JPH06142697A - 写真現像処理廃液の処理方法 - Google Patents

写真現像処理廃液の処理方法

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JPH06142697A
JPH06142697A JP4323641A JP32364192A JPH06142697A JP H06142697 A JPH06142697 A JP H06142697A JP 4323641 A JP4323641 A JP 4323641A JP 32364192 A JP32364192 A JP 32364192A JP H06142697 A JPH06142697 A JP H06142697A
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JP
Japan
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liquid
reverse osmosis
osmosis membrane
treatment
waste liquid
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Application number
JP4323641A
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English (en)
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Takashi Nakamura
敬 中村
Haruhiko Iwano
治彦 岩野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水洗水や安定化液等の廃液を下水道などに排
水することができ、また水洗水や処理液調製用の水とし
て再利用することができ、一方濃縮度を高めて回収する
廃液量を低減することができ、濃縮液の処理液への再利
用も可能な写真現像処理廃液の処理方法を提供する。 【構成】 例えば、図1のように、中間水洗槽19のオ
ーバーフローOFWOと第1水洗槽14のオーバーフロー
OFW と安定化槽18のオーバーフローOFSTとを貯留
槽21内に貯留し、この槽21内の液210を取り出
し、逆浸透装置31により処理する。この場合、逆浸透
装置31により処理して得られた濃厚化液312は減圧
蒸発濃縮装置41により処理し、得られた凝縮水411
は逆浸透装置31で得られた透過水311とともに下水
道などに排水するか、水として再利用する。一方、減圧
蒸発濃縮装置41で得られた濃縮液412は回収する
か、定着槽に流入させて再利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料(以下、「感光材料」、「感材」と略す場合があ
る。)を処理する写真処理工程において生ずる写真現像
処理廃液の処理方法に関し、特に水洗水や安定化液の廃
液を下水道に排水することや水洗水として再利用するこ
とが可能であり、しかも廃液回収が容易になる方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】黒白感光材料は、露光後、黒白現像、定
着、水洗等の工程で処理され、カラー感光材料は、露光
後、発色現像、脱銀、水洗、安定化等の工程により処理
される。黒白現像には黒白現像液、定着には定着液、発
色現像には発色(カラー)現像液、脱銀処理には漂白
液、漂白定着液、定着液、水洗には水道水またはイオン
交換水、安定化処理には安定化液がそれぞれ使用され
る。各処理液は通常20〜50℃に温度調節され、感光
材料はこれらの処理液中に浸漬され処理される。
【0003】このなかで、定着処理は、黒白写真におい
ては、残存するハロゲン化銀を適当な溶解剤で溶解除去
して銀画像を固定する工程であり、カラー写真において
は、漂白処理によって酸化された銀を溶解する工程であ
る。
【0004】そして、上記のように、定着処理の後に
は、乳剤層中の定着液成分や定着処理によって生成した
銀錯塩などを洗い出し、画像の安定性を保持するため水
洗処理や安定化処理が行われる。
【0005】従って、水洗水や安定化液には、感材に担
持された銀錯塩等の銀成分が洗い出されてかなりの濃度
で存在することになり、そのまま下水道に排水すること
ができず、これらの廃液を回収するか、あるいは銀除去
処理を行ってから排水する必要があった。
【0006】ところで、近年、環境保全の面から下水道
に排水できる銀の排出基準の規制が年々厳しくなる一方
である。
【0007】米国においては、1987年に改正された
「clean water act 」により、また、カナダや欧州各国
も対応する「水質保全に関する法律」によって河川や湖
沼に排出できる銀濃度が規制されており、それに伴って
下水道への銀含有廃水の排出もそれぞれの条例によって
規制されている。また、日本のように特に銀の廃水規制
はない地域であっても資源の保全の観点から廃水中の銀
を極力回収することが望まれる。
【0008】また、写真処理における水洗水の銀の排出
基準の規制を示すものとしては“Information Ecology
and Safety" Regulations Affecting the Discharge of
Photographic Processing Solutions Kodak Publicati
on No.J-102 (1990年、9月)に記載があり、その
Table 1には、典型的な都市の下水道法の銀の排出規準
として「0.001〜20ppm 」の値が、またTable 2
には、写真現像所における銀の規制値として「0.5〜
5ppm 」の値が掲載されている。
【0009】一方、写真処理廃液を逆浸透膜処理し、得
られた透過水を下水道に排水することは、特開昭50−
30360号、特開昭50−22463号、特開昭50
−21564号、特開昭49−10346号、Kodak Pu
blication J-10, Journal ofSMPTE vol. 81, 461/464(1
