JPH07247310A - プロピレンブロック共重合体の製造法 - Google Patents

プロピレンブロック共重合体の製造法

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JPH07247310A
JPH07247310A JP3851694A JP3851694A JPH07247310A JP H07247310 A JPH07247310 A JP H07247310A JP 3851694 A JP3851694 A JP 3851694A JP 3851694 A JP3851694 A JP 3851694A JP H07247310 A JPH07247310 A JP H07247310A
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JP
Japan
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propylene
polymerization
hydrocarbon group
block copolymer
stage
Prior art date
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JP3851694A
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English (en)
Inventor
Harumi Watanabe
春美 渡辺
Akio Fujiwara
昭夫 藤原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Polymerization Catalysts (AREA)
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 気相重合を用いて、剛性と低温耐衝撃性のバ
ランスに優れたプロピレンブロック共重合体を安定に高
効率にて製造する。 【構成】 (A)固体触媒成分、(B)有機アルミニウ
ム化合物、(C)特定のアルコキシシラン化合物成る触
媒系を用いて、まず前段重合にて特定温度条件下プロピ
レン単独重合体を製造し、引続き後段重合にて、(D)
(C)とは異なる特定のメトキシシラン、及び(E)ア
ルコールを更に添加し、前段重合温度より少なくとも2
0℃低い温度条件で、エチレン含有量が5〜30重量%
のプロピレンエチレン共重合体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロピレンブロック共
重合体の製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、気相重合装置を用い、プロピレンブロック共重合体
を製造する場合において、高収率でしかも操作上のトラ
ブルもなく、低温耐衝撃性、及び剛性のバランスに優れ
た共重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マグネシウム、チタン、ハロゲン
および電子供与体成分を必須成分とする固体触媒成分、
有機アルミニウム成分及びアルコキシシランからなる触
媒を用いて、プロピレンと他のα−オレフィンを用いて
多段に重合させ、プロピレンブロック共重合体を製造す
ることはよく知られている。また、近年溶媒の回収工程
及び精製工程が不要で、モノマーの回収、重合体パウダ
ーの乾燥が容易等の利点から気相重合方法が積極的に採
用されている。
【0003】しかしながら、この触媒系を利用し、気相
重合装置にてプロピレンブロック共重合体、特に高ゴム
成分を有するプロピレンブロック共重合体を高収率で製
造しようとした場合には、後段でのプロピレンとエチレ
ンの共重合において重合体粒子の粘着性が増大し塊状物
が生成する、共重合体の分子量が高くできない等の問題
が発生し、高性能なブロック共重合体を安定に製造でき
ない等の問題点が確認された。
【0004】この問題を解決する方法として、前段にて
少なくとも1つの脂環式炭化水素基を有するアルコキシ
シランを用いてプロピレン単独重合体を製造し、引続き
後段の共重合において少なくとも1つの芳香族炭化水素
基を有するアルコキシシランを添加する方法(特開平5
−9237号公報)が提案されている。一方、その重合
方法に関する限定はないものの、プロピレン単独重合体
製造時には炭素数1〜3の低級脂肪族炭化水素基を有す
るアルコキシシランを用いて重合し、次いでシクロペン
チル基又はtert−ブチル基を有するアルコキシシランを
添加してプロピレンとエチレンとの共重合を行うことに
より共重合体のうちゴム状成分の分子量を増大させる方
法が提案されている。(特開平5−170843号公
報) また、本発明者らも、既に撹拌流動層を有した気相重合
装置を用いてプロピレンブロック共重合体を高収率に製
造する方法として、プロピレンとエチレンとの共重合を
実施する後段階において、アルコールと特定の金属アル
コキシ化合物を組合せて添加することにより、比較的ゴ
ム状成分が多い条件においてでもさえ安定に連続生産で
き、且つ得られるブロック共重合体が非常に優れた性能
を有していることを見出している。(特開平4−285
619号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、更に耐
衝撃性特に低温時の耐衝撃性と剛性とのバランスに優れ
たプロピレンブロック共重合体を気相重合装置を用いて
連続して、安定に生産できる方法の開発が望まれてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の技
術(特開平4−285619号公報)をベースに更に鋭
意検討を重ねた結果、特定の触媒を用い、特定の重合温
