JPH0756256A - 高感度かつ迅速処理可能なハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

高感度かつ迅速処理可能なハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0756256A
JPH0756256A JP19854393A JP19854393A JPH0756256A JP H0756256 A JPH0756256 A JP H0756256A JP 19854393 A JP19854393 A JP 19854393A JP 19854393 A JP19854393 A JP 19854393A JP H0756256 A JPH0756256 A JP H0756256A
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silver
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JP19854393A
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Masaaki Taguchi
雅昭 田口
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度超迅速処理ハロゲン化銀写真感光材料
の開発。 【構成】 下記条件を満足するヨウ臭化銀粒子又は塩ヨ
ウ臭化銀粒子を投影面積で30%以上含有するハロゲン化
銀写真感光材料。 (1)平均粒径が0.5μm以下。 (2)(111)面/(100)面の比率が60%以下の
粒子 (3)Vcore/VTotal<0.3

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、更には、高感度、超迅速処理性を有したハロ
ゲン化銀写真感光材料の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料は、どの分野
においても、近年迅速処理化が進んできた。更なる迅速
処理化及び大量処理を達成するためには、処理液の低補
充化、現像・定着・水洗・乾燥の各工程の時間短縮を行
わなければならない。
【0003】そのためには、感光材料の処理性の向上が
不可欠であり、具体的には銀量低下・粒子表面付近のヨ
ウ化銀含有率の低下などが必要となる。増感技術の研究
は近年きわめて盛んに行われており、その成果も例えば
特開昭61-80237号に開示されているごとくあがってきて
いる。
【0004】しかし、特開平2-50147号にみられるごと
く医療用X線感光材料等を高感度でありながら、ハロゲ
ン銀粒子径を比較的小粒径とし、しかも迅速処理性を持
たせることは充分に達成できていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】比較的小粒径で高感度
・超迅速処理可能なハロゲン化銀写真感光材料を提供す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
の少なくとも一方の側に少なくとも1層の感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層を有する写真感光材料において、該乳剤層
が下記条件を満足するヨウ臭化銀粒子又は塩ヨウ臭化銀
粒子を投影面積で30%以上含有することを特徴とするハ
ロゲン化銀写真感光材料によって達成される。
【0007】(1)平均粒径が0.5μm以下。
【0008】(2)(111)面/(100)面の比率
が60%以下。
【0009】(3)Vcore/VTotal<0.3 Vcore :コア成長までの粒子の体積 VTotal :最終粒径での粒子の体積 更に、ハロゲン化銀乳剤が下記一般式〔1〕及び/又は
〔2〕で表される増感色素から選ばれる少なくとも1種
の増感色素で分光増感されていることにより、よりよく
達成される。
【0010】
【化3】
【0011】式中、R1及びR2は各々置換もしくは無置
換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、
又は置換もしくは無置換のアリール基を表し、少なくと
もR1とR2いずれかはスルホアルキル基又はカルボキシ
アルキル基である。
【0012】R3はアルキル基を表す。
【0013】X-はアニオン、Z1及びZ2は各々置換基
を有してもよいベンゼン環又はナフト環を完成するに必
要な非金属原子群、nは1又は2を表す。
【0014】(但し、分子内塩を形成するときはnは1
である。)
