JPH07253641A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JPH07253641A
JPH07253641A JP4410294A JP4410294A JPH07253641A JP H07253641 A JPH07253641 A JP H07253641A JP 4410294 A JP4410294 A JP 4410294A JP 4410294 A JP4410294 A JP 4410294A JP H07253641 A JPH07253641 A JP H07253641A
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JP
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silver halide
sensitive material
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halide photographic
silver
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JP4410294A
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Mitsuko Suzuki
晃子 鈴木
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は迅速処理における低補充現
像で現像開始時とランニング平衡状態時との間に写真性
能、銀色調の変動のないハロゲン化銀写真感光材料の提
供。 【構成】 ハロゲン化銀写真感光材料の現像液に添
加する現像開始剤が沃素イオンを含み、かつ補充量が1
平方当たり350ミリリットル以下であるハロゲン化銀写
真感光材料の処理方法。水膨潤率が200%以下である
少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン
化銀写真感光材料を、前記の処理方法で処理する。
前記のハロゲン化銀写真感光材料を15秒以下の現像時
間で上記の処理をするハロゲン化銀写真感光材料の処
理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法に関し、詳しくは現像液の補充量を低減
し、かつ現像開始時とランニング処理時においても処理
性能が変わらない迅速自動現像機処理に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、現像開始時から安定した写真性能
を得る手段として、感光材料の処理量に応じて補充液を
補充する方法が用いられている。この方法では感光材料
の処理に伴い、処理液の補充を行うため処理を続けると
一定の平行状態(ランニング平行)を形成する。従って
補充液の組成はランニング平行に達した現像液処理槽中
の現像液とは異なる。例えば現像処理を行うと酸が生成
し現像液pHは低下する。このため処理槽のpHを保つた
め補充液を補充して写真性能が保たれている。
【0003】また、ランニング液中には、写真乳剤中の
ハロゲン化銀が現像主薬と反応しハロゲンイオンを溶出
する。此の際ブロムイオンはハロゲン化銀写真感光材料
の現像抑制剤として機能するため、ランニング液では処
理性能が変化する、特に感度の低下が著しい。
【0004】処理槽に新しい処理液を満たして、新たに
処理を開始するときは、ランニング平衡と同様の写真性
能を与えるため現像開始液を別途調製して処理するのが
一般的であるが、補充液に現像開始剤(スタータ)を添
加して現像開始液として使用することも広く行われてい
る手段である。
【0005】現像開始剤には塩酸、酢酸、硝酸などの酸
剤や感度調節のための臭化カリウム、塩化カリウムなど
を添加することが知られている。また特開昭58-211843
には現像促進剤を添加することが記載されている。しか
し銀色調の調節剤として沃素イオンを含有せしめること
については何ら記載はない。さらに現像液の補充量を低
減したとき、銀色調が変化する課題についても記載はな
い。
【0006】発色現像を含む現像処理においては、現像
開始剤に沃素イオンを含有せしめることは知られている
が、銀画像を直接観察する黒白ハロゲン化銀写真感光材
料の現像液に沃素イオンを含有せしめた現像開始液を用
いることは全く新たな発想である。
【0007】また発色現像用の現像液の補充量は通常50
0ml/m2以上である。
【0008】従って、現像液の補充量を低減し、かつラ
ンニングによる銀画像の色調の変らない現像開始液の開
発が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、迅速
処理における低補充現像で現像開始時とランニング平衡
