JPH072536U - アンカー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリートに対して鉄筋を強固に固定化で
きるアンカー装置を提供する。 【構成】 スリット２で複数に分割した一端側にクサビ
体４を嵌挿するアンカー筒体３の他端側周壁に横孔１０
を設け、アンカー筒体３内に挿入した鉄筋８とアンカー
筒体３を横孔１０の部分で溶接１１により固定化し、ア
ンカー筒体３の外径に変化を生じさせないようにしてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、コンクリート床面等に鉄筋を立設するためのアンカー装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

コンクリート床面の構築において、間仕切り等を取り付けんとする部分に、間 仕切り固定用の鉄筋を立上り状に配筋しておくと、コンクリート打設作業の邪魔 になるため、コンクリート床の構築後に、アンカー付の鉄筋をコンクリート床に 打込んで立設することが行なわれている。

【０００３】 コンクリート用のアンカーは、金属製の円筒状となるアンカー筒体の一端側を 軸方向のスリットで複数に分割し、このアンカー筒体の一端側に円錐台形状のク サビ体を挿入して組み合せた構造になっており、コンクリートに設けた下孔に挿 入した状態でアンカー筒体を打込むと、クサビ体によってアンカー筒体の分割し た部分がコンクリート内で拡開し、抜止状態となり、アンカー筒体に連結した鉄 筋が床面上に立設される。

【０００４】 従来、アンカーと鉄筋の結合は、アンカー筒体内に他端側から鉄筋を挿入した 後、アンカー筒体の他端側外周に絞り加工を施し、アンカー筒体の端部をカシメ ることにより鉄筋を固着するようにしていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、アンカー筒体の端部に絞り加工を施すと、材料の逃げが外周面に生 じ、アンカー筒体の外周面が部分的に大径となり、このため、コンクリートに穿 設する下孔を大径にしなければならず、このため、アンカーの固定強度が低下し 、鉄筋にグラツキが生じやすいという問題がある。

【０００６】 そこでこの考案の課題は、アンカーと鉄筋の結合がアンカー筒体の外径を大径 にすることなく行なえ、コンクリートに対する鉄筋の固定がグラツキのないよう に強固に行なえるアンカー装置を提供することになる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記のような課題を解決するため、この考案は、スリットで複数に分割したア ンカー筒体の一端側にクサビ体を嵌合したアンカーと、このアンカーに接続する 鉄筋との組み合せからなり、アンカー筒体の他端側周壁に横孔を設け、このアン カー筒体内に他端側から挿入した鉄筋と該アンカー筒体を横孔の部分で溶接によ り固定化した構成を採用したものである。

【０００８】

【作用】

アンカー筒体と鉄筋の結合を、アンカー筒体に設けた横孔の部分で溶接により 行なうと、アンカー筒体の外周面に直径の変化が発生せず、コンクリートに設け る下孔はアンカー筒体の外径と適合するものでよく、アンカーの打込み時におい て下孔とアンカー筒体の間にガタツキの発生はなく、アンカーを介して鉄筋を強 固に固定化できる。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００１０】 図示のように、アンカー１は、金属の円筒体を用い、一端側を軸方向のスリッ ト２によって複数に分割したアンカー筒体３と、このアンカー筒体３の分割した 一端側内部に嵌着した円錐台形状のクサビ体４とからなり、アンカー筒体３の外 周面には、コンクリートに対する耐引抜強度を得るため、凹段部５が施されてい る。

【００１１】 上記アンカー筒体３の内部は、略中間部分から一端側がクサビ体４の打込み孔 ６で他端側がこの打込み孔６よりも大径の鉄筋挿入孔７となり、鉄筋８は両孔の 段部９に当接するよう挿入される。

【００１２】 前記アンカー筒体３と鉄筋８を結合するため、アンカー筒体３における他端側 の周壁には、軸心を挾む両側に横孔１０が設けられ、挿入孔７内に鉄筋８を挿入 した状態で横孔１０内に溶接１１を施し、この溶接１１によってアンカー筒体３ と鉄筋８を結合固定化している。

【００１３】 この溶接１１は、横孔１０を埋める程度に施し、アンカー筒体３の外周面に溶 接１１が出ないようにし、アンカー筒体３の外径に変化が生じないようにする。

【００１４】 この考案のアンカー装置は上記のような構成であり、アンカー筒体３と鉄筋８ を溶接１１によって結合し、アンカー筒体３の下部にクサビ体４をセットした図 １（Ｂ）の状態でコンクリート床Ａに鉄筋８を立設するには、図２のように、ア ンカー筒体３が丁度納まる直径と深さの下孔Ｂをコンクリート床Ａに設け、この 下孔Ｂ内にアンカー１を挿入した状態でアンカー筒体３を打込めば、下孔Ｂの内 端に停止するクサビ体４に対してアンカー筒体３が進入し、アンカー筒体３のス リット２で分割した部分が下孔Ｂ内で拡開し、アンカー筒体３はコンクリートに 対して抜止め状に固着し、コンクリート床Ａ上に鉄筋８が起立状に固定化される 。

【００１５】 このようにしてコンクリート床Ａ上に立設した鉄筋８は、各種間仕切りや壁材 の取り付けに利用される。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように、この考案によると、アンカー筒体の周壁に横孔を設け、この横 孔部分でアンカー筒体と鉄筋を溶接により固定化したので、アンカー筒体と鉄筋 の結合がアンカー筒体の外径を変化させることなく行なえ、コンクリートに設け る下孔をアンカー筒体の外径に適合するよう形成でき、これによって下孔に対す るアンカー筒体のガタツキ発生がなく、コンクリートに鉄筋を強固に固定化でき る。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）はアンカー装置の分解斜視図、（Ｂ）は
同上の組立状態を示す縦断面図

【図２】アンカー装置をコンクリート床に固定した縦断
面図

【符号の説明】

１ アンカー ２ スリット ３ アンカー筒体 ４ クサビ体 ８ 鉄筋 １０ 横孔 １１ 溶接

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スリットで複数に分割したアンカー筒体
   の一端側にクサビ体を嵌合したアンカーと、このアンカ
   ーに接続する鉄筋との組み合せからなり、アンカー筒体
   の他端側周壁に横孔を設け、このアンカー筒体内に他端
   側から挿入した鉄筋と該アンカー筒体を横孔の部分で溶
   接により固定化したことを特徴とするアンカー装置。