【0015】
【化4】
【0016】式中、R1及びR3は各々置換もしくは無置
換のアルキル基、R2及びR4は各々アルキル基、ヒドロ
キシアルキル基、スルホアルキル基又はカルボキシルア
ルキル基、X-はアニオン、Z1及びZ2は各々置換基を
有してもよいベンゼン環又はナフト環を完成するに必要
な非金属原子群、nは1又は2を表す。
【0017】(但し、分子内塩を形成するときはnは1
である。) 次に本発明に係る増感色素の一般式〔1〕及び〔2〕で
表される化合物について具体例を示すが、本発明はこれ
に限定されない。
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】
【0022】粒子の(100)面/(111)面比率の
測定は、各種の方法により判定できる。例えば、平田明
による方法を用いることができ、この方法は“ブレティ
ンオブ ザ ソサイアティ オブ サイエンスティフィ
ック フォトグラフィ オブ ジャパン”No.13,5〜
15ページ(1963)に記載されている。
【0023】又、クベルカムンクの色素吸着法により判
定できる。この方法では、(100)面あるいは(11
1)面のいずれかに優先的に吸着し、かつ(100)面
上の色素の会合状態と(111)面上の色素の会合状態
が分光スペクトル的に異なる色素を選択する。このよう
な色素を乳剤に添加し、色素添加量に対する分光スペク
トルを詳細に調べることにより、(100)面/(11
1)面比率を決定できる。
【0024】ハロゲン銀粒子表面の(100)面の割合
については、詳しくは、谷忠昭著「色素の吸着現像を利
用した写真乳剤中のハロゲン化銀微粒子の晶相の同定」
日本化学会誌6,942〜946(1984)に記載された方法に
よって求めることができる。
【0025】又、ハロゲン銀粒径については電子顕微鏡
写真撮影を行って求める方法等公知の測定法によって求
めることができる。
【0026】更にハロゲン化銀粒子の作り方についても
公知のコアシェル乳剤作成法を用いればよいが、具体的
には、例えば特開昭61-116349号(特公平5-14887号)の
実施例記載の方法等がある。
【0027】
【作用】次に、本発明のハロゲン化銀乳剤層は、現像処
理中の膨潤率が150〜250%が好ましく、膨張後の膜厚が
70μm以下が好ましい。水膨潤率が250%を越えると乾燥
不良を生じ、例えば自動現像機処理、特に迅速処理にお
いて搬送不良も併発する。また、 水膨潤率が150%未満
では現像した際に現像ムラ、残色特性が劣化する傾向が
ある。ここで、水膨潤率とは各処理液中で膨潤した後の
膜厚と、現像処理前の膜厚との差を求め、これを処理前
の膜厚で除して100倍したものを言う。
【0028】本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学
熟成前後の工程において、各種の写真用添加剤を用いる
ことができる。公知の添加剤としては、例えばリサーチ
・ディスクロージャーNo.17643(1978年12月)、同No.1
8716(1979年11月)及び同No.308119(1989年12月)に
記載された化合物が挙げられる。これら三つのリサーチ
・ディスクロージャーに示されている化合物の種類と記
載箇所を以下に掲載した。
【0029】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 III 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 界面活性剤 26〜27 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1009〜4 XXII 支持体 28 XVII 1009 XVII 又、 このハロゲン化銀乳剤は、乳剤層又はその他の層に
現像薬、例えばアミノフェノール、アスコルビン酸、ピ
ロカテコール、ハイドロキノン、フェニレンジアミン又
は3-ピラゾリドンを含んでもよい。
【0030】本発明に係る感光材料に用いることのでき
る支持体としては、例えば前述のRD-17643の28頁及びRD
-308119の1009頁に記載されているものが挙げられる。
【0031】適当な支持体としてはプラスチックフィル
ムなどで、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくす
るために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射
などを施してもよい。
【0032】次に本発明の感光材料の好ましい現像処理
について述べる。