状態時との間に写真性能、銀色調の変動のないハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法の提供である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 ハロゲン化銀写真感光材料の現像液に添加して現像を
開始する現像開始剤が沃素イオンを含み、かつ補充量が
1平方当たり350ミリリットル以下であるハロゲン化銀
写真感光材料の処理方法。水膨潤率が200%以下であ
る少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲ
ン化銀写真感光材料を、前記の処理方法で処理する。
前記のハロゲン化銀写真感光材料を15秒以下の現像
時間で上記の処理をするハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法により達成された。
【0011】以下、本発明を詳述する。
【0012】本発明で用いられるスタータは、現像液の
pH調製のための酸剤と、ハロゲン化物の濃度を調整す
るための水溶性ハロゲン化物、及び現像開始液での処理
でローラマークを改善するための沃素イオンを含有す
る。ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理では、感光材
料の構成成分であるハロゲンイオンが現像液中に溶出
し、これらの溶出ハロゲンイオンの中で、沃素イオンは
溶出した臭化銀の臭素イオンと置換されるため、現像液
中には主として臭素イオンのみが蓄積され抑制成分とし
て作用して写真特性、特に感度、ガンマ、銀色調に影響
を及ぼすことが知られている。従来のブロムイオンのみ
含有のスタータでの処理ではローラマークがしばしば出
現する。
【0013】本発明のスタータは、従来公知のスタータ
に沃素イオンを含有せしめたもので、沃素イオン源とし
ては、水溶性ハロゲン化物、具体例としては沃化カリウ
ム、沃化ナトリウム、沃化リチウム、沃化アンモニウム
である。スタータ中の沃素イオンの含有量は、現像液1
リットル当たり5×10-6モルを与える量、さらに好まし
くは5×10-5〜8×10-4モルが好ましい。
【0014】本発明に係るスタータの酸剤としては、塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸又は酢酸、クエン
酸、酒石酸、乳酸まどの有機酸が挙げられる。
【0015】また、ハロゲン化物濃度の調製のためのハ
ロゲン化合物としての水溶性ハロゲン化物の具体例とし
ては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウムなどのハ
ロゲン化アルカリを挙げることができる。
【0016】さらに、感度、カブリ、及び階調調整のた
めに公知の現像抑制剤、平板状粒子を含有する感光材料
を現像したとき軟調化を与える化合物として、ハロゲン
化銀溶剤、例えばチオエーテル類、ポリアルキレンオキ
サイド類などが挙げられる。
【0017】スタータの現像開始液への添加量は、現像
開始液1リットル当たりスタータを5〜50ml添加して現
像開始液とする通常行われる方法から適量を決めるのが
好ましい。なお、場合によっては沃化物を粉体のままス
タータ、又は現像開始液に添加してもよい。
【0018】本発明に係る現像液の現像主薬としては、
特開平4-15641号、特開平4-16841号などに記載のジヒド
ロキシベンゼン類、3-ピラゾリドン類、又はこれらを併
用して用いることが好ましい。又パラアミノフェノール
類、3-アミノピラゾロン類を用いてもよい。
【0019】この他、L.F.A Mason Photographic Proce
ssing Chemistry(Focal Press刊、1966年)の226〜229頁
などに記載のものを用いることができる。
【0020】また、ジヒドロキシベンゼン類、パラアミ
ノフェノール類、3-ピラゾリドン類の総モル数は0.1モ
ル/リットル以下が好ましい。
【0021】保恒剤としては亜硫酸塩類、例えば亜硫酸
カリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫
酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸カリ
ウム、レダクトン類、例えばピペリジノヘキソースレダ
クトンなどを含んでもよく、これらの使用量は好ましく
は0.1〜2.0モルでよく、より好ましくは0.1〜1.0モル用
いるのがよい。また濃縮現像液の場合は現像液1リット
ル当たり3.0モルまでとするのが好ましい。またアスコ
ルビン酸類を多量に添加することも処理安定性につなが
る。
【0022】アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第三燐
酸ナトリウム、第三燐酸カリウムの如きpH調節剤を含
