JPH07252612A - 熱処理装置 - Google Patents

熱処理装置

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JPH07252612A
JPH07252612A JP4608794A JP4608794A JPH07252612A JP H07252612 A JPH07252612 A JP H07252612A JP 4608794 A JP4608794 A JP 4608794A JP 4608794 A JP4608794 A JP 4608794A JP H07252612 A JPH07252612 A JP H07252612A
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water tank
fork
aluminum alloy
furnace
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松実 田渕
Nobuyuki Sakai
信行 坂井
Toshiaki Suzuki
俊昭 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼入れまでの時間の短縮が図れる熱処理装置
を提供する。 【構成】 側面に開口部1Aが形成された熱処理炉本体
1と、前記開口部1Aの開口方向と同方向に配設された
スライド機構たるレール2とを備える。前記レール2に
設置された掲架台たるフォーク4を有する搬送装置たる
自走台車装置3と、前記自走台車装置3のフォーク4の
後方に設けられた前記開口部1Aを閉塞可能な扉体5と
を備える。さらに前記レール2の途中に設けられた冷却
水槽6と、前記冷却水槽6内を昇降自在に設けられた冷
却テーブル75を有する昇降装置たるエレベータ装置7と
を備える。 【効果】 加熱処理の終了から焼入れまでの時間を約8
秒と従来より大幅に短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱処理装置に関し、特に
焼入れまでの時間の短縮が図れるとともに、処理精度の
高い熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材、アルミニウム合金などの熱処理と
しては、溶体化処理、時効硬化処理、焼戻し処理などが
代表的である。特にアルミニウム合金の場合、前記溶体
化処理はアルミニウム合金を460 〜550 ℃程度の固溶温
度以上に加熱し、成分金属を十分に分散固溶させた後、
冷却中に析出しないような速度で急冷(焼入れ)して過
飽和の固溶体を作るものである。このような溶体化処理
を施すことによりアルミニウム合金の強度は大幅に向上
する。したがって、より高強度のアルミニウム合金とす
るためには、過飽和な固溶体をより多く含有することが
必要であり、このためには加熱から焼入れまでの時間が
短いほうがよい。また時効硬化処理は、前記溶体化処理
などの熱処理の際に、急冷により生じる不安定な性質を
安定化するために、常温もしくはそれ以上の温度で長時
間保持することにより、結晶組織中の応力を取り除いて
やり、アルミニウム合金の硬度の向上を図るものであ
る。また、焼戻し処理は前記時効硬化処理による結晶組
織中の応力の開放が急激すぎると割れを生じることがあ
るため、100 〜200 ℃で保持してやることによりこの割
れを防止するものである。上述したようなアルミニウム
合金の熱処理においては、例えば航空材料分野に代表さ
れるような近年の金属材料の軽量化・高強度化に対する
要望から溶体化処理が最も注目されている。
【0003】このようなアルミニウム合金製の部材に溶
体化処理を施すことを主目的とした熱処理装置として
は、例えば上下方向にスライドして開閉する箱型の加熱
炉と、被熱処理体であるアルミニウム合金製部材を収納
するバスケットと、前記バスケットを加熱炉に搬入・搬
出するためのフォーク装置と、アルミニウム合金製部材
を冷却するための冷却水槽とを備えるものが一般的であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】上記従来の熱処理装
置による溶体化処理において、加熱処理したアルミニウ
ム合金製部材の焼入れは、図12にそのフローチャートを
示すように、加熱炉の扉を開け、フォーク装置を前進さ
