JPH0725156B2 - 合成紙およびその製造方法 - Google Patents

合成紙およびその製造方法

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JPH0725156B2
JPH0725156B2 JP2131373A JP13137390A JPH0725156B2 JP H0725156 B2 JPH0725156 B2 JP H0725156B2 JP 2131373 A JP2131373 A JP 2131373A JP 13137390 A JP13137390 A JP 13137390A JP H0725156 B2 JPH0725156 B2 JP H0725156B2
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忠夫 石橋
和宏 山田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は従来の紙と同一目的に同様に使用可能な不透明
積層延伸成形物からなる合成紙に関する。詳しくは、結
晶性ポリプロピレンに特定の水素化石油樹脂が配合され
た延伸成形物層(A)と、結晶性ポリオレフィンに無機
充填剤及び特定の高軟化点石油樹脂が特定量配合された
組成物からなる層(B)との積層体である不透明な空洞
含有延伸積層成形物からなる合成紙に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来から、紙状の外観及び機能を有するプラスチックフ
ィルムを合成紙として用いる試みが行なわれている。こ
のプラスチックの紙化技術としてはたとえば、無機充填
剤を含有する熱可塑性樹脂シート又はフィルム(以下、
「シート状物」と総称することがある)を適当な温度に
加熱後に、一軸延伸又は二軸延伸することにより該シー
ト状物に微小なボイドを多数形成させて得られる不透明
で、白さ、風合及び感触等で点で天然紙に類似したフィ
ルムを紙状層として用いた合成紙が知られている。
しかしながら、白さ等を十分な水準に到達させる為に、
充填剤が多重に配合された樹脂組成物は溶融押出しに際
して流動性不良又は吸湿発泡による孔あき等のトラブル
を生じ易い。その結果、高配合樹脂組成物を紙化するこ
とは生産性に非常に劣り、成形機器の激しい摩耗を来す
等の多くの欠点を伴う。また、得られた高配合樹脂フィ
ルムは無延伸状態では強度・剛性においてきわめて不十
分であり、他方そのフィルムを二軸延伸しようとする場
合には、甚だしい延伸性不足に起因する延伸破断に往々
にして直面する。更に、得られた製品も均一性に劣るこ
とから、延伸フィルムを安定的に生産することが実質的
に困難である。
従って、高配合フィルムには、一軸延伸が限界と言われ
ている。しかも、この一軸延伸フィルムが強い方向性を
示すことから、裂け易いという大きな欠点を伴ってお
り、従来の紙の代替としては不充分なものであった。
これらの問題の改善策として、特公昭46−40794号公報
には、熱可塑性樹脂からなる二軸延伸フィルムの少なく
とも片面に、充填剤配合熱可塑性樹脂からなる一軸延伸
フィルムを積層した構造物が提案されている。この方法
は充填剤配合の紙状層の形成法として一応有用ではある
が、依然として次の様な解決の余地を残している。即
ち、二軸延伸フィルム層に充填剤を多量に配合すると、
該層の延伸性を大きく低下させることから、充分に不透
明化するまで多量には充填剤を配合出来ない。その補い
として、一軸延伸フィルム層に無機充填剤又は無機顔料
等を多量に配合することによって、該一軸延伸フィルム
層のみで必要な不透明度を表現している。その結果、該
層をかなり厚くすることが不透明度確保に必須という欠
点が伴う。何れにせよ、上記の成形性低下が課題として
残されていた。
また、別の解決手段として、結晶性ポリプロピレンを基
材層(二軸延伸フィルム層)に用いた場合には、充填剤
を多量に含有する紙状層と該基材層との間の接着性も不
充分で、層間で剥離しやすいという欠点もあった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者等は上記従来の合成紙にかかわる欠点を解消す
ると共に、不透明性(高ボイド率)、印刷性及び筆記性
に優れ、紙として使用可能な合成紙を得るべく種々検討
した結果、以下に述べる本発明を完成した。
即ち、本発明は結晶性ポリプロピレン系樹脂に特定の石
油樹脂が配合された組成物からなるシート状物層(A)
の少なくとも片面に、結晶性ポリオレフィン系樹脂に・
・・が配合された組成物からなる層(B)を積層するこ
とによって、軽量かつ不透明で、合成紙としての使用に
耐える特性を有する積層延伸成形物を得ることを主眼と
するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、 (1)結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
