JP3310732B2 - 金属含有溶液の処理方法 - Google Patents
金属含有溶液の処理方法Info
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Description
水や安定化液等の洗浄液の廃液などに代表される金属含
有溶液の処理方法に関する。
光後、黒白現像、定着、水洗等の工程で処理され、カラ
ー感光材料は、露光後、発色現像、脱銀、水洗、安定化
等の工程により処理される。黒白現像には黒白現像液、
定着には定着液、発色現像には発色(カラー)現像液、
脱銀処理には漂白液、漂白定着液、定着液、水洗には水
道水またはイオン交換水、安定化処理には安定化液がそ
れぞれ使用される。各処理液は通常20〜50℃に温度
調節され、感光材料はこれらの処理液中に浸漬され処理
される。
ては、残存するハロゲン化銀を適当な溶解剤で溶解除去
して銀画像を固定する工程であり、カラー写真において
は、漂白処理によって酸化された銀を溶解する工程であ
る。
は、乳剤層中の定着液成分や定着処理によって生成した
銀錯塩などを洗い出し、画像の安定性を保持するため水
洗処理や安定化処理が行われる。
持された銀錯塩等の銀成分が洗い出されてかなりの濃度
で存在することになり、そのまま下水道に排水すること
ができず、これらの廃液を回収する必要もあった。この
廃液の回収料は高額であり、1リットル当り10円〜1
00円となる。特に大ラボでは必要な水洗水が1日当り
5000リットル〜50000リットルとなりその回収
に要するコストは莫大である。
に排水できる銀の排出基準の規制が年々厳しくなる一方
である。
出基準の規制を示すものとしては“Information Ecolog
y and Safety" Regulations Affecting the Discharge
of Photographic Processing Solutions Kodak Publica
tion No.J-102 (1990年、9月)に記載があり、そ
のTable 1には、典型的な都市の下水道法の銀の排出規
準として「0.001〜20ppm 」の値が、またTable
2には、写真現像所における銀の規制値として「0.5
〜5ppm 」の値が掲載されている。
Drinking Water Act」、「HazardousMaterials Transpor
tation Act」、「Toxic Substances Control Act」などに
も銀の規制値が示されており、さらに、米国の下水道の
規制は、1989年の「Clean Water Act 改正法」の施
行に伴って、多くの地域で厳しいものとなっている。
なっており、その下水道への銀の排出基準は0.1ppm
以下である。
て、イオン交換樹脂による吸着法、化学沈降法、金属置
換法、電気分解法、電気透析法、逆浸透膜による方法な
どがある。このなかで、吸着法は安価にできる方法であ
るが、イオン交換樹脂の再生が困難であり、厳しい排出
基準を満たすような銀除去レベルを達成するには限界が
ある。また、化学沈降法では、沈澱の分離技術が難しく
メンテナンスが容易でない。金属置換法では、置換に用
いた金属による汚染などの問題が生じやすい。電気分解
法では、3次元陰極を用い、かつ電位をコントロールす
れば銀除去レベルの向上は望めるが、装置面での制約な
どの問題がある。電気透析法では、圧力バランスの調整
など、装置面での問題が多い。逆浸透膜による方法で
は、逆浸透装置を2段用いれば排出基準を満たすことは
できる(本出願人による特願平4−296415号、同
4−296416号等)が、高圧力を要するなど装置面
での制約があり、またメンテナンスも容易でない。
(例えば、ミヨシ樹脂製の「エポフロックL−1、L−
2」)を水洗廃液中に添加して沈澱物を生成させて、水
洗廃液中の銀を除去することも行われているが、ポリマ
ー中の配位基に対し銀がすべて配位するような銀の配位
率が高いポリマーを形成する場合は不溶物を形成して沈
澱するが、銀の配位率が低いと水溶性のままであり、排
