JPH0725222A - 自動車用空調装置 - Google Patents
自動車用空調装置Info
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- JPH0725222A JPH0725222A JP17337493A JP17337493A JPH0725222A JP H0725222 A JPH0725222 A JP H0725222A JP 17337493 A JP17337493 A JP 17337493A JP 17337493 A JP17337493 A JP 17337493A JP H0725222 A JPH0725222 A JP H0725222A
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- air
- solar radiation
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 日射量などの熱環境量の変化に伴う風量補正
量を最適値に制御し、最適な送風量が得られるようにす
る。 【構成】 自動制御時に手動による風量変更操作がなさ
れると、そのときの風量情報または風量変化情報を記憶
する記憶手段106と、その記憶情報に基づいて、風量
補正量の変化率が熱環境量の増加時と減少時とで等しい
第1の風量補正特性、風量補正量の変化率が熱環境の増
加時と減少時とで異なる第2の風量補正特性を更新する
更新手段107と、いずれかの風量補正特性を選択する
選択手段108と、選択された特性に従って、風量演算
手段103で求められた送風量に補正を加える上記補正
手段104と、補正された送風量となるように送風装置
101を自動制御する制御手段105とを具備する。
量を最適値に制御し、最適な送風量が得られるようにす
る。 【構成】 自動制御時に手動による風量変更操作がなさ
れると、そのときの風量情報または風量変化情報を記憶
する記憶手段106と、その記憶情報に基づいて、風量
補正量の変化率が熱環境量の増加時と減少時とで等しい
第1の風量補正特性、風量補正量の変化率が熱環境の増
加時と減少時とで異なる第2の風量補正特性を更新する
更新手段107と、いずれかの風量補正特性を選択する
選択手段108と、選択された特性に従って、風量演算
手段103で求められた送風量に補正を加える上記補正
手段104と、補正された送風量となるように送風装置
101を自動制御する制御手段105とを具備する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両熱環境情報に基づ
いて空調条件を設定して空調制御を行う、いわゆるオ−
トエアコンと呼ばれる自動車用空調装置に関する。
いて空調条件を設定して空調制御を行う、いわゆるオ−
トエアコンと呼ばれる自動車用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の自動車用空調装置では、室温セ
ンサ,外気温センサ,日射センサなどの各センサから得
られる車両熱環境情報(室内温度、外気温度、日射量)
と、乗員により設定された設定温度とに基づいて目標吹
出温度を演算し、この目標吹出温度に応じて実際の吹出
温度、吹出口モード、ブロアファンの送風量などの空調
条件を予め設定された制御特性から求め、その空調条件
によって車室内を空調制御している。また、例えば風量
を手動設定するためのブロアファンスイッチが操作され
ると、上記自動制御に優先してその操作に応じた風量と
なるようにブロアファンが制御される。
ンサ,外気温センサ,日射センサなどの各センサから得
られる車両熱環境情報(室内温度、外気温度、日射量)
と、乗員により設定された設定温度とに基づいて目標吹
出温度を演算し、この目標吹出温度に応じて実際の吹出
温度、吹出口モード、ブロアファンの送風量などの空調
条件を予め設定された制御特性から求め、その空調条件
によって車室内を空調制御している。また、例えば風量
を手動設定するためのブロアファンスイッチが操作され
ると、上記自動制御に優先してその操作に応じた風量と
なるようにブロアファンが制御される。
【0003】ここで、上述した熱環境情報のうち日射
は、輻射熱として窓から侵入して乗員の皮膚表面に直接
到達するために、車室内の気温が適温であっても日射が
強い場合には暑く感じる。そこで、オ−トエアコンの制
御では、例えば図10に示すような風量補正特性を用
い、日射量に応じてブロアファン印加電圧すなわち送風
量を比例的に増減する補正を行うのが一般的である(例
えば、特開平3−54015号公報参照)。なお、日射
量増加方向と減少方向との制御線にいわゆるヒステリシ
スを設けたのは、日射量の短時間変化によって風量がハ
ンチングを起こさないようにするためである。
は、輻射熱として窓から侵入して乗員の皮膚表面に直接
到達するために、車室内の気温が適温であっても日射が
強い場合には暑く感じる。そこで、オ−トエアコンの制
御では、例えば図10に示すような風量補正特性を用
い、日射量に応じてブロアファン印加電圧すなわち送風
量を比例的に増減する補正を行うのが一般的である(例
えば、特開平3−54015号公報参照)。なお、日射
量増加方向と減少方向との制御線にいわゆるヒステリシ
スを設けたのは、日射量の短時間変化によって風量がハ
ンチングを起こさないようにするためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本出願人ら
は、日射量が増減したときの乗員の日射感変化を官能評
価実験によって確認したところ、図12に示すような実
験結果が得られた。図中の実線は日射量を徐々に増加さ
せた場合の日射量と日射感の回帰直線を、また破線は日
射量を徐々に減少させた場合の同様の回帰直線をそれぞ
れ示し、図から明らかなように、日射量減少時には増加
時に比べて直線の傾きが大きくなっている。これは、一
般的な人間は実際の日射変化率が同一であっても減少時
には増加時よりも早く変化する(減少する)と感じるこ
とを意味している。
は、日射量が増減したときの乗員の日射感変化を官能評
価実験によって確認したところ、図12に示すような実
験結果が得られた。図中の実線は日射量を徐々に増加さ
せた場合の日射量と日射感の回帰直線を、また破線は日
射量を徐々に減少させた場合の同様の回帰直線をそれぞ
れ示し、図から明らかなように、日射量減少時には増加
時に比べて直線の傾きが大きくなっている。これは、一
般的な人間は実際の日射変化率が同一であっても減少時
には増加時よりも早く変化する(減少する)と感じるこ
とを意味している。
【0005】しかしながら、上記図10に示した日射に
よる風量補正特性では、日射量の増加時と減少時とで風
量変化率が等しいため、特に日射の変化量が大きい場合
に乗員の好みの送風量が得られない、詳しくは日射量が
急激に減少しているにも拘らず送風量がなかなか低下し
ないといった現象が起こり得る。また、日射感には個人
差があるから、上記日射による風量補正特性を一義的に
決めると、乗員によっては不快感を感ずることがある。
よる風量補正特性では、日射量の増加時と減少時とで風
量変化率が等しいため、特に日射の変化量が大きい場合
に乗員の好みの送風量が得られない、詳しくは日射量が
急激に減少しているにも拘らず送風量がなかなか低下し
ないといった現象が起こり得る。また、日射感には個人
差があるから、上記日射による風量補正特性を一義的に
決めると、乗員によっては不快感を感ずることがある。
【0006】本発明の目的は、日射量などの熱環境量の
変化に伴う風量補正量を最適値に制御し、最適な送風量
が得られるようにした自動車用空調装置を提供すること
にある。
変化に伴う風量補正量を最適値に制御し、最適な送風量
が得られるようにした自動車用空調装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】クレーム対応図である図
1により説明すると、本発明は、車室内に空気を送風す
る送風装置101と、熱環境情報入力手段102から入
力される熱環境情報、および乗員により設定される設定
温度に基づいて所定の制御特性から送風装置101の送
風量を求める風量演算手段103と、熱環境量に風量補
正量を対応づけた風量補正特性に従って上記求められた
送風量に補正を加える補正手段104と、補正された送
風量となるように送風装置101を自動制御する制御手
段105とを備えた自動車用空調装置に適用される。そ
して、制御手段105による自動制御時に手動操作によ
って風量の変更が指令された場合には、そのときの風量
情報または風量変化量情報を既定時間内における熱環境
情報と組み合わせて記憶する記憶手段106と、風量補
正量の変化率が熱環境量の増加時と減少時とで等しい第