972) などによって古くから知られている方法である。
また、近年にも、特開昭58−105150号、特開平
2−29740号、特開平3−55542号、特開平3
−46652号、特開平3−126030号等には、水
洗水の排出液を逆浸透膜処理して再生し使用する方法が
開示されている。
【0010】しかし、上記の従来の方法では、透過水の
浄化が十分ではなく、特に排出基準の厳しい地域におい
ては排出基準を満たすことはできない。また、濃縮液を
回収する場合、液の容積を小さくすることが望まれてい
るが、上記の従来の方法では濃縮が十分ではなく、従っ
て容積減少の点でも十分ではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水洗
水や安定化液などの廃液を下水道などに排水できるほど
水を浄化することができ、また水洗水や処理液調製用の
水として再利用することができ、一方廃液の高度な濃縮
化が実現できる結果、廃液量を減少することができ、さ
らには処理液に再利用することが可能な写真現像処理廃
液の処理方法を提供することにある。
【0012】以上の課題は、従来技術として示したよう
にこれまでも試みられており、程度の差はあれ実現して
いることではあるが、本発明の課題は、従来技術では得
られなかった高度の水の浄化を可能にして最近の強化さ
れた水質規制にも適合する水質を得ること、また、単純
に逆浸透膜処理を組み合わせただけでは得られない高度
の濃縮度をも可能にして廃水の量を減らし、あるいは濃
縮組成物の再利用を可能にすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)、(9)、(11)の本発明により達成
される。そして好ましい構成は、下記(8)、(1
0)、(12)である。 (1)ハロゲン化銀写真感光材料を現像し、定着能を有
する処理をしたのち、水洗および/または安定化処理を
行う写真処理工程で排出される処理液の少なくとも1種
以上の廃液を含む液に対し逆浸透膜処理を行い、この逆
浸透膜処理によって得られた濃縮液を減圧蒸発してさら
に濃縮する写真現像処理廃液の処理方法。 (2)前記逆浸透膜処理に供する液は、水洗水および/
または安定化液の廃液を含むものである上記(1)の写
真現像処理廃液の処理方法。 (3)前記減圧蒸発による濃縮の際に得られる凝縮水を
逆浸透膜処理する上記(1)または(2)の写真現像処
理廃液の処理方法。 (4)前記減圧蒸発による濃縮の際に得られる凝縮水を
逆浸透膜処理し、この逆浸透膜処理によって得られた濃
縮液を、前記の逆浸透膜処理によって得られた濃縮液と
ともに減圧蒸発してさらに濃縮し、この減圧蒸発によっ
て濃縮した濃縮液を回収する上記(1)または(2)の
写真現像処理廃液の処理方法。 (5)前記凝縮水を中和したのち逆浸透膜処理する上記
(4)の写真現像処理廃液の処理方法。 (6)前記減圧蒸発によって濃縮した濃縮液を処理液に
再利用する上記(1)ないし(5)のいずれかの写真現
像処理廃液の処理方法。 (7)前記逆浸透膜処理によって得られた透過水をさら
に逆浸透膜処理する上記(1)ないし(6)のいずれか
の写真現像処理廃液の処理方法。 (8)前記逆浸透膜処理によって得られた透過水を処理
液に再利用する上記(1)ないし(7)のいずれかの写
真現像処理廃液の処理方法。 (9)ハロゲン化銀写真感光材料を現像し、定着能を有
する処理をしたのち、水洗および/または安定化処理を
行う写真処理工程で排出される処理液の廃液を処理する
に際し、希薄な処理液の廃液に対し逆浸透膜処理を行
い、この逆浸透膜処理によって得られた濃縮液および濃
厚な処理液の廃液を減圧蒸発によって濃縮する写真現像
処理廃液の処理方法。 (10)前記減圧蒸発によって濃縮する工程の前段の逆
浸透膜処理工程に用いる逆浸透の装置の操作圧力が25
kg/cm2以上である上記(1)ないし(9)のいずれかの
写真現像処理廃液の処理方法。 (11)ハロゲン化銀写真感光材料を現像し、定着能を
有する処理をしたのち、水洗および/または安定化処理
を行う写真処理工程で排出される定着能を有する処理液
の廃液を含む液に対し逆浸透膜処理を行い、この逆浸透
膜処理によって得られた濃縮液から銀沈降剤によって銀
の沈澱物を形成し、この沈澱物と、この沈澱物を分離し
て得られた残液とを各々別個に回収する写真現像処理廃
液の処理方法。 (12)前記残液を逆浸透膜処理し、この逆浸透膜処理
によって得られた濃縮液を回収する上記(11)の写真現
像処理廃液の処理方法。
【0014】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0015】本発明の写真現像処理廃液の処理方法は、
主に水洗槽および/または安定化槽から排出された液を
逆浸透膜処理し、この処理によって得られた濃縮液を減
圧蒸発するものである。
【0016】減圧蒸発によって濃縮して得られた濃縮液
は、高度に濃縮化されるため、液の容積が減少し、廃液
として回収する場合有利になる。また、処理液に再利用
することもできる。
【0017】一方、逆浸透膜処理によって得られた透過
水は、さらに、適宜、逆浸透膜処理して高度に浄化する
ことができる。
【0018】また、減圧蒸発による濃縮によって得られ
る凝縮水も、高度に浄化しており、さらに、適宜、逆浸
透膜処理と組み合わせることによってさらに高度に浄化
することができる。
【0019】従って、これらの処理によって得られる透
過水ないし凝縮水の銀濃度は10ppm 以下、通常0.0
01〜1ppm とでき、下水道や河川などに排水すること
が可能となる。
【0020】また、本発明は、上記において、減圧蒸発
による濃縮に先立って行う逆浸透膜処理を、逆浸透膜処
理に適する希薄な処理液の廃液についてのみ行い、濃厚
な処理液の廃液と、逆浸透膜処理によって得られた濃縮
液とを減圧蒸発によって濃縮するものとすることができ
る。これにより、逆浸透膜処理および減圧蒸発による濃
縮処理の特性に応じた処理を行うことができる。すなわ
ち、希薄な水溶液の処理に適する逆浸透膜処理と濃度に
は影響されない減圧蒸発による濃縮処理とをうまく組み
合わせた処理となる。