せてアルミニウム合金製部材を収納したバスケットを前
記フォーク装置に掲架したら前記フォーク装置を上昇さ
せ、次にフォーク装置を後退させ、続いてこのフォーク
装置を下降させて前記バスケットをおろし、さらにこの
バスケットをホイストなどにクレーン装置により冷却水
槽に浸漬する工程からなる。しかしながら、前記従来の
熱処理装置による加熱処理から焼入れまでの工程は繁雑
であり、しかもそれぞれの工程は断続的にしか行えない
ので、その所要時間はどんなに急いでも15秒程度が限界
である。近年の航空材料などの分野ではアルミニウム合
金の一層の高強度化が要求されており、前記加熱処理か
ら焼入れまでの所要時間が15秒程度では、アルミニウム
合金を十分に高強度化するのは困難であるという問題点
がある。このため溶体化処理における加熱処理から焼入
れ(冷却)までの所要時間の一層の短縮化が望まれてい
る。
【0005】また、前記従来の熱処理装置のように箱型
の炉では、被熱処理体であるアルミニウム合金製部材間
で炉壁との距離が相違することになるため、各部材間で
加熱ムラが生じる。またこの傾向が顕著な場合には同一
アルミニウム合金製部材内でも温度差が生じることがあ
る。前記アルミニウム合金製部材間で加熱ムラが生じた
場合には、溶体化処理後のアルミニウム合金製部材間で
強度が相違し、均一な部材が得られないという問題点が
ある。また同一アルミニウム合金製部材内で温度差が生
じた場合には、同一アルミニウム合金製部材内に強度分
布の不均一が生じ、製品の信頼性が低下するという問題
点がある。
【0006】本発明は、このような問題を解決しようと
するもので、焼入れまでの時間の短縮が図れる熱処理装
置を提供することを目的とする。また、本発明は、溶体
化処理における被熱処理体間およびも同一被熱処理体内
の処理精度の高い熱処理装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の熱処
理装置は、側面に開口部を有する熱処理炉本体と、前記
開口部の開口方向と同方向に配設されたスライド機構
と、前記スライド機構に設置された掲架台を有する搬送
装置と、前記掲架台の後方で前記搬送装置に固定された
前記開口部を閉塞可能な扉体と、前記スライド機構の下
部に設けられた冷却水槽と、前記冷却水槽内を昇降自在
に設けられた昇降装置とを備えるものである。
【0008】また請求項2の熱処理装置は、前記熱処理
炉本体が略円筒形状の内面を形成する炉壁を有し、前記
扉体が前記熱処理炉本体の炉壁の円筒形状と概ね同じ曲
率の円弧状面を前面に有するものである。
【0009】さらに請求項3の熱処理装置は、前記熱処
理炉本体の上部に対流装置を有するものである。
【0010】
【作用】本発明の請求項1の構成によれば、熱処理炉本
体の扉体と、例えばアルミニウム合金製部材などの被熱
処理部材の掲架台を有する搬送装置とを一体化し、前記
扉体のスライド途中に冷却水槽を設けているため、扉体
の開閉と被熱処理部材の搬入・搬出と、冷却水槽への浸
漬とを連続的な動作で行うことができるので、焼入れま
での時間を約8秒と従来より大幅に短縮することがで
き、これにより被熱処理部材の高強度化を図ることがで
きる。
【0011】また請求項2の構成によれば、前記熱処理
炉本体が略円筒形状の内面を形成する炉壁を有し、前記
扉体が前記熱処理炉本体の炉壁の円筒形状と概ね同じ曲
率の円弧状面を前面に有するものであるので、熱処理炉
内の温度分布を均一にすることができ、溶体化処理にお
ける被熱処理体間および同一被熱処理体内の処理精度の
向上を図ることができる。
【0012】さらに請求項3の構成によれば、前記熱処
理炉本体の上部に対流装置を有するので、熱処理炉内の
温度分布を一層均一にすることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を添付図面を参照
して説明する。図1乃至図10は本発明の第1実施例によ
る熱処理装置を示し、同図において1は略円筒形状の熱
処理炉本体であり、この熱処理炉本体1の側面には開口
部1Aが形成されている。また前記熱処理炉本体1には
前記開口部1Aの開口方向と同方向にスライド機構たる
一対のレール2が配設されている。前記レール2には被
熱処理部材たるアルミニウム合金製部材91の掲架台たる
4本の歯部を有するフォーク4を先端部に有する搬送装
置たる自走台車装置3が前記レール2上を図1中の左右
