JPH07245864A - ワイヤハーネスのスプライス方法および構造 - Google Patents

ワイヤハーネスのスプライス方法および構造

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JPH07245864A
JPH07245864A JP3458794A JP3458794A JPH07245864A JP H07245864 A JPH07245864 A JP H07245864A JP 3458794 A JP3458794 A JP 3458794A JP 3458794 A JP3458794 A JP 3458794A JP H07245864 A JPH07245864 A JP H07245864A
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Takeji Ito
武治 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプライス部の外周を、肥大化、重量化せ
ず、かつコスト安で確実に樹脂で囲むことができ、しか
も、金型費も安くなるワイヤハーネスのスプライス方法
および構造を提供する。 【構成】 底面部8aおよび両側部8b,8bを有する
断面略凹形状の樹脂部品8を予め成形し、該樹脂部品8
にワイヤハーネスW/Hの中間端子圧着Sを挿入して、
該中間端子圧着部Sとともに金型9のキャビティ9a,
9b内に配置し、該キャビティ9a,9b内に樹脂4を
注入して、中間端子圧着部Sと樹脂部品8との隙間およ
び中間端子圧着部Sの両側より突出した芯線aとキャビ
ティ9a,9bとの隙間に充填し、充填した樹脂4が硬
化した後に、該樹脂層4′をワイヤハーネスW/Hとと
もに金型9から取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤハーネスのスプ
ライス方法及び該方法により形成されたスプライス構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、互いに接続する電線の絶縁被覆を
皮剥ぎして芯線を露出させ、この露出した芯線同志を中
間圧着端子により接続する電線接合部において、該電線
接合部からの浸水を防止するため、該電線接合部および
中間端子の両側より突出した電線の芯線部分を樹脂でイ
ンサートモールドし、該樹脂の外周をシートで囲む防水
処理が一般になされている。
【0003】上記防水スプライス方法としては、図5に
示す金型1を用いた方法が提供されている。該方法で
は、ワイヤハーネスの電線W1,W2と中間圧着端子2
からなる電線接合部Sを金型1のキャビティ1a内に配
置し、該キャビティ1aに注入ノズル3から熱可塑性の
樹脂(ホットメルト…溶融樹脂)4を充填し、該樹脂4
を電線接合部Sの外周全体に回り込ませて、中間端子圧
着部Sおよび露出した芯線を樹脂4で包み込み、硬化す
るまで放置し、硬化後に金型1より取り出す。取り出さ
れたワイヤハーネスは、図6に示すとおりであり、中間
端子圧着部Sの外周および中間端子圧着部Sの両側より
突出した芯線をモールドして防水および絶縁を図る樹脂
層4′を備えている。
【0004】上記電線接合部Sを囲む樹脂層4′は、電
気的性能を満たすために、全外周部において少なくとも
1mmの厚さを必要とする。よって、上記金型1のキャビ
ティ1aにワイヤハーネスの中間端子圧着部Sをセット
して樹脂4を充填する方法では、図7(A)に示す水平
方向においても、また、図7(B)に示す垂直方向にお
いても、キャビティ1aの型面1bと中間端子圧着部S
との間には1mmの間隔をあける必要がある。
【0005】しかしながら、ワイヤハーネスの中間端子
圧着部Sを金型1のキャビティ1aにセットした時に、
中空のキャビティ1aにセットするため、図7(B)に
一点鎖線で示すように中間端子圧着部Sが垂れ下がるこ
とがあり、この場合、中間端子圧着部Sと型面1bとの
隙間G1は1mm以下になる。同様に、図7(A)に一点
鎖線で示すように横方向に湾曲すると隙間G2が1mm以
下になる。
【0006】そのため、従来、上記した場合を見込ん
で、たとえ正規のセット位置から外れてセットされても
