する。動き適応センター 信号エンコーダ5006からのセンター信号の一部は、水平低域通過フィルタ5 5110に入力され0.8MHz 以下の成分が抽出され、絶対値回路55111に 入力されて絶対値信号に変換される。絶対値回路55111の出力は、加算器5 5112に入力され数サンプルづつの加算が行われ、この出力はオフセット生成 部55113に入力され、ここで係数を算出される。ここで、上下マスク部に多 重するVh /VT 信号はセンター部の400本の信号に対して上下40本しか使 用しないために、オフセット生成部55113で算出された係数は、時間整合回 路55114にて時間合わせされ上下マスク部と同一の信号フォーマットにされ て、除算器55116に入力されている。除算器55116には、上下マスク部 Vh /VT エンコーダ5007で動き適応処理されたVh /VT 信号が非線形変 換部5009を介して入力されている。これによりVh /VT 信号は、図82で 示した正規化特性に応じてデコードされ、合成部55115に入力され、センタ ー部の信号と合成されて出力される。これにより、0.8MHz 以下の成分のレベ ルが大きいときは上下マスク部に付加されるVh /VT 信号のレベルを下げるこ とができ視覚上の妨害をかなり低減することができる。
【0221】 図81は上記エンコーダに対応するデコーダを示している。サイドパネル処理 部からの輝度信号は、上下マスク部とセンター部とを分離する分離部65111 に入力され、上下マスク部の信号は乗算器65117に入力される。一方センタ ー部の信号は、動き適応センター信号デコーダ65012に入力される他、水平 低域通過フィルタ65112に入力される。この水平低域通過フィルタ6511 2で抽出された0.8MHz 以下の成分は、絶対値回路65113で絶対値信号に 変換され、加算器65114に入力される。加算器65114では、数サンプル づつの加算が行われ、その出力はオフセット生成部65115でエンコーダ部と は逆特性の係数を算出される。ここで算出された係数は、上下マスク部の時間に 対応したフォーマットにするために時間整合回路65116に入力され、この時 間整合された係数が乗算器65117に入力される。これにより乗算器6511 7からは元の振幅にVh /VT 信号が得られる。この信号は、非線形変換部65 013を介して上下マスク部Vh /VT デコーダ65015に入力される。
【0222】 上記のシステムを用いることにより、伝送途中ではVh /VT 信号のレベルを かなり小さくすることができ、現行方式の受像機で現われる上下マスク部で不要 な影等があらわれない。また暗い画像では、Vh /VT 信号のレベルをあまり制 限しないのでデコーダ部でS/Nが劣化することも無い。
【0223】 (多重信号の非線形レベル変換システム) 上記した中間方式のエンコード・デコードシステムで使用される信号フォー マットは、図86に示すように設定されている。これは図52に示したものと同 じである。上下マスク部にはVh /VT 信号による補強信号が多重され、またサ イドパネル部の水平周波数0.8MHz 以上の高域成分が多重されている。
【0224】 従って、これらの多重信号のレベルが高いと上下マスク部を現行方式の受像機 で映出した場合、妨害として目立つことになる。そこで多重信号レベルが高いと きは送信側でレベルを抑圧して伝送し、逆に受信側では伸張し、この妨害を軽減 することができる。
【0225】 ところが、従来の非線形処理では受信側の入力信号レベルの大きさに応じて乗 算係数を決定するので、伝送系でゲイン変化があったような場合は、送信受信側 の双方の合成特性がフラットにならず元の波形を再現することができないという 問題がある。
【0226】 そこでこの実施例では、伝送フォーマットの信号の空ラインに非線形処理のリ ファレンス信号を多重して伝送することにより、伝送系での信号のゲン変化の影 響を受けずに、受信側で正しい再生(送受双方の合成特性がフラットな)信号を 得られるようにしている。
【0227】 図84はこの実施例の構成を示す図であり、エンコーダ側の非線形変換部50 09を詳しく示しており、図85はデコーダ側の非線形変換部65013を詳し く示している。まずこのシステムの原理について説明する。
【0228】 図87は送受双方での非線形特性の一例を示したもので、同図(a1)は送信 側、同図(b1)は受信側の特性を表している。なおx軸は入力信号の振幅の大 きさ、y軸は出力信号の振幅の大きさを表している。送信側では、同図(a2) のテーブルに示されるように入力信号xの大きさに応じて −x1≦x≦x1,x1<x<x2、x≧x2、 −x2<x<−x1、x≦−x2の5つの区間を設定し、各区間内では入出力の 関係は線形を持つものとする。そして入力振幅の大きさの絶対値xが大きくなる につれ、その出力を1/2 、1/4 と抑制させるようにしている。このとき非線形特 性はx1,x2,y1,y2と乗算係数、1/2 、1/4 で決定される。
【0229】 受信側では逆に同図(b2)のテーブルに示す関係を満たせば送受双方で総合 的にフラットな特性を持たせることができる。但しこのとき、 x1´=y1、x2´=y2 を満足しなければならない。従って、従来の非線形処理では、同図(b2)のテ ーブルを前提として受信側で入力信号の振幅の大きさx´に応じて乗算係数を決 定している。そのため、伝送系で信号のゲインが変化すると、上記の式を満足し なくなり、送受双方の総合特性がフラットにならず元の波形を再現できない。
【0230】 そこで、同図(c1)に示すようなリファレンス信号を送信側で作成して特定 のライン(例えば262ライン、525ライン)に多重して伝送するようにして いる。即ち、受信側の入力信号振幅の大きさの判定に用いられるx1´、x2´ 、と絶対値y1´−2x´、絶対値y2´−4x´とを信号とともに伝送し、こ れを元に入力信号を判定すれば、判定の際には伝送系のゲイン変化の影響を無く すことができる。
【0231】 図84は、エンコーダ側の非線形変換部5009の具体的構成例である。Vh /VT 信号は、非線形テーブル55120に入力され、図87(a1)(a2) に示したように入力信号レベルに応じた変換処理が行われ、その出力は選択回路 55121に入力される。選択回路55121は制御回路55130からのタイ ミング信号により制御されており、上下マスク部に対応した期間でVh /VT 信 号を出力し、また特定のラインではリファレンス信号発生器55129からのリ ファレンス信号を選択導出する。リファレンス信号は、次のように作られている 。レベル発生器55122からは、x1´,x2´,y1´,y2´,50IR Eの各レベル信号が出力されており、x1´,x2´は遅延器55125、55 126に入力されるとともに切片発生器55123、55124に入力される。 切片発生器55123、55124には、y1´,y2´も入力されており、こ の切片発生器55123、55124はy1´−2x´、y2´−4x2´を作 成して、それぞれ遅延器55127、55128に入力している。遅延器551 25、55126、55127、55128の出力及び50IREは、リファレ ンス信号発生器55129に入力され、図87(c1)に示した形で出力される 。この場合50IREのレベルを基準レベルにしてオフセットされ、正負1/2 振 幅で振れるように出力される。なお、x1´、x2´、絶対値y1´−2x´、 y2´−4x2´の順は任意である。
【0232】 図88(a)は、上記リファレンス信号発生器55129の具体的構成例であ る。x1´,x2´,y1´,y2´の各レベル信号は、係数器55131、5 5132、55133、55134を介したのち、選択回路55139に入力さ れるとともに、反転器55135、55136、55137、55138を介し て選択回路55139に入力されている。選択回路55139は、図88に示す タイミングチャートに従って制御回路55130の制御デ−タで入力を選択する 。選択回路55139の出力と50IREとは加算器55140により加算され 出力される。3制御回路55130は同期制御部55049からのタイミング信 号に基づいて制御されている。リファレンス信号は、262ラインと525ライ ン目で選択導出され、Vh /VT 信号は、第32〜41ライン及び第295〜3 04ライン目で出力される。
【0233】 図85は上記の非線形変換部5009に対応したデコーダ側における非線形変 換部65013を示している。
【0234】 正規化デコーダ65011から出力されたVh /VT 信号は、係数決定回路6 5120、比較器65121、係数器65122、65123、選択回路651 27に入力される。係数決定回路65120では、第262、第525ライン目 に多重されているリファレンス信号を検出し、x1´、x2´、絶対値y1´− 2x´、y2´−4x2´の各レベル信号を検出し、そのうちx1´、x2´は 入力信号との大小比較を行う比較器65121に入力する。比較器65121の 出力は、選択回路65127の制御端子に供給され、選択制御信号として利用さ れる。選択回路65127には、5系統の信号が入力される。x´、x2´±( y1´−2x1´)、4x´±(y2´−4x2´)である。x2´±(y1´ −2x1´)は、係数器65122で2倍に振幅伸張された信号を加算器651 23及び減算器65124で、係数決定回路65120からのy1´−2x1´ を加減算して作成されている。4x´±(y2´−4x2´)についても、同様 に加算器65125、及び減算器65126により作成されている。選択回路6 5127では、比較器65121からの出力を元に入力信号x´のレベルの大き さに応じて入力信号のうち1つを選択導出する。
【0235】 図89は、係数決定回路65120の具体的構成例である。リファレンス信号 のタイミングが図88(b)のように伝送されるものとすると、入力端子に入力 した信号x´は、直接同期加算器65131に入力するとともに、遅延器651 30を介して同期加算器65132に入力する。遅延器65130は遅延時間τ を有する。同期加算器65131、65132では、それぞれnクロック分の加 算が行われ、減算器65133でそれらの差が取られる。この出力は、係数器6 5134で1/n倍されて、出力端子65138に出力されるとともに、遅延器 65135に入力される。遅延器65135、65136、65137は直列接 続され、各遅延器の出力は、出力端子65139、65140、65141に導 出されている。これにより各出力端子65138〜65141には、それぞれx 1´、x2´、y1´−2x1´、y2´−4x2´の各レベル信号を得ること ができる。
【0236】 上述した実施例によると、信号伝送フォーマットの空のラインに補強信号のレ ベル適性化用のリファレンス信号を多重して伝送することにより、伝送系でのゲ イン変化の影響を受けることなく、受信側で正しい補強信号を再生することがで き、送受双方で総合的にフラットな特性を実現できる。
