JPH0724975A - 熱加工用塩化ビニル樹脂板とその製造方法 - Google Patents
熱加工用塩化ビニル樹脂板とその製造方法Info
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- JPH0724975A JPH0724975A JP5194070A JP19407093A JPH0724975A JP H0724975 A JPH0724975 A JP H0724975A JP 5194070 A JP5194070 A JP 5194070A JP 19407093 A JP19407093 A JP 19407093A JP H0724975 A JPH0724975 A JP H0724975A
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- sheet
- pvc
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C66/00—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
- B29C66/70—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
- B29C66/71—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined
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- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱加工用PVC板において、カレンダープレ
ス法で作ったプレス板に比べて遜色のない表面艶や透明
性を備えさせ、溶接時などに表面が熱影響を受けてもそ
の表面艶が消えて曇った状態になるという現象を抑制す
る。 【構成】 複数枚の透明なPVC製のカレンダーシート
1’の積層体の表裏両面に、その積層体よりも肉薄で透
明な押出しシート2’,2’を重ね合わせ、それを熱圧
一体化して内層1とそれより肉薄の外層2,2とを形成
する。内層は3mm厚、外層2,2は1mm厚程度にす
る。 【効果】 熱影響によって熱加工用PVC板Aの表面に
肌戻りが生じても、肌戻りする表面状態は押出しシート
製造時におけるダイスからシートが押し出されたときの
表面状態であるから表面艶が損なわれにくい。
ス法で作ったプレス板に比べて遜色のない表面艶や透明
性を備えさせ、溶接時などに表面が熱影響を受けてもそ
の表面艶が消えて曇った状態になるという現象を抑制す
る。 【構成】 複数枚の透明なPVC製のカレンダーシート
1’の積層体の表裏両面に、その積層体よりも肉薄で透
明な押出しシート2’,2’を重ね合わせ、それを熱圧
一体化して内層1とそれより肉薄の外層2,2とを形成
する。内層は3mm厚、外層2,2は1mm厚程度にす
る。 【効果】 熱影響によって熱加工用PVC板Aの表面に
肌戻りが生じても、肌戻りする表面状態は押出しシート
製造時におけるダイスからシートが押し出されたときの
表面状態であるから表面艶が損なわれにくい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス板の範疇に属す
る熱加工用塩化ビニル樹脂板とその製造方法に関する。
る熱加工用塩化ビニル樹脂板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂のプレス板や押出しシー
ト自体は従来よりよく知られており、また、その製造方
法についても一般的に知られた方法が汎用されている。
ト自体は従来よりよく知られており、また、その製造方
法についても一般的に知られた方法が汎用されている。
【0003】塩化ビニル樹脂(PVC)シートを製造す
る方法として、カレンダーロール法や押出し法が知られ
ている。また、カレンダーロール法で製造したPVCシ
ートの積層体をプレスして熱圧一体化するというPVC
プレス板の製造方法も知られている。
る方法として、カレンダーロール法や押出し法が知られ
ている。また、カレンダーロール法で製造したPVCシ
ートの積層体をプレスして熱圧一体化するというPVC
プレス板の製造方法も知られている。
【0004】カレンダーロール法は、PVCに所定の添
加剤を加えた原料を秤量して混ぜ合わせ、それをカレン
ダーロールに通しながら混練してシート状に繰り出し、
冷却と切断の各工程を経て所定長さで肉薄のPVCシー
ト(カレンダーシート)を得る方法であり、この方法で
得られたカレンダーシートを用いてPVC板を製造する