1mmの樹脂層4′を確保できるように、キャビティ1a
の大きさが設定されている。即ち、正規位置にセットし
た状態で、キャビティ1aの型面1bと中間端子圧着部
Sとの間に1mm以上の隙間があるように、キャビティ1
aが設定されている。
【0007】その結果、従来の金型1を用いる方法で
は、樹脂層4′の厚さが1mm以上の必要以上の厚さとな
り、スプライスが肥大化する欠点があると共に、樹脂使
用量が増加して重量化およびコスト高になる欠点があ
る。また、中空のキャビティ1aの内部に中間端子圧着
部Sをセットするため、ワイヤハーネスの安定性が悪
く、その結果、中間端子圧着部Sの外周面に形成される
樹脂層4′の厚さが一定せず、品質が不安定となる欠点
がある。
【0008】さらに、キャビティ1a内において、中間
端子圧着部Sの下方部分にも樹脂4を流し込んで、中間
端子圧着部Sの全外周を包み込む必要があるが、樹脂4
の流動性が悪く、中間端子圧着部Sの下部に回り込まな
い場合が発生する。その場合、樹脂層4′で被覆されな
い箇所が生じることとなる。
【0009】このため、本出願人は、スプライス部の外
周を確実に樹脂で囲むことができるスプライス方法を先
に提供した。該方法は、図8に示すように、予め用意し
た樹脂型6内に、中間端子圧着部Sおよびその両側より
突出した芯線を挿入し、ついで、熱可塑性の樹脂4を樹
脂型6内に注入すると、樹脂型6の隙間に樹脂4が回り
込んで隙間なく充填され、しかも注入した樹脂4により
樹脂型6の内面が溶けて、樹脂4と一体に固着される。
樹脂4を注入した後、放置して置くと、樹脂型6と一体
化した状態で自然に硬化する。
【0010】上記樹脂型6を用いた場合、樹脂型6自体
の厚さを1mmに設定していると、樹脂型6に挿入するこ
とにより1mmの絶縁厚さが確保され、よって、樹脂型6
と中間端子圧着部Sの間に1mm以上の隙間を設けておく
必要がない。また、樹脂型6に注入する樹脂4は、少な
くとも、樹脂型6により囲まれていない中間端子圧着部
Sの上方を囲むと共に、中間端子圧着部Sと樹脂型6と
を接着し、かつ、両側の電線と樹脂型6の隙間を閉塞す
る作用をすれば良く、中間端子圧着部Sの下部まで樹脂
4を回り込まさなくても樹脂型6の底面部で囲まれてい
るため、樹脂型6に注入する樹脂量を従来より少なくで
きる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
プライス方法では、樹脂型6が比較的大きくなり、その
成形金型が大きくなるので、金型費が高くなる。また、
樹脂型6は、中間端子圧着部分およびその両側より突出
する芯線部分を確実に収容するために、外形等の寸法精
度が要求されるので、金型費がさらに高くなるという問
題がある。
【0012】本発明は上記問題を解消するためになされ
たもので、スプライス部の外周を、肥大化、重量化せ
ず、かつコスト安で確実に樹脂で囲むことができ、しか
も、金型費も安くなるワイヤハーネスのスプライス方法
および構造を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1は、底面部および両側部を有する
断面略凹形状の樹脂部品を予め成形し、ワイヤハーネス
の中間端子圧着部を上記樹脂部品に挿入し、該状態で樹
脂部品および該樹脂部品の両側より突設している電線の
絶縁被膜先端部分までを金型のキャビティ内に配置し、
ついで、該キャビティ内に上記樹脂部品をモールドした
状態で樹脂を注入して、中間端子圧着部と樹脂部品の隙
間および樹脂部品より突出している電線とキャビティの
隙間に樹脂を充填し、該充填した樹脂を硬化させた後
に、該樹脂層をワイヤハーネスと共に金型から取り出す
ことを特徴とするワイヤハーネスのスプライス方法を提
供するものである。
【0014】また、請求項2で、上記金型は、下型のキ
ャビティ内に上記ワイヤハーネスのスプライス部を挿入
した樹脂部品を配置した後に、上型により閉型して、充
填樹脂を加圧した状態で注入しているスプライス方法を
提供するものである。
【0015】また、請求項3は、請求項1の方法で製造
したワイヤハーネスのスプライス構造を提供するもので
あり、ワイヤハーネスの中間端子圧着部を収容する底面
部および両側部を有する断面凹形状の樹脂部品と、該中
