JP3162299B2 - 合成樹脂積層シートの製造方法 - Google Patents

合成樹脂積層シートの製造方法

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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異種の合成樹脂シ
ート同士をホットメルト型接着剤により加圧接着して積
層シートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】異種の透明合成樹脂板同士を接合して、樹
脂積層板を形成することは、例えば、特開平4−301
448号公報の明細書に掲載されているように、ポリカ
ーボネート樹脂とアクリル樹脂とをポリウレタン系の熱
可塑性のホットメルト型接着剤で、接合して透明な積層
樹脂シートを形成することが既に知られている。この先
行技術において、ポリカーボネート樹脂は、強度的に優
れ、特に耐衝撃強度が高く、アクリル樹脂は表面硬度が
大きくて疵つきにくいことから、両者の接着によって透
明な樹脂製の安全ガラスとするものである。
【0003】その他の従来の製造方法は、小形の積層シ
ートでは、両樹脂板の間に熱可塑性の接着剤を挟んで、
オートクレーブ内で加熱加圧して接着させる方法があ
り、やや大形の積層シートの場合には、エアバック方式
が知られている。そして、上記先行文献に開示があるよ
うに、ホットプレスにより押型間に積層物を挟んで加圧
加熱して積層シートにすることも知られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オート
クレーブ方式では、大形の積層シートには成形困難で且
つ大形の積層シートでは反りや歪みが発生し、エアバッ
ク方式やホットプレスによる方法は、大形積層シートを
成形したとき、冷却後の積層シートに大きく反りや歪み
が出ることが大きな問題であった。上記のポリカーボネ
ート−ポリメチルメタクリレート積層シートの場合に
は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂側に反
り変形することになり、反りが大きい場合には製品とな
らなかった。さらに、アクリル樹脂板は耐油性や粉塵等
に対する耐摩耗性があることから、ポリカーボネート−
ポリメチルメタクリレート積層シートが、大型機械類や
工作機械の覗き窓、監視窓などの透明遮蔽板として使用
されるが、このような大型積層シートの成形には、歪み
や反りのないものが要求され、製造工程上は成形歩留り
の高い製造方法が望まれている。
【0005】本発明は、上記問題に鑑み、大形の樹脂積
層シート、特に900〜1500mm×900〜250
0mm積層シートの成形にあって、積層シート成形の際
の反り・歪み変形を極力低減して、平坦度に優れた大形
の樹脂積層シートを歩留りよく製造する方法を提供しよ
うとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般的に、線
膨張率の異なる2種の熱可塑性合成樹脂シートを積層し
て接合一体化するに際して、線膨張率の小さい方の第1
の樹脂シートを線膨張率の大きい方の第2の樹脂シート
よりも高温に保持して、ホットメルト型接着剤により加
圧接着して成形することにより、接着後の線膨張率の大
きい方の合成樹脂シートの冷却過程での収縮量を他方の
樹脂シートのそれとほぼ均等させて、積層シートの冷却
過程の熱変形を抑制し、その製品の平坦性を確保するの
である。
【0007】本発明のシートの意義は、シートには、
板、フィルムを含み、可撓性に富む軟質か剛性の硬質か
は問わない。他方では、本発明の合成樹脂積層シート
は、本来熱変形により永久歪みが残るようなシートを対
象にするのであって、厚みに無関係であり、例えば、積
層板、合板を含めることができる。本発明は、このよう
なシートを加圧接着後の冷却過程で残留する応力により
発生するような反り変形を防止するのである。そして、
本発明の好ましい積層シートとしては、0.5〜20m
m程度の硬質のシートである。
【0008】第1及び第2の異種の2つの合成樹脂シー
トは、加熱過程においては、加熱されて接着剤の接着温
度に保持された状態ではホットメルト型接着剤が溶融す
るので、昇温による両樹脂シート間の熱変形応力は生じ
ないし、仮りに応力が生じたとしても塑性変形により開
放される。しかし、次の冷却過程においては、従来法の
如く、第1の樹脂シートと第2の異種合成樹脂シートの
加熱温度を同じとしたのでは、接着剤の固化後にさらに
冷却する過程で、線膨張率の大きい方の第2の合成樹脂
シートが第1の合成樹脂シートより収縮量(あるいは、
収縮長さ)が大きくなる。そして、両樹脂シートが接着