【0021】なお、定着槽等の定着能を有する処理槽の
次槽となる水洗槽または安定化槽内の液中には感材の乳
剤層中から洗い出された銀錯塩等の銀成分がかなりの濃
度で存在する。この銀濃度は、感材種等によって異なる
が、通常の補充条件で2〜300ppm 程度である。そし
て、水洗水や安定化液等を含めた処理液の廃液全体には
通常1〜60ppm の銀が存在する。従って、年々、銀の
排出基準が厳しくなる地域では、単なる希釈などによっ
て排出基準を満たすことは到底困難であり、回収に要す
るコストは年々かさむ一方であった。本発明はこれを解
決するものである。
【0022】さらに、本発明は、定着能を有する処理液
の廃液を含有する写真現像処理廃液の場合、この廃液を
逆浸透膜処理して得られた濃縮液に銀沈降剤を加えて、
銀の沈澱物を沈降させ、この沈澱物とこの沈澱物を分離
したのちの残液とを各々別個に回収するものとすること
ができる。これにより、銀回収を行うことができるとと
もに、残液を、さらに、適宜、処理することによって、
処理液に再利用することも、下水道等に排水することも
できる。
【0023】本発明に用いる処理装置の一構成例を図1
に示す。
【0024】図1に示す処理装置1は、発色現像液Dが
満たされた現像槽11、漂白液Blを満たした漂白槽1
2、水洗水W0をみたした中間水洗槽19、定着液Fを
満たした定着槽13、第1水洗水W1を満たした第1水
洗槽14、第2水洗水W2を満たした第2水洗槽15お
よび安定化液Stを満たした安定化槽18を有し、露光
後の感光材料Sに対し、発色現像→漂白→中間水洗→定
着→水洗→水洗→安定化の処理を行うものである。水洗
槽14、15では後段の第2水洗槽15から補充してそ
のオーバーフローを第1水洗槽14に流入させ、第1水
洗槽14からオーバーフローさせる多段向流方式が採用
されている。
【0025】また、装置1には貯留槽21が設置されて
おり、中間水洗槽19からのオーバーフローOFwo、
第1水洗槽14からのオーバーフローOFwおよび安定
化槽18からのオーバーフローOFstを貯留してい
る。
【0026】この貯留槽21内の液210は希薄な水溶
液である。
【0027】さらに、逆浸透の装置(以下、「逆浸透装
置」という。)31および減圧蒸発濃縮装置41が設置
されている。
【0028】逆浸透装置31は、貯留槽21内の液21
0がポンプPを介して流入するように(図示矢印21
1)、その液入口が貯留槽21の液出口と接続されてい
る。そして、液210は、逆浸透装置31に導かれて、
ここで、希薄な透過液311と膜を透過せずに濃厚化し
た濃縮液312(以下、「濃厚化液」という。)とに分
けられる。
【0029】図1において用いる逆浸透装置31には特
に制限はなく、現像所の作業規模や現像される感光材料
の種類に応じて3kg/cm2程度の低圧で稼働する、いわゆ
るルース膜のレベルから60kg/cm2程度の高圧で稼働す
る本格的な逆浸透膜まで、適宜選択して用いればよい。
一般に、操作圧力は、好ましくは10kg/cm2から50kg
/cm2、さらに好ましくは20kg/cm2から40kg/cm2の程
度とすればよく、特には25kg/cm2から40kg/cm2とす
ることが好ましい。
【0030】一方、減圧蒸発装置41は、組み合わせる
逆浸透装置の能力等に応じて選択されるが、操作圧力は
10〜700mmHg、好ましくは20〜600mmHg、さら
に好ましくは20〜300mmHgとすればよく、温度は1
0〜70℃、好ましくは20〜70℃、さらに好ましく
は35〜70℃とする。
【0031】なお、減圧蒸発濃縮装置は、沸騰蒸発によ
って濃縮が進むのが効果的であるが、その操作圧力は必
ずしも処理される水溶液のその温度における飽和水蒸気
圧ではない。
【0032】これらの装置の構成も現像所の状況に応じ
ていろいろの選択がなされる。濃縮度を高くする設定す
ると減圧蒸発濃縮装置にかける負荷が減少するので有利
であるが、そのために逆浸透膜装置には負荷が多くな
る。逆浸透膜装置の効率は処理する水溶液の濃度が薄い
ほど高く、低コストで行われるのに対して、減圧蒸発濃
縮装置の効率は濃度にはあまり影響されないので、全体
として最も経済的であるような操作条件が選ばれてそれ
ぞれの分担する濃縮度が決めればよい。
【0033】透過液311はそのまま下水や河川に放流
(図示矢印413)してもよいが、水洗水としてあるい
は処理液の調合ないし調製用水として再使用(図示矢印
414)することもできる。
【0034】一方、濃厚化液312は、減圧蒸発濃縮装
置41へ導かれて蒸発・凝縮して浄化された液(以下
「凝縮水」という。)411と濃縮液412とに分離さ
れる。
【0035】凝縮水411は、そのまま下水や河川に放
流(図示矢印413)してもよいが、水洗水としてある
いは処理液の調合用水として再使用(図示矢印414)
することもできる。
【0036】濃縮液412は、廃液処理業者や銀回収業
者に渡して処置を委託してもよいが、定着液などの写真
処理液を調合ないし調製する際に添加して再利用(図示
矢印416)してもよい。
【0037】逆浸透装置31は、処理装置1の処理信号
を受けとると同時あるいは一定時間をおいて稼働するよ
うにしても、貯留槽21内の液210の液面レベルが一
定レベルに達したときに稼働するようにしてもよい。ま
た、減圧蒸発濃縮装置41の稼働は、逆浸透装置31の
稼動に応じたものとすればよい。
【0038】以上では、図1において逆浸透装置31を
ワンパス型で使用するものとし、この濃厚化液312を
全て減圧蒸発濃縮装置41に導入するものについて説明
したきたが、濃厚化液の一部を貯留槽21に戻して濃縮
度を上げるマルチパス型の使用としてもよく、その後減
圧蒸発処理をしてもよい(図示矢印313および21
2)。また、この場合、貯留槽21内の液210は、逆
浸透装置31の濃厚化液312とともに、減圧蒸発濃縮
装置41に導入するものとしてもよい。
【0039】本発明において、「液が希薄である」とは
溶質濃度が20g/ l程度以下、より好ましくは2g/ l程
度以下にあるものをいい、「液が濃厚である」とは溶質
濃度が、この条件下の希薄液との関係で、希薄液の1.
