JPH07248582A - 写真処理廃液の処理方法および除銀装置ならびに写真処理装置 - Google Patents

写真処理廃液の処理方法および除銀装置ならびに写真処理装置

Info

Publication number
JPH07248582A
JPH07248582A JP6065744A JP6574494A JPH07248582A JP H07248582 A JPH07248582 A JP H07248582A JP 6065744 A JP6065744 A JP 6065744A JP 6574494 A JP6574494 A JP 6574494A JP H07248582 A JPH07248582 A JP H07248582A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
polymer
tank
liquid
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6065744A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Nakamura
敬 中村
Haruhiko Iwano
治彦 岩野
Yasushi Matsuo
康司 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP6065744A priority Critical patent/JPH07248582A/ja
Priority to US08/399,658 priority patent/US5795485A/en
Priority to DE69513867T priority patent/DE69513867T2/de
Priority to EP95103348A priority patent/EP0671362B1/en
Publication of JPH07248582A publication Critical patent/JPH07248582A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/52Treatment of water, waste water, or sewage by flocculation or precipitation of suspended impurities
    • C02F1/5272Treatment of water, waste water, or sewage by flocculation or precipitation of suspended impurities using specific organic precipitants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/52Treatment of water, waste water, or sewage by flocculation or precipitation of suspended impurities
    • C02F1/5281Installations for water purification using chemical agents
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S210/00Liquid purification or separation
    • Y10S210/902Materials removed
    • Y10S210/911Cumulative poison
    • Y10S210/912Heavy metal

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
  • Photographic Processing Devices Using Wet Methods (AREA)
  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属に配位可能なS原子を有するポリマーを
用いて、写真処理廃液中の銀を効率よく連続処理で除去
する。 【構成】 U字状の処理空間を有する槽内の下部にポリ
マー沈澱物を収納し、このポリマー沈澱物を境にして形
成される2つの空間のうちの一方の空間から、写真処理
廃液を導入し、前記U字状の処理空間内で、金属に配位
可能なS原子を有するポリマーの存在下、写真処理廃液
を処理して、銀を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料(以下、「感光材料」、「感材」ともいう。)の処
理工程で排出された写真処理廃液の処理方法、特に写真
処理廃液中の銀の除去方法に関し、さらにはこの方法を
実施するのに用いられる除銀装置およびこれを具備した
写真処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】写真処理において、黒白感光材料は、露
光後、黒白現像、定着、水洗等の工程で処理され、カラ
ー感光材料は、露光後、発色現像、脱銀、水洗、安定化
等の工程により処理される。黒白現像には黒白現像液、
定着には定着液、発色現像には発色(カラー)現像液、
脱銀処理には漂白液、漂白定着液、定着液、水洗には水
道水またはイオン交換水、安定化処理には安定化液がそ
れぞれ使用される。各処理液は通常20〜50℃に温度
調節され、感光材料はこれらの処理液中に浸漬され処理
される。
【0003】このような処理のうち、漂白能または定着
能を有する処理の後には、乳剤層中の定着成分や定着処
理により生成された銀錯塩等を洗い出し、画像の安定性
を保持するための水洗処理や安定化処理等が行われる。
従って、水洗水や安定化液等の処理液中には、感材に担
持された形で次のような成分が持ち込まれ、高濃度で蓄
積する。そのような成分としては、定着液中の銀錯塩等
の銀成分;漂白、漂白定着液中の鉄成分や銀成分;減力
処理液中のセリウム成分;硬膜定着処理液中のアルミニ
ウム成分;更には前浴である定着液、漂白液、漂白定着
液、減力液、硬膜定着液等が挙げられる。
【0004】このような銀成分等を含む処理液成分を含
む廃液をそのまま下水道に排出することは、環境保全の
観点から、重大な問題となる。特に銀成分については、
活性汚泥等の微生物への殺菌作用のため、下水道や河川
への水洗水等の処理廃液放流に対して銀の規制が厳しく
なりつつあり、米国や欧州、東南アジアではフィリピン
などで、銀が0.1ppm 未満でないと放流できず、何ら
かの対策を講ずる必要が生じてきている。場合によって
は下水道当局と交渉してペナルティー代金を支払って河
川、下水道へ放流することもあるが、莫大なコストを要
求される。従って、大ラボでは莫大なコストをかけて銀
除去のための設備化を行うか、下水道当局に処理コスト
を支払って許してもらっている。
【0005】例えば、写真処理における水洗水の銀の排
出基準の規制を示すものとしては“Information Ecolog
y and Safety" Regulations Affecting the Discharge
of Photographic Processing Solutions Kodak Publica
tion No.J-102 (1990年、9月)に記載があり、そ
のTable 1には、典型的な都市の下水道法の銀の排出規
準として「0.001〜20ppm 」の値が、またTable
2には、写真現像所における銀の規制値として「0.5
〜5ppm 」の値が掲載されている。
【0006】また、米国の1986年制定の法規「Safe
Drinking Water Act」、「HazardousMaterials Transpor
tation Act」、「Toxic Substances Control Act」などに
も銀の規制値が示されており、さらに、米国の下水道の
規制は、1989年の「Clean Water Act 改正法」の施
行に伴って、多くの地域で厳しいものとなっている。
【0007】さらに、欧州における規制も厳しいものと
なっており、その下水道への銀の排出基準は0.1ppm
以下である。
【0008】従来、水洗廃液中の銀を除去する技術とし
て、イオン交換樹脂による吸着法、化学沈降法、金属置
換法、電気分解法、電気透析法、逆浸透膜による方法な
どがある。このなかで、吸着法は安価にできる方法であ
るが、イオン交換樹脂の再生が困難であり、厳しい排出
基準を満たすような銀除去レベルを達成するには限界が
ある。また、化学沈降法では、沈澱の分離技術が難しく
メンテナンスが容易でない。金属置換法では、置換に用
いた金属による汚染などの問題が生じやすい。電気分解
法では、3次元陰極を用い、かつ電位をコントロールす
れば銀除去レベルの向上は望めるが、装置面での制約な
どの問題がある。電気透析法では、圧力バランスの調整
など、装置面での問題が多い。逆浸透膜による方法で
は、逆浸透装置を2段用いれば排出基準を満たすことは
できる(本出願人による特願平4−296415号、同
4−296416号等)が、高圧力を要するなど装置面
での制約があり、またメンテナンスも容易でない。
【0009】また、最近、廃液中の銀等の金属と配位が
可能な水溶性ポリマーを用いて、定着液等の定着能を有
する処理液中あるいは水洗水等の洗浄液の廃液中の銀等
の金属を回収する方法が提案されている。
【0010】例えば、特開平132656号には、上記
の水溶性ポリマーを使用済の定着液や漂白定着液に添加
して、水に不溶な銀錯体の沈澱を形成させ、それを濾別
することにより、定着液等に蓄積する銀イオンを効率よ
く且つ簡便に除去し、定着液等を再生し、これら定着能
を有する処理液の使用量を減少させることが記載されて
いる。しかしながら、この方法では、多量に蓄積した銀
イオンを含む定着液等を処理することにより、定着液等
が再生する程度までには銀を除くことはできるが、下水
道等に排水できる濃度まで銀を除去することはできなか
った。
【0011】また、水洗水等の洗浄液では、上記の水溶
性ポリマーを例えば水洗廃液中に添加して沈澱物を生成
させて、水洗廃液中の銀を除去することが行われてい
る。上記の水溶性ポリマーとしては、例えば、炭素原子
数1〜3の炭化水素基にチオール基、ジチオカルバミン
酸基などが置換したモノマー単位を有する含イオウ化合
物で、分子量が10,000〜500,000程度のも
の(後記参照)が一般に用いられている。このような含
イオウ水溶性ポリマーは、銀濃度が高い溶液では銀の配