ときは、そのカレンダーシートを所定の厚さになるよう
に複数枚重ね合わせた積層体を熱圧プレスすることによ
り、積層体のカレンダーシートを相互に熱圧一体化す
る。こうして製造された所定厚さのプレス板の表面に
は、プレス時に用いる艶板の表面艶が転写されている。
また、カレンダーロール法では、原料に配合すべき添加
剤としての滑剤(配合量が多くなると透明性を低下させ
る)の配合量が比較的少なくて済み、金属系安定剤とし
て透明性を損ないにくいメルカプト錫系安定剤を用いる
ことができるので、製造されたプレス板の透明性は、上
記のように高度の表面艶が得られることと相まって、き
わめて高いものになるという性質がある。
加剤を加えた原料を秤量して混ぜ合わせ、それをカレン
ダーロールに通しながら混練してシート状に繰り出し、
冷却と切断の各工程を経て所定長さで肉薄のPVCシー
ト(カレンダーシート)を得る方法であり、この方法で
得られたカレンダーシートを用いてPVC板を製造する
ときは、そのカレンダーシートを所定の厚さになるよう
に複数枚重ね合わせた積層体を熱圧プレスすることによ
り、積層体のカレンダーシートを相互に熱圧一体化す
る。こうして製造された所定厚さのプレス板の表面に
は、プレス時に用いる艶板の表面艶が転写されている。
また、カレンダーロール法では、原料に配合すべき添加
剤としての滑剤(配合量が多くなると透明性を低下させ
る)の配合量が比較的少なくて済み、金属系安定剤とし
て透明性を損ないにくいメルカプト錫系安定剤を用いる
ことができるので、製造されたプレス板の透明性は、上
記のように高度の表面艶が得られることと相まって、き
わめて高いものになるという性質がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、プレス板を
熱風ホットジェットガンを用いて溶接や曲げ加工を行う
と、熱風による加熱の影響(熱影響)を受けたプレス板
の表面から艶が消え、その表面が“もやもや”とした曇
った状態になることがある。このような現象は従来より
知られている肌戻りと呼ばれている現象であり、この肌
戻りが生じる原因はプレス板に用いるカレンダーシート
にあるとされている。すなわち、カレンダーロール法に
おいては、混練された柔らかなPVCがカレンダーロー
ルからシート状に繰り出されるため、柔らかいシート状
のPVCがカレンダーロールから剥離するときにそのシ
ートの表面肌が荒れるのであって、上記の肌戻りは、カ
レンダーシートの表面が熱影響を受けて荒れた表面肌に
戻る現象であるといえる。
熱風ホットジェットガンを用いて溶接や曲げ加工を行う
と、熱風による加熱の影響(熱影響)を受けたプレス板
の表面から艶が消え、その表面が“もやもや”とした曇
った状態になることがある。このような現象は従来より
知られている肌戻りと呼ばれている現象であり、この肌
戻りが生じる原因はプレス板に用いるカレンダーシート
にあるとされている。すなわち、カレンダーロール法に
おいては、混練された柔らかなPVCがカレンダーロー
ルからシート状に繰り出されるため、柔らかいシート状
のPVCがカレンダーロールから剥離するときにそのシ
ートの表面肌が荒れるのであって、上記の肌戻りは、カ
レンダーシートの表面が熱影響を受けて荒れた表面肌に
戻る現象であるといえる。
【0006】他方、PVCシートを製造するための押出
し法は、PVCに所定の添加剤を加えた原料を秤量して
混ぜ合わせ、それを押出し機に取り付けたダイスを通し
てシート状に押し出した後、ポリシングロールによる艶
だし処理を行い、それを冷却後に切断して所定長さのP
VCシート(押出しシート)を得るというものである。
押出し法では原料に配合すべき添加剤としての滑剤の配
合量を比較的多くして原料樹脂とダイスとの滑り性を高
めておく必要があり、また、安定剤としてはメルカプト
錫系安定剤よりも透明性のやゝ劣るマレート錫系安定剤
が用いられるので、製造された押出しシートの透明性は
上記したカレンダーシートよりもやゝ劣るといわれてい
る。また、押出し機やダイスによって熱が加えられるこ
とによる“焼け”が発生してわずかに黄味を帯びた透明
シートになることが多い。
し法は、PVCに所定の添加剤を加えた原料を秤量して
混ぜ合わせ、それを押出し機に取り付けたダイスを通し
てシート状に押し出した後、ポリシングロールによる艶
だし処理を行い、それを冷却後に切断して所定長さのP
VCシート(押出しシート)を得るというものである。
押出し法では原料に配合すべき添加剤としての滑剤の配
合量を比較的多くして原料樹脂とダイスとの滑り性を高
めておく必要があり、また、安定剤としてはメルカプト
錫系安定剤よりも透明性のやゝ劣るマレート錫系安定剤
が用いられるので、製造された押出しシートの透明性は