度以上にて前段のプロピレン単独重合を行い、更に後段
のプロピレンとエチレンの共重合を前段の重合温度より
も少なくとも20℃低い温度にて実施するとともに、後
段の共重合時に添加する金属アルコキシ化合物として、
特定の炭化水素基を有するメトキシシランを利用するこ
とにより、更に少量のアルコールを同時に添加すること
により、低温耐衝撃性と剛性のバランスに優れた高性能
プロピレンブロック共重合体が安定に連続して製造でき
ることを見出した。
【0007】すなわち本発明は、(A)その成分として
少なくともMg、Cl、芳香族カルボン酸エステル、及
びTiを含む固体触媒成分、(B)有機アルミニウム化
合物、(C)一般式 R1 S 2 t Si(OR3)4-(s+t) (式中R1 は芳香族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基
を表わし、R2 及びR3は炭素数1〜3の直鎖状炭化水
素基を表わし、sは0<s≦2、tは0≦t≦2、及び
s+tが1又は2である関係を満たす数である。)で表
わされるアルコキシシラン化合物、からなる触媒を用
い、気相重合法にてプロピレンブロック共重合体を製造
する方法において、前段階でプロピレンの単独重合体も
しくはプロピレンと少量の他のα−オレフィンとの共重
合体を80℃を超える温度にて重合し、次いで後段階に
おいて、前段重合温度よりも少なくとも20℃低い温度
にて、該重合体の存在下にプロピレンとエチレンとを共
重合し、最終生成物であるプロピレンブロック共重合体
に含まれるエチレン含有量が5〜30重量%になるよう
重合させ、その際後段階における重合に際して、前段に
添加した(B)成分中のアルミニウム1g原子当り、前
段で使用したアルコキシシラン化合物(C)とは異な
る、(D)一般式 R4 x 5 (2-x) Si(OCH3)2 (式中R4 は分岐鎖状炭化水素基、又は脂環式炭化水素
基を表わし、R5 は炭素数1〜3の直鎖状炭化水素基を
表わし、xは0<x≦2の関係を満たす数である。)で
示されるメトキシシラン化合物を0.01〜1.0モル
の範囲で、更に(E)アルコールを0.01から1.0
モルの範囲で添加することを特徴とするプロピレンブロ
ック共重合体の製造法に関する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる(A)その成分として少なくともMg、C
l、芳香族カルボン酸エステル及びTiを含む固体触媒
成分は、例えばマグネシウム化合物、チタン化合物、ハ
ロゲン化剤及び芳香族カルボン酸エステルを任意の順序
で反応させることによって製造することができる。具体
的方法としては、活性化されたハロゲン化マグネシウム
とチタン化合物及び芳香族カルボン酸エステルを同時に
または段階的に共粉砕する方法、均一状態にあるマグネ
シウム化合物に芳香族カルボン酸エステル又は他の電子
供与体の存在下又は不存在下に、ハロゲン化剤、又は還
元剤を作用させることによって得られた析出物に、チタ
ン化合物を必要に応じて芳香族カルボン酸エステルの存
在下に接触させる方法等が利用できる。
【0009】本発明において、特に好ましい固体触媒成
分の製造方法としては、炭化水素溶媒に可溶な有機マグ
ネシウム成分またはヒドロカルビルオキシマグネシウム
化合物と、H−Si結合を有するクロルシラン化合物と
を反応させることによって得られる有機基含有マグネシ
ウム化合物に、チタン化合物及び芳香族カルボン酸エス
テルとを接触させる方法であり、より詳細には、特公昭
60−11924号、特開平1−213311号、特開
平1−259003号、特開平2−28201号、特開
平2−138312号、特開平2−138313号、特
開平4−23811号、特開平4−216804号各公
報記載の方法等が参照できる。
【0010】これら触媒成分(A)の製造方法の一例を
以下に説明する。炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウ
ム成分としては、例えば、 一般式、(M)i (Mg)j (R6 p (R7 q (O
8 r (式中、Mは、周期律表第I族、第II族ないし第II
I族に属する金属原子、R6 、R7 及びR8 は炭素数2
〜20の炭化水素基であり、i,j,p,q及びrは次
の関係を満たす数である。)0 ≦i, 0 <j, 0 ≦
p, 0 ≦q,0 <r, ki+2 j=p+q+r(た
だしkはMの原子価)で表される、炭化水素溶媒に可溶
なアルコキシ基を含有する有機マグネシウムの錯化合物
を利用することができる。この錯化合物は、炭化水素溶
媒に可溶なアルコキシ基を含有する有機マグネシウムの
錯化合物であり、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウ
ム錯化合物と上記R8 で表される炭化水素基を有するア
ルコールとを反応させる方法または炭化水素溶媒に可溶
な有機マグネシウム錯化合物と炭化水素溶媒に可溶な上
記R8 で表される炭化水素基を有するヒドロカルビルオ
キシマグネシウム化合物と混合する方法により調製でき
る。
【0011】該アルコキシ基含有有機マグネシウム錯化
合物を調製する際に用いられる炭化水素溶媒に可溶な有
機マグネシウム錯化合物について説明する。 一般式、(M)i (Mg)j (R6 p (R7 q 、 で表される炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム錯化
合物におけるR6 ないしR7 で表わされる炭化水素基
は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリル基であ
り、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ア
