JPH0725224A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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Publication number
JPH0725224A
JPH0725224A JP16891693A JP16891693A JPH0725224A JP H0725224 A JPH0725224 A JP H0725224A JP 16891693 A JP16891693 A JP 16891693A JP 16891693 A JP16891693 A JP 16891693A JP H0725224 A JPH0725224 A JP H0725224A
Authority
JP
Japan
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air
damper
air conditioner
vent
vehicle
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Pending
Application number
JP16891693A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahito Yokouchi
敬人 横打
Yoshihiro Konno
良洋 今野
Naomune Moriyama
尚宗 森山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
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Publication of JPH0725224A publication Critical patent/JPH0725224A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】急速な効果を得られる運転と、安定した環境を
維持する静粛な運転と両立する車両用空調装置を提供す
る。 【構成】急速効果を得られるように空調を運転する場合
には、センタベントやサイドベント,リアベントなどか
ら空調風を強く吹き出して空調の効果を上げるように、
装置内部に設けられた空調風制御用のダンパを制御す
る。一方、室内の温度など環境が安定したなら、センタ
ベントやサイドベントなど、前席に近接した吹き出し口
からの吹き出しをやめ、リアベントの三から吹き出すよ
うにダンパを制御する。今この制御は乗員によるマニュ
アル操作で行われても良いし、車室内の温度をモニタし
てそれに応じて行うようにしても良い。また、リアベン
ト用にファンが付加た装置でも同様である。さらに、リ
アベントを車室中央付近に設けたシロッコファンとした
装置も同様である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の温度や湿度などを
制御する空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用の空調装置では、空調風は
ダッシュボードやその周辺に設けられた空気吹き出し口
から、前部座席に向けて吹き出すようになっているもの
が多かった。また、前部座席のみならず後部座席に空調
風を吹き出すものも提案されており、そのような前部座
席及び後部座席に吹き出し口を有する空調装置として、
実開昭63-66309号には、リヤクーラ付きの空調
ユニットが開示されている。それによれば、クーラから
放出される冷気を、ダクトによって前部座席の背部に設
けた吹き出し口まで導いて吹き出させるというものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術によれば、吹き出し口が前部だけのものであっ
ても、前部座席と後部座席と両方にあるものであって
も、乗員に近い位置に吹き出し口があるため、空調風の
吹き出しによる騒音が乗員の耳につき易かった。空調装
置による急速な効果が求められる場合には、吹き出し口
から乗員に向けて多量の空調風を吹き付けることは効果
的であるが、空調作動後、ある程度の時間が経過して車
両室内が快適な環境となり、それを維持したい場合に
は、それほど強く空調を作動させる必要はない。そのよ
うな場合であっても、乗員は空調風吹き出し口の付近に
位置するために騒音は避け難かった。
【0004】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、即効性のある運転と、室内環境安定後の静粛で効率