間端子圧着部を収容した樹脂部品とその両側より突出し
た電線の絶縁被膜部分までをモールドして成形した樹脂
層を備えたことを特徴とするワイヤハーネスのスプライ
ス構造を提供するものである。
【0016】さらに、請求項4は、上記充填する樹脂と
して、熱可塑性樹脂を用いたものであり、請求項5は、
上記樹脂部品として、絶縁性、熱可塑性および充填する
樹脂と接着性を有する樹脂を用いたものである。
【0017】さらにまた、請求項6は、上記樹脂部品の
樹脂と、充填する樹脂とは、同一の樹脂を用い、該樹脂
として、ポリプロピレン、ポリアミド、あるいは塩化ビ
ニールを用いたものである。ポリプロピレンの耐熱温度
は80〜100℃で、金型のキャビティへの注入時に
は、150℃に加熱して溶融状態とし、金型に加圧注入
すると、接触する樹脂部品の内外面を溶かして一体に固
着すると共に、注入後、放置しておくと硬化する。ま
た、ポリアミドの耐熱温度は120〜140℃であり、
金型のキャビティへの注入時には、200℃に加熱して
溶融状態としている。なお、注入する樹脂として、加熱
して溶融状態(ホットメルト)としたものを用いる代わ
りに、2液混合接着剤(ウレタン等)や1液性接着剤
(シリコーンRTV)を用いてもよい。
【0018】
【作用】本発明の請求項1によれば、予め成形した樹脂
部品にワイヤハーネスのスプライスした中間端子圧着部
分を挿入し、この状態で樹脂部品を金型のキャビティ内
に配置すると共に、樹脂部品の両側より突出した電線の
芯線を絶縁被膜先端部分まで金型のキャビティ内に配置
する。ついで、キャビティ内に樹脂を注入すると、樹脂
部品と中間端子圧着部分の隙間に樹脂が充填されると共
に、樹脂部品より突出している電線の芯線とキャビティ
との隙間にも樹脂が充填され、言わば、樹脂部品をイン
サートモールドした状態で樹脂が注入される。しかも、
注入した樹脂により樹脂部品の表面が溶融して、注入し
た樹脂と一体に固着される。樹脂を注入した後、放置し
ておくと樹脂部品と一体化した状態で自然に硬化する。
【0019】また、請求項2に記載したように、金型を
上下型より構成して、型閉めした後、樹脂を加圧状態で
注入すると、粘度の比較的高い樹脂を加圧状態で注入で
き、樹脂の浸透性を良好として、樹脂部品と中間端子圧
着部分の隙間に漏れなく充填できると共に、樹脂部分の
両側より突出している電線の芯線とキャビティの隙間に
も樹脂を確実に充填できる。なお、前記従来の図8に示
す樹脂型を用いた場合は、樹脂型は上面開口であるた
め、樹脂を加圧状態で充填することは困難であるため、
粘度の低い樹脂を用いる必要があったが、これに対し
て、本発明では高粘度の樹脂を充填することが可能とな
る。
【0020】上記樹脂部品を用いた場合、樹脂部品自体
の厚さを1mmに設定していると、中間端子圧着部に樹脂
部品を挿入するだけで絶縁が図られ、よって、金型のキ
ャビティと中間端子圧着部との間に1mm以上の隙間をあ
けておく必要がない。さらに、樹脂部品は、中間端子圧
着部に挿入するだけであるから小さくてよく、その成形
金型も小さくなるので、金型費も安くなる。さらにま
た、樹脂部品は、充填する樹脂にインサートモールドさ
れるから、外形等の寸法精度が要求されないので、金型
費がさらに安くなる。
【0021】また、請求項3のように、底面部および両
側部を有する断面略凹形状の樹脂部品に中間端子圧着部
に挿入し、該中間端子圧着部と樹脂部品および樹脂部品
の両側より突出した電線の芯線と金型のキャビティとの
間に樹脂を充填した構成とすれば、仮に、中間端子が樹
脂部品の内面と接触して中間端子と樹脂部品との間に樹
脂が回り込まない部分が発生しても、樹脂部品自体によ
り絶縁される。
【0022】さらに、請求項4では、上記充填する樹脂
として熱可塑性樹脂を用い、金型に溶融状態で樹脂を加
圧注入している。よって、注入した樹脂の流れがよく、
接合する電線の外周および露出した芯線の隙間にも樹脂
が回り込んで、電線接合部を確実に包み込むことができ
る。また、加熱しているため、樹脂部品の内外表面を溶
かして、注入した樹脂と樹脂部品とを一体に溶着するこ
とができる。
【0023】さらにまた、請求項5では、上記樹脂部品
を成形する樹脂として、絶縁性、熱可塑性および接着性
を有する樹脂を用いているため、中間端子圧着部分の絶