出基準を満たすような銀除去レベルを達成することがで
きない。すなわち、銀濃度が高い溶液では不溶物を形成
しやすく、銀の除去を行いやすくなるが、銀濃度が低い
希薄な溶液では水溶性のままであり、銀が除去されない
ままの状態となりやすい。
排出基準を満たすことは、銀のみならず、他の金属にお
いても、同様に求められることであり、さらには水洗廃
液のみならず、他の廃液においても同様である。
処理で用いた水洗水や安定化液等の洗浄液の廃液におけ
る銀濃度を低下させ、下水道への排出基準を満たすこと
が可能であるなど、液中の金属濃度を低下させることが
でき、廃液回収に要するコストの低減が可能な金属含有
溶液の処理方法を提供することにある。
の構成(1)〜(3)、(7)によって達成される。そ
して、好ましくは下記の構成(4)〜(6)である。 (1)金属に配位可能なS原子を有するポリマーであっ
て、浸透圧法で求めた数平均分子量が50000以上
で、30000以下の分子量のものが全体の0.01wt
% 以下の分子量分布をもつポリマーを、金属含有溶液に
接触させたのち濾過処理を施し液中の金属濃度を低下さ
せる金属含有溶液の処理方法。 (2)前記濾過処理を電子顕微鏡による直接測定法で求
めた分画分子量が9000以上の限外濾過膜を用いて施
す上記(1)の金属含有溶液の処理方法。 (3)前記限外濾過膜の電子顕微鏡による直接測定法で
求めた平均孔径が0.01〜0.8μm であり、1μm
以上の孔径が全体の孔数の0.015%以下の孔径分布
をもつ上記(2)の金属含有溶液の処理方法。 (4)ポリマー原料を限外濾過膜を用いて処理し、前記
分子量分布をもつポリマーを得、このポリマーを用いる
上記(1)ないし(3)のいずれかの金属含有溶液の処
理方法。 (5)前記金属含有溶液が写真処理に用いられた洗浄液
である上記(1)ないし(4)のいずれかの金属含有溶
液の処理方法。 (6)前記洗浄液に含有される金属が銀である上記
(5)の金属含有溶液の処理方法。 (7)前記濾過処理後の前記洗浄液に含有される銀量が
0.1ppm 以下である上記(5)または(6)の金属含
有溶液の処理方法。
に説明する。
定化液などの洗浄液の廃液に代表される金属含有溶液に
対し、金属に配位可能なS原子を有するポリマーを添加
するなどして接触させ、これにより銀等の金属をポリマ
ーに配位させて液中の金属を捕集した後濾過処理を施
し、液中の金属濃度を低下させる。この場合の金属含有
溶液に接触させるポリマーは、浸透圧法で求めた数平均
分子量が50000以上、好ましくは80000〜30
0000であり、30000以下、通常30000〜5
000の分子量のものが全体の0.01wt% 以下、通常
0.01〜0.0001wt% の分子量分布をもつ。
いポリマーを用いて金属を捕集したのち濾過処理してい
るので、限外濾過膜などによる処理を行えば、不溶物の
ものはもとより、コロイド粒子や金属の配位率が低く金
属配位ポリマーが水溶性のままであっても透過水中にも
れることはない。すなわち、低分子量のポリマーが存在
しないので、低分子量のポリマーに金属が捕集されて金
属の配位率が低い水溶性の金属配位ポリマーを形成する
ことがないため、この水溶性の金属配位ポリマーが透過
水中にもれることはない。
り、低分子量のポリマーが存在すると、低分子量でかつ
水溶性の金属配位ポリマーが生成するので、濾過した場
合、限外濾過膜を用いて処理しても限外濾過膜を透過し
てしまい、液中の金属濃度を十分減少させることができ
ない。
いられた水洗水や安定化液の廃液を用いると、透過水中
の銀濃度は10ppm 以下、通常0.001〜1ppm であ
る。さらには0.001〜0.1ppm とすることも可能
であり、下水道や河川などにそのまま排水することがで
き、回収に要するコストを低減することができる。
次槽となる水洗槽または安定化槽内の液中には感材の乳
剤層中から洗い出された銀錯塩等の銀成分がかなりの濃
度で存在する。この銀濃度は、感材種等によって異なる
が、通常の補充条件で2〜300ppm 程度である。そし