状態で軟化温度以下の常温近傍にまでに冷えると、第2
の樹脂シートには引張応力が形成残留し、これに対して
第1の樹脂シートに圧縮応力が形成残留し、離型の際に
は、両樹脂間に生じたこの応力により積層シートは収縮
量の大きい第2の樹脂側に撓んで反り変形する。
【0009】これに対して、本発明においては、接着時
に第2の樹脂シートの加熱温度を第1の樹脂シートより
低くして、両樹脂間に一定の温度差を形成するので、冷
却過程では、線膨張率の大きい方の第2の樹脂シート
は、常温までの冷却温度範囲がより小さくなり、常温近
傍までの冷却時の収縮量の差が表裏で少なくなり、従っ
て残留応力も小さく、これにより、離型後の変形が防止
できるのである。即ち、接着時の第1の樹脂シートと第
2の樹脂シートの熱膨張量を同じにすることで、反り変
形を防止することができるのである。
【0010】本発明は、加圧接着に際して、第1の熱可
塑性合成樹脂シートの温度を第2の熱可塑性合成樹脂シ
ートの温度より高温として接着剤により加圧接着するも
のである。ここに、上記異種の熱可塑性合成樹脂シート
においては、第1の合成樹脂シートと第2の合成樹脂脂
シートとは、前者が後者よりも線膨張率が小さい相対的
な関係を有するものである。参考として、合成樹脂の常
温近傍での線膨張率の小さい方から大きい方に順に並べ
ると、概略次の表のようになる。
【0011】
【表1】
【0012】表1から、線膨張率の小さい方から合成樹
脂を配列すると、おおよそ、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリカーボネート(PC)、硬質ポリ塩
化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P
P)となるであろう。合成樹脂の線膨張率は、その重合
度や重合方法により、また、他の配合剤により、かなり
変化するので、実際には、実測して概算を求めるのがよ
い。例えば、軟質ポリ塩化ビニル(PVC)は、可塑剤
の配合により線膨張率が大きくなる傾向にある。このよ
うな線膨張率の大小関係に基づいて第1の合成樹脂シー
トと第2の合成樹脂シートの組合せが決められる。これ
らの樹脂のうちで硬質で剛性が高く曲げ弾性率が300
00kg/cm2 以上の樹脂シート同士の未積層シート
は互いに他方に干渉して反り変形が生じやすいので、本
発明の対象樹脂としては、PET、PC、PVC、PM
MAの厚み2〜10mmのものである。
【0013】製造過程では、第1の合成樹脂シートを第
2の合成樹脂シートより高温に加熱するから、第1の合
成樹脂シートの軟化温度が第2の合成樹脂シートのそれ
よりも高いものの組合せが好ましい。このようにする
と、合成樹脂シートを軟化温度近傍の高温に加熱するこ
とが可能になり、ホットメルト型の接着剤の選択範囲が
広くなる利点がある。尤も、第1の合成樹脂シートの軟
化温度が第2の合成樹脂シートのそれよりも低いものの
組合せを除外するものではない。第1の合成樹脂シート
と第2の合成樹脂シートとの好ましい組合せとして、P
C−PMMA、PC−PVC、PMMA−PVC、PP
−PVF(ポリビニルフロリド)の組合せがある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の合成樹脂積層シートの製
造方法の具体的形態は、第1の熱可塑性合成樹脂とし
て、ポリカーボネート樹脂シートを選んで、ポリカーボ
ネート樹脂シートより線膨張率の大きい第2の熱可塑性
合成樹脂シートとしてポリメチルメタクリレート樹脂シ
ートを、ホットメルト型接着剤を介してホットプレスに
より加圧加熱接着する方法を以下に示す。
【0015】第2の熱可塑性合成樹脂シートのポリメチ
ルメタクリレート樹脂シートがあり、この場合におい
て、ポリメチルメタクリレート樹脂シートの線膨張率が
ポリカーボネート樹脂の線膨張率より僅かに大きい程度
であるので、当該ポリメチルメタクリレート樹脂シート
の温度を該ポリカーボネート樹脂シートの温度より10
〜40℃低い温度とするのが好ましく、これにより加熱
時の樹脂シート間の熱膨張量を同じにして、該接着剤を
その溶融温度以上に加熱して加圧接着するのである。こ
の接着剤にはこれら両種の合成樹脂シートのいずれの軟
化温度より低い溶融温度を有するホットメルト型のもの
を使用するのが好ましい。接着剤の溶融温度が樹脂シー
トの軟化温度より高いと、加圧時に樹脂シートも軟化し
て塑性変形して、積層シートの厚みが大きくなって厚み
精度が出ず、好ましくない。
【0016】上記ポリカーボネート樹脂シートは、軟化
温度が高いので、好ましくは接着時の加熱温度を90〜
140℃とするのがよい。140℃を越えると溶融温度
に近いのでポリカーボネート樹脂が接着時に変形して厚