【0033】本発明の感光材料を現像する好ましい現像
液としては現像主薬として、特開平4-15641号、特開平4
-16841号などに記載のジヒドロキシベンゼン、例えばハ
イドロキノン、パラアミノフェノール類、例えばp-アミ
ノフェノール、N-メチル-p-アミノフェノール、2,4-ジ
アミフェノールなど、3-ピラゾリドン類としては、例え
ば1-フェニル-3-ピラゾリドン類、1-フェニル-3-ピラゾ
リドン、1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-
ピラゾリドン、5,5-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリド
ン等で、又これらを併用して用いることが好ましい。
【0034】又、上記パラアミノフェノール類、3-アミ
ノピラゾリドン類の好ましい使用量は0.004モル/リッ
トルであり、より好ましくは0.04〜0.12モル/リットル
である。
【0035】又、これら全現像処理液構成成分中に含ま
れるジヒドロキシベンゼン類、パラアミノフェノール
類、3-ピラゾリドン類の総モル数が0.1モル/リットル
以下が好ましい。
【0036】保恒剤としては、亜硫酸塩類、例えば亜硫
酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、レダクトン類、例えば
ピペリジノヘキソースレダクトンなどを含んでもよく、
これらは、好ましくは0.2〜1モル/リットル、より好
ましくは0.3〜0.6モル/リットル用いるのがよい。 又、
アスコルビン酸類を多量に添加することも処理安定性に
つながる。
【0037】アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第三
燐酸ナトリウム、第三燐酸カリウムの如きpH調節剤を含
む。さらに特開昭61-28708号明細書記載の硼酸塩、特開
昭60-93439号明細書記載のサッカローズ、アセトオキシ
ム、5-スルホサリチル酸、燐酸塩、炭酸塩などの緩衝剤
を用いてもよい。これらの薬剤の含有量は現像液のpHを
9.0〜13、好ましくはpH10〜12.5とするように選ぶ。
【0038】溶解助剤としては、ポリエチレングリコー
ル類、およびこれらのエステルなど、増感剤としては、
例えば四級アンモニウム塩など、現像促進剤、界面活性
剤などを含有させることができる。
【0039】銀スラッジ防止剤としては、特開昭56-106
244号明細書記載の銀汚れ防止剤、特開平3-51844号明細
書記載のスルフィド、ジスルフィド化合物、特願平4-92
947号明細書記載のシステイン誘導体あるいはトリアジ
ン化合物が好ましく用いられる。
【0040】有機抑制剤としてアゾール系有機カブリ防
止剤、例えばインダゾール系、 イミダゾール系、ベンツ
イミダゾール系、 トリアゾール系、ベンツトリアゾール
系、テトラゾール系、チアジアゾール系化合物が用いら
れる。
【0041】無機抑制剤としては、臭化ナトリウム、臭
化カリウム、沃化カリウムなどを含有する。この他、L.
F.A.メンソン著「フォトグラフィック・プロセッシング
・ケミストリー」フォーカルプレス社刊(1966年)の22
6〜229頁、米国特許2,193,015号、同2,592,364号、特開
昭48-64933号明細書などに記載のものを用いてもよい。
処理液に用いられる水道水中に混在するカルシウムイオ
ンを隠蔽するためのキレート剤には、有機キレート剤と
して特開平1-193853号明細書記載の鉄とのキレート安定
化定数が8以上のキレート剤が好ましく用いられる。 無
機キレート剤としてヘキサメタ燐酸ナトリウム、ヘキサ
メタ燐酸カルシウム、ポリ燐酸塩等がある。
【0042】現像硬膜剤としてはジアルデヒド系化合物
を用いてもよい。この場合、グルタルアルデヒドが好ま
しく用いられる。
【0043】本発明の現像剤の処理温度は、好ましくは
25〜50℃で、より好ましくは30〜40℃である。現像時間
は5〜90秒であり、より好ましくは8〜60秒である。処理
時間はDry to Dryで好ましくは20〜210秒、より好まし
くは30〜90秒である。
【0044】本発明における補充は、処理剤疲労と酸化
疲労相当分を補充する。補充法としては、特開昭55-126
243号に記載の幅、送り速度による補充、特開昭60-1049
46号記載の面積補充、特開平1-149156号記載の連続処理
枚数によりコントロールされた面積補充でもよく、好ま
しい補充量は150〜500ml/m2である。
【0045】好ましい定着液としては、当業界で一般に
用いられている定着素材を含むことができる。pH値は3.