て、軟化点(環球法)100℃以上の石油樹脂3〜100重量
部が配合された組成物からなるシート状物層(A)の少
なくとも片面に、結晶性ポリオレフィン系樹脂100重量
部に対して、無機充填剤0.5〜200重量部及び軟化点(環
球法)160〜230℃のシクロペンタジエン系石油樹脂1〜
100重量部が配合された組成物からなるシート状物層
(B)が存在する積層構造物からなることを特徴とする
合成紙、 (2)層(A)に用いられる石油樹脂が軟化点(環球
法)160〜230℃のシクロペンタジエン系石油樹脂であっ
て、層(A)が実質的に不透明な空洞含有延伸成形物で
あることを特徴とする請求項1に記載の合成紙、 (3)層(B)に用いられる無機充填剤が平均粒径10μ
m以下の無機充填剤であることを特徴とする請求項1に
記載の合成紙、 (4)結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
て、軟化点(環球法)100℃以上の石油樹脂3〜100重量
部が配合された組成物からなるシート状物層(A)の少
なくとも片面に、結晶性ポリオレフィン系樹脂100重量
部に対して、無機充填剤0.5〜200重量部及び軟化点(環
球法)160〜230℃のシクロペンタジエン系石油樹脂1〜
100重量部が配合された組成物からなるシート状物層
(B)を積層した後に、層(A)に用いられた結晶性ポ
リプロピレン系樹脂の結晶融点以下の温度で少なくとも
一方向に2倍以上延伸することを特徴とする合成紙の製
造方法、 (5)結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量部に対し
て、軟化点(環球法)100℃以上の石油樹脂3〜100重量
部が配合された組成物を溶融押出して得られた未延伸原
反を縦方向に少なくとも1.3倍延伸して得られた層
(A)の少なくとも片面に、結晶性ポリオレフィン系樹
脂100重量部に対して、無機充填剤0.5〜200重量部及び
軟化点(環球法)160〜230℃のシクロペンタジエン系石
油樹脂1〜100重量部が配合された組成物からなる層
(B)を積層し、得られた積層体を層(A)に用いられ
た結晶性ポリプロピレン系樹脂の結晶融点以下の温度で
横方向に5倍以上延伸することを特徴とする合成紙の製
造方法、 (6)層(A)に配合されるに石油樹脂として軟化点
(環球法)160〜230℃のシクロペンタジエン系石油樹脂
を用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の合成
紙の製造方法並びに (7)層(B)に配合される無機充填剤として平均粒径
10μm以下の無機充填剤を用いることを特徴とする請求
項4又は5に記載の合成紙の製造方法、 である。
本発明で層(A)に用いられる結晶性ポリプロピレン系
樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンを
主成分とし、それとエチレンもしくは炭素数4以上の他
のα−オレフィンの1以上との二元以上の共重合体又は
それらの混合物を挙げることができる:例えば、 結晶性単独重合ポリプロピレン、 結晶性エチレン・プロピレンブロック共重合体、 結晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体、 結晶性プロピレン・1−ブタン共重合体、 結晶性プロピレン・1−ヘキセン共重合体、 結晶性エチレン・プロピレン・1−ブテン三元共重合
体、 結晶性エチレン・プロピレン・1−ヘキセン三元共重合
体及び それらの混合物等。
これらは例えば、チーグラー・ナッタ触媒又はその応用
系等の公知の立体特異性触媒の存在下にスラリー法、溶
液法又は気相重合法等の公知の方法で単独重合又は共重
合を行なうことによって得ることが出来る。
それらの中からプロピレン成分を80重量%以上含有し、
沸騰n−ヘプタン抽出残分が70重量%以上、好ましくは
80重量%のものが好ましい。なお、延伸温度と相関性の
高い結晶融点の面からは、最も結晶融点の高いプロピレ
ンの単独重合体で160〜166℃前後である。プロピレン
に、エチレン又は炭素数4以上のα−オレフィンの1以
上を共重合させることによって、生成重合体の結晶融点
を低下させることが出来る結果、110℃前後の低融点の
共重合体も公知となっている。
また、この結晶性ポリプロピレンはそのメルトフローレ
ート(JIS K7210試験条件14に基づく。以下、「MFR」と
称する。)が通常、0.1〜30g/10min、好ましくは0.3〜1
0g/10minの範囲のものである。
本発明で層(B)に用いられる結晶性ポリオレフィン系
樹脂としては、上記の層(A)に記載の結晶性ポリプロ
ピレン系樹脂もしくは高密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、低密度ポリエチレン又はそれらの混合