【0237】 [サイドパネル処理] (S/N改善システム) 本システムのフォーマットでは、サイドパネル部の水平0.8[MHz]以 下の低域成分は水平オーバースキャン部に時間圧縮して伝送し、受信側で時間伸 長を行うことで再生を図っている。
【0238】 ところが、この時間圧伸処理により伝送ノイズが低域にシフトするためセンタ パネルに比べサイドパネルの視覚S/Nが劣化してしまう。その結果、センタ− とサイドパネル間のつなぎ目が目立ってしまう。
【0239】 この対策としては動き適応ノイズリデューサの適用が考えられる。しかし、動 き部分での画質劣化や低S/N信号には使えないなどの問題がある。また、黒レ ベル近傍の小振幅レベル信号も伝送ノイズにつぶれてしまう。
【0240】 そこでこの実施例では、サイドパネル部の信号を時間圧縮して伝送するに際し て、デコード時の視覚S/N劣化を防止するためにサイド信号に対して3次元エ ンファシス処理を施すようにしている。また、黒レベル付近の小振幅レベルの信 号に対してもエンファシス処理を施すことにより、伝送ノイズにつぶれず暗い画 像での精細感を保つことができる。
【0241】 図90、図91に、送信側及び受信側のエンファシス回路の構成例を示してい る。
【0242】 サイドパネル部の視覚S/N劣化に対しては、時間・垂直・水平の3方向にエ ンファアシス回路を施し改善を図る。
【0243】 図92はエンファアシス回路の基本構成を示している。
【0244】 同図(a)は送信側のプリエンファシス回路で巡回型の構成になっている。入 力端子55141に導入された信号は、減算器55142を介し係数器5514 3でk倍され遅延回路55144に入力される。遅延回路55144は、時間方 向の場合に1フレーム、垂直方向の場合に2ライン、水平方向の場合に2クロッ ク遅延して減算器55142に供給する。
【0245】 減算器55142は、入力信号と遅延信号との差分信号を得、この差分信号は 係数器55146で(1+k)倍されて出力される。
【0246】 その結果、送信側の伝達関数は、 He(z)=(Hk)/(Hkz-2) …(8)となる。ただしkはプリエンフ ァシス量を決定する係数である。
【0247】 図93(a)は、この周波数特性を表している。
【0248】 図92(b)は、受信側の非巡回型構成のディエンファシス回路を示している 。入力端子65151に導入された信号は加算器65154に入力されると共に 係数器65152に入力される。係数器65152でk倍された信号は、遅延回 路65153で上記プリエンファシス回路の遅延回路55144と同じ遅延量で 遅延され、加算器65154で先の入力信号と加算され係数器65155で1/ (1+k)倍され出力される。
【0249】 その結果、受信側の伝達関数は Hd(z)=(1+kz-2)/(1+k) …(9)となる。
【0250】 図93(b)はこの周波数特性を示している。
【0251】 尚、(8),(9)式より送受双方の総合特性では He(z)Hd(z)=1 となり、フラットとなる。
【0252】 図90は、図92(a)のプリエンファシス回路を適用した送信側のエンファ シス回路の構成例を示している。入力端子には、図49のセンタパネル処理部5 014からの輝度信号Y及び色信号C(I,Q)信号が入力される。
【0253】 先ず、輝度信号Yについて説明する。
【0254】 入力端子に入力された信号は、時間方向プリエンファシス回路55152、垂 直方向プリエンファシス回路55153、及び水平方向プリエンファシス回路5 5154を直列に介して、上記のような3次元プリエンファシス処理が行われる 。この出力は、直接減算器55156に入力されると共に、水平低域通過フィル タ(水平LPF)55155で帯域制限され減算器55156に入力される。減 算器55156は両信号の差分をとり、水平高域成分を加算器55160に入力 する。更に、水平LPF55155の出力信号xは減算器55157に入力され 、DC入力信号P(ペデスタルレベル)が減算され係数器55158に入力され る。
【0255】 係数器55158は、アップダウン(UP/DOWN)カウンタ55161を 用い、例えば図94(a)のように両サイドパネル部の時間圧縮期間の黒レベル 付近の信号をプリエンファシスするように、k=k(t)で制御された係数を掛 け加算器55159に出力する。加算器55159は、この信号と上記DC入力 信号Pとの加算信号を加算器55160に出力し、加算器55160は、この加 算信号に減算器55156からの水平低域信号を加算して合成部5016へ出力 する。
【0256】 その結果エンファシス出力yは、 y=k(t)(x−p)+p となる。
【0257】 入力端子55171に入力される色信号(I,Q)についても輝度信号Yと同 様のエンファシス処理が行われ出力される。即ち、色信号エンファシス部は、時 間方向プリエンファシス回路55172、垂直方向プリエンファシス回路551 73、水平方向プリエンファシス回路55174、水平LPF55175、減算 器55176、55177、係数器55178、加算器55179、55180 、UP/DOWNカウンタ55181により構成されている。
【0258】 図91は、受信側のディエンファシス回路を示している。
【0259】 入力端子65161に導入された輝度信号Yは、減算器65163に入力され ると共に水平方向LPF6512に入力され、水平低域が抽出され減算器651 63に入力される。減算器65163は、両信号の差分をとり加算器65167 に出力する。水平方向LPF65162の水平低域出力は、更に減算器6516 4に入力されDC入力信号P´(ペデスタルレベル)が減算され係数器6516 5に入力される。
【0260】 図95はDC入力信号P´発生回路を示している。
【0261】 このシステムであるエンコードフォーマットは、空領域となる第525ライン にペデスタル信号のみを付加して伝送する。
【0262】 受信側において、入力端子65201に導入された上記伝送信号は、アンド回 路65203の一方端に入力される。アンド回路65203の他方端にはゲート 発生回路65202からのゲートパルスが入力され、アンド回路65203は第 525ラインのペデスタル信号付加領域を選択する。アンド回路65203の出 力は、加算器65204を介し選択回路65205に入力される。選択回路65 205はカウンタ65207の値を用いて出力が制御され、入力がN回(この場 合N=256)になるまで1クロック遅延回路65206への出力を続ける。1 クロック遅延回路65206の出力は加算器65204に入力され、アンド回路 65203の出力と同期加算される。
【0263】 この動作が、N回繰り返されると選択回路65205の出力は係数器6520 8に入力され、1/K倍されDC入力信号P´が得られる。
【0264】 図91の係数器65165は、UP/DOWNカウンタ65168を用い、例 えば図94(b)のように両サイドパネル部の時間圧縮期間の黒レベル付近の信 号をディエンファシスするように、1/k=1/k(t)で制御された係数を掛 け加算器65166に出力する。加算器65166は、この入力信号と上記DC 入力信号P´との加算信号を加算器65167に出力し、加算器65167は、 この加算信号に減算器65163からの水平低域信号を加算して水平方向ディエ ンファシス回路65169に出力する。
【0265】 その結果エンファシス出力yは、 y=1/k(t)・(x−p´)+p´ となる。
【0266】 以下、水平方向ディエンファシス回路65169、垂直方向ディエンファシス 回路65170及び時間方向ディエンファシス回路65171は、図92(b) のディエンファシス回路を適用しており、この時間方向ディエンファシス651 71からの出力は図50で示したセンタ−パネル処理部65006に供給される 。
【0267】 入力端子65181に導入される色信号C(I,Q)についても同様のディエ ンファシス処理が行われ、図50のセンターパネル処理部65006に出力され る。色信号ディエンファシス系統は、水平LPF65182、減算器65183 、65184、係数器65185、加算器65186、65187、UP/DO WNカウンタ65188、水平方向ディエンファシス回路65189、垂直方向 ディエンファシス回路65190、時間方向ディエンファシス回路65191で 構成されている。
【0268】 以上説明したようにこの実施例においては、サイドパネル処理において、サイ ド信号の時間圧縮処理に伴うサイドパネル部の視覚S/N劣化に対しては、3次 元エンファシス処理を適用することにより改善を得ることができ、また黒レベル 付近の小振幅レベル信号に対してもエンファシス処理を行うことにより伝送ノイ ズにつぶされず暗い画像での精細感を保つことができる。
【0269】 (マスキング部色多重/分離システム) サイドパネル部の輝度信号Yと色信号Cとを同時に上下マスク部に多重して 伝送する場合、例えば時分割で多重を行うと、十分な伝送容量を確保できないた め、信号帯域を制限しなければならず、サイドパネル部のボケ感が大きくなる。 また、通常のNTSCと同様に周波数多重を行った場合は上下マスク部でクロス トークが発生すると並び換え等の処理によりクロストーク成分がサイドパネルで 伸長され目立ちやすくなり、著しく画質劣化を生じる。
【0270】 そこでこの実施例では、サイドパネル処理部においてサイド信号の高域成分を 伝送するに際してその帯域制限に工夫を凝らし、サイドパネル部を再生したとき の画質向上を図り、かつ、現行受像器で中間方式の信号を再生した場合に、サイ ドパネル部の信号が目立つのを押さえることができるシステムを実現するもので ある。
【0271】 図96にエンコーダ側の実施例を示し、図49に示す並べ換え部5017、上 下マスク部プリ処理部5018、合成部5016、NTSCエンコーダ5019 の構成を詳しく示している。
【0272】 入力端子5013a、5013bには、輝度信号及び色信号が入力される。
【0273】 各信号は、サイドパネルの高域と低域とを分割するサイドパネル高域低域分割 部5013に入力される。各信号の低域成分は更にセンタパネル処理回路501 4を介してエンファシス回路5015で処理され合成部5016を構成する選択 回路55191、55192の各一方端に入力される。
【0274】 各信号のサイドパネルの高域成分(Y、C)は、並べ換え部5017のフィー ルドメモリ55193、55194にそれぞれ入力される。フィールドメモリ5 5193,55194は、タイミング発生器55195からの制御信号を用いて 各信号を並び変えて出力する。フィールドメモリ55193の輝度信号出力は、 遮断周波数が3MHzに設定された低域通過フィルタ(LPF)55196と遅 延器55197に入力される。選択回路55198は、LPF55196の信号 と遅延器55197を介した信号とを選択して、合成部5016の選択回路55 191の他方端に供給する。