て、水洗水や安定化液等を含めた処理液の廃液全体には
通常1〜60ppm の銀が存在する。従って、年々、銀の
排出基準が厳しくなる地域では、単なる希釈などによっ
て排出基準を満たすことは到底困難であり、回収に要す
るコストは年々かさむ一方であった。本発明はこれを解
決するものである。
分子量MWは、Mechrolab 型自動浸透圧計(タイプ30
2型)[溶液セル1cm3 、溶媒セル0.25cm3 ]を用
いて以下のようにして求めたものである。
ートの中央にある細孔(これはプレート下部の毛細管に
直結)に空気泡を注射器で注入する。このときの空気量
は毛細管の中に入った時の長さが1cmになるように調節
する(毛細管直径1.6μm)。膜(例えばセルロース
膜)を溶媒セルの上に張り、ついで溶液セルを乗せて留
め金で固定する。浸透圧が発生すると、水溶媒が上側の
溶液(ポリマー溶液)側に流れようとし、水溶媒セル下
部の毛細管気泡が動く。これを光電管で読み、ついでサ
ーボモータを作動させて溶液留の位置を低下させ水溶媒
の流れを停止させる。このときの溶液留の液面と溶液セ
ルに付属する細管内の液面との差がhでこのhは±0.
2mmの精度で測定することができる。この液柱差hから
浸透圧πを求め、下記のファントホッフ(van't Hoff)の
式に従って数平均分子量MWを求める。このときの温度
Tは294K程度とする。
気体定数、T:絶対温度)
濃度cをゼロに補外したときの浸透圧πの値から数平均
分子量MWを求めることができる。
可能なS原子を有するものである。特にはチオール基な
いしその誘導基(−SM)およびジチオカルバミン酸基
ないしその誘導基(−NH−CS2 M)のうち少なくと
も一方の配位基を含むポリマーであることが好ましい。
が好ましく、上記においてMはHの他、Na等のアルカ
リ金属、Ca等のアルカリ土類金属、Alなどの金属カ
チオンや、場合によっては、オニウムイオン等であるこ
とが好ましい。
上、より好ましくは10〜250モルであるのがよい。
好ましく、水溶性のポリマーを用いることによって、溶
液中の金属との反応が進行しやすくなり金属の除去効率
が向上する。このようなポリマーの水に対する溶解度は
水100g に対し1g 以上、より好ましく40〜900
g であるのがよい。
して市販されているものがあり、例えば、エポフロック
L−1、L−2(ミヨシ樹脂製)、サンチオールNW
(中川化学装置(株)製)、ゴスペルM−9、M−10
(ゴスペル化工(株)製)などの商品名のものが挙げら
れる。
よい。
分子量分布をもち、分子量の大きいものであるが、この
ような分子量分布は、市販品あるいは合成して用いると
きは合成品の原料ポリマーを、限外濾過膜を用いて処理
するなどすれば、容易に実現することができる。
ー生成後の溶液を処理するときに用いるものと同様とす
ればよく、これについては後述する。具体的な操作とし
ては、限外濾過膜を用いて、ポリマー原料の1〜30wt
% 水溶液を、全量でこのポリマー原料の水溶液量の2〜
20倍量の水で1〜10回にわけて洗浄処理すればよ
く、これにより低分子量のものを除去することができ
る。すなわち、限外濾過膜を用いて処理して得られた濃
縮水から金属含有溶液に接触させるポリマーを得る。
いることが好ましく、このときの濃度は3〜80wt% 程
度とすればよい。従って、上記の濃縮水を用いて適宜希
釈するなどして得ることができる。
る金属は、S原子と親和性のある金属であれば特に制限
はなく、このような金属を含有する溶液が処理対象とな
る。具体的には、Hg(II)、Ag(I)、Cu(I
I)、Pb(II)、Cd(II)、Zn(II)、Ni(I
I)、Co(II)、Fe(II)、Fe(III) 、Mn(I
I)、Al(III) 、Sn(II)、Sn(IV)等の金属を
含有する溶液であり、一般には重金属を含有する溶液が
好ましい。特には、写真処理に用いられる水洗水や安定
化液等の廃液の処理を主目的とすることから、Ag
(I)を含有する溶液が好ましい。このほか、写真処理
に用いられる漂白液、定着液、漂白定着液、カラーリバ