方向に移動可能に設置されている。また前記自走台車装
置3のフォーク4の図1中の右側には前記開口部1Aに
ぴったりと嵌まる扉体5が固定されている。さらに、前
記レール2の下部には冷却水槽6が設けられており、こ
の冷却水槽6内からおよそ前記レール2の位置まで昇降
自在に冷却テーブル75を有する昇降装置たるエレベータ
装置7が配設されている。
【0014】前記熱処理装置において熱処理炉本体1
は、図3および図4に示すように円筒形状の内面を有す
る炉壁11と、前記炉壁11内に配置された前記開口部1A
とほぼ同じ位置で開口したマッフル12と、前記炉壁11と
マッフル12との間隙に前記円筒形状の炉壁11の天面から
挿入されたヒータたる6本のラジアントチューブヒータ
13と、前記マッフル12を炉壁11に固定するために炉壁11
の側面を貫通して取付けられた複数の固定部材14とを備
える。また、前記炉壁11の天面の略中央には開孔部1B
が形成されており、前記開孔部1Bには前記炉壁11内の
エアーを図1の矢印のように対流させる対流ファンたる
シロッコ型のファン15Aを備える対流装置15が配設され
ている。なお、16は排気ダンパー16Aを備える排気管で
あり、17は前記対流装置15の遮熱板であり、18は熱処理
炉本体1の載置台である。
【0015】また、自動台車装置3は、図5および図6
に示すように前記一対のレール2と概ね同じ幅の矩形の
枠体31と、前記枠体31の図6の上下方向から左側に突出
して設けられた駆動アーム32と、前記枠体31の中央部に
配置された駆動装置33と、前記枠体31の左側面に取り付
けられた扉体5と、前記扉体5の下方に突出して設けら
れた4本の歯部を有するフォーク4とを備える。前記駆
動アーム32は、先端部に前記レール2に対応したガイド
車輪32Aを有し、前記駆動装置33はインバータモータ33
Aと前記インバータモータ33Aに接続された駆動軸33B
とを備え、前記駆動軸33Bの両端部には前記ガイド車輪
32Aと同一直線上に駆動車輪33Cが設けられている。な
お34は、ケーブルリールである。また、扉体5は前扉51
と、前記前扉51と一体的に形成された前記炉壁11の内面
と概ね同じ曲率の円弧状面を前面に有する扉部炉壁52
と、前記マッフル12と概ね同じ曲率で円弧状に彎曲した
マッフル部材53とを備え、前記前扉51の上部及び下部の
2か所で固定部材54により前記枠体31に固定されてい
る。前記マッフル部材53の周縁部にはパッキン(図示せ
ず)が設けられている。また固定部材54は、本実施例に
おいては楕円形の打ち抜き部54Aが3か所に形成されて
いる。このような打ち抜き部54Aを形成することによ
り、前記前扉51からの熱が枠体31に伝達されるのを抑制
することができる。さらに前記マッフル部材53および扉
部炉壁52の下端部を貫通して前記前扉51に4本の歯部を
有するフォーク4が取り付けられている。このフォーク
4は、本実施例においては前記前扉51と固定部材4Aを
介して接するようにわずかに間隙をもって取付けられて
いる。このようにフォーク4を前扉51とわずかに間隙を
もって取付けることにより、前記フォーク4からの熱が
枠体31に伝達されるのを抑制することができる。
【0016】冷却水槽6は、図7および図8に示すよう
に内面に4本の垂直方向のガイドレール61Aを有する水
槽本体61と、前記水槽本体61の底部配設されたにプラグ
ヒータ62と、循環装置63とを備える。前記循環装置63
は、前記水槽本体61の上部に形成された吸入孔64と、前
記水槽本体61の下部に形成された排出孔65と、前記吸入
孔64と排出孔65とを接続するパイプ66と前記パイプ66に
取付けられた循環ポンプ67と、前記排出孔65に接続され
た噴射ノズル68Aを有する噴射装置68とからなる。な
お、66A,66Bはバルブ機構であり、69はサーモスタッ
ドである。このような冷却水槽6において水槽本体61内
に注入された水はプラグヒータ62により加熱され、循環
ポンプ67により循環されることによりほぼ均一な温度分
布となる、しかもサーモスタッド69により冷却水槽6中
の水は所定の温度に保持される。
【0017】また、エレベータ装置7は、前記水槽本体
61の上端部に設置された4本の柱状部材71と、前記柱状
部材71の上端部に取付けられた枠体72と、前記枠体72上
に取付けられた駆動スプロケット73と、前記駆動スプロ
ケット73を駆動する駆動装置74と、冷却テーブル75とを