1の風量補正特性、および風量補正量の変化率が熱環境
量の増加時と減少時とで異なる第2の風量補正特性を記
憶手段106の記憶情報に基づいて更新する更新手段1
07と、第1の風量補正特性および第2の風量補正特性
のいずれかを選択する選択手段108とを備え、選択さ
れた風量補正特性に従って風量演算手段103で求めら
れた送風量に補正を加えるよう補正手段104を構成
し、これにより上記問題点を解決する。特に請求項2の
発明は、第1および第2の風量補正特性を、日射量に風
量補正量を対応づけた特性とし、特に第2の風量補正特
性では、日射量減少時の風量変化率を日射量増加時と比
べて大きくしたものである。また請求項3の発明は、記
憶手段106に記憶される熱環境情報を日射量情報と
し、既定時間における日射変化量が所定量以上の場合に
のみ上記風量情報または風量変化量情報を日射量情報と
組み合わせて記憶手段106に記憶するようにしたもの
である。さらに請求項4の発明は、既定時間における日
射変化量が所定量未満の場合には第1の風量補正特性を
選択し、日射変化量が所定量以上の場合には第2の風量
補正特性を選択するようにしたものである。さらにま
た、請求項5の発明は、記憶手段の記憶情報に基づいて
第1の風量補正特性と第2の風量補正特性との特性線の
差を演算し、その演算結果に基づいて第1および第2の
風量補正特性を更新するようにしたものである。
1により説明すると、本発明は、車室内に空気を送風す
る送風装置101と、熱環境情報入力手段102から入
力される熱環境情報、および乗員により設定される設定
温度に基づいて所定の制御特性から送風装置101の送
風量を求める風量演算手段103と、熱環境量に風量補
正量を対応づけた風量補正特性に従って上記求められた
送風量に補正を加える補正手段104と、補正された送
風量となるように送風装置101を自動制御する制御手
段105とを備えた自動車用空調装置に適用される。そ
して、制御手段105による自動制御時に手動操作によ
って風量の変更が指令された場合には、そのときの風量
情報または風量変化量情報を既定時間内における熱環境
情報と組み合わせて記憶する記憶手段106と、風量補
正量の変化率が熱環境量の増加時と減少時とで等しい第
1の風量補正特性、および風量補正量の変化率が熱環境
量の増加時と減少時とで異なる第2の風量補正特性を記
憶手段106の記憶情報に基づいて更新する更新手段1
07と、第1の風量補正特性および第2の風量補正特性
のいずれかを選択する選択手段108とを備え、選択さ
れた風量補正特性に従って風量演算手段103で求めら
れた送風量に補正を加えるよう補正手段104を構成
し、これにより上記問題点を解決する。特に請求項2の
発明は、第1および第2の風量補正特性を、日射量に風
量補正量を対応づけた特性とし、特に第2の風量補正特
性では、日射量減少時の風量変化率を日射量増加時と比
べて大きくしたものである。また請求項3の発明は、記
憶手段106に記憶される熱環境情報を日射量情報と
し、既定時間における日射変化量が所定量以上の場合に
のみ上記風量情報または風量変化量情報を日射量情報と
組み合わせて記憶手段106に記憶するようにしたもの
である。さらに請求項4の発明は、既定時間における日
射変化量が所定量未満の場合には第1の風量補正特性を
選択し、日射変化量が所定量以上の場合には第2の風量
補正特性を選択するようにしたものである。さらにま
た、請求項5の発明は、記憶手段の記憶情報に基づいて
第1の風量補正特性と第2の風量補正特性との特性線の
差を演算し、その演算結果に基づいて第1および第2の
風量補正特性を更新するようにしたものである。
【0008】
【作用】制御手段105による自動制御時に手動操作に
よって風量の変更が指令されると、そのときの風量情報
または風量変化量情報が既定時間内における熱環境情報
と組み合わせて記憶され、その記憶情報に基づいて第1
および第2の風量補正特性が更新される。ここで、第1
の風量補正特性では、風量補正量の変化率が熱環境量の
増加時と減少時とで等しく、また第2の風量補正特性で
は、風量補正量の変化率が熱環境量の増加時と減少時と
で異なっている。選択手段106は、第1の風量補正特
性および第2の風量補正特性のいずれかを選択する。例
えば、第1および第2の風量補正特性が日射量に風量補
正量を対応づけた特性であれば、所定時間における日射
変化量が所定量未満の場合には第1の風量補正特性を選
択し、上記日射変化量が所定量以上の場合には第2の風
量補正特性を選択する。補正手段104は、選択された
特性に従って、上記風量演算手段103で求められた送
風量に補正を加える。そして、補正された送風量となる
ように送風装置101が自動制御される。
よって風量の変更が指令されると、そのときの風量情報
または風量変化量情報が既定時間内における熱環境情報
と組み合わせて記憶され、その記憶情報に基づいて第1
および第2の風量補正特性が更新される。ここで、第1
の風量補正特性では、風量補正量の変化率が熱環境量の
増加時と減少時とで等しく、また第2の風量補正特性で
は、風量補正量の変化率が熱環境量の増加時と減少時と
で異なっている。選択手段106は、第1の風量補正特
性および第2の風量補正特性のいずれかを選択する。例
えば、第1および第2の風量補正特性が日射量に風量補
正量を対応づけた特性であれば、所定時間における日射
変化量が所定量未満の場合には第1の風量補正特性を選
択し、上記日射変化量が所定量以上の場合には第2の風
量補正特性を選択する。補正手段104は、選択された
特性に従って、上記風量演算手段103で求められた送
風量に補正を加える。そして、補正された送風量となる
ように送風装置101が自動制御される。
【0009】
【実施例】図2〜図12により本発明の一実施例を説明
する。本発明に係る自動車用空調装置は、図2に示すよ
うに、基本的には空調装置本体1と、熱環境情報入力部
2と、起動スイッチとしてのオ−トスイッチ3と、制御
装置4と、手動設定操作部5と、風量変更情報記憶部6
とから構成される。以下、各部の構成について詳細に説
明する。
する。本発明に係る自動車用空調装置は、図2に示すよ
うに、基本的には空調装置本体1と、熱環境情報入力部
2と、起動スイッチとしてのオ−トスイッチ3と、制御
装置4と、手動設定操作部5と、風量変更情報記憶部6
とから構成される。以下、各部の構成について詳細に説
明する。
【0010】空調装置本体1は、ブロアユニット10
と、クーリングユニット11と、ヒ−タユニット12
と、ダクトユニット13とから成り、ブロアユニット1
0には外外気導入口15,内気導入口16,インテーク
ドア17およびブロアファン18が設けられている。外
気導入口15は、走行風圧を受けて外気をブロアユニッ
ト10内に導入し、一方、内気導入口16は、車室内の
空気をブロアユニット10内に導入する。インテークド
ア17はインテークドアアクチュエータ19により駆動
され、上記外外気導入口15および内外気導入口15を
選択的に開閉する。ブロアファン18はブロアファンモ
ータ20により駆動され、上記導入された空気をクーリ
ングユニット11側に送風する。
と、クーリングユニット11と、ヒ−タユニット12
と、ダクトユニット13とから成り、ブロアユニット1
0には外外気導入口15,内気導入口16,インテーク
ドア17およびブロアファン18が設けられている。外
気導入口15は、走行風圧を受けて外気をブロアユニッ
ト10内に導入し、一方、内気導入口16は、車室内の
空気をブロアユニット10内に導入する。インテークド
ア17はインテークドアアクチュエータ19により駆動
され、上記外外気導入口15および内外気導入口15を
選択的に開閉する。ブロアファン18はブロアファンモ
ータ20により駆動され、上記導入された空気をクーリ
ングユニット11側に送風する。
【0011】クーリングユニット11に配置されたエバ
ポレータ21は、不図示のコンプレッサ,コンデンサ,
膨張弁などから構成される冷凍サイクル内に設けられ、
このサイクル内を循環する冷媒により自身を通過する空
気を冷却する。ヒ−タユニット12には、ヒ−タコア2
2と、エアミックスドア23と、エアミックスチャンバ
24とが設けられている。ヒ−タコア22には、不図示
のエンジンや温水コック等で構成される加熱サイクルか
らエンジン冷却水が供給され、これによりエバポレータ
21側から送られた空気を暖める。エアミックスドア2
3はエアミックスドアアクチュエータ25により駆動さ
れ、ヒ−タコア22を通過する空気量と通過しない空気
量との混合比を調節して吹出温度を調節する。
ポレータ21は、不図示のコンプレッサ,コンデンサ,
膨張弁などから構成される冷凍サイクル内に設けられ、
このサイクル内を循環する冷媒により自身を通過する空