ーサル用反転浴などの処理廃液に適用することもでき、
キレート剤で可溶化された鉄、さらにはアルミニウム、
スズ等を含有する溶液も対象とすることができる。
化液の廃液などの場合、後述のように、予めフィルター
により濾過するときには、濾過に先立っては、ポリマー
中の配位基数が銀に対して1〜100倍程度となるよう
にすればよく、濾過後のものに10〜1000倍、好ま
しくは50〜500倍となるようにさらに添加すればよ
い。
きには、銀に対してポリマー中の配位基数が50〜10
00倍、好ましくは50〜500倍となるようにポリマ
ーを添加すればよい。
カラーネガフィルム用定着液とカラーペーパー用漂白定
着液とにおいて、電解処理により液中の銀濃度を10mg
/lに調整した液に対し、市販のエポフロックL−1を添
加して銀の除去率とポリマー中の配位基との関係を調べ
て算出したものである。
様であり、金属の価数等に応じて適宜変更すればよい。
等の金属含有溶液に対しポリマーを接触させるには、ポ
リマーの水洗液を金属含有溶液に添加して攪拌するなど
すればよい。攪拌は1〜30分程度強く行えばよく、必
要に応じ30〜60℃程度に加温してもよい。この場合
60℃程度の温度であれば攪拌時間は1分より短かくて
もよく、例えば20秒程度であってもよい。また、金属
含有溶液に対するポリマー水溶液の混合比は、金属含有
溶液中に含有される金属量に依存するのが、一般に、容
量比で、ポリマー水溶液/金属含有溶液が1/10〜1
/100000、好ましくは1/10〜1/10000
とすればよい。
金属との反応が十分に進行した段階で濾過する。濾過
は、限外濾過膜による処理によって行うことが好まし
い。
反応によって得られるAg配位ポリマーの前記と同様の
浸透圧法によって求めた数平均分子量は80000〜3
00000程度であり、ポリマー1分子中の配位基の2
〜30%にAgが配位した状態となっている。ただし、
後述のように、予めフィルターにより濾過するときは、
フィルター濾過の段階で30〜100%、限外濾過膜に
よる処理の段階で0.2〜10%にAgが配位した状態
となっている。
リマーは不溶物ないしコロイド粒子のみならず溶解した
状態のものも限外濾過膜を透過せず、濃縮水として分離
される。
含有量は前記範囲となり、排出基準を満たすようにな
る。
モジュールを1段とし、液を膜に1回透過させて濃縮水
と濾過水とに分離する一過式で十分であるが、場合によ
っては多段一過式、1段ないし多段循環方式などとして
もよい。
に先立って、予め通常のフィルターによって濾過するこ
とが好ましい。これにより不溶物を予め除去することが
できるので、限外濾過膜の寿命が延び耐久性が向上す
る。また、メンテナンスおよびコスト面でも有利であ
る。この場合のフィルターは市販のものを用いることが
でき、例えばYC−25、YC−50、YC−100
(ユアサコーポレーション(株)製:いずれも平均孔径
0.4μm )などの市販品をそのまま用いることができ
る。そしてさらに、限外濾過膜による処理に先立ってポ
リマーの水溶液を添加することが好ましい。このときに
は、一部すでに例示したが、廃液中の銀量に対し、1/
6〜3モル程度のポリマー量とすればよい。濾過は前記
のようなフィルターのほか、No. 5A濾紙や1μm 程度
の孔径のフィルターを用いることができる。これにより
限外濾過膜の負荷がさらに減少する。
による直接測定法で求めた分画分子量が9000以上、
さらには9500〜50000であることが好ましい。
また電子顕微鏡による直接観察法で求めた平均孔径が
0.01〜0.8μm 、さらには0.03〜0.5μm
であり、1μm 以上、通常1〜5μm の孔径が全体の孔
数の0.015%以下、さらには0.008〜0.01
5%、通常0.01%の孔径分布をもつものであること
が好ましい。
いし孔径分布は、電子顕微鏡による直接測定法によって
求めたものであるが、まず平均孔径を次のようにして求
める。すなわち、限外濾過膜の平均孔径は電子顕微鏡に
より視野内の膜表面の孔サイズとその頻度とから平均孔