む。さらに特開昭61-28708号記載の硼酸塩、特開昭60-9
3439号記載のサッカローズ、アセトオキシム、5-スルホ
サルチル酸、燐酸塩、炭酸塩などの緩衝剤を用いてもよ
い。これらの薬剤の含有量は現像液のpHを9.0〜13、好
ましくはpH10〜12.5とするように選ぶ。
【0023】現像液の溶解助剤としては、ポリエチレン
グリコール類、及びこれらのエステル類など、増感剤と
しては、例えば四級アンモニウム塩、現像促進剤、硬膜
剤、界面活性剤などを含有させることができる。また銀
スラッジ防止剤として、例えば特開昭56-106244号記載
の銀汚れ防止剤、特開平3-51844号記載のスルフィド、
ジスルフィド化合物、特願平4-92947号記載のシスチン
誘導体、或いはトリアジン化合物などを用いてもよい。
【0024】現像液にはカブリ防止剤として、例えばイ
ンダゾール系、イミダゾール系、ベンツイミダゾール
系、トリアゾール系、ベンツトリアゾー系、テトラゾー
ル系、チアジアゾール系化合物などを用いてもよい。ま
た、無機抑制剤として臭化ナトリウム、臭化カリウム、
沃化カリウムなどを用いてもよい。この他、L.F.A メン
ソン著 ″フォトグラフィック・プロセッシング・ケミ
ストリー″ フォーカルプレス社刊(1966年)の226〜229
頁、米国特許2,193,015号、同2,592,364号、特開昭48-5
4933号などに記載のものを用いてもよい。
【0025】また、処理液に用いられる水道水中に混在
するカルシウムイオンを隠蔽するためのキレート剤とし
ては、例えば有機キレート剤として特開平1-193853号記
載の鉄とのキレート安定化定数が8以上のキレート剤が
好ましく用いられる。また無機キレート剤としてヘキサ
メタ燐酸ナトリウム、ヘキサメタ燐酸カルシウム、ポリ
燐酸塩等がある。
【0026】現像液のpHは、9.0〜12でよく、好ましく
は9.0〜11.5の範囲である。pHの調整には前記アルカリ
剤、又は緩衝剤が用いられる。
【0027】本発明の現像の好ましい処理条件は、現像
温度25〜50℃で、より好ましくは30〜40℃である現像時
間は5〜10秒であり、より好ましくは8〜9.8秒であ
る。
【0028】全処理時間は好ましくは20〜33秒、より好
ましくは23〜30秒である。
【0029】本発明における補充液は、後述の現像液と
同一成分から成り、その補充量は処理疲労と酸化疲労相
当分を補充する。補充法としては特開昭55-126243号記
載の幅、送り速度による補充、特開昭60-104946号記載
の面積補充、特開平1-149156号記載の連続処理枚数によ
るコントロールされた面積補充でもよく、好ましい補充
量は500〜150ml/m2である。
【0030】本発明の処理方法は、Xレイ用、印刷製版
用、白黒一般用、レーザ光源用フィルム、CRT撮影
用、複製用、II又はミラー間接撮影用感光材料等の種
々の白黒ハロゲン化銀写真感光材料に適用できる。
【0031】定着液としては、一般に用いられている定
着素材でよく、例えばチオ硫酸塩を含む水溶液である。
定着液のpHは3.8以上、好ましくは4.2〜5.5である。
【0032】定着剤としては、チオ硫酸アンモニウム、
チオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫酸塩であり、定着速度
の点からチオ硫酸アンモニウムが特に好ましい。
【0033】定着液にはアルミニウム塩などの定着硬膜
剤を含有してもよい。
【0034】定着液中のチオ硫酸塩の濃度は好ましくは
0.1〜5モル/リットルの範囲が好ましく、より好まし
くは0.8〜3モル/リットルの範囲である。
【0035】定着液のpHは3.8〜5.8が好ましく、特に
好ましくは4.5〜5.1である。なおpHが高いほど定着性
は向上するが乾燥性は劣化する。
【0036】定着液の好ましい処理条件は定着時間3.6
〜6.0秒、処理温度は15〜45℃で、特に好ましくは25〜3
8℃である。
【0037】定着液には界面活性剤を添加してもよい。
好ましい界面活性剤としては、例えば硫酸エステル化
物、スルホン化物などのアニオン界面活性剤、ポリエチ
レングリコール系、エステル系などのノニオン界面活性
剤、特開昭57-6840号記載の両性界面活性剤などが挙げ
られる。
【0038】定着液には、前記化合物の他に種々の酸、
塩、キレート剤、湿潤剤などの添加剤を含有させること
ができる。
【0039】酸としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、硼
酸のような無機酸の塩や、儀酸、プロピオン酸、シュウ
酸、りんご酸などの有機酸類などが挙げられる。
【0040】塩としては、例えばこれらの酸のリチウ
ム、カリウム、ナトリウム、アンモニウムなどの塩が挙
げられる。
【0041】キレート剤としては、例えばニトリロ三酢
酸、エチレンジアミン四酢酸などのアミノポリカルボン
酸類、及びこれらの塩などが挙げられる。