5倍以上、より好ましくは2倍以上にあるものをいう。
【0040】従って、上記では、液210の濃度を測定
するなどして濃縮度を判断し、濃度に応じて、逆浸透膜
処理のみとするか、減圧蒸発による濃縮処理にかえるか
を判断してもよい。
【0041】本発明に用いる処理装置は、図2に示す構
成のものであってもよい。
【0042】図2に示す処理装置2は、図1において貯
留槽21を設置することなく、直接、ポンプPを介して
オーバーフローOFWO、OFW およびOFSTを逆浸透装
置31に導入するところを除いては同構成のものであ
る。
【0043】なお、減圧蒸発濃縮装置41が回分式のも
のであるときは、特に、図2に示すように、逆浸透膜処
理によって得られた濃厚化液312を貯留するタンク5
1を設置することが好ましい。また、タンク51内の液
は一部逆浸透装置31に戻してもよい(マルチパス型:
図示矢印511)。
【0044】この貯留槽21を設置しない構成は、小型
の処理装置において有利である。
【0045】また、処理装置は図3に示す構成であって
もよい。図3に示す処理装置3は、図1において、逆浸
透装置31の後方に逆浸透装置32を増設し多段の逆浸
透膜処理としたところを除いては図1と同構成のもので
ある。
【0046】この場合も減圧蒸発濃縮装置41が回分式
であるときは、図3に示すように、逆浸透装置31の濃
厚化液312を貯留するタンク51および逆浸透装置3
2の濃厚化液322を貯留するタンク52を設置するこ
とが好ましい。また、図2と同様に、タンク51内の液
およびタンク52内の液は、オーバーフロー等として、
各々、逆浸透装置31および32に戻してもよい(マル
チパス型:図示矢印511および512)。逆浸透装置
32の透過水321は、透過水311等と同様に、その
まま下水や河川に放流(図示矢印413)してもよい
が、水洗水としてあるいは処理液の調合用水として再使
用(図示矢印414)することもできる。
【0047】図3の構成において、第1段目の逆浸透装
置31を低圧で操作したい場合などには、図3のマルチ
パス型は透過速度の低下を招きやすいので、設備は多く
なるが、濃縮液を第2の逆浸透装置32にフィードして
操作圧力を1段目より高くしてさらに濃縮を図るほうが
好都合なことがある。例えば、1段目の逆浸透装置31
は処理装置3と一体化あるいは処理装置3の側で3〜5
kg/cm2程度の作業環境に悪影響のない操作圧力で使用
し、第2段目は35〜50kg/cm2程度の操作圧力で効率
的な濃縮を図ることもできる。
【0048】また、本発明における処理装置は図4に示
す構成であってもよい。
【0049】図4に示す処理装置4は、図3において、
第1段目の逆浸透装置31の濃厚化液312を槽21内
に戻し、透過水311をタンク53内に貯留してこれを
第2段目の逆浸透装置32に導入するものとするところ
を除いては図3と同構成のものである。
【0050】図4の構成は、第1段目の逆浸透装置31
のみでは所定の除銀レベルに達しない場合に有利であ
り、この構成では、透過液311を第2の逆浸透装置3
2にフィードしてさらに濃縮を図ることになる。その透
過液321はそのまま下水や河川に放流(図示矢印41
3)してもよいが、水洗水としてあるいは処理液の調合
用水として再使用(図示矢印414)することもでき
る。使用する逆浸透装置31、32は、2台とも3〜5
kg/cm2程度の作業環境に悪影響のない操作圧力のものを
使用できるが、高圧タイプのものを使用すればそれだけ
高能率となるので処理規模等に応じて適当な選択を行え
ばよい。
【0051】さらには、図5に示す構成であってもよ
い。
【0052】図5に示す処理装置5は、図1において、
中間水洗槽19を設置しない処理槽構成とし、減圧蒸発
濃縮装置41の後方にさらに逆浸透装置33を設置した
ところを除いては図1と同構成のものである。
【0053】図5の構成は、減圧蒸発濃縮装置41から
得られる凝縮液411が、若干の揮発性不純物を含むこ
とがあるため、凝縮水411をさらに逆浸透装置33で
処理して浄化を行うことができる点で有利である。
【0054】このような揮発性不純物は、主に、定着液
成分に由来するNH3 等であり、排出が好ましくないか
らである。
【0055】すなわち、凝縮液411を逆浸透装置33
にフィードしてその透過水を311などとともにあるい
は別個に水洗水あるいは処理液の調製用水として再使用
(図示矢印414)することもできる。使用する逆浸透
装置31、33は、3〜5kg/cm2程度の作業環境に悪影
響のない操作圧力のもので充分であるが、もちろん任意
のものを使用できる。
【0056】また、図5の構成において、凝縮水を逆浸
透膜処理するときには、凝縮水を中和してpHを3.0〜
7.5の範囲にしてから逆浸透膜処理することが好まし
い。ただし、薬品の添加量を少なくするために、pHは
5.5〜7.5付近として充分である。これにより、逆
浸透膜処理の処理効率、特にNH3 の除去効率が向上す
る。この場合の凝縮水は一般にpH8〜10.5の範囲に
あり、中和には鉱酸(硫酸、塩酸等)を用いればよい。
【0057】なお、上記の凝縮水は、通常、pHが8〜1
0.5である。
【0058】以上、述べたように、図1〜図5におい
て、減圧蒸発による濃縮処理の濃縮液412を定着液や
漂白定着液の調合の際に使用して再利用(416)し、
また、凝縮水411や透過水(311、321、331
などは、水洗水あるいは処理液の調製用水として再使用
(414)し、無排出型の写真処理とすることもでき
る。
【0059】本発明に用いる処理装置は図6に示す構成
であってもよい。
【0060】図6に示す処理装置6は、図1において、
中間水洗槽と貯留槽とを設置しない構成としている。ま
た、定着槽13内の定着液Fを取り出し電解して銀を除
去する電解槽60が設置されており、電解後の液を再び
定着槽13に戻す構成としている。さらに、第3水洗槽
16および逆浸透装置34が増設されている。
【0061】この場合、第1水洗槽14のオーバーフロ
ーOFW を処理するものとしており、オーバーフローO
W を逆浸透装置31に導入している。逆浸透装置31
の透過水311の大部分(90%程度)311aは第2
水洗槽15に補給して再使用される。また透過水311
の一部(10%程度)311bは逆浸透装置34に導入
し、この透過水341は下水道などに排水する。一方濃
厚化液342は第1水洗槽14に戻すようにする。ま