ミル、ヘキシル、デシル、シクロヘキシル、フェニル基
等が挙げられ、好ましくはR6 はアルキル基である。
【0012】i>0の場合、金属原子Mとしては、周期
律表第I族ないし第III族に属する金属元素が使用で
き、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリ
リウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム等が挙げられる
が、特にアルミニウム、亜鉛が好ましい。金属原子Mに
対するマグネシウムの比j/iは、任意に設定可能であ
るが、好ましくは0.1 〜30、特に1〜20の範囲が
好ましい。
【0013】記号i、j、p、qの関係は式p+q=k
i+2jで示され、金属原子の原子価と置換基との化学
量論性を示している。これらの有機マグネシウム化合物
もしくは有機マグネシウム錯体は、一般式、R6 2Mg
(R6 は、前述の意味である)で示される有機マグネシ
ウム化合物と、一般式、MR7 k またはMR7 k-1
(M、R7 、kは前述の意味である。)で示される有機
金属化合物とを、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン等の不活性炭化水素媒体中、室
温〜150℃の間で反応させることにより得られる。
【0014】また、i=0でもある種の有機マグネシウ
ム化合物を用いる場合、例えばR6がsec-ブチル等であ
り、かつR8 が2の位置に側鎖を有するアルキル基の場
合は炭化水素溶媒に可溶であり、このような化合物も本
発明に用いて好ましい結果を与える。本発明に用いる、 一般式 、(M) i (Mg)j (R6 p (R7 )
q (OR8 )r 、 において、i=0の場合のR6 、R7 の関係及びアルコ
キシ基であるOR8 について以下に示す。まずi=0の
場合のR6 とR7 の関係については、次に示す三つの群
(1)、(2)、(3)のいずれか一つであることが推
奨される。
【0015】(1)R6 、R7 の少なくとも一方が炭素
原子数4〜6である二級または三級のアルキル基である
こと、好ましくはR6 、R7 がともに炭素原子数4〜6
であり、少なくとも一方が二級または三級のアルキル基
であること。 (2)R6 とR7 とが炭素原子数の互いに相異なるアル
キル基であること、好ましくはR6 が炭素原子数2また
は3のアルキル基であり、R7 が炭素原子数4以上のア
ルキル基であること。
【0016】(3)R6 、R7 の少なくとも一方が炭素
原子数6以上の炭化水素基であること、好ましくは、R
6 、R7 が共に炭素原子数6以上のアルキル基であるこ
と。以下、これらの基を具体的に示す。(1) において
炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基と
してはsec-ブチル、tert- ブチル、2-メチルブチル、2-
エチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルペン
チル、2-エチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2-メチル
-2- エチルプロピル等が用いられ、sec-ブチルが特に好
ましい。
【0017】次に、(2) において炭素原子数2または
3のアルキル基としてはエチル基、プロピル基が挙げら
れ、エチル基は特に好ましい。また炭素原子数4以上の
アルキル基としては、ブチル基、アミル基、ヘキシル
基、オクチル基等が挙げられ、ブチル基、ヘキシル基が
特に好ましい。(3) において炭素原子数6以上のアル
キル基としては、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
フェニル基等が挙げられ、アルキル基である方が好まし
く、ヘキシル基が特に好ましい。
【0018】一般にアルキル基の炭素原子数を増すと炭
化水素溶媒に溶けやすくなるが、溶液の粘性が高くなる
傾向であり、必要以上に長鎖のアルキル基を用いること
は取扱上好ましくない。つぎに本発明に用いる有機マグ
ネシウム成分に含まれるアルコキシ基(OR8)につい
て説明する。R8 で表される炭化水素基としては、炭素
原子数3〜10のアルキル基またはアリル基が好まし
い。具体的には、たとえば、n-プロピル、n-ブチル、se
c-プロピル、sec-ブチル、tert- ブチル、アミル、2-メ
チルペンチル、2-エチルヘキシル、オクチル、デシル、
フェニル基等が挙げられる。
【0019】炭化水素に可溶な有機マグネシウム成分と
アルコールとの反応については、反応を不活性反応媒
体、例えば、ヘキサン、ヘプタンの如き脂肪族炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式
炭化水素あるいはこれらの混合溶媒中で行なうことがで
きる。反応順序については、有機マグネシウム成分中に
アルコールを加えてゆく方法、アルコール中に有機マグ
ネシウム成分を加えてゆく方法、又は両者を同時に加え
てゆく方法のいずれの方法も用いることができる。炭化
水素に可溶な有機マグネシウム成分とアルコールとの反
応比率については、0.5<r/(i+j)<2.0の
範囲であることが好ましい。この比が0.5以下では得
られる触媒の活性が充分でなく、得られる重合体の立体
規則性も充分でない。更にこの比が2.0以上の場合に
は固体触媒の粒形が悪くブロック共重合体を製造する気
相重合には利用しづらい。
【0020】次に、H−Si結合を有するクロルシラン
化合物としては、HSiCl3 、HSiCl2 CH3
HSiCl2 2 5 、HSiCl2n- C3 7 、HS
iCl2iso−C3 7 、 HSiCl2 n−C4 9 、H
SiCl2 6 5 、HSiCl2 )4−Cl−C6