的な運転とを両立させた車両用空調装置を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の車両用空調装置は次のような構成からな
る。車室内に複数の空調風吹き出し口を有する車両用空
調装置であって、前記複数の吹き出し口の各々を開閉す
る複数の開閉手段と、該開閉手段による吹き出し口の開
閉状態を指示する指示手段と、該指示手段による指示に
基づいて、前記複数の吹き出し口のうち前席に近接した
吹き出し口からの空調風を止めるべく前記開閉手段を制
御する制御手段と、を備える。
【0006】
【作用】上記構成により、本発明の車両用空調装置は、
指示に従って前席に近接した空調風吹き出し口からの吹
き出しを止め、静粛な運転を行える。
【0007】
【第1実施例】本発明の第1の実施例を、図1〜図5を
参照して説明する。図1は本実施例の空調装置を備えた
車両の居住室内の透視断面図である。図中実線で示され
ているのが空調装置本体である。 <空調装置の構成>図1において、内気取り入れ口と外
気取り入れ口とからブロア101によって空調装置内に
取り込まれた空気は、フロントの(以下、Fで表す)エ
バポレータ102とヒータ103及びリアの(以下、R
で表す)エバポレータ104とにより適正な温度に調整
される。図1には示されていないが、ヒータはエンジン
の冷却水を利用し、エバポレータはエンジンにより駆動
されるコンプレッサが付随している。空調装置本体内を
流れる空気は適当な位置に設けられたダンパによってそ
の流路を制御される。ダンパの制御は乗員がマニュアル
で行うこともできるが、マイクロコンピュータ等を内蔵
した制御部により室内温度等を検知して、それに基づい
て吹き出し口を決めるなどの制御を行っても良い。本実
施例の空調装置は、フロントのエバポレータとリアのエ
バポレータとを独立して有しているために、リアベント
やリアフットなど後部座席へ吹き出す空調風をRエバポ
レータ104で再び温度調節することで、前部座席への
空調風と後部座席への空調風とを独立して制御すること
ができる。
【0008】尚、マニュアル制御とは、複数の吹き出し
口の開閉状態を組にして予め決めておき、乗員が操作パ
ネル等からプリセットされたスイッチを操作することで
予め定められた状態に設定させるものであり、自動制御
とは室内環境に応じて風量やダンパ設定等を乗員の手を
煩わさずに行うものである。前部座席への吹き出し口と
して、フロントフット及びリアフット112,サイドベ
ント109,センターベント111,FOP110,サ
イドデフ108,センターデフ107があるが、これら
から吹き出す空気はブロア101で吸引され、Fエバポ
レータ102とヒータ103とにより調節された後に室
内にふきだす。また、リアベント121から吹き出す空
気は、Fエバポレータ102及びヒータ103により調
節された空気が、Rエバポレータ104により更に調節
されたものである。このため、後部座席用のRエバポレ
ータ104を独立して制御することで、後部座席の空調
風を前部座席とは切り離して制御することが可能となっ
ている。なお、リアベントから吹き出す空調風を付勢す
るために、リアブロア122を付加しても良い。以下で
はリアブロア122はないものとして説明するが、あっ
た場合でもエバポレータやヒータ,ダンパ等の制御は変
わらず、リアブロアの制御がつけ加わるだけである。 <空調の運転制御の例>図2及び図3は、上記のような
車両用空調装置の空調風通路及びその通路中に設けられ
たダンパ,エバポレータ,ヒータの配置を模式的に示す
図である。ブロアから取り込まれた空気がかく吹き出し
口から排出されるまでの通路の制御は図示されたダンパ
によって行われる。ここで、いくつかの場合を例にとっ
てダンパの制御について説明する。
【0009】(急速な空調)例えば室内の温度を急速に
下げるといったように急速な空調を行おうとする場合、
吹き出し口としてはセンタベントやサイドベントなどを
適当に選ぶが、その際にはダンパを次のように制御すれ
ば良い。これは図2に太線として描き込まれている。 ・ダンパ320,321…内気あるいは外気を取り入れ
る量に応じて位置を設定する。 ・ダンパ304,305…中間位置に設定する。 ・ダンパ312,313,315,318…解放位置に
設定する。 ・ダンパ314,316,319,309…閉鎖位置に
設定する。 ・その他のダンパ…設定の温度、あるいは吹き出させた
い位置などに応じた位置を設定する。
【0010】このようにダンパを設定し、ブロアの風量
を増大させることで、空調風をサイドベント,センタベ
ント,リアベントなどから吹き出して急速な空調を行う
ことができる。この場合には、空調風は主としてダッシ
ュボード周辺から吹き出されるため、空調風の吹き出し
騒音が前部座席の乗員の耳につき易いことになる。 (緩やかな空調)急速な空調によって居住室内が快適な