物を挙げることができる。また、特に望ましい樹脂は層
(A)に用いられた結晶性ポリプロピレン系樹脂の結晶
融点と同等又はそれよりも低い結晶融点を有する上記の
プロピレン系共重合体である。該樹脂を用いることによ
って、層(B)の空洞(ボイド)含有状態を調整出来
る。
本発明で、層(A)の結晶性ポリプロピレンに添加され
る石油樹脂としては、石油等の熱分解に由来する不飽和
モノマー混合物の重合によって得られる脂肪族重合体、
芳香族重合体もしくは脂環族重合体等の各種重合体又は
該石油樹脂を水素化することによって得られる樹脂状重
合体であり、その軟化点(環球法)が100℃以上、好ま
しくは160〜230℃、更に好ましくは170℃〜220℃のもの
を用いる。
石油樹脂はそれ自体としては広く知られている。他方、
公知の技術として例えば、特公昭46−1279号公報、特開
昭58−25341号公報及び特開昭63−28645号公報等には、
ポリプロピレンの透明性の向上又は防湿性の向上等を目
的にして各種水素化石油樹脂を配合することが示されて
いるが、本発明の合成紙を構成する層(A)用には、こ
れらの中、その軟化点が100℃以上のものであれば、使
用できる。
しかしながら、本発明の層(A)に用いられる石油樹脂
又は水素化石油樹脂として好適なものは次の通りであ
る: ・シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン及びその
オリゴマーもしくはそれらのアルキル置換体又はそれら
の混合物等(以下、「シクロペンタジエン系留分」と称
する)を主成分とする留分を単独で重合させて得られる
もの、 ・それらシクロペンタジエン系留分とモノビニル芳香族
炭化水素もしくはインデン類等を含有する混合系留分と
を重合させて得られるものであって、シクロペンタジエ
ン系成分を50重量%以上含む重合体もしくは共重合体、 又は ・これらの単独重合体もしくは共重合体を公知の方法で
水素化したシクロペンタジエン系石油樹脂。
上記の特性及び構成を兼備し、かつその軟化点が160〜2
30℃のシクロペンタジエン系石油樹脂を配合すると、単
なる公知の石油樹脂を配合した公知のフィルムとは異な
り、一軸延伸又は二軸延伸によって該フィルム中に微細
な空洞(ボイド)が無数に発生し、見掛け密度を小さく
することができ、この層(フィルム)が軽量化と共に不
透明化するので本発明には特に望ましい。
シクロペンタジエン系石油樹脂の中で、その軟化点が15
5℃以下のものは前記公報に記載の他の水素化石油樹脂
と同様にポリプロピレン系組成物からなる延伸成形物を
透明化させる。処が、その軟化点が160〜230℃、望まし
くは170〜220℃の該樹脂を用いると、全く異なった挙動
が現われる。即ち、原反の延伸成形によって得られた成
形物層(A)が空洞を無数に含有し、軽量ででかつ、不
透明なものとなるので、本発明の合成紙の用途には特に
好ましい。
本発明で層(B)に用いる無機充填剤としては、ポリオ
レフィンを延伸加工によって多孔化する為に用いること
が公知である各種無機充填剤、例えば下記の様なものを
用いることが出来る: 炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、カオリン、
珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネ
シウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、マイカ、シラ
スバルーン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、マナセ
アイト、酸化チタン、酸化アルミニウム等。
これらの中でも好ましいものは炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、シリカ又は珪酸塩等であって、その平均粒
径が10μm以下の粉粒状体であり、特に好ましいものは
該平均粒径の炭酸カルシウムである。
なお、これらの無機充填剤が例えば、下記の様な物質で
表面処理されたものであっても良い: ・ゴム状物、又は ・従来から公知の脂肪酸もしくはその誘導体、 ・シランカップリング剤等。
これらの無機充填剤の数種を適宜併用しても勿論差し支
えない。
本発明で層(B)に用いられるシクロペンタジエン系石
油樹脂は前記の層(A)で用いられる石油樹脂の中で、
軟化点(環球法)160〜230℃、込ましくは170〜220℃の
シクロペンタジエン系石油樹脂であることを要する。該
シクロペンタジエン系石油樹脂を用いることによって、
無機充填剤の配合量を低減させても、層(B)は充分な
不透明度を維持出来る外に、筆記性をも有し、かつ、紙
粉発生も抑制される。
前記公報記載等の他の石油樹脂(低融点物)はかえっ