位率が高くなるため沈澱物の生成が速やかに進行して好
ましいが、銀濃度が低い希薄な溶液では銀の配位率が低
くなるため水溶性のままとなりやすく、沈澱物が生成し
にくい。すなわち、上記ポリマーを添加しただけでは沈
澱物を生成するのに1〜3昼夜を要し、実用に当っては
広い沈澱物生成用スペースが必要となる。
【0012】このような事情から、本出願人は、特願平
5−238945号に、数平均分子量50,000以上
で、30,000以下の分子量のものが0.01wt% 以
下の分子量分布をもつ含イオウ水溶性ポリマーを添加す
ることを提案している。これによれば、銀の配位率が低
く水溶性のままのものであっても、限外濾過膜(UF
膜)を用いた処理を行えば透過水にこれらのものがもれ
ることはないので、銀の除去を確実に行うことができる
ことが記載されている。
【0013】また、特願平5−320928号には、含
イオウ水溶性ポリマーの添加量を金属当量の0.5〜4
の範囲になるようにし、かつポアサイズ0.05〜10
μmの単膜フィルターを用いて精密濾過(MF)を行う
ことが提案されている。これによれば、単膜フィルター
を用いて沈澱物を濾過すると、沈澱物が単膜フィルター
に特殊に捕捉される結果、あたかも複合膜と同じような
機能をもつようになり、高価なUF膜により処理と同等
以上の効果が得られることが記載されている。
【0014】さらに、特願平5−343463号には、
含イオウ水溶性ポリマーを添加するとともに、陰極およ
び陽極が空/液界面に存在するように設置して電解処理
を施すことが提案されている。これによれば、沈澱物の
生成が促進され、銀の配位率が低いものも沈澱物となる
ので、濾過により銀の除去を確実に行うことができるこ
とが記載されている。
【0015】しかし、いずれの方法もバッチ処理が主で
あり、広い処理スペースを要することにはかわりない。
また、特願平5−238945号の方法では、特定の分
子量分布を実現する前処理があって煩雑であり、さらに
高価なUF膜の交換頻度を多くしないと目的の効果が得
られないという問題がある。また、特願平5−3209
28号の方法では、MF膜がUF膜としての機能を発揮
するまで濾過処理操作を繰り返す必要があり、例えば希
薄なAg濃度の写真処理廃液に用いて直ちに効果が得ら
れないという問題がある。さらに、特願平5−3434
63号の方法では、最大限の効果を得るには電解処理の
管理を精度よく行う必要があるなど、煩雑である。
【0016】従って、簡便で効率のよい沈澱物の生成方
法が望まれている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
に、金属に配位可能なS原子を有するポリマーを用い
て、写真処理廃液中の金属、特に銀を捕集して沈澱物を
生成させ、液中の金属、特に銀を除去する場合、沈澱物
の生成が促進され、かつ連続処理が可能で、液中の金
属、特に銀の除去を確実に行うことができる写真処理廃
液の処理方法を提供することにある。
【0018】また、第二に、写真処理廃液中の銀を効率
よく連続処理で除去でき、かつ装置の設置スペースも少
なくてすむ除銀装置を提供することにある。
【0019】さらに、第三に、上記除銀装置を備え、除
銀された後の写真処理廃液を再利用することが可能な写
真処理装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。 (1)U字状の処理空間を有する槽内の下部にポリマー
沈澱物を収納し、このポリマー沈澱物を境にして前記U
字状の処理空間内に形成される2つの空間のうちの一方
の空間から、ハロゲン化銀写真感光材料を処理した後の
定着能を有する処理液を含有する写真処理廃液を導入
し、前記U字状の処理空間内で、金属に配位可能なS原
子を有するポリマーの存在下、前記写真処理廃液を処理
し、前記写真処理廃液中の金属を除去する写真処理廃液
の処理方法。 (2)前記U字状の処理空間を有する槽を複数設置し、
前段の槽から後段の槽に、順次、液を流入させて処理す
る上記(1)の写真処理廃液の処理方法。 (3)前記ポリマー沈澱物が、コロイド状沈澱物である
上記(1)または(2)の写真処理廃液の処理方法。 (4)前記ポリマー沈澱物が、前記金属に配位可能なS
原子を有するポリマーを不溶化した沈澱物である上記
(1)〜(3)のいずれかの写真処理廃液の処理方法。 (5)前記金属に配位可能なS原子を有するポリマーの
存在下の処理の後の液に対し、さらに濾過処理を施す上
記(1)〜(4)のいずれかの写真処理廃液の処理方
法。 (6)前記写真処理廃液が銀を含有する上記(1)〜
(5)のいずれかの写真処理廃液の処理方法。 (7)U字状の処理空間を有し、この処理空間の下部に
ポリマー沈澱物が収納された、少なくとも1槽の槽と、
このポリマー沈澱物を境にして前記U字状の処理空間内
に形成される2つの空間のうちの一方の空間に、銀を含
有する写真処理廃液を導入する液導入手段と、前記U字
状の処理空間内に金属が配位可能なS原子を有するポリ
マーを添加する添加手段と、前記金属が配位可能なS原
子を有するポリマーで処理した後の前記写真処理廃液に
対し濾過処理を施す濾過処理手段とを有する除銀装置。 (8)上記(7)の除銀装置を備えた写真処理装置。
【0021】
【作用】本発明では、U字状の処理空間を有する槽内の
下部に、ポリマー沈澱物を収納し、このポリマー沈澱物
を境にして形成される2つの空間のうちの一方の空間か
ら、写真処理廃液を導入し、金属に配位可能なS原子を
有するポリマーの存在下で、写真処理廃液を処理してい
る。このように、ポリマー沈澱物が存在するので、この
ものが一種の種晶的な役割を果すと考えられ、金属に配
位可能なS原子を有するポリマー(以下、「含Sポリマ
ー」ともいう。)に対する液中の金属(特に銀)の配位
が促進され、金属の配位した沈澱物が生成しやすくな
る。従って、金属の配位した沈澱物の生成が促進される
結果、液中から金属(特に銀)を確実に除去することが
できる。
【0022】このため、U字状の処理空間のうちの液導
入側の空間の他方の空間内の液中の金属(特に銀)の濃
度は極めて低くなる。さらに、このように処理した後の
液に対し、精密濾過(MF)や限外濾過(UF)を適宜
施すことにより、液中の金属、特に銀の分離除去をさら
に確実に行うことができる。従って、銀の排出レベルの
厳しい地域においても排出基準を満たすことが可能にな
る。
【0023】例えば従来から知られているイオン交換樹
脂による除銀では、カラムを少なくとも2本を直列に接
続しても銀25ppm の銀がせいぜい1〜10ppm レベル
に減少する程度である。更に陽極と陰極間にカーボンを
詰め陰極にカーボンが接続しないように隔膜で仕切って
電解除銀をする方法ではこれを3基直列に接続して処理
したものでも2〜10ppm レベルしか得られない。
【0024】しかし、本発明の方法ではこのU字状の槽
中を通すことにより一挙に0.1〜1ppm を達成し、こ
の先にMF膜を設けることにより確実に銀≒0.001
〜0.05ppm レベルを達成できる。MFの代わりにU
Fを用いると、Ag≒0.01〜1ppb レベルまで達成
できる。すなわち、本発明の方法では大きなイオン交換
塔や設備の高い3次元電解を使う時に比べ、著しい除銀
レベルを達成できる。
【0025】更に従来から知られている銀沈降剤として
Na2 S添加法があるが、これでは処理環境に非常な悪
臭を発し、Ag2 Sの非常に細かい沈澱ができるため、
MF膜では通過してしまう。UF膜では確実に分離でき
るが、UF膜の詰りが生じ実用上使用不可能である。
【0026】また、文献によれば、トリメルカプト−s
−トリアジン(TMT)も同様に銀沈降剤として知られ
ているが、悪臭があること、沈澱生成に加温が必要で、
しかも沈降生成時間がかかること、また沈澱物が細かい
ことなどでNa2 Sと同様な問題が生じている。
【0027】この化合物はNa2 Sほど悪臭はないた
め、カラーラボで試みられたケースもある。しかし沈澱
時加温が必要なことで設備費が高いことと時間がかかる
ために沈澱槽は莫大に大きくなることなどでイニシャル
コストが高く見合わない。
【0028】また、Na2 S、トリメルカプト−s−ト
リアジンと同様な低分子の銀沈降剤が知られているが
(特開昭51−111756号のジチオカルバミン酸誘
導体;特開昭59−9857号のジフェニルチオカルバ
ゾン;特表平5−506727号のアミノアルキルチオ
ールなど)、これらもほぼ同様な欠点のため実用されて
いない。
【0029】本発明における上記のような槽とMFやU
Fを施す濾過処理手段とを備えた除銀装置では連続処理
が可能になり、処理効率が向上する。また、設置スペー
スも少なくてすむ。
【0030】また、このような除銀装置を具備した写真
処理装置では、定着能を有する処理槽や洗浄槽の排出液
を除銀装置によって処理すれば、除銀した後の液を各処
理槽に戻して再利用することができる。なお、本発明に
おける写真処理廃液は、使用済の処理液をさし、上記の
ような排出液も含むものとする。
【0031】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0032】本発明の写真処理廃液の処理方法は、写真
処理廃液から銀を除去することを主目的としており、こ
のような処理方法を実施する本発明の除銀装置の一構成
例が図1に示されている。
【0033】図1に示すように、除銀装置1は、U字状
の処理空間を有する槽(以下、「沈澱槽」ともいう。)
11、12、13を有する。これらの沈澱槽11、1
2、13のU字状の処理空間は、各槽内を仕切板11
1、121、131で各々二分することによって形成さ
れている。この場合の仕切板111、121、131
は、槽の底面まで到達しないように設置されている。沈
澱槽11、12の下部には、ポリマー沈澱物Gが収納さ
れている。このポリマー沈澱物Gは、好ましくはコロイ
ド状の沈澱物であり、水分散媒中に浮遊した状態で存在
する。
【0034】沈澱槽11には、ポリマー沈澱物Gを境に
して処理空間11A、11Bが形成されている。同様に
沈澱槽12には処理空間12A、12Bが形成されてい
る。沈澱槽13には仕切板131にほぼ二分される形で
処理空間13A、13Bが形成されている。
【0035】除銀装置1には、写真処理廃液として、例
えば水洗廃液WDをストックタンク14から沈澱槽11
の処理空間11Aに導入する送液ポンプP1が設置され
ている。
【0036】また、除銀装置1には含Sポリマーの水溶
液を収納したタンク15が設置されており、タンク15
内から沈澱槽11の処理空間11Aに含Sポリマーの水