【0042】湿潤剤としては、例えばアルカノールアミ
ン、アルキレングリコールなどが挙げられる。
【0043】前記添加剤の中で、硫酸、硼酸、アミノポ
リカルボン酸類などの酸及び塩が好ましい。添加剤の好
ましい添加量は0.5〜20g/リットルである。
【0044】乾燥は、通常35〜100℃、好ましくは40〜8
0℃の熱風を吹きつけたり、遠赤外線による加熱手段が
設けられた乾燥ゾーンが自動現像機に設けられてもよ
い。
【0045】また、自動現像機には前記現像、定着、水
洗の各工程の間に感光材料に水または定着能を持たない
酸性溶液のリンス液を付与する機能を備えた自動現像機
(特開平3-264953号)を用いてもよい。さらに自動現像
機には現像液や定着液を調液できる装置を内蔵していて
もよい。
【0046】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、ハ
ロゲン化銀乳剤層、保護層、中間層、ハレーション防止
層、フィルター層、帯電防止層などで構成され、構成層
は親水性コロイド層から成っている。
【0047】本発明に用いられる親水性コロイド層に用
いられるコロイドとしては、例えばゼラチン、コロイド
状アルブミン、ポリサッカライド、セルローズ誘導体、
合成樹脂、例えばポリビニルアルコール誘導体を含むポ
リビニル化合物、アクリルアミドポリマー等の一般に写
真分野で用いられる親水性コロイドを挙げることができ
る。
【0048】また、分散された重合ビニル化合物、特に
ハロゲン化銀写真感光材料の寸法安定性を向上せしめる
ことのできるこの種化合物の適当なものは、アルキルア
ルキレート、又はアルキルメタクリレート、アクリル
酸、ホスホアクリレート、又はスルホアルキルメタクリ
レート等のビニル系モノマーを重合してつくられる水溶
性モノマー等が含まれる。
【0049】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、上
述した膨張率を得るため上述の親水性コロイド層中に硬
膜剤を含有させることがで、膨潤率は使用する硬膜剤の
種類と量の調整により得ることができる。
【0050】使用される硬膜剤としては、特に限定され
ることはなく、公知の写真用硬膜剤を公知の方法で用い
ることができる。
【0051】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
水に対する膨潤率は、38℃、相対湿度50%で塗布後3日
間経過した感光材料を21℃の蒸留水に3分間浸漬したと
きの塗布膜の厚みの変化量を浸漬前と比較した百分率で
表し、その値が200%以下であり、好ましくは150%であ
る。
【0052】本発明に用いられるハロゲン化銀写真感光
材料の粒子は双晶でもよいし、正常晶でもよい。好まし
いアスペクト比は2〜20、好ましくは2〜15、より好ま
しくは2〜8である。正常晶粒子の晶癖は立方体、8面
体、14面体、24面体、36面体、また、これらの粒子が丸
みを帯びた形状のいずれでもよい。
【0053】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子のハ
ロゲン化銀組成は、沃臭化銀が特に好ましいが、臭化
銀、塩沃臭化銀、塩化銀なども好ましく用いられる。
【0054】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、公知の方法で製造できる。例えばリサー
チ・ディスクロージャー(RD)No.17643(1978年12月)22
-23頁の1・乳剤製造法(Emulsion Preparation and t
ypes)及び同(RD)No.18716(1979年11月)・648頁に
記載の方法で調製することができる。
【0055】また、T.H.James 著“The theory of the
photographic process”第4版、G.F.Dauffin 著「写真
乳剤化学」“Photographic emulsion Chemistry”Focal
press 社刊(1966年)、P.Glafkides 著「写真の物理と
化学」“Chimi et physique photographique”Paul Mon
tel社刊(1967)、V.L.Zelikman 他著「写真乳剤の製造と
塗布」“Making and coating photographic emulsion”
Focal press 社刊(1964年) などに記載の方法により調
製される。
【0056】本乳剤に用いられるハロゲン化銀乳剤にお
いて、平板状ハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子の
占める割合は50%以上であり、好ましくは60%以上で、
特に好ましくは70%以上である。
【0057】平板状ハロゲン化銀乳粒子は単分散性であ