径を算出して決定する。通常、一番頻度の高い孔径の孔
を見い出し、これの孔径を計測してこれを平均孔径とす
る。また、これと同様にして孔径分布を求める。
めた孔径の孔の膜により約90%の排除率を示す分子量
の平均値から分画平均分子量を求めて決定する。具体的
には、孔径と分画平均分子量との関係を示すグラフから
求める。例えば、孔径が50〜100nmのときは分画分
子量が10000、孔径が0.15〜0.3μm のとき
は分画分子量30000、などとする。
2・day 程度のものが好ましい。
アクリロニトリルコポリマー、12−ナイロン、ポリ
(トランス−2,5−ジメチルピペラジンテレフタル酸
アミド)、ポリスルフォン、ポリフッ化ビニリデン、セ
ルロースないしその誘導体、ポリオレフィンなどの樹
脂、さらには表面改質多孔質炭素や多孔質ガラスないし
セラミックスなどがある。またモジュールは平面膜締付
け型、スパイラル巻き型、管型、中空糸型のいずれであ
ってもよい。
材質の中空糸型モジュールなどとすればよく、市販品を
そのまま用いることができる。このようなものとしては
DIAFLO、PM−10、YM−10、PM−30、
XM−50、XM−100A、XM−300、HIP1
0、HIP50、HIP100(Amicon製)、ACP−
0013、ACP−0053、AHP−0013、SL
P−0053(いずれも旭化成製のペンシル型モジュー
ル)、HFA、HFM−100、HFM−180(Abcor
製)などとして市販されているものがある。
に応じて、適宜選択すればよいが、通常1〜1000dm
2 程度とすればよい。また、操作圧は0.8〜20kg/c
m2、水洗水や安定化液等の廃液などの金属含有溶液の流
速は0.1〜10ml/cm2・分、好ましくは0.3〜5ml
/cm2・分とすればよい。
例えば水洗水や安定化液等における透過水中のAg濃度
を低下させることができ、Ag濃度を前記範囲のものと
することができる。一方、濃縮水は限外濾過膜を用いた
処理をせずそのまま回収する場合に比べ、液量が実質的
にゼロまで低減する。ただし、フィルターに沈澱物が付
着するので、これを回収する必要がある。しかし、この
ものは銀を含む高付加価値物であり、またスラッジ状態
であるので、回収業者に引渡すなどすればよい。その他
の金属含有溶液についても同様である。また、場合によ
っては焼却処分することもできる。
理での水洗水や安定化液等の洗浄液の廃液が好ましく用
いられるが、洗浄液を用いた洗浄処理工程について説明
する。
料の写真処理の化学反応工程後の感材中に含有される薬
液を洗浄することを指し、写真処理工程の中間部分の洗
浄処理工程と最終の洗浄処理工程とがあるがいずれの洗
浄処理工程も含まれる。具体的には、水洗処理、安定化
処理、リンス処理などと称される工程が包含される。
浴の薬液を洗い出す機能を有するために基本的には市
水、井戸水等の通常の水を用いるが、場合によって脱イ
オンした水や前浴を洗い出し易くするための機能を有す
る化合物や処理後感材の保存性を向上させる化合物、水
のバクテリア発生防止機能を有する化合物をわずか含ん
でもよい。
よい(通常水洗という)し、感材処理に応じて処理液補
充と同じレベルの水補充水洗(通常リンス浴水洗)でも
よい。
水洗も含めてもよい。
安定化液などともいう)を使う場合には例えば特開平2
−242249号(P4)の記載の化合物および添加量
が好ましい。この化合物をわずかに含んだ洗浄液は薬品
コストの観点で通常は処理液補充と同レベルの補充が好
ましい。
かな化合物としては特開平2−262141号記載のキ
レート剤も使用できる。
理とは、例えば補充量、処理時間、槽数にて次のような
関係にあることが好ましい。
て1.5倍以上、さらには2倍以上であることが好まし
い。また、処理時間は、水洗処理の方がリンス処理に比
べて1.5倍以上、さらには2倍以上であることが好ま
しい。さらに、リンス槽は1槽であることが好ましく、
これに対し水洗槽は2〜3槽であることが好ましい。
理では感光材料1m2当り400ml〜2000ml、さらに