溶液が供給されるようになっている。
【0037】ストックタンク14から供給された水洗廃
液WDは、沈澱槽11の処理空間11A、11Bで順次
処理されて処理空間11Bからオーバーフローにより沈
澱槽12の処理空間12Aに流入する。このように処理
空間12Aに流入した水洗廃液WDは順次処理空間12
A、12Bで処理されて、処理空間12Bから沈澱槽1
3内の処理空間13Aにオーバーフローにより流入す
る。
【0038】このように処理空間13Aに流入した水洗
廃液WDは処理空間13A、13Bで順次処理される。
処理空間13B内の水洗廃液WDは送液ポンプP2によ
って、MF装置16に導入され、ここで精密濾過膜(M
F膜)による処理が行われる。そして、精密濾過膜によ
る処理によって透過液Tが得られる。
【0039】上記のように処理することによって、スト
ックタンク14内の水洗廃液WDの銀含有量が20〜1
20ppm であるのに対し透過液Tの段階では0.01pp
m 以下となる。
【0040】このように銀除去が速やかに進行するの
は、沈澱槽11、12の下部に収納されたポリマー沈澱
物Gが存在するので前述のようにこのものが種結晶的な
役割を果し、Agが配位した含Sポリマーの沈澱形成が
促進されるためと考えられる。この場合のストックタン
ク14から沈澱槽11の処理空間11Aへの液の導入量
は、タンク容量20リットル程度の沈澱槽を用いるとき
で、70〜120ml/分程度とすることが好ましい。ま
た、MF膜を使用する時で、MF膜が十分含Sポリマー
の沈澱物で覆われている時は、70ml/分〜2000ml
/分で処理することもできる。MF膜のかわりに限外濾
過膜(UF膜)を使用するときは70ml/分〜200ml
/分とすることが好ましい。
【0041】なお、図示例では沈澱槽を2槽用いる2段
カスケード方式(合計タンク容量40リットル)として
いるが、5段カスケード方式(合計タンク容量100リ
ットル)とするときは、400ml/分〜2リットル/分
とすることが好ましい。また、MF膜が十分含Sポリマ
ーの沈澱物で覆われている時は500ml/分〜5リット
ル/分とすることが好ましい。また、含Sポリマー水溶
液の供給量は、水洗廃液WD中の平均銀含有量に対し、
含Sポリマーが1.5モル相当とすることが好ましく、
水洗廃液WDの銀含有量が25ppm の時はこの液の導入
量の1/2000〜1/50000のレベルとすること
が好ましい。液の導入量を、このようにすることによっ
て処理空間11A内において、沈澱物が5〜40分程度
で生成する。液の導入量が多くなると、生成した沈澱物
の沈降が液の流速に追いつかなくなり、液、すなわち、
含Sポリマーの導入量が少なくなると沈澱物が生成しに
くくなる。
【0042】処理空間11A内に導入した段階で銀含有
量は1/5〜1/50のレベルになる。さらに処理空間
11B内では1/50〜1/500のレベルになる。こ
のように沈澱槽11における段階で水洗廃液WD中のほ
とんどの銀は除去されることになるが、さらに沈澱槽1
2において沈澱槽11と同様の作用により銀がさらに除
去される。そして、沈澱槽13にはポリマー沈澱物Gが
存在しないが、含Sポリマーに対する銀の配位率が高ま
って沈澱物が形成されることもある。
【0043】このようにしてMF装置16に導入される
前の段階の液の銀含有量は0.1〜1ppm のレベルにな
る。
【0044】なお、ポリマー沈澱物Gの量は、沈澱槽1
1において、その槽容量の1/20〜1/2の容量とす
ればよく、沈澱槽12においては、その槽容量の1/5
0〜1/10の容量とすればよい。このような容量のポ
リマー沈澱物Gを配置することによって、沈澱物が生成
しやすくなる。これに対し、ポリマー沈澱物Gの量が少
なくなると沈澱物の速やかな生成が期待できなくなり、
あまり多くなりすぎても処理空間の確保が困難になって
実用的でない。従って、銀が配位した沈澱物が形成され
て沈澱物全体の量が多くなりすぎたときは、適宜沈澱槽
の下方から除去するようにすればよい。
【0045】銀除去の観点から、上記の銀除去のレベル
を考慮すると、沈澱槽は1槽のみで十分と考えられる
が、MF膜の膜寿命を延ばす上からは、図示のように、
沈澱槽は複数(全部で2〜7槽程度)設けた方がよい。
【0046】なお、MF装置16への沈澱槽13の処理
空間13BからのポンプP2による液の導入量は廃液の
導入量と同じでよい。
【0047】上記で得られる透過水Tは銀の含有量が極
めて少ないので、銀の排出基準が厳しい地域においても
河川や下水にそのまま放流することができる。このほ
か、多段向流方式の水洗槽の中段の槽(最後段のものを
除く。)に一部戻して再使用することもできる。
【0048】図1では、濾過処理手段としてMFを用い
ているが、MFのみならず、UFを用いてもよく、さら
にはMFとUFとを組み合わせて用いてもよい。
【0049】MF膜の代わりにUF膜も使用するとき
は、廃液の導入量の100〜1000倍量、例えば40
リットル/分を導入し、リターン液を槽13Aに戻すよ
うにする。こうすると透過液Tはリターン液の1/10
0〜1/1000の量で流出してくるからである。
【0050】本発明における沈澱槽は、図1のものに限
らず、図2に示すものであってもよい。
【0051】図2の沈澱槽17では、仕切板171によ
って槽内を二分して処理空間17A、17Bが形成され
ており、図1のものと同様に下部にポリマー沈澱物Gが
収納されている。ただし、この下部空間には、処理空間
17Aから導入された水洗廃液WDが下部空間において
蛇行して処理空間17Bに移動するように、仕切板17
2、173、174および仕切部材175が設置されて
いる。仕切板172、173、174は、仕切板171
に対し垂直方向になるように左右の槽壁から図示のよう
に交互に設置されている。仕切部材175は、仕切板1
71の下部に図示のように取り付けられており、仕切板
172〜174、槽壁等によって形成される空間をほぼ
二分するものとなっている。その他の構成は図1と同様
とである。
【0052】次に、本発明において、図1に示すような
除銀装置を写真処理廃液の処理系に実際適用する場合に
ついて説明する。図3には、水洗廃液を主体とする写真
処理廃液の処理系の一構成例が示されている。
【0053】なお、図3の構成について説明する前に、
比較のため沈澱槽2槽で交互運転する例を挙げ、これを
図7に示す。
【0054】このものは、各処理機等から排出された水
洗廃液WDを貯留する貯留槽20と2槽の沈澱槽71、
72とMF装置26とスラッジ回収槽29とを有する。
さらに、含Sポリマー溶液を収納したタンク73、74
が配置されており、これらのタンク73、74からそれ
ぞれ沈澱槽71、72に含Sポリマー溶液が図示のよう
に供給されるようになっている。
【0055】図7では沈澱槽71、72の槽内下方に沈
澱相PFがあり、水洗廃液WDを加え、さらに含Sポリ
マーを加え、攪拌1〜2分行うと下方の沈澱相PFと新
しく加わった廃液とが混合し、沈澱生成が加速される。
30分放置後、図7に示すように、下相沈澱を除いた上
澄液を送液ポンプを介してMF装置26に送り出す。こ
うすることによりMF装置26のMF膜の膜ヅマリを防
止でき、沈澱槽71、72では下方の沈澱相PFにより
沈澱生成促進の効果をうける。この沈澱相PFが多くな
ると下方パルプVを開いて一部を除去する。しかし、こ
の方法では除銀レベルが0.1〜0.3ppm 程度である
が、バッチ処理でありしかも大きな沈澱槽が必要であ
り、時間とスペースを要する。
【0056】なお、図7の沈澱槽を用いた場合につい
て、沈澱相のある、なしによる除銀効果を調べたが、図
8に示すように沈澱相による除銀効果が顕著に現われて
いる。図8は、廃液中の銀濃度を50ppm 、25ppm 、
20ppm とし、含Sポリマーに後述のエポフロックL−
2を図示の条件で用いたときの上澄液のAg濃度の経時
変化を示すグラフである。この図から、沈澱相により沈
澱生成が促進され、上澄液のAg濃度が少なくなるこ
と、またこの効果はAg濃度が高いときに顕著であるこ
とがわかる。
【0057】このような沈澱相による効果をふまえ、上
記の処理効率の改善を図ったものが図3に示すものであ
る。以下、図3について説明する。
【0058】図3に示すように、この処理系には、各処
理機等から排出された水洗廃液WDを貯留する貯留槽2
0が設置されている。この貯留槽20から送液ポンプP
3を介してストックタンク25に水洗廃液WDが導入さ
れる。さらに、水洗廃液WDは、このストックタンク2
5内から送液ポンプP4を介して沈澱槽21の処理空間
21Aに導入される。この導入に先立って、図示のよう
に、タンク31から含Sポリマー溶液が送液ポンプP5
によって送液管211内に導入され、この送液管211
内で水洗廃液WDと含Sポリマー溶液とが混合する。
【0059】この処理系に設置される沈澱槽21、2
2、23は、図1の沈澱槽11、12と同様の構成であ
り、その下部にはポリマー沈澱物Gが収納されている。
【0060】これら3槽の沈澱槽21〜23におけるポ
リマー沈澱物Gの量は、除々に少なくなるようにする。
また、沈澱槽24は図1の沈澱槽31と同構成のもので
ある。これら沈澱槽21〜24では、図1と同様に順次
水洗廃液WDが移動し、水洗廃液WD中の銀が含Sポリ
マーに配位して沈澱物を形成する。これにより水洗廃液
WD中から銀が除去される。その後沈澱槽24から送液
ポンプP6によってMF装置26に導入され、MF膜に
よる濾過が施される。
【0061】この場合の透過液は、バッファー槽27に
導入され、さらに、バッファー槽27から送液ポンプP
7を介してUF装置28に導入され、UF膜による処理
が施される。一方、MF膜に付着した沈澱物はスラッジ
回収槽29に回収される。ここで上澄みを除去し、スラ
ッジを適宜回収すればよい。また、沈澱槽21、22、
23において沈澱物が生成して沈澱物の全体量が増加し
たときも適宜スラッジ回収槽29に沈澱物の一部を回収
するようにする。上記のようにUF膜による処理によっ
て得られた透過液Tは、銀を含まないものであるので、
特に欧州、米国では河川や下水に放流することができ
る。このほか前記と同様に水洗槽に戻して再使用するこ
ともできる。
【0062】一方、UF膜による処理によって得られた
濃縮液Nは、バッファー槽27に戻し、これに対して再
度UF膜による処理を行う。また、場合によっては、そ
の一部を沈澱槽24に戻してもよい。
【0063】ストックタンク25内に最初に満たされる
水洗廃液WDの銀含有量が30〜50ppm であるとき、
UF膜による処理で得られる透過液Tの銀含有量は0.