るものが好ましく用いられ、平均粒径を中心に±20%の
粒径範囲に含まれるハロゲン化銀粒子が50%以上のもの
が特に好ましく用いられる。
【0058】本発明のハロゲン化銀粒子は、重量、又は
粒子数でその少なくとも40%が実質的に立方体、又は14
面体粒子で、かつ結晶表面の頂点が丸みを有してもよ
い。
【0059】本乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子のサ
イズに制限は無いが、0.95〜2μmのものが好ましい。
【0060】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
0.7μm以下の粒子を80%以上含有するのが好ましい。本
発明に用いられるハロゲン化銀粒子のサイズ分布は、単
分散でも多分散でもよいが単分散が好ましい。ここで単
分散とは、95%の粒子が数平均粒径の40%以内のサイズ
に入る分散系である。また数平均粒径とは、粒子の投影
面積の数平均直径である。
【0061】これらの乳剤は物理熟成、或いは粒子調製
の段階でカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム塩、イ
リジウム塩、又はその錯塩、ロジウム塩、又はその錯
塩、鉄塩、又はその錯塩などを用いてもよい。
【0062】また、ハロゲン化銀粒子の内部構造は任意
であるが、ハロゲン化銀組成の異なるコア/シェル構造
のものが好ましい。
【0063】乳剤は可溶性塩類を除去するためにヌーデ
ル水洗法、フロキュレーション沈降法などの水洗方法が
なされてよい。好ましい水洗法としては、例えば特公昭
35-16086号記載のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アル
デヒド樹脂を用いる方法、または特開平2-7037号記載の
凝集高分子剤、例示G−3、G−8などを用いる方法が
特に好ましい脱塩法として挙げられる。
【0064】本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学
熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いる
ことができる。公知の添加剤としては、例えばリサーチ
・デイスクロージャー(RD) No.17643 (1978年12月),
同No.18716 (1979年11月)、及び同No.308119(1989年12
月)に記載された化合物が挙げられる。これら三つのリ
サーチ・デイスクロージャーに示されている化合物の種
類と記載箇所を以下に掲載した。
【0065】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 468-649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ防止剤、安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 XI 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 XXII 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体とし
ては、例えば前述のRD-17643の28頁、及びRD-18716
の647頁左欄に記載されているものが挙げられる。適当
な支持体としては、ポリエチレンテレフタレートなど
で、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくするため
に下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射などを施
してもよい。
【0066】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は以下に述べる実施例に限定される
ものではない。
【0067】実施例1フィルムAの調製 以下の方法により単分散性の高い種乳剤(T−1)を調
製した。
【0068】 (T−1)の調製 A1 過酸化水素処理したオセインゼラチン 150g 臭化カリウム 60g 水で 1000ml B1 硝酸銀 1.5kg 水で 2000ml C1 過酸化水素処理したオセインゼラチン 40g 臭化カリウム 1050g 水で 400ml D1 アンモニア水(28%) 117.5ml 40℃で激しく撹拌したA1液に、B1液とC1液をダブル
ジェット法で添加し、核の生成を行った。添加後、300m
lの水を加え混合液の温度を20℃に下げ、電位を40mVに
調整してからD1を20秒で添加し5分間熟成を行った。
【0069】その後、pHを6.0に合わせてからナフタレ
ンスルホン酸ソーダのホルムアルデヒド樹脂と硫酸マグ
ネスム水溶液を用いて脱塩を行った。この種乳剤を電子
顕微鏡観察したところ、平均粒径が0.25μm、分布の広
