JPH07254456A - 電子装置用ケーブルコネクタ - Google Patents

電子装置用ケーブルコネクタ

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JPH07254456A
JPH07254456A JP6072738A JP7273894A JPH07254456A JP H07254456 A JPH07254456 A JP H07254456A JP 6072738 A JP6072738 A JP 6072738A JP 7273894 A JP7273894 A JP 7273894A JP H07254456 A JPH07254456 A JP H07254456A
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magnetic
cable
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cable connector
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Toshinori Mori
敏則 森
Masakatsu Senda
正勝 千田
Osamu Ishii
修 石井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノイズフィルタ機能を有する小型のケーブル
コネクタを提供すること。 【構成】 ケーブルコネクタ2において、ケーブル1の
導線を取り囲むように磁性層と非磁性絶縁層とを交互に
積層した磁性多層膜5を巻きつけた構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射妨害波の発生を抑
制する電子装置用ケーブルコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子計算機,通信装置等がデジタ
ル化,高速化され、これらが広範囲に普及することに伴
い、装置から周囲空間に放射される電磁妨害波が問題と
なっている。これと同時に、論理素子の動作電圧の低電
圧化が進み、外来電磁波により誤動作し易くなってい
る。このような電磁妨害波の放射源および外来電磁波に
対する誘導経路として最も影響が大きいのは装置相互間
や装置内部の回路ブロック間を接続するケーブルであ
る。この対策として、図4に示すように、ケーブルコネ
クタのハウジング3内においてコア状のフェライト10
をケーブル1内の導線を一括して取り囲むように設ける
ことが実施されている。このフェライトは導線を流れる
コモンモードノイズ電流を抑制するインピーダンスとし
て作用する。ノイズ電流を十分抑制するためには通常1
00Ω程度以上のインピーダンスが要求される。
【0003】図5は内径5mm、外径10mm、長さ2
0mmのフェライトコアのインピーダンスの周波数特性
である。ここで、|Z|はインピーダンスZの絶対値、
Rは抵抗、XL はリアクタンスであり、Z=R+jXL
の関係にある。通常問題となる30〜1000MHzの
周波数でインピーダンスが概ね100Ω程度であること
を示しているが、コネクタ部品としては寸法が大きく、
フェライトコアを収容しない場合よりもハウジング寸法
を大きくする必要がある。これは表面実装部品等の電子
部品の小型化と相反し、電子装置の実装高密度化を損ね
るもととなる。インピーダンスはフェライトの体積に比
例するため、フェライトコアを収容しないハウジングと
同程度の寸法のハウジングに収容できる程度の小型のフ
ェライトコアではインピーダンスが低く、ノイズ電流に
対する十分な抑制効果が得られない。またフェライトコ
アの質量も10g程度以上とコネクタ部品としては重
く、その分コネクタの保持機構を強化することも必要と
なる。このように、従来のフェライトを用いたケーブル
コネクタは大型であるという問題がある。
【0004】フェライトコアをコネクタ近傍のケーブル
にクランプする構成も従来とられている。この構成では
大型のフェライトコアを使用できるものの、ケーブル曲
げなどのケーブル処理が困難となったり、隣接ケーブル
コネクタと干渉したりするため、やはり実装高密度化の
点で問題がある。フェライトコアをコネクタからある程
度離してクランプすることにより実装性は向上するが、