01ppm 以下、また濃縮液Nで0.03ppm 以下のレベ
ルとなる。
【0064】沈澱槽21〜23において、銀が配位した
沈澱物の生成を確認するには、図4に示すような検出器
を用いればよい。
【0065】図4の検出器は、懐中電灯40を収納した
円筒部材41と、この円筒部材41の先端部に取り付け
た立方体部42とを有し、立方体部42内には懐中電灯
40の光を受け、この光を反射するミラーM1が配置さ
れている。また円筒部材41は中空の角柱部材43とア
ーム45を介して連結されている。立方体部42と対向
する角柱部材43の先端部431にはミラーM2が配置
されている。また、立方体部42と先端部431とが対
向するそれぞれの側面には透明窓42W、43Wが設け
られており、立方体部42のミラーM1から反射された
光Lを先端部431内のミラーM2が受け、このミラー
M2によって反射された光を、図示のように、角柱部材
43の上方から感知できるようになっている。
【0066】このため、沈澱槽の深さに応じて角柱部材
43の長さを設定しておけばよく、沈澱物が立方体部4
2と先端部431との間に存在すれば、立方体部42の
透明窓42Wからの光が沈澱物によって散乱されたり、
遮断されたりするので、溶液が存在する場合に比べ角柱
部材43の上方から観察しても光が弱くなったり、また
全く受光できなかったりする。
【0067】従って、検出器4を沈澱槽内の所定深さま
で浸漬し、光を受光できなくなったときに、沈澱槽内の
沈澱物を回収するようにすればよい。
【0068】次に、図1に示すような除銀装置を備えた
写真処理装置について説明する。
【0069】図5には、カラーネガフィルムを処理する
写真処理装置の一構成例が示されている。図5の写真処
理装置5は、発色現像液N1を満たした発色現像槽5
1、漂白液N2を満たした漂白槽52、漂白定着液N2
3を満たした漂白定着槽53、定着液N3を満たした定
着槽54、水洗水NS1を満たした第1水洗槽55、水
洗水NS2を満たした第2水洗槽56、安定化液N4を
満たした安定化槽57を有し、カラーネガフィルムに対
し、発色現像→漂白→漂白定着→定着→第1水洗→第2
水洗→安定化の処理を施すものである。
【0070】漂白槽52と定着槽54とには、各々、各
補充液が補充されるようになっており、漂白定着槽53
には漂白槽52と定着槽54からの各オーバーフローが
導入されることによって補充されるようになっている。
【0071】また、第1水洗槽54と第2水洗槽55で
は、第2水洗槽55から補充されて、そのオーバーフロ
ーが第1水洗槽54に流入する構成の多段向流方式が採
用されている。
【0072】さらに、発色現像槽51、安定化槽57に
おいても補充され、かつオーバーフローされるように構
成されている。
【0073】図5において、漂白定着槽53および定着
槽54には、各々、図1と同構成の除銀装置1Aおよび
1Bが設置されている。ただし、これらの除銀装置1
A、1Bでは、図1のものと異なりMF装置のかわりに
UF装置18が設置されている。除銀装置1Aでは、漂
白定着槽53からオーバーフローにより、あるいは強制
的に取り出された排出液が導入され、図1と同様に、排
出液から銀が除去される。UF膜による処理によって得
られた透過液Tは漂白定着槽53に戻して再使用され
る。一方、濃縮液Nは中段の沈澱槽12に戻すようにす
ればよい。また、沈澱槽11〜13において、沈澱物の
全体量が増加しすぎたときは、沈澱槽11〜13の下方
から適宜回収する。
【0074】この時、UF膜を使用せずにそのまま漂白
定着槽53に戻しても十分使用できる。それは含Sポリ
マーが写真性に無影響だからである。仮りに写真性に影
響があるとすればUFを付ければよい。こうするとUF
膜で含Sポリマーが除去できる。
【0075】上記における透過液Tでは銀が除去される
ので定着力が回復し、この定着力の回復した液が漂白定
着槽53に戻されることになるため、補充量を低減する
ことができる。また、漂白剤にFe(III )錯塩を用い
るときは、漂白処理によって生成したFe(II)等も含
Sポリマーに配位して除去される。
【0076】また、除銀装置1Bでは、定着槽54から
オーバーフローにより、あるいは強制的に取り出された
排出液が導入され、図1と同様に、排出液から銀が除去
される。UF膜による処理によって得られた透過液Tは
定着槽54に戻して再使用される。UF膜による処理に
よって得られた濃縮液Nおよび沈澱物の処理について
は、除銀装置1Aと同様に行えばよい。
【0077】この場合の透過液Tにおいても銀が除去さ
れるので定着力が回復し、定着液の補充量を低減するこ
とができる。
【0078】このように漂白定着槽53および定着槽5
4において、銀および鉄の含有量が少なくなる結果、水
洗水NS1、NS2、安定化液N4に持ち込まれる銀や
鉄の量が著しく減少し、水洗水や安定化液の補充量の低
減が可能になる。また、水洗廃液等の廃液処理が容易に
なる。さらには、色像安定性が良化する。
【0079】図5ではカラーネガフィルムを処理対象と
しているが、この感材に限定されるものではなく、また
このような除銀装置は、上記のような漂白→漂白定着→
定着の処理工程においてのみならず、漂白→定着、漂白
定着、定着→漂白定着、漂白→漂白定着などの各処理工
程における定着能を有する処理槽に設置して同様の効果
が得られる。
【0080】なお、黒白処理用定着液中には硬膜型定着
剤が存在し、この時硫酸バンド(硫酸アルミニウム)が
含有される。この場合はアルミニウムの一部も含Sポリ
マーで除去されるので定着液に用いてもよいが、むしろ
定着液処理後の水洗廃水処理に用いる方がよい。
【0081】上記のように、定着能を有する処理液の再
使用が可能なる結果、このような再使用ができない場合
に比べて定着能を有する処理液の補充量を全体で50〜
90%低減することができる。
【0082】図6には、カラーペーパーを処理する写真
処理装置の一構成例が示されている。図6の写真処理装
置6は、発色現像液P1を満たした発色現像槽61、漂
白定着液P2を満たした漂白定着槽62、水洗水PS1
を満たした第1水洗槽63、水洗水PS2を満たした第
2水洗槽64、水洗水PS3を満たした第3水洗槽65
を有し、カラーペーパーに対し、発色現像→漂白定着→
第1水洗→第2水洗→第3水洗の処理を施すものであ
る。
【0083】発色現像槽61および漂白定着槽62の各
槽において、補充方式とされており、第1〜第3水洗槽
では第3水洗槽から補充して、第2、第1の水洗槽に順
次液を流入させる多段向流方式が採用されている。
【0084】図6において、第1水洗槽63には、図1
と同構成の除銀装置1Cが設置されている。ただし、除
銀装置1Cは、図5のものと同様にUF装置から設置さ
れている。除銀装置1Cでは、第1水洗槽63からオー
バーフローにより、あるいは強制的に取り出された排出
液が導入され、図1と同様に、排出液から銀が除去され
る。UF膜による処理によって得られた透過液Tは第2
水洗槽64に戻して再使用される。UF膜による処理に
よって得られた濃縮液Nおよび沈澱物の処理について
は、図5の除銀装置1Aと同様に行えばよい。
【0085】なお、透過液Tを戻して再使用する場合、
最後段の槽ではなく、中段の槽とするのがよい。最後段
の槽では、良好な写真性能を得るために新鮮な液の補充
とする方が好ましいからである。
【0086】上記の透過液Tでは、銀のほか、水洗水中
に持ち込まれた鉄も除去されるので、色像保存性が向上
する。さらには、色素染料や界面活性剤等も除去される
ので、再使用する上で好ましく、水洗水の補充量を低減
することができる。また、沈澱槽において、バクテリア
やモも沈澱除去される。さらには、SO3 2- やS23
2- の分解やバクテリアによる悪臭を防止することがで
きる。
【0087】この場合も必要に応じUF膜を除いてもよ
い。また、UF膜の代りにMF膜または通常のフィルタ
ー(1μm 、5μm 、25μm )を用いてもよい。この
ことは図5においても同様である。
【0088】上記においては、カラーペーパーを処理対
象としているが、この感材の処理に限定されるものでは
なく、多段向流方式の水洗槽を用いた処理であればいず
れにも上記構成を適用することができる。さらには、特
開平2−205846号に開示されるような複数の処理
室を狭幅の通路で連結したような水洗槽において、3つ
以上の処理室を有するものを用い、後段の処理室から順
次液を流入させるような方式を採用し、前段の処理室に
除銀装置を設置し、中段の処理室に透過液Tを戻すよう
な構成として本発明を適用することができる。
【0089】上記のように、水洗水の再使用が可能にな
る結果、このような再使用ができない場合に比べて、水
洗水の補充量を30〜80%低減することができる。
【0090】本発明において、沈澱槽の下部に収納され
るポリマー沈澱物は、コロイド状の沈澱物が好ましく、
水系分散媒に分散した不溶化ないし疎水性ポリマーを用
いることが好ましい。このような分散系の比重は水より
大きく、1.01以上、好ましくは1.02以上である
ことが好ましい。このときの比重の上限には特に制限は
ないが、通常1.6程度である。
【0091】このようなポリマー沈澱物としては、ま
ず、水溶性の金属吸着性ポリマーを不溶化したものが挙
げられる。不溶化するには、金属を配位させたり、ポリ
マー同志の結合による高分子化によればよい。
【0092】この場合の金属吸着性ポリマーとしては、
含S基(例えば、チオール基ないしその誘導基、チオエ
ーテル基、ジチオール基ないしその誘導基、チオカルバ
ミン酸基ないしその誘導基、ジチオカルバミン酸ないし
その誘導基、スルホン酸基ないしその誘導基)を含有す
るものが好ましい。
【0093】具体的には、ポリチオグリコール、ポリビ
ニルベンゼンスルホン酸、ポリジビニルベンゼンスルホ
ン酸や、本発明において含Sポリマーとして用いられて
いるもの(後記)などが挙げられる。また、化1で示さ
れる構造単位を有するポリマーであってもよい。
【0094】
【化1】
【0095】また、不溶化に用いられる金属としては、
沈降を目的とするため、比重の観点から特に重金属が好
ましく、白金、金、銀、銅などである。しかし、沈降す
るものであれば、いずれであってもよい。従って、Ag
(I) 、Cu(II)等が好ましく、特にAg(I) を用いるこ
とが好ましい。本発明では主として銀回収を目的とする
ので、前記のように沈澱物を回収する際、他の金属を含
まない方がよいからである。
【0096】高分子化によるときは、電解処理などによ
って、ポリマー同志のS−S結合を生成させて不溶化を
図ることができる。
【0097】このような金属吸着性ポリマーの不溶化物
の数平均分子量は1万〜200万程度である。
【0098】また、ポリマー沈澱物としては、疎水性ポ
リマー(例えばポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト)を含有するポリマーラテックスにメルカプト化合物
を担持させたものを用いてもよい。
【0099】さらに、本発明では、上記のポリマー沈澱
物とともに、ゼオライト、酸性白土、火成岩の岩石等の
無機微粒子を併用してもよい。
【0100】なかでも、本発明では、ポリマー沈澱物と
して、金属(特に銀)を配位させて沈澱物を形成する際
に用いる含Sポリマーの不溶化物を用いることが好まし
い。特に、銀回収を主目的とすることから、不溶化には
銀を配位させる方法を採用することが好ましく、これと
電解によるポリマー同志のS−S結合生成による不溶化
の方法とを併用してもよい。このように、もともと存在
するポリマー沈澱物と生成する沈澱物とがほぼ一致する
ようにすれば、後の回収作業が容易になる。
【0101】このようにポリマー沈澱物として好ましく
用いられる銀を配位させた含Sポリマーの不溶化物の数
平均分子量は1.5万〜150万程度、好ましくは7.