状態となったなら、空調装置の運転はその状態を維持す
るようなものであれば良い。そのためには、例えば次の
ようなダンパの制御を行う。これは図3に太線として描
き込まれている。 ・ダンパ304…エバポレータ102からの空調風を遮
断する位置に設定する。 ・ダンパ305…前部座席の吹き出し口への通路を遮断
する位置に設定する。 ・ダンパ309…閉鎖位置に設定する。 ・ダンパ318,319…解放位置に設定する。 ・ダンパ311…後方の吹き出し口を塞ぐように設定す
る。
【0011】このようにダンパを設定すれば、空調風は
ダッシュボード周りの前部座席に近接した吹き出し口か
らは出ず、リアベント121のみから吹き出すことにな
る。また、ブロア101による吹き出し風量をごく弱く
設定する。ダンパを以上のように設定しておいて、エバ
ポレータやヒータを所望の強さで運転する。
【0012】図4は本実施例の空調装置を備えた車両の
断面図である。図において、R1は前部座席に着席した
乗員の耳からセンタベント111までの距離を表してお
り、R2は同じく乗員の耳からリアベント121までの
距離を表している。図から明らかなように、リアベント
はセンタベントよりも遠い位置に据えられており、ま
た、乗員の後方にあることから、特に運転席など前部座
席の乗員に対しては空調の吹き出し音がもっとも気にな
らない吹き出し口がリアベントである。
【0013】以上のように、空調風の流路をダンパによ
り制御することで、サイドベント109,センターベン
ト111,リアベント121などの吹き出し口から室内
に空調風を送出することができ、急速な空調効果を得た
い場合には、前記「急速な空調」に従ってダンパを制御
し、ブロアを強力に作動させることで、直ちに空調によ
る室温調節の効果を得ることができる。また、室内の環
境が安定した後には、前記「緩やかな空調」に従ってダ
ンパを制御し、乗員に騒音が伝わりにくい吹き出し口を
選び、ブロアの出力をおとして空調を作動させることに
より、静粛で安定した環境を維持できる。
【0014】このようなダンパの設定は、設定されるべ
きダンパの位置をメモリ等に記憶しておき、乗員がダン
パの設定に対応したスイッチを操作することでメモリの
内容を呼び出し、空調制御用CPU等のプロセサにより
各ダンパを駆動するモータを制御して所定の位置に移動
することで実現できる。さらに、空調全体の制御、すな
わちダンパのほか、ブロア,エバポレータ,ヒータの制
御も乗員がマニュアルで行ってよいが、前記空調制御用
のプロセサにより、室内環境に応じて、上記手順による
制御と同様に吹きだし口を選択することもできる。もち
ろん、この場合には、エバポレータのコンプレッサ(不
図示)やブロアの出力等もまたプロセサの制御下にある
ことはもちろんである。さらに、車室の温度などに応じ
空調を制御するために、車両室内の状態を検知するセン
サ類も備えられており、センサで検知された状態に基づ
いて空調装置はその運転状態を制御されることになる。
【0015】この場合には、乗員が予め設定した温度
と、現在の室温との差が所定値以上であれば、上気した
「急速な空調」に従って空調装置を制御し、所定値以下
になれば「緩やかな空調」に従った制御を行えば良い。
以上のように空調を制御することで、空調の即効性と環
境が安定した時の静粛性とを両立することが出きる。
【0016】
【第1実施例の変形例】第1の実施例出も簡単に触れた
が、リアベントからの吹き出す空調風はセンタトンネル
内を通る長い通路105内を移動するため、その勢いが
弱まって吹き出す風量が減少することは避けられない。
リアベントからの風量を増やそうとすればブロア12の
出力を上げて空気をより強く付勢せねばならず、空調に
ともなう騒音をますます増大させることになる。それを
解消するために、通路105の途中にリアファン122
を追加して、それにより空調風を更に付勢することもで
きる。
【0017】図1で説明したリアベント121のための
ファン122を示した断面図が図5である。図におい
て、Rエバポレータ104を通った空調風は、リアコン
ソール内に設けられたファン122により付勢され、通
路105を通してリアベント121から吹き出す。これ
により、リアベント121から吹き出す空調風は、通路
途中のダンパや通路の屈曲等による抵抗のために減衰し
た勢いを取り戻すことができる。このため、リアベント
121から吹き出す空調風の風量を十分なものとするた
めにブロア101の出力を必要以上に増大させる必要が
なく、ブロアにより生じる騒音を抑制することができ
る。
【0018】図6は本変形例の空調装置のエバポレータ
やヒータ等のユニット,ダンパの配置等を模式的に示し
た図である。図は第1の実施例で説明した「緩やかな空