み変動が大きくなる。90℃未満ではホットメルト型接
着剤のために低すぎて、接着剤の選択が困難で、接着強
度が得られない。他方、第2の合成樹脂シートとしてポ
リメチルメタクリレート樹脂の加熱温度は、70〜11
0℃とするのがよい。110℃を越えると、同様に厚み
変動が大きく、70℃未満では、この温度以下で溶融し
て強度発現する適当な接着剤がない。
【0017】積層シートの形成の一般的な方法は、2枚
のシートから積層シートに形成するもので、予め成形し
たポリカーボネート樹脂シートとポリメチルメタクリレ
ート樹脂シートとから積層シートにするが、図1におい
て、ポリカーボネート樹脂シート1と第2の合成樹脂シ
ート2としてのポリメチルメタクリレート樹脂シート2
との間にホットメルト型接着フィルム3を挟んで重積し
て、これをホットプレスの上下の平型51、52の間に
配置して、金型51、52をそれぞれ適当な加熱手段6
1、62により加熱しながら、金型51の温度を金型5
2の温度より高くして、プレス成形する。この場合、プ
レス機の加圧手段(不図示)により、金型間で上記の重
積物を加圧し、一定時間保持する。保持後に、加圧状態
のまま加熱を止め冷却水等を用いて、室温近くまで冷却
する。
【0018】ポリカーボネート樹脂シート1は、通常の
ビスフェノールA型のポリカーボネート樹脂が広く使用
される。ポリカーボネート樹脂シート1は、積層シート
の強度を保証する透明基板となるもので、他方のポリメ
チルメタクリレート樹脂シート2は、積層シートとした
時の耐油性や掻疵抵抗性等の表面機能性を付与するもの
であり、さらにポリカーボネートに対する耐候性を付与
すること、例えば、紫外線吸収性とすることもなされ
る。ポリメチルメタクリレート樹脂シートは、キャステ
ィング成形品が好ましい。
【0019】接着フィルム3には、ホットメルト型の接
着剤で、ポリカーボネート樹脂シート1とポリメチルメ
タクリレート樹脂シート2との軟化温度より低い溶融温
度を有するものが使用される。ポリカーボネート樹脂の
軟化温度は、130〜140℃であるの対して、ポリメ
チルメタクリレート樹脂の軟化温度は、その重合度によ
り異なるが、おおよそ90〜110℃程度であるので、
接着フィルムは、その融点が、90℃以下のものから選
ばれる。この接着剤の厚みは充分な接着強度を得るた
め、0.3mm以上、好ましくは0.4〜1.5mm程
度のものがよい。このような接着フィルムには、例え
ば、熱可塑性ウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系
共重合樹脂や、ブチラール樹脂などのシートないしフィ
ルムが使用可能である。上記ウレタン系樹脂フィルム
が、接着強度が高いので優れており、特に、耐候性を付
与して、紫外線に対する黄変抵抗性を有するものが、積
層シートの透明性を害しないので好ましい。
【0020】ポリカーボネートとポリメチルメタクリレ
ートとは線膨張率が異なり、ポリカーボネートの線膨張
率は、20℃で7×10-5/K程度である。ポリメチル
メタクリレートの線膨張率は、20℃で7.3×10-5
/K程度であり、線膨張率は、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂の方が、ポリカーボネート樹脂より僅かに大き
い。このような膨張率に差異のあるポリカーボネート樹
脂シート1とポリメチルメタクリレート樹脂シート2と
から積層シート化するプレス成形においては、金型間で
加圧しながら加熱昇温し、ポリカーボネート樹脂シート
の温度を90〜140℃、好ましくは100〜130℃
とし、他方のポリメチルメタクリレート樹脂シートの温
度を70〜110℃、好ましくは、80〜100℃とす
る。同時に、ポリカーボネート樹脂シートの温度よりポ
リメチルメタクリレート樹脂シートの温度を低温としそ
の両者の温度差を10〜40℃、好ましくは、10〜3
0℃とするのである。
【0021】ここで、樹脂シートの温度は、いずれもプ
レスのための金型51、52の側にある樹脂シート1、
2の表面10、20で測定した樹脂温度を適用すること
ができる。通常は、各樹脂シートの型側の表面に熱電対
71、72を接触させて熱電対温度計(不図示)などで
表面温度を実測する。また、接着フィルムの溶融を確認
するのに、同様に、熱電対4を配置した。
【0022】このような樹脂シートの間の温度差の形成
は、それぞれの金型に備えている加熱手段61、62の
調節により金型の温度を別個に調節することで行われ
る。例えば、電熱線を配置した金型の場合には、両金型
間で供給電力量を加減する。また、加熱用蒸気配管を備
えたものでは、金型ごとに供給蒸気温度を変えるか、ま
たは、同じ蒸気温度にして蒸気弁により蒸気供給量を調