さが30%の単分散性臭化銀乳剤であった。この乳剤を種
乳剤(T−1)とした。
【0070】平板状粒子乳剤(Em−1)の調製 前記、種乳剤(T−1)と、以下に示す溶液を用い主と
して平板双晶よりなるハロゲン化銀乳剤(Em−1)を
調製した。
【0071】 E1 過酸化水素処理したオセインゼラチン 37g ポリプロピレンオキシ-ポリオキシエチレンサクシネート ジナトリウム塩(10%メタノール溶液) 10ml 上記の種乳剤(T−1) 1.14モル相当 水で 4000ml F1 オセインゼラチン 26g 臭化カリウム 151g 沃化カリウム 23g 水で 1103ml G1 オセインゼラチン 96.5g 臭化カリウム 6248ml 水で 4096ml H1 硝酸銀 1132g 水で 624ml 75℃で激しく撹拌した上記のE1液に、F1液とH1液を
ダブルジェット法にて添加した。この間pHは6.5に終始
保った。
【0072】添加終了後、pHを6.0に合わせてから分光
増感色素として5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,3′-ジ-(ス
ルホプロピル)オキサカルボシアニンナトリウム塩の無
水物(増感色素A)をハロゲン化銀1モル当たり300mg
添加して充分に吸着せしめてから前記の種乳剤と同様の
方法により脱塩した。
【0073】乳剤はpAgが9.0で、40℃におけるpHは5.8
5であった。得られた乳剤を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ平均粒径0.85μm、分布の広さが20%の平板状ハロゲ
ン化銀粒子であり、アスペクト比2.4、平均粒子厚みは
0.12であった。
【0074】このようにして種乳剤(T−1)を用いて
調製したものを(Em−1)とした。
【0075】得られた乳剤(Em−1)のそれぞれの乳
剤をハイポと塩化金酸からなる化学増感剤の添加直前
に、分光増感色素5,5′-ジ(ブトキシカルボニル)1,1′
ジエチル-3,3′-ジ-(4-スルホブチル)ベンゾイミダゾロ
カルボシアニンナトリウム塩の無水物(増感色素B)を
ハロゲン化銀1モル当たり15mg添加して化学熟成後、沃
化カリウムをハロゲン化銀1モル当たり300mg添加して
化学熟成を止めた。さらに安定剤として4-ヒドロキシ-6
-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデンをハロゲン化銀1
モル当たり2.5g添加した。
【0076】化学熟成を終えた各々の乳剤に、下記、各
種添加剤をハロゲン化銀1モル当たり加え塗布液を調製
した。
【0077】上記乳剤に、添加剤としてハロゲン化銀1
モル当たり下記の各種添加剤を加え乳剤塗布液とした。
【0078】 t-ブチル-カテコール 400mg スチレン無水マレイン酸共重合体 2.5mg ニトロフェニル-トリフェニルフォスフォニウムクロライド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 4g n-C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 20mg
【0079】
【化1】
【0080】等を加えて乳剤塗布液とした。
【0081】さらに、保護層液としてゼラチン1g当た
り下記の量の添加剤を加え、保護層液とした。
【0082】 平均粒径5μmのポリメチルメタクリレートからなるマト剤 40mg 平均粒径0.013μmのコロイダルシリカ 70mg グリオキザール 50mg
【0083】
【化2】
【0084】フィルムB 保護層のグリオキザールをゼラチン1g当たり25mgにす
ること以外同一処方にした。
【0085】処理液の調製 本発明に用いた現像液、スタータ及び定着を下記の組成
で調製した。
【0086】現像液処方 Dev(1) Part−A(10.8リットル仕上げ用) 水酸化カリウム 340g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2150g ジエチレントリアミン5酢酸 32.3g 炭酸水素ナトリウム 108g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg 5-メチルベンゾトリアゾール 150mg ハイドロキノン 280g 水を加えて 3600mlに仕上げる Part−B(10.8リットル仕上げ用) 氷酢酸 150g トリエチレングリコール 144g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 19.5g 5-ニトロインダゾール 0.32g n-アセチル-D,L-ペニシラミン 0.11g Dev(2) Part−A(10.8リットル仕上げ用) 水酸化カリウム 430g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2066g