8以上、 好ましくは4.2〜5.5である。定着剤としては、 チ
オ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウムなどのチオ硫
酸塩であり、定着速度からチオ硫酸アンモニウムが特に
好ましい。 該チオ硫酸アンモニウムの濃度は0.1〜5mol
/リットルの範囲が好ましく、より好ましくは0.8〜3mo
l/リットルの範囲である。
【0046】本発明の定着液は酸性硬膜を行うものであ
ってもよい。この場合硬膜剤としてはアルミニウムイオ
ンが好ましく用いられる。例えば硫酸アルミニウム、塩
化アルミニウム、カリ明礬などの形態で添加するのが好
ましい。
【0047】その他本発明の定着液には、所望により亜
硫酸塩、重亜硫酸塩等の保恒剤、酢酸、硼酸等のpH緩衝
剤、鉱酸(硫酸、硝酸)や有機酸(クエン酸、蓚酸、リ
ンゴ酸など)、塩酸などの各種酸や金属水酸化物(水酸
化カリウム、ナトリウム)等のpH調整剤や硬水軟化能を
有するキレート剤を含むことができる。
【0048】定着促進剤としては、例えば特公昭45-357
54号、同58-122535号、同58-122536号記載のチオ尿素誘
導体、米国特許4,126,459号記載のチオエーテルなどが
挙げられる。
【0049】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されない。
【0050】[種乳剤の調製]60℃、pAg=8、pH=2.0
にコントロールしつつ、ダブルジェット法で平均粒径0.
27μmのヨウ化銀2.0モル%を含むヨウ臭化銀の単分散立
方晶乳剤を得た。この乳剤の電子顕微鏡写真から、双晶
粒子の発生率は、個数で1%以下であった。
【0051】この粒子を脱塩した後、ゼラチン水溶液を
加えて再分散した。
【0052】こうして、種乳剤Aを得た。
【0053】同様にして平均粒径0.09μmの種乳剤Bを
調製した。
【0054】[種乳剤からの成長]この種乳剤Aのう
ち、成長に使用される全ハロゲン化銀の38.9%にあたる
量を種晶として以下のようにして成長させた。
【0055】すなわち、40℃に保たれた保護ゼラチンを
含みアンモニア濃度0.16規定の溶液にこの種晶を溶解さ
せ、更に氷酢酸によりpHを8.5に調整した。
【0056】この液を母液として、3.2規定のアンモニ
ア性銀イオン水溶液及びハライド水溶液を、ダブルジェ
ット法で添加し、撹拌、混合を行った。
【0057】この際、表1に示すような条件で沃化銀含
有率の高いコア部分を形成した。
【0058】
【表1】
【0059】次にpAgを9.0かつpH値を8.5に保ち、臭化
銀のシェルを形成した。同様にして表1に示されるよう
な17種類の単分散乳剤を作成した。表1の条件以外はE
−1と同様の条件で行った。
【0060】E−2及びE−5については粒子成長終了
時の3分間、40℃でKBrを添加し、pAgを11.5にして熟成
を行った。この時、粒子は(100)面をもつ立方体か
ら角がとれて、全体に丸みをおびた。得られた試料を、
平田明による“ブレティンオブ ザ ソサイアティ オブ
サイエンスティフィック フォトグラフィ オブ ジャパ
ン”No.135、15頁(1963)に基づき、日本電子製JPX-1
0RAを用いてX線による回析を行った。
【0061】これにより(111)面と(100)面の
比率を求めた。結果は表1に示す。得られた17種の乳剤
は、全ハロゲン化銀に対するヨウ化銀の割合は全体で2.