4 )、HSiCl2 CH=CH2 、SiCl2 CH2
6 5 、HSiCl2 (1−C107 )、HSiCl2
CH2 CH=CH2 、H2 SiClCH3 、H2 SiC
lC2 5 、HSiCl( CH3 2 、HSiCl(C
2 5 2 、HSiClCH3 (iso-C3 7 )、HS
iClCH3 (C6 5)、HSiCl(C6 5 2
が挙げられ、これらの化合物及びこれらの化合物から選
ばれた化合物との混合物からなるクロルシラン化合物が
利用でき、トリクロルシラン、モノメチルジクロルシラ
ン、ジメチルクロルシラン、エチルジクロルシラン等が
好ましく、特にトリクロルシラン、モノメチルジクロル
シランが好ましい。
【0021】次に、炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシ
ウム成分とクロルシラン化合物との反応について説明す
る。反応に際してはクロルシラン化合物を予め不活性反
応媒体、例えば、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環
式炭化水素、あるいは、1,2-ジクロルエタン、o-ジクロ
ルベンゼン、ジクロルメタン等の塩素化炭化水素、ある
いはこれらの混合媒体を用いて希釈した後利用すること
が好ましい。
【0022】反応の温度については特に制限されない
が、反応を促進する上で40℃以上、反応媒体の沸点未
満の範囲が好ましい。上記反応によって得られた固体成
分の組成、及びその構造は、出発原料の種類、反応の条
件により変化するが、組成分析の結果から固体成分1g
当り、約0.1〜1.5ミリモルのMg−C結合を有す
るか、又は約0.1〜1.5ミリモルのMg−C結合及
び約0.5〜3.0ミリモルのアルコキシ基を有する有
機基含有マグネシウム化合物であると推定される。
【0023】固体触媒成分の製造に利用できるチタン化
合物としては、例えば、四塩化チタン、四臭化チタン、
四ヨウ化チタン、エトキシチタントリクロリド、プロポ
キシチタントリクロリド、ブトキシチタントリクロリ
ド、ジブトキシチタンジクロリド、トリブトキシチタン
クロリド等が挙げられ、特に好ましくは四塩化チタンで
ある。
【0024】芳香族カルボン酸エステルの例としては、
例えば、安息香酸、P-トルイル酸、P-アニス酸等のモノ
カルボン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル等のエ
ステル、及びフタル酸ジメチル、ジエチル、ジn-プロピ
ル、ジiso-プロピル、ジn-ブチル、ジiso-ブチル、ジn-
ヘプチル、ジ2-エチルヘキシル、ジオクチル等のジカル
ボン酸ジエステルが挙げられる。又これらの芳香族カル
ボン酸エステルは単独でも又は混合して用いてもよい。
【0025】本発明における固体触媒成分(A)を調製
する方法としては、前述の特許公報記載の方法が利用で
きるが、例えば(I) 該固体成分、チタン化合物、及び
芳香族カルボン酸エステルとを同時に接触させる方法、
(II)まず任意の二者を接触させた後、残りの成分を
接触させる方法、(III) 該固体成分、チタン化合
物、及び芳香族カルボン酸エステルとを同時に接触さ
せ、更にチタン化合物と接触させる方法等が利用でき
る。又、接触手段としては、液相又は気相下で接触させ
る方法、液相又は気相での接触と粉砕とを組合せて接触
させる方法等のいずれの手段も用いることができる。得
られた固体触媒成分(A)の組成、及びその構造につい
ては、出発原料の種類、接触条件によって変化するが、
組成分析値から固体触媒中におよそ1〜10重量%のチ
タンを含んだ比表面積50〜300m2/gなる固体触
媒である。
【0026】本発明に用いられる(B)有機アルミニウ
ム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘ
キシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミ
ニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライ
ドなどのアルキルアルミニウムハライド、更には、ジエ
チルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウム
ブトキサイド、ジエチルアルミニウムフェノキサイドな
どのアルキルアルミニウムアルコキサイドが利用でき、
これらの混合物も利用できる。
【0027】又、本発明に利用できる(C)一般式、R
1 S 2 t Si(OR3 4-(s+t)(式中R1 、R2
3 、s、及びtは前述のとおりである。)としては、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、シクロヘキシルトリメトキシシランなどのトリア
ルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキ
シシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシク
ロペンチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキ
シシラン、ビスp−トリルジメトキシシラン等のジアル
コキシシランが利用できるが、中でも、特に芳香族炭化
水素基を有するトリアルコキシシラン及びジアルコキシ
シランが好ましい。またこれらを併用して用いてもよ
い。
【0028】本発明における各触媒成分(A)、
(B)、及び(C)の使用量としては、例えば、固体触
媒成分(A)1gに対して、(B)は(B)中のアルミ
ニウム原子に換算して1〜1000ミリモル、好ましく
は10〜500ミリモル、更に好ましくは、50〜30
0の範囲であり、また、(C)は(C)中のケイ素原子