5万〜45万程度である。
【0102】本発明に用いる含Sポリマーは、金属に配
位可能なS原子を有するものであり、特にはチオール基
ないしその誘導基(−SM)、チオカルバミン酸基ない
しその誘導基(−NH−CO−SM)およびジチオカル
バミン酸基ないしその誘導基(−NH−CS2 M)のう
ち少なくとも一方の配位基を含むポリマーであることが
好ましく、化2の構造を有するものが好ましい。なかで
も無臭であることからジチオカルバミン酸基ないしその
誘導基であるものが好ましい。また、これとチオカルバ
ミン酸基ないしその誘導基であるものとの混合物も好ま
しい。
【0103】
【化2】
【0104】なお、化2で示されるポリマーの末端基は
水素原子、メチル基、エチル基、アミノ基等であり、炭
素に結合するX以外の基は水素原子、メチル基、エチル
基、アミノ基等である。
【0105】また、ポリマーの数平均分子量は1万〜1
00万程度である。
【0106】このようなポリマーは水溶性であることが
好ましく、水溶性のポリマーを用いることによって、溶
液中の金属との反応が進行しやすくなり金属の除去効率
が向上する。このようなポリマーの水に対する溶解度は
水100g に対し1g 以上、より好ましく40〜900
g であるのがよい。
【0107】このようなポリマーには、液体キレート樹
脂として市販されているものがあり、例えば、エポフロ
ックL−1、L−2(ミヨシ樹脂製)、サンチオール
NW(中川化学装置(株)製)、ゴスペルM−9、M−
10(ゴスペル化工(株)製)などの商品名のものが挙
げられる。このなかでは、エポフロックL−1、L−2
が最も好ましい。
【0108】また、合成する場合は公知の方法に従えば
よい。
【0109】本発明では、前述のように、水洗水や安定
化液などの洗浄液の廃液、定着液や漂白定着液のような
定着能を有する処理液の使用済液(主として処理槽から
の排出液)からの銀除去を目的としている。従って、上
記の含Sポリマーは主として銀を捕集するものである。
このほか、写真処理廃液に適用して捕集可能な金属とし
ては、漂白液や漂白定着液に由来する鉄、減力処理液に
由来するセリウム、硬膜定着処理液に由来するアルミニ
ウム、反転浴に由来するスズなどが挙げられる。
【0110】含Sポリマーの添加量は、液中の金属(特
に銀)含有量にもよるが、一般に、含有される金属の当
量に対して0.5〜10の範囲、好ましくは0.5〜2
0、より好ましくは0.7〜10、特に好ましくは1〜
4とすることが好ましい。添加量が多くなっても少なく
なっても沈澱物が生成しにくくなる。
【0111】銀が配位した含Sポリマーの数平均分子量
は、10万〜40万程度であり、このポリマー1g 中に
銀が0.1〜0.7g 程度捕集される。
【0112】含Sポリマーは、前記のように、水溶液と
して添加することが好ましく、このときの濃度は1.5
〜80wt% 程度とすればよい。また、写真処理廃液に対
するポリマー水溶液の混合比は、写真処理廃液中に含有
される金属量に依存するのが、一般に、容量比でポリマ
ー水溶液/写真処理廃液が1/10〜1/10000
0、好ましくは1/10〜1/10000とすればよ
い。
【0113】上記のように、好ましくは含Sポリマー水
溶液を写真処理廃液に添加し、十分攪拌すればよい。攪
拌は1〜30分程度強く行えばよく、必要に応じ30〜
60℃程度に加温してもよい。この場合60℃程度の温
度であれば攪拌時間は1分より短くてもよく、例えば2
0秒程度であってもよい。
【0114】本発明に用いる限外濾過膜(UF膜)は、
電子顕微鏡による直接測定法で求めた分画分子量が90
00以上、さらには9500〜50000であることが
好ましい。また電子顕微鏡による直接観察法で求めた平
均孔径が0.01〜0.8μm 、さらには0.03〜
0.5μm であり、1μm 以上、通常1〜5μm の孔径
が全体の孔数の0.015%以下、さらには0.008
〜0.015%、通常0.01%の孔径分布をもつもの
であることが好ましい。
【0115】なお、上記の分画分子量および平均孔径な
いし孔径分布は、電子顕微鏡による直接測定法によって
求めたものであるが、まず平均孔径を次のようにして求
める。すなわち、限外濾過膜の平均孔径は電子顕微鏡に
より視野内の膜表面の孔サイズとその頻度とから平均孔
径を算出して決定する。通常、一番頻度の高い孔径の孔
を見い出し、これの孔径を計測してこれを平均孔径とす
る。また、これと同様にして孔径分布を求める。
【0116】一方、分画分子量は、上記のようにして求
めた孔径の孔の膜により約90%の排除率を示す分子量
の平均値から分画平均分子量を求めて決定する。具体的
には、孔径と分画平均分子量との関係を示すグラフから
求める。例えば、孔径が50〜100nmのときは分画分
子量が10000、孔径が0.15〜0.3μm のとき
は分画分子量30000、などとする。
【0117】また、純水の透過量は0.1〜100m3/m
2・day 程度のものが好ましい。
【0118】膜材質としては、ポリアクリロニトリル、
アクリロニトリルコポリマー、12−ナイロン、ポリ
(トランス−2,5−ジメチルピペラジンテレフタル酸
アミド)、ポリスルフォン、ポリフッ化ビニリデン、セ
ルロースないしその誘導体、ポリオレフィンなどの樹
脂、さらには表面改質多孔質炭素や多孔質ガラスないし
セラミックスなどがある。またモジュールは平面膜締付
け型、スパイラル巻き型、管型、中空糸型のいずれであ
ってもよい。
【0119】通常は、ポリアクリロニトリルなどの樹脂
材質の中空糸型モジュールなどとすればよく、市販品を
そのまま用いることができる。このようなものとしては
DIAFLO、PM−10、YM−10、PM−30、
XM−50、XM−100A、XM−300、HIP1
0、HIP50、HIP100(Amicon製)、ACP−
0013、ACP−0053、AHP−0013、SL
P−0053(いずれも旭化成製のペンシル型モジュー
ル)、HFA、HFM−100、HFM−180(Abcor
製)などとして市販されているものがある。
【0120】限外濾過膜の有効膜面積は、目的、用途等
に応じて、適宜選択すればよいが、通常1〜1000dm
2 程度とすればよい。また、操作圧は0.8〜20kg/c
m2、水洗水や安定化液等の廃液などの金属含有溶液の流
速は0.1〜10ml/cm2・分、好ましくは0.3〜5ml
/cm2・分とすればよい。
【0121】限外濾過膜による処理方法は、限外濾過膜
モジュールを1段とし、液を膜に1回透過させて濃縮水
と濾過水とに分離する一過式で十分であるが、場合によ
っては多段一過式、1段ないし多段循環方式などとして
もよい。
【0122】本発明において、精密濾過(MF)に用い
られる単膜フィルターとしては、0.05〜10μm 、
好ましくは0.1〜3μm 、より好ましくは0.2〜1
μmの孔径を有するものであればいずれでもよい。
【0123】単膜フィルターの膜材質としては、塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンな
どの安価なポリマーで充分である。しかし、必要により
ポリスルホン、アクリロニトリル等の高価なポリマーも
使用可能である。
【0124】単膜フィルターとしては、具体的には、多
孔性ポリマーの単膜フィルター、セラミック単膜フィル
ター、場合によりパルプ繊維フィルターも使用できる。
【0125】多孔性ポリマーの単膜フィルターにおける
ポリマーとしては、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブチレン、ポリスルホン、アクリロニト
リル等が挙げられる。
【0126】セラミック単膜フィルターにおけるセラミ
ックとしては、多孔性ガラス、素焼き板、火成岩板、発
泡性窒化物等が挙げられる。
【0127】パルプ繊維フィルターにおけるパルプとし
ては、通常濾紙で、例えばNo. 5A、No. 5Cフィルタ
ー等が挙げられる。
【0128】上記フィルターの中で、多孔性ポリマーの
単膜フィルターが、軽さ、形態の作り易さという点で好
ましい。これらのフィルターの市販品としては、ユアサ
(株)製の各種ユミクロン膜、ミリポア社製のミリポア
フィルター(例えば、ミリポアAA、DA、HA、P
H、GS、FG、UC、UM、US、GU、HP等が挙
げられる)、(株)クラレ製精密濾過フィルター(SF
−301、SF−101、SF−401)、ゴアテック
ス社製のゴアテックス膜等が挙げられる。
【0129】また、繊維フィルターでも0.01デニー
ルの繊維(ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン)
ができたことにより、これらも使用できつつある。
【0130】これらの中で、加圧圧力が小さくても濾過
できるユアサ(株)製のユミクリンシステムが使いやす
い。
【0131】本発明において、好ましくは、密閉状態
で、均一の圧力0.1〜0.8kg/cm2をかけて濾過する
ことが、好ましい。これにより、濾過性能が向上し、か
つ連続処理においての安定した濾過が可能となる。廃液
の流速としては、濾過装置にもよるが、30〜1000
ml/cm2・分であり、1〜3BV(ベッドボリーム)の処
理が必要である。
【0132】また上記のユミクリンシステムのフィルタ
ーカートリッジを廃液処理液中に浸漬し、透過水側から
ポンプで吸引して濾過する方法でもよい。
【0133】上記単膜フィルターによる濾過方法は、液