ジエチレントリアミン5酢酸 85g 硼酸 36g 炭酸水素ナトリウム 108g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg 5-メチルベンゾトリアゾール 150mg ジエチレングリコール 490g 1-フェニル-4-メチル-4′-ヒドロキソメチル-3-ピラゾリドン 56g ハイドロキノン 280g 水を加えて 3600mlに仕上げる Part−B(10.8リットル仕上げ用) 氷酢酸 62.9g n-アセチル-D,L-ペニシラミン 1.62g グルタルアルデヒド 69.8gスターター処方(1.0リットル仕上げ用 ) 氷酢酸 138g 沃化カリウム 表1に示す量 臭化カリウム 表1に示す量 5-メチルベンゾトリアゾール 1.5g CH3N(C3H6NHCONHC2H4SC2H5)2 20mg 水を加えて 1.0lに仕上げる定着液処方(16.4リットル仕上げ ) Part-A チオ硫酸ナトリウム(70wt/vol%) 4100g 亜硫酸ナトリウム 410g 酢酸ナトリウム 250g 氷酢酸 365g 酒石酸 52.5g 硼酸 82g 硫酸アルミニウム 156g 水を加えて 5000mlに仕上げる 〈銀色調の評価〉銀色調の評価用試料として、前記実施
例で調製した試料フィルムを現像後の濃度が1.2±0.05
になるように露光し、像処理は自動現像機SRX-503を一
部改造して、上記処理剤を用いて30秒処理モードで、現
像温度35℃、定着温度33℃で、水洗水は18℃で毎分7リ
ットルを供給した。乾燥温度は50℃として処理を行っ
た。スタータは、前記スタータを現像液1リットル当た
り20cc添加した。
【0087】処理工程 工 程 処理温度 補充量 挿 入 − 現像+渡り 35 表1に示す量 定着+渡り 33 表1に示す量 水洗+渡り 18 スクイズ 40 乾 燥 50 用いた自動現像機の各槽の容量は現像液が16リットル、
定着槽が10リットル、水洗槽が10イットルであり、クリ
ンカ205([株]日板研究所製造、販売、主成分SiO2,A
l2O3,Ag+イオンセラニクスの粒度1.0〜1.5mm、比重2.5
〜2.6)200gを20メッシュのポリエチレン製織布で製袋
した袋に充填し、水洗槽の水洗水供給部付近に浸漬させ
た。また、乾燥は赤外線ヒータ(ヒータ温度220℃)と
温風60℃を併用した。
【0088】得られた試料フィルムを色温度7700ケルビ
ン、照度11600ルックスの光源台上で透過光を用いて以
下に記した評価規準で銀色調、ローラマークを評価し
た。
【0089】評価基準 1 : 青みかかった黒色 2 : 赤みかかった黒色 3 : 黄色みかかった黒色 〈ローラマーク〉前記実施例で作成した四つ切りの試料
フィルムを、未露光で前記同様の条件で現像処理し、処
理フィルムのローラマークの発生を目視で判定した。
【0090】評価基準 1:ローラマークの発生ない 2:発生するが軽微であり、全く問題がない 3:淡いローラマークが発生するが、実用上支障なし 4:ローラマークが発生し、実用上支障あり 5:濃いローラマークが発生し、実用不能 以上の評価結果を表1に示した。
【0091】
【表1】
【0092】
【発明の効果】表1に示す如く、沃素イオン(沃化カリ
ウム)を含有せしめたスタータを用いた現像開始液での
処理は、現像液の低補充処理でも現像開始時とランニン
グ液とで処理した画像で銀色調が変わらない。また開始
液(新液)でのローラマークも改善された。特に膨潤率
200%以下のフィルムで効果が顕著である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真感光材料の現像液に添
    加して現像を開始する現像開始剤において、該現像開始
    剤が沃素イオンを含み、かつ補充量が1平方当たり350
    ミリリットル以下であることを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 水膨潤率が200%以下である、少なくと
    も1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真
    感光材料を現像処理する請求項1記載のハロゲン化銀写
    真感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 水膨潤率が200%以下である、少なくと
    も1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真
    感光材料を、15秒以下の現像時間で処理する請求項1記
    載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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