気を冷却する。ヒ−タユニット12には、ヒ−タコア2
2と、エアミックスドア23と、エアミックスチャンバ
24とが設けられている。ヒ−タコア22には、不図示
のエンジンや温水コック等で構成される加熱サイクルか
らエンジン冷却水が供給され、これによりエバポレータ
21側から送られた空気を暖める。エアミックスドア2
3はエアミックスドアアクチュエータ25により駆動さ
れ、ヒ−タコア22を通過する空気量と通過しない空気
量との混合比を調節して吹出温度を調節する。
【0012】ダクトユニット13には、デフロスタダク
ト27と、ベンチレータダクト28と、足下ダクト29
とが設けられるとともに、各ダクトに導かれる風量を制
御するデフロスタドア30,ベンチレータドア31およ
びフットドア32が設けられている。デフロスタダクト
27は、車室内のインストルメントパネルに設けられた
デフロスタ吹出口34に接続され、デフロスタ吹出口3
4からフロントウィンドウに空調風を吹出す。またデフ
ロスタ吹出口34には風向設定用のルーバ35が設けら
れている。ベンチレータダクト28はインストルメント
パネルに設けられたベンチレータ吹出口36に接続さ
れ、乗員の上半身に向けて空調風を吹出す。ベンチレー
タ吹出口36には風向設定用のルーバ37,38が設け
られている。さらに足下ダクト29の吹出口からは、乗
員の足元に向けて空気が吹出される。上記各ドア30〜
32は、それぞれ制御装置4に接続されたアクチュエー
タ40〜42により個別に開閉駆動される。
ト27と、ベンチレータダクト28と、足下ダクト29
とが設けられるとともに、各ダクトに導かれる風量を制
御するデフロスタドア30,ベンチレータドア31およ
びフットドア32が設けられている。デフロスタダクト
27は、車室内のインストルメントパネルに設けられた
デフロスタ吹出口34に接続され、デフロスタ吹出口3
4からフロントウィンドウに空調風を吹出す。またデフ
ロスタ吹出口34には風向設定用のルーバ35が設けら
れている。ベンチレータダクト28はインストルメント
パネルに設けられたベンチレータ吹出口36に接続さ
れ、乗員の上半身に向けて空調風を吹出す。ベンチレー
タ吹出口36には風向設定用のルーバ37,38が設け
られている。さらに足下ダクト29の吹出口からは、乗
員の足元に向けて空気が吹出される。上記各ドア30〜
32は、それぞれ制御装置4に接続されたアクチュエー
タ40〜42により個別に開閉駆動される。
【0013】熱環境情報入力部2は、車室内外の種々の
熱環境情報を入力するものであって、本実施例では、室
内温度センサ45と、外気温センサ46と、日射センサ
47とで構成される。室内温度センサ45は現在の車室
内温度TICを検出し、この検出温度に応じた電気信号を
制御装置4に入力する。外気温センサ46は現在の車室
外の温度を検出し、この検出温度に応じた電気信号を制
御装置4に入力する。日射センサ47は日射量QSUNを
検出し、その検出温度に応じた電気信号を制御装置4に
入力する。
熱環境情報を入力するものであって、本実施例では、室
内温度センサ45と、外気温センサ46と、日射センサ
47とで構成される。室内温度センサ45は現在の車室
内温度TICを検出し、この検出温度に応じた電気信号を
制御装置4に入力する。外気温センサ46は現在の車室
外の温度を検出し、この検出温度に応じた電気信号を制
御装置4に入力する。日射センサ47は日射量QSUNを
検出し、その検出温度に応じた電気信号を制御装置4に
入力する。
【0014】手動設定部5は、室温設定器48、ブロア
ファンスイッチ49、吹出口モードスイッチ50、内外
気モードスイッチ51から構成され、それぞれ乗員の好
みの設定温度TSET(室内温度TICの目標値)、ブロア
ファン送風量、吹出口モードおよび内外気モードを指令
するための指令信号を制御装置4に入力する。また風量
変更情報記憶部6は、後述するように風量補正マップM
1,M2を作成する際に用いる情報を記憶するメモリで
構成される。
ファンスイッチ49、吹出口モードスイッチ50、内外
気モードスイッチ51から構成され、それぞれ乗員の好
みの設定温度TSET(室内温度TICの目標値)、ブロア
ファン送風量、吹出口モードおよび内外気モードを指令
するための指令信号を制御装置4に入力する。また風量
変更情報記憶部6は、後述するように風量補正マップM
1,M2を作成する際に用いる情報を記憶するメモリで
構成される。
【0015】制御装置4はマイクロコンピュ−タによっ
て構成され、上記手動設定部5を構成する各スイッチが
操作されると、マイクロコンピュ−タのメモリにシステ
ムベースとして設定されているマニュアルプログラムに
従って空調装置本体1を駆動制御する。詳しく説明する
と、ブロアファン送風量は前述のブロアファンスイッチ
49の操作で選択され、内外気モードについては内外気
モードスイッチ51の操作で内気循環モード,外気導入
モード,半内気循環・半外気導入モードのいずれかが選
択される。また、吹出口モードスイッチ50の操作によ
り、吹出口モードとして例えばベントモード、フットモ
ード、バイレベルモードのいずれかが選択される。
て構成され、上記手動設定部5を構成する各スイッチが
操作されると、マイクロコンピュ−タのメモリにシステ
ムベースとして設定されているマニュアルプログラムに
従って空調装置本体1を駆動制御する。詳しく説明する
と、ブロアファン送風量は前述のブロアファンスイッチ
49の操作で選択され、内外気モードについては内外気
モードスイッチ51の操作で内気循環モード,外気導入
モード,半内気循環・半外気導入モードのいずれかが選
択される。また、吹出口モードスイッチ50の操作によ
り、吹出口モードとして例えばベントモード、フットモ
ード、バイレベルモードのいずれかが選択される。
【0016】一方、オ−トスイッチ3がオンされると、
制御装置4は、上記メモリにシステムベースとして予め
設定されたオ−トプログラムを起動し、上記検出室温T
IC、外気温TAMB、日射量QSUNなどの熱環境情報と設定
室温TSETなどの設定値に応じて車室内の熱環境状態が
目標環境状態となるように空調装置本体1を駆動制御す
る。
制御装置4は、上記メモリにシステムベースとして予め
設定されたオ−トプログラムを起動し、上記検出室温T
IC、外気温TAMB、日射量QSUNなどの熱環境情報と設定
室温TSETなどの設定値に応じて車室内の熱環境状態が
目標環境状態となるように空調装置本体1を駆動制御す
る。
【0017】次に、図3〜図7のフローチャートに基づ
いて、上記制御装置4による空調制御の詳細手順を説明
する。起動スイッチのオンに伴ってこのプログラムが起
動され、まずステップ101では、風量補正マップの更
新を行うか否かを判定するための日射補正フラグをオフ
する。風量補正マップとは、日射量に風量補正量を対応
づけた風量補正特性であり、その詳細は後で説明する。
次にステップ102では目標吹出温度Tofの算出などに
用いる定数A,B,C,……,Qをそれぞれ所定値にセ
ットする。ステップ103では、上記室内温度センサ4
5、外気温センサ46および日射センサ47で検出され
た熱環境情報、すなわち室内温度TIC、外気温度TAM
B、日射量QSUNと、室温設定器48を用いて乗員が設定
した設定温度TSETを読み込むとともに、後述するステ
ップ116で前回設定されたブロアファン電圧の設定値
(以下、単にファン設定値と呼ぶ)VFANを読み込む。
ステップ104では、上記日射補正フラグのオン・オフ
を判定し、オフの場合にはステップ105に進む。
いて、上記制御装置4による空調制御の詳細手順を説明
する。起動スイッチのオンに伴ってこのプログラムが起
動され、まずステップ101では、風量補正マップの更
新を行うか否かを判定するための日射補正フラグをオフ
する。風量補正マップとは、日射量に風量補正量を対応
づけた風量補正特性であり、その詳細は後で説明する。
次にステップ102では目標吹出温度Tofの算出などに
用いる定数A,B,C,……,Qをそれぞれ所定値にセ
ットする。ステップ103では、上記室内温度センサ4
5、外気温センサ46および日射センサ47で検出され
た熱環境情報、すなわち室内温度TIC、外気温度TAM
B、日射量QSUNと、室温設定器48を用いて乗員が設定
した設定温度TSETを読み込むとともに、後述するステ
ップ116で前回設定されたブロアファン電圧の設定値
(以下、単にファン設定値と呼ぶ)VFANを読み込む。
ステップ104では、上記日射補正フラグのオン・オフ
を判定し、オフの場合にはステップ105に進む。
【0018】ステップ105では、日射量の変化量が所
定値よりも大きいか否かを判定する。すなわち、まず現
時点(t=t0)までの最近30秒間の日射量平均値
(以下、現日射量と呼ぶ)Qpを、
定値よりも大きいか否かを判定する。すなわち、まず現