上記したカレンダーシートよりもやゝ劣るといわれてい
る。また、押出し機やダイスによって熱が加えられるこ
とによる“焼け”が発生してわずかに黄味を帯びた透明
シートになることが多い。
【0007】このように押出しシートは、透明性や色調
の点でカレンダーシートよりもやゝ劣るものであるが、
ダイスから押し出されたシートの表面艶はカレンダーシ
ートの表面艶に比べて良好である。
の点でカレンダーシートよりもやゝ劣るものであるが、
ダイスから押し出されたシートの表面艶はカレンダーシ
ートの表面艶に比べて良好である。
【0008】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であり、プレス板と同等の表面艶を備えるものでありな
がら、溶接時や曲げ加工時などに表面が熱影響を受けて
もその表面艶が消えて曇った状態になるという現象を生
じにくい熱加工用PVC板とその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
であり、プレス板と同等の表面艶を備えるものでありな
がら、溶接時や曲げ加工時などに表面が熱影響を受けて
もその表面艶が消えて曇った状態になるという現象を生
じにくい熱加工用PVC板とその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による熱
加工用PVC板は、内層とこの内層の表裏両面に設けら
れた外層とを有し、内層は、塩化ビニル樹脂製の複数枚
のカレンダーシートの積層体が熱圧一体化されてなり、
外層は、内層よりも肉薄で内層の表裏両面に熱圧一体化
された塩化ビニル樹脂製の押出しシートでなるものであ
る。
加工用PVC板は、内層とこの内層の表裏両面に設けら
れた外層とを有し、内層は、塩化ビニル樹脂製の複数枚
のカレンダーシートの積層体が熱圧一体化されてなり、
外層は、内層よりも肉薄で内層の表裏両面に熱圧一体化
された塩化ビニル樹脂製の押出しシートでなるものであ
る。
【0010】請求項2の発明による熱加工用PVC板の
製造方法は、塩化ビニル樹脂製の複数枚のカレンダーシ
ートの積層体の表裏両面に上記積層体よりも肉薄で表面
マット地を有する塩化ビニル樹脂製の押出しシートを重
ね合わせ、それを艶板で挾んで熱圧プレスすることによ
り、複数枚の上記カレンダーシートの積層体が熱圧一体
化された内層と、この内層に熱圧一体化された上記押出
しシートでなる外層とを形成すると共に、上記艶板の表
面艶を外層の表面に転写するものである。
製造方法は、塩化ビニル樹脂製の複数枚のカレンダーシ
ートの積層体の表裏両面に上記積層体よりも肉薄で表面
マット地を有する塩化ビニル樹脂製の押出しシートを重
ね合わせ、それを艶板で挾んで熱圧プレスすることによ
り、複数枚の上記カレンダーシートの積層体が熱圧一体
化された内層と、この内層に熱圧一体化された上記押出
しシートでなる外層とを形成すると共に、上記艶板の表
面艶を外層の表面に転写するものである。
【0011】
【作用】請求項1の発明の熱加工用PVC板は、その表
面艶が押出しシートを熱圧プレスすることによって現出
されるのプレス板と同様に高度であり、また、熱影響に
よって表面に肌戻りが生じても、肌戻りする表面状態は
押出しシート製造時におけるダイスからシートが押し出
されたときの表面状態であるから表面艶が損なわれるこ
とはない。
面艶が押出しシートを熱圧プレスすることによって現出
されるのプレス板と同様に高度であり、また、熱影響に
よって表面に肌戻りが生じても、肌戻りする表面状態は
押出しシート製造時におけるダイスからシートが押し出
されたときの表面状態であるから表面艶が損なわれるこ
とはない。
【0012】請求項2の発明の熱加工用PVC板の製造
方法によれば、上述したような表面艶に優れた請求項1
の熱加工用PVC板を製造することができる。特に表面
艶については、カレンダーシートの積層体の表裏両面に
押出しシートを重ね合わせてプレスするときに用いる艶
板の表面艶が転写された高度の表面艶になる。また、プ
レスによる熱圧一体化が行われる前の押出しシートの表
面がマット地になっているため、艶板と押出しシートと
の隙間に存在するエアーがプレス時にその隙間から効果
的に押し出されるので、その隙間にエアーが噛み込んで
表面艶が損なわれるといった事態を生じにくい。
方法によれば、上述したような表面艶に優れた請求項1
の熱加工用PVC板を製造することができる。特に表面
艶については、カレンダーシートの積層体の表裏両面に
押出しシートを重ね合わせてプレスするときに用いる艶
板の表面艶が転写された高度の表面艶になる。また、プ
レスによる熱圧一体化が行われる前の押出しシートの表