て、組成物の不透明度を低下させる(透明化する)の
で、所定の不透明度を実現する為には、該石油樹脂を配
合しない場合よりも無機充填剤を多量に添加する必要を
生ずる。その結果、生産性低下ばかりでなく、得られる
紙状物の強度をも大きく低下させるので、好ましくな
い。
本発明においては、シクロペンタジエン、ジシクロペン
タジエン又はそれらの低級アルキル置換体等のシクロペ
ンタジエン系留分を50重量%以上含有する高軟化点石油
樹脂、好ましくは該樹脂を水素化して得られる水素化高
軟化点石油樹脂の中で、次の特性を備えたものを選んで
用いる: 軟化点(環球法)160〜230℃、好ましくは170〜220℃、
ヨウ素価20以下。
本発明の層(A)においては、結晶性ポリプロピレン系
樹脂100重量部に対して軟化点が100℃以上の石油樹脂を
3〜100重量部配合した組成物を用いる。該石油樹脂の
添加量が少な過ぎると層(B)との接着性不足を来す。
また、該石油樹脂の添加量が110重量部以上になると、
層(A)の延伸性低下が許容できなくなる。層(A)に
対する該石油樹脂の配合量を決定するには、次の各要求
を勘案する必要がある: ・層(A)中に必要に応じて空洞(ボイド)を形成させ
ることによる不透明性付与、 ・層(A)と層(B)との接着性、 ・積層体の生産性及び ・フィルム特性(強度等) 結局、該石油樹脂の配合量を3〜100重量部、好ましく
は5〜50重量部の範囲に設定する。
本発明の層(B)においては、結晶性ポリオレフィンに
対して、無機充填剤0.5〜200重量部および前記シクロペ
ンタジエン系石油樹脂[軟化点(環球法)160〜230℃、
ヨウ素価]3〜100重量部を配合した組成物を素材とし
て用いる。
この無機充填剤の配合量が0.3重量部以下においては不
透明度(ボイド率)及び筆記性付与効果の双方が明らか
に不足し、他方、210重量部以上になると次の様な各種
の好ましくない現象が現われる: ・層(A)との間の接着性が許容できない程に大きく低
下する外に、 ・表面荒れも顕著になり、しかも ・無機充填剤の脱落による紙粉の発生も無視できない程
に見られる。
また、該石油樹脂の添加量が1重量部に達しないと、不
透明度付与(ボイド形成)効果および紙粉抑制効果の双
方が不足し、他方、110重量部以上になると、積層体の
生産性および筆記性の双方に低下を来す。該石油樹脂の
添加量の特に好ましい範囲は結晶性ポリオレフィン100
重量部に対して5〜50重量部である。
本発明において、層(A)をも不透明化層とする場合に
は、層(B)に対する無機充填剤の添加量は目的に応じ
得る範囲内で少なめに設定することが好ましい。従っ
て、層(A)及び層(B)共にシクロペンタジエン系石
油樹脂[軟化点160〜230℃]を5〜50重量部配合した組
成物を素材として用いるのが特に好ましい。
本発明で層(A)及び層(B)の素材として用いられる
組成物中には、本発明の目的を損なわない範囲内で、必
要に応じて層(A)の結晶性ポリプロピレン又は層
(B)の結晶性ポリオレフィンに添加することが公知の
加工安定剤、酸化防止剤、滑剤、スリップ剤、帯電防止
剤、無機充填剤、補強剤、無機及び有機顔料及び他種ポ
リマー類等を適宜添加することが出来る。
本発明で層(A)及び層(B)に用いられる素材組成物
は通常のブレンダーまたはミキサー等で必要な各成分を
混合することによって容易に得ることが出来る。特に好
ましくは、押出機、バンバリーミキサー等を用いて各成
分を溶融混合し、ペレット状の組成物として用いる。
また、ポリプロピレンもしくはその他のポリオレフィン
または他の樹脂に対して、該シクロペンタジエン系樹脂
または無機充填剤をそれぞれ単独で多量に添加して各種
のマスターバッチ化した後、これらのマスターバッチを
残余量の結晶性ポリプロピレン系樹脂または結晶性ポリ
オレフィンに配合して、層(A)用又は層(B)用の混
合組成物として用いる方法も有用である。
本発明の層(A)用の素材組成物と層(B)の素材組成
物とを用いて積層延伸構造物を得る方法としては、次の
ものを例示できる: (i)2台以上の押出機を用いて別々に溶融押出し、共
押出多層ダイ法、フィードブロック法等の公知の方法で
溶融状態で層(A)を芯層として、その少なくとも片面
に層(B)を積層し、共押出積層原反を作成した後、一
軸延伸又は二軸延伸する方法。
(ii)層(A)を溶融押出し、その結晶融点以下の温度
で一軸方向に延伸した後、得られた一軸延伸物の少なく
とも片面に層(B)用の組成物を溶融押出して積層し、
ついで、最初の延伸方向と略直交方向に延伸する方法。
(iii)層(A)上に層(B)を重ね合わせて、一軸延
伸又は二軸延伸する方法。
(iv)層(A)、層(B)をそれぞれ一軸延伸又は二軸
延伸して延伸成形物とした後、接着剤を用いて層(B)
が少なくとも一方の表面に位置するように両者をラミネ
ートする方法(ここで、両層が共に一軸延伸成形物であ
る場合には、両層の延伸方向が互に略直交する様にラミ