に換算して0.01〜1000ミリモル、好ましくは1
〜500ミリモル、更に好ましくは10〜150の範囲
で用いることが好ましい。また、(B)と(C)との比
率としては、50:1から1:1の範囲で用いることが
好ましい。
【0029】これら各触媒成分(A)、(B)、及び
(C)は、重合時に三者を接触させて用いてもよいし、
また、重合前にあらかじめ接触させて用いてもよい。接
触においては不活性ガス雰囲気下あるいはオレフィン雰
囲気下であってもよい。また、本発明のプロピレンブロ
ック共重合体の製造に先立ち、これら触媒成分の存在下
に以下に示すような予備重合を行なうこともできる。予
備重合に用いることのできるオレフィンとしては、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、ビニルシクロヘキサン等が好ましく利用できる。
【0030】予備重合は、前記の不活性媒体や液体状の
オレフィンの存在下に行なっても良く、実質的に溶媒の
存在しない状態でもよいが、温和な条件にて実施するこ
とが好ましい。重合温度としては0〜50℃、好ましく
は10〜30℃の温度であることが好ましく、固体触媒
成分の濃度としては1〜100g/Lの範囲、好ましく
は10〜60g/Lの濃度で重合することが好ましい。
【0031】また、前記有機アルミニウム化合物(B)
を固体触媒成分中のTi原子当り1〜20(モル比)、
好ましくは1〜5(モル比)の範囲で、前記アルコキシ
シラン化合物(C)を0.1〜10(モル比)、好まし
くは0.5〜3の範囲で使用して固体触媒1g当り1〜
50g、好ましくは1〜30gのオレフィンを予備重合
することが好ましい。
【0032】プロピレンブロック共重合体を製造する
際、プロピレンとエチレンとの共重合体を製造する後段
重合に添加する(D)一般式、 R4 x 5 (1-x) Si(OCH3 2 (式中R4 、R5 、xは前述のとおりである。)で示さ
れるメトキシシラン化合物の例としては、ジイソプロピ
ルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、
イソブチルイソプロピルジメトキシシラン、ジsec-ブチ
ルジメトキシシラン、ジtert- ブチルジメトキシシラ
ン、tert−ブチルメチルジメトキシシラン、tert−ブチ
ルエチルジメトキシシラン、tert−ブチルn-プロピルジ
メトキシシラン、tert−ブチルイソプロピルジメトキシ
シラン、tert−ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキ
シルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソプロ
ピルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシ
ラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン等が利用で
き、特にジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチ
ルジメトキシシラン、イソブチルイソプロピルジメトキ
シシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、tert
−ブチルn-プロピルジメトキシシラン等の分岐鎖状炭化
水素基を有するメトキシシランが好ましい。本発明にお
いては前段重合において使用するアルコキシシラン化合
物(C)と上述のメトキシシラン化合物とは相異なるこ
とが重要であり、例えば前段重合において脂環式炭化水
素基を有するメトキシシランを用いた場合には、後段の
プロピレンとエチレンの共重合において更に添加するメ
トキシシラン化合物としては分岐鎖状炭化水素基を有す
るメトキシシラン化合物の中から選択される。その添加
量としては前段重合に使用する有機アルミニウム化合物
(B)中のアルミニウム1g原子に対して0.01〜1
モルの範囲、好ましくは0.1〜0.5の範囲が好まし
い。この範囲を外れる場合には剛性及び低温耐衝撃性が
ともに低下し、好ましくない。
【0033】プロピレンとエチレンとの共重合体を製造
する後段重合において、更にアルコール(E)を添加す
ることにより、更に安定に連続して高性能なプロピレン
ブロック共重合体を製造することができる。利用するア
ルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチル
アルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、sec −ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、イソアミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、
シクロヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、
2−エチルヘキシルアルコール、ステアリルアルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、等の脂肪族アルコールを用いることができ、特
に好ましくは、炭素数2〜8の脂肪族アルコールであ
る。添加量としては、重合に使用する有機アルミニウム
化合物(B)中のアルミニウム1g原子に対して、アル
コール(E)が0.01から2.0モル、好ましくは
0.05から1.5モルの範囲である。上記に示した範
囲よりも少ない場合には、その剛性の改善効果が充分で
はなく、また上記範囲よりも多い場合には、経済的でな
いばかりか、後段重合での活性低下が著しく連続して重
合を継続することが不可能になり好ましくない。