【0275】 フィールドメモリ55194の出力色信号は、遮断周波数が0.5MHzに設 定されたLPF55199に入力される。選択回路55200は、LPF551 99の信号と0レベル信号とを選択して、選択回路55192の他方端に入力す る。
【0276】 合成部5016を構成する選択回路5519,55192は、エンファシス回 路5015のセンタ部信号と選択回路55198,55200の上下パネル部の 信号とを切り替えて出力する。選択回路55192の出力色信号は、乗算器55 201で色搬送波であるfscで変調され加算器55202に入力される。加算 器55202は、変調された色信号と選択回路55191からの輝度信号とを周 波数多重し出力端子5020に複合映像信号として導出する。
【0277】 以上のエンコード処理を図98(a)と図99を参照してイメージ的に更に説 明する。
【0278】 輝度信号及び色信号のサイドパネルSPY1,SPC1をそれぞれ並び変え、 SPY2,SPC2に示す様に配列する。輝度信号のサイドパネルは、並び変え られた配列の輝度信号と同じ1ライン毎に、遮断周波数が3MHzに設定された LPFを用いて帯域が制限される。色信号のサイドパネルは、並び変えられた配 列の1ライン毎に、遮断周波数が0.5MHzに設定されたLPFを用いて帯域 が制限され、その他のラインは0にされる。帯域制限された色信号はfscで変 調された後、帯域制限された輝度信号と周波数多重される。つまり、SPYCに 示すように、1ライン毎に輝度信号のみのラインと輝度信号と色信号とが多重さ れたラインとが得られる。
【0279】 ここで、輝度信号だけのライン(20本のうち10本)は、帯域制限が行われ ないため、図99(b)に示す様に4.2MHzまで伝送され、一方、輝度信号 と色信号とが多重されたライン(残り10本)は、図99(a)に示すスペクト ルになる。
【0280】 従って、3MHz以下の輝度信号成分は、全ラインが伝送されるが、3MHz 以上の輝度信号成分は、半分のラインしか伝送されないため、図99(c)に示 す帯域となる。よって半分のラインでは斜め成分が欠如することになる。また、 色信号は、通常の半分のラインしか伝送しないため図99(d)に示す帯域とな る。
【0281】 図97はデコーダ側のサイドパネル処理部65001における実施例を示して いる。入力端子65008に導入された上下マスク部の信号は、選択回路652 11の一方端、LPF65212及び減算器65213に入力される。LPF6 5212は、輝度信号と色信号とが多重されたラインから輝度信号を抽出し、選 択回路65211の他方端と減算器65213に供給する。減算器65213は 、上下マスク部の信号から輝度信号を減じて色信号を得る。
【0282】 選択回路65211は、入力上下マスク部信号が輝度信号だけのラインの場合 は入力端子65008からの信号を選択し、輝度信号と色信号とが多重されたラ インの場合はLPF65212の出力を選択する。
【0283】 選択回路65211の輝度信号出力は、タイミング発生回路65216の制御 信号を用いてフィールドメモリ65215で並び換えられ、もとのサイド信号の 位置に配置される。
【0284】 フィールドメモリ65215の出力は、加算器65219に入力されると共に ラインメモリ(1H)65217,65218を直列に介して加算器65219 に入力される。
【0285】 加算器65219は、フィールドメモリ65215の出力と2H分の遅延信号 とを加算し係数器65220に供給する。係数器65220は、加算器6521 9の出力に1/2の係数を乗じてライン間の平均値を算出し、遮断周波数3MH zの高域通過フィルタ(HPF)65221に供給する。
【0286】 HPF65221は、3MHz以上の高域成分を抽出し、加算器65222に 供給する。加算器65222は、HPF65221からの高域成分とラインメモ リ65217からの1H遅延信号とを加算し選択回路65223の一方端に出力 する。選択回路65223の他方端にはラインメモリ65217の1H遅延信号 が入力される。選択回路65223は、輝度信号のみ多重された信号が入力され たときはラインメモリ65217の出力を選択し、輝度信号と色信号とが多重さ れた信号がLPF65212で帯域制限された信号が入力されたときは、高域成 分が加算された加算器6522の出力を選択する。
【0287】 一方、減算器65213の色信号出力は、乗算器65214で復調されフィー ルドメモリ65225で並び変えられた後、ラインメモリ65226,6522 7,加算器65228及び係数器65229を用いてライン間平均信号を得る。
【0288】 選択回路65230の一方端には係数器65229の出力が入力され、他方端 にはラインメモリ65226の出力が入力されている。色信号が伝送されている 時はラインメモリ65226の出力を選択し、伝送されていない時は係数器65 229の出力を選択する。
【0289】 輝度信号を得る選択回路65223,色信号を得る選択回路65230からの 輝度信号及び色信号出力は、それぞれ加算器65231,65232でサイドパ ネルの低域成分に加算されサイドパネルが再生される。
【0290】 以上のデコード処理を図98(b)を用いて更に説明する。
【0291】 輝度信号と色信号が多重されているラインは、遮断周波数3MHzのLPFを 用いて輝度信号と色信号とに分離される。分離された輝度信号SPY2´とSP C2´は、SPY1´とSPC1´で示すように並び変えられる。
【0292】 輝度信号においては、遮断周波数3MHzのLPFで帯域制限されたラインに 、帯域制限されないラインの高域成分を上下ラインから抽出して加算する。この 加算が加算器65222において行われている。
【0293】 色信号においては、もともと半分のラインしか伝送されていないので、上下ラ インから補間して再生する。直接信号が1Hラインメモリ65226から得られ 、補間信号が係数器65229から得られ、これらの信号は選択回路65230 により交互に選択導出される。これにより、ほとんど元の信号と変りのないサイ ドパネル信号が再生される。
【0294】 さらにまた特に、エンコード信号を上下マスク部に多重する場合、輝度信号と 色信号が多重されたラインを垂直の同期信号付近に時間調整して配置すれば、現 行受像機で見た場合、垂直オーバースキャン部に隠れるためより見えにくくする ことができ、クロストークが発生した場合など目立つことがない。
【0295】 上記したようにこの実施例では、輝度信号の斜め成分の一部を制限し、輝度信 号と色信号とを周波数多重し上下マスク部で伝送する。輝度信号と色信号は完全 に分離できるように予め帯域制限されているためクロストークは生じない。また 、輝度信号の斜め成分は視覚上寄与度が低いため解像度の劣化も生じない。
【0296】 (多重信号適応レベル変換システム) サイドパネル部の高域成分は、垂直の上下マスク部に多重されるため、振幅 レベルが大きいと妨害として目立ってしまう。
【0297】 これに対して、信号を一定値で割ることで全体の振幅レベルを抑制して伝送し 、受信側でその数を掛けて信号レベルを復元する方法が考えられる。 しかし、 この方法では、送信側の除数に比べ信号レベルが著しく小さいと伝送ノイズ等に より潰れてしまい、受信側で復元ができない。また、逆に信号レベルが著しく大 きいと、妨害がより目立ちその値の設定は困難である。
【0298】 そこでこの実施例では、上下マスク部に多重されるサイドパネルの高域成分を 正規化することにより、振幅レベルを制御し、妨害が目立つのを抑えるものであ る。また正規化にあたっては、センターパネル部の高域信号にオフセットをかけ た信号を用いることによりサイドパネル信号の微小信号成分のノイズがつぶれる のを防止している。このことを実現する手段として図49及び図50の合成部5 016及び65007に特徴を持たせている。
【0299】 図100及び図101はサイドパネル高域信号を正規化する回路の構成例を示 している。
【0300】 図100はエンコーダ側の合成部5061を示している。
【0301】 入力端子55211,55212には輝度信号センタパネル部及び輝度信号上 下マスク部の信号が入力される。センタパネル部の信号は、選択回路55222 の一方端に入力されると共にディエンファシス回路55213に入力される。デ ィエンファシス回路55213の特性は、図50のディエンファシス回路650 05と同じ特性を有し、図49のエンファシス回路5015による信号レベル変 化を元に戻すものである。
【0302】 ディエンファシス回路55213の出力は、HPF55214で水平周波数0 .8[MHz]以上に帯域制限され、5倍伸長回路55215で5倍に時間伸長 される。これは、図49のセンターパネル処理部5014における1/5時間圧 縮の逆操作である。
【0303】 5倍伸長回路55215の出力は、絶対値回路55216で絶対値化され、総 和回路55217でn個の信号値の総和が得られる。
【0304】 総和回路55217の出力は、オフセット回路55218でオフセット値Cy が掛けられ Σ|xi |+Cy (xi は信号レベル) となる。
【0305】 オフセット回路55218の出力は、並べ換え回路55219で図49の並べ 換え部5017と同様の動作が行われ、除算回路55221に入力される。
【0306】 上下マスク部の信号は、係数器55220でオフセット値Cy の係数が掛けら れ、除算回路55221で並べ換え回路55219の出力で除せられ正規化され た後、選択回路55222の他方端に入力される。選択回路55222は、制御 回路55223で制御され、第42〜241ライン及び第305〜504ライン が入力された時はセンタパネル部の信号(入力端55211からの信号)を選択 し、第22〜31ライン及び第515〜524ラインが入力された時は正規化さ れた上下パネル部の信号(除算回路55221からの信号)を選択する。選択回 路55222の出力は、図49のNTSCエンコーダ5019に入力される。
【0307】 入力端子55311,55312に導入された色信号センターパネル部及び色 信号上下マスク部信号は、輝度信号と同様の処理が施され、センターパネル部の 信号と正規化された上下マスク部の信号が選択回路55322から選択出力され る。従って、色信号処理系は、ディエンファシス回路55313、HPF553 14、5倍伸張回路55315、絶対値回路55316、総和回路55317、 オフセット回路55318、並べ換え回路55319、除算回路55321、係 数器55320、選択回路55322などで構成される。
【0308】 但し、HPF55314で、水平周波数0.1[MHz]以上に帯域制限され るものとする。