調」の状態である。図3と同様、次のようにダンパはセ
ットされている。 ・ダンパ304…エバポレータ102からの空調風を遮
断する位置に設定する。 ・ダンパ305…前部座席の吹き出し口への通路を遮断
する位置に設定する。 ・ダンパ309…閉鎖位置に設定する。 ・ダンパ318,319…解放位置に設定する。 ・ダンパ311…後方への吹き出し口を塞ぐように設定
する。
【0019】このように設定することによって、空調風
はリアベント121から吹き出すことになる。以上説明
したように、本変形例の空調装置は、空調の急速な効果
を求める場合には、急速に大量の空調空気を噴き出すこ
とができ、また、室内の環境が安定して空調も安定した
静粛な運転を行いたい場合には、乗員にもっとも騒音を
及ぼしにくい吹き出し口を選んで空調風を噴き出すこと
で、静粛な運転を行うことができる。
【0020】
【第2実施例】本発明の第2の実施例を、図7〜図16
を用いて説明する。本実施例の車両用空調装置は、第1
の実施例において後部座席後方にあったリアベントを廃
し、リアコンソールの位置に通風ファン106を新たに
設けている点以外は、実施例1の装置と同様、前後の座
席で独立した温度調整が可能である。図7は本実施例の
空調装置全体を表す斜視図であるが、図1と比較してリ
アベント121及びセンタートンネルからリアベントに
いたる通路がなく、代わりにリアコンソールの位置に通
風ファン106が設けられていることがわかる。他の構
成は図1と同一である。通風ファン25は、空調風の通
路105を通って流れる空調風をその周囲に吹き出すフ
ァンであり、ファン106の前後に設けられた案内孔に
よって前部座席方向と後部座席方向とに案内される。前
部座席方向への吹き出し口をフロントベント、後部座席
方向への吹き出し口をリアベントと呼ぶことにする。ま
た、前部座席方向への案内孔には、それを塞ぐためのダ
ンパ310を設けてある。
【0021】図8はファン106付近の断面図である。
ファン106はリアコンソール801に組み込まれる状
態で車両に取り付けられ、ファン106の前後には空調
風の吹き出し口が開いている。通風ファン106として
はたとえばシロッコファンを用いる。シロッコファンは
吹き出しの騒音をたてにくい。そのため、車室内の環境
が安定した後の空調の静粛な運転に有利である。
【0022】図9及び図10は本実施例の空調装置の模
式図である。第1の実施例と同様に、運転時の制御の例
を示す。 (急速な空調(図9))例えば室内の温度を急速に下げ
るといったように急速な空調を行おうとする場合、吹き
出し口としてはセンタベントやサイドベントなどを適当
に選ぶが、その際にはダンパを次のように制御すれば良
い。 ・ダンパ320,321…内気あるいは外気を取り入れ
る量に応じて位置を設定する。 ・ダンパ304,305…中間位置に設定する。 ・ダンパ312,313,315,318…解放位置に
設定する。 ・ダンパ314,316,319,309,310…閉
鎖位置に設定する。 ・その他のダンパ…設定の温度などに応じた位置を設定
する。
【0023】このようにダンパを設定し、ブロア101
及びファン106の風量を増大させることで、空調風を
サイドベント,センタベント,リアベントなどから大量
に吹き出して急速な空調を行うことができる。この場合
には、空調風は主としてダッシュボード周辺から吹き出
されるため、空調風の吹き出し騒音が前部座席の乗員の
耳につき易いことになる。
【0024】(緩やかな空調(図10))急速な空調に
よって居住室内が快適な状態となったなら、空調装置の
運転はその状態を維持するようなものであれば良い。そ
のためには、例えば次のようなダンパの制御を行う。 ・ダンパ304…エバポレータ102からの空調風を遮
断する位置に設定する。 ・ダンパ305…前部座席の吹き出し口への通路を遮断
する位置に設定する。 ・ダンパ309…閉鎖位置に設定する。 ・ダンパ318,319,310…解放位置に設定す
る。 ・ダンパ311…中立位置に設定する。
【0025】このようにダンパを設定すれば、空調風は
ダッシュボード周りの吹き出し口からは出ず、フロント
ベント及びリアベント、フロントフット及びリアフット
の吹き出し口から吹き出すことになる。なお、ブロア1
01及びファン106による吹き出し風量は少なくなる
よう設定する。ダンパを以上のように設定しておいて、
エバポレータやヒータを設定温度にあわせて制御すれ
ば、小量の空調風がファン106から吹き出す。静粛な
シロッコファンを用いているために、車両室内は静粛に
保たれる。とくに、図11に示した、本実施例の空調装
置を備えた車両の断面図を参照すればわかるとおり、第
1実施例と異なり、後部座席からも遠い吹き出し口を用
いるために、後部座席の乗員にも騒音を及ぼしにくい。