は500ml〜1000mlが好ましく、リンス処理では感
光材料1m2当り200ml以下、さらには100ml以下が
好ましい。なお、安定化処理における補充量は感光材料
1m2当り1リットル以下が好ましい。
て記す。
は、上記のように、水道水や、イオン交換水を基本とす
るものである。
に、各種化合物を添加してもよい。例えばマグネシウム
塩やアルミニウム塩に代表される硬膜剤、あるいは乾燥
負荷やムラを防止するための界面活性剤、白色度を向上
させるための蛍光増白剤、保恒剤としての亜硫酸塩、等
である。あるいはL.E.ウェスト(West)、”ウォタ
ー・クォリティ・クリテリア(Water Quality Criteri
a)”フォトグラフィク・サイエンス・アンド・エンジ
ニアリング(Photo. Sci. and Eng.)、第9巻、No. 6
(1965)等に記載の化合物を添加してもよい。
ることができない画像の安定化機能を付与された液であ
り、そのために前記水洗水に加えられる成分の他に画像
安定化を果たす成分が添加されたものであり、「安定
液」ということもある。
ン、ビスマス塩、アンモニア水、アンモニウム塩等を添
加した液が挙げられる。
あるが、前浴からの持ち込みによってpH3〜9となるこ
ともある。また、水洗または安定化の温度は5℃〜40
℃、好ましくは10℃〜35℃である。必要に応じて、
水洗槽または安定化槽内にヒーター、温度コントローラ
ー、循環ポンプ、フィルター、浮きブタ、スクイジー等
を設けてもよい。
る。
652号等の記載を参照することができる。
洗水や安定化液等の洗浄液の廃液のほか、Snを含有す
るカラーリバーサル用の反転浴、Alを含有する定着
液、Feを含有する漂白液ないし漂白定着液等が挙げら
れる。
する。
ースーパーHG400を用い、同社製のカラーネガ用自
現機FNCP−600IIを使用して、表1の処理工程に
従い、1日当りの処理量100本で2ケ月間ランニング
処理を行った。このときの処理剤は、富士写真フイルム
(株)製カラーネガ用処理剤CN−16Xを用いた。こ
のなかで、水洗水は、水道水である。
着液の持込量は感材1m2当り54mlである。
化液のオーバーフロー液を廃液としてすべて集めた。こ
の液量は感材100本当り87リットルであった。この
液中のAg量は14ppm であり、回収の必要があった。
これを処理1Aとする。なお、液中のAg量は原子吸光
法やイオン対クロマトグラフィー法によって求めた。
ーバーフロー液に対し、エポフロックL−1(ミヨシ樹
脂製)を用いた処理をするほかは同様に処理した。エポ
フロックL−1は市販の原液1リットルに水を加えて2
0リットルとしたエポフロック溶液B(5wt% 水溶液)
を、オーバーフロー液1リットルに対して200リット
ルの割合で加え、40℃に加温しながら8分間攪拌し
た。このものをYC−25(有効膜面積25m2:(株)
ユアサコーポレーション製)を用いて濾過し不溶物を除
去した。この濾液1リットルに対し、エポフロック溶液
Bを0.1リットルの割合で加え、40℃に加温しなが
ら8分間攪拌した。このものを限外濾過膜(SLP−0
053;旭化成製のペンシル型モジュール:分画分子量
10000:平均孔径0.45μm ;1μm 以上の孔径
の占める割合0.01%:ポリスルフォン中空糸膜:透
過量50m3/m2・day :有効膜面積150cm2 )を用い、
操作圧1kg/cm2、液の流速1.4ml/cm2・分の条件で一
過式で処理した。これにより透過水と濃縮水を得た。な
お、エポフロック溶液B中のポリマーは配位基としてジ
チオカルバミン酸基とチオール基とを有する水溶性ポリ
マーであり、これらの配位基数がAgに対して300倍
となるようにポリマーを含有させた。またポリマーの数
平均分子量は100000で、30000以下の分子量
のものの全体に占める割合は15wt% であった。
た透過水中のAg量は4.3ppm であり、そのまま下水
道に排出することはできなかった。また透過水は黄色味
を帯びており、エポフロックL−1に由来する着色と考
えられる。