時点(t=t0)までの最近30秒間の日射量平均値
(以下、現日射量と呼ぶ)Qpを、
【数1】 により求めるとともに、エアコン始動時(t=0)から
現在(t=t0)までの日射量時間平均値(以下、平均
日射量と呼ぶ)Qmを、
現在(t=t0)までの日射量時間平均値(以下、平均
日射量と呼ぶ)Qmを、
【数2】 により求め、両者の偏差|Qp−Qm|を求める。そし
て、この偏差が所定値Q01よりも大きいか否かを判定す
る。
て、この偏差が所定値Q01よりも大きいか否かを判定す
る。
【0019】ステップ105が否定されるとステップ1
10に進み、肯定されると、後述する風量補正マップM
1,M2の更新を行うべくステップ106に進んで日射
補正フラグをオンし、ステップ107でその時点での平
均日射量Qmを初期日射量Qm0として記憶し、その
後、ステップ110に進む。
10に進み、肯定されると、後述する風量補正マップM
1,M2の更新を行うべくステップ106に進んで日射
補正フラグをオンし、ステップ107でその時点での平
均日射量Qmを初期日射量Qm0として記憶し、その
後、ステップ110に進む。
【0020】一方、ステップ104で日射補正フラグが
オンと判定された場合にはステップ108に進み、上記
偏差|Qp−Qm|を求め、この偏差が所定値Q02より
も小さいか否かを判定する。ステップ108が否定され
るとステップ110に進み、肯定されるとステップ10
9で日射補正フラグをオフしてステップ110に進む。
つまりステップ108では、日射量に大きな変化が生じ
た後に元の日射量に戻ったか、あるいは日射量変化後に
安定した状態となったか否かを判定し、そうである場合
には、風量補正マップの更新を行わないようにするため
に日射補正フラグをオフする。
オンと判定された場合にはステップ108に進み、上記
偏差|Qp−Qm|を求め、この偏差が所定値Q02より
も小さいか否かを判定する。ステップ108が否定され
るとステップ110に進み、肯定されるとステップ10
9で日射補正フラグをオフしてステップ110に進む。
つまりステップ108では、日射量に大きな変化が生じ
た後に元の日射量に戻ったか、あるいは日射量変化後に
安定した状態となったか否かを判定し、そうである場合
には、風量補正マップの更新を行わないようにするため
に日射補正フラグをオフする。
【0021】ステップ110では、上記現日射量Qpの
時間による微分値の絶対値が所定値Qp3より大きいか
否かにより日射量の変化の割合を判定する。変化が比較
的急激な場合、すなわち上記絶対値が所定値Qp3より
大きい場合には、ステップ111に進み、風量補正マッ
プM2を用いて風量の日射による補正電圧ΔVSUNを求
める。また変化が比較的緩やかな場合、すなわち上記絶
対値が所定値Qp3以下の場合には、ステップ112に
進み、風量補正マップM1を用いて風量の補正電圧ΔV
SUNを求める。
時間による微分値の絶対値が所定値Qp3より大きいか
否かにより日射量の変化の割合を判定する。変化が比較
的急激な場合、すなわち上記絶対値が所定値Qp3より
大きい場合には、ステップ111に進み、風量補正マッ
プM2を用いて風量の日射による補正電圧ΔVSUNを求
める。また変化が比較的緩やかな場合、すなわち上記絶
対値が所定値Qp3以下の場合には、ステップ112に
進み、風量補正マップM1を用いて風量の補正電圧ΔV
SUNを求める。
【0022】すなわち、例えば山間部などのワイディン
グロードを走行中は、山影の有無によって日射量は例え
ば図8のように周期的に変動する。このような場合、日
射の変化率が大きい期間は風量補正マップM2で風量補
正され、その他の期間では風量補正マップM1で風量補
正されることになる。ここで、風量補正マップ1では、
日射量が所定範囲にあるときの特性線の傾き、すなわち
風量変化量が日射増加時と減少時とで等しくなってい
る。一方、風量補正マップ2では、特性線の傾きが日射
増加時と減少時とで異なっており、日射減少時の方が急
な傾きとなっている。これらの風量補正マップM1,M
2は、後述するステップ121の処理で先に作成され所
定のメモリに記憶されている。
グロードを走行中は、山影の有無によって日射量は例え
ば図8のように周期的に変動する。このような場合、日
射の変化率が大きい期間は風量補正マップM2で風量補
正され、その他の期間では風量補正マップM1で風量補
正されることになる。ここで、風量補正マップ1では、
日射量が所定範囲にあるときの特性線の傾き、すなわち
風量変化量が日射増加時と減少時とで等しくなってい
る。一方、風量補正マップ2では、特性線の傾きが日射
増加時と減少時とで異なっており、日射減少時の方が急
な傾きとなっている。これらの風量補正マップM1,M
2は、後述するステップ121の処理で先に作成され所
定のメモリに記憶されている。
【0023】その後、処理は図4のステップ113に進
み、乗員により設定された設定温度TSETの補正を行
う。すなわち後述するステップ124で先に作成された
設定温度操作特性(外気温度TAMBに設定温度補正量Δ
TSETを対応づけたもの)から、現在の外気温度TAMBに
応じた設定温度補正量ΔTSETを求め、その補正量ΔTS
ETを設定温度TSETに加算して補正設定温度TSET'を求
める。
み、乗員により設定された設定温度TSETの補正を行
う。すなわち後述するステップ124で先に作成された
設定温度操作特性(外気温度TAMBに設定温度補正量Δ
TSETを対応づけたもの)から、現在の外気温度TAMBに
応じた設定温度補正量ΔTSETを求め、その補正量ΔTS
ETを設定温度TSETに加算して補正設定温度TSET'を求
める。
【0024】次いでステップ114では、
【数3】Tof=A×TIC+B×TAMB+C×QSUN+D×
TSET'+E により目標吹出温度Tofを求める。ステップ115で
は、得られた目標吹出温度Tofに基づいて、エアミック
スドア開度Xを
TSET'+E により目標吹出温度Tofを求める。ステップ115で
は、得られた目標吹出温度Tofに基づいて、エアミック
スドア開度Xを
【数4】X=F×Tof2+G×Tof+H により求める。図5のステップ116では、Tofに基づ
いて図示の風量特性からファン設定値VFANを求める。
ステップ117では、Tofに基づいて図示の特性から吹
出口モード(ベントモード、バイレベルモードおよびフ
ットモードのいずれか)を決定する。
いて図示の風量特性からファン設定値VFANを求める。
ステップ117では、Tofに基づいて図示の特性から吹
出口モード(ベントモード、バイレベルモードおよびフ
ットモードのいずれか)を決定する。
【0025】ステップ118では、風量を変更するため
の手動操作がなされたか否かを判定する。この風量を変
更するための手動操作とは、ブロアファンスイッチ49
による風量設定操作、および室温設定器48による設定
温度TSETの変更操作のいずれかである。いずれの操作
もなされていないと判定されると図7のステップ128
に進み、最終的なファン電圧VFANを求めてブロアファ
ンモータ20に印加する制御を行う。これについは後で
詳述する。一方、ステップ118でいずれかの操作がな
されたと判定されるとステップ119に進み、日射補正
フラグのオン・オフを判定し、オフであれば図6のステ
ップ122に進み、オンであればステップ120に進
む。
の手動操作がなされたか否かを判定する。この風量を変
更するための手動操作とは、ブロアファンスイッチ49
による風量設定操作、および室温設定器48による設定
温度TSETの変更操作のいずれかである。いずれの操作
もなされていないと判定されると図7のステップ128
に進み、最終的なファン電圧VFANを求めてブロアファ
ンモータ20に印加する制御を行う。これについは後で
詳述する。一方、ステップ118でいずれかの操作がな
されたと判定されるとステップ119に進み、日射補正
フラグのオン・オフを判定し、オフであれば図6のステ
ップ122に進み、オンであればステップ120に進
む。
【0026】ステップ120では、例えば図9に示すよ
うに、上記手動設定による操作量ΔVと日射関連情報と
をセットで設定情報記憶部6に記憶する。これらの記憶
情報を以下に説明する。手動設定による操作量ΔVと
は、操作により変更されたファン設定値VFANと操作前
のファン電圧VPREとの偏差である。ここで、操作によ
り変更されたファン設定値VFANは、操作されたのがブ
ロアファンスイッチ49であればその操作により設定さ
れたファン電圧であり、一方、操作されたのが室温設定
器48であれば、
うに、上記手動設定による操作量ΔVと日射関連情報と
をセットで設定情報記憶部6に記憶する。これらの記憶
情報を以下に説明する。手動設定による操作量ΔVと