さらに、車両のほぼ中央に位置するファンから前後に空
調風を吹き出すために、乗車位置による空調風の片寄り
がない。
【0026】以上のような空調装置の制御は乗員がマニ
ュアルで行っても良いが、以下述べるように自動的に制
御することもできる。 <空調装置の制御>図12は車両の空調装置及びセンサ
等を示した模式図である。図の空調装置は前に図9及び
図10で説明した装置と同じものであるが、制御のため
のセンサ及びアクチュエータが付加されている。改めて
簡単に説明しておく。フロントエバポレータ,リアエバ
ポレータともにコンプレッサ603により機能する。コ
ンプレッサ603はエンジン601により駆動され、エ
バポレータで蒸発した冷媒をコンデンサで再び液体に戻
す。また、エンジン601の冷却水はヒータを通って循
環する。この空調装置は、乗員がマニュアルで制御して
も良いが、CPUなどを含む制御装置によって制御を行
わせることもできる。
【0027】このような自動制御を行う空調装置にあっ
て、制御を行うためのセンサとして、エバポレータで用
いている冷媒の温度を検知する冷媒温センサ605,ヒ
ータに回る冷却水の温度を検知する水温センサ606が
ある。また、車両室内の状態を検知するためのセンサと
して、フロント室温センサ607,リア室温センサ60
9,フロント日射センサ608,リア日射センサ610
がある。更に、外気の温度を検知するための外気温セン
サ611も備えられている。このような各センサからの
信号はCPU612に入力される。CPU612は、所
定の手順に従って、ブロア101,空調装置の各ダンパ
を駆動するモータ,コンプレッサ603,リアベントの
ためのファン106などの動作を制御する。この制御の
手順を、図13〜図15のフローチャートを参照して説
明する。 <自動制御の手順>空調の制御を行う際には、まず乗員
が、望む温度等を室内に設けられた不図示の操作パネル
から入力しておく。また、制御を自動にするか、マニュ
アルにするかといった選択もパネルを用いて行ってお
く。
【0028】CPU612は制御を開始する前に、空調
の制御が自動であるかテストする。このテストは、前記
操作パネルに備えられた自動制御選択用のスイッチ(A
UTOA/CSW)がオンかオフかのテストである。オ
フの場合には、空調の制御は乗員によるマニュアル制御
にまかされるものとして、CPUによる空調の制御を停
止する。
【0029】(急速な空調)オンであれば、まずモード
を急速空調のモードに切り替える。すなわち、ダンパ用
モータを駆動して、前席カットダンパ304及び後席カ
ットダンパ305を中立の位置に設定する。また、空調
風の吹き出し口として、センタベントダンパ312とサ
イドベントダンパ313とリアベントダンパ318を解
放し、ファン106からの前方への吹き出し口であるフ
ロントベントダンパ310を閉鎖する。このようにして
ダンパの位置設定を決める。
【0030】つぎに、空調風の温度調節を行う。本例で
は冷房を行うものとして説明する。まず、コンプレッサ
603を駆動し、フロント・リアのエバポレータを動か
す。そのあとエアミックスダンパ306を冷房側、すな
わちヒータへの風量が少なくなる位置へと動かす。つぎ
に、ブロア101を最大出力で駆動し、各吹き出し口か
ら吹き出す風量を最大とする。
【0031】以上で急速な室内温度制御のための初期の
設定を終えるが、このあと前後の日射に応じて補正を行
う。このために、前後の日射センサ608及び610か
らの入力を調べる。差がある場合にはその差に応じてダ
ンパを動かし、前後の風量を加減することで補正を行
う。例えば、後部への日射量が多い場合には前席に向け
て開口している吹き出し口のダンパを一部閉ざしてリア
ベントからの吹き出し量を増やし、前部への日射量が多
い場合にはダンパ310を開けて前方への風量を増やす
といった具合にする。このように、吹き出し口、風量、
温度が決まったなら、その状態で空調を運転して設定温
度に達したかモニタする。室内の温度は、前後2つの室
温センサ607,609により検知した温度の平均を用
いる。
【0032】設定温度に達したなら、図14に示した安
定モードにうつり、安定時の運転に切り替わる。 (安定時の空調)安定時のモードに移ったなら、まず室
温が安定状態にあるかテストする。安定状態にあると
は、前後の日射差がなく、前後の室温の差が2℃以内で
あることとする。ここで安定状態であると判定したなら
ば、設定温度にあった温度と風量とを得るように、エア
ミックスダンパ306とブロア101の出力とを制御す
る。エアミックスダンパの位置は、ヒータの発する熱量
を冷却水温センサ606で、エバポレータによる温度降
下を冷媒温センサ605で検知し、その値に基づいて決
められる。これらの関係は、例えば実験的に得られたも