ネートする)。
(v)一軸延伸又は二軸延伸された層(A)の少なくと
も一方の面に、無延伸の層(B)をラミネートする方
法。
これらの一軸延伸又は二軸延伸を行なう為の延伸の方法
としては、ロール延伸、オーブン延伸、熱板延伸等の公
知の一軸延伸法又はチューブラー法、テンター法、延伸
ブロー法等の公知の同時又は逐次二軸延伸法のいずれで
も用い得る。その延伸温度は層(A)に用いられる結晶
性ポリプロピレンの結晶融点以下でなければならない。
たとえば、次の各種の場合には、層(A)に用いられた
結晶性ポリプロピレン又は共重合体の結晶融点以下の温
度で延伸すれば、本発明の目的とする不透明な積層延伸
成形物が得られる: ・層(A)と層(B)とに結晶融点を同じくする結晶性
ポリプロピレンもしくは結晶性プロピレン系共重合体を
用いた場合、 ・層(A)に結晶融点の高い結晶性ポリプロピレンを用
い、層(B)に結晶融点の低い結晶性プロピレン系ラン
ダム共重合体を用いた場合。それに反して、層(A)に
結晶融点の低いプロピレン系共重合体を用い、層(B)
に層(A)の素材共重合体よりも結晶融点の高い結晶性
ポリプロピレンを用いた場合には、層(A)の素材プロ
ピレン系共重合体の結晶融点を越える温度で延伸を行な
うと、たとえその温度が層(B)に用いる結晶性ポリプ
ロピレンの結晶融点よりも低くても、目的とする不透明
化延伸積層成形物の生産が困難になる。その理由は次の
様に説明される。即ち、層(A)が延伸配向されないこ
とから、層(A)に微細な空隙が発生せず、結果的に不
透明感不足(低ボイド率)の成形品しか得られない。
この対策として、層(B)の厚みを極端に増す必要が生
じ、その結果、積層した長所が消失するだけでなく、延
伸性も大きく低下する。
特に層(B)に結晶性ポリエチレン系樹脂を用いた場合
等には生産困難に出会う。すなわち、本発明では、層
(A)が延伸配向されて十分な空洞を含有する(所定ボ
イド率)状態になることが生産性維持及び製品特性具備
の点からも必須要件であるから、この効果が実現される
条件−−層(A)及び層(B)共に延伸配向される条件
−−を選択すべきである。
また、その延伸倍率は層(A)が一軸延伸される場合に
は少なくとも2倍、二軸延伸される場合には面積倍率で
少なくとも4倍に設定する。最終的には面積倍率で10〜
60倍前後に高倍率延伸することが必要である。二軸延伸
法としては、同時二軸延伸法又は逐次二軸延伸法を用い
る。なお、層(A)の支持効果に助けられて、層(B)
は必ずしも延伸されなくても良いのが本発明の長所でも
あるが、特に望ましい成形法としては、一軸方向に5〜
12倍延伸して延伸配向させることによって空洞を含有さ
せる方法を挙げることができる。この処理によって軽量
化と剛性向上とを実現することができ、しかも、層
(B)の表面特性をも調整出来る。
上記の方法のうち、(i)又は(ii)の方法を用いて層
(A)を面積倍率20〜50倍前後に同時二軸延伸又は逐次
二軸延伸して得られる成形物が特に望ましい。
なお、延伸後、そのまま緊張下に空冷又は水冷するか、
公知の方法で緊張下またはタテもしくはヨコ方向の少な
くとも一方向に数%前後弛緩しつつ熱処理した後、空冷
または水冷して巻取ることによって延伸状態を保持した
積層構造物を得ることが出来る。なお、延伸後、熱処理
後又は冷却後等にその表面に対して空気中又は不活性ガ
ス等の雰囲気下でコロナ放電処理又はプラズマ処理等の
表面活性化処理を施すことも出来る。この処理は上記処
理に引き続いて、又は改めて後工程で、施すことがで
き、積層構造物の印刷性、接着性等を改善する為に有用
である。
本発明で得られる合成紙の層構成としては、(B)
(A)、(B)(A)(B)が基本であるが、この
層(A)もしくは層(B)の表面に別異の層を存在させ
た系又はそれらの間に他の層を挟む応用系も可能であ
り、得られた合成紙の表面に印刷、ラミネートおよびコ
ーティング等を施すことも出来る。
本発明で得られる合成紙の厚みには特に制限は無いが、
成形物中の(A)層の厚みが機械的特性と大きく相関す
るので、層(A)が複数枚存在する場合には、それらの
厚みの合計が20μm以上になるように構成比を設定する
のが望ましく、25μm以上になるように選ぶのが特に望
ましい。この層(A)に強度、剛性および不透明性等を
付与することによって、(B)層の厚みに制限を設ける
必要は無くなる。その結果として、層(B)に対して
は、その厚みが筆記性・印刷性等の目的とする必要特性
を具備するに足りる範囲で任意に設定出来ることにな
る。通常は両側に存在する層(B)の片方当り0.5〜200
μm、好ましくは1〜50μmの範囲に設定する。
本発明で得られる合成紙は実質的に不透明であり、強度
及び合成にも優れ、紙様外観を有する外に、その表面層
は優れた印刷適性及び鉛筆及び水性ペン等に対しても優
れた筆記性を備えている。