縁を確実に図ることができると共に、金型に注入する樹
脂と確実に接着して一体化させることができる。特に、
請求項6のように、上記樹脂部品を成形する樹脂として
は、金型に注入する充填樹脂と同一の樹脂を用い、該樹
脂として、ポリプロピレン、ポリアミドあるいは塩化ビ
ニールを用いると、加工温度(溶融温度)がさほど高く
なく、加工性がよいと共に、上記絶縁性、接着性の点が
優れ、しかも経済性の点より好ましい。
【0024】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。なお、図5以下の従来技術と同一構成・作用の
箇所は同一番号を付して詳細な説明は省略する。図2に
示すように、ワイヤハーネスW/Hの中間端子圧着部S
は、中間を皮剥ぎして芯線aを露出させた第1電線W1
と、先端を皮剥ぎして芯線bを露出させた第2電線W2
とを、露出させた芯線a,b同志を中間圧着端子2で圧
着して接続している。
【0025】一方、断面が略U字形状の樹脂部品8を予
め専用の金型で成形しておく。該樹脂部品8は、半円状
の底面部8aの両縁部から上方にそれぞれ立ち上がった
両側部8b,8bを有している。該両側部8b,8bの
内幅cは、上記中間端子圧着Sの中間圧着端子2を上方
から挿入したとき、該中間圧着端子2の両側面にその弾
性で挟着する寸法に設定する。この挟着力または係止力
を強めるために、両側部8b,8bの内面に、セレーシ
ョンのような係止凹凸部を形成するのが好ましい。ま
た、上記樹脂部品8の長さlは、上記中間圧着端子2の
長さよりも僅かに長く設定する。該樹脂部品8の底面部
8aおよび両側部8b,8bの厚さtは、電気的絶縁性
能を満たすための厚さ、例えば1mmに設定する。なお、
樹脂部品8は、図2の右側に図示したように、断面が略
コ字形状であってもよい。
【0026】図1に示すように、金型9は、上面が開口
した四角箱状の下型9Bを有し、該下型9Bのキャビテ
ィ9bの前壁9cには、上記第1電線W1を上方から挿
通する電線挿通溝9dを形成している。また、キャビテ
ィ9bの後壁9eには、上記第1および第2電線W1,
W2を上方から挿通する電線挿通溝9f,9gをそれぞ
れ形成している。
【0027】図3に示すように、上記金型9の上型9A
は、下面が開口した四角箱状に形成されて、下型9Bに
被せたとき、上型9Aのキャビティ9aが下型9Bのキ
ャビティ9bと合致する。該上型9Aの上壁9hには、
樹脂注入ノズル3が嵌入する注入口9iが形成されてい
る。該注入口9iは、電線方向の2箇所に形成して、そ
れぞれに樹脂注入ノズル3を嵌入する構成としてもよ
い。
【0028】上記金型9に注入する樹脂4としては、熱
可塑性樹脂を用い、溶融した状態で金型9に注入し、キ
ャビティ9a,9bで全ての隙間に樹脂4を充填してい
る。なお、上記樹脂4は、図8に示した従来の樹脂型6
の場合には、上方から流し込むだけであったから、粘度
が3000cps程度の低さの方が好ましかったが、本
実施例では粘度を15000cps程度に高くして全て
の隙間に樹脂4を充填するために、注入ノズル3から圧
力をかけて注入するようにしている。
【0029】予め成形しておく樹脂部品8の素材となる
樹脂は、注入する樹脂4と同一の樹脂4を用い、樹脂4
と樹脂部品8とが接着して一体になるものを用いてい
る。即ち、樹脂4を、加熱して溶融状態として金型9に
注入すると、その熱により樹脂部品8の内外表面が溶け
て、樹脂4と樹脂部品8の内外面が溶着して一体化す
る。上記樹脂部品8を成形する樹脂4、および注入する
樹脂4として、ポリプロピレン、ポリアミドあるいは塩
化ビニールを用いている。
【0030】上記構成において、スプライス作業をする
場合には、図2に示したように、予め成形した樹脂部品
8を、ワイヤハーネスW/Hの中間端子圧着部Sの中間
圧着端子2を上方から挿入する。該樹脂部品8は、図1
に示したように、その弾性で圧着端子2に挟着されて保
持される。
【0031】そして、図3(A)に示したように、樹脂
部品8を中間端子圧着Sとともに下型9Bのキャビティ
9b内に配置すると共に、下型9Bに上型9Aを被せ
る。
【0032】その後、図3(B)に示したように、樹脂
注入ノズル3からキャビティ9a,9bに熱可塑性の樹