かわりに、エポフロック溶液Bに対し、予め限外濾過膜
を用いた洗浄処理を施して低分子量のポリマーを除去し
たエポフロック溶液Cを用いるほかは同様に処理した。
これを処理1Cとする。
濾過膜は処理1Bに用いたものと同様とした。洗浄処理
は、エポフロック溶液Bの液量の10〜20倍量の水を
用い、これを5〜10回にわけて添加しながら処理1B
と同様の操作圧、流速として行った。エポフロック溶液
C中のポリマーの数平均分子量は130000であり、
30000以下の分子量のものの全体に占める割合は
0.003wt% である。また、エポフロック溶液C中の
ポリマー含有量は、ポリマー中の配位基数のAgに対す
る割合がエポフロック溶液Bと同様となるようにし、5
wt% 水溶液として用いた。
0.03ppm であり、そのまま下水道に排出することが
できた。なお、透過水は透明であった。また、濃縮水に
由来する廃液量は実質上0となり、濃縮水に由来するス
ラッジをそのまま回収業者に引渡した。
水や安定化液等の洗浄液の廃液における銀濃度を低下さ
せ、下水道への排出基準を満たすことが可能であるな
ど、液中の金属濃度を低下させることができる。従っ
て、廃液回収に要するコストを低減することができる。
との関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 金属に配位可能なS原子を有するポリマ
ーであって、浸透圧法で求めた数平均分子量が5000
0以上で、30000以下の分子量のものが全体の0.
01wt% 以下の分子量分布をもつポリマーを、金属含有
溶液に接触させたのち濾過処理を施し液中の金属濃度を
低下させる金属含有溶液の処理方法。 - 【請求項2】 前記濾過処理を電子顕微鏡による直接測
定法で求めた分画分子量が9000以上の限外濾過膜を
用いて施す請求項1の金属含有溶液の処理方法。 - 【請求項3】 前記限外濾過膜の電子顕微鏡による直接
測定法で求めた平均孔径が0.01〜0.8μm であ
り、1μm 以上の孔径が全体の孔数の0.015%以下
の孔径分布をもつ請求項2の金属含有溶液の処理方法。 - 【請求項4】 前記金属含有溶液が写真処理に用いられ
た、銀を含有する洗浄液であり、前記濾過処理後の前記
洗浄液に含有される銀量が0.1ppm 以下である請求項
1ないし3のいずれかの金属含有溶液の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23894593A JP3310732B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 金属含有溶液の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP23894593A JP3310732B2 (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | 金属含有溶液の処理方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0760243A JPH0760243A (ja) | 1995-03-07 |
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US6146747A (en) * | 1997-01-22 | 2000-11-14 | Usf Filtration And Separations Group Inc. | Highly porous polyvinylidene difluoride membranes |
-
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- 1993-08-31 JP JP23894593A patent/JP3310732B2/ja not_active Expired - Fee Related
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