面がマット地になっているため、艶板と押出しシートと
の隙間に存在するエアーがプレス時にその隙間から効果
的に押し出されるので、その隙間にエアーが噛み込んで
表面艶が損なわれるといった事態を生じにくい。
【0013】
【実施例】図1は本発明の一実施例による熱加工用PV
C板Aを断面で示した説明図であり、1は内層、2は外
層である。内層1は複数枚の透明なPVC製のカレンダ
ーシート1’を重ね合わせた積層体が熱圧一体化された
ものである。外層2,2は、内層1の表裏両面に熱圧一
体化された透明なPVC製の押出しシート2’,2’で
なる。そして、外層2は内層1よりも肉薄になってお
り、実施例では外層2の肉厚を0.5〜1.5mmに
し、内層1を2〜10mmにして熱加工用PVC板A全
体の透明性が損なわれないようにしてある。内層1を形
成している複数枚のカレンダーシート1’同士や、内層
1と外層2,2とは熱圧一体化されたものであるため、
図中に示したカレンダーシート1…相互の境界線イや内
層1と外層2,2との境界線ロは実際には熱融着によっ
て消失している。
C板Aを断面で示した説明図であり、1は内層、2は外
層である。内層1は複数枚の透明なPVC製のカレンダ
ーシート1’を重ね合わせた積層体が熱圧一体化された
ものである。外層2,2は、内層1の表裏両面に熱圧一
体化された透明なPVC製の押出しシート2’,2’で
なる。そして、外層2は内層1よりも肉薄になってお
り、実施例では外層2の肉厚を0.5〜1.5mmに
し、内層1を2〜10mmにして熱加工用PVC板A全
体の透明性が損なわれないようにしてある。内層1を形
成している複数枚のカレンダーシート1’同士や、内層
1と外層2,2とは熱圧一体化されたものであるため、
図中に示したカレンダーシート1…相互の境界線イや内
層1と外層2,2との境界線ロは実際には熱融着によっ
て消失している。
【0014】図2は本発明の実施例方法によって図1に
示した熱加工用PVC板を製造する方法を原理的に示し
た説明図である。この製造方法は、透明な複数枚のカレ
ンダーシート1’を重ね合わせた積層体の表裏両面に、
この積層体よりも肉薄で表面マット地の透明な押出しシ
ート2’,2’を、その表面のマット地が艶板10,1
0側になるようにして重ね合わせ、それらを矢印Fのよ
うにプレスすることによって熱圧一体化するものであ
る。このように押出しシート2’,2’のマット地とな
された表面すなわち微細な凹凸を全面に有する表面を艶
板10,10に当ててプレスすると、押出しシート
2’,2’と艶板10,10との隙間に存在するエアー
がプレス時に凹凸の間を通って外部に排気されるので、
プレスに伴う熱圧一体化処理により形成される内層1と
外層2,2との境界面に閉じ込められることがなくな
る。また、艶板10,10の表面艶が押出しシート
2’,2’の表面に転写され、従来のプレス板と同等の
表面艶を有するものとなる。カレンダーシート1’や押
出しシート2’,2’は冒頭で説明した一般的なカレン
ダーロールや押出し法で製造されたものであるからその
詳細はここでは省略するが、透明PVC板を得るために
はカレンダーシートとしてメルカプト錫系安定剤を用
い、押出しシートとしてマレート錫系安定剤を用いたも
のであることが好ましい。
示した熱加工用PVC板を製造する方法を原理的に示し
た説明図である。この製造方法は、透明な複数枚のカレ
ンダーシート1’を重ね合わせた積層体の表裏両面に、
この積層体よりも肉薄で表面マット地の透明な押出しシ
ート2’,2’を、その表面のマット地が艶板10,1
0側になるようにして重ね合わせ、それらを矢印Fのよ
うにプレスすることによって熱圧一体化するものであ
る。このように押出しシート2’,2’のマット地とな
された表面すなわち微細な凹凸を全面に有する表面を艶
板10,10に当ててプレスすると、押出しシート
2’,2’と艶板10,10との隙間に存在するエアー
がプレス時に凹凸の間を通って外部に排気されるので、
プレスに伴う熱圧一体化処理により形成される内層1と
外層2,2との境界面に閉じ込められることがなくな
る。また、艶板10,10の表面艶が押出しシート
2’,2’の表面に転写され、従来のプレス板と同等の
表面艶を有するものとなる。カレンダーシート1’や押
出しシート2’,2’は冒頭で説明した一般的なカレン
ダーロールや押出し法で製造されたものであるからその
詳細はここでは省略するが、透明PVC板を得るために
はカレンダーシートとしてメルカプト錫系安定剤を用
い、押出しシートとしてマレート錫系安定剤を用いたも
のであることが好ましい。
【0015】図1で説明した熱加工用PVC板A、すな
わち上記の製造方法によって製造された熱加工用PVC