【0034】本発明に利用する気相重合装置としては、
流動床を有するタイプ、撹拌機を有するタイプ、横型、
縦型のいずれの方式のものも利用できるが、特に撹拌流
動層を有するタイプを利用することが好ましい。使用す
る撹拌流動層を有する気相重合装置としては、種々のタ
イプのものが利用できるが、特に好ましくは、ヘリカル
型の撹拌翼を有し、その中心でのフルード数が1〜3の
条件で動かされている微粒状重合体からなる撹拌床を有
し、プロピレンまたはプロピレン及びエチレンを含む他
のα−オレフィンからなる混合物を連続的又は間欠的に
重合帯域に供給し、触媒の各成分を重合帯域に供給する
ことにより重合を開始し、得られた重合体は連続的又は
間欠的に重合帯域から取り出されることを基本的構成要
件とする気相重合装置が利用できる。
【0035】この種の方法は、米国特許4012573
号、4330645号、4442271号、及び英国特
許第1032945号各明細書に記載の方法及びその実
施例が参照できる。その重合方法としては、プロピレン
またはプロピレン及び少量の他のα−オレフィンからな
る混合物を連続的に重合槽に供給し、重合により生じる
重合熱を除去するとともに、重合によって消費されたプ
ロピレン又はプロピレン及び他のα−オレフィンを補充
すること、また未反応のプロピレン又はプロピレン及び
他のα−オレフィンからなる混合物は重合槽から取り出
し液化し、再び液状で重合槽に供給されること、更に得
られた重合体は連続的又は間欠的に重合槽から取り出さ
れ後段重合槽へ送られ更に重合を継続することからなる
方法が用いられる。
【0036】また、前段と後段との間に、抜出された微
粉状重合体パウダーから同伴するガスを除去する工程、
同伴ガスを除去された微粉状重合体パウダーを再度加圧
する工程、及び加圧された微粉状重合体パウダーを後段
重合槽に導入する工程を設けてもよい。より具体的には
本発明者らが先に出願した特願平5−261999号に
記載した方法が利用できる。
【0037】また必要に応じて、前段及び後段でのプロ
ピレン重合体もしくは共重合体の製造は、更にそれぞれ
2段階以上に分けて多段に実施することができ、その際
各段の重合条件は、上記範囲内で任意に設定することが
できる。前段においては、その重合温度としては例え
ば、80℃を超え95℃未満の温度で、重合圧力として
17〜35kg/cm2 の条件で、重合体の平均滞留時
間が1.5〜4時間の条件にてプロピレン単独重合体ま
たは他のαーオレフィン、(例えばエチレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
デセン)の含有量が1重量%未満であるプロピレンと他
のαーオレフィンとの共重合体を製造する。前段のプロ
ピレン単独重合時の重合温度が80℃よりも低い場合は
剛性が低下し好ましくない。得られた重合体は引続き後
段に移され、更に重合を継続する。この際、例えば前段
に対して少なくとも7kg/cm2 低い圧力で、重合温
度としては前段重合温度よりも少なくとも20℃低く、
且つ35℃よりも高い温度条件でプロピレンとエチレン
との共重合体を製造する。
【0038】又本発明においてはプロピレンとエチレン
との共重合を行なう際に少量の他のαーオレフィン、例
えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン等を共存させ重合させてもよい。そ
の添加量としては、最終得られるブロック共重合体中で
の比率が1mol%を超えない範囲で添加できる。プロ
ピレン単独重合を行なう前段重合温度とプロピレンとエ
チレンの共重合を行なう後段重合温度との差が20℃未
満の場合には、剛性、及び低温耐衝撃性の改善が充分で
なく、又高ゴム成分を含む共重合体を製造する場合には
重合槽内でのべたつきが増大し、安定して連続生産が難
しく、35℃未満の温度では経済的でないばかりか、重
合を制御することが難しく本発明の効果が得られない。
また、前段にて重合した微粉状重合体を後段へ移送する
際に該微粉状重合体と同伴するガスを除去する工程、同
伴ガスを除去された微粉状重合体を加圧する工程、及び
加圧された微粉状重合体を後段重合槽に導入する工程を
設けてもよい。より具体的には本発明者らが先に出願し
た特願平5−261999号に記載した方法が利用でき
る。
【0039】後段にフィードされるプロピレンとエチレ
ンとの比率としては、後段重合でのプロピレンとエチレ
ンの分圧比が例えば、100:10から100:150
の範囲で共重合段で生成するプロピレン−エチレン共重
合体中のエチレン含有量が35〜60wt%の範囲にな
るように目的に応じて選択される。また、後段では、最
終生成物であるプロピレンブロック共重合体に含まれる
エチレン含有量が5〜30重量%、好ましくは5〜15
重量%になるように重合圧力及び滞留時間が調節され
る。前段と後段での重合体の生成比率としては、その重
量比で例えば、100:10から100:200の範囲
であり、特に100:15から100:150の範囲が
好んで用いられる。
【0040】必要に応じて、前段及び後段でのプロピレ
ン重合体もしくは共重合体の製造は、更にそれぞれ2段
階以上に分けて実施することができ、その際各段の重合
条件は上記範囲内で任意に設定することができる。この
種の方法は、米国特許4012573号、433064
5号、4442271号、及び英国特許第103294
5号各明細書に記載の方法及びその実施例が参照でき
る。
【0041】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、実施
例中で用いる各測定値は、以下に示す方法に準じ測定し
たものである。 MFI: ASTM D−1238 エチレン含有量: 赤外吸収スペクトルにより決定し
た。
【0042】射出成形品の物性:得られた共重合体粉末
