JPH07251825A

JPH07251825A - トレー

Info

Publication number: JPH07251825A
Application number: JP6780694A
Authority: JP
Inventors: Shigeharu Satake; 重晴佐竹
Original assignee: TAIYO SHIKO KK
Current assignee: TAIYO SHIKO KK
Priority date: 1994-03-11
Filing date: 1994-03-11
Publication date: 1995-10-03

Abstract

(57)【要約】【目的】耐ラップ性を向上でき、食品等をのせてから
プラスチックフィルムでラップしたときの側壁の倒れを
防止できるとともに、使用後には分別回収が不要にな
り、環境衛生や環境美感を汚す心配もないトレーを提供
する。【構成】トレー１は紙素材２により組み立てられ、二
つの側壁７の頂縁に連続形成された引張片９が、該側壁
７の外側面に回されてから底壁５の下面に止められる。
紙素材２には、耐水性の波状紙３とその下面に貼り合わ
された平面状ライナー紙４とからなる片面段ボール紙が
使用され、該波状紙３の波状面で底壁５の上面と側壁７
の内側面とが構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、食品その他の小物（以
下、食品等という。）の簡易包装に使用されるトレーに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の食品用トレーのほとんどは、発泡
ポリスチロール樹脂により成形されており、その食品受
け面は平坦面又は起伏の小さい凹凸面で構成されてい
た。このトレーは軽量で安価なため、多量に使用されて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記食品用
トレーには次のような問題があった。（１）食品受け面が平坦面又は起伏の小さい凹凸面で構
成されていて、食品が食品受け面にべったりと密着しや
すく、また、食品から浸出した水分が食品と食品受け面
との間に溜りやすかったため、食品が傷みやすかった。（２）上記トレーは意匠的に面白味がなく、また材質的
に自然感がないため、あまり高いイメージは持たれてい
なかった。（３）発泡ポリスチロール樹脂は焼却時に有害ガスを発
生するので、使用済みのトレーを普通の燃えるゴミとは
分別回収して処理する必要がある。しかし、現実にはそ
の分別回収が不十分なため、有害ガスによる環境衛生の
汚染の問題があった。また、発泡ポリスチロール樹脂は
腐敗しないので、不当に捨てられたトレーが環境美観を
汚すこともあった。

【０００４】そこで、本発明者らは先に、耐水性の波状
紙を含む紙素材により組み立てられ、食品受け面が前記
波状紙の波状面で構成された食品用トレーを発明した
（特願平５−２０８９５７号、本願出願時において未出
願公開）。この食品用トレーは、使用時に食品が傷みに
くくなり、意匠的な面白味や材質的な自然感によってイ
メージアップを図ることもでき、使用後には分別回収が
不要になり、環境衛生や環境美感を汚す心配もない、と
いう優れた効果を奏する。

【０００５】しかし、この食品用トレーにも耐ラップ性
の課題が残っていた。すなわち、食品用トレーは食品を
のせてからプラスチックフィルムでラップすることが多
く、その場合、側壁の外側面に強い押圧力がかかる。従
って、紙素材よりなる側壁は、その内側面側に倒れる心
配があった。

【０００６】本発明の目的は、上記課題を解決し、耐ラ
ップ性を向上でき、食品等をのせてからプラスチックフ
ィルムでラップしたときの側壁の倒れを防止できるとと
もに、使用後には分別回収が不要になり、環境衛生や環
境美感を汚す心配もない新規なトレーを提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のトレーは、紙素
材により組み立てられ、少なくとも一つの側壁の頂縁に
連続形成された引張片が、該側壁の外側面に回されてか
ら底壁の下面に止められたことを特徴とするものであ
る。引張片を連続形成する側壁は、プラスチックフィル
ムでラップしたときに倒れやすい側壁を適宜選択すれば
よい。引張片を底壁の下面に止める手段としては、接着
剤、粘着剤（粘着テープを含む）、スナップ、ハトメ等
を例示できる。

【０００８】また、紙素材は耐水性の波状紙を含み、該
波状紙の波状面で底壁の上面と側壁の内側面とが構成さ
れることが好ましい。耐水性の波状紙としては、合成樹
脂、ロウ等の耐水材を表面処理又は含浸処理したものを
例示できる。

【０００９】

【作用】本発明のトレーによれば、少なくとも一つの側
壁の頂縁に連続形成された引張片が、該側壁の外側面に
回されてから底壁の下面に止められているので、食品等
をのせてからプラスチックフィルムでラップしたとき
に、その側壁が内側面側に倒れるのを、引張片が引張っ
て防止する作用がある。また、紙素材により組み立てら
れていて、焼却時に有害ガスが発生しないので、使用済
みのトレーを普通の燃えるゴミと一緒に廃棄することが
でき、環境衛生を汚す心配がない。また、不当に捨てら
れたとしても腐敗してしまうので、いつまでも環境美観
を汚し続けることはない。

【００１０】また、紙素材が耐水性の波状紙を含み、該
波状紙の波状面で底壁の上面と側壁の内側面とが構成さ
れた場合には、その波状面に食品等を通気性のある状態
で載せることができ、また、食品等から浸出した水分は
波状面に落ち込んで食品等には接しにくいため、食品等
が傷みにくい。なお、波状紙は耐水性なので、水漏れし
ない。さらに、トレーは波状面の存在により意匠的に面
白味があり、また紙素材の採用により材質的に自然感が
あるため、トレーのイメージアップを図ることができ
る。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を具体化した実施例について、
図面を参照して説明する。本実施例のトレー１は、図３
に展開して示すような紙素材２を使用して、図２乃至図
１に示すように組み立てられたものである。