をフィルターに1回透過させるだけの一過式で充分であ
るが、場合によって多段一過式、一段ないし多段循環式
等でもよい。
【0134】本発明に用いる単膜フィルターの形状ある
いは大きさは、目的、用途等に応じて適宜選択すればよ
い。好ましくは、袋形のフィルターを用い、その外側か
ら処理液を流入させ、袋形のフィルターの内部から濾液
を流出させる方式がより好ましい。
【0135】本発明では、上記のようなUF、MFのい
ずれか、あるいは両方組み合わせて適宜用いればよく、
一般にUFによっては0.01ppm 以下、MFによって
は0.1ppm 以下の銀濃度が実現できる。
【0136】なお、処理槽の一部に戻す場合にはUF膜
やMF膜を用いずカスケードにした沈澱槽の処理後液を
そのまま戻してもよい。それは処理槽に戻るのであまり
低濃度の銀まで要求されないからである。また、1ppm
未満の銀規制に対しては対応できるからである。
【0137】本発明において含Sポリマーに銀が配位し
て生成する沈澱物は、銀を含む高付加価値物である。従
って、図示例にあるように、沈澱槽の下方やMF膜から
回収すればよい。そして、このものは、スラッジ状態で
あるので、回収業者に引き渡すなどすればよい。この時
は銀を3〜6g/l 含有する処理液となり有価値廃液とし
て喜んで回収してくれるし、代金収入も得られる。これ
をフィルターバックで濾過し固体として回収業者に売っ
てもよい。回収業者は焼却処分で銀を再生できる。
【0138】なお、上記のように、沈澱槽下部の沈澱物
(スラッジ)は系外に取り出す必要があるが、特に上記
のようにこのスラッジを袋状フィルター(フィルターバ
ッグ)で濾過することは、スラッジ中の水分を除去でき
るので、スラッジが固形化し運搬の際具合がよい。この
ときに用いられるフィルターバッグは3M社製フィルタ
ーバッグ100Bシリーズ、500シリーズ、チッソ
(株)製フィルターバッグCPフィルターポリプロなど
がある。
【0139】本発明においては写真処理廃液として水洗
水や安定化液等の洗浄液の廃液が好ましく用いられる
が、洗浄液を用いた洗浄処理工程について説明する。
【0140】洗浄処理工程とはハロゲン化銀写真感光材
料の写真処理の化学反応工程後の感材中に含有される薬
液を洗浄することを指し、写真処理工程の中間部分の洗
浄処理工程と最終の洗浄処理工程とがあるがいずれの洗
浄処理工程も含まれる。具体的には、水洗処理、安定化
処理、リンス処理などと称される工程が包含される。
【0141】また、洗浄処理工程は感材中に含まれる前
浴の薬液を洗い出す機能を有するために基本的には水道
水、井戸水等の通常の水を用いるが、場合によって脱イ
オンした水や前浴を洗い出し易くするための機能を有す
る化合物や処理後感材の保存性を向上させる化合物、水
のバクテリア発生防止機能を有する化合物をわずか含ん
でもよい。
【0142】また、水を使う場合は大量の水で洗っても
よい(通常水洗という)し、感材処理に応じて処理液補
充と同じレベルの水補充水洗(通常リンス浴水洗)でも
よい。
【0143】さらに、場合によっては溜め水補充による
水洗も含めてもよい。
【0144】また、わずかな化合物を含んだ水(通常は
安定化液などともいう)を使う場合には例えば特開平2
−242249号(P4)の記載の化合物および添加量
が好ましい。この化合物をわずかに含んだ洗浄液は薬品
コストの観点で通常は処理液補充と同レベルの補充が好
ましい。
【0145】中間洗浄処理工程に洗浄効果をあげるわず
かな化合物としては特開平2−262141号記載のキ
レート剤も使用できる。
【0146】また、本発明における水洗処理とリンス処
理とは、例えば補充量、処理時間、槽数にて次のような
関係にあることが好ましい。
【0147】補充量は水洗処理の方がリンス処理に比べ
て1.5倍以上、さらには2倍以上であることが好まし
い。また、処理時間は、水洗処理の方がリンス処理に比
べて1.5倍以上、さらには2倍以上であることが好ま
しい。さらに、リンス槽は1槽であることが好ましく、
これに対し水洗槽は2〜3槽であることが好ましい。
【0148】上記の補充量を具体的に挙げれば、水洗処
理では感光材料1m2当り400ml〜2000ml、さらに
は500ml〜1000mlが好ましく、リンス処理では感
光材料1m2当り200ml以下、さらには100ml以下が
好ましい。なお、安定化処理における補充量は感光材料
1m2当り1リットル以下が好ましい。
【0149】次に、洗浄処理工程に用いる処理液につい
て記す。
【0150】洗浄処理工程に用いる水洗水、安定化液
は、上記のように、水道水や、イオン交換水を基本とす
るものである。
【0151】水洗水または安定化液中には、上記のよう
に、各種化合物を添加してもよい。例えばマグネシウム
塩やアルミニウム塩に代表される硬膜剤、あるいは乾燥
負荷やムラを防止するための界面活性剤、白色度を向上
させるための蛍光増白剤、保恒剤としての亜硫酸塩、等
である。あるいはL.E.ウェスト(West)、”ウォタ
ー・クォリティ・クリテリア(Water Quality Criteri
a)”フォトグラフィク・サイエンス・アンド・エンジ
ニアリング(Photo. Sci. and Eng.)、第9巻、No. 6
(1965)等に記載の化合物を添加してもよい。
【0152】安定化液とは、上記のように、水洗では得
ることができない画像の安定化機能を付与された液であ
り、そのために前記水洗水に加えられる成分の他に画像
安定化を果たす成分が添加されたものであり、「安定
液」ということもある。
【0153】これらの成分の例として、例えばホルマリ
ン、ビスマス塩、アンモニア水、アンモニウム塩等を添
加した液が挙げられる。
【0154】水洗水または安定化液のpHは通常7付近で
あるが、前浴からの持ち込みによってpH3〜9となるこ
ともある。また、水洗または安定化の温度は5℃〜40
℃、好ましくは10℃〜35℃である。必要に応じて、
水洗槽または安定化槽内にヒーター、温度コントローラ
ー、循環ポンプ、フィルター、浮きブタ、スクイジー等
を設けてもよい。
【0155】なお、リンス液は水洗水と同様のものであ
る。
【0156】本発明における定着能を有する処理液は、
カラー感材においては、定着液、漂白定着液である。
【0157】漂白定着液や定着液に使用される定着剤
は、前述のように、チオ硫酸塩であり、このほかチオシ
アン酸塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、沃化物
塩等を併用することができる。また、保恒剤としては、
亜硫酸塩、重亜硫酸塩、スルフィン酸類あるいはカルボ
ニル重亜硫酸付加物が好ましい。
【0158】漂白定着液に用いられる漂白剤としては、
例えば鉄(III) 、コバルト(III) 、クロム(VI)、銅(II)
などの多価金属の化合物、過酸類、キノン類、ニトロ化
合物等が用いられる。代表的な漂白剤としてはフェリシ
アン化物;重クロム酸塩;鉄(III) もしくはコバルト(I
II) の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエ
チレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢
酸、メチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパン四
酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸などのアミノ
ポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸
などの錯塩;過硫酸塩;臭素酸塩;過マンガン酸塩;ニ
トロベンゼン類などを用いることができる。これらのう
ちエチレンジアミン四酢酸鉄(III) 錯塩を始めとするア
ミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩および過硫酸塩は迅速
処理と環境汚染防止の観点から好ましい。さらにアミノ
ポリカルボン酸鉄(III) 錯塩は特に有用である。これら
のアミノポリカルボン酸鉄(III) 錯塩を用いた漂白定着
液のpHは通常5.5〜8であるが、処理の迅速化のた
めに、さらに低いpHで処理することもできる。
【0159】漂白定着液には、必要に応じて漂白促進剤
を使用することができる。
【0160】有用な漂白促進剤の具体例は、次の明細書
に記載されている;米国特許第3,893,858号、
西独特許第1,290,812号、特開昭53−956
30号、リサーチ・ディスクロージャーNo. 17,12
9号(1978年7月)などに記載のメルカプト基また
はジスフィド結合を有する化合物;特開昭50−140
129号に記載のチアゾリジン誘導体;米国特許第3,
706,561号に記載のチオ尿素誘導体;特開昭58
−16235号に記載の沃化物塩;西独特許第2,74
8,430号に記載のポリオキシエチレン化合物類;特
公昭45−8836号に記載のポリアミン化合物;臭化
物イオン等が使用できる。なかでもメルカプト基または
ジスルフィド結合を有する化合物が促進効果が大きい観
点で好ましく、特に米国特許第3,893,858号、
西独特許第1,290,812号、特開昭53−956
30号に記載の化合物が好ましい。さらに、米国特許第
4,552,834号に記載の化合物も好ましい。
【0161】また、黒白感材の処理における定着能を有
する処理液は定着液であり、用いる定着液は、pH3.