(実施例及び比較例) 以下、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって制約され
るものではない。なお、以下の実施例及び比較例で用い
た特性値の評価は以下に示す方法で行なった。
(1)軟化点(℃環球法):JIS K2207に準拠。
(2)ヨウ素価:JIS K0070に準拠。試料100g中の不飽和
成分に付加されるヨウ素のg数。
(3)メルトフローレート(MFR;g/10min):JIS K7210
に基づき、ポリプロピレン系樹脂は試験条件14(230
℃、荷重2.16kgf)、ポリプロピレン系樹脂を除く結晶
性ポリオレフィン系樹脂は試験条件4(190℃、荷重2.1
6kgf)で測定した。
(4)結晶融点(Tm;℃):走査型作動熱量計(略称:DS
C)を用いて約10mgの試料をセットし、昇温速度20℃/
分にて室温で測定を開始し、結晶の融解に伴う吸熱カー
ブを測定し、融解に伴う吸熱カーブのピークが位置する
温度をTmとした。この際、融解ピークが複数個観察され
る場合には、最大ピーク面積を示すカーブのピークが位
置する温度をTmとした。
(5)見掛け密度(g/cm3):成形物1m2当りの重量を測
定し、結果を1cm2当りに換算し、更に厚み(cm)で除し
た値。
(6)ボイド率(%):延伸前の原反の見掛け密度(D
n)と延伸後の積層構造物の見掛け密度(Df)とを用い
て下記の式で算出した値。
ボイド率=[(Dn−Df)/Dn]×100 (7)引張強度(kgf/mm2):ASTM D882に準じ、引張速
度500mm/minにおいて測定した破断点強度。
(8)打抜衝撃強度(kgf・cm):ASTM D781に準じ、振
子型衝撃試験機を用いて試験片の衝撃破壊に要するエネ
ルギー。
比較例1 結晶性ポリプロピレン粉末(Tm163℃、MFR3.0g/10min)
100重量部に対して酸化防止剤BHT0.1重量部、酸化防止
剤[商品名:Irganox 1010(チバガイギー社製)]0.1重
量部、ステアリン酸カルシウム0.2重量部及び重質炭酸
カルシウム(平均粒径1.3μm)15重量部を樹脂の溶融
状態で配合し、ペレット化した組成物を得た。このペレ
ットを110℃で2時間加熱乾燥した後に押出機に供給
し、260℃で溶融押出して得られるシート状物を70℃の
鏡面冷却ロールで急冷して未延伸原反シートとした。こ
の原反シートを正方形に裁断し、パンタグラフ型二軸延
伸試験装置に装着して157℃の温度で原反の縦方向に4.3
倍延伸した後、直ちにそれに対して略直交(横)方向に
8.3倍延伸し、同温度で両方向に3%弛緩しつつ熱処理
した後に、空冷して二軸延伸フィルムを得た。この原反
成形時には、冷却ロールへの密着性不足が見られ、原反
にムラが出やすい。原反シートの延伸を10枚連続して繰
り返した場合に、10枚中7枚が延伸切れ(破断)を生じ
た程に延伸可能条件の選択幅がきわめて狭く、また、得
られた各延伸フィルムにも厚みムラが見られた。
これらの得られた各延伸フィルムは全厚み40μm、見掛
け密度0.77g/cm3、ボイド率18%、白色で不透明感を有
しているが、その裏面は表面から透けて見えるレベルで
あり、かつ、ボイドの径がまだ大きくてフィルム表面の
荒れが目立った。また、該フィルムにおいて、引張強度
は縦方向で5.8kgf/mm2,横方向で11.2kgf/mm2、打抜衝撃
強度は11kg・cmという結果で、二軸延伸フィルムとして
はきわめて低い強度であった。
実施例1 層(A)用の樹脂として、結晶性ポリプロピレン粉末
(Tm163℃、MFR2.0g/10min)100重量部(酸化防止剤BHT
0.2重量部、ステアリン酸カルシウム0.1重量部を含む)
に対し、水素化シクロペンタジエン系石油樹脂[軟化点
(環球法)177℃、ヨウ素価12;シクロペンタジエン系成
分91重量%含有高軟化点石油樹脂の水素化物]15重量部
を配合してペレット化した組成物、並びに層(B)用の
樹脂として結晶性エチレン・プロピレンランダム共重合
体[Tm158℃、MFR4.5g/10min、エチレン成分の共重合割
合0.5重量%、酸化防止剤〈商品名:Irganox 1010(チバ
ガイギー社製)〉0.1重量部、ステアリン酸カルシウム
0.3重量部を含む]100重量部に対して、重質炭酸カルシ
ウム粉末(平均粒径1.3μm)5重量部および層(A)
に用いられたと同じ水素化シクロペンタジエン系石油樹
脂15重量部を配合後にペレット化した組成物の双方を用
意した。
次に、2台の押出機及びダイ内接合型の2種3層共押出
ダイを有する共押出シート成形装置を用いて、一方の押
出機に層(A)用の組成物を、もう一方の押出機に層
(B)用の組成物を供給し、層構成(B)(A)
(B)で各層の厚み比が1/3/1になるように調整して溶
融押出した。得られたシートを鏡面冷却ロール(表面温
度60℃に保持)で急冷して、2種3層構成の未延伸原反
シートを得た。得られた原反シートの見掛け密度は0.95