た、逆浸透装置31の濃厚化液312は減圧蒸発濃縮装
置41に導入し、この濃縮液412は定着槽13に補給
して再利用される。一方、凝縮水411は第3水洗槽1
6の補充用の水として再使用される。
【0062】逆浸透装置31の操作圧力は20〜70kg
/cm2とすることが好ましく、逆浸透装置34の操作圧力
は、これより低くすることが好ましく、この条件下で3
〜20kg/cm2とする。
【0063】その他の構成は図1と同様である。
【0064】図6の構成では、定着槽13において除銀
しているため、オーバーフローOFW 中の銀濃度も低く
なっており、銀除去の観点からは、その後の操作がやり
やすい。また、定着液に再使用する上でも好ましい。
【0065】図示例では、水洗水や安定化液の廃液を処
理するものとしたが、全処理液の廃液あるいは定着能を
有する処理液と水洗水や安定化液の廃液を処理するもの
としてもよい。
【0066】この場合、廃液の液の性状等に応じて逆浸
透膜処理と減圧蒸発による濃縮処理を組み合わせて行え
ばよい。
【0067】水洗水や安定化液の廃液のように希薄なも
のではまず、逆浸透膜処理を行い、次に減圧蒸発による
濃縮処理を行うことが好ましい。
【0068】一方、現像液、漂白液、漂白定着液、定着
液などの廃液のように濃厚なものでは、直ちに減圧蒸発
による濃縮処理を行ってもよく、この場合希薄なものな
どから逆浸透膜処理によって得られた濃厚化液を一緒に
処理することが好ましい。
【0069】また、本発明では、定着能を有する処理液
成分を含有する写真現像処理廃液を逆浸透膜処理し、こ
れによって得られた濃厚化液に銀沈降剤を添加して、銀
の沈澱物を得、この銀の沈澱物と、これを分離したのち
の残液とを別々に回収するものとしてもよい。
【0070】銀の沈澱物は回収業者に売却することがで
きる。一方、残液は、さらに、逆浸透膜処理を行い、得
られた透過水の浄化を進め、下水道等に排出することが
できる。また、この逆浸透膜処理によって、残液はさら
に濃縮され、回収すべき残液量が減少する。また、この
逆浸透膜処理によって得られた濃厚化液は、廃液が水洗
水および/または安定化液の廃液と定着能を有する処理
液の廃液との混合物であるときには、定着能を有する処
理液の補充液として用いることもできる。
【0071】このときの銀沈降剤は、重金属捕集剤とし
て市販されているものをそのまま用いることができる。
このようなものとしては、ゴスペルM−9[ゴスペル化
工(株)製]、チオシアヌール酸[和光薬品製]、サン
チオールNW[中川化学装置(株)製]、エポフロック
L−1[ミヨシ油脂製]などが挙げられる。
【0072】本発明において、逆浸透装置に用いる逆浸
透膜として、材質的には、酢酸セルロース膜、エチルセ
ルロース・ポリアクリル酸膜、ポリアクリロニトリル
膜、ポリビニレンカーボネート膜等がある。
【0073】逆浸透膜の構造としては、スパイラル型、
チューブラー型、ホローファイバー型、プリーツ型、ロ
ッド型のいずれも用いることができる。
【0074】また、膜面積(有効面積)は、使用する現
像所の規模によって異なるし、逆浸透装置の構造によっ
て異なるので一律に表現することは難しいが、カラーネ
ガ1000〜3000本/日の処理量のレベルでは0.
1〜100m2、好ましくは0.8〜60m2となる。ただ
し、逆浸透装置を2機以上用いる場合は、使用される逆
浸透装置の膜の総面積として考える必要がある。
【0075】また、減圧蒸発濃縮装置としては、市販さ
れている任意の減圧蒸発装置を使用できる。写真現像処
理廃液の蒸発濃縮用には、イタリーのLED社、米国の
Calfran 社が製造している。または写真現像処理用とは
していないが、日本の日阪製作所の大型濃縮装置も使用
できる。
【0076】本発明における水洗処理は、前工程におけ
る残留処理薬品を除去する機能を有する処理をいい、安
定化処理は、ある種の薬品を添加し、写真性あるいは感
材の物性を手技的に安定化する機能を有する処理をい
う。前者の水洗処理には、中間水洗、リンスなどの処理
も包含される。
【0077】本発明において用いる水洗水、安定化液
は、水道水や、イオン交換水を基本とするものである。
【0078】水洗水または安定化液中には各種化合物を
添加してもよい。例えばマグネシウム塩やアルミニウム
塩に代表される硬膜剤、あるいは乾燥負荷やムラを防止
するための界面活性剤、白色度を向上させるための蛍光
増白剤、保恒剤としての亜硫酸塩、等である。あるいは
L.E.ウェスト(West)、”ウォター・クォリティ・
クリテリア(Water Quality Criteria)”フォトグラフ
ィク・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Photo.
Sci. and Eng. )、第9巻、No. 6(1965)等に記
載の化合物を添加してもよい。
【0079】本発明において、安定化液とは、前記のよ
うに、水洗では得ることができない画像の安定化機能を
付与された液であり、そのために前記水洗水に加えられ
る成分の他に画像安定化を果たす成分が添加されたもの
であり、「安定液」ということもある。
【0080】これらの成分の例として、例えばホルマリ
ン、ビスマス塩、アンモニア水、アンモニウム塩等を添
加した液が挙げられる。
【0081】本発明における水洗水または安定化液のpH
は通常7付近であるが、前浴からの持ち込みによってpH
3〜9となることもある。また、水洗または安定化の温
度は5℃〜40℃、好ましくは10℃〜35℃である。
必要に応じて、水洗槽または安定化槽内にヒーター、温
度コントローラー、循環ポンプ、フィルター、浮きブ
ク、スクイジー等を設けてもよい。また、リンス液は水
洗水と同様のものである。
【0082】本発明において、水洗処理や安定化処理に
先立って行われる定着能を有する処理には定着液、漂白
定着液が用いられる。
【0083】定着液または漂白定着液中の定着剤として
はチオ硫酸塩が含まれる。特にチオ硫酸アンモニウム塩
の場合が好ましく、その添加量は0.1〜5.0mol/
l、好ましくは0.5〜2.0mol/ lである。保恒剤と
しては、亜硫酸塩の添加が一般的であるが、その他、ア
スコルビン酸や、カルボニル重亜硫酸付加物、あるい
は、カルボニル化合物を添加してもよい。さらには緩衝
剤、蛍光増白剤、キレート剤、防カビ剤等を必要に応じ
て添加してもよい。
【0084】漂白定着液中には、漂白液として鉄錯体を
含有する。鉄錯体のなかでもアミノポリカルボン酸鉄錯