反面、ノイズ電流がその区間に流れるため放射妨害波の
抑制効果が小さくなる問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するために提案されたもので、その目的は、ノイ
ズフィルタ機能を有する小型のケーブルコネクタを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明はケーブルコネクタのハウジング内におい
て、ケーブル内の導線の全てを一括して取り囲むよう、
磁性層と非磁性絶縁層とを交互に積層した多層構造の磁
性体を設けていることを発明の要旨とする。さらに、本
発明は前記磁性層の厚さが表皮深さの1/10から10
倍の厚さであることを特徴とする請求項1記載の電子装
置用ケーブルコネクタを発明の要旨とする。
【0007】
【作用】本発明は、ケーブルコネクタのハウジング内に
おいて、磁性体がケーブル内の導線の全てを一括して取
り囲み、前記磁性体が磁性層と非磁性絶縁層とを交互に
積層した多層構造を成している。このことによって、磁
性体のうず電流損失によるノイズ電流抑制効果を最大限
に利用することができ、従って、磁性体が非常に薄い層
構造であるにも係わらず十分大きいノイズ電流抑制効果
を有するケーブルコネクタを実現することができる。
【0008】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す図であり、図に
おいて、1はケーブル、2はケーブルコネクタ、3はハ
ウジング、4は心線、5は磁気多層膜、6はクランプを
示す。ケーブル1の端部に接続されたケーブルコネクタ
2のハウジング3内において、ケーブル1の外被が除去
され露出したケーブル内の導線の全て、即ち心線4を磁
性多層膜5が一括して取り囲んでいる。ケーブル1はク
ランプ6によりハウジング3内に固持されている。
【0009】図2は磁性多層膜5の詳細を示す図であ
り、前記磁性多層膜5は絶縁性の基材7の上に磁性層8
と非磁性絶縁層9とを交互に積層した多層構造を成して
いる。(a)は斜視図、(b)は(a)図において丸印
の部分の拡大図を示す。ここで基材としてはPEN(ポ
リエチレン・ナフタレート)、PET(ポリエチレン・
テレフタレート)等があり、厚さは6μm〜数+μm程
度である。非磁性絶縁層9の厚さは、磁性層8相互間の
電気的絶縁を保ち得る厚さ以上に設定されている。磁性
多層膜5は、このように構成された多層構造を円筒状に
成形したものである。ここで多層構造のつなぎ目におい
て、必ずしも磁性層8,非磁性絶縁層9の各々がつなが
った閉構造を成していなくともよく、層が非常に薄いた
め、閉構造を成していない場合でも閉構造を成している
場合と同等の作用が得られる。磁性多層膜5の積層数が
多いほど、またケーブル長手方向の長さ寸法が大きいほ
ど、ノイズ抑制効果は高まる。
【0010】磁性層8としては、Fe,Ni,Coのい
ずれかに、Fe,Ni,Co,Zr,Nb,Y,Hf,
Ti,Mo,W,Ta,Si,B,Reの内単独または
複数の元素を添加した材料を用い、一方、非磁性絶縁層
9のとしては、SiO2 ,AlN,Al2 3 ,BN,
SiCの何れかを使用する。磁性多層膜作製法として
は、イオンビームスパッタ法、RFスパッタ法、マグネ
トロンスパッタ法、蒸着法、めっき法、ロール法、塗布
法、スクリーン印刷法、圧延法、等の何れかを使用す
る。円筒状の磁性多層膜を形成する方法としては、平面
基板に多層膜を堆積させた後、基板から剥離したシート
を利用する方法以外に、円筒状基板に多層膜を堆積させ
たものをそのまま利用する方法が挙げられる。
【0011】図3に、磁性層8としてCoZrNb合金
を、非磁性絶縁層9としてSiO2を使用した場合の磁
性多層膜5のインピーダンス特性を示す。ここで、磁性
多層膜5は、磁性層厚,非磁性絶縁層厚を各々1.5μ
m,0.1μm、磁性層数を4層とした10mm×30
mmの磁性多層シート5枚を直径4mmの円筒に成形し
たものを用いた。先に示したフェライトコアと同等のイ
ンピーダンスが得られている。一方、磁性多層膜5の体
積はフェライトコアと比べ1/102 程度と非常に小さ
い。磁性多層膜5の層数もしくはシート数を増やすこと
によりインピーダンスをさらに高めることができる。こ
のように磁性多層膜5により、体積が小さい割に高いイ