有し、前記冷却テーブル75は四隅に孔部を有するフラン
ジ部75Aが形成されており、前記フランジ部75Aの孔部
にはチェーンベルト76が取付けられており、前記チェー
ンベルト76を前記駆動スプロケット73に掲掛することに
より冷却テーブル75が垂設されている。また前記冷却テ
ーブル75は下面四隅に脚部77を有し、前記脚部77の先端
には前記ガイドレール61Aに対応したガイドローラー77
Aが取付けられている。さらに前記冷却テーブル75の上
面には3本の突条78が前記フォーク4の歯部と相補的に
形成されている。前記突条78の高さは、前記フォーク4
の歯部の高さよりも高い。なお、79はバランスウエイト
である。上述したようなエレベータ装置7において前記
駆動装置74を駆動して前記駆動スプロケット73を回転さ
せ、チェーンベルト76を巻取・開放すると、ガイドロー
ラー77Aがガイドレール61A上を回動しながら上下しこ
れとともに冷却テーブル75が前記水槽本体61内を垂直方
向に昇降する。
【0018】前記構成につきその作用を説明する。ま
ず、水槽本体61に所定の位置まで水を注入し、プラグヒ
ータ62により所定の温度まで加熱する。また、ラジアン
トチューブヒータ13により加熱炉本体2を加熱してお
く。このとき自走式台車装置3は図1に示すように後退
限の位置にある。次に図9に例示するようにアルミニウ
ム合金製部材91を積載したバスケット92をホイスト式等
のクレーン装置(図示せず)によりフォーク4上に掲架
する。続いてインバータモータ33Aを正方向に駆動して
駆動軸33Bを駆動すると駆動車輪33Cが図5中の実線の
矢印の方向に回転し、自走台車装置3がレール2上を前
進する。前記自走台車装置3が限界まで前進すると、図
10に示すように扉体5が前記熱処理炉本体1の開口部1
Aにぴったりと嵌まる。そうすると、扉部炉壁52は前記
炉壁11の円筒形状の一部を構成する。また、マッフル部
材53もマッフル12の開口部にぴったりと嵌まり一体的に
円筒形状を形成する。次にアルミニウム合金製部材91の
加熱処理を開始する。前記加熱処理温度は、100 〜600
℃の範囲内で所望とする処理に応じた温度とすることが
可能であるが、本実施例のように溶体化処理の場合に
は、460 〜550 ℃とするのが好ましい。また、焼戻し処
理の場合には100 〜200 ℃とするのが好ましい。この
時、シロッコ型のファン15Aを回転させることにより、
炉内のエアーを図1中に矢印で示すように対流させる。
このように、加熱処理炉を円筒形とするとともにファン
15Aにより炉内のエアーを対流させることにより、炉
内、特にマッフル12内の温度分布を3℃以下、好ましく
は2.7 ℃以下にすることができる。マッフル12内の温度
分布を3℃以下、好ましくは2.7 ℃以下にすることによ
り、アルミニウム合金製部材91間およびも同一アルミニ
ウム合金製部材91内の溶体化処理の精度を向上させるこ
とができる。上述したような加熱処理時間は、4〜12時
間程度好ましくは6〜8時間である。
【0019】次に焼入れを行う。まず、インバータモー
タ33Aを逆方向に駆動すると駆動車輪33Cが図5中の一
点鎖線の矢印の方向に回転し、自走台車装置3が後退を
はじめるとともに扉体5が開く。前記フォーク4がエレ
ベータ装置7の位置(図10中の二点鎖線の位置A)にま
できたら一旦インバータモータ33Aを停止して自走台車
装置3を停止する。続いて駆動装置74を駆動することに
より、駆動スプロケット73を回転させてチェーンベルト
76を巻き上げ、ガイドレール61Aに沿ってガイドローラ
ー77Aを回動して冷却テーブル75を垂直に上昇させる。
前記冷却テーブル75が限界まで上昇すると、前記突条78
が前記フォーク4の歯部の間隙からバスケット92を下面
から押圧し、前記バスケット92はフォーク4上から浮上
し、冷却テーブル75に載置される。そうしたら自走台車
装置3を再び後退させ、続いて駆動装置74を逆転するこ
とにより駆動スプロケット73を逆方向に回転させて、チ
ェーンベルト76を戻してガイドレール61Aに沿ってガイ
ドローラー77Aを逆方向に回動し冷却テーブル75を下降
させてバスケット92を水槽本体61に浸漬する。上述した
ように本実施例においては、前記扉体5が開き始めてか
らバスケット92を水槽本体61に浸漬するまでを連続的な
動作で行っているので、前記扉体5が開き始めてから約