体が好ましく、その添加量は0.01〜1.0mol/ l、
好ましくは0.05〜0.50mol/ lである。
【0085】漂白定着液中には、漂白促進剤として種々
の化合物を用いることができる。例えば、米国特許第3
893858号明細書、ドイツ特許第1290812号
明細書、特開昭53−95630号公報、リサーチディ
スクロージャー第17129号(1978年7月号)に
記載のメルカプト基またはジスルフィド基を有する化合
物、特開昭50−140129号公報に記載のチアゾリ
ン誘導体、米国特許第3706561号明細書に記載の
チオ尿素誘導体、特開昭58−16235号公報に記載
の沃化物、ドイツ特許第2748430号明細書に記載
のポリエチレンオキサイド類、特公昭45−8836号
公報に記載のポリアミン化合物などを用いることができ
る。
【0086】また、漂白定着または定着のような定着能
を有する浴においては、その浴の補充量を減少させる
と、その浴における銀濃度が増大し、それに伴って水洗
槽および/または安定化槽へ持ち込まれる銀量が増加す
るので、水洗水や安定化液の回収の必要性が大となる。
従って、定着能を有する浴の液補充量が少ない場合、本
発明の方法を適用することが好ましい。また、特開平3
−273237号公報に記載の通電しながら処理する方
法と組み合わせることも好ましい。
【0087】本発明に用いる感光材料としては、通常の
黒白ハロゲン化銀写真感光材料(例えば、撮影用黒白感
材、X−ray用黒白感材、印刷用黒白感材など)、通
常の多層カラー感光材料(例えば、カラーネガティブフ
ィルム、カラーリバーサルフィルム、カラーポジティブ
フィルム、映画用カラーネガティブフィルムなど)、レ
ーザースキャナー用赤外光用感材などを挙げることがで
きる。
【0088】本発明においては、感材の処理工程に応じ
て、上記の水洗水や安定化液、定着能を有する処理液の
ほかに種々の処理液が用いられる。これら処理液および
処理方法の詳細については、特開平3−46652号等
の記載を参照することができる。また、感材の詳細につ
いては同じく特開平3−46652号等の記載を参照す
ることができる。
【0089】
【実施例】以下、本発明の具体的構成について詳細に説
明する。
【0090】実施例1 特開平2−250052号公報の実施例5に記載のカラ
ー写真感光材料(塗布銀量5.6g/m2)を露光したの
ち、富士写真フイルム(株)製カラーネガ用自現機FN
CP−600IIを使用して、表1の処理工程に従い、発
色現像槽で9ラウンド処理を行った。
【0091】この場合の自現機は、図1において逆浸透
装置を設置しないものと同様である。また、処理液は上
記公報実施例5と同じ組成のものを用いた。この処理液
のなかで、定着液は表2に示すもの、安定化液は表3に
示すものを用い、水洗水は以下のものを用いた。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】水洗水(母液、補充液共通) 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR120B)とOH型アニオ
ン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填し
た混床式カラムに通水してカルシウムおよびマグネシウ
ムイオン濃度を3mg/l以下に処理した脱イオン水を用い
た。これを処理1Aとする。
【0096】処理1Aにおいて、ランニング処理におけ
る水洗水と安定化液のオーバーフロー液(溶質濃度0.
3g/ l)をすべて集めた。この液量は感材1000本当
り2450リットルであった。また、この液中のAg量は1
1.5mg/lであり、回収の必要があった。
【0097】処理1Aにおいて、図1に示す自現機を用
いるほかは同様に処理した。これを処理1Bとする。
【0098】このときの逆浸透装置31は、操作圧力3
0kg/cm2とし、送液量は6.7リットル/分とした。また、
逆浸透膜は日東電工(株)製NTR−1698型ROス
パイラル型モジュールエレメント(有効膜面積3m2、酢
酸セルロース膜)を用いた。また、減圧蒸発濃縮装置
は、LED社製WTS−E150型を用いた。このとき
の操作圧力は20〜60mmHg程度、温度は40〜70℃
程度とした。
【0099】貯留槽21の液量が2000リットルとなった
ときに逆浸透膜処理し、透過水を下水道に放流し、濃厚
化液(溶質濃度1.1g/ l)を貯留槽に戻しながら、貯
留槽内の液が100リットルとなるまでくり返し逆浸透膜処
理を行った(図示矢印313)。この場合、逆浸透装置
31による処理で得られる透過水のAg量は0.3mg/l
であり、比較的厳しい規制が行われている下水道にも排
水することができた。
【0100】一方、貯留槽21中の濃厚化液は減圧蒸発
濃縮装置41に導入し、25リットルの濃縮液と75リットルの
希薄な凝縮水に分離した。濃縮液は約25g の銀を含ん
でいるので、銀回収業者が銀回収のため引き取り、凝縮
水は逆浸透膜処理によって得られた透過水と同様に下水
道に排水した。この透過水中のAg量は0.4mg/lであ
り、世界各地域の大部分において排出可能なレベルとな
った。
【0101】実施例2 実施例1の処理1Bにおいて、処理装置を図2に示すも
のにかえて、同様に処理した。これを処理1Cとする。
【0102】逆浸透装置31は処理1Bにおけるものと
同じであり、減圧蒸発濃縮装置はLED社製WTS−E
型を使用した。この装置は回分式であるため、タンク5
1を設け、逆浸透膜処理によって得られた濃厚化液をこ
こに流入し、一時的に貯留した。タンク51のオーバー
フローは逆浸透装置31にフィードする形とした(図示
矢印511)。
【0103】処理1Cにおいて、逆浸透膜処理によって
得られた透過水のAg量は0.5mg/lであり、減圧蒸発
による濃縮の際に得られる凝縮水のAg量は0mg/lであ
り、ともに下水道に排水することができた。
【0104】実施例3 実施例1の処理1Bにおいて、処理装置を図3に示すも
のにかえて、同様に処理した。これを処理1Dとする。
【0105】逆浸透装置31は操作圧力3.5kg/cm2
して使用した。逆浸透膜は、ダイセル(株)製 Molsep
SV02−GA型ROスパイラル型モジュールエレメ
ント(有効膜面積1.1m2、酢酸セルロース膜)を用い
た。逆浸透装置32は処理1Bと同じものとし、操作圧
力30kg/cm2として使用した。また、減圧蒸発濃縮装置