は、操作により変更されたファン設定値VFANと操作前
のファン電圧VPREとの偏差である。ここで、操作によ
り変更されたファン設定値VFANは、操作されたのがブ
ロアファンスイッチ49であればその操作により設定さ
れたファン電圧であり、一方、操作されたのが室温設定
器48であれば、
【数5】VFAN=VFAN+K1×ΔVFAN+K2×ΔVSUN により演算される値である。右辺のVFANはステップ1
16で得られたファン設定値、ΔVSUNはステップ11
1または112で得られたファン電圧補正量、ΔVFAN
はステップ129あるいは130で得られるファン電圧
補正量である。また、上述した日射関連情報とは、現時
点での日射量QSUNおよび日射変化量ΔQSUN(現日射量
Qpと初期日射量Qmとの偏差)である。これらの各情
報は、上記風量変更操作が行われるたびに蓄積記憶さ
れ、記憶個数が20に達した後は、古いデータを削除し
て新しいデータを記憶する。
16で得られたファン設定値、ΔVSUNはステップ11
1または112で得られたファン電圧補正量、ΔVFAN
はステップ129あるいは130で得られるファン電圧
補正量である。また、上述した日射関連情報とは、現時
点での日射量QSUNおよび日射変化量ΔQSUN(現日射量
Qpと初期日射量Qmとの偏差)である。これらの各情
報は、上記風量変更操作が行われるたびに蓄積記憶さ
れ、記憶個数が20に達した後は、古いデータを削除し
て新しいデータを記憶する。
【0027】次にステップ121では、設定情報記憶部
6の記憶情報に基づいて以下の要領で風量補正マップM
1,M2を更新する。 (1)風量補正マップM1の更新:始めに、日射変化が
緩やかな場合に用いられる風量補正マップM1の更新方
法について図10を用いて説明する。まず、上記設定情
報記憶部6に記憶されている複数回分の日射量QSUNに
ついて、その平均値Qaveと標準偏差Ssunを求める。そ
して、図10の日射補正を行う際の最低日射量Qmin(u
p)を、
6の記憶情報に基づいて以下の要領で風量補正マップM
1,M2を更新する。 (1)風量補正マップM1の更新:始めに、日射変化が
緩やかな場合に用いられる風量補正マップM1の更新方
法について図10を用いて説明する。まず、上記設定情
報記憶部6に記憶されている複数回分の日射量QSUNに
ついて、その平均値Qaveと標準偏差Ssunを求める。そ
して、図10の日射補正を行う際の最低日射量Qmin(u
p)を、
【数6】Qmin(up)=Qave−Ssun により求める。
【0028】次に、記憶されている全ての回数について
日射変化量ΔQSUNと操作量ΔVとから日射変化に対
する操作量の変化率Ksunを、
日射変化量ΔQSUNと操作量ΔVとから日射変化に対
する操作量の変化率Ksunを、
【数7】Ksun=ΔV/ΔQSUN によりそれぞれ求め、その平均値をKsun(up)とする。
【0029】そして、日射増加時の補正特性を次式によ
り決定する。
り決定する。
【数8】 ここで、上式におけるQSUNは記憶された値ではなく、
このマップによりΔVSUNを求めるときに検出される日
射量を表している。またΔVmaxは最大の風量補正量を
制限するための規定値である。さらにQmax(up)は補正
特性線がΔVmaxとなる日射量に相当し、
このマップによりΔVSUNを求めるときに検出される日
射量を表している。またΔVmaxは最大の風量補正量を
制限するための規定値である。さらにQmax(up)は補正
特性線がΔVmaxとなる日射量に相当し、
【数9】Qmax(up)=ΔVmax/Ksun(up)+Qmin(up) により求められる値である。
【0030】次に、同様に日射減少時の補正特性線を増
加時の特性線を平行移動した形として次式で決定する。
加時の特性線を平行移動した形として次式で決定する。
【数10】 ただし、Qmin(down1)は、日射量の変化によって風量が
ハンチングしないようにするための標準的な幅として予
め設定された値Qhを用いて、
ハンチングしないようにするための標準的な幅として予
め設定された値Qhを用いて、
【数11】Qmin(down1)=Qmin(up)−Qh により演算される値である。
【0031】(2)風量補正マップM2の更新方法:次
に、上記求められた風量補正マップM1を参考にして、
日射変化が急激な場合に用いられる風量補正マップM2
(図11)を決定する。まず、日射増加時の補正特性線
は風量補正マップM1の日射増加時の特性線と全く同様
とする。次に、
に、上記求められた風量補正マップM1を参考にして、
日射変化が急激な場合に用いられる風量補正マップM2
(図11)を決定する。まず、日射増加時の補正特性線
は風量補正マップM1の日射増加時の特性線と全く同様
とする。次に、
【数12】Ksun(down)=Fac(down)×Ksun(up) により日射減少時の制御特性線の傾きを求める。ここ
で、Fac(down)は、図12に示したような日射量と乗員
の日射感の相関特性から求まる日射増加時と減少時の日
射感変化率の比であり、本出願人らの実験結果によれば
Fac(down)=1.2である。
で、Fac(down)は、図12に示したような日射量と乗員
の日射感の相関特性から求まる日射増加時と減少時の日
射感変化率の比であり、本出願人らの実験結果によれば
Fac(down)=1.2である。
【0032】そして、
【数13】Qmax(down)=Qmax(up)−Qh によって、Qmax(down)を決定して減少時の補正特性線
を次式により決定する。
を次式により決定する。
【数14】 ここで、Qmin(down2)は、補正特性線がΔVSUN=0と
なる日射量である。ただし、Qh1=Qmin(up)−Qmin(d
own2)がハンチングを防止することができる最低幅Qh0
よりも小さい場合にはヒステリシスが成立しなくなるた
め、この場合はQmin(down2)をQmin(up)−Qh0に変更
する。
なる日射量である。ただし、Qh1=Qmin(up)−Qmin(d
own2)がハンチングを防止することができる最低幅Qh0
よりも小さい場合にはヒステリシスが成立しなくなるた
め、この場合はQmin(down2)をQmin(up)−Qh0に変更
する。
【0033】以上の手順で更新された風量補正マップM
1,M2では、記憶されている日射変化量ΔQSUNに対
する操作量ΔVの変化率Ksunの平均値Ksun(up)が大き
いほど、制御線の傾きが大きくなる。また特にマップM
2では、日射量減少時における制御線の傾き、つまり風
量補正量の変化率が日射量増加時と比べて大きくなる。
1,M2では、記憶されている日射変化量ΔQSUNに対
する操作量ΔVの変化率Ksunの平均値Ksun(up)が大き
いほど、制御線の傾きが大きくなる。また特にマップM
2では、日射量減少時における制御線の傾き、つまり風
量補正量の変化率が日射量増加時と比べて大きくなる。
【0034】ステップ121の次は図6のステップ12
2に進む。ステップ122〜126では、日射量以外の
熱環境情報によるファン電圧補正量マップの更新を行
う。まずステップ122で補正設定温度TSET'と室温T
ICとの偏差が2℃未満か否か、すなわち室温状態が安定
しているか否かを判定し、肯定されるとステップ123
に進む。ステップ123では、上記操作された操作部材
が室温設定器48かブロアファンスイッチ49かを判定
し、室温設定器48の場合にはステップ124に進み、
外気温TAMBに設定温度補正量ΔTSETを対応づけた特性
(予め記憶されている)を更新して記憶する。この特性
の更新方法を以下に説明する。まず、現在の外気温TAM
Bに対する設定温度の変更幅(設定温度が変更される前
の設定温度と変更後の設定温度との差)に重みWを乗じ
た値を、その外気温TAMBにおける累積の変更幅に加え
る。次に求められた累積変更幅を現在までの設定温度変
更操作回数で除して平均変更幅を求める。そして、この
平均変更幅に重み係数を乗じた値をその外気温での設定
温度補正幅ΔTSETとする。
2に進む。ステップ122〜126では、日射量以外の
熱環境情報によるファン電圧補正量マップの更新を行
う。まずステップ122で補正設定温度TSET'と室温T
ICとの偏差が2℃未満か否か、すなわち室温状態が安定
しているか否かを判定し、肯定されるとステップ123
に進む。ステップ123では、上記操作された操作部材
が室温設定器48かブロアファンスイッチ49かを判定
し、室温設定器48の場合にはステップ124に進み、
外気温TAMBに設定温度補正量ΔTSETを対応づけた特性
(予め記憶されている)を更新して記憶する。この特性
の更新方法を以下に説明する。まず、現在の外気温TAM
Bに対する設定温度の変更幅(設定温度が変更される前