4モル%であり、平均粒径は0.37μmであった。S/rは
0.12の単分散粒子であった。
【0062】次いで過剰な塩類を除去するため、デモー
ル-N水溶液(花王アトラス社製)及び硫酸マグネシウ
ム水溶液を用いて沈殿脱塩を行い、ハロゲン化銀1モル
当たりオセインゼラチン9.2gを含むゼラチン水溶液を加
え撹拌再分散した。
【0063】試料の調製、処理及び評価 得られたE−1〜E−17のそれぞれのハロゲン化銀乳剤
に銀1モル当たりの容積が300mlになるよう純水を加え
てから50℃とし、後掲の分光増感色素AとBを100:1
の重量比で合計の量をハロゲン化銀1モル当たり320mg
になるように添加した。
【0064】10分後にチオシアン酸アンモニウム塩を銀
1モル当たり4×10-3モル加えて、適当量の塩化金酸と
ハイポを添加し、更に下記のセレン増感剤を4.5mg添加
して化学熟成を開始した。
【0065】
【化9】
【0066】化学熟成終了70分前にAgI微粒子を銀1
モル当たり、各々3.0g添加し、その後4-ヒドロキシ-6-
メチル-1,3,3a,7-テトラザインデンを添加し化学熟成を
終了した。
【0067】得られた乳剤には後掲の乳剤用添加剤を加
えて調製液とした。
【0068】なお、写真乳剤塗布液調製後のpHは6.2
0、銀電位は80mV(35℃)となるように炭酸ナトリウム
と臭化カリウム液を用いて調整した。
【0069】この乳剤塗布液を用いて、次のように試料
を調製した。即ち、写真乳剤層は金属銀換算量として片
面当たり2.8g/m2となるように、かつゼラチン量として
写真乳剤層の片面当たりのゼラチン量が2.1g/m2になる
ように調液した。
【0070】又、後掲の添加物を用いて保護層液を調製
した。該保護層はゼラチン付量として0.9g/m2となるよ
うに塗布した。又、後掲添加剤を含有させてバッキング
層用塗布液を調製した。
【0071】支持体の一方の側に前記に調製した乳剤層
と保護層とを、又乳剤層とは反対側にバッキング層を形
成するよう2台のスライドホッパー型コーターを用い毎
分80mのスピードで両面同時塗布を行い、2分20秒で乾
燥し、試料を得た。なお、バッキング層はゼラチン付量
として2.5g/m2となるように塗布した。支持体として
は、グリシジメタクリレート50wt%、メチルアクリレー
ト10wt%、ブチルメタクリレート40wt%の3種モノマー
からなる共重合体の濃度が10wt%となるように希釈して
得た共重合体水性分散液を下引き液として塗設した175
μmのX線フィルム用を用いた。これは濃度0.15に青色
着色したポリエチレンテレフタレートフィルムベースで
ある。
【0072】(分光増感色素A) 5,5′-ジクロロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピ
ル)-オキサカルボシアニンナトリウム塩の無水物 (分光増感色素B) 5,5′-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,1′-ジエチル-3,3′
-ジ-(4-スルホブチル)-ベンゾイミダゾロカルボシアニ
ンナトリウム塩の無水物 乳剤にはそれぞれに次の添加剤を加えた。添加量はハロ
ゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0073】 石灰処理イナートゼラチン 72g 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 10mg t-ブチル-カテコール 70mg ポリビニルピロリドン(分子量 10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.0g トリメチロールプロパン 10g ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 5mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 2.0g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 1.5mg 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 15mg C4H9OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1.5g
【0074】
【化10】
【0075】 (バッキング層液組成) 塗布液1リットル当たり 石灰処理イナートゼラチン 68g
【0076】
【化11】
【0077】
【化12】
【0078】 ポリメチルメタクリレート粒子 (平均粒径5μmのマット剤) 1.1g ホルマリン水溶液 (35%) 0.8ml グリオキザール水溶液 (40%) 0.9ml 塩化ナトリウム 1g また保護層に用いた添加剤は次の通りである。添加量は
塗布液1l当たりの量で示す。
【0079】 石灰処理イナートゼラチン 58g 酸処理ゼラチン 2g ナトリウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 1.0g ポリメチルメタクリレート 面積平均粒径3.5μmのマット剤 0.4g 二酸化ケイ素粒子 面積平均粒径1.2μmのマット剤 0.7g ルドックスAM(デュポン社製) コロイドシリカ 3g 2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩の 2%水溶液(硬膜剤) 10ml グリオキザール40%水溶液(硬膜剤) 5.0ml ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル(硬膜剤) 500mg