板Aは、複数枚のカレンダーシート1’の積層体でなる
内層1に比べて透明性にやゝ劣る押出しシート2’,
2’でなる外層2を上記内層1の表裏両面に熱圧一体化
したものではあるけれども、外層2,2が内層1よりも
肉薄であることにより内層1の透明性が外層2,2によ
ってそれほど損なわれることはない。また、このPVC
板Aの表面艶は押出しシート2’,2’を熱圧プレスし
てなる外層2の表面によって現出されるので、従来のプ
レス板と同様に高度であり、また、熱影響によってPV
C板Aの表面に肌戻りが生じても、肌戻りする表面状態
は押出しシート2’,2’の製造時におけるダイスから
シートが押し出されたときの表面状態であるから表面艶
がそれほど損なわれることはない。
わち上記の製造方法によって製造された熱加工用PVC
板Aは、複数枚のカレンダーシート1’の積層体でなる
内層1に比べて透明性にやゝ劣る押出しシート2’,
2’でなる外層2を上記内層1の表裏両面に熱圧一体化
したものではあるけれども、外層2,2が内層1よりも
肉薄であることにより内層1の透明性が外層2,2によ
ってそれほど損なわれることはない。また、このPVC
板Aの表面艶は押出しシート2’,2’を熱圧プレスし
てなる外層2の表面によって現出されるので、従来のプ
レス板と同様に高度であり、また、熱影響によってPV
C板Aの表面に肌戻りが生じても、肌戻りする表面状態
は押出しシート2’,2’の製造時におけるダイスから
シートが押し出されたときの表面状態であるから表面艶
がそれほど損なわれることはない。
【0016】表1には、厚さが0.5mmのカレンダー
シート1’を6枚重ね合わせた積層体と、厚さが1mm
の押出しシート2’,2’とを用いて上記の方法で製造
した厚さ5mmの熱加工用PVC板Aについて調査した
機械的性質や熱変形温度、光線透過率などを示してあ
る。なお、プレスは180℃で10分間行ってある。表
1中に記載されている比較例の押出し品は上記の押出し
シート2’と同じ配合で5mm厚に押し出した押出しシ
ートであり、比較例のプレス品は上記カレンダーシート
1’を10枚重ね合わせた積層体をプレスにより熱圧一
体化した5mm厚のものである。表1の表面艶について
は、プレス時に用いる艶板の表面艶と同程度のものを
「◎」、それよりやゝ劣るものを「○」で示した。ま
た、肌戻りについては、肌戻りが有ったものを「有」、
無かったものを「無」として示した。
シート1’を6枚重ね合わせた積層体と、厚さが1mm
の押出しシート2’,2’とを用いて上記の方法で製造
した厚さ5mmの熱加工用PVC板Aについて調査した
機械的性質や熱変形温度、光線透過率などを示してあ
る。なお、プレスは180℃で10分間行ってある。表
1中に記載されている比較例の押出し品は上記の押出し
シート2’と同じ配合で5mm厚に押し出した押出しシ
ートであり、比較例のプレス品は上記カレンダーシート
1’を10枚重ね合わせた積層体をプレスにより熱圧一
体化した5mm厚のものである。表1の表面艶について
は、プレス時に用いる艶板の表面艶と同程度のものを
「◎」、それよりやゝ劣るものを「○」で示した。ま
た、肌戻りについては、肌戻りが有ったものを「有」、
無かったものを「無」として示した。
【0017】
【表1】
【0018】表1より、押出しシートよりなる外層を1
mm、カレンダーシートの積層体でなる内層を3mm程
度にしておくと、発明品(熱加工用PVC板)は、引張
強さなどの機械的性質が押出しシート品とプレス品との
ほゞ中間値を示すようになり、また、全光線透過率、平
行光線透過率、曇り度などについてはプレス品に近い値
を示している。これらのことより、上述した発明品につ
いての透明性や表面艶についての記述が裏付けられる。
また、上記発明品とプレス品と押出し品とにホットジェ
ットガンによる熱風を吹きかけてその表面状態を観察し
たところ、プレス品では肌戻りが生じて表面艶が悪くな
ったが、発明品と押出し品には肌戻りを生じなかった。
このことより、発明品に溶接や曲げ加工等の二次加工を
施しても、熱影響による表面肌の低下、特に透明性の低
下を生じないことが判る。なお、上記の実施例は透明な
PVC板についての事例であるけれども、不透明板にお
いても同様に二次加工に伴う肌戻りを生じない。
mm、カレンダーシートの積層体でなる内層を3mm程
度にしておくと、発明品(熱加工用PVC板)は、引張
強さなどの機械的性質が押出しシート品とプレス品との
ほゞ中間値を示すようになり、また、全光線透過率、平
行光線透過率、曇り度などについてはプレス品に近い値
を示している。これらのことより、上述した発明品につ
いての透明性や表面艶についての記述が裏付けられる。
また、上記発明品とプレス品と押出し品とにホットジェ