【0309】 図101は、図50に示すデコーダ側の合成部65007における正規化処理 回路を示している。
【0310】 入力端子65241,65242には輝度信号センターパネル部及び輝度信号 上下マスク部の信号が入力される。センターパネル部の信号は、加算器6524 9に入力されると共に水平HPF65243に入力される。
【0311】 センターパネル部の信号は、水平HPF65243で水平周波数0.8[MH z]以上に帯域制限され、絶対値回路65244で絶対値化され、総和回路65 245でn個の信号値の総和がとられる。
【0312】 総和回路65245の出力は、オフセット回路65246でオフセット値Cy が掛けられ Σ|xi |+Cy (xi は信号レベル) となる。
【0313】 オフセット回路65246の出力は、乗算回路65247で上下マスク部の信 号に乗ぜられ、係数器65248で1/Cy の係数が掛けられ加算器65249 に入力される。加算器65249は、係数器65248の出力と上記センターパ ネル部信号とを加算し、 ((Σ|xi |+Cy )/Cy )・YM (YM は輝度信号上下マスク部) を得、元の上下マスク部信号を再生することができる。
【0314】 入力端子65251,65252に導入された色信号センタパネル部信号及び 色信号上下マスク部信号についても同様の処理が施される。従って、色信号処理 系は、HPF65253、絶対値回路65254、総和回路65255、オフセ ット回路65256、乗算回路65257、係数器65258、加算器6525 9等により構成される。
【0315】 但し水平HPF65253では、水平周波数0.1[MHz]以上に帯域制限 されるものとする。
【0316】 上記した実施例によると、垂直の上下マスク部に多重伝送されるサイドパネル 部高域信号を正規化することで、振幅レベルを抑制し、妨害が目立たなくなる。
【0317】 正規化にあたっては、センタパネル部高域信号にオフセット値を掛けた信号を 用いることでサイドパネルの微小信号成分のノイズつぶれ等を防ぐことができる 。
【0318】 (多重信号差分処理システム) 上記したようにこのシステムでは、サイドパネル信号の高域成分は、上下マ スク部に多重して伝送する。この上下マスク部は、現行受像機で受信した場合に は画面上に現れる。そのため、上下マスク部に多重している信号のレベルが大き くなると、上下マスク部に多重した信号が目立ってしまい、現行ユーザーに非常 に邪魔になる。
【0319】 そこでこの実施例では、上下マスク部に多重する信号のレベルを極めて小さく することができ、現行の受像機で中間方式の信号を再生した場合に上下マスク部 の多重信号が目立つのを抑圧するようにしている。このためにこの実施例では、 図49及び図50に示すサイドパネル処理部における並べ換え部5017、65 010の処理方法及び構成にに特徴を有している。
【0320】 図102は並べ変え処理部5017(エンコーダ側)のブロック図を示してい る。
【0321】 入力端子55321に導入されたサイドパネル輝度信号の高域成分は、ライン メモリ55322で1ライン遅延され加減算処理器55323の一方端に入力さ れると共に加減算処理器55323の他方端に直接入力される。
【0322】 従って、加減算処理器55323には隣合った2ラインの信号が同時に入力さ れていることになる。加減算処理器55323については、後に詳述するが、2 ライン分の信号が同時に出力される。加減算処理器55323の一方の出力は選 択回路55325の一方端に直接入力され、他方の出力はラインメモリ5532 4で1ライン遅延され選択回路55325の他方端に入力される。
【0323】 選択回路55325は、両入力を1ライン毎に切り替えて出力する。従って、 加減算処理器55323から同時に出力される2ライン分の信号が1ラインづつ 交互に出力される。選択回路55325の出力は、フィールドメモリ55326 に入力される。
【0324】 フィールドメモリ55326は、サイドパネル輝度信号を上下マスク部に並べ 変えている。この動作は、アドレス制御回路55327を用いてフィールドメモ リ55326の読み出し書き込みアドレスを制御して行っている。
【0325】 フィールドメモリ55326の出力は、サイドパネル輝度信号が上下マスク部 に並べ変えられた信号で、出力端子に導出される。
【0326】 入力端子55328に導入されたサイドパネル色信号の高域成分は、遅延器5 5329を介してフィールドメモリ55330に入力される。遅延器55329 は、サイドパネル輝度信号の処理に必要な時間だけ遅延している。これはフィー ルドメモリ55326に入力されるサイドパネル輝度信号とフィールドメモリ5 5330に入力されるサイドパネル色信号とのタイミングを同じにするためであ る。このようにすると、フィールドメモリ55326のアドレス制御とフィール ドメモリ55330のアドレス制御とを全く同じにすることができるのでアドレ ス制御回路55327を共用することができる。
【0327】 フィールドメモリ55330は、サイドパネル色信号を上下マスク部に並び変 えて出力端子に導出する。
【0328】 図104(a)は、図102に示す加減算処理器55323を示している。入 力端子55331には、図102のラインメモリ55322の出力が入力され、 入力端子55332には入力端子55321に入力された信号が直接入力される 。以下、入力端子55331に入力される信号をa、入力端子55332に入力 される信号をbとし、添字lで示されるa1 ,b1 は信号a、bのうち3MHz 以下の成分を表し、添字hで示されるah ,bh は3MHz以上の成分を表す。 すなわち入力端子55331には信号(a1 +ah )が入力され、入力端子55 332には信号(b1 +bh )が入力される。
【0329】 信号(a1 +ah )は、LPF55333に入力され水平周波数を3MHz以 下に帯域制限される。LPF55333からの3MHz以下の信号a1 は、加算 器55334と減算器55340に入力される。
【0330】 信号(b1 +bh )は、LPF55336と減算器55337に入力される。 LPF55336は水平周波数を3MHz以下に帯域制限し、信号b1 を加算器 55339,55334と減算器55337に供給する。加算器55334は、 LPF55333の出力信号a1 とLPF55336の出力信号b1 とを加算し 、信号(a1 +bh )を係数器55335に供給する。係数器55335は、信 号(a1 +b1 )を1/2倍し出力端子55342に信号((a1 +b1 )/2 )(以下信号Aと記す)として導出する。
【0331】 減算器55337は、信号(b1 +bh )から信号b1 を減算し信号bh を係 数器55338に供給する。信号bh は、係数器55338で2倍され加算器5 5339で信号b1 と加算され信号(b1 +2bh )となる。信号(b1 +2b h )は、減算器55340で信号a1 から減算され、信号(a1 −b1 −2bh )となり、係数器55341で1/2倍され信号((a1 −b1 )/2−bh ) )(以下Bと記す)として出力端子55343に導出される。
【0332】 信号Bの帯域は4.2MHzまであるが、信号Aの帯域は3MHzまでしかな い。これは、上下マスク部に信号を多重する際に信号Aの3MHz以上の領域に 色信号を多重するためである。
【0333】 3MHz以下の成分についてみると、信号Aの場合は上下ライン間の和になっ ているが、信号Bの場合は上下ライン間の差になっている。上下ライン間の差を とることにより、垂直方向の高域成分となるため、信号のエネルギーは小さくな る。そのため、元の信号をそのまま上下マスク部に多重するよりも、現行受像機 で映出した場合は上下マスク部では見えにくくなる。
【0334】 信号Aは、図102に示す選択回路55325の一方端に入力され、信号Bは ラインメモリ55324を介して他方端に入力され、1ライン毎に交互にフィー ルドメモリ55326に入力され上下マスク部への並べ換えが行われる。
【0335】 図105は上下マスク部の信号の配置を示している。
【0336】 映像信号の上下両端部、すなわち同期信号に近い部分に信号Aを配置する。そ してその内側、すなわちセンタ信号に近い部分に信号Bを配置する。信号Aが配 置された上下マスク部の領域は、現行受像機で受信した場合、垂直オーバースキ ャン部となるため画面上には表われない。上下マスク部のうち画面上に表われる のは、信号Bが配置された部分のみとなり、信号Bはライン間差信号なのでエネ ルギーが小さく見えにくい。
【0337】 従って、上下マスク部に多重した信号を現行受像機で再生しても、ほとんど邪 魔にならない。
【0338】 図103は、図50に示すデコーダ側の並べ換え処理部65010を示してい る。入力端子65261には、上下マスク部に多重された輝度(Y)信号が導入 されフィールドメモリ65262に供給される。入力端子65272には上下マ スク部に多重された色信号が導入され、フィールドメモリ65273に供給され る。
【0339】 フィールドメモリ65262に供給された輝度信号は、もとのサイドパネル部 に並べ換えられる。この並べ換えはフィールドメモリ65262の書込みと読み 出しアドレスを制御するアドレス制御器65274により実現されている。フィ ールドメモリ65273でも同様な処理により並べ換えが行われる。これにより フィールドメモリ65262からはサイドパネル部に並べ換えられた輝度信号が 得られ、フィールドメモリ65273からはサイドパネル部に並べ換えられた色 信号が得られる。フィールドメモリ65262の出力は、ラインメモリ6526 3と加減算処理器65264に入力される。ラインメモリ65263では1ライ ン分の遅延が行われ、その出力は加減算処理器65264に入力される。加減算 処理器65264には、2ライン分の信号が同時に入力されることになる。つま り、エンコーダの加減算処理器55323から出力された信号A、Bが入力され ることになる。
【0340】 図104(b)は加減算処理器65264を具体的に示している。端子652 81から入力された信号Aと端子65282から入力された信号Bは、共に加算 器65283に入力される。従って、加算器65283からは A+B= (1/2)(a1 +b1 )+{(1/2)(a1 - b1 )-bh } =a1 −bh が出力される。加算器65283から出力されるa1 −bh は加算器65284 に入力される。一方、減算器65286では、信号Aから信号Bが引き算される 。よって A−B= (1/2)(a1 +b1 )-{(1/2)( a1 −b1 )-bh }=b1 +bh が得られる。減算 器65286の出力は、HPF65287に供給されるとともに端子65289 に導出される。端子65289は、加減算処理器65264の出力端子となって おり、b1 +bh を得ることができる。