節することにより、各型の蒸気温度を所定温度に別個に
調整することがなされる。さらに、金型と樹脂シートの
間に断熱材を適当に介装することにより、温度差を形成
することが可能である。このようにして、上記温度条件
で積層物を加熱し、同時に上記接着剤温度をその融点以
上に加熱して、加圧しながら保持すると、接着剤は溶融
し上記の合成樹脂シートの表面を濡らし、融着する。
【0023】接着剤の溶融保持後は、金型間で加圧した
まま、熱源を切り、そのまま常温近くに冷却する。離型
後の積層物は、図2に示すように、ポリカーボネート層
91と接着層93とポリメチルメタクリレート層92と
が一体に積層された変形のない平坦な表面を有する積層
シート9が形成されている。このような平坦性のよい積
層シート9は、そのまま或いは適当に切断して、特に工
作機械などの切削油を使用する機械類の覗き窓や粉塵を
伴う重機械の監視窓、その他の透明遮蔽板として利用で
きる。
【0024】積層シート形成の他の方法は、溶融押出成
形した2種類の樹脂シート材を熱間で接着剤を介在させ
て連続的に接合する方法がある。即ち、それぞれ別個の
押出成形機により押出成形したポリカーボネート樹脂シ
ートとポリメチルメタクリレート樹脂シートとの間にホ
ットメルト型接着剤フィルムを挟んで、ロールにより圧
着して引き取るようにするロール成形法により連続的に
加熱加圧接着する方法である。
【0025】基本的な製造要領を、図3に示すが、2基
の押出成形機19、29によりそれぞれ押し出されたシ
ート1、2は、まだ溶融状態にあって、その前方の成形
ロール71、72により連続的に引き取られてそれぞれ
適当に冷却されて厚みと温度の調整がなされた後、2枚
のシート1、2は、さらに、圧着ロール81、82間に
移送される。圧着ロール8は、上下のシート1、2の間
に接着剤フィルム3を挟んで三層構造のまま圧下して加
圧接着し、一体に接合し、長尺の積層シート9に連続的
に成形する。
【0026】この連続製造方法においては、成形ロール
71、72と圧着ロール81、82との間の位置に、上
記2枚のシートを別個に温度調節するための、加熱手段
61、62を配置し、シートの連続移送中に、所定の温
度に加熱調整することがなされる。加熱手段61、62
としては、赤外線照射ランプや高周波誘電加熱体が適用
可能である。
【0027】
【実施例】ポリカーボネート樹脂板に、タキロン(株)
製、「タキロンポリカーボネート」(線膨張率7×10
-5/K)の縦1m、横2m、厚み8.0mmの成形板を
使用し、他方のポリメチルメタクリレートには、住友化
学工業(株)製の「スミペックス」(線膨張率7.3×
10-5/K)の厚み3.0mmの同じ形状の成形シート
を使用した。また、接着剤は、モートン社製の品名「P
E299」のウレタン系接着剤フィルム(フィルム厚み
0.75mm)を使用して、上記のポリカーボネート樹
脂板(以下、PC板とする)とポリメチルメタクリレー
ト樹脂シート(以下、PMMAシートとする)との間に
挟み、大形のホットプレス機の金型間に載置して、PC
板とPMMAシートとは、型側の表面に熱電対を配置し
て測温するようにした。また接着剤フィルムにも熱電対
を配置して測温した。
【0028】プレス機の加熱手段には、金型内の配管に
蒸気を挿通する加熱方法を採用して、上下の各金型への
蒸気供給量を調整して、各金型の温度を別個に制御し、
樹脂シートの温度を各別に調節した。そして、PC板と
PMMAシートとに、その温度を適切に昇温調整しなが
ら、プレス機の押圧手段により10〜30kgf/cm
2 のほぼ均一な圧力を付加して、接着剤フィルムの溶融
後一定時間保持してそのまま蒸気を止めて、常温近くに
冷却し、次いで、上下の金型より積層シートを取り出し
て、積層シートについて、反り変形、外観等を観察し
た。
【0029】試験結果を、表2に示す。表2中の反り量
は、積層シートのスパン2000mmにおける凹み距離
で表した。反り判定は、このスパンでの反り量20mm
を基準にして、良否を定めた。
【0030】
【表2】
【0031】表2から、反りの防止の点からして、PC
板の温度として100〜140℃の範囲において、PC
板とPMMAシートとの温度差が10〜30℃の範囲が
良いことが判る。PC板とPMMAシートとの温度差が
0℃では、PMMAシート側に大きく反りが生じ、他方
で温度差が40℃と大きくなっても、今度はPC板側に
反りが生じることが判る。但し、PMMAシートの温度
が110℃を越えると、PMMAシートの表面に局部的
な溶融に伴う板厚の変化が生じて表面に映る像が歪んで
見える「めらつき」の現象が生じるので、樹脂板の軟化
温度を超えないことが好ましいことが判る。
【0032】
【発明の効果】本発明は、線膨張率の異なる異種の合成