の設定温度と変更後の設定温度との差)に重みWを乗じ
た値を、その外気温TAMBにおける累積の変更幅に加え
る。次に求められた累積変更幅を現在までの設定温度変
更操作回数で除して平均変更幅を求める。そして、この
平均変更幅に重み係数を乗じた値をその外気温での設定
温度補正幅ΔTSETとする。
【0035】一方、上記ステップ123において、操作
されたのがブロアファンスイッチ49と判定された場合
には、ステップ125で外気温TAMBにファン電圧補正
量ΔVFANを対応づけた特性(予め記憶されている)を
更新する。すなわち、上述と同様に現在の外気温TAMB
に対するファン電圧変更幅(ブロアファンスイッチ49
の操作が行われる前のファン電圧と操作により指令され
たファン電圧との差)に重みWを乗じた値を、その外気
温TAMBにおける累積の変更幅に加え、現在までの風量
設定操作回数で除して平均変更幅を求める。そして、こ
の平均変更幅に重み係数を乗じた値をその外気温での風
量補正幅ΔVFANとする。また、上記ステップ122で
補正設定温度TSET'と室温TICとの偏差が2℃以上と判
定された場合にはステップ126に進み、上記偏差(T
SET'−TIC)にファン電圧補正量ΔVFANを対応づけた
特性(予め記憶されている)を更新する。その更新方法
は、ステップ125におけるTAMBを(TSET'−TIC)
に置き換えたものと考えてよい。
されたのがブロアファンスイッチ49と判定された場合
には、ステップ125で外気温TAMBにファン電圧補正
量ΔVFANを対応づけた特性(予め記憶されている)を
更新する。すなわち、上述と同様に現在の外気温TAMB
に対するファン電圧変更幅(ブロアファンスイッチ49
の操作が行われる前のファン電圧と操作により指令され
たファン電圧との差)に重みWを乗じた値を、その外気
温TAMBにおける累積の変更幅に加え、現在までの風量
設定操作回数で除して平均変更幅を求める。そして、こ
の平均変更幅に重み係数を乗じた値をその外気温での風
量補正幅ΔVFANとする。また、上記ステップ122で
補正設定温度TSET'と室温TICとの偏差が2℃以上と判
定された場合にはステップ126に進み、上記偏差(T
SET'−TIC)にファン電圧補正量ΔVFANを対応づけた
特性(予め記憶されている)を更新する。その更新方法
は、ステップ125におけるTAMBを(TSET'−TIC)
に置き換えたものと考えてよい。
【0036】上記ステップ124,125,126の後
は図7のステップ127に進み、ブロアファンスイッチ
49が操作されているか否かを判定する。操作されてい
る場合にはステップ132へ進み、操作されていない場
合、すなわち自動制御の場合にはステップ128に進
む。ステップ128では、設定温度TSET'と室温TICと
の偏差が2℃未満か否かを判定し、肯定されるとステッ
プ129に進み、上記ステップ125で記憶された特性
に従って現在の外気温度TAMBに対するファン電圧補正
量ΔVFANを決定する。一方、ステップ128が否定さ
れるとステップ130に進み、上記ステップ126で記
憶された特性に従って上記偏差に対するファン電圧補正
量ΔVFANを決定する。
は図7のステップ127に進み、ブロアファンスイッチ
49が操作されているか否かを判定する。操作されてい
る場合にはステップ132へ進み、操作されていない場
合、すなわち自動制御の場合にはステップ128に進
む。ステップ128では、設定温度TSET'と室温TICと
の偏差が2℃未満か否かを判定し、肯定されるとステッ
プ129に進み、上記ステップ125で記憶された特性
に従って現在の外気温度TAMBに対するファン電圧補正
量ΔVFANを決定する。一方、ステップ128が否定さ
れるとステップ130に進み、上記ステップ126で記
憶された特性に従って上記偏差に対するファン電圧補正
量ΔVFANを決定する。
【0037】ステップ129,130の後はステップS
131に進み、上記ステップ131で求めたファン電圧
VFANを、ステップ129または130で求めた補正量
ΔVFANと、ステップ111または112で求めた補正
量ΔVSUNを用いて補正する。すなわち、
131に進み、上記ステップ131で求めたファン電圧
VFANを、ステップ129または130で求めた補正量
ΔVFANと、ステップ111または112で求めた補正
量ΔVSUNを用いて補正する。すなわち、
【数15】 VFAN'=VFAN+K1×ΔVFAN+K2×ΔVSUN (ただし、K1,K2は定数) により補正ファン電圧VFAN'を求める。ステップ132
では、ステップ131で得られた補正ファン電圧VFAN'
またはブロアファンスイッチ49により指令されたファ
ン電圧VFANをブロアファンモータ20に印加し、その
印加電圧に応じた風量でブロアファン18を駆動せしめ
る。その後、ステップ133では各ドアアクチュエータ
に駆動信号を出力して、上記ステップ115で得られた
エアミックスドア開度Xとなるようにエアミックスドア
23を駆動するとともに、ステップS117で得られた
吹出口モードを設定する。その後、処理はステップS1
03に戻り、上述の処理を繰り返す。
では、ステップ131で得られた補正ファン電圧VFAN'
またはブロアファンスイッチ49により指令されたファ
ン電圧VFANをブロアファンモータ20に印加し、その
印加電圧に応じた風量でブロアファン18を駆動せしめ
る。その後、ステップ133では各ドアアクチュエータ
に駆動信号を出力して、上記ステップ115で得られた
エアミックスドア開度Xとなるようにエアミックスドア
23を駆動するとともに、ステップS117で得られた
吹出口モードを設定する。その後、処理はステップS1
03に戻り、上述の処理を繰り返す。
【0038】以上が制御装置4による空調制御の手順で
ある。この手順によれば、自動制御時に日射変化量ΔQ
SUNが所定量以下の場合、すなわち日射が緩やかに変化
している場合には、図10に示す風量補正マップM1が
選択され、日射変化量ΔQSUNが所定量を超える場合、
すなわち日射量が急激に変化する場合には、図11に示
す風量補正マップM2が選択され、選択されたマップか
ら日射量に応じたファン電圧補正量ΔVSUNが求められ
る。一方、ステップ113に示す特性から外気温TAMB
に応じた設定温度補正量ΔTSETが求められ、この補正
量ΔTSETで設定温度TSETが補正される。そして、補正
された設定温度TSET'と、検出された外気温TAMB、室
内温度TICおよび日射量QSUNに基づいて目標吹出温度
Tofが演算され、この目標吹出温度Tofに応じてステッ
プ116の特性からファン設定値VFANが求められる。
さらに、設定温度TSET'と室内温度TICとの偏差(TSE
T'−TIC)に応じて、ステップ129または130の特
性から外気温TAMBあるいは上記偏差(TSET'−TIC)
に応じたファン電圧補正量ΔVFANが求められ、上記得
られたファン設定値VFANがΔVSUNおよびΔVFANで補
正される。そして、補正されたファン電圧VFAN'がブロ
アファンモータ20に印加されてブロアファン18が駆
動される。
ある。この手順によれば、自動制御時に日射変化量ΔQ
SUNが所定量以下の場合、すなわち日射が緩やかに変化
している場合には、図10に示す風量補正マップM1が
選択され、日射変化量ΔQSUNが所定量を超える場合、
すなわち日射量が急激に変化する場合には、図11に示
す風量補正マップM2が選択され、選択されたマップか
ら日射量に応じたファン電圧補正量ΔVSUNが求められ
る。一方、ステップ113に示す特性から外気温TAMB
に応じた設定温度補正量ΔTSETが求められ、この補正
量ΔTSETで設定温度TSETが補正される。そして、補正
された設定温度TSET'と、検出された外気温TAMB、室
内温度TICおよび日射量QSUNに基づいて目標吹出温度
Tofが演算され、この目標吹出温度Tofに応じてステッ
プ116の特性からファン設定値VFANが求められる。
さらに、設定温度TSET'と室内温度TICとの偏差(TSE
T'−TIC)に応じて、ステップ129または130の特
性から外気温TAMBあるいは上記偏差(TSET'−TIC)
に応じたファン電圧補正量ΔVFANが求められ、上記得
られたファン設定値VFANがΔVSUNおよびΔVFANで補
正される。そして、補正されたファン電圧VFAN'がブロ
アファンモータ20に印加されてブロアファン18が駆
動される。
【0039】上記風量補正マップM1では、風量補正量
の変化率が熱環境の増加時と減少時とで等しいのに対
し、風量補正マップM2では、風量補正量の変化率が熱
環境の増加時と減少時とで異なっている。そして、日射
量が急激に変化する場合には風量補正マップM2により
風量補正が行われるから、上述したように一般的な人間