を押出機によりペレット化し、250℃の条件で射出成
形したものを用いて評価した。尚、造粒に際しては、添
加剤としてP−EPQ(サンド社製)を0.05重量
%、ステアリン酸カルシウムを0.1重量%、を加えて
実施した。
【0043】曲げ弾性率: ASTM D−790 IZOD値: ASTM D−256(ノッチ付き)
−20℃
【0044】
【実施例1】 [固体触媒の調製] (I)アルコキシ基含有有機マグネシウム成分の合成:
予めトリエチルアルミニウムとジブチルマグネシウムよ
り合成した組成式、 AlMg6 (C2 5 3 (n-C4 9 12、 で示される有機マグネシウム錯体成分250ミリモル
(マグネシウム基準で)を含むn-ヘプタン溶液を充分に
窒素置換された1リットルのフラスコに入れ、氷浴中で
冷却し攪拌しながら、滴下ロートより、n-ブチルアルコ
ール27.4cc(300ミリモル) をゆっくりと1時
間かけて滴下し反応させ、更に室温にて攪拌下1時間反
応させた。比較的粘調な無色透明な溶液が得られ、分析
したところ、溶液中にはMg1モル当り、n-ブトキシ基
1.20モル含まれており、マグネシウム濃度として
1.0モル/リットルであった。 (II)クロルシラン化合物との反応によるマグネシウ
ム含有固体の合成:充分に窒素置換された1リットルの
フラスコに、トリクロルシランを1mol/リットルの
n-ヘプタン溶液として500ミリモルを仕込み、攪拌し
ながら65℃に保ち、上記アルコキシ基含有有機マグネ
シウム成分のn-ヘプタン溶液を全量1時間かけて加え、
更に65℃にて1時間攪拌下反応させた。生成した白色
固体を濾別し、n-ヘキサンにて充分に洗浄し乾燥するこ
とにより、白色固体(A)29.5gを得た。この固体
物質を分析した結果、固体1g中、Mg7.45ミリモ
ル、CL14.2ミリモル、ブトキシ基2.66ミリモ
ルを含有しており、BET法で測定した比表面積は12
3m2 /gであった。 (III)固体触媒成分の合成:(II)で得られた固
体成分10gを入れた、充分に窒素置換された500c
cのフラスコに、四塩化チタン20cc及びトルエン2
00ccを加え、更にフタル酸ジ- nブチル2.00c
c(7.5ミリモル)を加えて室温にて撹拌下1時間接
触させた。接触後上澄みを除去し、更に四塩化チタン8
0ccを加え昇温し、120℃の温度で更に3時間接触
させた。反応終了後固体を熱濾過にて分離し、100℃
に加熱されたトルエン200ccと3回接触させ、更に
n- ヘキサンにて洗浄後、n- ヘキサンスラリーとして
固体成分(B−1)とした。この一部を採取して分析し
たところ、固体成分中のTi含量は1.7重量%であっ
た。
【0045】[重合]微粉状ポリプロピレンからなる撹
拌床を有する、内容積200Lの撹拌機付き反応器を、
2個連結してなるプロセスを用いて重合を行なった。ま
ず前段の反応器をフルード数2.2の条件での撹拌下、
重合温度90℃、重合圧力32Kg/cm2 の条件で保
持するようにプロピレン及び水素を連続的にフィードし
た中、前記固体触媒成分、トリエチルアルミニウム、及
びジフエニルジメトキシシランを連続的にフィードし、
重合を開始した。その際、第一段でのポリマー生成速度
が22Kg/hr、生成ポリマーのMFIが15になる
ように触媒フィード量及び水素フィード量をコントロー
ルした。また各触媒成分のフィード比としては、固体触
媒成分中のTi量に対するトリエチルアルミニウムのモ
ル比が1:250、アルコキシシラン中のSiに対する
エチルアルミニウムのモル比が1:10の条件で重合を
行なった。
【0046】第一段で重合された重合物の一部はプロピ
レンガスとともに断続的に第二段の反応器へ送られ、新
たにエチレンをフィードし、プロピレンエチレン共重合
体を引続いて重合した。その際、イソプロピルアルコー
ル及びイソプロピルジメトキシシランを第一段にフィー
ドされたトリエチルアルミニウムに対するモル比とし
て、それぞれ1:0.05及び1:0.1の割合でフィ
ードした。重合条件としては、反応器内の混合ガス中の
プロピレンとエチレンの分圧比が100:40、重合温
度55℃であり、第一段での生成ポリマー量と第二段で
のポリマー生成量の比が100:30に成るように重合
圧力をコントロールし(この場合、約17Kg/c
2 )、連続して生成パウダーの一部を抜出した。固体
触媒成分1g当りのブロック共重合体の生成量は41.
9kgであった。
【0047】得られたプロピレン共重合体の物性を評価
した結果を表1に示す。
【0048】
【実施例2】第二段に添加するアルコールをn−ブチル
アルコールに変更し、その添加量を第一段にフィードさ
れたトリエチルアルミニウムに対するモル比として1:
0.3に変更する以外は実施例1と同様に重合し、ブロ
ック共重合体を得た。得られたプロピレン共重合体の物
性を評価した結果を表1に示す。
【0049】
【実施例3〜5】二段目に添加するメトキシシランとし
てそれぞれtert−ブチルn−プロピルジメトキシシラ
ン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、及びtert−ブ
チルメチルジメトキシシランを用い、その添加量を第一
段にフィードしたトリエチルアルミニウムに対するモル
比として、それぞれ1:0.15,1:0.50,およ
び1:0.3に変更した以外は実施例1と同様に重合し
ブロック共重合体を得た。得られたプロピレン共重合体
の物性を評価した結果を表1に示す。
【0050】
【実施例6】微粉状ポリプロピレン50Kgからなる撹
拌床を有する、内容積200Lの撹拌機付き反応器を、
2個連結してなるプロセスを用いて重合を行なった。ま
ず前段の反応器をフルード数2.2の条件での撹拌下、
重合温度87℃、重合圧力27Kg/cm2 の条件で保
持するようにプロピレン及び水素を連続的にフィードし