のをメモリに格納しておき、それに従えば良い。
【0033】そのときのダンパの設定は、前に説明した
「緩やかな空調」時のものとなる。すなわち、ダンパ3
04とダンパ305を図3の状態にして前席への吹き出
しを止め、ダンパ318とダンパ310とを開けてリア
ベントから空調風を前後に吹き出す。このときリアベン
トダンパ318に加えてダンパ319を開けてリアフッ
トから空調風を出しても良い。
【0034】一方、安定状態にないと判定された場合に
は、図15に示すように、前席と後席といずれに重点を
おいて空調すべきか判定する。この判定は室温センサ日
射センサとにより検知された結果に基づいて行われるも
ので、フロント室内温がリア室内温よりも2度以上高い
かまたはフロントの日射量がリアの日射量よりも多い場
合と、リア室内温がフロント室内温よりも2度以上高い
かまたはリアの日射量がフロントの日射量よりも多い場
合とに分けられる。
【0035】前者の場合には、まず安定状態にある場合
と同じく温度と風量とを調節する。そのあと、フロント
側の温度を下げるべくダンパを制御する。そのために、
安定状態にあってはダッシュボード回りの吹き出し口へ
の通路を塞いでいるダンパ305を中立位置に動かし、
前部への空調風の吹き出しを増やす。また吹き出し口を
決めるために、サイドベントやセンタベントなど、適当
に開けるベントに合わせて開けるダンパを選択する。も
ちろん後席への風量もある程度維持するため、リアベン
トの設定は安定状態と同じものとする。
【0036】また後者の場合には、温度と風量とを適当
に決めることは前者の場合と同じである。この場合に
は、リア方向への風量を増やすようにダンパを調節す
る。前席への空調風を遮断したままであることは安定状
態と同じであるが、リア方向への風量を増やすためにリ
アベントの前方向へのダンパ310を中立状態にし、前
方への流れを抑えて後方への風量を増やす。
【0037】以上のように、いったん室温が設定温度に
達したあとは、図14及び図15に従って、各種センサ
からの信号に基づき、ダンパ,エバポレータ,ブロアな
どを制御することで、室内をまんべんなく温度調節する
ことができ、また、静粛な運転が可能である。また、吹
き出し口が室内中央付近のため、一様で効率的な空調の
運転が可能となる。
【0038】さらに、このような安定時の空調運転とと
もに直ちに効果を得たい場合の急速な空調機能と、環境
が安定したあとにその状態を維持する静粛な運転とを両
立した空調装置を実現できる。また、前記フローチャー
ト及びその説明では冷房する場合を例としたが、暖房の
場合であっても同じ要領で制御することができる。
【0039】
【第3実施例】図16は本発明の第3の実施例である車
両用空調装置の模式図である。本実施例の空量装置は、
ほぼ第2の実施例の空調装置を2つ組み合わせた形式と
なっている。すなわち、フロント用エバポレータは1つ
であるものの、ヒータ、リアエバポレータは左右それぞ
れに一つずつ用意されている。もちろんそれらを通る空
調風を制御するためのダンパも左右独立して制御可能と
なっている。ただし、リアベントについてはリアコンソ
ールに納められたもの1つである点は第2の実施例と同
じである(図では便宜的に2つに分けて描いている)。
【0040】図16の空調装置において、乗員が操作パ
ネルからモード(空調風を吹き出す位置の設定)を選択
した際の、ダンパの位置を示したものが図17の表であ
る。表において、モードは、「内外気切り替え」「安定
時モード」以外のモードは前後及びそれぞれの左右で独
立して設定することができる。これは、内外気の切り替
えは、1カ所でのみ行われているためであり、安定時に
は全体としての制御が行われるためである。
【0041】前席の「モード切り替え」は、更に6つの
モードに分かれている。また、後席の「モード切り替
え」については4つのモードを更に選択できる。一例と
して、外気を取り込み、前部右側のモードとして“Fac
e”を選択し、後部右側のモードとして“Rベント”を
選択した場合の説明をする。内気をふさぎ外気を取り込
むために、ダンパ位置を(1)(以下、丸付き数字はカッ
コで表す)(2)とする。更に、前部右側のダンパを、サ
イドベント,センタベント,を開けるように、それぞれ
のダンパを(9)(11)の位置にし、他のダンパは吹き出し
口をふさぐように(13)(16)(17)(20)の位置にする。後部
座席についてはリアベントを開けるためにダンパを(40)
とし、リアフットをふさぐために(43)とする。また、エ
バポレータからの風を直接吹き出さないために(52)と設
定する。
【0042】以上、一例を説明したが、他の場合でも同
じ要領で図17の表に従いダンパの位置を設定すれば、