【0341】 HPF65287では、3MHz 以上の帯域制限が行われるので、b1 +bh の 信号のうち3MHz 以上の成分bh が加算器65284に入力される。これにより 加算器65284では、bh がキャンセルされ、信号a1 のみが導出される。こ の信号a1 は加減算処理器65264の出力として出力端子65288に導出さ れる。
【0342】 よって加減算処理器65264の一方の端子65288からは、信号a1 (信 号aのうち3MHz 以下の成分)が出力され、他方の端子65289からは信号b 1 +bh (信号bの全帯域)が出力されることになる。
【0343】 図103に戻ると、信号al は、加算器65270に入力され、信号Bはライ ンメモリ65265と加算器65267に入力される。ラインメモリ65265 で1ライン分の遅延を受けた信号は、ラインメモリ65266とセレクタ652 71に入力される。ラインメモリ65266では、1ライン分の遅延が施され、 その出力は加算器65267に入力される。従って加算器65267では、2ラ イン分離れた信号Bの和が求められる。加算器65267の出力は、係数器65 268に入力され1/2 倍される。従って、係数器65268の出力は、2ライン 離れた信号Bの平均値となっている。係数器65268の出力は、HPF652 69に入力される。HPF65269では、3MHz 以上の信号のみが出力され、 その出力は加算器65270に入力される。従ってHPF65269から出力さ れた信号は、2ライン離れた信号Bの3MHz 以上の成分であるbh の平均値bh ´であり、これが加算器65270に入力され、加減算処理器65264から出 力される信号al と加算されることになる。加減算処理器65264からの信号 al HPF65269からの信号bh ´とは同時に出力されるが、信号al は信 号bh ´よりも1ライン前の信号である。従って、加算器65270では、3MH z 以下の帯域である信号al に対して、その上下ラインの信号bの3MHz 以上の 平均値である信号bh ´が加算されることになる。加算器65270の出力は、 4.2MHz までの帯域の成分を持つ信号aとして、これがセレクタ65271に 入力される。
【0344】 セレクタ65271には、この信号aとラインメモリ65265により1ライ ン遅延された信号Bが入力されている。これらが1ライン毎に交互に選択導出さ れ、ワイドパネルの輝度信号が得られる。セレクタ65271の出力は端子65 276に導出され、これが並べ換え処理部65010の出力となる。
【0345】 フィールドメモリ65273から出力されているサイドパネル部の色信号は、 遅延器65275により遅延され、サイドパネルの輝度信号のデコードに必要な 時間遅延され時間合わせが行われる。そして、並べ換え処理部65010の色信 号出力端子である65277に出力される。
【0346】 上述した実施例によれば、現行受像機において中間方式による信号を受信し映 出した場合に、顔面上に表れる上下マスク部に多重される信号のレベルを非常に 小さくすることができる。現行受像機の画面上でもめざわりが無く、他の信号に 妨害となることもない。
【0347】 (サイドパネル継ぎ目処理システム(継ぎ目の垂直相関性低減処理)) サイドパネル方式では、サイドパネル部とセンタパネル部とを別々に処理し て伝送し受信側で再合成する。このときサイドパネルとセンタパネルとは異なっ た処理が施されて伝送されるため繋ぎ目が目だってしまう。特に、センタパネル とサイドパネルとの分割点では、伝送系で生じるリンキングの影響及びそれぞれ のパネルの解像度の差があるため縦に筋状の歪みが生じ、繋ぎ目が目だってしま う。
【0348】 そこで、この実施例では、センターパネルとサイドパネルの繋ぎ目の位置を、 ライン毎にずらすことにより、繋ぎ目で生じる歪みの垂直相関性を低くし、繋ぎ 目を目立ちにくくするようにしたものである。
【0349】 図106は図49に示すエンコーダ側のサイドパネル処理部5002におけ るセンターパネル処理部5014の一実施例を示している。入力端子55351 に導入された輝度信号は、遅延回路55352、10/9倍伸張回路55353 及び1/5倍圧縮回路55354にれぞれ入力され、各出力は選択回路5535 5に入力される。
【0350】 入力端子55361に導入された色信号は、遅延回路55356、10/9倍 伸張回路55357及び1/5倍圧縮回路55358にそれぞれ入力され、各出 力は選択回路55359に入力される。
【0351】 選択回路55355,55359は、タイミング発生回路55360により制 御され、サイドパネル部では1/5倍圧縮回路55354,55358の出力を 選択し、センタパネル部では10/9倍伸張回路55353,55357の出力 を選択し、サイドパネルとセンタパネルの間の部分では遅延回路55352,5 5356の出力を選択して出力端子55362,55363に導出する。この場 合、タイミング発生回路55360の制御信号は1ライン毎に切り換えられてい る。
【0352】 図107は、図50に示すデコーダ側のサイドパネル処理部65001におけ るセンターパネル処理部65006の一実施例を示している。
【0353】 入力端子65291にはエンコードされた輝度信号が入力される。入力輝度信 号は、遅延回路65292、9/10倍圧縮回路65293及び5倍伸張回路6 5294にそれぞれ入力され、各出力は選択回路65295に入力される。
【0354】 入力端子65296にはエンコードされた色信号が入力される。入力色信号は 、遅延回路65297、9/10倍圧縮回路65298及び5倍伸張回路652 99にそれぞれ入力され、各出力は選択回路65300に入力される。
【0355】 選択回路65295,65300は、タイミング発生回路65301を用いて 制御され、サイドパネル部では5倍伸張回路65294,65299の出力を選 択し、センタパネル部では9/10倍圧縮回路656293,65298の出力 を選択し、サイドパネルとセンタパネルの間の部分では遅延回路65292,6 5297の出力を選択して出力端子65302,65303に導出する。この場 合、タイミング発生回路65301の制御信号は1ライン毎に切り換えられてい る。
【0356】 図108を参照して圧縮伸長フォーマットについて説明する。
【0357】 4fscでサンプリングした場合、1水平走査期間は910サンプルとなる。 このうち、水平同期期間を除く747サンプルを画像信号として取り扱う。
【0358】 例えば、左右41サンプルをサイドパネル部とし、その内側17サンプルづつ を圧縮処理を行わない部分とし、その内側631サンプルづつをセンタパネルと して伸長する部分とする。エンコード後は全体が753サンプルでサイドパネル 部左右9サンプルとなる。
【0359】 また、図109に示すように、左右42サンプルをサイドパネル部とし、その 内側16サンプルづつを圧縮処理を行わない部分とし、センタ部は図108と同 様とすると、全体は747サンプルとなり図108と同様となる。エンコード後 は全体が753サンプルでサイドパネル部左右10サンプルとなる。
【0360】 図108と図109のフォーマットは、サイドパネルのサンプル数が1サンプ ル異なるだけで全体のサンプル数及びセンタ位置は同じである。
【0361】 エンコーダ側のタイミング発生回路55360は、1ライン毎に図108に示 すフォーマットと図109に示すフォーマットとを切り替える。
【0362】 上記の様にライン毎にフォーマットを切換えることで、図110に示すように サイドパネルとセンタパネルの繋ぎ目の位置をライン毎にずらすことができる。 従って、つなぎめの歪みの垂直相関を低く押さえることができ目立たなくする ことができる。
【0363】 尚、この考案ではライン毎にフォーマット切換え行ったが、例えばフィールド 単位及びフレーム単位で切換えを行っても良い。
【0364】 上記したようにこの実施例では、ライン単位にサイドパネルとセンタパネルの 繋ぎ目の位置をずらすことにより、繋ぎ目で生じる歪みの垂直相関を低くしてよ り目立たなくすることができ、サイドパネルとセンタパネルを滑らかに合成する ことができる。
【0365】 (サイドパネル継ぎ目処理(解像度の滑らか処理))システム) サイドパネル部の信号は、低域成分は水平オーバースキャン部に多重して伝 送し、高域成分は上下マスク部に時分割多重して伝送する。しかし上下マスク部 で伝送できる信号量は決まっているため、サイドパネル部の高域成分全部を伝送 することはできない。そこで、サイドパネル部の信号は、視覚上目立たない斜め 高域成分が削除されて伝送される。このため、センターパネル部とサイドパネル 部とでは信号帯域に差があるため、デコーダでサイドパネル部を再生したときに 、帯域差によってセンターパネル部とサイドパネル部との繋ぎ目が目だってしま う。
【0366】 そこでこの実施例では、センターパネル部とサイドパネル部の繋ぎ目付近の信 号が極端に帯域差を持たず、滑らかな帯域差となるように、センターパネル部の 左右両端側の帯域を少し制限して伝送するようにしている。
【0367】 図111は、図49に示すサイドパネル高域低域分割部5013のブロック図 を示している。
【0368】 レターボックス処理側から入力端子55371に導入された輝度信号は、選択 回路55373の一方端に入力されると共にプリフィルタ55372で斜め成分 が削除されて選択回路55373の他方端に入力される。
【0369】 選択回路55373は、タイミング発生回路55390で制御され、センター パネル部のサイドパネル部に接した部分とサイドパネル部では、プリフィルタ5 5372の出力が選択され、センターパネル部のサイドパネル部に接した部分を 除いたセンターパネル部のほとんどの部分では入力端子55371からの入力輝 度信号が選択される。従って、選択回路55373の出力は、センターパネル部 とサイドパネル部との境界線よりも少し内側を境にして、その境よりも外側の部 分がプリフィルタ55372によって斜め高域成分が削除されたものとなってい る。
【0370】 選択回路55373の出力は、LPF55374と減算器55375に入力さ れる。LPF55374は、信号の低域成分のみを抽出し減算器55375に供 給する。
【0371】 減算器55375は、選択回路55373の出力からLPF55374の低域 成分出力を減算し、高域成分を分割回路55376に供給する。
【0372】 分割回路55376は、入力信号をセンターパネル部の信号とサイドパネル部 の信号とに分割し、センターパネル部の信号を加算器55377に供給し、サイ ドパネル部の信号を出力端子55379に出力する。加算器55377は、セン ターパネル部の高域信号とLPF55374からの低域成分とを加算し出力端子 55378に出力する。従って出力端子55378には、センターパネル信号の 全帯域信号とサイドパネル部の低域成分が導出される。出力端子55379には サイドパネル部の高域成分が導出される。