ットガンによる熱風を吹きかけてその表面状態を観察し
たところ、プレス品では肌戻りが生じて表面艶が悪くな
ったが、発明品と押出し品には肌戻りを生じなかった。
このことより、発明品に溶接や曲げ加工等の二次加工を
施しても、熱影響による表面肌の低下、特に透明性の低
下を生じないことが判る。なお、上記の実施例は透明な
PVC板についての事例であるけれども、不透明板にお
いても同様に二次加工に伴う肌戻りを生じない。
【0019】
【発明の効果】請求項1の発明による熱加工用PVC板
は、表面艶がプレス品のそれと同等であって、しかも溶
接時などに熱影響を受けても表面艶が消えて曇った状態
にならないという長所がある。
は、表面艶がプレス品のそれと同等であって、しかも溶
接時などに熱影響を受けても表面艶が消えて曇った状態
にならないという長所がある。
【0020】請求項2の発明による熱加工用PVC板の
製造方法によると、高度の表面艶を有する上記の熱加工
用PVC板を製造することができるという効果がある。
製造方法によると、高度の表面艶を有する上記の熱加工
用PVC板を製造することができるという効果がある。
【図1】図1は請求項1の発明による熱加工用PVC板
の断面で示した説明図である。
の断面で示した説明図である。
【図2】図2は請求項2の発明方法を原理的に示した説
明図である。
明図である。
A 熱加工用PVC板 1 内層 1’ カレンダーシート 2 外層 2’ 押出しシート 10 艶板
Claims (2)
- 【請求項1】 内層とこの内層の表裏両面に設けられた
外層とを有し、内層は、塩化ビニル樹脂製の複数枚のカ
レンダーシートの積層体が熱圧一体化されてなり、外層
は、内層よりも肉薄で内層の表裏両面に熱圧一体化され
た塩化ビニル樹脂製の押出しシートでなる熱加工用塩化
ビニル樹脂板。 - 【請求項2】 塩化ビニル樹脂製の複数枚のカレンダー
シートの積層体の表裏両面に上記積層体よりも肉薄で表
面マット地を有する塩化ビニル樹脂製の押出しシートを
重ね合わせ、それを艶板で挾んで熱圧プレスすることに
より、複数枚の上記カレンダーシートの積層体が熱圧一
体化された内層と、この内層に熱圧一体化された上記押
出しシートでなる外層とを形成すると共に、上記艶板の
表面艶を外層の表面に転写することを特徴とする熱加工
用塩化ビニル樹脂板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5194070A JPH0724975A (ja) | 1993-07-08 | 1993-07-08 | 熱加工用塩化ビニル樹脂板とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5194070A JPH0724975A (ja) | 1993-07-08 | 1993-07-08 | 熱加工用塩化ビニル樹脂板とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0724975A true JPH0724975A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=16318466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5194070A Pending JPH0724975A (ja) | 1993-07-08 | 1993-07-08 | 熱加工用塩化ビニル樹脂板とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0724975A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003020386A (ja) * | 2001-07-10 | 2003-01-24 | Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd | 熱圧プレス成形用非晶性ポリエステル樹脂組成物及び非晶性ポリエステル樹脂シートの製造方法 |
-
1993
- 1993-07-08 JP JP5194070A patent/JPH0724975A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003020386A (ja) * | 2001-07-10 | 2003-01-24 | Tsutsunaka Plast Ind Co Ltd | 熱圧プレス成形用非晶性ポリエステル樹脂組成物及び非晶性ポリエステル樹脂シートの製造方法 |
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