各モードに応じた空調の制御が可能である。図17は各
モード個別の制御を行うための表であるが、前記第2の
実施例で説明したフローチャートに沿った制御手順によ
るダンパの制御をこの表に従って行い、空調の自動制御
を行うことができる。たとえば、室内環境が安定した場
合には、第2の実施例であれば図14に従ったダンパの
制御を行うが、本実施例の、前後左右で独立した制御が
可能な空調装置であっても、図17中の「安定時モー
ド」に従ってダンパを制御すれば、緩やかな空調を実現
できる。
【0043】すなわち、図17の「安定時モード」にお
いては、ダンパを(19)(62)(55)の位置にして前部右側の
吹き出し口をふさぎ、左側も(32)(60)(57)としてふさ
ぐ。また、リアファンから前部への吹き出し口を開ける
ためにダンパを(64)とし、リアフットを開けるために(6
6)(68)とする。なお、前述の説明において、後席の空調
風吹き出し口のダンパに関して説明したが、(63)(64)の
対と(65)(66)の対と(67)(68)の対とは、後席のモード切
り替えと連動してその位置が決まる。
【0044】以上、本実施例の空調装置でも第2の実施
例と同様に安定時の静粛な運転と、速やかな効果を求め
る運転とを両立させることができる。なお、第2の実施
例で説明した自動制御の手順は、第1及び第3の実施例
にも適用することができる。また、第3の実施例で説明
した、モードに合わせたダンパ位置の設定も、他の実施
例に対して適用することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両
用空調装置は、即効性を求める運転と、室内環境安定後
の静粛で効率的な運転とを両立させることができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の空調装置を備えた車両の透視斜
視図である。
【図2】第1の実施例の空調装置の模式図である。
【図3】第1の実施例の空調装置の模式図である。
【図4】第1の実施例の空調装置を備えた車両の部分断
面図である。
【図5】第1の実施例に関する変形例の空調装置の部分
断面図である。
【図6】第1の実施例に関する変形例の空調装置の模式
図である。
【図7】第2の実施例の空調装置の斜視図である。
【図8】第2の実施例の空調装置のリアベント付近の断
面図である。
【図9】第2の実施例の空調装置の模式図である。
【図10】第2の実施例の空調装置の模式図である。
【図11】第2の実施例の空調装置を備えた車両の部分
断面図である。
【図12】第2の実施例の空調装置を備えた車両の模式
図である。
【図13】第2の実施例の空調装置の制御手順のフロー
チャートである。
【図14】第2の実施例の空調装置の制御手順のフロー
チャートである。
【図15】第2の実施例の空調装置の制御手順のフロー
チャートである。
【図16】第3の実施例の空調装置の模式図である。
【図17】第3の実施例の空調装置の各モードにおける
ダンパ制御の表である。
【符号の説明】
101 ブロア、 102 フロントエバポレータ、 103 ヒータ、 104 リアエバポレータ、 106 リアブロアである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室内に複数の空調風吹き出し口を有する
    車両用空調装置であって、 前記複数の吹き出し口の各々を開閉する複数の開閉手段
    と、 該開閉手段による吹き出し口の開閉状態を指示する指示
    手段と、 該指示手段による指示に基づいて、前記複数の吹き出し
    口のうち前席に近接した吹き出し口からの空調風を止め
    るべく前記開閉手段を制御する制御手段と、を備えるこ
    とを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】前記複数の吹き出し口は前席用吹き出し口
    及び後席用吹き出し口を含み、前記制御手段は前席用吹
    き出し口を閉じ後席用吹き出し口を開けることを特徴と
    する請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】前記複数の吹き出し口は車室中央付近に設
    けられた安定期用の吹き出し口を含み、前記制御手段は
    前記安定期用の吹き出し口を開けることを特徴とする請
    求項1記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】前記安定期用の吹き出し口には拡散風を吹
    き出すシロッコファンを備えていることを特徴とする請
    求項3記載の車両用空調装置。
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