【0373】 出力端子55378の信号は、センターパネル処理部5014においてセンタ ーパネル部が10/9倍伸張され、サイドパネル部(低域成分)が1/5倍圧縮 されることになる。圧縮されたサイドパネル部は水平オーバースキャン部に対応 する。また出力端子55379のサイドパネル部の高域成分は、並べ換え処理を 施され上下マスク部に多重されることになる。
【0374】 入力端子55381に導入された色信号は、プリフィルタ55382,選択回 路55383,LPF55384,減算器55385,分割回路55386及び 加算器55387を用いて、上記輝度信号と同様の処理が施される。
【0375】 出力端子55388には、センターパネル部の信号の全帯域の色信号とサイド パネル部の低域成分の色信号が導出され、サイドパネル部の低域成分は時間圧縮 され水平オーバースキャン部に多重されて伝送される。出力端子55389には 、サイドパネル部の高域成分の色信号が出力され、上下マスク部に時分割多重さ れて伝送される。
【0376】 以上述べたように、サイドパネル高域低域分割部5013を構成すれば、受信 機側でサイドパネルをデコードし、元の16:9の画面とした時に、センターパ ネル部とサイドパネル部との帯域差を目立たなくすることができる。これは、セ ンターパネル部の信号の斜め高域成分をエンコーダで削除しているために、セン ターパネル部の中央部と左右両端部、センターパネル部の左右両端部とサイドパ ネル部は、帯域差があるがその帯域差は次第に変化してつながる形となり、急激 な変化がないからである。
【0377】 (多重信号のスクランブルシステム) サイドパネル部の高域成分は、上下マスク部に時分割多重して伝送する。
【0378】 例えば、サイドパネル部の一部分にのみ、高域成分が存在した場合、上下マス ク部の中でその部分を多重した場所にのみ高域信号がある様になる。また、サイ ドパネルの一部分のみが動いていたとすると、その信号を多重した上下マスク部 の一部分のみの信号が動くことになる。
【0379】 これらのような場合、上下マスク部の信号のみが動いていたりするため、上下 マスク部の中でその部分のみが非常に目障りになる。
【0380】 そこでこの実施例では、図49に示す並べ換え部5017の処理方法を工夫し 、サイドパネル部の高域成分を上下マスク部に多重する場合、上下マスク部への 高域信号の配置をランダムにすることにより、多重信号を均一化して、目立たな くするものである。
【0381】 図112は、図49に示すエンコーダ側の並べ換え部5017の構成例を示し ている。
【0382】 入力端子55401には上下マスク部に多重するサイドパネルの輝度信号の高 域成分が入力され、入力端子55405には上下マスク部に多重するサイドパネ ルの色信号の高域成分が入力される。
【0383】 入力端子55401に導入された輝度信号は、ライン間処理回路55402に 入力される。ライン間処理回路55402は、ライン間和信号とライン間差信号 とを作成し、フィールドメモリ55403に供給する。ライン間和信号とライン 間差信号は、図52に示すように上下マスク部に多重されて伝送される。
【0384】 入力端子55405に導入された色信号は、遅延回路55406に入力される 。遅延回路55406は、上記輝度信号がライン間処理回路55402で処理さ れている時間だけ色信号を遅延する。遅延回路55406の出力は、フィールド メモリ55407に入力される。
【0385】 フィールドメモリ55403,55407は、スクランブルアドレス制御回路 55409で制御され、輝度信号及び色信号をそれぞれ上下マスク部に並べ換え ている。この動作は、フィールドメモリ55403,55407の書込み及び読 出しアドレスを制御して、サイドパネル部の連続したラインの信号が並ばないよ うに、ランダムに配置している。
【0386】 フィールドメモリ55403は、上下マスク部に並べ換えられたサイドパネル の輝度信号(高域成分)を出力端子55404に導出し、フィールドメモリ55 407は、上下マスク部に並べ変えられたサイドパネルの色信号(高域成分)を 出力端子55408に導出する。
【0387】 図113は、50図に示すデコーダ側の並べ換え部65010のブロック図を 示している。
【0388】 入力端子65311には上下マスク部に多重された輝度信号(高域成分)が入 力され、入力端子65315には上下マスク部に多重された色信号(高域成分) が入力される。
【0389】 入力端子65311に導入された輝度信号はフィールドメモリ65312に入 力され、入力端子65315に導入された色信号はフィールドメモリ65316 に入力される。フィールドメモリ65312,65316は、スクランブルアド レス制御回路65319を用いてフィールドメモリ65312,65316の書 込み及び読出しアドレスを制御して、上下マスク部にランダムに配置されたサイ ドパネルの信号を元のサイドパネルの信号に並べ換えている。
【0390】 フィールドメモリ65312の出力は、ライン間処理回路65313に入力さ れる。
【0391】 サイドパネル部の輝度信号の高域成分は、エンコーダでライン間和信号とライ ン間差信号に処理され、上下マスク部に多重されている。従って、フィールドメ モリ65312から出力されるサイドパネル部に並べ換えられたサイドパネルの 輝度信号は、ライン間和信号とライン間差信号のままになっている。ライン間処 理回路65313は、ライン間和信号とライン間差信号から元の信号を得るため の処理を行い、サイドパネルの輝度信号の高域成分を出力端子65314に導出 している。
【0392】 フィールドメモリ65316は、サイドパネル部の色信号の高域成分を遅延回 路65317に出力する。遅延回路65317は、上記輝度信号がライン間処理 回路65313で処理されている時間だけ色信号を遅延し、出力端子65318 に導出している。
【0393】 なおスクランブルとディスクランブルの関係は、各種の方法があり、アドレス 制御回路55409と65319との同期関係を維持し、メモリ等を用いてデコ ーダとエンコーダのスクランブル情報とディスクランブル情報の共通化を図れば よい。
【0394】 上記した実施例によれば、サイドパネル部の高域信号を上下マスク部に多重す る場合、上下マスク部の高域信号をランダムに配置することにより、上下マスク 部に多重した信号を偏りなく均一化することができる。従って、上下マスク部に 多重した信号を目立たなくすることができる。
【0395】 なおスクランブルを解除するためのキー情報は、送信側から特定のラインに重 畳して伝送してもよく、あらかじめ取決められたタイミングからスクランブル解 除デ−タ(キー情報)が格納されたメモリを駆動するようにしてもよい。また、 メモリのキー情報を放送センター側から送られるキー情報で書き替え可能にすれ ば、有料放送を行う場合にも活用できる。
【0396】 (色信号多重伝送システム) 通常テレビジョン信号は、輝度信号に色信号が周波数多重された複合信号で あり、受像機で複合信号を輝度信号と色信号とに分離しなければならない。周波 数多重された色信号を抽出するためには、従来、帯域通過フィルタ(BPF)が 使われていたが水平解像度が劣化するためコムフィルタを用いて分離している。 しかし、これらの分離用フィルタで輝度信号と色信号とを分離すると完全な分離 ができないため、輝度信号が色信号へ漏れ込みクロスカラーが発生し、色信号が 輝度信号へ漏れ込みドット妨害となる。従って、特に輝度信号と色信号のクロス トークが発生しやすい斜め成分の多い領域で妨害が生じ、画質劣化が生じていた 。
【0397】 そこでこの実施例では、輝度信号と色信号との多重方法及び分離方法を工夫す ることにより、受信側ではマトリックス演算により、ほとんど完全なY/C分離 を可能し、クロストークよる画質劣化を生じることなく高精細な画像を得られる ようにしている。
【0398】 図114は輝度信号に色信号が多重された信号を示している。
【0399】 図において丸数字1,1,…は走査線を示し、Y1 ,Y2 ,…は輝度信号を示 し、C1 ,C2 ,…は色信号を示している。
【0400】 以下エンコードの原理動作を説明する。
【0401】 第1の走査線は、Y2 +C2 で多重され、色信号をライン2度振りし、第2の 走査線はY1 −C1 で多重する。以上の方法により第1フィールドでの多重を完 了する。
【0402】 第2フィールドにおいて、例えば第264番目の走査線は、第1フィールドか ら(Y1 +Y2 )/2で輝度信号を作り、−C2 信号と多重する。また、第26 5番目の走査線は、第1フィールドから(2/3)Y2 +(1/3)(Y3 +Y 4 )で輝度信号を作り、+C2 信号を多重する。第2フィールドにおいても色信 号はフィールド2度振りとなっている。
【0403】 以上の処理はエンコーダ側で行われ、色信号と多重される領域、つまり、輝度 信号の高域成分においてのみ行われる。従って、輝度信号の低域成分については 何等処理は行わない。
【0404】 以下、前述のようにエンコードされた信号を受信し、もとの輝度信号及び色信 号を得る手段を説明する。
【0405】 図114で第1フィールドの走査線をn1 ,n2 ,…とし第2フィールドの走 査線をm1 ,m2 ,…とする。これらの信号を受信し、元の輝度信号及び色信号 を次式により得る。 C2 =(Y1 +Y2 )/2−m1 =(n1 +n2 )/2−m1 =n1 /2+n2 /2−m1 …(10) Y2 =3/2(m2 −(n3 +n4 )/6 −(n1 +n2 )/2−m1 ) =−(3/4)n1 −(3/4)n2 −(1/4)n3 −(1/4)n4 + (3/2)m1 +(3/3)m2 …(11) C1 =Y2 −n2 =−(3/4)n1 −(7/4)n2 −(1/4)n3 −(1/4)n4 + (3/2)m1 +(3/2)m2 …(12) Y1 =n1 −C1 =(7/4)n1 +(7/4)n2 +(1/4)n3 +(1/4)n4 − (3/2)m1 −(3/2)m2 …(13) 従って、式(10)〜(13)をマトリックスで表すと、
【0406】
【数1】 となる。
【0407】 図115を用いて受信側の動作を説明する。入力端子65321に導入される 複合信号は、図114のような形式でY/C多重された信号である。この信号は 、1ライン遅延器(1H)65322〜65324、260ライン遅延器653 25及び1ライン遅延器65326を直列に介してマトリクス回路65327の 第1の入力端に入力されると共にマトリクス回路65327の第6の入力端に入 力される。また、各遅延器65322〜65325の出力は、マトリクス回路6 5327の第5〜第2の入力端にそれぞれ入力される。