【0080】
【化13】
【0081】得られた試料について以下のような評価を
行った。
【0082】(センシトメトリー)「新編/照明のデータ
ーブック」(社団法人照明学会第一版 第二刷)39頁に
記載の標準の光りBを光源として、試料を露光時間0.1
秒、3.2CMSでノンフィルターで露光するいわゆる白色露
光を行った。感度は黒化濃度が1.0だけ増加するのに必
要な光量の逆数から求め、試料No.1の感度を100とした
ときの相対感度で示した。
【0083】またコントラスト(γ)は、特性曲線上で
カブリ+0.25の濃度の点とカブリ+2.0の濃度の点をむ
すんだ直線のガンマで示した。
【0084】なお現像は自動現像機SRX-502(コニカ
〔株〕製)で下記組成の現像液及び定着液を用い、下記
の工程イ,ロで処理した。なお、工程ロは自動現像機SR
X-502を改造して行った。
【0085】 処理工程 工程 イ 工程 ロ 工程 処理温度(℃) 処理時間(秒) 補充量 処理時間(秒) 挿入 − 1.2 0.7 現像+渡り 35 14.6 270ml/m2 10.5 定着+渡り 33 8.2 430ml/m2 7.8 水洗+渡り 18 7.2 7.0l/分 6.3 スクイズ 42 5.7 4.3 乾燥 48 8.1 6.4 合計 − 45.0 36.0 現像液処方 Part-A(15リットル仕上げ用) 水酸化カリウム 470g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 3000g 炭酸水素ナトリウム 150g ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 45g 5-メチルベンゾトリアゾール 2.0g 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.2g ハイドロキノン 390g 水を加えて 5000mlに仕上げる Part-B(15リットル仕上げ用) 氷酢酸 220g トリエチレングリコール 200g 1-フェニル-3-ピラゾリドン 27g 5-ニトロインダゾール 0.45g n-アセチル-DL-ペニシラミン 0.15g スターター(1リットル仕上げ用) 氷酢酸 138g 臭化カリウム 325g 5-メチルベンゾトリアゾール 1.5g 水を加えて 1リットルに仕上げる 定着液処方 Part-A(19リットル仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 4000g 亜硫酸ナトリウム 175g 酢酸ナトリウム・3水塩 400g クエン酸ナトリウム 50g グルコン酸 38g ホウ酸 30g 氷酢酸 140g Part-B(19リットル仕上げ用) 硫酸アルミニウム(無水塩換算) 65g 硫酸(50wt%) 105g
【0086】
【表2】
【0087】表2から明らかなように、本発明の試料は
比較試料に対し高感度であり、かつ処理工程の差による
感度・コントラストの影響をうけにくく安定した性能が
得られた。
【0088】
【発明の効果】高感度で超迅速処理可能なハロゲン化銀
写真感光材料を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の側に少なくと
    も1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する写真感光材
    料において、該乳剤層が下記条件を満足するヨウ臭化銀
    粒子又は塩ヨウ臭化銀粒子を投影面積で30%以上含有す
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 (1)平均粒径が0.5μm以下。 (2)(111)面/(100)面の比率が60%以下。 (3)Vcore/VTotal<0.3 Vcore :コア成長までの粒子の体積 VTotal :最終粒径での粒子の体積
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀乳剤が下記一般式〔1〕又
    は〔2〕で表される増感色素から選ばれる少なくとも1
    種の増感色素で分光増感されていることを特徴とする請
    求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 式中、R1及びR2は各々置換もしくは無置換のアルキル
    基、置換もしくは無置換のアルケニル基、又は置換もし
    くは無置換のアリール基を表し、少なくともR1とR2
    ずれかはスルホアルキル基又はカルボキシアルキル基で
    ある。R3はアルキル基を表す。X-はアニオン、Z1
    びZ2は各々置換基を有してもよいベンゼン環又はナフ
    ト環を完成するに必要な非金属原子群、nは1又は2を
    表す。(但し、分子内塩を形成するときはnは1であ
    る。) 【化2】 式中、R1及びR3は各々置換もしくは無置換のアルキル
    基、R2及びR4は各々アルキル基、ヒドロキシアルキル
    基、スルホアルキル基又はカルボキシルアルキル基、X
    -はアニオン、Z1及びZ2は各々置換基を有してもよい
    ベンゼン環又はナフト環を完成するに必要な非金属原子
    群、nは1又は2を表す。(但し、分子内塩を形成する
    ときはnは1である。)
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