脂(ホットメルト…溶融樹脂)4を圧力をかけて充填す
ると、中間端子圧着部Sと樹脂部品8との隙間および樹
脂部品の両側より突出した電線W1,W2の芯線a,b
とキャビティ9a,9bとの隙間に樹脂4が回り込んで
隙間なく充填され、しかも、注入した樹脂4により樹脂
部品8の内外表面が溶けて、注入した樹脂4と一体に固
着される。
【0033】樹脂4を注入して一定時間だけ放置してお
くと、樹脂4は樹脂部品8と一体化した状態で自然に硬
化する。その後、図3(C)に示したように、上型9A
を外して、下型9Bから硬化した樹脂層4′をワイヤハ
ーネスとともに取り出す。
【0034】上記加工工程において、樹脂部品8に挿入
する中間端子圧着部Sは、その底面と、電線W1,W2
の長さ方向に沿った両側、即ち、上面以外の三方が樹脂
部品8の底面部8aと両側部8b,8bで囲まれてお
り、樹脂部品8の存在により絶縁性が保証されている。
また、中間端子圧着部Sは中間圧着端子2の部分で垂れ
下がることはあっても、上向きに屈曲することはほとん
どないため、金型9へ中間端子圧着部Sをセットする
時、その位置が正規の位置(キャビティ9a,9bの内
面と所定の隙間を保持した位置)にセットされているか
を考慮する必要がない。
【0035】さらに、樹脂部品8が絶縁性を有するた
め、該樹脂部品8と中間端子圧着部Sの間に充填する樹
脂4の厚さは、従来の所要の厚さ1mm以下でもよいた
め、金型9のキャビティ9a,9bに注入する樹脂量を
従来よりも少なくすることができる。
【0036】また、樹脂部品8は、中間端子圧着部Sを
挿入するだけであるから、外形状が小さく、樹脂部品8
の成形金型が小さくなるので、金型費が安くなる。しか
も、樹脂部品8は、樹脂4にインサートモールドされる
から、外形等の寸法精度が要求されないので、金型費が
より安くなる。
【0037】上記実施例では、ワイヤハーネスW/Hの
中間端子圧着部Sを樹脂部品8に予め挿入してから下型
9Bのキャビティ9b内に配置するようにしたが、図4
に示すように、樹脂部品8を予め下型9Bのキャビティ
9b内に配置してから、ワイヤハーネスW/Hの中間端
子圧着部Sを樹脂部品8に挿入するようにしてもよい。
【0038】上記実施例は、中間を皮剥ぎした第1電線
W1に先端を皮剥ぎした第2電線W2を接合して、電線
接合部Sが2本の電線からなるものであるが、2本以上
の多数本の電線を接合した電線接合部Sのスプライスに
も適用できることは言うまでもない。
【0039】さらに、上記実施例では樹脂部品8を成形
する樹脂4と、注入する樹脂4とは、同一の樹脂4を用
いているが、異なる樹脂を用いてもよい。その場合に
は、注入する樹脂の温度により、樹脂部品8の内外面が
溶融して、注入する樹脂4と接着する樹脂であればよ
い。
【0040】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、請求項1の方法として、予め成形した樹脂部
品にワイヤハーネスの中間端子圧着部を挿入し、この樹
脂部品とともに両側の電線の芯線を金型のキャビティ内
に配置して、キャビティ内に樹脂を注入して硬化させて
いるため、樹脂部品自体により中間端子圧着部の絶縁性
が確保される。よって、必ずしも中間端子圧着部の外周
に絶縁性を確保できる厚さで樹脂が充填される必要がな
い。よって、成形金型内に配置する中間端子圧着部のセ
ット位置が多少ずれても問題はなく、作業性がよくな
る。
【0041】さらに、樹脂部品は、中間端子圧着部に挿
入するだけであるから小さくてよく、その成形金型も小
さくなるので、金型費も安くなる。さらにまた、樹脂部
品は、樹脂にインサートモールドされるから、外形等の
寸法精度が要求されないので、金型費がさらに安くな
る。
【0042】また、請求項3のスプライス構造では、樹
脂部品自体により絶縁性を確保できるため、中間端子圧
着部が樹脂部品の内面と接触して中間端子圧着部と樹脂
部品との間に樹脂が回り込まない部分が発生しても、樹
脂部品自体により絶縁されるので、中間端子圧着部にお
ける確実な絶縁を図ることができる。
【0043】さらに、請求項4では、金型に填する樹脂
として熱可塑性樹脂を用い、金型に溶融状態で樹脂を加
圧注入している。よって、樹脂の浸透性が良いと共に樹