8以上、好ましくは4.2〜7.0を有する。定着剤と
しては、前記のとおりチオ硫酸塩であるが、定着速度の
点からチオ硫酸アンモニウムが特に好ましく用いられ
る。
【0162】定着液には硬膜剤として作用する水溶性ア
ルミニウム塩を含んでもよく、それらには、例えば塩化
アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんなどがあ
る。また、定着液には、酒石酸、クエン酸、グルコン酸
あるいはそれらの誘導体を単独で、あるいは2種以上、
用いることができる。さらに、定着液には所望により保
恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤
(例えば、酢酸、硼酸)、pH調整剤(例えば、硫
酸)、硬水軟化能のあるキレート剤や特開昭62−78
551号記載の化合物を含むことができる。
【0163】本発明における感光材料は、カラーおよび
黒白感光材料のいずれであってもよい。このようなもの
としては、前記のものも含め、例えばカラーペーパー、
カラーネガフィルム、カラー反転フィルム、カラーポジ
フィルム、カラー反転印画紙、製版用写真感光材料、X
線写真感光材料、黒白ネガフィルム、黒白印画紙、マイ
クロ用感光材料等が挙げられる。
【0164】黒白感材、カラー感材の処理には、上記の
ほか種々の処理液が用いられる。これらの処理液も含
め、写真処理の詳細については特開平3−46652号
等の記載を参照することができる。
【0165】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0166】実施例1 富士写真フイルム(株)製カラーネガフィルムフジカラ
ースーパーHG400を用い、同社製のカラーネガ用自
現機FNCP−600IIを使用して、表1の処理工程に
従い、1日当りの処理量1480本(1本の大きさ:3
5mm巾1m 長さ)で60日間ランニング処理を行った。
このときの処理剤は、富士写真フイルム(株)製カラー
ネガ用処理剤CN−16Xを用いた。このなかで、定着
液は定着処理剤N3Xであり、水洗水は水道水である。
【0167】
【表1】
【0168】このようにして得られた定着廃液を水で1
00倍(容量で)に希釈し、擬似水洗廃液を40リット
ル調製した。この水洗廃液中の銀濃度は110ppm であ
った。
【0169】図1の除銀装置において、沈澱槽11、1
2の下部にポリマー沈澱物を収納しないほかは同構成の
除銀装置を用いて、上記の水洗廃液を連続処理した。た
だし、図1におけるMF装置のかわりにUF装置を設置
した。
【0170】このとき、用いた含Sポリマーは市販のエ
ポフロックL−2(ミヨシ樹脂製)であり、化3に示さ
れる2種のポリマーのI、IIのI:II=9:1(重量
比)混合物である。
【0171】
【化3】
【0172】図1のストックタンク(容量40リット
ル)14に上記水洗廃液を満たし、タンク15にエポフ
ロックL−2の100wt% 溶液を満たした。水洗廃液を
送液ポンプP1により100ml/分で沈澱槽11に送液
し、エポフロック溶液は沈澱槽11に70μl/分の割
合で添加し、水洗廃液を合計10tまで連続処理した。
なお、ストックタンク14には水洗廃液を、またタンク
15にはエポフロック溶液を各々補充するようにした。
UF装置は、UF膜として旭化成製のUFモジュールS
LP−3053(分画分子量10000:平均孔径0.
45μm :ポリスルフォン中空系膜:透過量300m3/m
2・時:有効膜面積4.5m2)を用いたものであり、操作
圧は1kg/cm2とした。UF装置に対し、送液ポンプP2
で20リットル/分で送液し、透過液Tが100ml/分
で流出するようにした。また濃縮液Nは沈澱槽13の処
理空間13Aに戻すようにした。
【0173】上記におけるエポフロック溶液の添加量
は、水洗廃液中のAg当量に対して1.4倍となるよう
にした。また、水洗廃液10tは沈澱槽11の処理空間
11Aの容量(9リットル)に対しほぼ1111ラウン
ドのランニングに相当するものである。
【0174】なお、沈澱槽11、12、13の各々の槽
容量は、順に、18リットル、16リットル、14リッ
トルであり、各処理空間の容量はそのほぼ半分である。
【0175】これを、廃液処理1Aとする。
【0176】また、廃液処理1Aにおいて、沈澱槽1
1、12の下部にポリマー沈澱物を収納した除銀装置、
すなわち図1の除銀装置を用いて処理するほかは、同様
に処理した。
【0177】ポリマー沈澱物には、上記のエポフロック
にAgを配位させたものを用いた。この場合、エポフロ
ック溶液にAg塩(含銀定着液)を添加してコロイド状
沈澱物を得、このものを沈澱槽11、12の下部にその
まま入れるようにした。この沈澱物の比重は1.02〜
1.03であり、このポリマーの数平均分子量は約27
万(重合度n=500〜2000)程度である。また、
沈澱物の容量は、沈澱槽11で300ml、沈澱槽12で
150mlとした。沈澱槽11、12、13の仕切板と槽
底面とのクリアランスは高さ方向で2mmである。
【0178】これを廃液処理1Bとする。
【0179】廃液処理1A、1Bにおける、各沈澱槽1
1〜13の各処理空間11A〜13B内の液と透過液T
中のAg量を原子吸光法により求めた。結果を表2に示
す。
【0180】
【表2】
【0181】表2から明らかなように、処理1Bでは、
予め沈澱槽にポリマー沈澱物を収納しているので、沈澱
槽11の処理空間11Bでの除銀効果が著しい。また、
処理量が10リットル〜10tまで増加しても除銀効果
は安定している。これに対し、処理1Aでは、処理1B
に比べ除銀効果は著しく少ない。これは、処理により、
沈澱槽下部に、Agが配位した不溶性のポリマーが生成
した後においては良化する。しかし、10t 処理でも透
過液中の銀は0.1ppm 未満となることはなかった。
【0182】これは、エポフロックL−2の平均分子量
が18万であるが、わずか1万未満のものがあり、これ
がUF膜までの間に沈澱して除去されていないためにU
F膜まで到達し、含Sポリマーに配位した銀としてUF
膜を透過する分とチオ硫酸銀が沈澱せずにUF膜を透過
してくる分とがあるからだと考えられる。
【0183】従って、処理1Bでは、UF膜による処理
を行うことによって透過水中のAg量は30リットル処
理の段階で0になるが、処理1Aでは、UF膜による処
理を行ってもAg量は多く、Agの排出基準の厳しい地
域におけるレベル(Ag<0.1ppm )を満たすことは
できない。
【0184】実施例2 富士写真フイルム(株)製カラーネガフィルムフジカラ
ースーパーHG400を用い、同社製のカラーネガ用自
現機FP−560Bを使用して、CN−16FA処理の
処理工程に従い、1日当りの処理量100本(1本の大
きさ:35mm巾1m 長さ)で60日間ランニング処理を
行った。このときの処理剤は、富士写真フイルム(株)
製カラーネガ用処理剤CN−16Xを用いた。このなか
で、定着液は定着処理剤N3Xであり、水洗水は水道水
である。
【0185】上記において、自現機の定着槽に、図1の
除銀装置を、図5と同様に設置し、オーバーフローを導
入して処理し、沈澱槽13のオーバーフローを定着槽に
戻して処理したところ、定着液の補充量を感材35mm巾
長さ当り約1/2の8mlとすることができた。なお、除
銀装置は実施例1の処理1Bと同構成のものとした。た
だし、UF装置は設置しなかった。
【0186】実施例3 富士写真フィルム(株)製カラーペーパースーパーFA
Vを用い、同社製カラーペーパー用自現機FPRP−2
14Kを使用して、表3の処理工程に従い、1日当りの
処理量80m2で実施例2と同じ期間ランニング処理を行
った。このときの処理剤は、富士写真フイルム(株)製
カラーペーパー用処理剤CP−45Xを用いた。このな
かで、漂白定着液は漂白定着処理剤P2Xであり、水洗
水は水道水である。
【0187】
【表3】
【0188】なお、漂白定着槽から水洗槽への感材によ
る漂白定着液の持込量は感材1m2当り37mlである。
【0189】上記において、自現機の第1水洗槽に、図
1の除銀装置を、図6と同様に設置し、オーバーフロー
を導入して処理し、沈澱槽13のオーバーフローを第2
水洗槽に戻して処理したところ、水洗水の補充量を感材
1m2当り180mlとすることができた。
【0190】なお、除銀装置は実施例1の処理1Bと同
構成のものとした。ただし、UF装置は設置しなかっ
た。
【0191】なお、実施例1の廃液処理1B、実施例
2、3の除銀装置において、沈澱槽の下部に存在する銀
が配位したポリマー沈澱物は最終的にスラッジとして回
収し、回収業者に渡した。
【0192】
【発明の効果】本発明によれば、写真処理廃液からの銀
除去を連続処理で効率よく行うことができる。従って、
銀の排出基準のレベルを満たすことが可能になる。ま
た、定着能を有する処理液や洗浄水では再使用が可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の除銀装置の一構成例を示す概略構成図
である。
【図2】沈澱槽の他の構成例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の除銀装置を適用した廃液処理系の概略
構成図である。
【図4】沈澱物を検出する検出器の概略構成図である。
【図5】本発明の除銀装置を備えた写真処理装置の概略
構成図である。
【図6】本発明の除銀装置を備えた写真処理装置の概略
構成図である。
【図7】比較の除銀装置を適用した廃液処理系の概略構
成図である。
【図8】沈澱相の有無による液中のAg濃度の経時変化
を示すグラフである。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C 除銀装置 11〜13、21〜24 沈澱槽 15、31 含Sポリマー水溶液を収納したタンク 16、26 MF装置 18、28 UF装置 WD 水洗廃液 G ポリマー沈澱物
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】このような銀成分等を含む処理液成分を含
む廃液をそのまま下水道に排出することは、環境保全の
観点から、重大な問題となる。特に銀成分については、
活性汚泥等の微生物への殺菌作用のため、下水道や河川
への水洗水等の処理廃液放流に対して銀の規制が厳しく
なりつつあり、米国や欧州、東南アジアではフィリピン
などで、銀が0.1ppm未満でないと放流できない地
域もあり、何らかの対策を講ずる必要が生じてきてい
る。場合によっては下水道当局と交渉してペナルティー
代金を支払って河川、下水道へ放流することもあるが、
莫大なコストを要求される。従って、大ラボでは莫大な
コストをかけて銀除去のための設備化を行うか、下水道
当局に処理コストを支払って許してもらっている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】本発明に用いる含Sポリマー、すなわち金
属に配位可能なS原子を有するポリマーは、特にはチオ
ール基ないしその誘導基(−SM)、チオカルバミン酸
基ないしその誘導基(−NH−CO−SM)およびジチ
オカルバミン酸基ないしその誘導基(−NH−CS
M)のうち少なくとも一方の配位基を含むポリマーで
あることが好ましく、分子鎖中に化2の構造を含むもの
が好ましい。なかでも無臭であることからジチオカルバ
ミン酸基ないしその誘導基を含むポリマーであるものが
好ましい。また、これとチオカルバミン酸基ないしその
誘導基であるものとの混合物も好ましい。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】例えば、特開平3−132656号には、
上記の水溶性ポリマーを使用済の定着液や漂白定着液に
添加して、水に不溶な銀錯体の沈澱を形成させ、それを
濾別することにより、定着液等に蓄積する銀イオンを効
率よく且つ簡便に除去し、定着液等を再生し、これら定
着能を有する処理液の使用量を減少させることが記載さ
れている。しかしながら、この方法では、多量に蓄積し
た銀イオンを含む定着液等を処理することにより、定着
液等が再生する程度までには銀を除くことはできるが、
下水道等に排水できる濃度まで銀を除去することはでき
なかった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】MF膜の代わりにUF膜を使用するとき
は、廃液の導入量の100〜1000倍量、例えば40
リットル/分を導入し、リターン液を槽13Aに戻すよ
うにする。こうすると透過液Tはリターン液の1/10
0〜1/1000の量で流出してくるからである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】また、第1水洗槽55と第2水洗槽56で
は、第2水洗槽56から補充されて、そのオーバーフロ
ーが第1水洗槽55に流入する構成の多段向流方式が採
用されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正内容】
【0107】このようなポリマーには、液体キレート樹
脂として市販されているものがあり、例えば、エポフロ
ックL−1、 L−2(ミヨシ油脂製)、サンチオール
NW(中川化学装置(株)製)、ゴスペルM−9、M−
10(ゴスペル化工(株)製)などの商品名のものが挙
げられる。このなかでは、エポフロックL−1、L−2
が最も好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正内容】