樹脂シートをホットメルト型接着剤によりプレス成形に
よる大形成形積層シートに接着形成する製造方法におい
て、合成樹脂の加熱時の温度差を制御して、接合冷却時
の収縮量の差を少なくすることにより、樹脂の線膨張率
の差異による冷却過程で生じる変形を抑制し、大形の樹
脂成形体の反り、歪みを有効に且つ簡便に防止すること
ができ、積層シート成形歩留りの向上に有効である。
【0033】2種類の樹脂としてポリカーボネート樹脂
とポリメチルメタクリレート樹脂とを利用して、広幅大
形の積層シートを、反り変形の発生を実質的に伴うこと
なく、容易に実現できるので、耐油性等の表面機能を備
えた機械用の覗き窓や、その他の大形透明性の遮蔽板・
仕切り板としての利用が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に使用されるホットプレス機にお
ける合成樹脂シートと接着剤フィルムの配置を示す断面
図。
【図2】本発明の成形後の合成樹脂積層シートの模式的
断面図。
【図3】本発明の他の実施例に示す合成樹脂積層シート
の連続的ロール成形方法を示す装置概略図。
【符号の説明】
1 ポリカーボネート樹脂シート 2 ポリメチルメタクリレート樹脂シート 3 接着剤フィルム 4 熱電対 51 金型 52 金型 61 加熱手段 62 加熱手段 9 合成樹脂積層シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 31/20 B32B 31/20 C09J 175/04 C09J 175/04 // B29K 33:04 69:00 B29L 9:00 (56)参考文献 特開 平6−91761(JP,A) 特開 平6−91762(JP,A) 特公 昭61−35937(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 43/30 B29C 65/40

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の熱可塑性合成樹脂シートと、該第
    1の熱可塑性合成樹脂シートより線膨張率の大きい第2
    の熱可塑性合成樹脂シートとをホットメルト型接着剤を
    介して加熱して加圧接着して、合成樹脂積層シートを製
    造する方法において、 加圧接着に際して、第1の熱可塑性合成樹脂シートの温
    度を第2の熱可塑性合成樹脂シートの温度より高温とし
    て加圧接着することを特徴とする合成樹脂積層シートの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の熱可塑性合成樹脂シートと、該第
    1の熱可塑性合成樹脂シートより線膨張率の大きい第2
    の熱可塑性合成樹脂シートとをホットメルト型接着剤を
    介して加熱して加圧接着して、合成樹脂積層シートを製
    造する方法において、 加熱時の第1の熱可塑性合成樹脂シートと第2の熱可塑
    性合成樹脂シートとの膨張量がほぼ同じになるように、
    第1及び第2の熱可塑性合成樹脂シートを加熱すること
    を特徴とする合成樹脂積層シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 第1の熱可塑性合成樹脂シートがポリカ
    ーボネート樹脂シートであって、第2の熱可塑性合成樹
    脂シートがポリメチルメタクリレート樹脂シートであっ
    て、加圧接着に際して、該ポリカーボネート樹脂シート
    の温度を当該ポリメチルメタクリレート樹脂シートの温
    度より10〜40℃高い温度としたことを特徴とする請
    求項1又は2記載の合成樹脂積層シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 加圧接着に際して、上記ポリカーボネー
    ト樹脂シートの温度を90〜140℃とし、上記ポリメ
    チルメタクリレート樹脂シートの温度を70〜110℃
    とし、上記ホットメルト型接着剤が上記両樹脂シートの
    いずれの軟化温度よりも低い溶融温度を有する接着剤で
    あることを特徴とする請求項3記載の合成樹脂積層シー
    トの製造方法。
  5. 【請求項5】 加圧接着する方法がホットプレス成形法
    である請求項1〜4何れか記載の合成樹脂積層シートの
    製造方法。
JP22985896A 1996-08-30 1996-08-30 合成樹脂積層シートの製造方法 Expired - Lifetime JP3162299B2 (ja)

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