g/cm3であった。
次に、得られた原反シートを正方形に裁断し、パンタグ
ラフ型二軸延伸試験装置に装着して156℃の温度で原反
のタテ方向に4.3倍延伸した後、直ちにそれに対して直
交(ヨコ)方向に8.3倍延伸し、続いて同温度で両方に
3%弛緩しつつ熱処理し、空冷して二軸延伸フィルムを
得た。この場合に、原反成形時には特に問題が無く、延
伸時にも10枚連続して延伸を繰り返すことができた外
に、延伸切れ(破断)も全く発生せず、延伸ムラも見ら
れなかった。
得られた延伸フィルムは全厚み55μm、見掛け密度0.66
g/cm3、ボイド率30%、白色不透明で紙様外観を呈して
いた。また、層(A)と層(B)との間も強固に接着
(溶着)されており、引張強度はタテ方向で9.1kgf/m
m2、ヨコ方向で18.5kgf/mm2、打抜衝撃強度は23kg・cm
という結果で、強度に優れており、鉛筆及び水性ペンに
対する筆記性も良好であった。
比較例2 実施例1の層(A)用組成物および層(B)用組成物か
ら水素化シクロペンタジエン系石油樹脂を除いてペレッ
ト化した各組成物をそれぞれ層(A)用組成物並びに層
(B)用組成物とした。次に、実施例1で用いた共押出
シート成形装置を用いて、一方の押出機に層(A)用組
成物を、もう一方の押出機に層(B)用組成物を供給
し、同様の層構成及び層厚み比、 即ち、(B)(A)(B)=1/3/1の比になるよう
に調整して溶融押出して得られたシートを80℃の鏡面冷
却ロールで急冷して、2種3層構成の未延伸原反シート
を得た。得られた原反シートの見掛け密度は0.93g/cm3
であった。
この原反シートを実施例1と同様にパンタグラフ型二軸
延伸試験装置に装着して原反のタテ方向に4.3倍延伸し
た後、直ちにヨコ方向に8.3倍延伸し、次に両方向に各
3%弛緩しつつ熱処理し、空冷して二軸延伸フィルムを
得た。この原反成形時には、ロール密着性不良で均一な
原反が得られ難い事態を生じた。この事態を解消する為
にロール温度を80℃に上げてシートを作成した。
また、延伸時には実施例1に比して延伸温度を2℃高く
する必要を生じ、シートを10枚連続して延伸を繰り返し
た結果、6枚延伸切れ(破断)が発生した外、延伸応力
も実施例1に比して20%高く、得られた各フィルムにも
一部延伸ムラが見られた。
こうして得られた二軸延伸フィルムの特性値は全厚み45
μm、見掛け密度0.85g/cm3、ボイド率9%、半透明状
(不透明度が不足)で、紙としては使用し難いものであ
った。
実施例2 層(A)用の組成物として、結晶性ポリプロピレン(Tm
163℃、MFR2.5g/10min)100重量部に対して酸化防止剤
[商品名:Irgafos 168(チバカイギー社製)]0.1重量
部、酸化防止剤[商品名:Irganox 1010(チバガイギー
社製)]0.1重量部、ステアリン酸カルシウム0.2重量
部、帯電防止剤(ステアリルジエタノールアミンモノス
テアリルエステル)0.1重量部および実施例1で用いた
と同じ水素化シクロペンタジエン系石油樹脂22重量部を
配合し、ペレット化した組成物、並びに表(B)用組成
物として結晶性エチレン・プロピレン・1−ブテン三元
共重合体(Tm130℃、MFR5.0g/10min、エチレン成分の共
重合割合4.0重量%、1−ブテン成分の共重合割合4.5重
量%)100重量部に対して、層(A)用組成物における
と同じ酸化防止剤及び帯電防止剤を同量、高密度ポリエ
チレン(密度0.955g/cm3、MFR1.0g/10min)100重量部、
水素化シクペンタジエン系石油樹脂[軟化点(環球法)
181℃、ヨウ素価10;シクロペンタジエン成分85重量%及
び芳香族成分10重量%含有高軟化点石油樹脂の水素化
物]20重量%及び微粉タルク(平均粒径0.8μm)10重
量%を配合した組成物をペレット化したものの双方を用
意した。
次に、押出機、Tダイ、キャスティング部、縦延伸機、
押出ラミネート機、横延伸機および巻取機を主要構成と
するテンター法逐次二軸延伸試験装置を用いて、層
(A)の組成物を250℃で溶融押出し、得られたシート
を55℃の鏡面冷却ロールで急冷して未延伸原反シートを
得た。得られた原反シートを縦延伸機に導き、加熱ロー
ル群で予熱したのち132℃に保たれた2組のニップロー
ルの間で縦方向に5.0倍延伸して一軸延伸シートを作成
した。次に、縦延伸機の下流側に設置された押出ラミネ
ート装置から層(B)用組成物を230℃で溶融押出して
前記一軸延伸シートの一方の面に鏡面ロール上で積層
し、 (B)(A)の2層構成とした後にテンター方式横延
伸機に導き、161℃の雰囲気温度で横方向に9.2倍延伸し
た。次に、縦・横両方向に各約3%弛緩しつつ、165℃
の雰囲気下で熱処理し、空冷して連続的に巻取り、層
(A)の厚みが40μm、全厚み60μmの不透明延伸フィ
ルムを得た。
得られた延伸フィルムは見掛け密度0.77g/cm3層(A)