8秒でバスケット92を冷却水に浸漬することができる。
なお、前記水槽本体61中の水温は60〜90℃であるのが好
ましい。また本実施例においては循環ポンプ67により前
記水槽本体61内の水を強制的に循環しているので、水槽
本体61内の水をほぼ均一な温度とすることができるの
で、均一に焼入れを施すことができる。なお、前記水槽
本体61は例えば600 ℃で加熱したアルミニウム合金製部
材91を浸漬した際の水温上昇が10℃以下となるように適
宜設計するのが好ましい。上述したような焼入れ時間は
1〜5分程度、好ましくは2〜3分である。
【0020】このようにして焼入れを行ったら駆動装置
74を駆動することにより、駆動スプロケット73を回転さ
せて、チェーンベルト76を巻き上げ、ガイドレール61A
に沿ってガイドローラー77Aを回動して冷却テーブル75
を再び上昇させる。前記冷却テーブル75が限界まで上昇
したらインバータモータ33Aを駆動して自走台車装置3
を前記冷却テーブル75の位置まで前進させてフォーク4
を冷却テーブル75とバスケット92の間隙に挿入する。続
いて駆動装置74を逆転することにより、駆動スプロケッ
ト73を逆方向に回転させて、チェーンベルト76を戻して
ガイドレール61Aに沿ってガイドローラー77Aを逆方向
に回動して冷却テーブル75を下降させることにより、バ
スケット92をフォーク4上に掲架する。そうしたインバ
ータモータ33Aを逆方向に駆動し自走台車装置3を後退
限まで移動させ、その後バスケット92をホイスト式等の
クレーン装置(図示せず)により搬出することにより溶
体化処理工程を完了する。以上のような操作を繰り返す
ことによりアルミニウム合金製部材91の加熱処理を連続
的に行うことができる。なお、上述したような熱処理装
置における自走台車装置3の前進・後退、冷却テーブル
75の上昇・下降等の装置の動作は、コントロールパネル
等の制御装置(図示せず)により、完全自動化もしくは
半自動化することができる。
【0021】上述したような本実施例の熱処理装置によ
る溶体化処理において、加熱処理したアルミニウム合金
製部材91の焼入れ(水槽本体61に浸漬)までの工程は図
11にフローチャートで示す通りであり、図12に示す従来
の工程よりも大幅に工程が簡略化されているのがわか
る。これは本実施例の熱処理装置を使用することにより
加熱炉の扉の開閉と、アルミニウム合金製部材91の搬入
・搬出と、アルミニウム合金製部材91の焼入れを同一直
線上で行うことができるためである。しかも、これらの
工程は全て連続的な動作の中で行うことができるので、
この結果、加熱処理終了から焼入れまでの所要時間をお
よそ8秒と従来よりも驚異的に短縮することが可能とな
るのである。
【0022】以上詳述した通り前記第1実施例の熱処理
装置は、側面に開口部1Aが形成された熱処理炉本体1
と、前記開口部1Aの開口方向と同方向に配設されたス
ライド機構たるレール2と、前記レール2に設置された
掲架台たるフォーク4を有する搬送装置たる自走台車装
置3と、前記自走台車装置3のフォーク4の後方に設け
られた前記開口部1Aを閉塞可能な扉体5と、前記レー
ル2の途中に設けられた冷却水槽6と、前記冷却水槽6
内を昇降自在に設けられた冷却テーブル75を有する昇降
装置たるエレベータ装置7とを備えるものである。この
ような本発明の装置を用いることにより加熱処理の終了
から焼入れまでの時間を約8秒と従来より大幅に短縮す
ることができ、高強度アルミニウム合金製部材91を得る
ことができる。特に本実施例においては、前記熱処理炉
本体1が略円筒形状の炉壁たる炉壁11を有し、前記扉体
5が前記熱処理炉本体1の炉壁11と概ね同じ曲率の円弧
状面の扉部炉壁52を前面に有するものであるので、熱処
理炉内の温度分布を3℃以下、好ましくは2.7 ℃以下に
することができ、溶体化処理における被熱処理体である
アルミニウム合金製部材91間および同一アルミニウム合
金製部材91内の処理精度の向上を図ることができる。さ
らに本実施例においては、前記熱処理炉本体1の上部に
対流ファン15Aを有するので、熱処理炉内の温度分布を
一層均一にすることができる。
【0023】以上本発明の第1実施例について添付図面
を参照して説明してきたが、本発明は前記第1実施例に
限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々
の変形実施が可能である。例えば、スライド機構は、前