【0408】 これによりマトリックス回路65327には、図114で示したn1 〜n4 、 m1 ,m2 が入力され、式(14)における係数を用いたマトリックス演算が可 能となり、信号Y1 ,Y2 ,C1 ,C2 を得ることができる。
【0409】 図116は上記マトリックス回路65327からの出力を処理して輝度信号と 色信号を作成する回路である。
【0410】 入力端子65331に導入された輝度信号Y2 はラインメモリ65333で1 H遅延され選択回路65334の一方端に入力され、入力端子65332に導入 された輝度信号Y1 は選択回路65334の他方端に入力される。
【0411】 選択回路65334は、ライン毎に切り替わり輝度信号Y1 とY2 とを交互に 出力する。選択回路65334の出力は、ラインメモリ65335で1H遅延さ れ加算器65336に入力され選択回路65334の出力と加算され係数器65 337に入力される。係数器65337で1/2倍して得られるライン間の平均 値は、フィールドメモリ65338で263H遅延され選択回路65339の一 方端に入力される。選択回路65339の他方端には選択回路65334の出力 が入力されており、この選択回路65334はフィールド毎に切り替えられる。 すなわち、第1フィールドでは選択回路65334の出力が選択され、第2フィ ールドではフィールドメモリ65338の出力が選択され出力端子65340に 導出される。
【0412】 入力端子65341に導入された色信号C1 は、ライン遅延器65343を介 して選択回路65344の一方に入力されるとともに選択回路65344の他方 に直接入力される。選択回路65344は、ライン毎に入力色信号と遅延色信号 とを交互に切り替えライン2度振りを行う。
【0413】 入力端子65342に導入された色信号C2 も同様にして、遅延器65345 を介して選択回路65346の一方に入力されるとともに、他方に直接入力され る。そして選択回路65346で2度振りが行われる。
【0414】 選択回路65344の出力は選択回路65348の一方端に入力され、選択回 路65346の出力はフィールド遅延器65347を介して選択回路65348 の他方端に入力されフィールド毎に切り替えられる。つまり、第1フィールドで は色信号C1 が出力され、第2フィールドでは色信号C2 が出力端子65349 に出力される。
【0415】 図117は、上記した出力端子65340と65349に得られる輝度信号Y と色信号Cとを示している。第1のフィールドでは、Y1 ,Y2 信号が順次得ら れ、マトリックスの次の出力であるY1 ´,Y2 ´が次に得られる。第2フィー ルドでは、第1のフィールドにおける上下のラインの平均値が得られる。色信号 についてはライン2度振りとなり、C1,C1と出力されたのちマトリックスの 次の出力C1´,C1´が出力される。
【0416】 図118は、上記のようにマトリックス処理と、分離処理を行えるように図1 14に示した多重信号を作成するエンコーダ側の回路である。入力端子6535 1に供給された輝度信号Yは、高域通過フィルタ(HPF)65352に入力さ れるとともに減算器65353に入力される。減算器65353では、入力輝度 信号YからHPF65352の出力を引き算する処理が行われ、低域成分が導出 される。この低域成分は、3ライン分の遅延量を有する3ライン遅延器6535 4を介して加算器65369に入力される。
【0417】 HPF65352の出力は、直列接続された1ライン遅延器65355、65 356、65357を介して加算器65360に入力される。1ライン遅延器6 5360の入力と出力とは、加算器65357で加算され、加算出力は係数器6 5358で1/2倍されるので平均化される((Y1 +Y2 )/2))。また、 1ライン遅延器65356の出力は、係数器65361で2/3倍され加算器6 5365に入力される。加算器65362では、1ライン遅延器65355の入 力と出力が加算され、その加算出力は係数器65363で1/2倍され平均化さ れる((Y3 +Y4 )/2))。この信号は、係数器65364で1/3倍され 加算器65365に入力される。従って、加算器65365からは、 (2/3)Y2+(1/3)((Y3 +Y4 )/2))が得られる。この信号は 、1ライン遅延器65366で遅延されて選択回路65359の一方に供給され る。選択回路65359の他方には前記係数器65358の出力が供給されてお り、選択回路65359はライン周期で交互に一方と他方の入力信号を選択導出 する。従って、ここでは図114に示した第2フィールドのm1 、m2 、m1 ´ 、m2 ´に対応する輝度信号が導出されることになる。この選択回路65359 の出力は、フィールド遅延器65367を介して選択回路65368の一方に入 力される。この選択回路65368の他方には1ライン遅延器65357の出力 が供給されている。選択回路65368はフィールド毎に交互に一方と他方の入 力を選択導出する。従って、ここでは、図114に示した第1フィールドの出力 と第2フィールドの輝度信号に対応する信号を得ることになる。選択回路653 68の出力は、加算器65369に入力され、輝度信号の低域成分と加算され出 力端子65370に出力される。
【0418】 上記のように得られた輝度信号に対して多重される色信号は、入力端子653 71に導入され、3ライン遅延器65372を介した後、1ライン遅延器653 73及び選択回路65374の一方の入力端子に供給される。選択回路6537 4の他方の入力端子には、1ライン遅延器65373の出力が供給されており、 この選択回路65374は、ライン毎に一方と他方の入力端子の信号を交互に選 択して導出する。つまり、色信号は、輝度信号との位相合わせのための時間調整 と、2度振り操作を受けて出力端子65375に導出されている。
【0419】 これにより出力端子65370の輝度信号と出力端子65375の色信号を合 成すれば、輝度信号の高域成分(HPF65352に設定されたカットオフ周波 数特性による)については、図114で示したようなフォーマットの信号となり 、マトリックス演算による単純な分離が可能となる。HPF65352は、例え ば1.5MHz 以上の成分を通過するように設定されている。これにより、輝度信 号の高域成分だけがフィールドで2度振りされ現行の受像機で動画の動きの不自 然が生じることはない。また色信号の垂直解像度は、視覚特性上ではあまり感度 が高くないので、ライン2度振りを行っても垂直解像度低下による画質への影響 は少ない。
【0420】 上記したようにこの実施例では、輝度信号と色信号との多重方法及び分離方法 を工夫することにより、受信側ではマトリックス演算により、ほとんど完全なY /C分離を可能し、クロストークよる画質劣化を生じることなく高精細な画像を 得られるようにしている。
【図1】この考案の一実施例におけるデコーダの構成を
示す図。
示す図。
【図2】図1の高周波入力処理部を示す図。
【図3】図1の同期制御部の構成例を示す図。
【図4】図3の非標準ワイド判定部の構成例を示す図。
【図5】中間方式映像信号を記録再生する磁気記録再生
装置を示す図。
装置を示す図。
【図6】アスペクト比の説明図。
【図7】図1のインジケータの例を示す図。
【図8】図2のデジタルデコーダの構成例を示す図。
【図9】音声デジタルデ−タのフォーマットの例を示す
図。
図。
【図10】図1のインジケータの他の例を示す図。
【図11】図2の同相/直交検波部の構成例を示す図。
【図12】図2の受信信号補正部の構成例を示す図。
【図13】同相直交変調部の例を示す図。
【図14】直交変調された音声デ−タのスペクトラムを
示す説明図。
示す説明図。
【図15】図2の受信信号補正部の他の例を示す図。
【図16】ワイド画面と標準画面の説明図。
【図17】図1の映像デコーダの内部の例を示す図。
【図18】図17の水平圧縮部の例を示す図。
【図19】図18の回路の動作を説明するために示した
説明図。
説明図。
【図20】図17の走査線変換部の構成例を示す図。
【図21】走査線変換処理を説明するために示した説明
図。
図。
【図22】同じく走査線変換処理を説明するために示し
た説明図。
た説明図。
【図23】動き検出部の構成例を示す図。
【図24】図23の動き検出部の動作を説明するために
示した図。
示した図。
【図25】図20の倍速変換部の構成例を示す図。
【図26】映像デコーダの動作説明のために示した画面
の説明図。
の説明図。
【図27】図1の映像デコーダの他の例を示す図。
【図28】映像デコーダの動作説明のために示した走査
線の説明図。
線の説明図。
【図29】図26の垂直伸張部の構成例を示す図。
【図30】図29の回路の動作を説明するために示した
図。
図。
【図31】映像デコーダのさらに他の実施例を示す図。
【図32】図31のデコーダを説明するために示した画
面の説明図。
面の説明図。
【図33】水平垂直圧縮部の構成例を示す図。
【図34】図33の垂直圧縮回路の構成例を示す図。
【図35】図34の回路の垂直圧縮動作を説明するため
に示した図。
に示した図。
【図36】図33の回路の動作を説明するために示した
タイミング図。
タイミング図。
【図37】水平垂直圧縮部の他の例を示す図。
【図38】映像デコーダのさらに他の実施例を示す図。
【図39】映像デコーダのまた他の実施例を示す図。
【図40】音量表示発生部を有したデコーダの構成例を
示す図。
示す図。
【図41】映像デコーダの音量表示発生部の構成例を示
す図。
す図。
【図42】映像デコーダの画面の表示例を示す図。
【図43】映像デコーダのさらにまた他の実施例を示す
図。
図。
【図44】図43のデコーダの信号検出部の構成例を示
す図。
す図。
【図45】図44のテロップ検出部の構成例を示す図。
【図46】図45の回路の動作を説明するために示した
説明図。
説明図。
【図47】図43の映像デコーダの動作を説明するため
に示したタイミング図。
に示したタイミング図。
【図48】図43の映像デコーダによる表示例を示す説
明図。
明図。
【図49】この考案に関わるエンコーダの中間方式エン
コーダの構成例を示す図。
コーダの構成例を示す図。
【図50】この考案に関わるデコーダの中間方式デコー
ダの構成例を示す図。
ダの構成例を示す図。
【図51】中間方式映像信号の処理経過を示す説明図。
【図52】中間方式映像信号のフォーマットを示す説明
図。
図。
【図53】中間方式映像信号の処理方法の例を説明する
ために示した図。
ために示した図。
【図54】中間方式エンコーダの垂直圧縮部の構成例を
示す図。
示す図。
【図55】中間方式デコーダの垂直伸張部の構成例を示
す図。
す図。
【図56】垂直成分伝送上の折り返し成分とそのキャン
セル成分の説明図。
セル成分の説明図。
【図57】走査線変換例を説明するために示した図。
【図58】縮処理を受ける過程での周波数特性を示す
図。