た中、実施例1で利用した固体触媒成分、トリエチルア
ルミニウム、及びジフェニルジメトキシシランを連続的
にフィードし、重合を開始した。その際、第一段でのポ
リマー生成速度が20Kg/hr、生成ポリマーのMF
Iが20になるように触媒フィード量及び水素フィード
量をコントロールした。また各触媒成分のフィード比と
しては、固体触媒成分中のTi量に対するトリエチルア
ルミニウムのモル比が1:200、ジフェニルジメトキ
シシランとトリエチルアルミニウムのモル比が1:10
の条件で重合を行なった。
【0051】第一段で重合された重合物の一部は同伴ガ
スを除去する工程及び再度窒素ガスにて加圧される工程
を経て、断続的に第二段の反応器へ送られ、新たにエチ
レンをフィードし、プロピレンエチレン共重合体を引続
いて重合した。その際、エチルアルコール及びイソプロ
ピルジメトキシシランを第一段にフィードされたトリエ
チルアルミニウムに対するモル比として、それぞれ1:
0.05及び1:0.2の割合でフィードした。重合条
件としては、反応器内の混合ガス中のプロピレンとエチ
レンの分圧比が100:35、重合温度55℃であり、
第一段での生成ポリマー量と第二段でのポリマー生成量
の比が100:20に成るように重合圧力をコントロー
ルし(この場合、約15Kg/cm2 )、連続して生成
パウダーを抜出した。
【0052】得られたプロピレン共重合体の物性を評価
した結果を表1に示す。
【0053】
【比較例1】共重合を行う第二段にジイソプロピルジメ
トキシシランを添加しないで実施例1と同様に重合を行
い、ブロック共重合体を得た。得られたプロピレン共重
合体の物性を評価した結果を表1に示す。
【0054】
【比較例2】プロピレン単独重合を行う第一段の重合温
度を75℃に変更する以外は実施例1と同様に重合ほ行
い、ブロック共重合体を得た。得られたプロピレン共重
合体の物性を評価した結果を表1に示す。
【0055】
【比較例3】プロピレン単独重合を行う第一段及びプロ
ピレンとエチレンの共重合を行う第二段の重合温度をと
もに70℃にて行う以外は実施例1と同様に重合し共重
合体を得た。得られたプロピレン共重合体の物性を評価
した結果を表1に示す。
【0056】
【比較例4】プロピレン単独重合を行う第一段に添加す
るアルコキシシランとしてシクロヘキシルエチルジメト
キシシランを用い、共重合を行う第二段に添加するメト
キシシランとしてフェニルトリメトキシシランを用いる
以外は実施例1と同様に重合し、プロピレンブロック共
重合体を得た。固体触媒1g当りのブロック共重合体の
生成量は29.6kgであった。得られた共重合体の物
性を評価した結果を表1に示す。
【0057】
【比較例5】プロピレン単独重合を行う第一段に添加す
るアルコキシシランとしてプロピルトリエトキシシラン
を用い、共重合を行う第二段に添加するメトキシシラン
としてジシクロペンチルジメトキシシランを用いる以外
は実施例1と同様に重合し、プロピレンブロック共重合
体を得た。重合時に多量の凝集固体が発生し、しばしば
運転を停止しなければならなかった。固体触媒1g当り
のブロック共重合体の生成量は20.2kgであった。
得られた共重合体の物性を評価した結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明の方法を用いることにより従来の
方法では得られなかった、剛性を低下させることなく低
温耐衝撃性が改善されたプロピレンブロック共重合体
を、気相重合にて連続して安定に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るプロピレンブロック共重合
体の製造法の一例を示すフローチャートである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)その成分として少なくともMg、
    Cl、芳香族カルボン酸エステル、及びTiを含む固体
    触媒成分、(B)有機アルミニウム化合物、(C)一般
    式 R1 S 2 t Si(OR34-(s+t) (式中R1 は芳香族炭化水素基、又は脂環式炭化水素基
    を表わし、R2 及びR3は炭素数1〜3の直鎖状炭化水
    素基を表わし、sは0<s≦2、tは0≦t≦2、及び
    s+tが1又は2である関係を満たす数である。)で表
    わされるアルコキシシラン化合物、からなる触媒を用
    い、気相重合法にてプロピレンブロック共重合体を製造
    する方法において、前段階でプロピレンの単独重合体も
    しくはプロピレンと少量の他のα−オレフィンとの共重
    合体を80℃を超える温度にて重合し、次いで後段階に
    おいて、前段重合温度よりも少なくとも20℃低い温度
    にて、該重合体の存在下にプロピレンとエチレンとを共
    重合し、最終生成物であるプロピレンブロック共重合体
    に含まれるエチレン含有量が、5〜30重量%になるよ
    う重合させ、その際後段階における重合に際して、前段
    に添加した(B)成分中のアルミニウム1g原子当り、
    前段で使用したアルコキシシラン化合物(C)とは異な
    る、(D)一般式 R4 x 5 (2-x) Si(OCH32 (式中R4 は分岐鎖状炭化水素基、又は脂環式炭化水素
    基を表わし、R5 は炭素数1〜3の直鎖状炭化水素基を
    表わし、xは0<x≦2の関係を満たす数である。)で
    示されるメトキシシラン化合物を0.01〜1.0モル
    の範囲で、更に(E)アルコールを0.01から2.0
    モルの範囲で添加することを添加することを特徴とする
    プロピレンブロック共重合体の製造方法。
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