記第1実施例のようにレールによる必要はなく、種々の
ものを用いることができる。また、本実施例においては
溶体化処理の場合を例に説明してきたが、本実施例の加
熱処理装置は、時効効果、焼戻しにも使用することがで
き、炉内の処理温度は100 〜600 ℃の範囲内で適宜設定
することができる。また、アルミニウム合金製の部材の
場合について説明してきたが、場合によってはインゴッ
ド、棒材、板材などに対しても同様にして処理を施すこ
とができる。さらに、本発明の熱処理装置はアルミニウ
ム合金に限らず、鋼材など種々の金属材料の熱処理に適
用可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明の請求項1の熱処理装置は、側面
に開口部を有する熱処理炉本体と、前記開口部の開口方
向と同方向に配設されたスライド機構と、前記スライド
機構に設置された掲架台を有する搬送装置と、前記掲架
台の後方で前記搬送装置に固定された前記開口部を閉塞
可能な扉体と、前記スライド機構の下部に設けられた冷
却水槽と、前記冷却水槽内を昇降自在に設けられた昇降
装置とを備えるものであるので、焼入れまでの時間を約
8秒と従来より大幅に短縮することができ、これにより
被熱処理体の高強度化を図ることができる。
【0025】また請求項2の熱処理装置は、前記熱処理
炉本体が略円筒形状の内面を形成する炉壁を有し、前記
扉体が前記熱処理炉本体の炉壁の円筒形状と概ね同じ曲
率の円弧状面を前面に有するので、熱処理炉内の温度分
布を均一にすることができ、溶体化処理における被熱処
理体間および同一被熱処理体間内の処理精度の向上を図
ることができる。
【0026】さらに請求項3の熱処理装置は、前記熱処
理炉本体の上部に対流装置を有するので、熱処理炉内の
温度分布を一層均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す部分縦断面図であ
る。
【図2】前記第1実施例を示す部分横断面図である。
【図3】前記第1実施例による加熱炉本体を示す部分縦
断面図である。
【図4】前記第1実施例による加熱炉本体を示す部分横
断面図である。
【図5】前記第1実施例による自走台車装置および扉体
を示す正面図である。
【図6】前記第1実施例による自走台車装置および扉体
を示す部分横断面図である。
【図7】前記第1実施例による冷却水槽およびエレベー
タ装置を示す部分断面正面図である。
【図8】前記第1実施例による冷却水槽およびエレベー
タ装置を示す部分断面側面図である。
【図9】前記第1実施例によるアルミニウム合金製部材
を積載したバスケットを示す斜視図である。
【図10】前記第1実施例による加熱処理工程を示す部
分縦断面図である。
【図11】前記第1実施例の加熱処理装置による焼入れ
工程を示すフローチャートである。
【図12】従来の加熱処理装置による焼入れ工程を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1 熱処理炉本体 2 レール(スライド機構) 3 自走台車装置(搬送装置) 4 フォーク(掲架台) 5 扉体 6 冷却水槽 7 エレベータ装置(昇降装置) 11 炉壁 15A シロッコ型のファン(対流ファン) 52 扉部炉壁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側面に開口部を有する熱処理炉本体と、
    前記開口部の開口方向と同方向に配設されたスライド機
    構と、前記スライド機構に設置された掲架台を有する搬
    送装置と、前記掲架台の後方で前記搬送装置に固定され
    た前記開口部を閉塞可能な扉体と、前記スライド機構の
    下部に設けられた冷却水槽と、前記冷却水槽内を昇降自
    在に設けられた昇降装置とを備えることを特徴とする熱
    処理装置。
  2. 【請求項2】 前記熱処理炉本体が略円筒形状の内面を
    形成する炉壁を有し、前記扉体が前記熱処理炉本体の炉
    壁の円筒形状と概ね同じ曲率の円弧状面を前面に有する
    ことを特徴とする請求項1記載の熱処理装置。
  3. 【請求項3】 前記熱処理炉本体の上部に対流ファンを
    有することを特徴とする請求項1又は2記載の熱処理装
    置。
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