図。
【図59】水平圧縮処理におけるインパルス応答の説明
図。
図。
【図60】走査線変換部の構成例とその動作説明のため
の図。
の図。
【図61】センター信号のエンコーダを示す図。
【図62】中間方式映像信号のスペクトラム説明図。
【図63】中間方式エンコーダにおけるVh /VT エン
コーダの構成例を示す図。
コーダの構成例を示す図。
【図64】中間方式映像信号の動画モードにおける信号
のスペクトラムを示す図。
のスペクトラムを示す図。
【図65】中間方式エンコーダにおけるVT 再生部の構
成例を示す図。
成例を示す図。
【図66】中間方式デコーダにおける動き適応センター
信号デコーダの構成例を示す図。
信号デコーダの構成例を示す図。
【図67】中間方式エンコーダにおけるVT 再生部の具
体的配置例を示す図。
体的配置例を示す図。
【図68】中間方式デコーダにおけるVh /VT デコー
ダの具体的配置例を示す図。
ダの具体的配置例を示す図。
【図69】図68の回路の動作を説明するために示した
動作説明図。
動作説明図。
【図70】図67と図68の回路の関連とその動作を説
明するために示した図。
明するために示した図。
【図71】図67と図68の回路の関連とその動作を説
明するために示した図。
明するために示した図。
【図72】中間方式デコーダにおける動き検出部の具体
的配置を示す図。
的配置を示す図。
【図73】中間方式映像信号のスペクトラムを示す説明
図。
図。
【図74】中間方式エンコーダのVh /VT エンコーダ
の構成例を示す図。
の構成例を示す図。
【図75】上下マスク部で伝送される信号の伝送処理経
過を示す説明図。
過を示す説明図。
【図76】中間方式デコーダにおけるVh /VT デコー
ダの構成例を示す図。
ダの構成例を示す図。
【図77】上下マスク部で伝送されてきた信号の再生処
理経過を示す説明図。
理経過を示す説明図。
【図78】デコーダにおける表示切換え部の具体的配置
例を示す図。
例を示す図。
【図79】映像デコーダのさらに他の実施例を示す図。
【図80】正規化エンコーダの具体的配置例を示す図。
【図81】正規化デコーダの具体的配置例を示す図。
【図82】エンコーダ側における正規化特性を示す図。
【図83】デコーダ側における正規化特性を示す図。
【図84】中間方式エンコーダにおける非線形変換部の
具体例を示す図。
具体例を示す図。
【図85】中間方式デコーダにおける非線形変換部の具
体例を示す図。
体例を示す図。
【図86】中間方式映像信号のフォーマツトの他の例を
示す図。
示す図。
【図87】非線形変換部の動作原理を説明するために示
した説明図。
した説明図。
【図88】図84のリファレンス信号発生器の具体例を
示す図。
示す図。
【図89】図85の係数決定回路の具体例を示す図。
【図90】エンコーダにおけるエンファシス回路の具体
例を示す図。
例を示す図。
【図91】デコーダにおけるディエンファシス回路の具
体例を示す図。
体例を示す図。
【図92】プリ及びディエンファシス回路の特性を説明
するために示した説明図。
するために示した説明図。
【図93】プリ及びディエンファシス回路の特性を説明
するために示した説明図。
するために示した説明図。
【図94】エンファシス回路により処理された信号の例
を示す説明図。
を示す説明図。
【図95】エンファシス回路の直流発生回路の例を示す
図。
図。
【図96】エンコーダ側のサイドパネル処理部を具体的
に示す図。
に示す図。
【図97】デコーダ側のサイドパネル処理部を具体的に
示す図。
示す図。
【図98】サイドパネル処理経過を示す説明図。
【図99】サイドパネル成分の周波数特性説明図。
【図100】中間方式エンコーダにおける合成部の構成
例を示す図。
例を示す図。
【図101】中間方式デコーダにおける合成部の構成例
を示す図。
を示す図。
【図102】中間方式エンコーダにおける並べ換え処理
部の構成例を示す図。
部の構成例を示す図。
【図103】中間方式デコーダにおける並べ換え処理部
の構成例を示す図。
の構成例を示す図。
【図104】図102と図103の各加減算処理部を示
す回路図。
す回路図。
【図105】上下マスク部の多重信号のフォーマットを
示す説明図。
示す説明図。
【図106】中間方式エンコーダにおけるサイドパネル
処理部の例を示す図。
処理部の例を示す図。
【図107】中間方式デコーダにおけるサイドパネル処
理部の例を示す図。
理部の例を示す図。
【図108】センターパネル処理部の動作説明のために
示した図。
示した図。
【図109】同じくセンターパネル処理部の動作説明の
ために示した図。
ために示した図。
【図110】同じくセンターパネル処理部の動作説明の
ために示した図。
ために示した図。
【図111】中間方式エンコーダにおけるサイドパネル
高域低域分割部の具体的構成例を示す図。
高域低域分割部の具体的構成例を示す図。
【図112】中間方式エンコーダにおける並べ換え部を
示す図。
示す図。
【図113】中間方式デコーダにおける並べ換え部を示
す図。
す図。
【図114】映像信号の伝送形態の原理を示す説明図。
【図115】図114の形態で伝送された映像信号から
輝度信号と色信号を分離するための回路例を示す図。
輝度信号と色信号を分離するための回路例を示す図。
【図116】図115の回路で分離された輝度信号と色
信号を処理する回路例を示す図。
信号を処理する回路例を示す図。
【図117】図116の回路の動作を説明するために示
した説明図。
した説明図。
【図118】伝送側で輝度信号と色信号を多重する回路
を示す図。
を示す図。
1000…高周波入力処理部、2000…セレクタ、3
000…音声増幅器、4000…スピーカ、5000…
セレクタ、6000…映像デコーダ、7000…同期制
御部、8000…ディスプレイ、9000…ユーザ制御
部、200…インジケータ。
000…音声増幅器、4000…スピーカ、5000…
セレクタ、6000…映像デコーダ、7000…同期制
御部、8000…ディスプレイ、9000…ユーザ制御
部、200…インジケータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 石井 聡之 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)考案者 安木 成次郎 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)考案者 坂本 典哉 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)考案者 小川 佳彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)考案者 廣田 敦志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)考案者 野口 幸一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所家電技術研究所内 (72)考案者 佐藤 耕一 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】放送信号を受信して検波した現行方式と両
立性をもったワイド画面用の映像信号と、外部機器より
出力された映像信号とを選択的に導入する選択手段と、 この選択手段からの映像信号が供給され、この映像信号
をデコードして表示用の信号に変換する映像デコード手
段と、 前記選択手段からの前記映像信号が供給され、この映像
信号が放送用の標準の映像信号であるのか非標準の映像
信号であるのかを映像信号の特定期間の情報を用いて判
定し、前記映像デコード手段にその識別信号を与え、前
記映像デコード手段内部における画像圧伸処理モードを
制御する判定手段とを具備したことを特徴とするテレビ
ジョン信号処理装置。 - 【請求項2】前記ワイド画面用の映像信号は、現行方式
受像機で再生した場合、主画面の上下にマスク部を有し
た画面を形成する信号であることを特徴とする請求項1
記載のテレビジョン信号処理装置。 - 【請求項3】前記映像デコーダは、主画面の上下にマス
ク部を有する画面を形成する信号が入力した場合、前記
主画面の信号を垂直方向へ伸張し、前記マスク部から再
生した垂直高域成分の信号を、前記伸張した信号に補強
信号として加算する手段を有したこと特徴とする請求項
1記載のテレビジョン信号処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995001339U JP3017240U (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | テレビジョン信号処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995001339U JP3017240U (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | テレビジョン信号処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3017240U true JP3017240U (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=43152730
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1995001339U Expired - Lifetime JP3017240U (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | テレビジョン信号処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3017240U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9113192B2 (en) | 2010-04-19 | 2015-08-18 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Video processor |
-
1995
- 1995-02-09 JP JP1995001339U patent/JP3017240U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9113192B2 (en) | 2010-04-19 | 2015-08-18 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Video processor |
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