脂を注入した後、放置しておくだけで硬化し、しかも、
樹脂部品と一体に溶着することができる。
【0044】さらにまた、請求項5では、上記樹脂部品
を成形する樹脂として、絶縁性、熱可塑性および接着性
を有する樹脂を用いているため、中間端子圧着部の絶縁
を確実に図ることができると共に、金型に注入する樹脂
と確実に接着して一体化させることができる。特に、請
求項6のように、上記樹脂部品を成形する樹脂として
は、金型に注入する充填樹脂と同一の樹脂を用い、該樹
脂として、ポリプロピレン、ポリアミドあるいは塩化ビ
ニールを用いると、加工温度(溶融温度)がさほど高く
なく、加工性がよいと共に、上記絶縁性、接着性の点が
優れ、しかも経済性の点より好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のワイヤハーネスの中間端子圧着を樹
脂部品に挿入した斜視図である。
【図2】 図1のワイヤハーネスの中間端子圧着部を樹
脂部品に挿入する前の斜視図である。
【図3】 (A)はワイヤハーネスをセットした成形金
型の断面図、(B)は樹脂を注入した成形金型の断面
図、(C)はワイヤハーネスの樹脂層の斜視図である。
【図4】 樹脂部品を予め配置した成形金型の斜視図で
ある。
【図5】 従来の成形金型の斜視図である。
【図6】 従来のワイヤハーネスの樹脂層の斜視図であ
る。
【図7】 (A)は中間端子圧着部が水平方向にずれた
状態を示す平面図、(B)は中間端子圧着部が垂直方向
にずれた状態を示す断面図である。
【図8】 樹脂型を用いたスプライス構造であり、
(A)は樹脂型の斜視図、(B)は樹脂を充填した樹脂
型の平面断面図、(C)は樹脂を充填した樹脂型の側面
断面図である。
【符号の説明】
2 圧着端子 3 注入ノズル 4 樹脂 4′ 樹脂層 8 樹脂部品 8a 底面部 8b 両側部 9(A,B) 金型 9a,9b キャビティ S 中間端子圧着部 W/H ワイヤハーネス W1 第1電線 W2 第2電線

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底面部および両側部を有する断面略凹形
    状の樹脂部品を予め成形し、ワイヤハーネスの中間端子
    圧着部を上記樹脂部品に挿入し、該状態で樹脂部品およ
    び該樹脂部品の両側より突設している電線の絶縁被膜先
    端部分までを金型のキャビティ内に配置し、ついで、該
    キャビティ内に上記樹脂部品をモールドした状態で樹脂
    を注入して、中間端子圧着部と樹脂部品の隙間および樹
    脂部品より突出している電線とキャビティの隙間に樹脂
    を充填し、該充填した樹脂を硬化させた後に、該樹脂層
    をワイヤハーネスと共に金型から取り出すことを特徴と
    するワイヤハーネスのスプライス方法。
  2. 【請求項2】 上記金型は、下型のキャビティ内に上記
    ワイヤハーネスのスプライス部を挿入した樹脂部品を配
    置した後に、上型により閉型して、充填樹脂を加圧した
    状態で注入している請求項1に記載のスプライス方法。
  3. 【請求項3】 ワイヤハーネスの中間端子圧着部を収容
    する底面部および両側部を有する断面凹形状の樹脂部品
    と、該中間端子圧着部を収容した樹脂部品とその両側よ
    り突出した電線の絶縁被膜部分までをモールドして成形
    した樹脂層を備えたことを特徴とするワイヤハーネスの
    スプライス構造。
  4. 【請求項4】 上記充填する樹脂として、熱可塑性樹脂
    を用いた請求項3に記載のワイヤハーネスのスプライス
    構造。
  5. 【請求項5】 上記樹脂部品として、絶縁性、熱可塑性
    および充填する樹脂と接着性を有する樹脂を用いた請求
    項3に記載のワイヤハーネスのスプライス構造。
  6. 【請求項6】 上記樹脂部品の樹脂と、充填する樹脂と
    は、同一の樹脂を用い、該樹脂として、ポリプロピレ
    ン、ポリアミド、あるいは塩化ビニールを用いた請求項
    3、請求項4または請求項5に記載のワイヤハーネスの
    スプライス構造。
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