41はLED社製WTS−150型を用い、回分式稼働
とした。
【0106】貯留槽21内の液量が2000リットルになっ
たときに逆浸透装置31が稼働するようにし、タンク5
1内の液量に応じて逆浸透装置32が稼働するようにし
た。逆浸透装置31、32による2段の濃縮後にはタン
ク52により減圧蒸発濃縮装置の回分式稼働との調和を
図りながら、逆浸透膜処理による濃厚化液を減圧蒸発に
より濃縮した。タンク51、52内の液は、液面高さに
応じ、各々逆浸透装置31、32に再フィードされるよ
うにした(図示矢印511、521)。
【0107】処理1Dにおいて逆浸透装置31または3
2によって得られた透過水311、321中のAg量は
各々0.5mg/lであり、減圧蒸発による濃縮によって得
られた凝縮水411中のAg量は0mg/lであり、いずれ
も下水道に排水できた。
【0108】上記において、逆浸透装置を2基用いるこ
とによって、1段目の濃縮操作は低圧で行うことがで
き、このため処理装置室内で行うことができた。
【0109】実施例4 実施例3の処理1Dにおいて、1段目の逆浸透装置31
の透過液311を2段目の逆浸透装置32へフィードす
る形式の処理装置を採用した(図4参照)。1段目の凝
縮液は貯留槽21へ、2段目のそれはタンク52へ戻し
て再フィードする配列とした。
【0110】2段目の透過液321の銀濃度は0.01
mg/l以下であり、透過側の直列接続によって銀に対する
規制が一段と厳しい地域にも対応できることがわかっ
た。なお、蒸発凝縮装置にはLED社のWTS−E15
0型を用いた。
【0111】以上、実施例1〜4において、実施例の結
果は、発明の目的である銀濃度について記したが、その
他の廃水中成分、例えばCOD寄与成分も同様の著しい
除去効果が得られたことを付記しておく。しかしなが
ら、減圧蒸発濃縮装置からの凝縮液にはアンモニアを主
とする揮発成分が含まれている。全廃水量に対する凝縮
水量はわずかではあるが、一層の溝浄化は望ましいこと
である。したがって、この問題をも解決する実施例を次
に示す。
【0112】実施例5 実施例1の処理1Bにおいて、凝縮水411を処理する
ための第2の逆浸透装置33を図5のように配置した処
理装置を用いて処理した。
【0113】凝縮水411中のアンモニア濃度は、80
0mg/l(窒素基準)であった。
【0114】この凝縮水のpHをH2 SO4 で7に調節し
てから逆浸透装置33にフィードした。なお、図5で
は、pH調整用の中間タンクは省略してある。
【0115】凝縮水中のアンモニア濃度は42mg/lであ
り、この値は世界の大部分の地域で下水への排出が可能
である。
【0116】実施例6 実施例1の処理1Bにおいて、凝縮水411および透過
水311を水洗水に、濃縮液を定着補充液の調合に再使
用した(図示矢印414、416)。これによって実質
的な無排出処理を行うことができた。
【0117】実施例7 富士写真フイルム(株)製カラーネガフィルム フジカ
ラースーパーHG100とフジカラースーパーHG40
0を約1:1の割合で用い、富士写真フイルム(株)製
カラーネガ用自現機FNCP−600IIを使用して表4
に示す処理工程で感材1000本/日の割合で3ケ月ラ
ンニング処理した。処理液は富士写真フイルム(株)製
の処理剤CN−16を用いた。このなかで、定着液は、
定着剤としてチオ硫酸アンモニウムを含むものであり、
水洗水は水道水である。
【0118】
【表4】
【0119】上記割合で、3ケ月ランニング処理後の全
処理液の全廃液の混合物を、逆浸透膜としてダイセル
(株)製DRS−97型ROチューブ型モジュールエレ
メント(有効膜面積10m2、透水速度7m3/日)を用い
た逆浸透装置を操作圧力35kg/cm2で処理した。これを
処理7Aとする。
【0120】この処理によって得られた透過水は全廃液
の80%であり、残液である20%の濃厚化液は濃い廃
液として回収する必要があった。すなわち、132リットル
/日も廃液として回収する必要があった。
【0121】なお、上記における元廃液の内訳は以下の
とおりであり、1日当り、すなわち感材1000本当り
の廃液量は659リットルであった。
【0122】現像液 50リットル 漂白液 40リットル リンス液 16リットル 水洗水 65リットル 定着液 40リットル リンス液 8.1リットル 水洗水 400リットル 安定化液 40リットル
【0123】処理7Aにおいて、逆浸透膜処理によって
得られた濃厚化液を米国DREW社製WTS−E150
を用いてさらに減圧蒸発により濃縮するほかは、同様に
処理した。これを処理7Bとする。
【0124】処理7Bでは、約1/8に濃縮できたた
め、1日当り16.5リットルの濃縮液が生成され、約17
リットル/日の回収で済んだ。このため、処理7Aに比べ、
回収のためのランニングコストが著しく低減できたと同
時に、回収のための大きな容量のタンクも必要としなく
なった。
【0125】なお、減圧蒸発の条件は操作圧力30mmH
g、温度52℃とした。しかしながら、処理7Bで得ら
れる凝縮水にはアンモニアが含まれ、そのまま下水や活
性汚泥池に放流すると微生物をおかし、生態系を破壊し
た。
【0126】すなわち、このときの凝縮水のpHは9.9
4であり、アンモニア濃度(N基準)は2190ppm で
あった。
【0127】処理7Bにおいて、上記と同じ仕様の逆浸
透装置を増設し、減圧蒸発濃縮装置で得られた凝縮水を
この逆浸透装置で処理し、濃厚化液を減圧蒸発濃縮装置
に戻し、透過水を得た。これを処理7Cとする。処理7
Cにおける透過水中のアンモニアは1330ppm であ
り、逆浸透膜処理によるアンモニア除去率は48%であ
った。従って、この透過水はアンモニア規制のゆるい地
域では下水道や活性汚泥地に放流することができた。
【0128】処理7Cにおいて、凝縮水をH2 SO4
中和してpH6.65としてから、増設した逆浸透装置で
処理するものとするほかは同様に処理した。これを処理
7Dとする。処理7Dにおける透過水中のアンモニアは
375ppm であり、逆浸透膜処理によるアンモニア除去
率は83%であった。処理7Dでは、前記実施例5同
様、中和によって逆浸透膜処理によるアンモニア除去率
が向上することが判った。このため、アンモニア規制の
厳しい地域(排出基準500ppm 以下)でも放流可能と
なった。
【0129】なお、処理7A〜7Dにおいて、第1段目
の逆浸透装置で得られる透過水は、もう1段、同じ仕様