の日射感が日射増加時と減少時とで異なっても、乗員の
日射減少感に適合した風量を設定できる。一方、日射量
が緩やかに減少する場合には風量補正マップM1により
風量補正が行われるから、風量が低くなり過ぎるのを防
止できる。
の変化率が熱環境の増加時と減少時とで等しいのに対
し、風量補正マップM2では、風量補正量の変化率が熱
環境の増加時と減少時とで異なっている。そして、日射
量が急激に変化する場合には風量補正マップM2により
風量補正が行われるから、上述したように一般的な人間
の日射感が日射増加時と減少時とで異なっても、乗員の
日射減少感に適合した風量を設定できる。一方、日射量
が緩やかに減少する場合には風量補正マップM1により
風量補正が行われるから、風量が低くなり過ぎるのを防
止できる。
【0040】ところで、上記風量補正マップM1,M2
は、乗員による風量変更操作が行われるたびにその特性
線が逐次更新される。すなわち、上記自動制御時にブロ
アファンスイッチ49あるいは室温設定器38が操作さ
れると(手動による風量変更操作が行われると)、その
操作量ΔV(操作によるファン電圧変化量)と、そのと
きの日射量QSUNと、日射変化量ΔQSUNとがセットで記
憶され、その記憶情報に基づいて上記風量補正マップM
1,M2が更新される。換言すれば、日射の変化に対し
て乗員がどの程度風量を変更したかに基づいて風量補正
マップM1,M2が更新される。したがって、更新され
たマップM1,M2により風量補正を行うことにより、
人間の日射量変化に対する日射感に個人差があってもそ
の乗員に適した風量を設定することが可能となる。ま
た、上記情報の記憶は日射変化量が所定値を超えるとき
に限られ、日射変化量が所定値以下の場合、すなわち例
えば日射量に変化が生じた後、しばらく経過して日射量
が安定した場合には、風量変更操作がなされてもその操
作が日射量変化に反応した操作でないと判断され、情報
記憶は行われない。したがって、風量補正特性が乗員の
意思に反して不所望に変更されるのを防止できる。
は、乗員による風量変更操作が行われるたびにその特性
線が逐次更新される。すなわち、上記自動制御時にブロ
アファンスイッチ49あるいは室温設定器38が操作さ
れると(手動による風量変更操作が行われると)、その
操作量ΔV(操作によるファン電圧変化量)と、そのと
きの日射量QSUNと、日射変化量ΔQSUNとがセットで記
憶され、その記憶情報に基づいて上記風量補正マップM
1,M2が更新される。換言すれば、日射の変化に対し
て乗員がどの程度風量を変更したかに基づいて風量補正
マップM1,M2が更新される。したがって、更新され
たマップM1,M2により風量補正を行うことにより、
人間の日射量変化に対する日射感に個人差があってもそ
の乗員に適した風量を設定することが可能となる。ま
た、上記情報の記憶は日射変化量が所定値を超えるとき
に限られ、日射変化量が所定値以下の場合、すなわち例
えば日射量に変化が生じた後、しばらく経過して日射量
が安定した場合には、風量変更操作がなされてもその操
作が日射量変化に反応した操作でないと判断され、情報
記憶は行われない。したがって、風量補正特性が乗員の
意思に反して不所望に変更されるのを防止できる。
【0041】さらに本実施例では、日射以外にも乗員の
過去の操作状況に基づいて、例えば設定温度TSETを外
気温TAMBに応じて補正したり、風量を外気温TAMBや設
定温度と室内温度との偏差(TSET'−TIC)に応じて補
正するようにしたので、より一層乗員の好みに適合した
風量制御を行うことができる。
過去の操作状況に基づいて、例えば設定温度TSETを外
気温TAMBに応じて補正したり、風量を外気温TAMBや設
定温度と室内温度との偏差(TSET'−TIC)に応じて補
正するようにしたので、より一層乗員の好みに適合した
風量制御を行うことができる。
【0042】以上の実施例の構成において、ブロアファ
ン18が送風装置101を、熱環境情報入力部2が熱環
境情報入力手段102を、制御装置4が風量演算手段1
03,補正手段104,制御手段105,選択手段10
8,記憶手段106および更新手段107をそれぞれ構
成する。また、風量補正マップM1,M2が第1,第2
の風量補正特性にそれぞれ相当する。
ン18が送風装置101を、熱環境情報入力部2が熱環
境情報入力手段102を、制御装置4が風量演算手段1
03,補正手段104,制御手段105,選択手段10
8,記憶手段106および更新手段107をそれぞれ構
成する。また、風量補正マップM1,M2が第1,第2
の風量補正特性にそれぞれ相当する。
【0043】なお以上では、風量補正マップM2の日射
減少時における特性線の傾きを実験結果による既定値に
応じて求めたが、この傾きをステップ120で記憶され
る記憶情報に基づいて求めるようにした別実施例を以下
に説明する。なお、風量補正マップM1、および風量補
正マップM2の日射増加時の特性線の求め方は先の実施
例と同様である。風量補正マップM2の日射減少時の特
性線を求めるに当り、まず、記憶された情報のうちΔQ
SUN<0の情報、すなわち日射減少時の情報のみを抽出
し、抽出された情報に対して、
減少時における特性線の傾きを実験結果による既定値に
応じて求めたが、この傾きをステップ120で記憶され
る記憶情報に基づいて求めるようにした別実施例を以下
に説明する。なお、風量補正マップM1、および風量補
正マップM2の日射増加時の特性線の求め方は先の実施
例と同様である。風量補正マップM2の日射減少時の特
性線を求めるに当り、まず、記憶された情報のうちΔQ
SUN<0の情報、すなわち日射減少時の情報のみを抽出
し、抽出された情報に対して、
【数16】Ksun=ΔV/ΔQSUN をそれぞれ演算し、その平均値をKsun(down')とする。
そして、
そして、
【数17】 によりKsun(down)を決定する。このKsun(down)を用い
て先の実施例と同様の式でQmax(down)を決定するとと
もに、これも同様の式で日射減少時の補正特性線を決定
する。この実施例によれば、風量補正マップM2の日射
減少時の傾きも乗員の操作状況に応じて求められるの
で、その乗員により適合した風量制御を行うことができ
る。
て先の実施例と同様の式でQmax(down)を決定するとと
もに、これも同様の式で日射減少時の補正特性線を決定
する。この実施例によれば、風量補正マップM2の日射
減少時の傾きも乗員の操作状況に応じて求められるの
で、その乗員により適合した風量制御を行うことができ
る。
【0044】なお、風量補正マップM1,M2の求め方
は実施例に限定されず、乗員の日射による風量変更操作
を反映することができれば他の演算方法でもよい。
は実施例に限定されず、乗員の日射による風量変更操作
を反映することができれば他の演算方法でもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、風量補正特性として、
風量補正量の変化率が熱環境の増加時と減少時とで等し
い第1の風量補正特性、風量補正量の変化率が熱環境の
増加時と減少時とで異なる第2の風量補正特性を選択可
能としたので、第2の風量補正特性を用いることによ
り、一般的な人間の熱環境に対する感じ方に適した空調
風制御が行える。また、乗員による風量変更操作に伴
い、そのときの風量情報または風量変化量情報を熱環境
情報に組み合わせて記憶し、その記憶情報に基づいて上
記第1および第2の風量補正特性を変更するようにした
ので、熱環境の変化に対して乗員がどの程度風量を変更
したかに基づく補正が行え、人間の熱環境に対する感じ
方に個人差があってもその乗員に適した空調風制御が行
える。特に請求項2の発明によれば、風量補正特性を日
射量の変化に風量補正量を対応づけた特性とし、特に第
2の風量補正特性では、日射量減少時の風量変化率を日
射量増加時と比べて大きくしたので、人間の日射量増減
に対する日射感に適合した風量を設定することができ
る。また請求項3の発明によれば、記憶手段に記憶する
熱環境情報を日射量情報としたので、例えば山道を走行
しているときのように日射量が激しく変化するような場
合でもその乗員の好みの風量を設定することが可能とな
る。また、既定時間における日射変化量が所定量以上の
場合にのみ上記日射量情報を記憶するようにしたので、
日射量の変化以外の要因で風量変更操作を行った場合の
情報は記憶されず、以って風量補正特性が乗員の意思に
反して不所望に変更されるのを防止できる。さらに請求
項4の発明によれば、日射量の既定時間における変化量
が所定量未満の場合には第1の風量補正特性を選択し、
上記変化量が所定量以上の場合には第2の風量補正特性
を選択するようにしたので、日射量が急激に変化する場
合に乗員の日射減少感に適合した風量を設定できるとと