の原反シートに対するボイド率34%、白色不透明で紙様
外観を呈していた。
比較例3 比較例2の層(A)用組成物から、水素化シクロペンタ
ジエン系石油樹脂を除いてペレット化した組成物を層
(A)用組成物とした。次に、実施例2に準拠して層
(A)用組成物を溶融押出し、得られたシートを縦方向
に5.0倍一軸延伸した後、層(B)を該一軸延伸シート
の片面に積層し、次にテンター法横延伸機で前回方向に
対して直角方向に9.2倍延伸した。このシートを約4%
弛緩して熱処理後に空冷して巻取り、層(A)の厚みが
40μm、全厚み60μmの積層延伸フィルムを得た。
得られたフィルムは見掛け密度0.93g/cm3、ボイド率ゼ
ロ%、半透明で裏面が透視出来るものであり、紙として
の特性は不十分なものであった。
[発明の効果] 本発明の合成紙は基材層[層(B)]と表面層[層
(A)]との接着性に優れ、かつ基材層に無機充填剤を
多量に含有せずとも、空洞を形成させて不透明化できる
ので、きわめて生産性に優れている。また、その表面層
に対する無機充填剤の含有量を少くしても、十分に不透
明化(ボイドを形成)させることができ、また粗面化も
達成される結果、紙にきわめて近似した特性が発揮され
るだけでなく、紙粉も殆ど発生しない。
また、本発明の合成紙は合成紙に要求される不透明度、
筆記性及び印刷性を備えているだけでなく、軽量でかつ
高強度である点でも、無機充填剤を多量に含有する従来
の合成紙に比して優れている。
その特性を活かして、書写印刷紙、一般包装材料、装飾
材料およびテープ等広い範囲の用途に用いることが出来
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量部に
    対して、軟化点(環球法)100℃以上の石油樹脂3〜100
    重量部が配合された組成物からなるシート状物層(A)
    の少なくとも片面に、結晶性ポリオレフィン系樹脂100
    重量部に対して、無機充填剤0.5〜200重量部及び軟化点
    (環球法)160〜230℃のシクロペンタジエン系石油樹脂
    1〜100重量部が配合された組成物からなるシート状物
    層(B)が存在する積層構造物からなることを特徴とす
    る合成紙。
  2. 【請求項2】層(A)に用いられる石油樹脂が軟化点
    (環球法)160〜230℃のシクロペンタジエン系石油樹脂
    であって、層(A)が実質的に不透明な空洞含有延伸成
    形物であることを特徴とする請求項1に記載の合成紙。
  3. 【請求項3】層(B)に用いられる無機充填剤が平均粒
    径10μm以下の無機充填剤であることを特徴とする請求
    項1に記載の合成紙。
  4. 【請求項4】結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量部に
    対して、軟化点(環球法)100℃以上の石油樹脂3〜100
    重量部が配合された組成物からなるシート状物層(A)
    の少なくとも片面に、結晶性ポリオレフィン系樹脂100
    重量部に対して、無機充填剤0.5〜200重量部及び軟化点
    (環球法)160〜230℃のシクロペンタジエン系石油樹脂
    1〜100重量部が配合された組成物からなるシート状物
    層(B)を積層した後に、層(A)に用いられた結晶性
    ポリプロピレン系樹脂の結晶融点以下の温度で少なくと
    も一方向に2倍以上延伸することを特徴とする合成紙の
    製造方法。
  5. 【請求項5】結晶性ポリプロピレン系樹脂100重量部に
    対して、軟化点(環球法)100℃以上の石油樹脂3〜100
    重量部が配合された組成物を溶融押出して得られた未延
    伸原反を縦方向に少なくとも1.3倍延伸して得られた層
    (A)の少なくとも片面に、結晶性ポリオレフィン系樹
    脂100重量部に対して、無機充填剤0.5〜200重量部及び
    軟化点(環球法)160〜230℃のシクロペンタジエン系石
    油樹脂1〜100重量部が配合された組成物からなる層
    (B)を積層し、得られた積層体を層(A)に用いられ
    た結晶性ポリプロピレン系樹脂の結晶融点以下の温度で
    横方向に5倍以上延伸することを特徴とする合成紙の製
    造方法。
  6. 【請求項6】層(A)に配合されるに石油樹脂として軟
    化点(環球法)160〜230℃のシクロペンタジエン系石油
    樹脂を用いることを特徴とする請求項4又は5に記載の
    合成紙の製造方法。
  7. 【請求項7】層(B)に配合される無機充填剤として平
    均粒径10μm以下の無機充填剤を用いることを特徴とす
    る請求項4又は5に記載の合成紙の製造方法。
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