【0110】含Sポリマーの添加量は、液中の金属(特
に銀)含有量にもよるが、一般に、含有される金属の当
量に対して0.5〜20の範囲、好ましくは0.5〜1
0、より好ましくは0.7〜10、特に好ましくは1〜
4とすることが好ましい。添加量が多くなっても少なく
なっても沈澱物が生成しにくくなる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0157
【補正方法】変更
【補正内容】
【0157】漂白定着液や定着液に使用される定着剤
は、チオ硫酸塩であり、このほかチオシアン酸塩、チオ
エーテル系化合物、チオ尿素類、沃化物塩等を併用する
ことができる。また、保恒剤としては、亜硫酸塩、重亜
硫酸塩、スルフィン酸類あるいはカルボニル重亜硫酸付
加物が好ましい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0185
【補正方法】変更
【補正内容】
【0185】上記において、自現機の定着槽に、図1の
除銀装置を、図5と同様に設置し、オーバーフローを導
入して処理し、沈澱槽13のオーバーフローを定着槽に
戻して処理したところ、定着液の補充量を感材35mm
巾1m長さ当り約1/2の8mlとすることができた。
なお、除銀装置は実施例1の処理1Bと同構成のものと
した。ただし、UF装置は設置しなかった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 U字状の処理空間を有する槽内の下部に
    ポリマー沈澱物を収納し、このポリマー沈澱物を境にし
    て前記U字状の処理空間内に形成される2つの空間のう
    ちの一方の空間から、ハロゲン化銀写真感光材料を処理
    した後の定着能を有する処理液を含有する写真処理廃液
    を導入し、前記U字状の処理空間内で、金属に配位可能
    なS原子を有するポリマーの存在下、前記写真処理廃液
    を処理し、前記写真処理廃液中の金属を除去する写真処
    理廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記U字状の処理空間を有する槽を複数
    設置し、前段の槽から後段の槽に、順次、液を流入させ
    て処理する請求項1の写真処理廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記ポリマー沈澱物が、コロイド状沈澱
    物である請求項1または2の写真処理廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリマー沈澱物が、前記金属に配位
    可能なS原子を有するポリマーを不溶化した沈澱物であ
    る請求項1〜3のいずれかの写真処理廃液の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記金属に配位可能なS原子を有するポ
    リマーの存在下の処理の後の液に対し、さらに濾過処理
    を施す請求項1〜4のいずれかの写真処理廃液の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 前記写真処理廃液が銀を含有する請求項
    1〜5のいずれかの写真処理廃液の処理方法。
  7. 【請求項7】 U字状の処理空間を有し、この処理空間
    の下部にポリマー沈澱物が収納された、少なくとも1槽
    の槽と、このポリマー沈澱物を境にして前記U字状の処
    理空間内に形成される2つの空間のうちの一方の空間
    に、銀を含有する写真処理廃液を導入する液導入手段
    と、前記U字状の処理空間内に金属が配位可能なS原子
    を有するポリマーを添加する添加手段と、前記金属が配
    位可能なS原子を有するポリマーで処理した後の前記写
    真処理廃液に対し濾過処理を施す濾過処理手段とを有す
    る除銀装置。
  8. 【請求項8】 請求項7の除銀装置を備えた写真処理装
    置。
JP6065744A 1994-03-09 1994-03-09 写真処理廃液の処理方法および除銀装置ならびに写真処理装置 Pending JPH07248582A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6065744A JPH07248582A (ja) 1994-03-09 1994-03-09 写真処理廃液の処理方法および除銀装置ならびに写真処理装置
US08/399,658 US5795485A (en) 1994-03-09 1995-03-07 Process for treating photographic processing waste solution
DE69513867T DE69513867T2 (de) 1994-03-09 1995-03-08 Verfahren zur Behandlung von Abfalllösungen aus photographischen Verfahren, Vorrichtung zum Entfernen von Silber und Apparat für ein photographisches Verfahren
EP95103348A EP0671362B1 (en) 1994-03-09 1995-03-08 Process for treating photographic processing waste solution, silver removing device and photographic processing apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6065744A JPH07248582A (ja) 1994-03-09 1994-03-09 写真処理廃液の処理方法および除銀装置ならびに写真処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07248582A true JPH07248582A (ja) 1995-09-26

Family

ID=13295839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6065744A Pending JPH07248582A (ja) 1994-03-09 1994-03-09 写真処理廃液の処理方法および除銀装置ならびに写真処理装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5795485A (ja)
EP (1) EP0671362B1 (ja)
JP (1) JPH07248582A (ja)
DE (1) DE69513867T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006224023A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 重金属含有排水の処理方法および重金属含有排水の処理装置

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19820840B4 (de) * 1997-05-08 2008-02-21 Storch Holding Gmbh Sedimentierungseinrichtung
US6126840A (en) * 1998-08-13 2000-10-03 Fuji Hunt Photographic Chemicals, Inc. Process for removing silver in the presence of iron from waste effluent
FR2833088B1 (fr) * 2001-12-03 2004-02-13 Eastman Kodak Co Procede de traitement d'un film photographique inversible couleur
TWI405664B (zh) 2010-12-22 2013-08-21 Ind Tech Res Inst 有機/無機混成薄膜及其製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2413375A (en) * 1943-05-22 1946-12-31 Darwin Kirschman H Method of and apparatus for treating liquids
US3474033A (en) * 1967-04-27 1969-10-21 Ultra Dynamics Corp Process and plant for sewage treatment
US4326952A (en) * 1980-06-30 1982-04-27 Blake Gene J Precious metal recovery apparatus
JPH03132656A (ja) * 1989-10-18 1991-06-06 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀感光材料の処理方法および処理装置
JPH06118594A (ja) * 1992-10-08 1994-04-28 Fuji Photo Film Co Ltd 写真処理方法
JPH06118589A (ja) * 1992-10-08 1994-04-28 Fuji Photo Film Co Ltd 写真処理方法および処理装置
JP3050350B2 (ja) * 1993-03-08 2000-06-12 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀感光材料の処理方法および処理装置
JP3343162B2 (ja) * 1993-11-29 2002-11-11 富士写真フイルム株式会社 写真廃液の処理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006224023A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 重金属含有排水の処理方法および重金属含有排水の処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE69513867T2 (de) 2000-04-27
EP0671362B1 (en) 1999-12-15
DE69513867D1 (de) 2000-01-20
US5795485A (en) 1998-08-18
EP0671362A1 (en) 1995-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5575915A (en) Methods of removing silver
US5605633A (en) Process for treating photographic waste water
US5288728A (en) Process for recovering silver from photographic solutions
Fane et al. Metal recovery from wastewater using membranes
KR20060102508A (ko) 배수 처리 장치
JPH07248582A (ja) 写真処理廃液の処理方法および除銀装置ならびに写真処理装置
US3832453A (en) Recovery of silver from photographic processing solutions
EP0930535B1 (en) Process for the treatment of seasoned stabilization baths used in photographic processing
US6451518B2 (en) Method and device for processing a color reversal photographic film
JP2724435B2 (ja) 銀を含有する廃水の精製方法
JP3310732B2 (ja) 金属含有溶液の処理方法
EP0548106B1 (en) Effluent treatment
JP3921695B2 (ja) マンガン含有排水の処理方法
JPH09120123A (ja) ハロゲン化物イオンを選択的に抽出するための方法および装置
JPH0810512A (ja) 銀除去方法及び銀除去装置
JPH06142697A (ja) 写真現像処理廃液の処理方法
EP1227367A1 (en) A method for removing pollutants from a photographic effluent
EP0761276B1 (en) Apparatus for separating effluent into solid and liquid phases
JPH06118594A (ja) 写真処理方法
JP2006053188A (ja) 写真廃液処理方法および写真廃液処理装置
JPH06123942A (ja) 含銀写真処理済液からの銀捕集方法
JPH06289548A (ja) 写真処理における洗浄水再利用装置および方法
US5884116A (en) Photographic processing apparatus
JPH07171579A (ja) 金属含有溶液の処理方法
JPH0418986A (ja) 被酸化性物質含有廃液の処理方法