ンピーダンスが得られるのは、磁気損失としてフェライ
トコアでは磁気共鳴損失を利用しているのに対し、磁性
層8ではうず電流損失を利用しているためである。この
うず電流損失は、磁性層8の厚さを表皮深さの1/10
〜10倍の範囲に設定することにより最も高めることが
できる。ここで、表皮深さδは次式で表される。 δ=〔ρ/πfμr ′(0)・μ0 1/2 ここで、f:周波数、μr ′(0):静的比透磁率、μ
0 :真空の透磁率、ρ:抵抗率である。CoZrNbの
場合、μr ′(0)=3000、ρ=120μΩcmで
あり、磁性層厚t(1.5μm)はδ/10≦t≦10
δを満たしている。
【0012】図6に磁性層厚tm と比透磁率μr の関係
を示す。磁性層としてはNiFe合金およびCoZrN
b合金を使用した場合である。図6に示すように、
μr ″はtm /δが0.1から10の範囲でμr ″の最
大値の100分の1以上の値を持ち、有効となる。
μr ″が大きい程、うず電流損失を大きくできるので、
m をδの1/10から10倍の厚さに設定することが
効果的なことがわかる。磁性多層膜5はケーブル内の導
線を一括して包囲しているため、各導線を同一方向に流
れようとするコモンモードノイズ電流に対し高インピー
ダンスの負荷として作用し、従って、ケーブルをアンテ
ナとして空間に放射する妨害波を抑制することができ
る。以上、ケーブルとして芯線のみを有するケーブルを
取上げたが、芯線がシールド導体で覆われたシールドケ
ーブルや同軸ケーブルにおいても、シールド導体の外周
を磁性多層膜5によって包囲することにより、芯線およ
びシールド導体に流れようとするコモンモードノイズ電
流を全く同様にして抑制できることは明白である。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ノイズフィルタとして磁性層と非磁性絶縁層とを交互に
積層した高損失性の多層膜をコネクタハウジング内にお
いてケーブルの導線を取り囲むよう設けているため、構
成は簡単で、取付は容易であり、かつ従来部品と同程度
のインピーダンス、即ちノイズ抑制効果を得るのに、部
品のサイズが小型になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である。
【図2実施例における
磁性体部の構造で、(a)は斜視図、(b)は拡大図を
示す。 【図3】実施例における磁性体部のインピーダンスの周
波数特性を示す。
【図4】従来部品の構造である。
【図5】従来部品における磁性体部のインピーダンスの
周波数特性を示す図である。
【図6】比透磁率の磁性層厚依存性を示す図である。
【符号の説明】
1 ケーブル 2 ケーブルコネクタ 3 ハウジング 4 芯線 5 磁性多層膜 6 クランプ 7 基材 8 磁性層 9 非磁性絶縁層 10 フェライトコア

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本の導線を含むケーブルと
    接続したコネクタのハウジング内において、前記導線を
    一括して取り囲むよう磁性体を設けたコネクタであっ
    て、前記磁性体が磁性層と非磁性絶縁層とを交互に積層
    した多層構造からなることを特徴とする電子装置用ケー
    ブルコネクタ。
  2. 【請求項2】 前記磁性層の厚さが表皮深さの1/10
    から10倍の厚さであることを特徴とする請求項1記載
    の電子装置用ケーブルコネクタ。ここで、表皮深さδは
    次式で表される。 δ=〔ρ/πfμr ′(0)・μ0 1/2 ここで、f:周波数、μr ′(0):静的比透磁率、μ
    0 :真空の透磁率、ρ:抵抗率である。
  3. 【請求項3】 磁性多層膜を構成する材料として、F
    e,Ni,CoのいずれかにFe,Ni,Co,Zr,
    Nb,Y,Hf,Ti,Mo,W,Ta,Si,B,R
    eのうちの単独または複数の元素を添加した材料を用
    い、非磁性絶縁層の材料としてはSiO2 ,AlN,A
    2 3 ,BN,SiCのいずれかを用いることを特徴
    とする請求項1記載の電子装置用ケーブルコネクタ。
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