の逆浸透装置で処理することにより、その透過水を下水
道に放流することができた。銀濃度は、元廃液で273
ppm であるのに対し、第1段目の逆浸透装置で得られる
透過水では0.91ppm 、第2段目の逆浸透装置で得ら
れる透過水は3ppb で、第2段目の透過水ではほとんど
全く銀が含まれていなかった。
【0130】実施例8 実施例7と同じ処理工程で得られた定着液、リンス液、
水洗水および安定化液のオーバーフロー液(合計量48
8リットル/日、Ag量368ppm )を、逆浸透のモジュー
ルとして東洋紡製高圧用ホロセップHR−5255(逆
浸透膜:酢酸セルロース)を適用した逆浸透装置により
操作圧力55kg/cm2で処理した。これによって得られた
透過水は、さらに、上記と同じ仕様の逆浸透装置により
処理した。この透過水中の銀量は約5ppb であり、下水
道に放流した。
【0131】一方、1段目の逆浸透膜処理による濃厚化
液はゴスペル化工(株)製のゴスペルM−9で沈降処理
し、デカンテーション法により残渣と残液に分離した。
残渣は銀を多量に含んでおり製錬工場に売却した。残液
は無価値物として回収した。
【0132】なお、沈降剤は濃厚化液1リットルに対し10
mlを添加した。
【0133】実施例9 実施例8の処理における残液を、実施例8と同じ仕様の
逆浸透装置を用いてさらに処理し、透過水は下水道に放
流し、濃厚化液は無価値物として回収した。実施例8に
比べ無価値物の回収が約1/4に減ったため回収のため
のランニングコストが低下した。
【0134】実施例10 実施例8、9において、沈降剤にミヨシ油脂製のエポフ
ロックL−1を用いて処理したところ、実施例8、9と
同様の結果が得られた。
【0135】なお、エポフロックL−1を用いた場合に
は残液を用いてチオ硫酸アンモニウムを80g/l 、Na
2 SO3 6g/l 加えて補充液としても使用できた。
【0136】実施例11 実施例9で得られる無価値物(液)、あるいはこれに対
応する実施例10の無価値物を、そのまま定着補充液と
して使用したところ、脱銀不良の発生もなく良好な写真
性能が得られた。
【0137】
【発明の効果】本発明によれば、水洗水や安定化液等の
廃液を下水道などに排出することができる。また、水洗
水や処理液調製用の水として再利用することもできる。
さらに、一方では濃縮度が高くなり、廃液として回収す
る量が減少する。また、このものは処理液に再利用する
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる処理装置の概略構成図である。
【図2】本発明に用いる処理装置の概略構成図である。
【図3】本発明に用いる処理装置の概略構成図である。
【図4】本発明に用いる処理装置の概略構成図である。
【図5】本発明に用いる処理装置の概略構成図である。
【図6】本発明に用いる処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1〜6 処理装置 13 定着槽 14〜16 水洗槽 18 安定化槽 19 中間水洗槽 31〜33 逆浸透装置 41 減圧蒸発濃縮装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/00 ZAB A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真感光材料を現像し、定
    着能を有する処理をしたのち、水洗および/または安定
    化処理を行う写真処理工程で排出される処理液の少なく
    とも1種以上の廃液を含む液に対し逆浸透膜処理を行
    い、この逆浸透膜処理によって得られた濃縮液を減圧蒸
    発してさらに濃縮する写真現像処理廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記逆浸透膜処理に供する液は、水洗水
    および/または安定化液の廃液を含むものである請求項
    1の写真現像処理廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記減圧蒸発による濃縮の際に得られる
    凝縮水を逆浸透膜処理する請求項1または2の写真現像
    処理廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記減圧蒸発による濃縮の際に得られる
    凝縮水を逆浸透膜処理し、この逆浸透膜処理によって得
    られた濃縮液を、前記の逆浸透膜処理によって得られた
    濃縮液とともに減圧蒸発してさらに濃縮し、この減圧蒸
    発によって濃縮した濃縮液を回収する請求項1または2
    の写真現像処理廃液の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記凝縮水を中和したのち逆浸透膜処理
    する請求項4の写真現像処理廃液の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記減圧蒸発によって濃縮した濃縮液を
    処理液に再利用する請求項1ないし5のいずれかの写真
    現像処理廃液の処理方法。
  7. 【請求項7】 前記逆浸透膜処理によって得られた透過
    水をさらに逆浸透膜処理する請求項1ないし6のいずれ
    かの写真現像処理廃液の処理方法。
  8. 【請求項8】 ハロゲン化銀写真感光材料を現像し、定
    着能を有する処理をしたのち、水洗および/または安定
    化処理を行う写真処理工程で排出される処理液の廃液を
    処理するに際し、希薄な処理液の廃液に対し逆浸透膜処
    理を行い、この逆浸透膜処理によって得られた濃縮液お
    よび濃厚な処理液の廃液を減圧蒸発によって濃縮する写
    真現像処理廃液の処理方法。
  9. 【請求項9】 ハロゲン化銀写真感光材料を現像し、定
    着能を有する処理をしたのち、水洗および/または安定
    化処理を行う写真処理工程で排出される定着能を有する
    処理液の廃液を含む液に対し逆浸透膜処理を行い、この
    逆浸透膜処理によって得られた濃縮液から銀沈降剤によ
    って銀の沈澱物を形成し、この沈澱物と、この沈澱物を
    分離して得られた残液とを各々別個に回収する写真現像
    処理廃液の処理方法。
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