もに、日射量が緩やかに減少する場合に風量が低くなり
過ぎるのを防止できる。さらにまた、請求項5の発明に
よれば、記憶手段の記憶情報に基づいて第1の風量補正
特性と第2の風量補正特性との特性線の差を演算し、そ
の演算結果に基づいて第1および第2の風量補正特性を
更新するようにしたので、正確な風量補正特性を演算す
ることが可能となる。
風量補正量の変化率が熱環境の増加時と減少時とで等し
い第1の風量補正特性、風量補正量の変化率が熱環境の
増加時と減少時とで異なる第2の風量補正特性を選択可
能としたので、第2の風量補正特性を用いることによ
り、一般的な人間の熱環境に対する感じ方に適した空調
風制御が行える。また、乗員による風量変更操作に伴
い、そのときの風量情報または風量変化量情報を熱環境
情報に組み合わせて記憶し、その記憶情報に基づいて上
記第1および第2の風量補正特性を変更するようにした
ので、熱環境の変化に対して乗員がどの程度風量を変更
したかに基づく補正が行え、人間の熱環境に対する感じ
方に個人差があってもその乗員に適した空調風制御が行
える。特に請求項2の発明によれば、風量補正特性を日
射量の変化に風量補正量を対応づけた特性とし、特に第
2の風量補正特性では、日射量減少時の風量変化率を日
射量増加時と比べて大きくしたので、人間の日射量増減
に対する日射感に適合した風量を設定することができ
る。また請求項3の発明によれば、記憶手段に記憶する
熱環境情報を日射量情報としたので、例えば山道を走行
しているときのように日射量が激しく変化するような場
合でもその乗員の好みの風量を設定することが可能とな
る。また、既定時間における日射変化量が所定量以上の
場合にのみ上記日射量情報を記憶するようにしたので、
日射量の変化以外の要因で風量変更操作を行った場合の
情報は記憶されず、以って風量補正特性が乗員の意思に
反して不所望に変更されるのを防止できる。さらに請求
項4の発明によれば、日射量の既定時間における変化量
が所定量未満の場合には第1の風量補正特性を選択し、
上記変化量が所定量以上の場合には第2の風量補正特性
を選択するようにしたので、日射量が急激に変化する場
合に乗員の日射減少感に適合した風量を設定できるとと
もに、日射量が緩やかに減少する場合に風量が低くなり
過ぎるのを防止できる。さらにまた、請求項5の発明に
よれば、記憶手段の記憶情報に基づいて第1の風量補正
特性と第2の風量補正特性との特性線の差を演算し、そ
の演算結果に基づいて第1および第2の風量補正特性を
更新するようにしたので、正確な風量補正特性を演算す
ることが可能となる。
【図1】クレーム対応図。
【図2】本発明に係る自動車用空調装置の構成を示す
図。
図。
【図3】空調制御の手順を示すフローチャート。
【図4】図3に続くフローチャート。
【図5】図4に続くフローチャート。
【図6】図5に続くフローチャート。
【図7】図6に続くフローチャート。
【図8】時間の経過に対する日射量変化の一例を示す
図。
図。
【図9】設定情報記憶部に記憶される情報の一例を示す
図。
図。
【図10】風量補正マップM1を示す図。
【図11】風量補正マップM2を示す図。
【図12】日射量増加時および減少時における日射感の
相違を説明する図。
相違を説明する図。
1 空調装置本体 2 熱環境情報入力部 3 オ−トスイッチ 4 制御装置 5 手動設定部 6 風量変更情報記憶部 18 ブロアファン 20 ブロアファンモータ 45 室温セン 46 外気温センサ 47 日射量センサ 48 室温設定器 49 ブロアファンスイッチ 101 送風装置 102 熱環境情報入力手段 103 風量演算手段 104 補正手段 105 制御手段 106 記憶手段 107 更新手段 108 選択手段
Claims (5)
- 【請求項1】 車室内に空気を送風する送風装置と、 熱環境情報入力手段から入力される熱環境情報、および
乗員により設定される設定温度に基づいて所定の制御特
性から前記送風装置の送風量を求める風量演算手段と、 熱環境量に風量補正量を対応づけた風量補正特性に従っ
て前記求められた送風量に補正を加える補正手段と、 前記補正された送風量となるように送風装置を自動制御
する制御手段とを備えた自動車用空調装置において、 前記制御手段による自動制御時に手動操作によって風量
の変更が指令された場合には、そのときの風量情報また
は風量変化量情報を既定時間内における熱環境情報と組
み合わせて記憶する記憶手段と、 前記風量補正量の変化率が前記熱環境量の増加時と減少
時とで等しい第1の風量補正特性、および風量補正量の
変化率が前記熱環境量の増加時と減少時とで異なる第2
の風量補正特性を前記記憶手段の記憶情報に基づいて更
新する更新手段と、 前記第1の風量補正特性および第2の風量補正特性のい
ずれかを選択する選択手段とを備え、 前記補正手段は、前記選択された風量補正特性に従って
前記風量演算手段で求められた送風量に補正を加えるこ
とを特徴とする自動車用空調装置。 - 【請求項2】 前記第1および第2の風量補正特性は、
日射量に風量補正量を対応づけた特性であり、特に第2
の風量補正特性では、日射量減少時の風量変化率が日射
量増加時と比べて大きくなっていることを特徴とする請
求項1に記載の自動車用空調装置。 - 【請求項3】 前記記憶手段に記憶される熱環境情報は
日射量情報であり、既定時間における日射変化量が所定
量以上の場合にのみ前記風量情報または風量変化量情報
を前記日射量情報と組み合わせて前記記憶手段に記憶す
るようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動車
用空調装置。 - 【請求項4】 前記選択手段は、既定時間における日射
変化量が所定量未満の場合には前記第1の風量補正特性
を選択し、該日射変化量が所定量以上の場合には前記第
2の風量補正特性を選択することを特徴とする請求項2
または3に記載の自動車用空調装置。 - 【請求項5】 前記更新手段は、前記記憶手段の記憶情
報に基づいて前記第1の風量補正特性と第2の風量補正
特性との特性線の差を演算し、その演算結果に基づいて
第1および第2の風量補正特性を更新することを特徴と
する請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用空調装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17337493A JPH0725222A (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-13 | 自動車用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17337493A JPH0725222A (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-13 | 自動車用空調装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0725222A true JPH0725222A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=15959212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17337493A Pending JPH0725222A (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-13 | 自動車用空調装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0725222A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007513103A (ja) * | 2003-12-04 | 2007-05-24 | バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト | 殺虫及び殺ダニ特性を有する活性物質の組合せ物 |
-
1993
- 1993-07-13 JP JP17337493A patent/JPH0725222A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007513103A (ja) * | 2003-12-04 | 2007-05-24 | バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト | 殺虫及び殺ダニ特性を有する活性物質の組合せ物 |
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