【００１２】紙素材２には、耐水性の波状紙３とその下
面に貼り合わされた平面状ライナー紙４とからなる片面
段ボール紙が使用されている。この紙素材２は、中央の
略正方形の底壁５と、その四辺に連続した側壁６，７
（６は次の引張片の無い二つの対峙する側壁を指し、７
は次の引張片の有る二つの対峙する側壁を指す。）と、
側壁６，７の端部相互間に連続した各々２連三角形の折
込片８と、側壁７の頂縁に連続形成されて延長した二つ
の引張片９とを備えている。本実施例の引張片９は、そ
の延長方向が波状紙３の波進行方向と同じである。紙素
材２の各部５，６，７，８，９の境界には折り目１０が
入れられている。

【００１３】トレー１を組み立てるには、図２に示すよ
うに、底壁５に対して側壁６，７を斜めに折り立てる。
次に、２連三角形の折込片８を、その内面同志を折り合
わせて、側壁７の外側面に折り込むとともに接着剤によ
り接着する。そして、二つの引張片９を、側壁７の外側
面に回してから、底壁５の下面に接着剤で止めればよ
い。図１に示すように、二つの引張片９の先端同志が互
いに重なるようにした場合には、その重なる所も接着剤
で互いに止める。また、二つの引張片９の先端同志は重
ならないようにしてもよい。

【００１４】組み立てられたトレー１は、底壁５の上面
と斜めに立った側壁６，７の内側面とが食品等の受け面
になっており、前記波状紙３の波状面で構成されてい
る。

【００１５】本実施例のトレー１によれば、二つの側壁
７の頂縁に連続形成された引張片９が、該側壁７の外側
面に回されてから底壁５の下面に止められているので、
食品等をのせてからプラスチックフィルムでラップした
ときに、その側壁７が内側面側に倒れるのを、引張片９
が引張って防止する作用がある。

【００１６】また、引張片９が、側壁７の外側面に接着
された折込片８を隠すので、外観がすっきりして見栄え
が良くなる。

【００１７】また、食品等の受け面が波状紙３の波状面
で構成されていて、その波状面に食品等を通気性のある
状態で載せることができ、また、食品から浸出した水分
は波状面に落ち込んで食品等には接しにくいため、食品
等が傷みにくい。また、波状紙３は耐水性なので、水漏
れしない。しかも、波状紙３の下面には平面状ライナー
紙４が貼り合わされていて、それらの間の空気により断
熱性を発揮する。

【００１８】また、このトレー１は波状面の存在により
意匠的に面白味があり、また紙素材２の採用により材質
的に自然感があるため、トレーのイメージアップを図る
ことができる。

【００１９】さらに、トレー１が紙素材２により組み立
てられていて、焼却時に有害ガスが発生しないので、使
用済みのトレー１を普通の燃えるゴミと一緒に廃棄する
ことができ、環境衛生を汚す心配がない。また、不当に
捨てられたとしても腐敗してしまうので、いつまでも環
境美観を汚し続けることはない。

【００２０】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れず、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない
範囲で適宜変更して具体化することもできる。（１）図４に示すように、前記実施例では引張片の無か
った側壁７の頂縁に引張片９を連続形成し、該引張片９
の延長方向を波状紙３の波進行方向に対して直角方向に
すること。（２）全ての側壁６，７の頂縁に引張片９を連続形成す
ること。

【００２１】（３）平らな紙素材や、波状紙のみからな
る紙素材や、平面状ライナー紙の両面に波状紙が貼り合
わされてなる紙素材等を使用して組み立てること。（４）前記コーナ部分の接着構造を変更すること。（５）全体の形状を変更すること。例えば底壁を長方形
にしたり、四角形以外の多角形にしたりすること。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述した通り、請求項１記載の本発
明のトレーは、耐ラップ性を向上でき、食品等をのせて
からプラスチックフィルムでラップしたときの側壁の倒
れを防止できるとともに、使用後には分別回収が不要に
なり、環境衛生や環境美感を汚す心配もない、という優
れた効果を奏する。

【００２３】さらに、請求項２記載の本発明のトレーに
よれば、使用時に食品等が傷みにくくなり、意匠的な面
白味や材質的な自然感によってイメージアップを図るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のトレーを示す斜視図である。

【図２】同トレーの組立途中における斜視図である。

【図３】同トレーの紙素材の展開図である。

【図４】同トレーの変更例の組立途中における斜視図で
ある。

【図５】同変更例の斜視図である。

【符号の説明】

１トレー２紙素材３波状紙５底壁６側壁７側壁９引張片

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】紙素材により組み立てられ、少なくとも
一つの側壁の頂縁に連続形成された引張片が、該側壁の
外側面に回されてから底壁の下面に止められたことを特
徴とするトレー。
【請求項２】前記紙素材は耐水性の波状紙を含み、該
波状紙の波状面で底壁の上面と側壁の内側面とが構成さ
れた請求項１記載のトレー。